JP5311024B2 - 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドユニット及びそれらの製造方法並びに液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドユニット及びそれらの製造方法並びに液体噴射装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドユニット及びそれらの製造方法並びに液体噴射装置に関し、特に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド、インクジェット式記録ヘッドユニット及びそれらの製造方法並びにインクジェット式記録装置に関する。
インクジェット式プリンターやプロッター等のインクジェット式記録装置に代表される液体噴射装置は、カートリッジやタンク等に貯留されたインクなどの液体を液滴として噴射可能な液体噴射ヘッドが複数設けられた液体噴射ヘッドユニット(以下、ヘッドユニットとも言う)を具備する。
複数の液体噴射ヘッドは、共通の保持部材であるベースプレートに載置されており、複数の液体噴射ヘッドの配置は、各液体噴射ヘッドのノズル開口が並設されたノズル列が並設方向に連続するように行われる。
各液体噴射ヘッドは、液体の着弾位置の精度を向上させるため、これらのノズル開口の位置が高精度に位置決めされた上でベースプレートに取り付けられる必要がある。液体噴射ヘッドを位置決めする方法としては、例えば、アクチュエーター装置を駆動して平行板バネ等を移動させ、液体噴射ヘッドを所定の基準位置に合わせる技術(例えば、特許文献1参照)や、ガラスマスク等に予め設けられたアライメントマークを基準とし、カメラ等を備える画像認識装置などを用いて液体噴射ヘッドをアライメントマークに合わせてベースプレート等に固定する技術がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−57430号公報(請求項4、段落25等) 特開2008−36512号公報(段落86〜111等)
しかしながら、特許文献1の技術では、アクチュエーター装置や平行板バネ等の調整機構で位置決めを行うため高精度に位置決めを行うことができないという問題がある。また、特許文献2の技術では、アライメントマークに複数の液体噴射ヘッドを位置決めするための位置調整に手間と時間を要してしまう。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドユニットだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドユニットにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、液体噴射ヘッドを簡易に且つ高精度に位置決めできる液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドユニット及びそれらの製造方法並びに液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、複数のノズル開口が並設されたノズル列を有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドを搭載したベースプレートとを備える液体噴射ヘッドユニットの製造方法であって、前記ベースプレートに設けられた第1の基準に位置決めされる第2の基準及び位置決め調整穴を位置決めプレートにフォトリソグラフィー法により形成する第1の工程と、前記位置決め調整穴と前記ノズル開口とが所定の配置となるように前記位置決めプレートを前記液体噴射ヘッドに取り付ける第2の工程と、前記第1の基準と前記第2の基準とを位置決めした状態で前記液体噴射ヘッドを前記ベースプレートに固定する第3の工程とを備えることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法にある。
かかる態様では、ノズル開口は、フォトリソグラフィー法により形成された位置決めプレートの位置決め調整穴を介して、第2の基準との相対的な位置が高精度に規定される。また、第2の基準は第1の基準に位置決めされる。したがってノズル開口は、液体噴射ヘッドユニットのノズル開口側の平面視において、第1の基準から所定距離だけ離れた位置に高精度に配列される。このようにノズル開口をベースプレートの所定の位置に高精度に配列することができるので、液滴の吐出特性に優れた液体噴射ヘッドユニットが提供される。また、第2の基準を第1の基準に位置決めするだけで、液体噴射ヘッドのノズル開口がベースプレートの所定位置に高精度に配列されるため、液体噴射ヘッドの高精度な配置を容易に行うことができる。
ここで、前記第2の工程では、複数の前記位置決めプレートを複数の前記液体噴射ヘッドにそれぞれ取り付け、前記第3の工程では、前記ベースプレートに設けられた複数の前記第1の基準に前記第2の基準をそれぞれ位置決めした状態で前記液体噴射ヘッドを前記ベースプレートに固定することが好ましい。これによれば、複数の液体噴射ヘッド間の相対的な位置を保って各液体噴射ヘッドのノズル開口を高精度に配列することができる。
また、前記第1の工程では、前記位置決めプレートの中央部を挟んで対向するように前記位置決めプレートの周縁部に2つの前記位置決め調整穴をフォトリソグラフィー法により形成することが好ましい。これによれば、位置決め調整穴を結んだ直線の傾きを認識しやすくなる。これにより、位置決め調整穴とノズル開口との位置合わせに際して、位置決めプレートの傾きを修正しやすくなる。
また、前記第1の基準は、前記ベースプレートの表面に設けられた位置決めピンであり、前記第1の工程では、前記第2の基準として前記位置決めピンの外周が内接する貫通孔を前記位置決めプレートに形成し、前記位置決め調整穴を当該貫通孔よりも狭い径で形成することが好ましい。これによれば、位置決めプレートの位置決め調整穴とノズル開口とをCCDカメラを用いて高精度に位置決めすることができる。
