JP5309482B2 - 反応装置、発電装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、反応物を反応させる反応装置、反応装置を用いた発電装置及び電子機器に関する。
近年では、エネルギー変換効率の高いクリーンな電源として、水素の電気化学反応により電気エネルギーを生成する燃料電池が自動車や携帯電子機器などに応用され始めている。水素は、常温で気体であるために取り扱い及び貯蔵方法に問題があることから、貯留した水素を燃料電池に供給するのではなく、通常はメタノール等のアルコールや炭化水素を貯留し、貯留したアルコール又は炭化水素を触媒の存在下で反応させることにより水素を主成分としたガスを生成し、水素を主成分としたガスを燃料電池に供給することが行われている。
このような燃料電池へ水素を供給するための小型の化学反応装置として、シリコンに代表される基板上に幅10μm〜1mmくらいの溝を形成し、ガラスに代表される基板で溝に蓋をして反応流路を形成し、流路内でメタノール水溶液等を元に小規模の化学反応を起こさせる改質器と呼ばれる装置がある。
一方、特許文献1に示すように、マイクロリアクター(改質器)が、流路を内部に有し、この流路の一方の端部が導入口をなし、他方の端部が排出口をなす複数の単位流路部材と、この単位流路部材を多段状態で保持する連結部材とを少なくとも備えた構成としたものが知られている。
特開2005−132712号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、複数の異なる温度で行われる触媒反応を起こすための反応器を一体にしようとした場合、熱伝導率の高い部材を用いると、各反応器の間の熱伝導を抑制するために、反応器同士の間隔を十分に大きく取る必要があり、又は、接続部の部材を肉薄にする必要がある。しかし、反応器の間隔を十分に取ろうとすると大型化してしまい、接続部の部材を肉薄にすると十分な強度が確保できない。逆に、熱伝導率の低い材料のみで構成した場合、加熱領域から熱が伝わる時間が長くなったり、反応器の温度の不均一性をもたらしやすくなってしまう可能性がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、複数の反応の安定化を図れる反応装置、発電装置及び電子機器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、反応装置において、
第1の反応器と第2の反応器を含む異なる温度で反応物の反応を起こす複数の反応器と、
前記複数の反応器のうちの少なくとも1つを加熱する発熱体と、
前記複数の反応器間に配置され、前記複数の反応器同士を連結している接続部と、を備え、
前記複数の反応器、前記発熱体及び前記接続部は、複数の基板が積層されることで一体形成され、前記複数の基板のうち、前記発熱体が設けられている基板は、前記複数の反応器の第1の反応器側と第2の反応器側とで分断され、且つ前記接続部を形成する基板より熱伝導率が高いことを特徴とし、
前記1の反応器は、反応物としての燃料と水から水素を生成する改質器であることを特徴とする。
請求項2の発明は
前記複数の基板のうち最も外側に位置する両端の基板の外面に、2μm以上の赤外線を70%以上反射する赤外線反射膜が形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の反応装置において、
前記赤外線反射膜が金属酸化導電膜を有することを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の反応装置において、
前記第2の反応器は、反応物としての一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の反応装置において、
前記発熱体が設けられている基板は、他の基板と積層されることで前記複数の反応器のいずれかの反応炉を形成することを特徴とする。
請求項6の発明は、発電装置において、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の反応装置により生成される改質ガスから電気化学反応により電力を取り出す発電セルを備えることを特徴とする。
請求項7の発明は、電子機器において、
請求項6に記載の発電装置を電力供給源として備えることを特徴とする。
本発明によれば、、触媒温度の均熱化が図れ、触媒反応を安定させることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するための技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、発電セルに供給する水素を改質する複合型マイクロ反応装置100を示した分解斜視図、図2は、図1における第一基板〜第四基板130,140,150,160を備える反応装置本体120の分解斜視図、図3は、複合型マイクロ反応装置100の正面断面図(後述の図4〜図11における切断線III−IIIに沿って切断した際の矢視断面図)である。
