以下に本発明の実施の形態を弾球遊技機の一例たるパチンコ機を例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はパチンコ機の斜視図、図2はパチンコ機の要部を示す部分正面図、図3は発射力調節装置と球発射部材を示すためのパチンコ機の要部水平断面図、図4は操作基台の高さの中間を横断するパチンコ機の要部水平断面図、図5は図4の状態から操作部を回動させた状態を示すパチンコ機の要部水平断面図、図6(a),(b)は操作部浮揚付勢手段を説明するためのもので操作部と操作基台の要部を示す縦断面図、図7は発射力調節装置の分解斜視図、図8は操作部の分解斜視図、図9は操作基台内部の部品を示す分解斜視図、図10は図3のA−A線断面図、図11,図12は他の形態を示すパチンコ機の要部水平断面図である。
[パチンコ機]
パチンコ機1は、図1,図2に示したように、四角く枠組みした外枠2と、該外枠2の一側上下部に取り付けた蝶番部材3,3と、該蝶番部材3,3により前記外枠2の前面に回動可能に取り付けた前枠4と、を有する。
このパチンコ機1の前枠4の正面には、ガラスや合成樹脂の透明板を装着した窓部5と、その窓部5の下側に突設された球皿6と、が設けられている。
一方、前枠4の裏側には、前記窓部5と対向する位置に装着された遊技盤50(図14参照)と、遊技球を貯める球タンク7その他の遊技機用機能部品を装着したいわゆる機構板8等が取り付けられている。
また、前記遊技盤50の正面には後述するガイドレール51で円形に囲った遊技領域52が形成されており、その遊技領域52が前枠4の前記窓部5を透して遊技者から見えるようになっている。
パチンコ機1は、前記球皿6にある遊技球を遊技者が前記遊技盤50の遊技領域52に向けて発射させ、その遊技球が遊技領域52に設けられている入賞口に入った場合に景品として複数個の遊技球(景品球や賞球ともいう)を機前の球皿6に放出し、一方、遊技球が入賞しなかった場合にその遊技球をアウト球として前記機構板8を介して機裏に排出するものである。そのためパチンコ機1には、遊技盤50の遊技領域52に向けて遊技球を発射させる球発射部材9と、該球発射部材9の発射力の強弱を調節する発射力調節装置10とが設けられている。
[球発射部材]
前記球発射部材9は、図2に示したように、遊技盤50の下側であって該遊技盤50の前面と面一の垂直面を構成するように前記前枠4の裏側に設けた発射基板11と、該発射基板11の前面に固着した発射レール12と、前記球皿6から発射レール12上に供給される遊技球を一個ずつ打ち出す電動打球槌13と、により概略構成される。
[球発射部材…電動打球槌]
前記電動打球槌13は、図2,図3に示したように、前枠4の裏側下方に該前枠4との間に空間14を設けて固着した支持基板13aと、該支持基板13aの裏側(反・前枠4側の面)に固着したロータリーソレノイド13bと、支持基板13aを貫いて前側(前枠4側の面)に突出させた前記ロータリーソレノイド13bの出力軸13cと、支持基板13aと前枠4の間の前記空間14内で揺動可能なように前記ロータリーソレノイド13bの出力軸13cに取り付けた槌本体13dと、から概略構成される。
この電動打球槌13は、ロータリーソレノイド13bに電力が供給されないとき、槌本体13dが自重で図2二点鎖線の倒れた位置にある。この状態でロータリーソレノイド13bにパルス状の電圧を印加すると、該ロータリーソレノイド13bのステータの突極(図示せず)が励磁され、ロータの突極若しくは磁極(図示せず)と勢いよく引き合い、その力で出力軸13cが回動し、槌本体13dが図2破線の発射位置に勢いよく変位する。また、パルス状の電圧は、すぐに無くなるためロータリーソレノイド13bの前記ステータの突極が消磁し、槌本体13dが自重で図2二点鎖線の倒れた位置に戻る。
電動打球槌13の槌本体13dの上端にはゴムなどの弾性体やコイルスプリングで形成した打撃部材13eが設けられており、槌本体13dが前記した発射位置に至ったとき該打撃部材13eが発射レール12の発射位置にある遊技球のほぼ芯を打つ。
[発射力調節装置]
前記のように槌本体13dで打ち出された遊技球は、発射レール12から円形のガイドレール51を伝って遊技盤50の遊技領域52に飛び込むが、その位置は前記槌本体13dの発射力によって異なる。その槌本体13dの発射力の調節は、前記のように発射力調節装置10によって行うことができる。
実施形態の発射力調節装置10は、図1,図7に示したように、機前の下方から遊技者側に向けてほぼ水平に突設した操作基台15と、該操作基台15の上面に位置し該操作基台15上に設定した定点P(具体的には後述する軸孔22の中心(図3参照))を中心としたほぼ扇形の軌跡を描く状態で首振り回動可能な操作部16と、該操作部16の前記首振り回動によって前記球発射部材9の発射力を強弱させ得る調節手段17と、前記操作部16を前記球発射部材9の発射動作が停止するよう関連付けられた初期位置に向けて付勢する操作部復動手段18と、前記操作部16を前記操作基台15の上面から浮かせて隙間19(図6(a),図10参照)を形成する操作部浮揚付勢手段20と、を備えている。
[発射力調節装置…操作基台]
前記操作基台15は、機前の下方、具体的には図2に示したように、前枠4の正面向かって右下にあって、そこから遊技者側に向けてほぼ水平に突設されている。なお、操作基台15の前枠4を挟んだ裏側には、前記球発射部材9の槌本体13dが位置している。
操作基台15の平面形状は、図3に示したように、水平な長方形を基本形としてそれを変形させたものであって、該長方形の遊技者に近い方を手前側として、遊技機の正面向かって右側に位置する手前側角部を遊技者側に引っ張って鋭角に変形させると共に、その鋭角の角部に弧状のアール部21を形成したものになっている。
また、操作基台15は、図7に示したように、上面部材15aと、該上面部材15aの下側の周囲を囲う側面部材15bと、該側面部材15bの下側をカバーする底面部材15cと、で構成された中空構造であり、その中空の内部が後述する部品類を組み込むための機構室15dになっている。なお、操作基台15の前記側面部材15bは、前枠4に接する一辺を除いて上面部材15aと一体の内部材15b−1と、その外側を取り巻いて装飾的にカバーする外部材15b−2と、の二重構造になっている。
操作基台15には、上面部材15aの前記アール部21に、前記機構室15dに貫通する円形の軸孔22と、同じく機構室15dに通じる略角形の連通孔23とが穿設されている。
また、操作基台15には、上面部材15aに前記軸孔22を中心とする平面視円弧形で凸状(例えば山形状)に盛り上げた形態の軌道部24が複数本等間隔且つ波紋状態に並べられている。
また、操作基台15には、前記軌道部24の最も外側のものに接するように前記軸孔22を中心とする弧状長孔25が穿設されている。この弧状長孔25の下面には弧状底蓋26が宛がわれており、その弧状底蓋26の遊技者に近い側の端部(以下「始端部」ともいう。)の外側に前記電動打球槌13を作動・停止させるメインスイッチ27が取り付けられている。また、弧状底蓋26の始端部には、前記メインスイッチ27のスイッチ片27aを作動させる揺動レバー28の一端が臨んでいる。
[発射力調節装置…操作部]
前記操作部16は、あたかも大型の卵をギザギザの切り口にして上下に分割し下側の半分を取り除いたような形態であり、図8に示したように、前記操作基台15の上面に載る底部16aと、その底部16a上にあって遊技者が手掌(しゅしょう…手の平)側を下向きにして手を載せ置くための手載せ部16bと、前記電動打球槌13を一時的に停止させ得る一時発射停止手段29と、を有する。
この操作部16は、底部16aと手載せ部16bを別々に樹脂成形してビス16c(図10参照)により接合したものであり、その内部に前記一時発射停止手段29が組み込まれ、さらに前記した操作部浮揚付勢手段20も組み込まれている。
[発射力調節装置…操作部…底部]
操作部16の前記底部16aは、前記手載せ部16bに対して印籠嵌合可能な上向きの嵌合口部16dと、長手方向の一端に延設した軸基板16eと、長手方向の他端に下向きに突設したL型屈曲片16fと、前記操作基台15の軌道部24に整合する逆さ凹状の摺動部16gと、を有する。前記軸基板16eには下向きに回動軸16hが突設されており、該回動軸16hが操作基台15の前記軸孔22に回動可能な状態に嵌合する。一方、操作部16の底部16aの前記摺動部16gは、前記回動軸16hを中心とする平面視円弧形で複数本等間隔且つ波紋状態に並べられており、従って、該摺動部16gは操作基台15の軌道部24と同じく、操作基台15の上面部材15aの前記軸孔22を中心とする平面視円弧形である。
[発射力調節装置…操作部…手載せ部]
操作部16の前記手載せ部16bは、遊技者が手掌側を下向きにして手を載せ置くものであって、指先を若干開いた状態の成人男性の片手でほぼ覆える程度の大きさである。しかして、成人男性が手掌側を下向きにして手載せ部16bに手を載せ置くことにより、親指と小指とが手載せ部16bの側面及び操作基台15の上面と接触して手載せ部16bを挟み込み、人差し指と中指と薬指とが手載せ部16bの上面に載った状態となる。
[発射力調節装置…操作部…一時発射停止手段]
前記操作部16の内部には、電動打球槌13を一時停止させ得る一時発射停止手段29が取り付けられている。この一時発射停止手段29は、手載せ部16bの内側にスイッチ取付部材29aを介して取り付けられたサブスイッチ29bと、手載せ部16bの外側上面に片持ち梁状に固定することによって自由端側に弾性を付与した作動片29cと、から概略構成される。そして、作動片29cの自由端側には上面にボタン凸部29dが設けられ、下面にスイッチ押え29eが突設され、図10の拡大図に示したように、前記スイッチ押え29eが手載せ部16bの通し孔16iを通って前記サブスイッチ29bのスイッチボタン29fの上面に臨んでいる。サブスイッチ29bは、例えば公知のマイクロスイッチであり、そのスイッチボタン29fが、内部のバネ(図示せず)の弾性により外部に突出する方向に常時付勢されていてその状態で内部の接点が閉じている。従って、このスイッチボタン29fが外部に突出しているとき電動打球槌13は、他の条件の成立を条件に作動し、スイッチボタン29fが下がればたとえ作動中でも停止する。
一時発射停止手段29は以上のような構成であり、作動片29cのボタン凸部29dに力を加えない状態では作動片29cの弾性によりスイッチ押え29eがサブスイッチ29bのスイッチボタン29f上に位置しており、この状態で電動打球槌13は作動可能である。従って、この状態で前記したメインスイッチ27がONになる等、他の所定条件が整えば電動打球槌13は作動する。
一方、電動打球槌13が作動しているときに作動片29cのボタン凸部29dを指で押さえると、スイッチ押え29eが下がってサブスイッチ29bのスイッチボタン29fが押し込まれ、そうするとたとえ作動中であっても電動打球槌13は停止し、遊技球の発射が止まる。そして任意のタイミングでボタン凸部29dから指を離すと、作動片29cが自己の弾性により復動し、スイッチ押え29eが上昇してサブスイッチ29bのスイッチボタン29fも上昇し、これによって電動打球槌13が作動を再開する。
このように作動片29cのボタン凸部29dを遊技者自身が押圧・解放操作することにより、遊技球の発射を任意のタイミングで任意の時間一時的に停止させることができる。
なお、図8,図10において16jは前記作動片29cの上面を覆うように手載せ部16bに装着したカバー部材、16kは該カバー部材16jに設けた貫通長孔であり、該貫通長孔16kから作動片29cのボタン凸部29dがカバー部材16jの外に出る。このカバー部材16jは導電構造のタッチスイッチになっており、該カバー部材16jに遊技者の手が触れていることを検知し、手が触れている場合にのみ前記電動打球槌13の作動を可能とする。
また、図8,図10において16mは手載せ部16bの反サブスイッチ29b側の端部から下向きに突設した水平断面コ字状の配線支柱であり、該配線支柱16mを操作基台15の前記連通孔23に差し込んでその先端を前記機構室15dに臨ませると共に、その配線支柱16mの中を通って前記サブスイッチ29bの配線(図示せず)やカバー部材16jのタッチスイッチの配線(図示せず)が機構室15dに引き込まれる。
[発射力調節装置…操作部+操作基台]
前記操作部16は、底部16aの一端の軸基板16eに突設した前記回動軸16hを前記操作基台15の軸孔22に挿通し、一方、底部16aの他端に突設したL型屈曲片16fを操作基台15の弧状長孔25に通した状態で操作基台15の上面に設置されている。操作部16は、前記のように指先を若干開いた状態の成人男性の片手でほぼ覆える程度の大きさであり、従って操作姿勢で前記操作基台15の上面にも操作する手の一部が載る。
操作部16は、図3に示したように、首振り回動の中心たる前記回動軸16h(=軸孔22)が遊技者寄りの位置に配置されると共に扇形の軌跡の円弧側が反遊技者側(前枠4の前面側)に向かう向きになっている。
操作基台15の上面に操作部16を設置した状態で、操作基台15の軌道部24の出っ張りと操作部16の摺動部16gの凹みが緩やかな嵌め合い状態で合わさっている。操作基台15の軌道部24と操作部16の摺動部16gは中心(回動軸16hと軸孔22)を同じくする平面視円弧形であるから、操作部16は、操作基台15の軌道部24と摺動部16gとが合わさったまま回動軸16h(=軸孔22)の中心を定点Pとしてその定点Pを中心に首振り回動可能である。
一方、操作部16の底部16aの一端に下向き突設したL型屈曲片16fは、前記軌道部24や摺動部16gと中心(回動軸16h、軸孔22)を同じくする平面視円弧形の弧状長孔25の中を移動するため、操作部16の首振り回動を妨げない。さらにL型屈曲片16fは、図10の拡大図に示したように操作基台15の弧状長孔25の開口縁に内側から引っ掛かるように位置設定されており、このL型屈曲片16fの引っ掛かりにより操作部16の一端が浮き上がらないようになっている。なお、操作基台15の弧状長孔25の開口縁の下面沿いには下向きのリブ25aが突設されており、操作部16のL型屈曲片16fとの接触部をほぼ線状にして摩擦を低減し、もって操作部16の軽やかな動きが妨げられないようにしてある。
また、L型屈曲片16fは、操作部16が最も遊技者側に近寄った図3実線の位置にあるとき、前記メインスイッチ27の揺動レバー28に作用して該メインスイッチ27をOFFにする。こうしてメインスイッチ27がOFFになると電動打球槌13は作動せず、球発射部材9の発射動作は停止する。
従って本実施形態において、操作基台15上での最も遊技者側に近寄った図3実線の操作部16の位置が、球発射部材9の発射動作が停止するよう関連付けられた初期位置である。
[発射力調節装置…調節手段]
前記球発射部材9の発射力を強弱させる調節手段17は、球発射部材9の前記ロータリーソレノイド13bに印加するパルス状の電圧値を変更可能な可変抵抗器であり、図9に示したように、略円柱形を呈する抵抗器本体17aと、その抵抗器本体17aの中心から突出する調節軸17bと、を有する。そして、前記操作基台15の上面部材15aの裏側(下面)に、該上面部材15aにビス着されている支持部材30を介して前記調節軸17bを上向きにした状態で取り付けられている。なお、調節手段17の抵抗器本体17aは、支持部材30の下側に出っ張った状態になっているため、操作基台15の底面部材15cに長円形のカップ部15eを設けてその中に抵抗器本体17aが収まるようになっている。
[発射力調節装置…調節手段+操作部]
前記調節手段17と前記操作部16は、図4,図5,図9,図10に示したように、略扇形の原動内歯車31と、略扇形の従動平歯車32との組み合わせである歯車伝動機構により連結されている。
前記原動内歯車31は、前記操作基台15の上面部材15aの裏側に沿う位置にあって前記操作部16の回動軸16hの下端にビスにより固着されており、従って操作部16と一体に首振り回動可能である。この原動内歯車31は、円周部分の周壁31aの内側に内歯車を構成する歯31b,31b…を有すると共に周壁31aの外側にフランジ片31cを有し、該フランジ片31cが、操作基台15の上面部材15aに軸着されている回転ローラ33の溝33aの間を通るようになっている。従って原動内歯車31の重量バランスが扇形であるが故に周壁31a側に偏っていても、回転ローラ33の支えにより周壁31a側が下がったりふらついたりするおそれがない。よって原動内歯車31の首振り回動が安定する。
一方、従動平歯車32は、前記原動内歯車31の下に位置し、扇の中心相当部位に突設した下向きの軸筒部32aを前記調節手段17の調節軸17bの上端に被せた状態で固着されており、調節軸17bと一体に回動する。該従動平歯車32の外周には平歯車を構成する歯32b,32b…が形成されており、その歯32b,32b…と前記原動内歯車31の歯31b,31b…が図4,図5に示したように噛み合っている。従って原動内歯車31が操作部16と一体に図4から図5のように首振り回動すると、その回動が原動内歯車31から従動平歯車32に伝わって調節軸17bが回るため、調節手段17の電気抵抗が変わる。
[発射力調節装置…操作部復動手段]
前記操作部復動手段18は、前記操作部16を前記初期位置、すなわち前記球発射部材9の発射動作が停止するよう関連付けられた位置に向けて付勢するものであり、前記従動平歯車32の軸筒部32aの外周に装着した捩りコイルバネ18aで構成されている。該捩りコイルバネ18aは、両端のバネ軸18b,18cを従動平歯車32の底面と前記支持部材30に夫々係止させることにより、従動平歯車32を図4,図5において反時計回りに付勢するようになっている。この捩りコイルバネ18aの付勢力が、従動平歯車32から原動内歯車31に伝わって操作部16を初期位置に向かわせる回転力となる。従って操作部16が遊技者によって初期位置から離れた位置に動かされても、遊技者が操作部16から手を離せば、操作部復動手段18の捩りコイルバネ18aの付勢により初期位置に自動的に復動する。
なお、実施形態の操作部復動手段18は、上記のように捩りコイルバネ18aで構成したため、操作部16から遊技者の手が離れた瞬間に勢いよく戻りすぎるおそれがある。そこで実施形態では、操作部16の初期位置への復動が緩やかに行われるように緩衝手段18dが設けてある。この緩衝手段18dは、例えばオイルの粘性抵抗で制動力を発生させるようにした回転系のダンパーであり、ダンパー本体18eを図10に示したように前記支持部材30の上面側に固着すると共に、ダンパー本体18eの上部に突出させたピニオンギヤ18fと前記従動平歯車32の下面に形成した内歯車32cとを噛合させ、もって操作部復動手段18の捩りコイルバネ18aによって従動平歯車32が初期位置に向かって復動するとき、オイルの粘性抵抗による制動力をピニオンギヤ18fに作用させ、そうして操作部16をゆっくりと復動させる。
[発射力調節装置…操作部浮揚付勢手段]
前記操作部浮揚付勢手段20は、操作部16の手載せ部16bに遊技者の手が載っていないときに、図6(a)に示したように、操作部16の底部16aを操作基台15の上面から浮かせて隙間19を形成するためのものである。
この操作部浮揚付勢手段20は、図8に示したように、中央下面に二本の固定ピン20a,20aを突設した固定主板20bと、その固定主板20bの両横に延設した弾性翼片20c,20cと、該弾性翼片20cの端部下面に突設した脚片20d,20dと、を備え、前記固定ピン20a,20aを操作部16の底部16aに形成した受筒部16n,16nに嵌合させて固定主板20bを固定すると共に、弾性翼片20c,20cの脚片20d,20dを操作部16の底部16aに開設した脚通孔16p,16pから操作基台15の上面(一対の軌道部24,24同士の間)に突出させ、そうして操作部16の底部16aを操作基台15の上面から浮かせるようにしたものである。このとき操作部16は、操作部浮揚付勢手段20の弾性翼片20c,20cの弾性によって支えられているのであり、従って操作部浮揚付勢手段20は、少なくとも操作部16の重量を支えるに十分な強さを有する。
このように操作部16が、操作部浮揚付勢手段20の脚片20d,20dで支えられている状態では、操作部浮揚付勢手段20を潤滑性に優れた樹脂(例えばフッ素樹脂)で形成しておけば操作基台15との摩擦抵抗を小さくすることができるから、前記操作部復動手段18による操作部16の復動が軽やかに行える効果がある。
また、そのような潤滑性に優れた樹脂で操作部浮揚付勢手段20を形成しない場合でも、操作部16の底部16aと操作基台15の面同士の全面接触を回避することにより、操作部16の底部16aや操作基台15の汚れに起因する摩擦抵抗の増大の影響を受けにくくすることができるから、どちらにしても操作部復動手段18による操作部16の復動が軽やかに行える効果がある。
なお、上記のように操作部復動手段18による操作部16の復動が軽やかに行えるということは、操作部復動手段18の捩りコイルバネ18aのばね定数を小さくすることができる、ということを意味するものであり、そうした場合には操作部16の捩りコイルバネ18aの付勢に抗する方向(図3において実線位置から二点鎖線位置に回動させる方向)の操作が小さい力で行える効果、ひいては遊技者の疲労度を軽減させ得る効果にもつながる。
一方、操作部浮揚付勢手段20は、操作部16の手載せ部16bに遊技者が手を載せた場合に、その手の重量の増加分に抗しきれない強さ、つまり前記弾性翼片20c,20cが撓むように設定されている。従って操作部16の手載せ部16bに遊技者が手を載せると、前記のように操作部16を支えていた操作部浮揚付勢手段20の前記弾性翼片20c,20cが撓んで図6(b)のように固定主板20bとともに操作部16が下がり、操作部16の底部16aと操作基台15の上面とが接触する。そうすると操作部16の底部16aと操作基台15の上面とが全面で接触するため、前記操作部復動手段18の付勢に抗して操作部16を任意の位置に停止させておくことが容易になる。
また、上記したように操作部16の手載せ部16bは、指先を若干開いた状態の成人男性の片手でほぼ覆える程度の大きさであり、成人男性が手掌側を下向きにして手載せ部16bに手を乗せ置くことにより、親指と小指とが各々手載せ部16bの側面及び操作基台15の上面と接触して手載せ部16bを両側から挟み込み、人差し指と中指と薬指とが手載せ部16bの上面に載った状態となる。このように、親指と小指とが操作基台15の上面と接触するため、操作部16の底部16aと操作基台15の上面とによる摩擦力に加えて親指及び小指と操作基台15の上面とによる摩擦力が発生するため、操作部往復手段18の付勢に抗して操作部16を任意の位置に停止させておくことがさらに容易になる。なお、操作部16の手載せ部16bの側面に窪み部を形成することによって親指と小指とによって手載せ部16bを挟み込み易くするようにしてもよい。このとき、手載せ部16bの窪み部を底部16aに近い位置に形成することで、親指と小指とが窪み部に位置している場合には親指と小指とが自然と操作基台15の上面に接触するようにしてもよい。
[その他]
図9,図10において、34は操作基台15の前記アール部21に設けた振動ユニットである。該振動ユニット34は、操作基台15の内部に固定した基台34aと、その基台34aに上向きに取り付けた左右1対の支持スプリング34b,34bと、その支持スプリング34b,34bによって上下動可能に支持される振動部材34cと、該振動部材34cの上面に取り付けられ、操作基台15の内側からアール部21の上面に向けて突出するように形成した受け部34dとからなる。