また、前記第1の工程では、前記第2の基準として前記第1の基準に当接する面を前記位置決めプレートに形成することが好ましい。これによれば、第2の基準を第1の基準に当接させることで、第2の基準を第1の基準に位置合わせすることができ、より簡易に液体噴射ヘッドをベースプレートに位置決めすることができる。
また、本発明の他の態様は、複数のノズル開口が並設されたノズル列を有する液体噴射ヘッドであって、ベースプレートに設けられた第1の基準に位置決めされる第2の基準及び位置決め調整穴がフォトリソグラフィー法により形成された位置決めプレートを備え、前記位置決めプレートの前記位置決め調整穴と前記ノズル開口とが所定の位置に位置決めされていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、ノズル開口は、フォトリソグラフィー法により形成された位置決めプレートの位置決め調整穴を介して、第2の基準との相対的な位置が高精度に規定されている。また、第2の基準は、ベースプレートに設けられた第1の基準に位置決めされるものである。したがって、液体噴射ヘッドがベースプレートに取り付けられると、ノズル開口が、液体噴射ヘッドユニットのノズル開口側の平面視において、第1の基準から所定距離だけ離れた位置に高精度に位置するようになっている。このように本態様の液体噴射ヘッドは、そのノズル開口をベースプレートに対して高精度に配列することができる。また、第2の基準を第1の基準に位置決めするだけで、液体噴射ヘッドのノズル開口がベースプレートの所定位置に高精度に配列されるため、液体噴射ヘッドは、高精度な配置を容易に行えるものとなっている。
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを前記ベースプレート上に複数搭載したことを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる態様では、ノズル開口は、フォトリソグラフィー法により形成された位置決めプレートの位置決め調整穴を介して、第2の基準との相対的な位置が高精度に規定されている。また、第2の基準は第1の基準に位置決めされている。したがってノズル開口は、液体噴射ヘッドユニットのノズル開口側の平面視において、第1の基準から所定距離だけ離れた位置に高精度に配列されている。このように本態様の液体噴射ヘッドユニットは、そのノズル開口がベースプレートに対して高精度に配列されるので、液滴の吐出特性に優れている。また、第2の基準を第1の基準に位置決めするだけで、液体噴射ヘッドのノズル開口がベースプレートの所定位置に高精度に配列されるため、液体噴射ヘッドユニットでは、液体噴射ヘッドのベースプレートに対する高精度な配置を容易に行うことができる。
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドユニットを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体噴射ヘッドを簡易に且つ高精度に位置決めできる液体噴射装置が提供される。
また、本発明の他の態様は、複数のノズル開口が並設されたノズル列を有する液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記液体噴射ヘッドを搭載するベースプレートに設けられた第1の基準に位置決めされる第2の基準及び位置決め調整穴を位置決めプレートにフォトリソグラフィー法により形成する第1の工程と、前記位置決め調整穴と前記ノズル開口とが所定の配置となるように前記位置決めプレートを前記液体噴射ヘッドに取り付ける第2の工程とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる態様では、ベースプレートに対して高精度かつ容易に取り付けすることができる液体噴射ヘッドが提供される。
実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドユニットの概略斜視図である。 実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドユニットの平面図である。 実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの概略斜視図である。 図2のA−A’断面図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの製造方法を説明する概略図である。 実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドユニットの平面図である。 実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの概略斜視図である。 図6のA−A’断面図である。 実施形態2に係るヘッドユニットの製造方法を説明する概略図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドユニットの一例であるインクジェット式記録ヘッドユニットの概略斜視図であり、図2は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドユニットの平面図であり、図3は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略斜視図であり、図4は、図2のA−A’断面図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドユニット1(以下、ヘッドユニットとも言う)は、複数のインクジェット式記録ヘッド10(以下、ヘッドとも言う)が載置されたベースプレート20とを具備する。