図1〜図3に示すように、複合型マイクロ反応装置100は、ガラス製又は金属製の断熱パッケージ(断熱容器)110と、断熱パッケージ110内に収容された反応装置本体120とを備えている。
断熱パッケージ110は、下面に上向きに凹むザグリ状の凹部111aが形成された断熱用上蓋111と、上面に下向きに凹むザグリ状の凹部112aが形成された断熱用下蓋112と、を備え、各凹部111a,112aが互いに向き合うように断熱用上蓋111と断熱用下蓋112とが配置されて、各凹部111a,112aによって形成された断熱空間内に反応装置本体120が収容されている。
断熱用上蓋111及び断熱用下蓋112は、例えば、ガラス材料からなり、特に熱膨張係数が3×10-6/℃程度で可動イオンとなるアルカリ金属(例えば、Na、Li等)を含有したガラス材料からなる。
また、断熱用上蓋111及び断熱用下蓋112の各凹部111a,112aを形成する内面には、図示しないが、熱源となる赤外線に対して断熱用上蓋111及び断熱用下蓋112よりも高い反射性を備える赤外線反射膜(例えば、Au、Ag、Al)が成膜され、断熱パッケージ110内の圧力が10Pa以下、望ましくは1Pa以下に減圧された状態に保たれている。
また、断熱用上蓋111及び断熱用下蓋112と同じ材料或いは同程度の熱膨張係数の材料で形成された供給排出部材113が、断熱用上蓋111及び断熱用下蓋112の側端面に形成された溝118a〜118f、119a〜119fを貫通している。この供給排出部材113は、改質燃料ガス供給用の燃料供給流路と、空気供給用の二つの吸気流路と、燃焼ガス供給用の燃焼ガス供給流路と、生成ガス排出用の生成ガス排出流路と、燃焼排ガス排出用の排ガス排出流路からなっている。そして、後述するように、配管部113a、113b、113c、113d、113e、113fが、それぞれ排ガス排出口、改質反応用燃料供給口、改質ガス排出口、一酸化炭素除去用空気供給口、燃焼用空気供給口、燃焼用燃料供給口となる。
また、リード線114〜117(図3及び後述の図8参照)が、断熱用上蓋111及び断熱用下蓋112の側端面を貫通している。リード線114〜117にはコバール線、鉄ニッケル合金線又はジュメット線が用いられている。供給排出部材113、リード線114〜117が断熱用上蓋111及び断熱用下蓋112を貫通した箇所は封着剤によってシーリングされている。
断熱用パッケージ110に収容された反応装置本体120は、上側から順に第一基板130、第二基板140、第三基板150及び第四基板160を接合してなり、反応装置本体120は、高温な水蒸気改質反応が起こる改質器(反応器)と、低温な選択酸化反応が起こる一酸化炭素除去器(反応器)の複合体となり、第三基板150と第三基板150に接合した状態の第四基板160とが燃焼器を形成する。
図4は、第一基板130の両面のうち断熱用上蓋111側から見た際の平面図、図5は、第一基板130の両面のうち第二基板140側から見た際の平面図である。図4及び図5に示すように、第一基板130は、改質器側の高温反応が起こる矩形状の高温用基板131と、一酸化炭素除去器側の低温反応が起こる矩形状の低温用基板132とが互いに向き合う側端面の中央に接続部133を介して一体形成されている。高温用基板131、低温用基板132及び接続部133は、両面が略面一となっている。
図6は、第二基板140の両面のうち第一基板130側から見た際の平面図、図7は、第二基板140の両面のうち第三基板150側から見た際の平面図である。図6及び図7に示すように、第二基板140も、第一基板130と同様に高温反応が起こる矩形状の高温用基板141と、低温反応が起こる矩形状の低温用基板142とが互いに向き合う側端面の中央に接続部143を介して一体形成されている。第二基板140の外形は、後述の供給排出部材113が嵌合する切欠き140a〜140fを除いて、第一基板130の外形と同じ形状となっている。
第二基板140には、第一基板130側及び第三基板150側の両面を厚さ方向に貫通する貫通孔である、改質流路部144と、一酸化炭素除去流路部145とが形成されている。また、第二基板140の両面のうち第一基板130側の面には、それぞれ底のある溝である、改質反応用供給流路部146と、連通流路部147と、燃焼用供給流路部148と、燃焼用排出流路部149とが形成されている。連通流路部147は、改質流路部144及び一酸化炭素除去流路部145を連通している。