前記受け部34dは、図3のように操作基台15のアール部21に沿う平面視円弧状であって、操作部16の軸基板16eの周りに突出していて、遊技者が操作部16を操作する際に手の平の手首に近い部位(若しくは手首)が載るようになっている。すなわち、受け部34dは、手の平の手首に近い部位(若しくは手首)を載せた状態で操作部16を操作することができるように構成されるものであり、操作基台15から突出させるように形成されることにより手関節を手の甲側に反らせることなく自然な状態で操作部16を操作することができるため、手首にかかる付加を軽減できるようにしている。これにより長時間に亘って快適に遊技することができるようになっている。なお、受け部34dは遊技者が肘を操作基台15と同程度の高さに保っている状態で受け部34dに手の平の手首に近い部位(若しくは手首)を載せて、さらに操作部16に手を載せたときに手首が背屈しない程度に突出していることが望ましいが、遊技者の手首が僅かに曲がる程度(僅かに手首が背屈する程度、又は僅かに手首が掌屈する程度)に突出するように形成してもよい。
また、前記振動部材34cを作動させることにより、振動ユニット34の振動が受け部34dを介して遊技者の手に伝わるから、例えば遊技の内容に合わせて振動部材34cを適宜なタイミングで作動させれば、遊技の興趣を増大させることができ、或は振動により遊技者の手の疲れをほぐす用途に使用することもできる。なお、振動ユニット34をマッサージ機的な用途に使用する場合は、遊技者が自由に操作可能なように遊技者向けの振動スイッチを設けるとよい。
また、本例では、手の平の手首に近い部位を載せる受け部34dに振動部材34cを備えるように構成している。換言すると、操作部16とは別体で形成される受け部34dに振動部材34dを備えるように構成しているが、操作部16に振動部材34cを内蔵するように構成したり、操作部16の表面(手載せ部16b)の一部に振動部材34cを一体的に形成するように構成したり、操作部16とは別体で形成される振動部材34cを操作部16の一部(例えば手載せ部16b)に取り付けるように構成したりすることにより、操作部16と一体的に振動部材34cを形成して操作部16を振動させる場合に比べて遊技者による操作部16の誤操作を防止できる。なお、この例では遊技者の手首に係る負担を軽減することを目的として受け部34dの突出量を設定するようにしているが、単に振動を遊技者に伝えるためだけに使用する等、遊技者の負担軽減を目的としない場合には受け部34dの突出量は上記したものに限られない。
また、本例では、操作部16とは別体で形成される受け部34dに振動部材34cを内蔵するように構成するため、受け部34dに触れていない状態でも遊技球の発射は可能である。そのため、振動部材34cを駆動した場合に受け部34dを介して振動が遊技者に伝わらないおそれがあるが、振動部材34dの振動の強さを調整して操作基台15の全体又は一部に振動を伝播させることにより、受け部34dに触れていなくても操作基台15又は操作基台15の該当箇所に触れている場合に振動の発生を気付かせることが可能である。
また、本例では振動部材34cとして一般的な小型の偏心モータを用いている。すなわち、モータの軸に重心が偏るように重りを取り付けることによって構成される偏心モータは、重りの重心がモータの軸からずれた状態で回転し、回転に伴ってモータの本体が振り回されることにより振動を発生する。なお、振動部材34cは、振動を発生するものであれば偏心モータに限定されるものではない。例えば、ソレノイドやスピーカ(スピーカの振動板)等を振動部材34cとして使用するものであってもよい。
[パチンコ機の使用方法]
次に、本発明のパチンコ機の使用方法について、発射力調節装置10を中心に説明する。
遊技開始前のパチンコ機は、図1の状態であり、発射力調節装置10の操作部16が、図3のように操作部復動手段18の付勢により遊技者側に最も近寄った初期位置にある。操作部16が初期位置にある状態では、図3,図4のように操作部16のL型屈曲片16fと揺動レバー28の作用により操作基台15の内部に設けた前記メインスイッチ27がOFFになっていて、前記球発射部材9が停止している。そしてこのとき操作部16は、図6(a)、図10のように操作部浮揚付勢手段20の弾性翼片20c,20cの弾性により、操作基台15の上面との間に隙間19を保った状態で支えられている。
そこでこのパチンコ機で遊技を行う場合は、まず、前枠4の球皿6に遊技球を投入し、操作基台15のアール部21にある前記受け部34dに右手の手の平の手首近くの部位を載せ、手の平と指を操作部16の手載せ部16bに載せる。このとき遊技者の例えば小指を含む右手の縁全体を操作基台15の上面に載せるか、その逆に親指側を操作基台15の上面に載せるか、或は親指と小指を操作基台15の上面に載せ、手載せ部16bには手の平と操作基台15に載せた指以外の指を載せる。
なお、操作部16に手を載せた段階で、その手の重みにより前記操作部浮揚付勢手段20の弾性翼片20c,20cが図6(b)のように撓むため、操作部16が下がって底部16aと操作基台15の上面が接触する。また、操作部16に載せた手がカバー部材16jに触れるため、カバー部材16jのタッチスイッチがONになる。
次に、操作する右手を、主として手首を中心に図3において時計回りに動かして操作部16に力を加えると、操作部16が定点Pたる回動軸16hを中心に回動する。操作部16のこの回動により図5のようにL型屈曲片16fが揺動レバー28から離れるため、メインスイッチ27のスイッチ片27aが押圧から解放され、メインスイッチ27がONになる。これにより球発射部材9の電動打球槌13が打球動作を開始する。
なお、通常、球皿6に投入された遊技球は、球発射部材9の電動打球槌13と連動する球供給装置(図示せず)によって発射レール12の発射部の手前で止められており、電動打球槌13が打球動作を開始すると、その動きに連動して1個ずつ発射レール12の発射部に供給される。
一方、操作部16の回動は、回動軸16hから原動内歯車31と従動平歯車32を経て調節手段17の調節軸17bに歯車伝動機構のギヤ比に従い伝わるから、操作部16の回動量に応じて調節軸17bが回転し、可変抵抗器の電気抵抗が変化する。これにより電動打球槌13のロータリーソレノイド13bに加わる電圧が変化し、槌本体13dの打撃力が変化する。従って遊技者は、打撃力が狙った強さになったとき、その位置で操作部16を止めればよい。
また、本例では操作部16と調節手段17とが操作部16の回動量よりも大きな回動量で調節手段17を回動させる回動増量機構により連結されている。具体的には、原動内歯車31の回動中心から内歯車を構成する歯31bまでの径に対して、従動平歯車32の回動中心から平歯車を構成する歯32bまでの径を小さくなるように構成して、原動内歯車31と従動平歯車32とを互いの歯が噛み合うように配置した回動増量機構によって操作部16と調節手段17とを連結している。
図4及び図5に示すように本例の回動増量機構は、原動内歯車31の回動中心から内歯車を構成する歯31bまでの径に対して、従動平歯車32の回動中心から平歯車を構成する歯32bまでの径を2分の1程度に構成することにより原動内歯車31と従動平歯車32とのギヤ比が設定され、操作部16の回動量を2倍程度に増量して調節手段17に伝達している。具体的には、0°から約50°の幅(角度)で回動する操作部16の回動量を2倍程度増量して調節手段17に伝達することで調節手段17を0°から約100°の幅で回動させる。これにより、狭い回動幅(回動角度)で回動する操作部16に対して調節軸17bをより広い回動幅で回動させて可変抵抗器の電気抵抗を大きく変化させることができるため、供給電圧を分圧して検出する場合に、供給電圧に対する検出電圧の幅を広く使うことが可能になり、電気回路の設計が容易になる。
また、操作部16を狭い範囲で回動させるだけで可変抵抗器の電気抵抗を大きく変化させることができるため、遊技者が疲れにくくなるとともに、操作基台15を小型化することができ、遊技店において設置された場合に隣接する遊技機の遊技を邪魔することなく操作部16を操作することが可能になり、遊技機の設計が容易になる。また、この例では、可変抵抗器によって変化可能とされる電気抵抗の最大値から最小値までの範囲うち可変抵抗器の信頼性(壊れ難さ、安定性)の高い範囲に亘って変化可能となるようにギヤ比を設定しているため、調節手段17(可変抵抗器)を壊れ難くさせることが可能である。
なお、本例では信頼性の高い範囲を0°から100°程度とする可変抵抗器を用いたが、信頼性の高い範囲を0°から285°程度とする可変抵抗器を用いる場合には、操作部16の回動量を5倍程度増量するようにギヤ比を設定して調節手段17を0°から285°の範囲で回動させることにより、他の可変抵抗器においても壊れにくくすることが可能である。すなわち、使用する可変抵抗器の信頼性の高い範囲に応じて原動内歯車31と従動平歯車32とのギヤ比を適宜設定することにより、操作部16の回動量を増量又は減量して調節手段17に伝達するようにしてもよい。このように構成することにより、市場に流通する一般的な(汎用品)可変抵抗器を流用することができるため、遊技機の製造コストを低減できる。
また、上記した例では増速ギヤを用いたが、操作部16の回動量を増量して調節手段17に伝達するものであれば上記した例に限られるものではない。例えば、タイミングベルト(増速プーリ)、チェーン(増速チェーン、)を用いて操作部16の回動量を増量又は減量して調節手段17に伝達するように構成してもよい。
次に、遊技球を発射している状態で、遊技球の発射を一時的に停止させたい場合は、操作部16の手載せ部16bに突出しているボタン凸部29dを例えば右手人差し指で押す。そうすると操作部16の中にあるサブスイッチ29bがOFFとなり、その間、電動打球槌13が停止する。そして、適宜なタイミングでボタン凸部29dから指を離すと、前記サブスイッチ29bがONとなり、電動打球槌13の作動が再開する。その間、操作部16を動かさなかった場合には、停止前と同じ打撃力で再開できる。
次に、遊技中に遊技者が操作部16から完全に手を離すと、まず操作部16のカバー部材16jのタッチスイッチがOFFになるからその時点で電動打球槌13が停止し、それと同時に操作部16の底部16aから操作部浮揚付勢手段20の脚片20dが突出して操作部16の底部16aが操作基台15の上面から離れる。そして、操作部復動手段18の捩りコイルバネ18aの付勢と緩衝手段18dの働きにより操作部16が初期位置に緩やかに復動し、操作部16のL型屈曲片16fが揺動レバー28に当たってメインスイッチ27がOFFとなる。
ところで、従来より、例えば図13の従来例のハンドルグリップ102と、打球発射調整操作用のダイヤル103との間に硬貨又はそれに類する異物を挟み込んで該ダイヤル103を固定し、そうして打撃力の調節を楽にしようとする遊技者がいる。そのような遊技者の身勝手な行為は、ハンドルグリップ102とダイヤル103の間の、言わば固定部と回動部の間に無理矢理硬貨等を差し込んで発射力調節装置10の一部を損壊させる不当なものであり、被害者たる遊技場側から有効な対策が望まれていた。
これに対し実施形態の発射力調節装置10は、前記のように操作基台15の軌道部24と操作部16の底部16aの摺動部16gとを整合させて両者の接触面を非直線状にすることにより、円板状の硬貨等が差し込めないようにしたものである。よって遊技者が操作部16と操作基台15の間に硬貨等を差し込もうとする不当な行為を未然に防止することができる。
なお、実施形態のように操作基台15の軌道部24を凸状に盛り上げた山形態とし、操作部16の摺動部16gを凹状に掘り下げた溝形態とする組み合わせは、逆に軌道部24を凹状に掘り下げた溝形態とし、摺動部16gを凸状に盛り上げた溝形態とする組み合わせと実質同義である。また、軌道部24と摺動部16gの本数は、実施形態のような複数の他、単数でもよい。軌道部24と摺動部16gを単数にする場合、実施形態の最小径の軌道部24から最大径の軌道部24に渡る幅か又はこれより若干小さい幅の湾曲形にするのがよい。このような単数の軌道部24と摺動部16gの組み合わせであっても接触面が湾曲していれば円板状の硬貨等は差し込めない。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば実施形態では、弾球遊技機の一例として遊技球を球皿6に投入して遊技を行うパチンコ機を例示したが、遊技球を機内で循環させるいわゆる封入式のパチンコ機や、雀球式の弾球遊技機などでも同様に適用できる。
また、実施形態では、操作部16の手載せ部16bのカバー部材16jにタッチスイッチを設けたが、例えば図8の二点鎖線に示したように操作部16の手載せ部16bの両側面にタッチスイッチ35を設けても良い。
また、実施形態では、操作部16の首振り回動の中心となる定点Pを操作基台15上に設定したが、該定点Pを操作基台15の外に設定してもよい。図11はその実施形態を示したものであり、操作基台15の内部に前記定点Pを中心とする大径と小径の弧状レール36,36を二本設置すると共に操作部16に前記弧状レール36,36に接して転がり得るローラ37,37…を設けてある。この場合、操作部16は、二本の弧状レール36,36に沿って動くため、弧状レール36,36の円弧の中心たる定点Pを中心とする首振り回動になる。
斯かる実施形態は、操作基台15を大きくしなくとも、操作部16の首振り回動の中心となる定点Pを遊技者の手首近くに設定することができ、その結果、操作部16の動きと、操作する手の動きとを近似させることができるから、無理のない楽な姿勢で遊技が行える本発明の効果をさらに高めることができる。
また、実施形態では、球発射部材9の槌本体13dを動かす駆動源としてロータリーソレノイド13bを採用し、一方、発射力調節装置10の調節手段17として前記ロータリーソレノイド13bの出力を加減する可変抵抗器を採用したが、例えば図12に示したように、球発射部材9の槌本体13dを動かす駆動源として電動モータ13fと牽引用バネ(図示せず)を採用し、一方、発射力調節装置10の調節手段17として槌本体13d牽引用の前記バネの張力を加減する公知の方式を採用することもできる。
すなわち、図12において、17cは操作部16の前記回動軸16hに固定した原動傘歯車、17dはその原動傘歯車17cに噛合する従動傘歯車、17eは該従動傘歯車17dと一体に回転するハンドル軸、17fは該ハンドル軸17eの端部に固定したプーリ、17gはそのプーリ17fに巻き付くワイヤー、37は槌本体13dを打ち出し方向に付勢するバネユニット、13gは前記電動モータ13fの出力軸に固着され槌本体13dに係合して該槌本体13dを反・打ち出し方向に傾動させるカム板である。
この場合の電動打球槌13は、前記電動モータ13fが作動してカム板13gが一定方向に回転し、そのカム板13gの回転で槌本体13dがバネユニット37の付勢に抗して反打ち出し方向(図2の破線から二点鎖線の方向)に傾動し、カム板13gが槌本体13dから外れた瞬間にバネユニット37の付勢で槌本体13dが勢いよく復動して発射レール12の発射部にある遊技球を打ち出す、というものである。
一方、図12に示した実施形態の調節手段17は、定点Pたる回動軸16hを中心として操作部16を図12二点鎖線の方向に回動させると、原動傘歯車17cと従動傘歯車17dとハンドル軸17eを介してプーリ17fが回転し、そのプーリ17fに巻き付けたワイヤー17gの引張りでバネユニット37に内蔵したバネの張力が強まって槌本体13dの発射力を強くすることができる。なお、図12の実施形態において、操作部16を初期位置に復動させる操作部復動手段18は、前記バネユニット37、ワイヤー17g、プーリ17f、ハンドル軸17e、従動傘歯車17d、原動傘歯車17cで構成される。
以上、図12の実施形態は、操作部16と電動打球槌13を機械式に連結した一例であり、図示した組み合わせ以外の歯車伝動機構はもちろん、ベルトやチェーンなどの巻掛け伝動機構を採用してもよい。
ところで、ここまでの説明には次のような技術的思想も含まれる。
[技術的思想A]
遊技盤の遊技領域に向けて遊技球を発射させる球発射部材と、該球発射部材の発射力の強弱を調節する発射力調節装置と、を有する弾球遊技機において、
前記発射力調節装置は、
機前の下方から遊技者側に向けてほぼ水平に突設した操作基台と、
該操作基台の上面に位置し、定点を中心としたほぼ扇形の軌跡を描く状態で首振り回動可能な操作部と、
該操作部の前記首振り回動によって前記球発射部材の発射力を強弱させ得る調節手段と、を備え、
前記操作部は、
前記操作基台の上面に対向する底部と、その底部上にあって遊技者が手を載せ置くための手載せ部とを有し、首振り回動の中心たる前記定点を遊技者側に配置すると共に扇形の軌跡の円弧側が反遊技者側に向かうように向きを設定し、さらに遊技者が前記手載せ部に片手を載せた操作姿勢で前記操作基台の上面にもその手の一部が載り得る大きさであることを特徴とする弾球遊技機。
[技術的思想Aの効果]
上記弾球遊技機の発射力調節装置は、首振り回動の中心たる定点を遊技者側に配置すると共に扇形の軌跡の円弧側が反遊技者側に向かうように向きを設定して操作部を操作基台の上に設置したから、遊技者が操作基台の定点近くに手首を載せて手を動かす動きと、操作部の動きがほぼ一致するため、操作部を操作する姿勢が自然で疲れにくい。
また、遊技者が前記操作部の手載せ部に片手を載せた操作姿勢で前記操作基台の上面にもその手の一部を載せることができるため、操作部を任意の位置に固定するのに操作基台を支えにすることができるから、長時間同じ姿勢を続けても疲れにくい。
よって、技術的思想Aの弾球遊技機の発射力調節装置は、操作部を任意の位置に片手で固定しつつ行う長時間の遊技にも疲れにくい。
[技術的思想B]
遊技盤の遊技領域に向けて遊技球を発射させる球発射部材と、該球発射部材の発射力の強弱を調節する発射力調節装置と、を有する弾球遊技機において、
前記発射力調節装置は、機前の下方から遊技者側に向けてほぼ水平に突設した操作基台と、該操作基台の上面に位置し、定点を中心としたほぼ扇形の軌跡を描く状態で首振り回動可能な操作部と、該操作部の前記首振り回動によって前記球発射部材の発射力を強弱させ得る調節手段と、を備え、
前記操作基台は、その上面に前記定点を中心とする平面視円弧形で凸状に盛り上げるか又は凹状に掘り下げた形態の単数又は複数の軌道部を有し、
前記操作部は、前記操作基台の上面に対向する底部と、その底部上にあって遊技者が手の平を載せ置くための手載せ部とを有し、さらに前記底部に前記操作基台の軌道部に合わさって摺動可能な凹状又は凸状の摺動部を有し、
前記操作基台の軌道部と操作部の摺動部とが合わさった状態で該操作部が前記定点を中心に首振り回動し得るものであることを特徴とする弾球遊技機。
[技術的思想Bの目的]
上記技術的思想Bの目的は、発射力調節装置に対する硬貨等を用いた遊技者の不当な行為を未然に防止可能な弾球遊技機を提供することにある。
[技術的思想C]
遊技盤の遊技領域に向けて遊技球を発射させる球発射部材と、該球発射部材の発射力の強弱を調節する発射力調節装置と、を有する弾球遊技機において、
前記発射力調節装置は、
機前の下方から遊技者側に向けてほぼ水平に突設した操作基台と、
該操作基台の上面に対向する底部とその底部上にあって遊技者が手の平を載せ置くための手載せ部とを有し、定点を中心としたほぼ扇形の軌跡を描く状態で首振り回動可能な操作部と、
該操作部の首振り回動によって前記球発射部材の発射力を強弱させ得る調節手段と、
前記操作部を前記球発射部材の発射動作が停止するよう関連付けられた初期位置に向けて付勢する操作部復動手段と、
前記操作部の底部を前記操作基台の上面から浮かせて底部との間に隙間を形成することが可能な下限の強さと、前記手載せ部に載せた遊技者の手の重量の増加分に抗しきれない上限の強さの付勢力を備えた操作部浮揚付勢手段と、を備え、
遊技者が前記操作部に手を載せ置いた遊技時の状態では操作部の自重と遊技者の手の重量によって操作部の底部と操作基台の上面とが接触し、遊技者が操作部から手を離した状態では操作部浮揚付勢手段の作用により操作部の底部と操作基台の上面との間に隙間が形成され、その状態で前記操作部復動手段により操作部が前記初期位置に復動するようになっていることを特徴とする弾球遊技機。
[技術的思想Cの目的]
一般に弾球遊技機の発射力調節装置は、遊技者が手で操作している遊技時の状態から手を離したとき、遊技開始前の状態に戻るようになっている。
技術的思想Cの目的は、遊技者が発射力調節装置を手で操作している遊技時の状態から遊技者が手を離したとき、遊技開始前の状態に軽やかに戻り得るようにした弾球遊技機を提供することにある。
[技術的思想Cの効果]
技術的思想Cの弾球遊技機の発射力調節装置は、操作部が操作部浮揚付勢手段の脚片で支えられている状態では、操作部の底部と操作基台の上面との間に隙間ができるから、操作部復動手段による操作部の復動が軽やかに行える効果がある。
一方、操作部浮揚付勢手段は、操作部の手載せ部に遊技者が手を載せた場合に、その手の重量の増加分に抗しきれずに弾性翼片が撓んで操作部の底部と操作基台の上面とが接触するから、操作部復動手段の付勢に抗して操作部を任意の位置に停止させておくことが容易になる。
[遊技盤]
次に、遊技盤50に設けられる各種構成部材および装置について図14を参照して説明する。図14は、遊技盤50を示す正面図である。
遊技盤50の盤面には、ガイドレール51が円形状に立設する。ガイドレール51は、外レール51aと内レール51bによって構成され、内レール51bの先端部には、外レール51aと内レール51bによって囲まれる領域への遊技球の進入を防止する逆流防止弁51cが設けられている。また、内レール51bおよび逆流防止弁51cによって囲まれる領域に遊技領域52を形成している。遊技領域52は、種々の部材によって、遊技球を転動可能な領域と、その他の領域(遊技球を転動不可能な領域)と、に区画形成される。具体的には、遊技領域52の中央部分に、遊技盤50の前面側の盤面から前方に所定の厚みを有し、中央が刳り貫かれた規制壁部材53が立設し、遊技領域52を区画している。すなわち、遊技領域52を流下してきた遊技球が規制壁部材53に接触すると、規制壁部材53の左右両側の一方に誘導され、規制壁部材53の内部に進入できないように規制壁部材53が形成されている。
また、規制壁部材53の一部には、遊技球が進入可能なワープ口54が開設され、該ワープ口54から規制壁部材53の内部に進入した遊技球は、規制壁部材53の内壁に沿って設けられるワープ通路55により規制壁部材53の下部内側面に誘導される。ワープ通路55は、透明な合成樹脂から形成される筒状の部材によって形成され、ワープ通路55内部を転動する遊技球を視認可能である。また、規制壁部材53の下部内側面には、遊技球が転動可能な棚形状を有するステージ56が形成されている。ステージ56は、その中央部分に前方下方に傾斜した補助溝56aが形成される。該補助溝56aは、後述する上始動口72の真上に位置し、ステージ56上を転動する遊技球を上始動口72の真上に放出し、上始動口72への入賞を補助するものである。
なお、この実施の形態では、ワープ通路55を透明な合成樹脂によって形成することでワープ通路55内部を転動する遊技球を視認可能としたが、ワープ通路55内部を転動する遊技球を視認可能とする構成であれば何でもよい。例えば、ワープ通路55を不透明の部材によって形成し、該ワープ通路55の側面にスリット状の開口を複数形成することによりワープ通路55内部を転動する遊技球を視認可能となるようにしてもよい。