図1及び図2に示すように、ベースプレート20には、その厚さ方向に貫通する貫通孔21が一つのヘッド10につき一つ設けられ、これらの貫通孔21に、ヘッド10が挿通された状態で各ヘッド10がサブプレート30を介して固定されている。
貫通孔21は、ヘッド10のヘッドケース15の外周よりも若干大きく、且つサブプレート30よりも小さな開口で設けられている。このため、貫通孔21にヘッド10を挿入すると、ヘッド10のサブプレート30がベースプレート20に保持されるようになっている。また、ヘッド10と貫通孔21との間には空隙が生ずるので、ヘッド10がベースプレート20に対して第1の方向及び第2の方向に若干移動可能になっている。
また、ベースプレート20には、第1の基準の一例である位置決めピン22がベースプレート20の所定の位置に設けられている。すなわち、詳細は後述するが、ヘッド10に設けられた第2の基準の一例である位置決めピン挿通孔42に位置決めピン22が嵌合したとき、複数のヘッド10の相対位置が所定の配置となるように各位置決めピン22がベースプレート20に設けられている。本実施形態では、位置決めピン22は、これらの相対位置が所定の配置となるように、各貫通孔21の両側にそれぞれ1個ずつ設けられている。なお、ベースプレート20には、ヘッド10のサブプレート30を固定するための固定ネジ35に螺合する固定ネジ穴23が設けられている。
図3及び図4に示すように、本実施形態のヘッド10は、一端面にノズル開口11を有するヘッド本体12と、ヘッド本体12のノズル開口11とは反対側の面に固定された流路部材13と、これらを収納するヘッドケース15と、ヘッドケース15をベースプレート20に取り付けるためのサブプレート30とを具備している。
ヘッド本体12は、ノズル開口11が並設されたノズル列14を具備している。ノズル列14の数は、特に限定されず、例えば、1列であってもよく、2列以上の複数列であってもよい。本実施形態では、1つのヘッド本体12にノズル列14を2列設けるようにした。ここで、本実施形態では、ノズル列14においてノズル開口11が並設された方向を第1の方向とし、第1の方向に交差する方向を第2の方向としている。したがって、2列のノズル列14は、第2の方向に並設されている。
なお、ヘッド本体12の内部には、図示していないが、ノズル開口11に連通する流路の一部を構成する圧力発生室と、圧力発生室に圧力変化を生じさせてノズル開口からインクを吐出させる圧力発生手段とが設けられている。
圧力発生手段は、特に限定されないが、例えば、電気機械変換機能を呈する圧電材料を2つの電極で挟んだ圧電素子を用いたものや、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口11から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口11から液滴を吐出させるものなどを用いることができる。また、圧電素子としては、圧力発生室側から下電極、圧電材料及び上電極を積層して撓み変形させる撓み振動型の圧電素子や、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子などを用いることができる。
流路部材13は、ヘッド本体12のノズル開口11とは反対側の面に固定されて、外部からのインクをヘッド本体12に供給又はヘッド本体12から外部にインクを排出するものである。流路部材13のヘッド本体12に固定された面とは反対側の面には、内部の流路が開口して外部の流路が接続される液体流路口(図示せず)と、外部からの印刷信号等の電気信号が供給されるコネクター(図示せず)とが設けられている。
ヘッドケース15は、ヘッド本体12と流路部材13とを内部に収納している。また、ヘッドケース15には、第1の方向の両側面に、外側に突出するフランジ部16が設けられており、このフランジ部16がヘッドケース固定ネジ17でサブプレート30に固定されている。
サブプレート30は、ヘッドケース15をベースプレート20に取り付けるための部材であり、具体的には、ヘッド挿通孔31が設けられた基台部32と、この基台部32の一方面に設けられた脚部33とから構成されている。
サブプレート30の基台部32には、ヘッド挿通孔31にヘッドケース15が挿通された状態で、ヘッドケース15のフランジ部16が固定されている。また、サブプレート30の脚部33には、その厚さ方向に貫通する固定ネジ挿通孔34が形成されている。固定ネジ35を固定ネジ挿通孔34を挿通した状態で、固定ネジ穴23に螺合させることで、サブプレート30がベースプレート20に固定されている。なお、固定ネジ挿通孔34は、固定ネジ35の径よりも若干広い径を有しており、サブプレート30は、第1の方向および第2の方向に若干移動可能となっている。これは、後述する位置決めプレート40に設けられた位置決めピン挿通孔42に位置決めピン22を嵌合させる際に、サブプレート30のベースプレート20に対する位置を微調整するためである。
サブプレート30には、基台部32のノズル開口11側の面に、貫通孔21を挟んだ両側にそれぞれ一枚ずつ位置決めプレート40が計2枚取り付けられている。位置決めプレート40はシリコン基板からなり、位置決め調整穴41と、第2の基準の一例である位置決めピン挿通孔42とが形成されている。
位置決めピン挿通孔42は、ベースプレート20に設けられた位置決めピン22に嵌合される穴であり、位置決め調整穴41は、詳細は後述するが、位置決めプレート40をサブプレート30に取り付ける際の位置決めに用いられる穴である。
これらの位置決め調整穴41及び位置決めピン挿通孔42は、フォトリソグラフィー法により形成されているため、例えば樹脂を射出成型して位置決めプレートを形成するよりも小さい寸法公差で、位置決めプレート40の所定の位置に高精度に形成されている。