改質流路部144は、高温用基板141の両面にそれぞれ第一基板130及び第三基板150が接合されることによって改質反応炉となり、高温用基板141の中央に平面視C字状の貫通孔が上下封止された構造になっている。一酸化炭素除去流路部145は、低温用基板142の両面にそれぞれ第一の基板130及び低温用基板152が接合されることによって一酸化炭素除去反応炉となり、低温用基板142にジグザグ状に蛇行するように形成されている。一酸化炭素除去流路部145のうち、切欠き140a〜140fが設けられている低温用基板142の外側の縁142a側に延在する一端部145Aは、貫通孔の途中で底のある溝状に凹設されて、低温用基板の縁142aに連なっている。低温用基板142のうち、縁142aに対向する内側の縁142b側に延在する他端部145B近傍も、貫通孔の途中で底のある溝状に凹設されている。一端部145Aの凹設された溝及び他端部145Bの凹設された溝は、一酸化炭素除去流路部145となる蛇行した貫通孔によって下がる機械的強度を改善するための補強部材である。
改質反応用供給流路部146は、改質反応のための燃料が改質流路部144に供給される流路であり、連通流路部147は、改質流路部144で反応した改質ガスが一酸化炭素除去流路部145に供給される流路であり、燃焼用供給流路部148は、燃焼反応のための燃料及び空気が後述する燃焼流路部157に供給される流路で、燃焼用排出流路部149は、燃焼流路部157からの燃焼反応後の排ガスが排出される流路である。
改質反応用供給流路部146と、連通流路部147と、燃焼用供給流路部148と、燃焼用排出流路部149は、いずれも接続部143に高温用基板141側と低温用基板142側に延在するように直線状に形成されている。接続部143に形成された四つの流路部146〜149のうち、外側の二つは、燃焼用供給流路部148と燃焼用排出流路部149であり、内側の二つが、改質反応用供給流路部146と連通流路部147である。
改質流路部144の一端部144Aが改質反応用供給流路部146の一端部146Aに連なっており、改質流路部144の他端部144Bが連通流路部147の一端部147Aに連なっている。さらに、連通流路部147の他端部147Bは、一酸化炭素除去流路部145の他端部145Bに連なっており、一酸化炭素流路部145の他端部145Bと連通流路部147の他端部147Bの連なった部分は第二基板140の両面を厚さ方向に貫通している。この貫通孔から一酸化炭素除去反応のために供給された空気が取り込まれ、連通流路部147の一酸化炭素を含むガスと混合される。また、改質反応用供給流路部146の他端部146Bは、突き当たった状態とされ、第二基板140の両面を厚さ方向に貫通している。この貫通孔は、改質されるための燃料が取り込まれる。さらに、燃焼用供給流路部148及び燃焼用排出流路部149の両端部148A,148B,149A,149Bは第二基板140の両面を厚さ方向に貫通している。
なお、一酸化炭素除去流路部145の一端部145Aに連なる切欠き140aは、供給排出部材113の一部(符号113a)と嵌合している。
また、高温用基板141の四つの角部のうち、接続部143側の二つの角部には、改質流路部144と独立して形成され、後述する電熱パターン153の端子部155a,155bが収納される端子部収納室241a,241bと、端子部収納室241a,241bと改質流路部144との間を連通する連通溝242a,242bと、リード線114,115を外部に引き出す通し溝243a,243bとが形成されている。端子部収納室241a,241bは、高温用基板141の両面に厚さ方向に貫通して形成され、連通溝242a,242b及び通し溝243a,243bは、両面のうち第三基板150側の面に凹設され、通し溝243a,243bの端部が高温用基板141の側端面において開口している。
さらに、低温用基板142の四つの角部のうち、切欠き140a〜140fが設けられている辺側の二つの角部には、一酸化炭素除去流路部145と独立して形成され、後述する電熱パターン154の端子部156a,156bが収納される端子部収納室244a,244bと、端子部収納室244a,244bと一酸化炭素除去流路部145との間を連通する連通溝245a,245bと、リード線116,117を外部に引き出す通し溝246a,246bとが形成されている。端子部収納室244a,244bは、低温用基板142の両面に厚さ方向に貫通して形成され、連通溝245a,245b及び通し溝246a,246bは、両面のうち第三基板150側の面に凹設され、通し溝246a,246bの端部が低温用基板142の側端面において開口している。
第一基板130が第二基板140に接合されており、改質流路部144、一酸化炭素除去流路部145、改質反応用供給流路部146、連通流路部147、燃焼用供給流路部148、燃焼用排出流路部149と、第一基板130の第二基板140側の面とが互いに重なっている。