また、規制壁部材53の内側領域には、複数種類の画像を表示制御可能な画像表示装置82が配設される。本例では遊技球の進入を阻止する規制壁部材53内部に画像表示装置82が設けられるため、画像表示装置82の前方を遊技球が流下することによって画像表示装置82の表示内容を視認し難くなることを防止できる。また、この実施の形態の画像表示装置82は、複数種類の画像を表示可能な液晶表示装置(LCD)によって構成され、左・中・右の3つの領域それぞれにて各々を識別可能な複数種類の装飾図柄(例えば、「0」〜「9」のアラビア数字を模した図柄)の変動表示を行う。
規制壁部材53の右下部には、特別図柄表示器81、特図保留記憶LED87、および状態表示LED83が設けられている。特別図柄表示器81は、4個のLEDによって構成され、所定の態様でLEDを駆動制御することにより特別図柄を変動表示する。特図保留記憶LED87は、4個のLEDによって構成され、点灯するLEDの個数を制御することにより後述する特図保留記憶数を表示する。状態表示LED83は、1個のLEDによって構成され、遊技状態に応じた態様でLEDを駆動させる。
また、規制壁部材53の右上方には、普通図柄表示器84および普図保留記憶LED88が設けられている。普通図柄表示器84は、上下2個のLEDによって構成され、所定の態様でLEDを駆動制御することにより普通図柄を変動表示する。普図保留記憶LED88は、上下2個のLEDによって構成され、所定の態様でLEDを駆動制御することにより後述する普図保留記憶数を表示する。
規制壁部材53の左側方には、ゲート74が設けられている。ゲート74は、遊技領域52に突設して遊技球が通過可能な通過領域を形成し、ゲート74の通過領域を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ74aが設けられている。なお、上述した普通図柄表示器84における普通図柄の変動表示は、ゲート74を遊技球が通過し、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されたことにもとづいて開始される。すなわち、ゲートスイッチ74aによる遊技球の検出に応じて普通図柄表示器84における普通図柄の変動表示が許可される。この例では、普通図柄表示器84は、上下2つのLEDによって構成され、上下のLEDを交互に点灯させることによって普通図柄の変動表示を実行する。そして、普通図柄表示器84の上側のLEDを点灯させた状態で変動表示を停止した場合には、当りとなり、普通図柄表示器84の下側のLEDを点灯させた状態で変動表示を停止した場合には、はずれとなる。
また、規制壁部材53の中央下方には、上始動口72と下始動口73とを備えた可変入賞球装置71が配置する。可変入賞球装置71において、上始動口72は、上方から流下する遊技球を常に受け入れ可能な状態で設けられる。一方、下始動口73は、上始動口72の下方に設けられるとともにその両側に可動片71aが設けられ、上方および左右両側が塞がれた状態で設けられる。すなわち、可変入賞球装置71において、下始動口73は、遊技球を受け入れ不可能な状態で設けられている。可動片71aは、普通電動役物ソレノイド71bにより下部を支点として回動し、可変入賞球装置71の状態を下始動口73に遊技球を受け入れ可能な開放状態と、下始動口73に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態と、のいずれかの状態に制御する。また、上始動口72に入賞した遊技球は上始動口スイッチ72aによって検出され、下始動口73に入賞した遊技球は下始動口スイッチ73aによって検出される。
なお、上述した特別図柄表示器81における特別図柄の変動表示は、上始動口72に遊技球が入賞して上始動口スイッチ72aにより遊技球が検出されたこと(所謂始動入賞)、および、下始動口73に遊技球が入賞して下始動口スイッチ73aにより遊技球が検出されたこと(所謂始動入賞)、にもとづいて開始される。すなわち、上始動口スイッチ72a及び下始動口スイッチ73aによる遊技球の検出に応じて特別図柄表示器81における特別図柄の変動表示が許可される。この例では、特別図柄表示器81は、4つのLEDによって構成され、4個のLEDを所定の態様で駆動制御することにより特別図柄の変動表示を実行する。
規制壁部材53の上部には、大入賞口開閉装置75が配設されている。大入賞口開閉装置75は、大入賞口の状態を、遊技球を受け入れ可能な開放状態と、遊技球を受け入れ不可能(開放状態よりも受け入れ難い状態でもよい)な閉塞状態と、のいずれかの状態に制御する装置である。具体的には、大入賞口開閉装置75は、大入賞口の上方に突設する封鎖部材(図示しない)と、大入賞口の左右両側に配置する可動片(図示しない)と、により遊技球の進入を阻害するように構成され、大入賞口ソレノイド76aにより大入賞口の左右両側に配置する可動片を回動して遊技球を受け入れ可能な開放状態と遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態とに制御する。大入賞口に入賞した遊技球は、カウントスイッチ75aによって検出される。また、大入賞口に遊技球が入賞し、カウントスイッチ75aによって検出されたことにもとづいて所定数(例えば、13個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、遊技領域52の最下部には、遊技領域52を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球を遊技領域52から排出するアウト口77が設けられている。また、遊技領域52には、上方から遊技球を受け入れ可能な複数の一般入賞口(左上・左中入賞口57a、左下入賞口57b、右入賞口57c)も設けられ、いずれかの一般入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。なお、左上・左中入賞口57aに入賞した遊技球は、左上・左中入賞口スイッチ57dによって検出され、左下入賞口57bに入賞した遊技球は、左下入賞口スイッチ57eによって検出され、右入賞口57cに入賞した遊技球は、右入賞口スイッチ57fによって検出される。この例では、上述した可変入賞球装置71、および一般入賞口57a〜57cは、板状パネル70に突設して一体形成され、遊技球が入賞可能な入賞領域を形成する。
また、遊技盤50の前面(遊技領域52が形成される側)には、遊技球の流下方向を変化させる複数の障害釘が植設する。また、以上説明した一般入賞口57a〜57cおよび各種入賞口(上始動口72、下始動口73、大入賞口)に入賞した遊技球は、各球検出スイッチによって検出された後、遊技盤50の裏面に排出されるが、これら全ての遊技球は、遊技盤50裏面に設けられた全入賞口入賞数計数スイッチ78によって検出されるようになっている。
[主基板]
次に、パチンコ機1の裏面側に設けられる主基板200と周辺基板210とについて説明する。図15は主基板200と周辺基板210とを示すブロック図である。
主基板200は、図15に示すように、主制御基板201および払出制御基板202により構成されている。主制御基板201は、図15に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU201aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート201bと、を備えている。主制御MPU201aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されている。また、不正を防止するための機能も内蔵されている。
主制御I/Oポート201bを介して、カウントスイッチ75a、上始動口スイッチ72a、下始動口スイッチ73a、ゲートスイッチ74a、左上・左中入賞口スイッチ57d、左下入賞口スイッチ57e、右入賞口スイッチ57f、全入賞口入賞数計数スイッチ78、磁気検知スイッチ79等からの検出信号がそれぞれ入力される。
なお、全入賞口入賞数計数スイッチ78は、遊技領域52に設けられた複数種類の入賞口(この例では、一般入賞口57a〜57c、上始動口72、下始動口73、および大入賞口)に入賞した全ての遊技球を検出するスイッチであり、主制御MPU201aは、全入賞口入賞数計数スイッチ78によって遊技球が検出されたことにもとづいて入賞球数を計数する。また、磁気検知スイッチ79は、遊技盤50の後面側であって、遊技領域52における上始動口72および下始動口73の近傍に設けられ、磁気変化を検出するものである。すなわち、磁気検知スイッチ79は、磁石等を用いて遊技球を上始動口72および下始動口73に不正に入賞させる不正行為がなされたことを検出するスイッチであり、主制御MPU201aは、磁気検知スイッチ79によって磁気が変化したことを検出したときに不正がなされたことを報知する処理を行う。
また、主制御MPU201aは、上記した検出信号にもとづき、主制御I/Oポート201bを介して普通電動役物ソレノイド71b、大入賞口ソレノイド76a、特別図柄表示LED基板90(特別図柄表示器81および特図保留記憶LED87を搭載する基板)、普通図柄表示LED基板91(普通図柄表示器84および普図保留記憶LED88を搭載する基板)、および状態表示LED基板(状態表示LED83を搭載する基板;図示しない)を駆動する駆動信号を出力する。
主制御基板201と払出制御基板202との基板間では、互いに、つまり双方向に各種コマンドがやり取りされ、主制御基板201と周辺制御基板211との基板間では、主制御基板201から周辺制御基板211へ、つまり一方向に各種コマンドが出力されている。
払出制御基板202は、図15に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU202aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート202bと、を備えている。払出制御MPU202aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されている。また、不正を防止するため機能も内蔵されている。
[周辺基板]
周辺基板210は、図15に示すように、周辺制御基板211により構成されている。周辺制御基板211は、図15に示すように、一時的にデータを記憶するRAMが内蔵され、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU211aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するサブ統合ROM211bと、高音質の演奏を行う音源IC211cと、この音源IC211cが参照する音楽および効果音等の音情報が記憶されている音ROM211d、を備えている。
サブ統合MPU211aは、主制御基板201からコマンド(演出コマンド)を受け取ると、このコマンドにもとづいて表示演出に関する表示コマンドを作成し、液晶表示基板220に出力する。液晶表示基板220は、サブ統合MPU211aから出力された表示コマンドに応じてLEDモジュール(画像表示装置82)を制御して装飾図柄の変動表示、キャラクタ等の画像表示等を行う。
また、サブ統合MPU211aは、パラレル入出力ポートやシリアル入出力ポート等を内蔵しており、主制御基板201からコマンドを受け取ると、このコマンドにもとづいて、演出に関するコマンドを作成し、このコマンドを、パラレル入出力ポートから音源IC211cに出力する。音源IC211cは、サブ統合MPU211aから出力されたコマンドに応じて、音ROM211dから音情報を読み込み、重低音用スピーカ92および中高音用スピーカ93から各種演出に合わせた音楽および効果音等が出るよう制御を行う。また、サブ統合MPU211aは、液晶表示基板220への表示コマンド出力及び音源IC211cへのコマンド出力に合わせて、前枠4に設けられた枠ランプ(図15には、枠装飾基板94と記載)を駆動する駆動データ(点灯信号、消灯信号)を出力する。
また、サブ統合MPU211aは、液晶表示基板220への表示コマンド出力及び音源IC211cへのコマンド出力に合わせて、シリアル入出力ポートからランプ駆動基板219に、遊技盤4に設けられてパチンコ機1を光装飾する各種LED(図15には、盤装飾基板221と記載)を点灯/消灯(ON/OFF)するON/OFFデータ(点灯信号、消灯信号)と、振動部材34cを駆動する駆動データ(駆動信号)と、を出力する。
このように本実施形態では、特別図柄を変動表示する特別図柄表示器81を主基板200に搭載される主制御MPU201aで制御する一方、規制壁部材53等に設けられている各種装置(画像表示装置82等)を周辺基板210に搭載されるサブ統合MPU211aで制御するようになっている。このため、主基板200(主制御MPU201a)の制御負担を軽減することができるとともに、周辺基板210(サブ統合MPU211a)の制御によって規制壁部材53等に設けられている各種装置によって多彩な演出を実行することができ、演出に対する興趣を低減しない構成にできる。なお、本例では、サブ統合MPU211aからランプ駆動基板219を介して振動部材34cを駆動する駆動データ(駆動信号)を出力するように構成したが、主制御MU201aが振動部材34cを駆動するようにしてもよいし、サブ統合MPU211aが振動部材34cを駆動する場合に他の基板(例えば表示制御基板220等)を介して駆動データ(駆動信号)を出力するように構成してもよいし、サブ統合MPU211aが直接振動部材34cに駆動データ(駆動信号)を出力するように構成してもよい。
[遊技説明]
ここで、上述した各種構成部材および装置等が設けられた遊技盤50にて実現される遊技について説明する。遊技者が操作部16を図3において時計回りに動かすことにより、球発射部材9の電動打球槌13が打球動作を開始し、遊技球が打ち出される。打ち出された遊技球は、発射レール12およびガイドレール51の外レール51aと内レール51bとによって囲まれる領域を通って遊技領域52の上部に放出され、遊技領域52を障害釘等に衝突しながらアウト口77に向かって流下する。そして、遊技領域52を流下する遊技球がゲート74を通過し、ゲートスイッチ74aによって検出されると、普通図柄表示器84で普通図柄の変動表示が開始される。
なお、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されると、所定範囲の普通図柄当り判定乱数を更新するカウンタから普通図柄当り判定乱数を抽出する。そして、普通図柄表示器84にて普通図柄の変動表示を開始するときに、普通図柄当り判定乱数にもとづいて当りとするか否かの判定を行い、変動表示の結果、判定結果に応じた態様でLEDを停止表示する。具体的には、当りと判定された場合には、普通図柄表示器84の上側のLEDを点灯した状態で普通図柄の変動表示を停止させ、はずれと判定された場合には、普通図柄表示器84の下側のLEDを点灯した状態で普通図柄の変動表示を停止させる。
また、普通図柄表示器84にて普通図柄の変動表示を実行中、および、普通図柄表示器84の表示結果が当りとなったことにもとづいて可変入賞球装置71を開閉制御しているときに遊技球がゲート74を通過し、ゲートスイッチ74aにより遊技球が検出されたことにもとづいて抽出された普通図柄当り判定乱数は、所定個数(この実施の形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される普通図柄当り判定乱数の個数(普図保留記憶数)は普図保留記憶LED88によって表示される。上述したように、普図保留記憶LED88は、2個のLEDによって構成される。この例では、上側のLEDを点灯させることにより普図保留記憶数が1であることを示し、上下2個のLEDを点灯させることにより普図保留記憶数が2であることを示し、上側のLEDを点滅させて下側のLEDを点灯させることにより普図保留記憶数が3であることを示し、上下2つのLEDを点滅させることにより普図保留記憶数が4であることを示す。
また、普通図柄表示器84における普通図柄の変動表示は、所定期間経過後に停止し、停止時の普通図柄の表示結果が「当り」となったときに可変入賞球装置71を所定時間(例えば、500ms(0.5秒))開放状態に制御する。一方、普通図柄表示器84の表示結果が「はずれ」となった場合には、可変入賞球装置71を開放状態に制御することなく下始動口73に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態を維持するが、上始動口72は遊技球を受け入れ可能な状態となっている。
すなわち、下始動口73は、普通図柄表示器84に当りとなる表示結果が停止表示されたときに所定時間(例えば、500ms(0.5秒))開放状態に制御される。具体的には、普通図柄表示器84に当りとなる表示結果が停止表示されたことにもとづいて普通電動役物ソレノイド71bを可動して可動片71aを回動し、可変入賞球装置71を開放状態に制御する。そして、所定期間経過したときに再び普通電動役物ソレノイド71bを可動して可動片71aを回動し、可変入賞球装置71を閉塞状態に制御する。可変入賞球装置71を開放状態に制御することにより下始動口73に遊技球を受け入れ可能な状態になり、可変入賞球装置71を閉塞状態に制御することにより遊技球を受け入れ不可能な状態になる。
また、遊技領域52を流下する遊技球が上始動口72、または、下始動口73に入賞すると、特別図柄表示器81にて特別図柄の変動表示を開始可能な状態(大当り遊技及び小当り遊技状態中でない状態であり、且つ特別図柄及び装飾図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示器81にて特別図柄の変動表示を開始するとともに、画像表示装置82にて装飾図柄の変動表示を開始し、所定期間経過後に特別図柄表示器81における特別図柄の変動表示、および、画像表示装置82における装飾図柄の変動表示を停止して表示結果を導出する。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動表示が許可される入賞口として、可変入賞球装置71に設けられる上始動口72および下始動口73の2つの始動入賞口が設けられているが、可変入賞球装置71に設けられる始動入賞口の設置個数はこれらに限られず、例えば、上始動口72と、下始動口73と、のいずれか一方のみ設ける構成であってもよい。また、上始動口72に遊技球が入賞して上始動口スイッチ72aによって検出されたこと、および、下始動口73に遊技球が入賞して下始動口スイッチ73aによって検出されたことにもとづいて所定数(例えば、3個)の遊技球の払い出しが行われる。また、上始動口72に遊技球が入賞し、上始動口スイッチ72aによって遊技球が検出されたときと、下始動口73に遊技球が入賞し、下始動口スイッチ73aによって遊技球が検出されたときと、で異なる個数の遊技球を払い出すようにしてもよい。例えば、上始動口72に遊技球が入賞し、上始動口スイッチ72aによって遊技球が検出されたときに3個の遊技球を払い出し、下始動口73に遊技球が入賞し、下始動口スイッチ73aによって遊技球が検出されたときに4個の遊技球を払い出すようにしてもよい。
また、上始動口スイッチ72a及び下始動口スイッチ73aにより遊技球が検出されると、所定範囲(本例では「0」〜「399」の範囲)の当り判定用乱数を更新するカウンタから当り判定用乱数を抽出する。また、特別図柄表示器81にて特別図柄の変動表示を開始するとき(および、画像表示装置82にて装飾図柄の変動表示を開始するとき)に、当り判定用乱数にもとづいて当り(15R大当り、2R大当り、小当り)とするか否かの判定を行い、変動表示の結果、判定結果に応じた態様で特別図柄表示器81のLEDを点灯制御するとともに、画像表示装置82に判定結果に応じた装飾図柄を導出表示する。具体的には、大当り(15R大当り、2R大当り)とする判定がなされた場合には、特別図柄表示器81の4個のLEDを特定の態様(大当り図柄若しくは特定表示結果ともいう)で点灯表示するとともに、画像表示装置82に装飾図柄の特定表示結果を導出表示し、小当り(小当り)とする判定がなされた場合には、特別図柄表示器81の4個のLEDを特殊態様(小当り図柄若しくは特殊表示結果ともいう)で点灯表示するとともに、画像表示装置82に装飾図柄の特殊表示結果を導出表示する。一方、はずれと判定された場合には、特別図柄表示器81の4個のLEDを特定の態様及び特殊態様とは異なる態様(はずれ図柄若しくは非特定表示結果ともいう)で点灯表示するとともに、画像表示装置82にはずれ状態となる表示結果(はずれ図柄:非特定表示結果、この実施の形態では、少なくとも2種類以上の識別情報(図柄)の組み合わせ)を導出表示する。このように、特別図柄表示器81における特別図柄の表示結果と、画像表示装置82における装飾図柄の表示結果と、は対応している。
また、画像表示装置82にて変動表示される装飾図柄は特別図柄表示器81にて変動表示される特別図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄表示器81にて行われる変動表示の内容を、演出用の装飾図柄を用いてより演出効果を高めて遊技者に表示するものである。つまり、特別図柄表示器81の4個のLEDを特定の態様で点灯表示した場合には大当り遊技状態(15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態)に移行制御するが、万が一、画像表示装置82にて装飾図柄の表示結果が特定表示結果となっても特別図柄表示器81の4個のLEDを特定の態様とは異なる態様で点灯表示した場合には大当り遊技状態に移行制御されない。
さらに、この実施の形態では、特別図柄表示器81の4個のLEDによって点灯表示する特定の態様には、高利益特別態様(15R確変大当り図柄)と、高利益特別態様とは異なる高利益非特別態様(15R非確変図柄)と、低利益特別態様(2R大当り図柄)と、を含んでいる。
そして、特別図柄表示器81の4個のLEDを特定の態様のうち高利益特別態様(15R確変大当り図柄)で点灯表示する場合には、画像表示装置82に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち高利益特別表示結果(15R確変大当り図柄:この実施の形態では、同一の奇数図柄の組み合わせ)を導出表示し、特別図柄表示器81の4個のLEDを特定の態様のうち低利益特別態様(2R大当り図柄)で点灯表示する場合には、画像表示装置82に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち低利益表示結果(2R大当り図柄(はずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組み合わせ):この実施の形態では、「1」と「2」と「3」を含む図柄の組み合わせ、例えば、「123」、「213」等、チャンス目ともいう)を導出表示する。
また、特別図柄表示器81の4個のLEDを特定の態様のうち高利益非特別態様(15R非確変図柄)で点灯表示する場合には、画像表示装置82に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち高利益非特別表示結果(15R非確変図柄:この実施の形態では、同一の偶数図柄の組み合わせ)を導出表示し、特別図柄表示器81の4個のLEDを特殊態様(小当り図柄)で点灯表示する場合には、画像表示装置82に装飾図柄の表示結果として特定表示結果のうち特殊表示結果(小当り図柄(はずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組み合わせ):この実施の形態では、2R大当り図柄と同様に、「1」と「2」と「3」を含む図柄の組み合わせ、例えば、「123」、「213」等、チャンス目ともいう)を導出表示する。