位置決めプレート40は、位置決め調整穴41とノズル開口11とが所定の位置に位置決めされた状態でサブプレート30に取り付けられている。ここで、位置決め調整穴41とノズル開口11とが所定の位置に位置決めされているとは、ヘッド10をノズル開口11側から観た平面視において、ノズル開口11から第1の方向及び第2の方向に所定距離だけ離れて位置決め調整穴41が位置していることをいう。
このように位置決め調整穴41とノズル開口11とが所定の位置に位置決めされ、また、前述したように位置決め調整穴41と位置決めピン挿通孔42とがフォトリソグラフィー法により位置決めプレート40の所定の位置に高精度に形成されているので、位置決めピン挿通孔42とノズル開口11とについても、これらの相対的な位置が高精度に規定されている。すなわち、ヘッド10をノズル開口11側から観た平面視において、ノズル開口11から第1の方向及び第2の方向に所定距離だけ離れて位置決めピン挿通孔42が高精度に位置している。
なお、本実施形態では、位置決めピン挿通孔42は、位置決めプレート40の中央部に一つ形成され、位置決め調整穴41は、位置決めプレート40の中央部を挟んで両側に一つずつ形成されている。
このような位置決めプレート40は、位置決めピン挿通孔42と位置決め調整穴41とが所定の位置に形成されるようにフォトレジストパターンを位置決めプレート40上に形成し、その後エッチングすることにより形成されている。なお、本実施形態では、位置決めプレート40はシリコンからなるが、フォトリソグラフィー法により位置決めピン挿通孔42及び位置決め調整穴41を形成し得る材料であれば特に限定されない。このような材料としては、SUSなどの金属やガラス等を挙げることができる。
上述したように位置決めプレート40が取り付けられたヘッド10は、第2の基準である位置決めピン挿通孔42が第1の基準である位置決めピン22に位置決めされた状態で、固定ネジ35によりベースプレート20に固定されている。
ここで、第2の基準が第1の基準に位置決めされるとは、第1の基準により第2の基準の移動が規制されることで第2の基準の位置が規定されることをいう。本実施形態では、位置決めピン挿通孔42は位置決めピン22に嵌合されることで、位置決めピン22に第1の方向及び第2の方向への移動が規制され、これにより位置決めピン挿通孔42の位置が規定されている。
なお、位置決めピン挿通孔42は、その開口形状が菱形になっており、位置決めピン22の横断面は、位置決めピン挿通孔42の開口形状に内接する円形となっている。これにより、位置決めピン挿通孔42と位置決めピン22との間に遊びが無くなるので、より確実に位置決めピン挿通孔42と位置決めピン22とを位置決めできる。
このように、位置決めピン挿通孔42が位置決めピン22に位置決めされると、ヘッド10のノズル開口11はベースプレート20の所定の位置に高精度に配列される。すなわち、ヘッドユニット1のノズル開口11側の平面視において、ヘッド10のノズル開口11が所定の配置に高精度に位置する。
すなわち、ノズル開口11は、前述したように、フォトリソグラフィー法により形成された位置決めプレート40の位置決め調整穴41を介して、位置決めピン挿通孔42との相対的な位置が高精度に規定されている。また、位置決めピン挿通孔42は位置決めピン22に位置決めされている。したがってノズル開口11は、ヘッドユニット1のノズル開口11側の平面視において、位置決めピン22から第1の方向及び第2の方向に所定距離だけ離れた位置に高精度に配列されている。
また、位置決めピン22は、各ヘッド10の相対位置が所定の配置となるようにベースプレート20に設けられているため、各ヘッド10のノズル開口11は、各ヘッド10同士の相対的な間隔を保って配列されている。
本実施形態では、各ヘッド10の所定位置として、次のように配設した。すなわち、図1に示すように、ヘッド10のノズル列14(図3参照)におけるノズル開口11の並設方向である第1の方向に複数のヘッド10を配置することで、ヘッド群110を構成し、このヘッド群110を第2の方向に4つ並設するようにした。すなわち、ヘッド10は、第1の方向及び第2の方向に沿って複数配置されている。
詳言すると、複数のヘッド10は、ノズル列14が第1の方向に連続するように第1の方向に沿って千鳥状に配置されている。そして、第1の方向にノズル列14が連続するように配置された複数のヘッド10からなるヘッド群110が、第2の方向に2つ並設されている。
ここで、各ヘッド群110のノズル列14が、第1の方向に連続するとは、各ヘッド群110の第2の方向で互いに隣接するヘッド10において、一方のヘッド10のノズル列14の端部のノズル開口11と、他方のヘッド10のノズル列14の端部のノズル開口11とが、第1の方向で同一位置となるように配置されていることを言う。
このように、各ヘッド群110において、複数のヘッド10のノズル列14が第1の方向で連続するように配置されることで、1つのヘッド10のノズル列14で印刷を行う場合に比べて、広範囲な印刷を高速で行わせることができる。
以上に説明したように、本実施形態に係るヘッド10は、ノズル開口11が位置決め調整穴41を介して位置決めピン挿通孔42に高精度に配置されている。このため、ヘッド10がベースプレート20に取り付けられると、ノズル開口が、ヘッドユニット1のノズル開口11側の平面視において、ベースプレート20に設けられた位置決めピン22から所定距離だけ離れた位置に高精度に位置するようになっている。
また、本実施形態に係るヘッドユニット1は、ノズル開口11がベースプレート20の所定の位置に高精度に配列されているので、インク滴の吐出特性に優れている。すなわち、インク滴の着弾位置の精度が向上したヘッドユニット1が提供される。また、位置決めピン挿通孔42に位置決めピン22を嵌合させ、固定ネジ35でヘッド10をベースプレート20に固定するだけで、ヘッド10のノズル開口11がベースプレート20の所定位置に高精度に配列される。すなわち、ヘッド10のノズル開口11とベースプレート20の所定位置とをCCDカメラ等を用いて合わせる手間や時間をかけることなく、容易にヘッド10のアライメントを行うことができる。