図8は、第三基板150の両面のうち第二基板140側から見た際の平面図である。図8に示すように、第三基板150は、第一基板130や第二基板140と異なり、高温用基板151と低温用基板152とを接続する接続部を備えておらず、高温用基板151と低温用基板152とが所定間隔を隔てて分断されている。
高温用基板151の第二基板140側の面には改質流路部144の貫通孔に収納される形状の電熱パターン(電気発熱体)153が形成され、低温用基板152の第二基板140側の面には一酸化炭素除去流路部145の蛇行する貫通孔に収納される形状の電熱パターン(電気発熱体)154が形成されている。電熱パターン153,154は、所定の電圧が印加されると発熱する特性を持ち、電熱パターン153,154自体の温度に依存して電気抵抗が変化する特性を持つ。そのため、電熱パターン153,154は、抵抗値の変化から温度の変化を読み取る温度センサとしても機能する。また、電熱パターン153,154の上には、絶縁膜としてSiO2が形成されている(図示しない)。このように改質流路部144及び一酸化炭素除去流路部145では、絶縁膜が介在しているので触媒がそれぞれ電熱パターン153,154と接触することはない。また、絶縁膜の表面にアルミナ等の担持体を被膜してから担持体の表面に触媒を堆積させてもよい。高温用基板151及び低温用基板152は後述するように熱伝導率の高い基板を適用しているため、金属等のように導電率が低い場合がある。このとき、電熱パターン153,154に電圧が充分印加されるように高温用基板151と電熱パターン153との間に絶縁膜を介在させ、同様に、低温用基板152と電熱パターン154との間に絶縁膜を介在させることが好ましい。
高温用基板151側の電熱パターン153の形成面に対して垂直な方向に投影視して、電熱パターン153が改質流路部144に重なり、低温用基板152側の電熱パターン154が一酸化炭素除去流路部145に重なっている。高温用基板151側の電熱パターン153の両端部の端子部155a,155bが電熱パターン153の他の部分よりも幅広く、低温用基板152側の電熱パターン154の両端部の端子部156a,156bが電熱パターン154の他の部分よりも幅広い。電熱パターン153,154の長さ及び断面積は、それぞれが所望の抵抗値になるように設定されている。高温用の端子部155a,155bは、高温用基板151の四つの角部のうち、低温用基板152側の二つの角部にそれぞれ形成され、第二基板140の高温用基板141に形成された端子部収納室241a,241bに収納され、同様に低温用の端子部156a,156bは、低温用基板152の四つの角部のうち、供給排出部材113が挿入される側の二つの角部にそれぞれ形成され、第二基板140の低温用基板142に形成された端子部収納室244a,244bに収納されている。そして、端子部155a,155bにリード線114,115が接合され、端子部156a,156bにリード線116,117が接合されている。リード線114〜117は、通し溝243a,243b,246a,246bにそれぞれ配されている。電熱パターン153,154は、端子部155a,155b,156a,156bの部分を除いてSiO2等の保護絶縁膜(図示しない)によって被覆されている。また、リード線114〜117は、絶縁膜を介して高温用基板151または低温用基板152に接しているので、高温用基板151または低温用基板152が導電性であっても短絡することはない。
図9は、第三基板150の両面のうち第四基板160側から見た際の平面図である。図9に示すように、高温用基板151の両面のうち第四基板160側の面には、溝である燃焼流路部(反応発熱体)157と、両面を厚さ方向に貫通する貫通孔である、燃焼用供給孔158と、燃焼用排出孔159とが形成されている。
低温用基板152の両面のうち第四基板160側の面には、溝である、改質反応用供給流路部251と、一酸化炭素除去用供給流路部252と、燃焼用供給流路部253と、燃焼用排出流路部254とが形成されている。
燃焼流路部157は、第二基板140が接合されることによって燃焼反応炉となり、高温用基板151の中央に平面視C字状に形成されている。燃焼流路部157の一端部157Aは、燃焼用供給孔158に連なり、他端部157Bは、燃焼用排出孔159に連なっている。接合面に関して、燃焼流路部157と改質流路部144は互いにほぼ面対称である。このため燃焼流路部157の熱が均等に改質流路部144に伝導することができる。
改質反応用供給流路部251は、改質反応のための燃料が供給される流路で、一酸化炭素除去用供給流路部252は、一酸化炭素除去反応のための酸素(空気)が供給される流路で、燃焼用供給流路部253は、燃焼反応のための燃料及び空気が供給される流路で、燃焼用排出流路部254は、燃焼反応後の排ガスが排出される流路である。