また、この実施の形態では、特別図柄表示器81に表示される低利益特別態様に対応して画像表示装置82に表示される低利益表示結果と、特別図柄表示器81に表示される特殊態様に対応して画像表示装置82に表示される特殊表示結果と、を同一の図柄の組み合わせ(「1」と「2」と「3」を含む図柄の組み合わせ、例えば、「123」、「213」等)としている。そのため、画像表示装置82を視認している遊技者にとっては、小当り遊技状態となったか、2R大当り遊技状態となったかを把握することが困難となる。また、本例では、特殊表示結果としてはずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組み合わせとするため、特別図柄表示器81の表示結果がはずれとなる場合にも画像表示装置82に特殊表示結果が表示される。そのため、画像表示装置82に特殊表示結果が導出されたときに2R大当りであるか、小当りであるか、はずれであるか、の判別が困難になる。なお、特別図柄表示器81の表示結果がはずれとなる場合には画像表示装置82に特殊表示結果を表示しないように構成してもよい。
特別図柄表示器81の4個のLEDを高利益特別態様及び低利益特別態様で点灯表示した場合には、大当り遊技状態に制御し、該大当り遊技状態終了後に通常状態および後述する時短状態よりも高い確率で大当り(15R大当り、2R大当り)と判定される高確率状態(この実施の形態では、高確率状態では、1/80の確率で大当り(15R大当り、2R大当り)と判定、通常状態および時短状態では、1/400の確率で大当り(15R大当り、2R大当り)と判定)に制御する。
また、特別図柄表示器81の4個のLEDを高利益非特別態様で点灯表示した場合には、大当り遊技状態に制御し、該大当り遊技状態終了後に特別図柄表示器81により特別図柄の変動表示を所定回数(例えば、100回)実行するまで、特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間と、普通図柄表示器84により普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまでの変動時間と、を通常状態よりも短縮する時短状態に制御する。なお、画像表示装置82による装飾図柄の変動表示は特別図柄表示器81による特別図柄の変動表示と同期している。具体的には、特別図柄表示器81により特別図柄の変動表示を開始するときに画像表示装置82により装飾図柄の変動表示を開始し、特別図柄表示器81により特別図柄を停止表示するときに画像表示装置82により装飾図柄を停止表示する。すなわち、特別図柄表示器81による特別図柄の変動時間と、画像表示装置82による装飾図柄の変動時間と、は同一の時間とされ、時短状態において特別図柄表示器81による特別図柄の変動時間が短縮されることに伴って画像表示装置82による装飾図柄の変動時間も短縮される。
また、時短状態では、さらに、下始動口73が開放状態にされる開放時間を通常状態よりも延長する制御(この実施の形態では、通常状態では、500ms(0.5秒)、時短状態では、5s(5秒))と、普通図柄表示器84における普通図柄の変動表示の結果が当り(この実施の形態では、普通図柄表示器84の上側のLEDを点灯表示)となる確率を高める制御と、が実行される。なお、通常状態とは、高確率状態および時短状態とは異なる遊技状態のことである。また、時短状態では、大当り(15R大当り、2R大当り)と判定される確率は通常状態と同じ(低確率)であるため、通常状態と時短状態とを総称して低確率状態と呼ぶことがある。
また、この実施の形態では、特別図柄表示器81の4個のLEDを高利益特別態様(15R確変大当り図柄)で点灯表示したことに基づく大当り遊技状態を実行して、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する場合には、時短状態の制御も並行して行われる。すなわち、特別図柄表示器81の4個のLEDを高利益特別態様で点灯表示した場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄の変動表示を所定回数実行するまで時短状態の制御と高確率状態の制御との両方が並行して行われ、大当り遊技状態の終了後の特別図柄の変動表示の実行回数が所定回数に達したときに時短状態の制御を終了し、高確率状態の制御を単独で行うようになる。なお、時短状態の制御を終了するときに高確率状態の制御を終了するようにしてもよい。すなわち、大当り遊技状態の終了後に特別図柄の変動表示を所定回数(例えば、100回)実行するまで通常状態および時短状態よりも高い確率で大当り(15R大当り、2R大当り)と判定される高確率状態に制御するようにしてもよい。
一方、特別図柄表示器81の4個のLEDを低利益特別態様(2R大当り図柄)で点灯表示したことに基づく大当り遊技状態を終了して大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する場合には、大当り遊技状態を終了するときの遊技状態に応じて時短状態の制御を並行して行う場合と時短状態の制御を並行して行わない場合とがある。具体的には、特別図柄表示器81の4個のLEDを低利益特別態様(2R大当り図柄)で点灯表示したことに基づく大当り遊技状態を終了するときに遊技状態を判別し、時短状態の制御が行われていれば大当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御と並行して時短状態の制御を行い、時短状態の制御が行われていなければ大当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御を単独で行う。
また、上述した例に限らず、時短状態では、特別図柄表示器81および画像表示装置82における特別図柄および装飾図柄の変動時間を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器84における普通図柄の変動時間を通常状態よりも短縮する制御、普通図柄表示器84における普通図柄の変動表示の結果が当りとなる確率を通常状態よりも高める制御、可変入賞球装置71が開放状態にされる開放時間を通常状態よりも延長する制御、可変入賞球装置71が開放状態にされる回数を通常状態よりも増加する制御、のうちいずれか1つ、または、任意の組み合わせ(全部でもよい)を実行するようにしてもよい。
また、特別図柄表示器81の4個のLEDを特殊態様で点灯表示した場合には、小当り遊技状態に制御する。なお、小当り遊技状態の終了後には、小当り遊技状態を開始する以前の遊技状態を継続させる。すなわち、遊技状態が上記高確率状態である場合に小当り遊技状態となった場合には、小当り遊技状態の終了後に継続して高確率状態に制御する。また、遊技状態が上記時短状態である場合に小当り遊技状態となった場合には、小当り遊技状態の終了後に時短状態の終了条件(特別図柄の変動表示の実行回数が所定回数に達していること)が成立していなければ継続して時短状態に制御し、小当り遊技状態の終了後に時短状態の終了条件が成立していれば通常状態に制御する。このように、小当り遊技状態は、大当り遊技状態とは異なり、遊技状態の変化に直接起因するものではなく、単に賞球の払い出しを得る機会を与えるものである。
また、この実施の形態では、画像表示装置82の3つの表示領域に対応する左・中・右の装飾図柄は、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止するように制御される。装飾図柄の停止図柄とは、左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始してから中装飾図柄が停止表示されることにより左・中・右の装飾図柄全てが停止表示された状態の図柄の組み合わせをいう。
また、特別図柄表示器81にて特別図柄の変動表示を実行中、または、大当り遊技状態(15R大当り遊技状態、2R大当り遊技状態)及び小当り遊技状態の実行中、に上始動口72、または、下始動口73に遊技球が入賞し、上始動口スイッチ72a及び下始動口スイッチ73aにより遊技球が検出された(所定条件成立)ことにもとづいて抽出された当り判定用乱数は、所定個数(この実施の形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される当り判定用乱数の個数(特図保留記憶数)は、特図保留記憶LED87によって表示される。上述したように、特図保留記憶LED87は、4つのLEDによって構成される。この例では、1個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が1であることを示し、2個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が2であることを示し、3個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が3であることを示し、4個のLEDを点灯させることにより特図保留記憶数が4であることを示す。すなわち、始動入賞が発生する毎に特別保留記憶LED47の点灯するLEDを1つ増やし、特別図柄の変動表示の開始条件(前回の特別図柄の変動表示、大当り遊技状態、及び小当り遊技状態が終了して後述する特別図柄プロセスフラグが特別図柄通常処理を行うべき旨を示している状態)が成立したことに基づいて特別保留記憶LED47の点灯するLEDを1つ減らす。このように、特図保留記憶LED87は、所定条件が成立(上始動口72、または、下始動口73に遊技球が入賞)したが未だ特別図柄の変動表示が開始されていない記憶数(特図保留記憶数)を表示するものである。
この実施の形態では、大当り遊技状態及び小当り遊技状態では、大入賞口ソレノイド76aにより大入賞口の左右両側に配置する可動片を回動して大入賞口に遊技球を受け入れ可能な開放状態に制御する。なお、特別図柄表示器81の4個のLEDを特定の態様のうち高利益特別態様および高利益非特別態様で点灯表示したときには、15R大当り遊技状態に制御し、大入賞口を開放状態に制御してから所定時間(例えば、30s(30秒))が経過したとき、あるいは所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞したとき、に大入賞口ソレノイド76aにより再び大入賞口の左右両側に配置する可動片を回動して大入賞口に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御する。大入賞口に遊技球を受け入れ可能な開放状態に制御してから大入賞口に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御するまでが大当り遊技状態における1ラウンド(1R)である。15R大当り遊技状態は、15ラウンド(15R)を実行したときに終了する。
また、特別図柄表示器81の4個のLEDを特定の態様のうち低利益特別態様で点灯表示したときには、2R大当り遊技状態に制御し、大入賞口を開放状態に制御してから所定時間(例えば、300ms(0.3秒))が経過したとき、あるいは所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞したとき、に大入賞口ソレノイド76aにより再び大入賞口の左右両側に配置する可動片を回動して大入賞口に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御する。2R大当り遊技状態は、2ラウンド(2R)を実行したときに終了する。
また、特別図柄表示器81の4個のLEDを特殊態様で点灯表示したときには、小当り遊技状態に制御し、大入賞口を開放状態に制御してから所定時間(例えば、300ms(0.3秒))が経過したとき、あるいは所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞したとき、に大入賞口ソレノイド76aにより再び大入賞口の左右両側に配置する可動片を回動して大入賞口に遊技球を受け入れ不可能な閉塞状態に制御する。この実施の形態における小当り遊技状態では、大入賞口を開放状態にしてから閉塞状態にする制御(ラウンド)を2回繰り返す。
なお、この実施の形態では、2R大当り遊技状態で大入賞口を開放状態にしてから閉塞状態にするまでの期間と、小当り遊技状態で大入賞口を開放状態にしてから閉塞状態にするまでの期間と、を同一(見分けが付かない程度(例えば、100ms(0.1秒)以内の差)であれば同一とみなす)としている。また、2R大当り遊技状態で大入賞口を閉塞状態にしてから再び開放状態にするまでの待機時間と、小当り遊技状態で大入賞口を閉塞状態にしてから再び開放状態にするまでの待機時間と、を同一(見分けが付かない程度(例えば、100ms(0.1秒)以内の差)であれば同一とみなす)としている。そのため、2R大当り遊技状態に制御されているのか小当り遊技状態に制御されているのかを把握することが困難になり、小当り遊技状態であると把握されたときに高確率状態に制御されないことにより遊技者の興趣を低下させることを防止できる。
また、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態では、大入賞口を開放状態にしてから閉塞状態にするまでの開放時間が極端に短いため、大入賞口内への遊技球の入球は殆ど期待できない(例えば、1〜2個)。また、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態となる場合には画像表示装置82に外れ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組み合わせである低利益表示結果を導出表示するため、はずれ図柄との区別が付き難い。そのため、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態となったことを遊技者に悟られ難くでき、2R確変大当りとなった場合には突如として高確率状態に制御されたかの印象を与えることができる。また、この実施の形態では、2R大当り及び小当りとなった場合に、2R大当りであるか小当りであるかを報知しない。そのため、2R大当り遊技状態及び小当り遊技状態となったことが悟られた場合であっても、小当り遊技状態が実行されているのか大当り遊技状態が実行されているのかの判別を困難となる。
上述したように、状態表示LED83は、遊技状態に応じた態様でLEDを駆動させるが、積極的に遊技者に遊技状態を報知するものではない。すなわち、この実施の形態では、遊技領域52の右下部に状態表示LED83が配置し、遊技盤50に形成される遊技領域52の左側領域に遊技球を転動可能な領域が形成され、遊技領域52の右側領域には遊技球を転動可能な領域が殆ど形成されていないため、画像表示装置82及び遊技球の転動に注目している遊技者は状態表示LED83の態様に気付き難い。また、遊技状態に応じた態様で状態表示LED83を駆動していることを遊技者に知らせないため、状態表示LED83が駆動していることに気付いたとしても遊技状態に応じた態様で駆動していることに気付き難い。また、この実施の形態では、大当り遊技状態(2R大当り遊技状態、15R大当り遊技状態)の終了後に時短状態に制御するか、高確率状態に制御するかを報知しない。そのため、現在の遊技状態を把握することが困難となり、遊技をやめ難くなる。
なお、状態表示LED83の具体的な態様として、例えば、15R大当り遊技状態では、状態表示LED83を赤色で点灯させ、2R大当り遊技状態では、状態表示LED83を赤色で点滅させる。また、小当り遊技状態では、緑色で点滅させる。通常状態では、状態表示LED83を消灯させ、時短状態では、状態表示LED83を緑色で点灯させ、高確率状態では、青色で点灯させる。なお、当りの種類(15R大当り、2R大当り、小当り)に応じて駆動されるLEDと、遊技状態に応じて駆動されるLEDと、を別個に設けるように構成してもよい。
[払い出し及び発射]
図16は、払出制御基板202、払出装置203、及び発射基板11等の遊技球の払い出しや発射に関連する構成要素を示すブロック図である。
払出制御基板202に搭載される払出制御MPU202aは、払出制御I/Oポート202bを介して主制御基板201から出力される払出装置(払出モータ)を駆動する信号(賞球要求信号)が入力されたことに基づいて払出制御I/Oポート202bを介して払出装置203(払出モータ)に駆動信号を出力する。払出装置203(払出モータ)は払出制御MPU202aから駆動信号が入力されたことに応じて景品として複数個の遊技球(景品球や賞球ともいう)を払い出す。
また、本実施形態のパチンコ機1は、現金等の残高を記憶するプリペイドカード等の記憶媒体が挿入され、該プリペイドカードの残り度数に応じて遊技球の貸し出しを管理するCRユニット97が接続されている。また、CRユニット97には、CRユニット制御用のMPUが搭載されている。パチンコ機1内部の球皿6近傍には、度数表示基板96が配置し、この度数表示基板96に搭載される球貸スイッチ96a、返却スイッチ96b、度数表示LED96cが表面に露出した状態で配置し、CRユニット97とインターフェース基板95を介して接続している。またこの例では、インターフェース基板95内に配されているCRユニット97に対する電源供給ラインにCRユニット97を保護するためのヒューズが設けられている。これにより、CRユニット97に所定電圧以上の電圧が供給されることを防止している。
そして、プリペイドカードの残り度数が0でない状態で遊技者が球貸スイッチ96aを操作すると、球貸スイッチ96aが操作されたことを示す球貸スイッチ信号が度数表示基板96からインターフェース基板95を介してCRユニット97に入力され、球貸スイッチ信号が入力されたことに応じてCRユニット97に搭載されるMPUはインターフェース基板95を介して払出制御基板202に貸球要求信号を出力する。払出制御基板202に搭載される払出制御MPU202aは、払出制御I/Oポート202bを介して貸球要求信号が入力されたことに応じて払出制御I/Oポート202bを介して払出装置203(払出モータ)に駆動信号を出力する。払出装置203(払出モータ)は払出制御MPU202aから駆動信号が入力されたことに応じて貸球として所定個の遊技球(例えば25球)を払い出す。このとき、CRユニット97に搭載されるMPUは、プリペイドカードの残り度数情報を更新する。
また、CRユニット97に搭載されるMPUはプリペイドカードの残り度数(残高ともいう)を確認して残り度数に応じた表示を度数表示LED96cで行わせるための度数表示信号をインターフェース基板95を介して度数表示基板96に出力する。これによって、度数表示LED96cの表示を確認することでプリペイドカードの残り度数を把握することが可能になる。また、プリペイドカードが挿入されている状態で遊技者が返却スイッチ96bを操作すると、返却スイッチ96bが操作されたことを示す返却スイッチ信号が度数表示基板96からインターフェース基板95を介してCRユニット97に入力され、返却スイッチ信号が入力されたことに応じてCRユニット97に搭載されるMPUは挿入されているプリペイドカードを排出する。
なお、この実施の形態では、CRユニット97がパチンコ機1に併設される所謂CR機を例示したが、現金の投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸球として払い出されるような遊技機(所謂現金機)であっても本発明を適用可能である。
発射基板11には、発射制御用のMPUが搭載され、タッチスイッチとしてのカバー部材16j、調節手段17、メインスイッチ27、サブスイッチ29からの信号入力に応じてロータリーソレノイド13bの駆動を制御する。具体的には、カバー部材16jに遊技者の手が触れていることを検知している場合に、メインスイッチ27がONになっていれば、調節手段17によって指定された発射力となるようにロータリーソレノイド13bを駆動して遊技球を発射する。また、メインスイッチ27がONとなっている場合であってもカバー部材16jに遊技者の手が触れていない場合及びサブスイッチ29bがONになっている場合にはロータリーソレノイド13bを駆動しないように制御する。
また、主制御基板201から異常発生(例えば、磁気検知スイッチにより磁気変化を検出した)を示す信号が払出制御I/Oポート202bを介して払出制御MPU202aに入力されると、払出制御MPU202aから払出制御I/Oポート202bを介して発射基板11にロータリーソレノイド13bの駆動を停止する駆動停止信号を出力する。発射基板11に搭載されるMPUは、駆動停止信号が入力されたことに応じてロータリーソレノイド13bを駆動しないように制御する。これにより、異常発生時にロータリーソレノイド13bの駆動が停止され、遊技球の発射を停止する。なお、異常状態が解消した場合には主制御基板201から異常解消を示す信号を払出制御I/Oポート202bを介して払出制御MPU202aに出力し、この信号が入力されたことに応じて払出制御MPU202aから払出制御I/Oポート202bを介して発射基板11にロータリーソレノイド13bの駆動を再開させる駆動再開信号を出力し、該駆動再開信号が入力されたことに応じて発射基板11に搭載されるMPUがロータリーソレノイド13bを駆動可能な状態に制御するようにしてもよい。
[主制御基板におけるメイン処理]
次に、主制御基板201(特に主制御MPU201a)で実行される制御処理の例について説明する。図17(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記主制御基板201の主制御MPU201aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図17(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板201はまず、図示しないクリアスイッチが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。クリアスイッチはパチンコ機1の背面側に設けられ、通常は操作できないようになっている。また、クリアスイッチは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板201に出力し、電源投入時に主制御MPU201aがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化するようになっている
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御MPU201aのRAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときに図示しないクリアスイッチが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御MPU201aのRAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にクリアスイッチを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板201では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される乱数(当り判定用乱数、付与価値決定用乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される(変動パターン決定用乱数)、上記可動片71aの動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通図柄当り判定乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。そこで、このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動パターン決定用乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。
なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
[主制御基板におけるタイマ割込処理]
図17(b)は、上記主制御基板201の主制御MPU201aによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図17(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートスイッチ74a、上記上始動口スイッチ72a、上記下始動口スイッチ72b、上記カウントスイッチ75a、左下入賞口スイッチ57e、左上・左中入賞口スイッチ57d、全入賞口入賞数計数スイッチ78など、各種のスイッチからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(当り判定用乱数、付与価値決定用乱数、普通図柄当り判定乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板201の主制御MPU201aは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御MPU201aのRAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグに基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板201の主制御MPU201aは、ステップS15の処理として、上記可動片71aの動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理についても後述することとするが、ここでも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、大当り遊技状態(2R大当り遊技状態の一部を除く)の終了後の所定期間内は、上記可動片71aの駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を上記大当り遊技状態の終了後の所定期間だけ短縮するとともに、上記可動片71aの開放時間を延長することによって、こうした時短状態を実現するようにしている。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にてRAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺基板210などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺基板210などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板201の主制御MPU201aは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報(15R大当り、2R大当り、小当り)などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板201の主制御MPU201aは、ステップS19の処理として、上記上始動口スイッチ72a、上記下始動口スイッチ73a、上記カウントスイッチ75a、左下入賞口スイッチ57e、左上・左中入賞口スイッチ57dなどの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板202に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板202に搭載される払出制御MPU202aは、払出制御I/Oポート202bから払出装置203に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板201の主制御MPU201aは、次にステップS20の処理として、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
[特別図柄プロセス処理]
図18は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図18に示されるように、この主制御基板201の主制御MPU201aはまず、上記上始動口スイッチ72a又は上記下始動口スイッチ73aによる検出信号がオン状態(始動口への入球あり)にあることを条件に(ステップS30)、例えば特別図柄の当り判定用乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMに格納するなどの始動口通過処理を実行する(ステップS40)。そしてその後は、上述の特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の9つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPU201aのRAMに格納されている特別図柄の当り判定用乱数、付与価値決定用乱数などを読み出し、読み出した当り判定用乱数に基づいて上記特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる特別図柄通常処理(ステップS50)
2.上記付与価値決定用乱数に基づく大当りの種類についての決定処理と、特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果及び大当りの種類についての決定処理の結果に基づいて特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる特別図柄停止図柄設定処理(ステップS51)
3.上記変動パターン決定用乱数に基づいて上記特別図柄表示器81に表示される特別図柄の変動態様や、上記画像表示装置82に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる変動パターン設定処理(ステップS52)
4.特別図柄表示器81における上記特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する特別図柄変動処理(ステップS53)
5.特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果及び大当りの種類についての決定処理の結果に基づいて決定された特別図柄の変動制御停止時の態様が上記特別図柄表示器81に表示されるように上記特別図柄の変動表示を停止させる特別図柄停止処理(ステップS54)
6.特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の態様となったとき(15R大当り、2R大当り)に上記大当り遊技状態に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺基板210によって行われるまで待機し、特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特殊態様となったとき(小当り)に上記小当り遊技状態に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺基板210によって行われるまで待機する大入賞口開放前処理(ステップS55)
7.特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特定の態様となったとき(15R大当り、2R大当り)及び特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が予め決められた特殊態様となったときに、大入賞口開閉装置75により上記大入賞口が開放状態に制御される大入賞口開放中処理(ステップS56)
8.大当り遊技状態及び小当り遊技状態が終了する旨の遊技者への報知が上記周辺基板210によって行われるまで待機する大入賞口開放後処理(ステップS57)
なお、上記特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図17(a)参照)において、上記特別図柄通常処理(ステップS50)を行うべき旨を示すよう操作されている。
次に、上記始動口通過処理(ステップS40)、及びこうした9つのプロセス処理(ステップS50〜S57)の具体的態様についてそれら処理の別に詳述する。図19は、上記始動口通過処理(ステップS40)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS30の処理において、上記上始動口スイッチ72a又は下始動口スイッチ73aがオン状態にあり、上記上始動口72又は上記下始動口73への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図19に示されるように、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、ステップS41の処理として、まず、上記特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU201aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS41の処理において、上記特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS42〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS42の処理として、上記特別保留数カウンタをカウントアップする。次いで、ステップS43の処理として、上記当り判定用乱数及び付与価値決定用乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS44の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU201aのRAMの記憶領域のうちの上記特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する乱数記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS41の処理において、上記特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、上記特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすることなく、上記特別図柄の保留数がその最大値であると判断した時点で、この処理を終了する。
図20は、上記特別図柄通常処理(ステップS50)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図20に示されるように、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、まず、ステップS101の処理として、上記特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御MPU201aのRAMの乱数記憶領域に格納されている特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、当り判定用乱数、付与価値決定用乱数)のうちの最先の乱数記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU201aのRAMの乱数記憶領域に格納されている上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。具体的には、乱数記憶領域は1〜4の4つの領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、乱数記憶領域のn番目(n=1〜3)の領域まで乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の領域に移動させる。これにより、上記特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された特別図柄の当り判定用乱数に基づいて上記小当り及び上記大当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行い、上記特別図柄停止図柄設定処理(ステップS51)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図21は、上記当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板201の主制御MPU201aは、現在の遊技状態が高確率状態であれば(ステップS111)、図22(B)に示す高確率時の当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図22(A)に示す低確率時の当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した当り判定テーブルと特別図柄通常処理のステップS102で読み出した当り判定用乱数とを比較する(ステップS114)。
図22に示すように当り判定テーブルは、判定結果毎(大当り、小当り、はずれ)に当り判定用乱数が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板201の主制御MPU201aでは、取得した当り判定用乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当り、小当り及びはずれのいずれかと判定する。
また、上記当り判定テーブルは、上記主制御MPU201aのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態及び時短状態)の場合に使用する当り判定テーブル(低確率時当り判定テーブル)と、遊技状態が高確率時(高確率状態)の場合に使用する当り判定テーブル(高確率時当り判定テーブル)と、を備えている。そして、低確率時(通常状態及び時短状態)の当り判定テーブル(低確率時当り判定テーブル)では、2種類の当り判定用乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値(「113」、「259」)と一致し、1種類の当り判定用乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値(「11」)と一致し、397種類の乱数値が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、高確率時(高確率状態)の当り判定テーブル(高確率時当り判定テーブル)では、低確率時の当り判定テーブルに設定される当り判定用乱数と同一の2種類の当り判定用乱数が小当り判定値(「113」、「259」)と一致し、低確率時の当り判定テーブルに設定される当り判定用乱数と同一の当り判定用乱数を含む10種類の当り判定用乱数が大当り判定値(「11」、「23」、「31」、「117」、「187」、「233」、「241」、「291」、「313」、「373」)と一致し、388種類の乱数値がはずれ判定値と一致するように上記当り判定用乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率状態では、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態及び時短状態)の10倍に高められる。
この実施の形態では、高確率時の小当り判定値と、低確率時の小当り判定値と、を同一に設定しているが、これに限らず、高確率時の小当り判定値を低確率時の小当り判定値よりも多く設定することにより高確率時の小当りの発生確率を低確率時の小当りの発生確率よりも高めるようにしてもよいし、高確率時の小当り判定値を低確率時の小当り判定値よりも少なく設定することにより高確率時の小当りの発生確率を低確率時の小当りの発生確率よりも低下させるようにしてもよい。
上記主制御基板201の主制御MPU201aは、選択した当り判定テーブルと特別図柄通常処理のステップS102で読み出した当り判定用乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS116)、選択した当り判定テーブルと特別図柄通常処理のステップS102で読み出した当り判定用乱数との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS117)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットして処理を終了する(ステップS118)。
図23は、上記特別図柄停止図柄設定処理(ステップS51)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図23に示されるように、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、まず、特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS121)、小当りフラグがセットされているか否か(ステップS124)、を判別することにより行う。
主制御MPU201aは、大当りフラグがセットされていれば、付与価値決定用乱数と図24(A)に示す大当り種類決定テーブルとを比較する(ステップS122)。
図24に示すように大当り種類決定テーブルには、大当りの種類毎(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)に付与価値決定用乱数が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板201の主制御MPU201aでは、取得した付与価値決定用乱数に対応して関連付けされている大当りの種類を特定することにより、大当りの種類を決定する。
具体的には、
1.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に前記高確率状態に制御する15R確変大当り
2.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に前記時短状態に制御する15R非確変大当り
3.1ラウンド毎の開放時間(大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間)が300ms(0.3秒)の2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に前記高確率状態に制御する2R確変大当り
の3種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する(ステップS122)。
この実施の形態の大当り種類決定テーブルは、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する15R確変大当り及び2R確変大当りに関連付けされている付与価値決定用乱数の総数(50種類)と、大当り遊技状態の終了後に時短状態(低確率状態)に制御する15R非確変大当りに関連付けされている付与家庭決定用乱数の総数(50種類)と、が等しくなるように設定されている。すなわち、大当りとなった場合に大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する大当りとする割合は2分の1に設定されている。
また、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する大当りのうち15ラウンドの大当り遊技状態を実行する大当り(15R確変大当り)には「0」〜「29」の30種類の付与価値決定用乱数が対応付けされ、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する大当りのうち2ラウンドの大当り遊技状態を実行する大当り(2R確変大当り)には「80」〜「99」の20種類の付与価値決定用乱数が対応付けされている。すなわち、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する大当りのうち、15ラウンドの大当り遊技状態(15R確変大当り)を実行する割合は5分の3に設定され、大当りとなった場合に2ラウンドの大当り遊技状態(2R確変大当り)を実行する割合は5分の2に設定されている。
上述したように小当り遊技状態では2R大当り遊技状態と同様の条件(開放時間及び開放回数)で大入賞口開閉装置75を開閉制御する。一方で、2R大当り遊技状態終了後と小当り遊技状態終了後とでは異なる制御がなされる。すなわち、2R大当り遊技状態の終了後には高確率状態に制御し、小当り遊技状態の終了後には小当り遊技状態の発生時の遊技状態に継続して制御する。そのため、2R大当り遊技状態の終了後には遊技者にとって有利な状態に移行制御するが、小当り遊技状態の前後で遊技状態の変化がなく、両者の有利度合いは異なるようになっている。通常、遊技者は小当りとなることよりも2R大当り又は15R大当りとなることを望みつつ遊技を行う。
この場合に、2R大当り遊技状態の終了後に常に時短状態の制御を実行してしまうと2R大当り遊技状態が実行されたか小当り遊技状態が実行されたかを容易に判別できてしまい、小当り遊技状態が実行されたことを判別されたときに遊技興趣を低下させるおそれがある。この実施の形態では、2R大当り遊技状態の発生時に時短状態の制御を実行していれば、2R大当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御に並行して時短状態の制御を行い、2R大当り遊技状態の発生時に時短状態の制御を実行していなければ、2R大当り遊技状態の終了後に時短状態の制御を実行することなく高確率状態の制御を単独で行うことにより2R大当り遊技状態が実行されたか小当り遊技状態が実行されたかを判別困難にすることができる。
主制御MPU201aは、大当りの種類を決定すると、決定した大当りの種類に応じた特別図柄の変動制御停止時の態様(特別図柄の停止図柄)に決定する(ステップS123)。
また、主制御MPU201aは、小当りフラグがセットされていれば(ステップS124)、小当りに応じた特別図柄の変動制御停止時の態様(特別図柄の停止図柄)に決定する(ステップS125)。
また、主制御MPU201aは、大当りフラグ及び小当りフラグがセットされていなければ、はずれに応じた特別図柄の変動制御停止時の態様(特別図柄の停止図柄)に決定する(ステップS127)。