また、本実施形態に係るヘッドユニット1は、ヘッド10のノズル開口11がベースプレート20の所定位置に位置決めするための機構としてアクチュエーター装置や平行板バネ等が不要である。このため、ヘッドユニット1の小型化や低コスト化を図ることもできる。また、ヘッドユニット1を具備する液体噴射装置が実際に使用されている現場においてヘッド10の交換作業を行う際に、ヘッドユニット1を取り替えることなく、ヘッド10単体を高精度に位置決めした上で個別に交換することができる。
なお、本実施形態では、ヘッド10は、サブプレート30を具備していたが、必ずしもこのような態様に限定されず、位置決めプレート40をヘッドケース15に直接取り付け、該ヘッドケース15をベースプレート20に位置決めして固定してもよい。
次に、本実施形態に係るヘッド10及びヘッドユニット1の製造方法について説明する。図5は、本発明の実施形態1に係るヘッド及びヘッドユニットの製造方法を説明する概略図である。
まず、図5(a)に示すように、位置決めプレート40の表面に、位置決め調整穴41と位置決めピン挿通孔42とが所定の位置に形成されるようにフォトレジストパターンを形成し、その後エッチングし、該フォトレジストパターンを除去することで、位置決めプレート40に位置決め調整穴41及び位置決めピン挿通孔42を形成する。
本実施形態では、位置決めピン挿通孔42は、位置決めピン22が内接するように菱形に形成してある。また、一枚の位置決めプレート40に、その中央部を挟んで対向するように位置決めプレート40の周縁部に計2つの位置決め調整穴41を形成してある。さらに、これらの位置決め調整穴41は、その径が位置決めピン挿通孔42よりも小さな径となるように形成してある。
また、一つのヘッド10につき2つの位置決めプレート40を取り付けるので、ヘッド10の2倍の枚数の位置決めプレート40を作成する。なお、必ずしも一つのヘッド10につき複数枚の位置決めプレート40を取り付ける必要はない。例えば、サブプレート30の基台部32の脚部33側の全面に取り付けうる形状の位置決めプレートに、位置決め調整穴41、位置決めピン挿通孔42、及び基台部32のヘッド挿通孔31に連通してヘッド10が挿通される貫通孔を設けてもよい。
次に、ヘッド本体12及び流路部材13とを収納したヘッドケース15をヘッド挿通孔31に挿通させ、ノズル開口11側が脚部33側に突出した状態でサブプレート30に固定する。そして、図5(b)に示すように、位置決め調整穴41とノズル開口11とが所定の配置となるように位置決めプレート40をサブプレート30に取り付けることで、ヘッド10を形成する。具体的には、CCDカメラでこれらの位置決め調整穴41とノズル開口11とを撮像し、これにより得られた画像から、位置決め調整穴41及びノズル開口11の中心を画像処理により求め、これらの中心が所定の位置になるように、位置決めプレート40の位置を調整する。
これにより、位置決め調整穴41とノズル開口11とが所定の配置に位置決めされる。また、位置決め調整穴41は位置決めピン挿通孔42との相対的な位置がフォトリソグラフィー法により精度よく形成されているため、ノズル開口11と位置決めピン挿通孔42とが所定の配置に高精度に位置決めされる。
なお、前述したように、位置決めプレート40の位置決め調整穴41は、位置決めピン挿通孔42よりも小さな径で形成されている。本実施形態では、位置決め調整穴41は、ノズル開口11と同程度の径で形成してある。このため、CCDカメラの解像度が低い場合であっても、ズームアウトすることなくその視野に位置決め調整穴41全体を撮像することが可能となっている。これにより、画像処理により位置決め調整穴41の中心を精度よく検出することができる。
これは、次の理由による。画像処理においては、開口形状が菱形になっているので、この菱形の対角線の交点を求めることで位置決め調整穴41の中心が求められる。このため、CCDカメラにより得られる画像には位置決め調整穴41全体が撮像されていなければならない。仮に位置決め調整穴41の径が位置決め挿通孔42と同程度に広い径で形成してあると、その広い径の位置決め調整穴41全体を視野に入れるべくCCDカメラをズームアウトしなければならない。したがって、ズームアウト後に得られる画像の一画素には、ズームアウト前に得られる画像の一画素よりも広い範囲で被撮像物が撮像される。このため、この広く撮像された分だけ、菱形の中心の誤差が大きくなる。
しかしながら、本発明に係るヘッド10及びヘッドユニット1の製造方法では、位置決め調整穴41は、位置決めピン挿通孔42の径よりも小さい径で形成してあるので、CCDカメラのズームアウトを極力行わないようにすることができる。これにより、位置決め調整穴41の中心が精度よく検出され、この中心に基づいて位置決め調整穴41とノズル開口11とが位置合わせされるので、これらをさらに精度よく位置決めさせることができる。
なお、位置決めピン挿通孔42を小さな径で形成し、これとノズル開口11とを直接的に位置合わせする方法も考えられるが、位置決めピン22は剛性を確保するため、ある程度の太さが要求され、これに嵌合される位置決めピン挿通孔42もそれに応じた広い径で形成される必要があるため、そのような方法での位置合わせは難しい。しかしながら、本発明では、位置決め調整穴41を介することで、間接的に位置決めピン挿通孔42とノズル開口11とを位置合わせできる。
また、位置決めプレート40には、中央部を挟んで両側の周縁部にそれぞれ一つずつ位置決め調整穴41が形成されている。すなわち、位置決めプレート40の表面において位置決め調整穴41の距離が極力遠くなるように配置されている。このため、位置決めプレート40をサブプレート30の脚部33側の面に載置したとき、当該面における位置決め調整穴41を結んだ直線の傾きを認識しやすくなっている。これにより、位置決め調整穴41とノズル開口11との位置合わせに際して、位置決めプレート40の当該面における傾きを修正しやすくなっている。