改質反応用供給流路部253と、一酸化炭素除去用供給流路部252と、燃焼用供給流路部253と、燃焼用排出流路部254とは、いずれも、低温用基板152の縁152aから高温用基板151側に延在するように直線状に形成されている。これら四つの流路部251〜254のうち、外側の二つは燃焼用供給流路部253と、燃焼用排出流路部254であり、内側の二つが、改質反応用供給流路部251と、一酸化炭素除去供給流路部252である。
燃焼用供給流路部253の端部は二股に分かれて縁152aまで連なっており、分岐した一方の燃焼用供給流路部253aに燃焼用の燃料が供給され、他方の燃焼用供給流路部253bに燃焼用の空気が供給されるようになっている。改質反応用供給流路部251と、一酸化炭素除去用供給流路部252と、燃焼用供給流路部253a,253bと、燃焼用排出流路部254のそれぞれの一端部251A,252A,253aA,253bA,254Aは、低温用基板152の縁152aにおいて、それぞれ切欠き150c、150d、150e、150f、150bに連なり、切欠き150a〜150fには、供給排出部材113の配管部113a〜113fが嵌合している。改質反応用供給流路部251と、一酸化炭素除去用供給流路部252と、燃焼用供給流路部253a,253bと、燃焼用排出流路部254のそれぞれの他端部251B,252B,253B,254Bは、低温用基板152の両面を厚さ方向に貫通している。
第二基板140が接合されることによって、改質反応用供給流路部251の他端部251Bは、第二基板140の改質反応用供給流路部146の他端部146Bに重なり、一酸化炭素除去用供給流路部252の他端部252Bは、第二基板140の連通流路部147の他端部147B(一酸化炭素除去流路部145の他端部145B)に重なり、燃焼用供給流路部253の他端部253Bと燃焼用供給孔158は、第二基板140の燃焼用供給流路部148の両端部148A,148Bにそれぞれ重なり、燃焼用排出流路部254の他端部254Bと燃焼用排出孔159は、第二基板140の燃焼用排出流路部149の両端部149B、149Aにそれぞれ重なる。このように、燃焼用供給流路部148は、燃焼用供給流路部253の他端部253Bと燃焼用供給孔158と連結する流路となり、燃焼用排出流路部149は、燃焼用排出孔159と燃焼用排出流路部254の他端部254Bとを連結する流路となる。
第二基板140と第三基板150が接合された状態では、高温用基板151の電熱パターン153が改質流路部144、連通溝242a,242bに収納され、端子部155a,155bが端子部収納室241a,241bに収納され、リード線114,115が通し溝243a,243bに嵌め込まれている。低温用基板152の電熱パターン154が一酸化炭素除去流路部145、連通溝245a,245bに収納され、リード線116,117が通し溝246a,246bに嵌め込まれている。
また、第二基板140と第三基板150が接合された状態において、改質流路部144の壁面及び高温用基板151の電熱パターン153上面に形成された絶縁膜上には、アルミナを担体として改質触媒(例えば、Pd/ZnO系触媒)255(図3参照)が担持され、一酸化炭素除去流路部145の壁面には、アルミナを担体として一酸化炭素選択酸化触媒(例えば、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム等)256(図3参照)が担持されている。なお、これら触媒255,256は、アルミナゾルを塗布した後にウォッシュコート法で形成したものである。
燃焼流路部157の壁面には、アルミナを担体として燃焼触媒(例えば、白金)257(図3参照)が担持されている。
図10は、第四基板160の両面のうち第三基板150側から見た際の平面図、図11は、第四基板160の両面のうち断熱用下蓋112側から見た際の平面図である。図10及び図11に示すように、第四基板160は、第三基板150と同様に、高温用基板161と低温用基板162とを接続する接続部を備えておらず、高温用基板161と低温用基板162とが所定間隔を隔てて分断されている。第四基板160の外形は、第三基板150において供給排出部材113が嵌合する切欠き150a〜150fを除いて、第三基板150の外形と同じ形状となっている。
第三基板150と第四基板160が接合された状態では、燃焼流路部157、改質反応用供給流路部251、一酸化炭素除去用供給流路部252、燃焼用供給流路部253、燃焼用排出流路部254と、第四基板160の第三基板150側の面とが互いに重なっている。