ここで、この特別図柄の変動制御停止時の態様(特別図柄の停止図柄)についての決定処理は、上記主制御MPU201aのROMに格納されている図25に示される図柄決定テーブルに基づいて行われる。なお、この図柄決定テーブルにおいて、「1〜4」の数字は、上記特別図柄表示器81を構成する4つのLED(7セグメントLED、ドットLED)を各々示すものである。
すなわち、この図柄決定テーブルには、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様(4つのLEDの点灯、消灯)を示す表示態様情報が当り判定用乱数及び付与価値決定用乱数に基づく抽選結果(大当りの種類、小当り、はずれ)にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。この点、この実施の形態にかかる主制御基板201の主制御MPU201aでは、前記抽選結果に対応して関連付けされている表示態様情報をこの図柄決定テーブルから取得することで、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様(4つのLEDの点灯、消灯)を決定する。これにより、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様(停止図柄)についての決定処理が行われるようになる。
なお、図柄決定テーブルに記憶されている特別図柄の変動制御停止時の態様は、抽選結果(大当りの種類、小当り、はずれ)それぞれに1対1対応とされているが、これに限らず、抽選結果(大当りの種類、小当り、はずれ)それぞれに対応して複数の態様を関連付けするようにしてもよい。例えば、15R確変大当りに対応して特別図柄の変動制御停止時の態様を2つ関連付けし、15R確変大当りとすることに決定された場合に抽選等により該2つの態様のうち一方に決定するようにしてもよい。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS128の処理として、これら抽選結果(大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)、小当り、はずれのいずれかを指示)が上記周辺基板210に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。これにより、抽選結果に基づく演出が上記画像表示装置82にて行われるようになる。そしてその後は、ステップS129の処理として、上記変動パターン設定処理(ステップS52)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
なお、この実施の形態では、特別図柄通常処理のステップS105で当り判定用乱数に基づいて大当りとするか否かを判定し、大当りと判定したときに、特別図柄停止図柄設定処理のステップS122で付与価値決定用乱数に基づいて大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)を決定するように構成されるが、大当りの当落と種類とを決定するタイミングや抽選方法は上記した例に限られるものではない。例えば、当り判定処理(ステップS105)を実行して当り判定用乱数に基づいて大当りとするか否かを判定するとともに大当りと判定された場合に付与価値決定用乱数に基づいて大当りの種類を決定するように構成してもよいし、付与価値決定用乱数を設けることなく、当り判定テーブルに大当りの種類に関連付けさせて複数種類の大当り判定値を設定することにより、当り判定用乱数に基づいて大当りとするか否か及び大当りの種類との両方を決定するように構成してもよい。
図26は、上記変動パターン設定処理(ステップS52)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図26に示されるように、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、まず、ステップS141の処理として、上記乱数カウンタから上記変動パターン決定用乱数を取得する。そして、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS142)、上記取得した変動パターン決定用乱数に基づいて上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理を行う(ステップS143)。なおここでは、上記主制御MPU201aのROMに格納されている大当り時の変動パターンテーブル(図示略)に基づいて上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われる。ここで、このテーブルには、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動パターン決定用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。この点、この実施の形態にかかる主制御基板201の主制御MPU201aでは、上記取得された変動パターン決定用乱数に対応して関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。
また、上記ステップS142の処理において、上記大当りフラグがセットされていないときに、上記小当りフラグがセットされているときは(ステップS144)、上記取得した変動パターン決定用乱数に基づいて上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理を行う(ステップS145)。ただしここでは、上記主制御MPU201aのROMに格納されている小当り時の変動パターンテーブルに基づいて上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理を行うこととなる。ここで、このテーブルには、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動パターン決定用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。この点、この実施の形態にかかる主制御基板201の主制御MPU201aでは、上記取得された変動パターン決定用乱数に対応して関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。
また、上記ステップS142及びステップS144で上記大当りフラグ及び小当りフラグがセットされていないときは、特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまでの変動時間を通常状態よりも短縮させる時短状態の制御(高確率状態で時短状態の制御が実行されている場合を含む)が実行されているか否か判別する(ステップS146)。時短状態の制御が実行されていれば、通常状態よりも短い変動時間が設定される短縮はずれの変動パターンに決定し(ステップS147)、時短状態の制御が実行されていなければ通常はずれの変動パターンに決定する(ステップS148)。
なお、この実施の形態では、時短状態の制御が実行され、且つ上記大当りフラグ及び小当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれとなる場合にだけ通常状態よりも短い変動時間の変動パターンに決定するようにしているが、時短状態の制御が実行されている場合に、大当り及び小当りとなるときにも通常状態よりも短い変動パターンに決定するようにしてもよい。
また、図示していないが上記ステップS142及びステップS144で上記大当りフラグ及び小当りフラグがセットされていない場合、すなわち今回の変動表示の表示結果がはずれとなる場合には、画像表示装置82で変動表示する装飾図柄をリーチ(この例では、左装飾図柄と右装飾図柄とが同一図柄で停止表示し、中装飾図柄が未だ停止表示していない状態)するか否かを判定し、リーチすると判定した場合に時短状態の制御が実行されていれば短縮リーチはずれ時変動パターンに決定し、リーチすると判定した場合に時短状態の制御が実行されていなければ通常リーチはずれ時変動パターンに決定するようにしてもよい。
また、上記ステップS142及びステップS144で上記大当りフラグ及び小当りフラグがセットされていない場合、すなわち今回の変動表示の表示結果がはずれとなる場合にも上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動パターン決定用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されているはずれ時変動パターンテーブル(時短状態の制御が実行されていない場合に選択される通常はずれ時変動パターンテーブル、時短状態の制御が実行されている場合に選択される短縮はずれ時変動パターンテーブル)と上記取得された変動パターン決定用乱数とに基づいて上記特別図柄の変動パターンを決定するようにしてもよい。
そして、こうして特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われると、次にステップS149の処理として、上記特別図柄表示器81における上記特別図柄の変動表示制御を開始するとともに、上記決定された特別図柄の変動パターンを上記周辺基板110へのコマンドとしてセットするとともに、決定した変動パターンの変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。これにより、こうして決定された変動時間だけ上記画像表示装置82にて演出制御が行われるようになる。また、特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS151の処理として、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS152)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS153)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短状態の制御を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS154)。
上記ステップS151の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、ステップS153の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点で上記ステップS155の処理に移行する。そして、上記特別図柄変動処理(ステップS53)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。
図27は、上記特別図柄変動処理(ステップS53)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図27に示されるように、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS52)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記特別図柄停止処理(ステップS54)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図28は、上記特別図柄停止処理(ステップS54)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図28に示されるように、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、まず、ステップS181の処理として、上記特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記特別図柄表示器81に表示させるための表示制御を行うとともに、上記画像表示装置82に特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺基板210へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板201の主制御MPU201aは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS183)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS184)、時短状態フラグをリセットする(ステップS185)。これにより時短状態の制御を終了させる。
また、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。そして、上記大入賞口開放前処理(ステップS55)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS190)、この処理を終了する。なお、大当り開始コマンドは、周辺基板210に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)に応じた大当り開始コマンド(15R確変大当り開始コマンド、15R非確変大当り開始コマンド、2R確変大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)及びスピーカ92,93等により実行される。
また、上記大当りフラグがセットされていないときに小当りフラグがセットされていれば(ステップS191)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS192)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(小当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS193)、ステップS190に進む。これにより、画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)及びスピーカ92,93等により小当り遊技状態の演出が実行される。
また、上記大当りフラグ及び上記小当りフラグがセットされていなければ(ステップS191)、特別図柄通常処理(ステップS50)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。
図29は、上記大入賞口開放前処理(ステップS55)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該大入賞口開放前処理を行うべき旨を示しているときは、同図29に示されるように、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、まず、ステップS201の処理として、大入賞口開閉装置75によって大入賞口を開放状態にするまでの待機時間を示すインターバルタイマを1減算し、インターバルタイマが0、すなわち、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したか否かを判別する(ステップS202)。
インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したら上記主制御基板201の主制御MPU201aは、大当りであれば(ステップS203)、大当り遊技状態のラウンドを開始することを示すラウンド開始コマンドをセットする(ステップS204)。ラウンド開始コマンドは、周辺基板210に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)及び実行するラウンドに応じて個々に用意されている。ステップS204では、大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)及び実行するラウンドとしての1ラウンド(1R)に応じたラウンド開始コマンドをセットする。これにより、ラウンド開始コマンドによって指示された大当りの種類及び1ラウンド(1R)に応じた大当り遊技状態の演出が画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)及びスピーカ92,93等により実行される。
次いで、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、大当りの種類に応じたラウンドの実行回数(15R大当り(15R確変大当り、15R非確変大当り)であれば「15回」、2R大当り(2R確変大当り)であれば「2回」)を開放カウンタにセットし(ステップS205)、大当りの種類に応じた開放時間(大入賞口開閉装置75により大入賞口を開放状態に制御してから閉塞状態に制御するまでの時間:15R大当りであれば「30s(30秒)」、2R大当りであれば「300ms(0.3秒)」)を開放タイマにセットする(ステップS206)。
また、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したときに大当りでなければ、すなわち、小当りであれば、小当り遊技状態のラウンドを開始することを示すラウンド開始コマンドをセットする(ステップS207)。ラウンド開始コマンドは、周辺基板210に送信されるコマンドであり、小当りの実行するラウンドに応じて個々に用意されている。ステップS207では、小当りの実行するラウンドとしての1ラウンド(1R)に応じたラウンド開始コマンドをセットする。これにより、1Rに応じた小当り遊技状態の演出が画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)及びスピーカ92,93等により実行される。
次いで、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、小当りに応じたラウンドの実行回数(この例では、2回)を開放カウンタにセットし(ステップS208)、小当りに応じた開放時間(この例では300ms(0.3秒))を開放タイマにセットする(ステップS209)。
以上の設定処理を終了すると、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、開放カウンタを1減算し(ステップS210)、大入賞口への入球数を計数する入球カウンタを0にセットして(ステップS211)、大入賞口開閉装置75を駆動して大入賞口を開放状態に制御する(ステップS212)。その後、上記大入賞口開放中処理(ステップS56)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS213)、この処理を終了する。
なお、インターバルタイマが0でない、すなわち、インターバルタイマにセットした待機時間が経過していないと判断したときには(ステップS202)、その後の処理を実行することなく大入賞口開放前処理を終了する。
図30は、上記大入賞口開放中処理(ステップS56)についてその手順を示すフローチャートである。なお上述の通り、この大入賞口開放中処理は、上記ラウンド遊技が繰り返し実行されることによって行われる。
上記特別図柄プロセスフラグが当該大入賞口開放中処理を行うべき旨を示しているときは、同図30に示されるように、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、まず、ステップS221の処理として、カウントスイッチ75aによる検出信号に基づいて大入賞口への遊技球の入球があったか否かを判別する。そして、この入球があることを条件に、ステップS222の処理として、大入賞口内への遊技球の入球数をカウンタ値として得る入球カウンタをカウントアップし、入球カウンタの値が10以上であれば(ステップS223)、ステップS226に進み、ラウンドを終了するための処理を行う。
また、入球カウンタの値が10未満であれば、開放タイマを1減算し(ステップS224)、開放タイマの値が0、すなわち、開放タイマにセットされた大入賞口の開放時間が経過した場合には(ステップS225)、大入賞口開閉装置75を駆動して大入賞口を閉塞状態に制御する(ステップS226)。次いで、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、開放カウンタが0、すなわち、大当り及び小当りを開始するときにセットされたラウンドの実行回数を終了したか否かを判別する(ステップS227)。
開放カウンタが0である場合に、大当り遊技状態を実行していれば(ステップS228)、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、大当り終了コマンドをセットする(ステップS229)。大当り終了コマンドは、周辺基板210に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)に応じて個々に用意されている。
ステップS229では、15R大当り遊技状態を終了する場合には大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り)に応じた大当り終了コマンドをセットし、2R大当り遊技状態を終了する場合には2R確変大当りに応じた大当り終了コマンドをセットする。これにより、大当りの種類に応じた大当り遊技状態を終了するときの演出が画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)及びスピーカ92,93等により実行される。
次いで、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、大当りの種類に応じた終了待機時間をインターバルタイマにセットし(ステップS230)、上記大入賞口開放後処理(ステップS57)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS231)、この処理を終了する。
また、ステップS227で開閉カウンタが0である場合に、小当り遊技状態を実行していれば、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、小当り終了コマンドをセットする(ステップS232)。小当り終了コマンドは、周辺基板210に送信されるコマンドである。これにより、小当り遊技状態を終了するときの演出が画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)及びスピーカ92,93等により実行される。
次いで、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、小当りに応じた終了待機時間をインターバルタイマにセットし(ステップS233)、上記大入賞口開放後処理(ステップS57)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS231)、この処理を終了する。
また、ステップS227で開閉カウンタが0でない場合に、大当り遊技状態を実行していれば(ステップS234)、ラウンド終了コマンドをセットする(ステップS235)。ラウンド終了コマンドは、周辺基板210に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)及び終了するラウンドに応じて個々に用意されている。ステップS235では、大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)及び実行するラウンドに応じたラウンド終了コマンドをセットする。これにより、ラウンド終了コマンドによって指示された大当りの種類及び終了するラウンドに応じた大当り遊技状態の演出が画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)及びスピーカ92,93等により実行される。