次に、図5(c)に示すように、ベースプレート20に各ヘッド10が所定の配置に位置決めされるように位置決めピン22を設け、ヘッド10のノズル開口11側を貫通孔21に挿通させ、位置決めピン22に位置決めピン挿通孔42を嵌合させる。そして、その状態で固定ネジ35でヘッド10をベースプレート20に固定してヘッドユニット1を形成する。これにより、ノズル開口11はベースプレート20の所定の位置に高精度に配列され、各ヘッド10のノズル開口11は、各ヘッド10同士の相対的な間隔を保って配列される。
〈実施形態2〉
実施形態1では、第1の基準と第2の基準として、位置決めピン22とこれに嵌合する位置決めピン挿通孔42とを例示したが、これに限定されず、例えば、第2の基準は第1の基準に当接しうる面であってもよい。
図6は、本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドユニットの平面図であり、図7は、本発明の実施形態2に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略斜視図であり、図8は、図6のA−A’断面図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図6に示すように、ベースプレート20Aには、位置決め凸部22Aが一つの貫通孔21の一端側に設けられている。位置決め凸部22Aは、平面視で略L字状に形成され、第1の基準として基準平面25及び26を有している。基準平面25は、位置決め凸部22Aの貫通孔21に向かう側面であって、第2の方向に平行な平面である。基準平面26は、位置決め凸部22Aの貫通孔21に向かう側面であって、第1の方向に平行な平面である。
これらの位置決め凸部22Aは、後述するヘッド10Aに取り付けられた位置決めプレート40Aの位置決め平面43及び44がこれらの基準平面25及び26にそれぞれ当接したとき、複数のヘッド10Aの相対位置が所定の配置となるように各位置決め凸部22Aがベースプレート20Aに設けられている。
図6〜8に示すように、サブプレート30Aは、ヘッド10Aが挿通しうるヘッド挿通孔31を有する板状部材であり、その長手方向の一方側には、第2の基準の一例である位置決め平面43及び位置決め平面44が形成された位置決めプレート40Aが設けられている。
位置決めプレート40Aには、位置決め平面43及び位置決め平面44がフォトリソグラフィー法により形成されている。位置決め平面43は、位置決めプレート40Aの第1の方向に垂直な側面をいい、位置決め平面44は、当該側面に隣接する側面をいう。また、位置決め平面43及び位置決め平面44は、位置決め凸部22Aの基準平面25及び26にそれぞれ当接するように形成されている。
また、位置決め平面43及び44は、位置決めプレート40Aに設けられた位置決め調整穴41を基準とした位置に形成されている。この位置決め調整穴41を基準とする所定位置とは、実施形態1と同様に、ヘッド10Aをノズル列14側から見た平面視において、位置決め調整穴41から第1の方向及び第2の方向に所定距離だけ離れた位置をいう。
位置決めプレート40Aは、位置決め調整穴41とノズル開口11とが所定の配置に位置決めされた状態でサブプレート30Aに取り付けられている。ここで、位置決め調整穴41とノズル開口11とが所定の配置に位置決めされているとは、ヘッド10Aをノズル開口11側から観た平面視において、ノズル開口11から第1の方向及び第2の方向に所定距離だけ離れて位置決め調整穴41が位置していることをいう。
このように位置決め調整穴41とノズル開口11とが所定の配置に位置決めされ、また、前述したように位置決め調整穴41と位置決め平面43及び44とがフォトリソグラフィー法により位置決めプレート40Aの所定の位置に高精度に形成されているので、位置決め平面43及び44とノズル開口11とについても、これらの相対的な位置が高精度に規定されている。すなわち、ヘッド10Aをノズル開口11側から観た平面視において、ノズル開口11から第1の方向及び第2の方向に所定距離だけ離れて位置決め平面43及び44が高精度に位置している。
このような位置決め平面43及び44は、位置決め調整穴41を基準とする所定位置に、位置決め平面43及び44が現れるように所定形状のフォトレジストパターンを位置決めプレート40A上に形成し、その後エッチングすることにより形成されている。
上述したように位置決めプレート40Aが取り付けられたヘッド10Aは、第2の基準である位置決め平面43及び44が第1の基準である基準平面25及び26に位置決めされ、固定ネジ35によりベースプレート20Aに固定されている。
ここで、第2の基準が第1の基準に位置決めされるとは、第1の基準により第2の基準の移動が規制されることで第2の基準の位置が規定されることをいう。本実施形態では、位置決め平面43を基準平面25に当接させ、位置決め平面44を基準平面26に当接させ、サブプレート30Aをベースプレート20Aに固定することで、位置決めプレート40の第1の方向及び第2の方向への移動が規制され、これにより位置決め平面43及び44の位置が規定されている。
このように、位置決め平面43及び44が基準平面25及び26に位置決めされると、ヘッド10Aのノズル開口11はベースプレート20Aの所定の位置に高精度に配列される。すなわち、ヘッドユニット1のノズル開口11側の平面視において、ヘッド10Aのノズル開口11が所定の配置に高精度に位置する。
すなわち、ノズル開口11は、前述したように、フォトリソグラフィー法により形成された位置決めプレート40Aの位置決め調整穴41を介して、位置決め平面43及び44との相対的な位置が高精度に規定されている。また、位置決め平面43及び44は基準平面25及び26に位置決めされている。したがってノズル開口11は、ヘッドユニット1Aのノズル開口11側の平面視において、基準平面25から第1の方向に所定距離だけ離れ、基準平面26から第2の方向に所定距離だけ離れた位置に高精度に配列されている。
また、位置決め凸部22Aは、各ヘッド10Aの相対位置が所定の配置となるようにベースプレート20Aに設けられているため、各ヘッド10Aのノズル開口11は、各ヘッド10A同士の相対的な間隔を保って配列されている。
以上に説明したように、本実施形態に係るヘッド10A及びヘッドユニット1Aにおいても、実施形態1に係るヘッド10及びヘッドユニット1と同様の効果を奏する。すなわち、本実施形態に係るヘッド10Aは、ノズル開口11が位置決め調整穴41を介して位置決め平面43及び44に高精度に配置されている。このため、ヘッド10Aがベースプレート20に取り付けられると、ノズル開口11が、ヘッドユニット1Aのノズル開口11側の平面視において、ベースプレート20に設けられた基準平面25及び26から所定距離だけ離れた位置に高精度に位置するようになっている。
また、本実施形態に係るヘッドユニット1Aでは、ノズル開口11がベースプレート20Aの所定の位置に高精度に配列されているので、インク滴の吐出特性に優れている。すなわち、インク滴の着弾位置の精度が向上したヘッドユニットが提供される。また、位置決め平面43及び44を基準平面25及び26に当接させ、固定ネジ35でヘッド10Aをベースプレート20Aに固定するだけで、ヘッド10Aのノズル開口11がベースプレート20Aの所定位置に高精度に配列される。すなわち、ヘッド10Aのノズル開口11とベースプレート20Aの所定位置とをCCDカメラ等を用いて合わせる手間や時間をかけることなく、容易にヘッド10Aのアライメントを行うことができる。
次に、本実施形態に係るヘッド10A及びヘッドユニット1Aの製造方法について説明する。図9は、本発明の実施形態2に係るヘッド及びヘッドユニットの製造方法を説明する概略図である。
まず、図9(a)に示すように、位置決めプレート40Aの表面に、位置決め調整穴41と位置決め平面43及び44とが所定の位置に形成されるようにフォトレジストパターンを形成し、その後エッチングし、該フォトレジストパターンを除去することで、位置決めプレート40Aに位置決め調整穴41及び位置決め平面43及び44を形成する。
次に、図9(b)に示すように、ヘッド本体12及び流路部材13とを収納したヘッドケース15をヘッド挿通孔31に挿通させ、ノズル開口11側が脚部33側に突出した状態でサブプレート30Aに固定する。また、サブプレート30Aの長手方向の一方側には、サブプレート30Aが取り付けられる凹部36を設ける。凹部36の第1の方向の長さは、位置決めプレート40Aの長さよりも短くしておく。また凹部36の深さは、位置決めプレート40Aの厚みと同じにしておく。
次に、位置決め調整穴41とノズル開口11とが所定の配置となるように位置決めプレート40Aをサブプレート30Aの凹部36に取り付けることで、ヘッド10Aを形成する。具体的には、CCDカメラでこれらの位置決め調整穴41とノズル開口11とを撮像し、これにより得られた画像から、位置決め調整穴41及びノズル開口11の中心を画像処理により求め、これらの中心が所定の位置になるように、位置決めプレート40Aの位置を調整する。
これにより、位置決め調整穴41とノズル開口11とが所定の配置に位置決めされる。また、位置決め調整穴41は位置決め平面43及び44との相対的な位置がフォトリソグラフィー法により精度よく形成されているため、ノズル開口11と位置決め平面43及び44とが所定の配置に高精度に位置決めされる。
次に、特に図示しないが、ベースプレート20Aに各ヘッド10Aが所定の配置に位置決めされるように位置決め凸部22Aを設け、ヘッド10Aのノズル開口11側を貫通孔21に挿通させ、基準平面25及び26に位置決め平面43及び44を当接させる。そして、その状態で固定ネジ35でヘッド10Aをベースプレート20Aに固定してヘッドユニット1Aを形成する。これにより、ノズル開口11はベースプレート20Aの所定の位置に高精度に配列され、各ヘッド10Aのノズル開口11は、各ヘッド10A同士の相対的な間隔を保って配列される。
〈他の実施形態〉
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
上述した実施形態1及び実施形態2では、各ヘッド10,10Aにノズル列14を2列設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、各ヘッド10,10Aにノズル列14を1列設けてもよく、また3列以上設けてもよい。
また、上述した実施形態1及び実施形態2では、ヘッド群110を4つのヘッド10,10Aで構成するようにしたが、特にこれに限定されず、ヘッド群110は、2つ以上のヘッド10,10Aで構成すればよい。
さらに、上述した実施形態1及び実施形態2では、ヘッドユニット1,1Aに2つのヘッド群110を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、ヘッド群110は1つであってもよく、3つ以上であってもよいし、また、ヘッドユニット1,1Aは、一つのヘッド10,10Aが設けられたものであってもよい。
また、上述した実施形態1及び実施形態2では、ヘッド10,10Aは、サブプレート30,30Aを具備していたが、特にこれに限定されず、位置決めプレート40,40Aをヘッドケース15や流路部材13等のヘッド10,10Aを構成する部材に取り付け、該ヘッド10,10Aをベースプレート20,20Aに位置決めして固定してもよい。