次いで、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、大当りの種類に応じたラウンド待機時間(大入賞口開閉装置75によって大入賞口を閉塞状態に制御してから再び大入賞口を開放状態に制御するまでの時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS236)、上記大入賞口開放後処理(ステップS57)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS231)、この処理を終了する。
また、ステップS227で開閉カウンタが0でない場合に、小当り遊技状態を実行していれば(ステップS234)、ラウンド終了コマンドをセットする(ステップS237)。ラウンド終了コマンドは、周辺基板210に送信されるコマンドであり、小当り遊技状態の終了するラウンドに応じて個々に用意されている。ステップS237では、終了するラウンドに応じたラウンド終了コマンドをセットする。これにより、終了するラウンドに応じた小当り遊技状態の演出が画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)及びスピーカ92,93等により実行される。
次いで、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、小当りに応じたラウンド待機時間(大入賞口開閉装置75によって大入賞口を閉塞状態に制御してから再び大入賞口を開放状態に制御するまでの時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS238)、上記大入賞口開放後処理(ステップS57)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS231)、この処理を終了する。
なお、ステップS225で開放タイマが0でない、すなわち、開放タイマにセットされた開放時間が経過していないと判断した場合には、以降の処理を実行することなく処理を終了する。これにより、次にタイマ割込が発生した場合に、再び大入賞口開放中処理が実行される。
このように、この実施の形態では、大当り遊技状態及び小当り遊技状態において、開放タイマにセットされた開放時間が経過したこと及び大入賞口内への遊技球の入球数が所定数(この例では、10個)に達したことの一方が成立した場合に実行中のラウンドを終了する。すなわち、開放タイマにセットされた開放時間が経過した場合及び大入賞口内への入球数が所定数(この例では、10個)に達した場合にラウンドの終了条件が成立したと判断し、実行中のラウンドを終了する処理を行う。なお、小当り遊技状態及び2R大当り遊技状態では、大入賞口内への遊技球の入球数が所定数(この例では、10個)に達したときにはラウンドの終了条件が成立したと判断せずに、開放タイマにセットされた開放時間が経過したときにだけラウンドの終了条件が成立したと判断して実行中のラウンドを終了するようにしてもよい。
図31は、上記大入賞口開放後処理(ステップS57)についてその手順を示すフローチャートである。
上記特別図柄プロセスフラグが当該大入賞口開放後処理を行うべき旨を示しているときは、同図31に示されるように、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、まず、ステップS251の処理として、大入賞口開閉装置75によって大入賞口を開放状態にするまでの待機時間を示すインターバルタイマを1減算し、インターバルタイマが0、すなわち、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したか否かを判別する(ステップS252)。インターバルタイマが0でなければ、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過していないと判断し、以降の処理を実行することなく処理を終了する。
上記主制御基板201の主制御MPU201aは、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したと判断し、開放カウンタの値が0であることに基づいて(ステップS253)、大当り遊技状態を終了する場合には(ステップS254)、2R大当り遊技状態を終了するか否か判別する(ステップS255)。上述したようにこの実施の形態では、2R大当り遊技状態を終了するときの遊技状態に応じて2R大当り遊技状態の終了後に時短状態の制御を行う場合と時短状態の制御を行わない場合とがある。すなわち、2R大当り遊技状態を終了する場合には、時短回数カウンタの値が0以下でないことを条件に時短状態フラグ及び時短回数カウンタを更新する(ステップS257)。一方、2R大当り遊技状態を終了する場合に時短回数カウンタの値が0以下であれば(ステップS256)、時短状態フラグ及び時短回数カウンタを更新することなくステップS258に進む。ステップS257では、時短状態フラグをセットするとともに時短回数カウンタとして予め決められた回数(例えば、50回)をセットする。ステップS257を実行することにより時短状態の制御が開始され、ステップS257の処理を実行しないことにより時短状態の制御が開始されない。また、15R大当り遊技状態を終了する場合には、ステップS257の処理を実行して時短状態フラグ及び時短回数カウンタを更新し、15R大当り遊技状態の終了後に時短状態の制御を開始する。その後、大当りフラグをリセットし(ステップS258)、ステップS260に進む。
また、上記主制御基板201の主制御MPU201aは、インターバルタイマにセットされた待機時間が経過したと判断し、開放カウンタの値が0であることに基づいて(ステップS253)、小当り遊技状態を終了する場合には(ステップS254)、小当りフラグをリセットし(ステップS259)、上記特別図柄通常処理(ステップS50)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS260)、この処理を終了する。
また、ステップS253で開放カウンタが0でない場合に、大当り遊技状態を実行していれば(ステップS261)、大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)及び実行するラウンドに応じたラウンド開始コマンドをセットする(ステップS262)。そして、大当りの種類に応じた開放時間(15R大当りであれば「30s(30秒)」、2R大当りであれば「300ms(0.3秒)」)を開放タイマにセットし(ステップS263)、ステップS266に進む。
また、ステップS253で開放カウンタが0でない場合に、小当り遊技状態を実行していれば(ステップS261)、小当り遊技状態の実行するラウンド(ステップS264の場合は2ラウンド(2R))に応じたラウンド開始コマンドをセットする(ステップS264)。そして、小当りに応じた開放時間(「300ms(0.3秒)」)を開放タイマにセットし(ステップS265)、開放カウンタを1減算し(ステップS266)、大入賞口開閉装置75を駆動して大入賞口を開放状態に制御する(ステップS267)。そして、上記大入賞口開放中処理(ステップS56)にプロセス移行されるよう上述の特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS268)、この処理を終了する。
ステップS268で大入賞口開放中処理にプロセス移行されるように特別図柄プロセスフラグを更新することにより、次にタイマ割込が発生した場合に大入賞口開放中処理が実行される。また、大入賞口開放中処理では、ラウンドの終了条件が成立したことに基づいて大入賞口開放後処理にプロセス移行されるように特別図柄プロセスフラグを更新する。つまり、大当り遊技状態及び小当り遊技状態では、大入賞口開放前処理で設定した内容に基づいて大入賞口開放中処理を実行して最初のラウンド(1ラウンド)を実行した後、大入賞口開放後処理と大入賞口開放中処理とを繰り返し実行することにより大当り遊技状態及び小当り遊技状態のラウンドが実行される。
なお、図示していないが、主制御MPU201aは、15R確変大当り及び2R確変大当りを終了するときに、確変フラグをセットし、15R非確変大当りを終了するときに、確変フラグをリセットする。そして、当り判定処理(ステップS105)のステップS111で確変フラグの状態を確認し、確変フラグがセットされていなければ、図22(A)に示す低確率時当り判定テーブルを用いて当りとするか否かの判定を行い、確変フラグがセットされていれば、図22(B)に示す高確率時当り判定テーブルを用いて当りとするか否かの判定を行う。これにより、低確率状態の制御と高確率状態の制御とを切り替え、各遊技状態の制御が可能になる。
また、主制御MPU201aは、小当りを終了するときには確変フラグを更新しない。すなわち、小当りを終了するときには、確変フラグのセット及びリセットを行わない。そのため、小当りを終了するときに高確率状態に制御していれば(確変フラグがセットされていれば確変フラグをリセットすることなく)小当り遊技状態の終了後に継続して高確率状態の制御を実行し、小当りを終了するときに高確率状態に制御していなければ(確変フラグがセットされていなければ確変フラグをセットすることなく)小当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御を実行しない。
[周辺制御基板におけるメイン処理]
次に、周辺基板210に搭載されるサブ統合MPU211aによって実行される処理について説明する。図32は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺基板210に搭載されるサブ統合MPU211aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図32に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、サブ統合MPU211aは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺基板210に搭載されるサブ統合MPU211aのRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、サブ統合MPU211aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16ms定常処理を行う(ステップS504)。
この16ms定常処理では、主基板200から受信した演出コマンドにもとづいて画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、スピーカ92,93等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
[周辺制御基板における16ms定常処理]
図33は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、サブ統合MPU211aは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主基板200から受信した演出コマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、ステップS149でセットされて送信されたことにより受信した変動パターンコマンドにもとづいて画像表示装置82に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ92,93に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)に関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板219にランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)の点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS502で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
[演出制御処理]
図34は、演出制御処理(ステップS602)の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、サブ統合MPU211aは、内蔵されるRAMに格納されている遊技の進行状況を示す演出制御プロセスフラグに応じて、以下の4つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.上記コマンド解析処理にて解析された変動パターンコマンドに基づいて画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、スピーカ92,93等を制御する処理などが行われる変動演出開始処理(ステップS700)
2.画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、スピーカ92,93等の制御を開始してからの経過時間を計測し、経過時間に応じて画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、スピーカ92,93等を制御する処理などが行われる変動演出中処理(ステップS701)
3.停止表示コマンドを受信したことに基づいて判定結果通知コマンドによって通知された抽選結果に応じた装飾図柄の表示結果を導出表示するとともに上記大当り開始コマンド及び小当り開始コマンドを受信したことに基づいてラウンド演出処理が開始されるように演出制御プロセスフラグを更新する処理を行う変動演出終了処理(ステップS702)。
4.大当り遊技状態及び小当り遊技状態の演出を実行し、大当り遊技状態及び小当り遊技状態を終了するときに変動演出開始処理が開始されるように演出制御プロセスフラグを更新する処理を行うラウンド演出処理(ステップS703)。
なお、パチンコ機1への電源投入時に実行される遊技制御メイン処理の初期化処理(ステップS1)でパチンコ機1への電源を遮断する以前の状態に復旧させる復旧処理を実行することなく、主制御MPU201aのRAMの内容を初期化した場合には、上述のステップS501の処理(図32参照)において、上記変動演出開始処理(ステップS700)を行うべき旨を示すよう上記演出制御プロセスフラグが設定される。
また、この実施の形態では、上記変動演出終了処理で15R大当り(15R確変大当り、15R非確変大当り)に応じた大当り開始コマンドを受信したことに基づいてサブ統合MPU211aは、画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、スピーカ92,93等を制御して15R大当りを開始することを報知する。一方、上記変動演出終了処理で2R大当り(2R確変大当り)に応じた大当り開始コマンド及び小当りに応じた小当り開始コマンドを受信した場合には、サブ統合MPU211aは、2R大当りであるか小当りであるかを報知することなく画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、スピーカ92,93等を制御して所定の演出を実行する。そのため、遊技者は2R大当りであるか小当りであるかを判別することが困難になる。
また、この実施の形態では、上記時短状態の制御を実行しているとき(遊技状態が時短状態である場合及び遊技状態が高確率状態であって時短状態の制御が並行して行われている場合)には、サブ統合MPU211aは、画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、スピーカ92,93を、上記時短状態の制御を実行していないとき(通常状態及び遊技状態が高確率状態であって高確率状態の制御が単独で行われている場合)とは異なる態様で制御する。具体的には、上記時短状態の制御を実行しているときには、画像表示装置82の態様(背景色、画像の態様)、スピーカ92,93の音出力態様、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)の点灯態様(色、点灯パターン)等を、上記時短状態の制御を実行していないときとは異なる態様で制御する。これにより、時短状態の制御が実行されているか否かを判別することは可能になる。
一方、高確率状態の制御が行われている場合に、時短状態の制御が並行して行われていない場合には、サブ統合MPU211aは、画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、スピーカ92,93を、通常状態と同様に上記時短状態の制御を実行していないときの態様で駆動する。そのため、時短状態の制御を実行していないときの態様で画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、スピーカ92,93が駆動されている場合には、高確率状態であるか低確率状態であるかを判別することは困難になり、遊技者は遊技をやめ難くなる。
なお、図示していないが、主制御基板201に搭載される主制御MPU201aは、遊技状態を通知するコマンドを周辺制御基板211に送信する。具体的には、主制御MPU201aは、大当り遊技状態を終了するとき、例えば大入賞口開放後処理のステップS258で大当りフラグをリセットにするときに、大当り遊技状態の終了後に前記時短状態の制御及び前記高確率状態の制御を実行しない場合には、遊技状態を通常状態に制御することを示すコマンドをセットして周辺制御基板211に送信し、大当り遊技状態の終了後に前記時短状態の制御を単独で実行する(遊技状態を低確率時短状態に制御する)場合には、時短状態の制御を実行することを示すコマンドをセットして周辺制御基板211に送信し、大当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御及び時短状態の制御を実行する(遊技状態を高確率時短状態に制御する)場合には、時短状態の制御を実行することを示すコマンドと高確率状態の制御を実行することを示すコマンドとをセットして周辺制御基板211に送信し、大当り遊技状態の終了後に高確率状態の制御を単独で実行する(遊技状態を高確率非時短状態に制御する)場合には、高確率状態の制御を実行することを示すコマンドをセットして周辺制御基板211に送信する。サブ統合MPU211aは、これらのコマンドに基づき、遊技状態に応じた態様で画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、スピーカ92,93を駆動する。
また、主制御基板201に搭載される主制御MPU201aは特別図柄表示器81で特別図柄の変動表示を開始する毎に遊技状態を通知するコマンドを周辺制御基板211に送信している。具体的には、変動パターン設定処理のステップS149でセットした変動パターンコマンドを周辺制御基板211に送信する以前に遊技状態を確認し、前記時短状態の制御及び前記高確率状態の制御を実行していなければ通常状態であることを示すコマンドをセットし、前記時短状態の制御を単独で実行していれば時短状態の制御を実行していることを示すコマンドをセットし、前記高確率状態の制御及び前記時短状態の制御を実行していれば高確率状態の制御を実行していることを示すコマンド及び時短状態の制御を実行していることを示すコマンドをセットし、前記高確率状態の制御を単独で実行していれば高確率状態の制御を実行しているコマンドをセットする。このようにしてセットされたコマンドは、変動パターンコマンドを周辺制御基板211に送信する以前(変動パターンコマンドの送信と同時でもよい(変動パターンコマンドを送信するときと同一のタイマ割り込み処理内で送信するものであってもよい))に周辺制御基板211に送信される。
また、この例では、高確率状態の制御と時短状態の制御とが並行して実行されるとき(遊技状態を高確率時短状態に制御しているとき)には、高確率状態の制御を実行していることを示すコマンドと時短状態の制御を実行していることを示すコマンドとを周辺制御基板211に送信するが、高確率状態の制御と時短状態の制御とが並行して実行されているときに高確率状態の制御と時短状態の制御とが実行されていることを示す1つのコマンドを周辺制御基板211に送信するようにしてもよい。
なお、特別図柄表示器81で特別図柄の変動表示を開始する毎に送信される遊技状態を通知するコマンドは、特別図柄停止図柄設定処理のステップS128でセットされる判定結果通知コマンド及び変動パターン設定処理のステップS149でセットされる変動パターンコマンドとは別個に設けるように構成してもよいし、特別図柄停止図柄設定処理のステップS128でセットされる判定結果通知コマンドを遊技状態毎に複数種類設け、遊技状態と抽選結果とを通知する判定結果通知コマンドを周辺制御基板211に送信することによりサブ統合MPU211aに遊技状態を通知するように構成してもよいし、変動パターン設定処理のステップS149でセットされる変動パターンコマンドを遊技状態毎に複数種類設け、遊技状態及び決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを周辺制御基板211に送信することによりサブ統合MPU211aに遊技状態を通知するように構成してもよい。
また、特別図柄表示器81で特別図柄の変動表示を開始する毎に遊技状態を通知するコマンドを送信する構成としたが、これに限らず、特別図柄の変動表示を開始するときに遊技状態の変更があった場合にだけ遊技状態を通知するコマンドを送信するようにしてもよい。具体的には、変動パターン設定処理のステップS149で時短回数カウンタの値が0になったことにより時短状態の制御を終了する場合に、高確率状態の制御を実行していれば高確率状態の制御を実行していることを示すコマンドを周辺制御基板211に送信し、高確率状態の制御を実行していなければ通常状態であることを示すコマンドを周辺制御基板211に送信するように構成してもよい。
図35に示すように、プロセスデータには、画像表示装置82の表示態様を示す表示制御実行データとランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)の発光態様を示す発光制御実行データとスピーカ92,93の音出力態様を示す音制御実行データとから構成される演出制御実行データと、該演出制御実行データに基づく制御の実行期間を示すプロセスタイマ設定値と、が複数記録されている。
また、サブ統合ROM211bには主基板200に搭載される主制御MPU201aから送信される変動パターンコマンドそれぞれに対応して複数種類のプロセスデータが記憶されている。周辺基板210に搭載されるサブ統合MPU211aは主基板200に搭載される主制御MPU201aから変動パターンコマンドを受信したときに、該変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択し、該選択したプロセスデータを参照してプロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ演出制御実行データに設定されている態様で画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、及びスピーカ92,93を制御する。