また、ヘッドユニット1,1Aは、第2の方向がインクジェット式記録装置に代表される液体噴射装置の記録用紙や基板等の被記録媒体を搬送する方向と一致するように装置本体に固定されることで、被記録媒体を第2の方向に搬送するだけで記録可能な所謂ライン式記録装置に適用することができる。
なお、液体噴射装置は、特にこれに限定されず、例えば、ヘッドユニット1、1Aを被記録媒体の搬送方向とは直交する方向に移動可能に設けられたキャリッジ等の移動手段に搭載することで、ヘッドユニット1,1Aのヘッド群110によって形成された第1の方向に連続するノズル列14の長さよりも幅広の被記録媒体に印刷することができる。すなわち、ヘッドユニット1,1Aを、第1の方向が被記録媒体の搬送方向と一致するように配置し、ヘッドユニット1,1Aを第2の方向に移動させると共に、被記録媒体を第1の方向に移動させながら記録を行うことで、比較的大きな被記録媒体にも記録することができる。
もちろん、液体噴射装置に搭載するヘッドユニット1,1Aの数は、特に限定されず、液体噴射装置に複数個のヘッドユニット1,1Aを搭載するようにしてもよい。
1,1A インクジェット式記録ヘッドユニット(液体噴射ヘッドユニット)、 10,10A インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 11 ノズル開口、 12 ヘッド本体、 13 流路部材、 14 ノズル列、 20,20A ベースプレート、 22 位置決めピン、 25,26 基準平面、 30,30A サブプレート、 40,40A 位置決めプレート、 41 位置決め調整穴、 42 位置決めピン挿通孔、 43,44 位置決め平面

Claims (9)

  1. 複数のノズル開口が並設されたノズル列を有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドを搭載したベースプレートとを備える液体噴射ヘッドユニットの製造方法であって、
    前記ベースプレートに設けられた第1の基準に位置決めされる第2の基準及び位置決め調整穴を位置決めプレートにフォトリソグラフィー法により形成する第1の工程と、
    前記位置決め調整穴と前記ノズル開口とが所定の配置となるように前記位置決めプレートを前記液体噴射ヘッドに取り付ける第2の工程と、
    前記第1の基準と前記第2の基準とを位置決めした状態で前記液体噴射ヘッドを前記ベースプレートに固定する第3の工程とを備える
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
  2. 請求項1に記載する液体噴射ヘッドユニットの製造方法において、
    前記第2の工程では、複数の前記位置決めプレートを複数の前記液体噴射ヘッドにそれぞれ取り付け、
    前記第3の工程では、前記ベースプレートに設けられた複数の前記第1の基準に前記第2の基準をそれぞれ位置決めした状態で前記液体噴射ヘッドを前記ベースプレートに固定する
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する液体噴射ヘッドユニットの製造方法において、
    前記第1の工程では、前記位置決めプレートの中央部を挟んで対向するように前記位置決めプレートの周縁部に2つの前記位置決め調整穴をフォトリソグラフィー法により形成する
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドユニットの製造方法において、
    前記第1の基準は、前記ベースプレートの表面に設けられた位置決めピンであり、
    前記第1の工程では、前記第2の基準として前記位置決めピンの外周が内接する貫通孔を前記位置決めプレートに形成し、前記位置決め調整穴を当該貫通孔よりも狭い径で形成する
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
  5. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドユニットの製造方法において、
    前記第1の工程では、前記第2の基準として前記第1の基準に当接する面を前記位置決めプレートに形成する
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
  6. 複数のノズル開口が並設されたノズル列を有する液体噴射ヘッドであって、
    ベースプレートに設けられた第1の基準に位置決めされる第2の基準及び位置決め調整穴がフォトリソグラフィー法により形成された位置決めプレートを備え、
    前記位置決めプレートの前記位置決め調整穴と前記ノズル開口とが所定の位置に位置決めされている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 請求項6に記載する液体噴射ヘッドを前記ベースプレート上に複数搭載したことを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
  8. 請求項7に記載する液体噴射ヘッドユニットを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  9. 複数のノズル開口が並設されたノズル列を有する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
    前記液体噴射ヘッドを搭載するベースプレートに設けられた第1の基準に位置決めされる第2の基準及び位置決め調整穴を位置決めプレートにフォトリソグラフィー法により形成する第1の工程と、
    前記位置決め調整穴と前記ノズル開口とが所定の配置となるように前記位置決めプレートを前記液体噴射ヘッドに取り付ける第2の工程とを具備する
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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