また、プロセスタイマ設定値に設定されている時間が経過したときに演出制御実行データを切り替えて制御することにより装飾図柄651の変動表示を行う。例えば、プロセスデータの「N(N=1〜n)」番目に記憶されている演出制御実行データ(演出制御実行データ(N))を参照してプロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ制御を実行した後、「N+1」番目に記憶されている演出制御実行データ(演出制御実行データ(N+1))に切り替え、切り替え後の演出制御実行データ(演出制御実行データ(N+1))を参照してプロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ制御を実行することにより、装飾図柄の移動速度や方向、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)の発光態様、スピーカ92,93の音出力態様、を異ならせて制御する。これにより、画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、及びスピーカ92,93を同期制御し、一体的な演出が可能となる。
図36は、上記変動演出開始処理(ステップS700)についてその手順を示すフローチャートである。
上記演出制御プロセスフラグが変動演出開始処理を行う旨を示しているときには、同図36に示されるように、周辺基板210に搭載されるサブ統合MPU211aは、まず、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS801)。変動パターンコマンドを受信していれば、特別図柄停止図柄設定処理のステップS128でセットされて主基板200に搭載される主制御MPU201aから送信された判定結果通知コマンドに基づいて、受信した変動パターンコマンドの変動表示の結果として15R確変大当りとなるか否かを判別し(ステップS802)、15R確変大当りとなる場合には装飾図柄の停止図柄として15R確変大当り図柄(左・中・右の装飾図柄の同一の奇数図柄の組み合わせ、例えば「777」)に決定し(ステップS803)、ステップS809に進む。
また、特別図柄停止図柄設定処理のステップS128でセットされて主基板200に搭載される主制御MPU201aから送信された判定結果通知コマンドに基づいて、受信した変動パターンコマンドの変動表示の結果として15R非確変大当りとなる場合には(ステップS805)、装飾図柄の停止図柄として15R非確変大当り図柄(左・中・右の装飾図柄の同一の偶数図柄の組み合わせ、例えば「222」)に決定し(ステップS804)、ステップS809に進む。
また、特別図柄停止図柄設定処理のステップS128でセットされて主基板200に搭載される主制御MPU201aから送信された判定結果通知コマンドに基づいて、受信した変動パターンコマンドの変動表示の結果として2R確変大当り又は小当りとなるとなる場合には(ステップS806)、装飾図柄の停止図柄としてチャンス目(本例では「1」と「2」と「3」との全てを含む図柄の組み合わせ、例えば「123」、「213」等)に決定し(ステップS807)、特別図柄停止図柄設定処理のステップS128でセットされて主基板200に搭載される主制御MPU201aから送信されたコマンドに基づいて受信した変動パターンコマンドの変動表示の結果として、15R確変大当り、2R確変大当り、15R非確変大当り及び小当りのいずれにもならない場合、すなわちはずれとなる場合には装飾図柄の停止図柄としてはずれ図柄(15R確変大当り図柄、15R非確変大当り図柄とは異なる図柄であって、少なくとも2種類以上の図柄の組み合わせ、なおチャンス目とも異なる図柄であってもよい)に決定する(ステップS808)。その後、ステップS809に進む。
なお、受信した変動パターンコマンドの変動表示の結果として15R確変大当り、2R確変大当り、15R非確変大当り及び小当りのいずれにもならない場合(判定結果フラグがセットされていない場合)に、受信した変動パターンコマンドがリーチ(この例では、左装飾図柄と右装飾図柄とが同一図柄で停止表示し、中装飾図柄が未だ停止表示していない状態)を伴うはずれとなることを示すときには(変動パターン番号3〜7のいずれかの変動パターンを示すときには)、はずれ図柄として左装飾図柄と右装飾図柄とを同一の図柄に決定するとともに中装飾図柄を左装飾図柄及び右装飾図柄とは異なる図柄の組み合わせ(リーチはずれ図柄)に決定し(ステップS808)、受信した変動パターンコマンドがリーチを伴わないはずれとなることを示す場合には、はずれ図柄として少なくとも左装飾図柄と右装飾図柄とが異なる図柄の組み合わせ(通常はずれ図柄)に決定する(ステップS808)。
停止表示する装飾図柄を決定するとサブ統合MPU211aは、大当りとなることを予告する予告演出に関する設定を行う予告設定処理を実行する(ステップS809)。この例では、手の平の手首に近い部位を載せる受け部34dに備えられる振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させることにより振動ユニット34の振動を受け部34dを介して遊技者の手に伝え、この振動発生により大当りとなることを予告する予告演出を実行する。なお、本例では大当りとならない場合であっても所定の割合で上記予告演出を実行し、大当りとなる場合に実行頻度が高く、大当りとならない場合には実行頻度が低くなるように設定される。これにより、予告演出が実行されたときには大当りとなる割合が高くなり、受け部34dが振動したことによって予告演出が実行されたことを認識した遊技者の大当りに対する期待を向上させることができる。
次いで、サブ統合MPU211aは、受信した変動パターンに応じたプロセスデータを選択し(ステップS810)、選択したプロセスデータの最初に記憶される演出制御実行データ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマにセットするとともに(ステップS811)、演出制御実行データ1の内容を表示コマンドとしてセットする(ステップS812)。そして、サブ統合MPU211aは、変動演出中処理(ステップS701)にプロセス移行されるよう上述の演出制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS813)、この処理を終了する。
図37は、上記予告設定処理(ステップS809)についてその手順を示すフローチャートである。
予告設定処理においてサブ統合MPU211aは、まず、ステップS8091の処理として、上記ステップ606で所定範囲の乱数を更新するカウンタから予告決定用乱数を取得する。そして、今回の変動表示の結果が15R確変大当りであれば(ステップS8092、S8093)、15R確変大当り時の予告判定テーブルを選択し(ステップS8094)、今回の変動表示の結果が15R非確変大当りであれば(ステップS8092、S8093)、15R非確変大当り時の予告判定テーブルを選択し(ステップS8095)、ステップS8099に進む。
ここで、予告判定テーブルには、予告の有無及び予告開始までの待機時間が上記予告決定用乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。この点、この実施の形態にかかるサブ統合MPU211aでは、上記取得された予告決定用乱数に対応して関連付けされている予告の有無及び予告開始までの待機時間をこのテーブルから取得することで、上記予告の有無及び予告開始までの待機時間を決定する。これにより、上記予告演出についての抽選処理が行われるようになる。
また、本例では、変動表示の結果が15R確変大当りとなる場合に選択される15R確変大当り時の予告判定テーブルは、変動表示の結果が15R非確変大当りとなる場合に選択される15R非確変大当り時の予告判定テーブルよりも予告演出を実行すると判定される割合が高くなるように構成されている。換言すると、15R確変大当りとなる場合には15R非確変大当りとなる場合よりも高い割合で予告演出を実行する。そのため、予告演出が実行されたときに15R大当りに対する期待を向上させるだけでなく、確変状態に対する期待も向上させることができ、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、今回の変動表示の結果がリーチしてはずれとなる(リーチはずれ図柄を停止表示する)場合には(ステップS8096、S8097)、はずれ時の予告判定テーブルを選択する(ステップS8098)。本例では、変動表示の結果がリーチしてはずれとなる場合に選択されるはずれ時の予告判定テーブルは、変動表示の結果が15R大当りとなる場合に選択される15R非確変大当り時の予告判定テーブル及び15R確変大当り時の予告判定テーブルよりも予告演出を実行すると判定される割合が低くなるように構成されている。換言すると、リーチしてはずれとなる場合には15R大当りとなる場合よりも予告演出を実行する割合が低い。そのため、予告演出が実行されたときに15R大当りに対する期待を向上させることができ、遊技興趣の低下を抑止できる。
予告判定テーブルを選択するとサブ統合MPU211aは、選択した予告判定テーブルとステップS8091で取得した予告決定用乱数とを比較して予告の有無及び予告内容(予告開始までの待機時間)を決定し(ステップS8099)、予告する場合には(ステップS8100)、予告実行フラグをセットするとともに(ステップS8101)、予告実行タイマに予告開始までの待機時間をセットして処理を終了する(ステップS8102)。
この例では今回の変動表示の結果が2R確変大当り、小当り、リーチとならないはずれのいずれかの場合であって装飾図柄の表示結果として通常はずれ図柄若しくは通常はずれ図柄と類似するチャンス目を停止表示する場合には予告演出を実行しない。そのため、予告演出を実行した後にリーチとなり、又はリーチした状態で予告演出を実行し、予告演出を実行した後に通常はずれ図柄が停止表示し、又はリーチとなる可能性のない状態(左装飾図柄と右装飾図柄とが異なる図柄で停止した状態)で予告演出が実行されることを防止でき、予告演出が実行されたときに15R大当りに対する期待を失わせないようにしている。なお、今回の変動表示の結果が2R確変大当り、小当り、リーチとならないはずれのいずれかとなる場合であっても予告演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。
図38は、上記変動演出中処理(ステップS701)についてその手順を示すフローチャートである。
上記演出制御プロセスフラグが変動演出中処理を行う旨を示しているときには、同図38に示されるように、周辺基板210に搭載されるサブ統合MPU211aは、まず、上記演出制御実行データのプロセスタイマ設定値がセットされるプロセスタイマを1減算し(ステップS831)、プロセスタイマがタイムアウトすれば(ステップS832)、実行中の演出制御実行データの次に記憶される演出制御実行データに切り替えるとともに(ステップS833)、切り替え後の演出制御実行データのプロセスタイマ設定値をプロセスタイマにセットし(ステップS834)、切り替え後の演出制御実行データの内容を表示コマンドとしてセットする(ステップS835)。ステップS832でプロセスタイマがタイムアウトしていなければステップS833〜ステップS835の処理を実行することなくステップS836aに進むことで、実行中の演出制御実行データに基づく画像表示装置82の表示制御を継続させる。
次いで、サブ統合MPU211aは、上記予告演出の実行を示す予告実行フラグがセットされていれば(ステップS836a)、予告実行タイマを1減算し(ステップS836b)、予告実行タイマがタイムアウトすれば(ステップS836c)、予告実行フラグをリセットするとともに振動部材34cの駆動信号をセットする(ステップS836d)。なお、振動部材34cの駆動信号は情報出力処理(ステップS605)でランプ駆動基板219に送信され、該駆動信号に基づいてランプ駆動基板219は振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させる。
また、主基板200に搭載される主制御MPU201aから上記停止表示コマンドを受信したことに基づいて(ステップS837)、変動演出終了処理(ステップS702)にプロセス移行されるよう上述の演出制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS838)、この処理を終了する。
なお、ステップS837で上記停止表示コマンドを受信していなければ、演出制御プロセスフラグを更新することなく処理を終了する。すなわち、このステップS837の処理において特別図柄の変動表示を停止することを通知する停止表示コマンドを受信していなければ、上記ステップS810で選択したプロセスデータに基づいて画像表示装置82、ランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)、及びスピーカ92,93の駆動制御を継続して実行する。
図39は、上記変動演出終了処理(ステップS702)についてその手順を示すフローチャートである。
上記演出制御プロセスフラグが変動演出終了処理を行う旨を示しているときは、同図39に示されるように、周辺基板210に搭載されるサブ統合MPU211aは、変動演出開始処理(ステップS700)のステップS803,S804,S807,S808で決定した停止図柄を確定表示(左・中・右の全ての装飾図柄を完全に停止表示した状態)する(ステップS851)。
次いで、周辺基板210に搭載されるサブ統合MPU211aは、主基板200に搭載される主制御MPU201aから15R確変大当りに応じた大当り遊技状態を開始することを通知する15R確変大当り開始コマンドを受信していれば(ステップS852)、15R確変大当りに応じた大当り遊技状態の実行中であることを示す15R確変大当りフラグをセットしてステップS856に進み(ステップS853)、主基板200に搭載される主制御MPU201aから15R非確変大当りに応じた大当り遊技状態を開始することを通知する15R非確変大当り開始コマンドを受信していれば(ステップS854)、15R非確変大当りに応じた大当り遊技状態の実行中であることを示す15R非確変大当りフラグをセットしてステップS856に進み(ステップS855)、15R大当り遊技状態の制御を開始することを通知する表示を開始するとともに(ステップS856)、ラウンド演出処理(ステップS703)にプロセス移行されるよう上述の演出制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS857)、この処理を終了する。
また、主基板200に搭載される主制御MPU201aから2R確変大当りに応じた大当り遊技状態を開始することを通知する2R確変大当り開始コマンドを受信していれば(ステップS858)、2R確変大当りに応じた大当り遊技状態の実行中であることを示す2R確変大当りフラグをセットしてステップS857に進み(ステップS859)、小当り遊技状態を開始することを通知する小当り開始コマンドを受信していれば(ステップS860)、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り遊技フラグをセットしてステップS857に進む(ステップS861)。
また、主基板200に搭載される主制御MPU201aから15R確変大当り開始コマンド、15R非確変大当り開始コマンド、2R確変大当り開始コマンド、及び小当り開始コマンドのいずれも受信していなければ(ステップS860)、変動演出開始処理(ステップS700)にプロセス移行されるよう上述の演出制御プロセスフラグを更新した時点で(ステップS862)、この処理を終了する。
なお、上記表示コマンドは情報出力処理(ステップS605)で液晶表示基板220及びランプ駆動基板219に送信され、該表示コマンドに基づいて液晶表示基板220は画像表示装置82を表示制御し、ランプ駆動基板219はランプ・LED(盤装飾基板221及び枠装飾基板94に搭載されるLED及びランプ)を発光制御する。
[予告演出の具体例]
次に予告演出の具体例について図40及び図41を参照して説明する。図40〜図41は予告演出の一例を示す説明図である。
サブ統合MPU211aは、主制御MPU201aから変動パターンコマンドを受信したことに基づいて予告演出を実行すると判定されたときには予告実行タイマに予告開始までの待機時間をセットし、画像表示装置82にて装飾図柄の変動表示を開始する(図40(A)、(B))。そして、予告実行タイマがタイムアウトしたことに基づいて振動部材34cの駆動信号をセットすることにより振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させ(図40(B))、装飾図柄のリーチ状態を表示した後(図40(C))、主制御MPU201aから停止表示コマンドを受信したことに基づいて装飾図柄を停止表示して表示結果を導出表示する(図40(D))。
図40(A)〜図40(D)に示す例では、予告演出として装飾図柄の変動表示開始時に振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させる。これにより、実行される装飾図柄の変動表示に対して注目させることができるとともに、15R大当りに対する期待を抱かせることができる。
なお、この実施形態では、装飾図柄の表示結果がリーチはずれ図柄、15R確変大当り図柄、及び15R非確変大当り図柄のうちいずれかとなる場合にだけ予告演出を実行するため、リーチにもならないことで遊技者を落胆させ、予告演出に対する期待を失わせることを抑止できる。
図40(E)〜図40(H)に示す例では、予告演出として装飾図柄のリーチ発生時(図41(G)に振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させる。これにより、リーチの発生を遊技者に通知することができるとともに、リーチ後に実行される装飾図柄の変動表示に注目させることができ、且つ15R大当りに対する期待を抱かせることができる。
また、図41(A)〜図41(F)に示す例では、予告演出として装飾図柄を仮停止してから再変動するまでに(図41(D))、振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させる。なお、装飾図柄の仮停止とは装飾図柄を完全には停止表示していない状態(上下に揺動する揺れ変動している状態等)であって装飾図柄の表示結果を未だ導出表示していない状態である。そして、仮停止している装飾図柄を再び変動表示した後に停止表示して表示結果を導出表示することを再変動という。この場合には再変動が実行されることを遊技者に通知することができるとともに、再変動に注目させることができ、且つ15R大当りに対する期待を抱かせることができる。
このように、予告演出の一例を示したが、予告演出を開始するタイミングや態様等は上記した例に限られるものではない。例えば、画像表示装置82で装飾図柄のリーチ発生後に実行されるリーチ演出において、リーチを発展させる場合に振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させるようにしてもよいし、大当り図柄が導出表示されたときに振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させるようにしてもよいし、始動入賞時に取得した当り判定用乱数に基づいて大当りとなるか否か若しくは大当りとなる割合が高いか否かを当該当り判定用乱数に基づく変動表示を開始する以前に事前判定(先読みともいう)する遊技機において、事前判定の結果が大当り若しくは大当りとなる割合が高いと判定されたときに振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させるようにしてもよい。
また、上記した例では振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させた後に所定の演出(例えば再変動)を実行することで所定の演出の実行を通知するように構成したが、所定の演出を実行しない場合にも所定の割合で振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させるようにしてもよい。これにより、振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させたときに所定の演出の実行に対して期待を抱かせることができる。
また、上記した例では大当りの予告や所定の演出の実行を通知する際に振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させるように構成したが、振動部材34cを駆動する条件は上記した例に限られるものではない。例えば、球皿6に払い出された遊技球が満タン状態となったエラー状態(下皿満タン)や、球タンク7からの遊技球を払出装置203に供給するための図示しない補給球供給路内で遊技球が詰まったエラー状態(球詰まりエラー)、球皿6に遊技球がないこと等により発射レール12の発射位置に遊技球が供給されていない状態で操作部16が操作されて電動打撃槌13が作動されているエラー状態(発射球エラー)等が発生した場合に振動部材34cを駆動して受け部34dを振動させるように構成してもよい。
上記実施形態から把握し得る請求項の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(解決手段1)
遊技盤(遊技盤50)の遊技領域(遊技領域52)に向けて遊技球を発射させる球発射部材(球発射部材9)と、該球発射部材の発射力の強弱を調節する発射力調節装置(発射力調節装置10)と、を有する弾球遊技機において、
前記発射力調節装置は、
機前の下方から遊技者側に向けてほぼ水平に突設した操作基台(操作基台15)と、
該操作基台の上面に位置し、定点を中心としたほぼ扇形の軌跡を描く状態で首振り回動可能な操作部(操作部16)と、
該操作部の前記首振り回動によって前記球発射部材の発射力を強弱させるために回動する回動調節手段(調節手段17)と、を備え、
前記操作部は、前記操作基台の上面に対向する底部(底部16a)と、その底部上にあって遊技者が手を載せ置くための手載せ部(手載せ部16b)と、を有すると共に、前記操作部と前記回動調節手段とが当該操作部の前記首振り回動の回動量よりも大きな回動量で当該回動調節手段を回動させる回動増量機構(原動内歯車31の回動中心から内歯車を構成する歯31bまでの径に対して、従動平歯車32の回動中心から平歯車を構成する歯32bまでの径を小さくなるように構成して、原動内歯車31と従動平歯車32とを互いの歯が噛み合うように配置)により連結されていることを特徴とする。
解決手段1記載の弾球遊技機によれば、首振り回動の中心たる定点近くに手首を置くことにより、遊技者の手首から先の手の動きと、操作部の動きをほぼ一致させることができる発射力調節装置を備えるため、操作部を操作する姿勢が自然で疲れにくい。また、操作部と回動調節手段とが操作部の首振り回動の回動量よりも大きな回動量で回動調節手段を回動させる回動増量機構により連結されているため、少ない回動幅で球発射部材の発射力を強弱させることができ、遊技者が疲れにくい。