以上のようにして、第一〜第四基板120,130,140,150が接合された状態で、図1に示すように、一酸化炭素除去流路部145の一端部145A、切欠き140a,150aからなる挿入口に配管113aが挿入されて改質ガス排出口となり、燃焼用排出流路部254の一端部254A、切欠き140b,150bからなる挿入口に配管113bが挿入された燃焼排ガス排出口となり、改質反応用供給流路部251の一端部251A、切欠き140c,150cからなる挿入口に配管113cが挿入されて改質反応用燃料供給口となり、一酸化炭素除去用供給流路部252の一端部252A、切欠き140d,150dからなる挿入口に配管113dが挿入されて一酸化炭素除去用空気供給口となり、燃料供給側の燃焼用供給流路部253aの一端部253aA、切欠き140e,150eからなる挿入口に配管113eが挿入されて燃焼用燃料供給口となり、空気供給側の燃焼用供給流路部253bの一端部253bA、切欠き140f,150fからなる挿入口に配管113fが挿入されて燃焼用空気供給口となる。
次に、第一基板〜第四基板130,140,150,160の材料について説明する。
第三基板150は、第一、第二及び第四基板130,140,160よりも熱伝導率の高い材料とし、好ましくは、熱伝導率の差が50倍以上とする。また、第一〜第四基板130,140,150,160は、熱応力の発生を抑制するため熱膨張率(熱膨張係数)が近いものを使用することが好ましいことから、例えば、第三基板150はシリコンを材料とし、第一、第二及び第四基板130,140,160をシリコン(熱伝導率が150W/m・K程度)より熱伝導率が低く、かつ、熱膨張係数の近いガラス(熱伝導率が1W/m・K程度)やSUS(熱伝導率が16W/m・K程度)を使用することが好ましい。特に、これらの基板を陽極接合によって接合する場合は、ガラス基板はNaやLiなどの成分を含むパイレックス(登録商標)ガラスが好ましい。なお、パイレックスガラスの熱膨張率(熱膨張係数)は3×10-6/℃程度であり、シリコンの熱膨張係数も3×10-6/℃程度である。
このように、燃焼流路部157及び電熱パターン153,154が熱伝導率の高い第三基板150に設けているので、改質流路部144及び一酸化炭素除去流路部145に効率的に熱伝導できる。
高温反応器である改質流路部144と低温反応器である一酸化炭素除去流路部145は接続部133及び接続部143を介して連結している。このため、改質流路部144を加熱するための電気発熱体153や燃焼流路部157で加熱された第三基板150の高温用基板151の熱が、接続部133及び接続部143を介して一酸化炭素除去流路部145に伝搬してしまう恐れがある。改質流路部144及び一酸化炭素除去流路部145は所望の反応温度範囲がずれているため、熱の伝搬により改質流路部144の低温化及び一酸化炭素除去流路部145の高温化が生じると適正な反応を引き起こすことが困難になってしまう。
しかし、接続部133及び接続部143がある第一基板130及び第二基板140は、電気発熱体153,154が設けられている第三基板150よりも熱伝導率が低いので熱伝導しにいので、電気発熱体153,154や燃焼流路部157によって、改質流路部144及び一酸化炭素除去流路部145をそれぞれ所望の温度範囲に維持することが可能となる。
また、第一基板130と第二基板140が陽極接合法により接合するため、第一基板130と第二基板140のどちらか一方の接合面には陽極接合のために他方のガラスに含まれる酸素原子と結合する金属膜(Ta,Ti,Al等)又はシリコン膜を有する陽極接合用膜が気相成長法(例えば、スパッタリング法、蒸着法)により成膜されている。本実施形態では、第二基板140の第一基板130側の面に金属膜(図示しない)が成膜されているものとする。第一基板130の高温用基板131には、四つの角部のうち接続部133側と反対側の角部の一つには、面取縁134(図1、図2、図4及び図5参照)が形成されており、第二基板140の接合面に陽極接合用膜が成膜されている場合、この陽極接合用膜が面取縁134によって一部露出されるので陽極接合時に電圧を印加する電極端子に容易に接続しやすくなる。これにより、第一基板130と第二基板140が容易に陽極接合を行うことができる。
また、第一基板130の両面のうち断熱用上蓋111側の面と、第四基板160の両面のうち断熱用下蓋112側の面には、赤外線反射膜135,163(図4及び図11参照)が成膜されている。ここで、基板をガラス及びシリコンで構成し、その接合方法として比較的低温で気密性の高い陽極接合を用いた場合、その接合時、接合原理上、ガラス中のNaなどが基板表面に析出し、析出したNaは空気中の水分を容易に吸着して水ガラスとなる。その結果、断熱パッケージ110内で真空封止後に高温になる改質器にとって真空度の悪化を及ぼすことがあるが、本実施形態のように赤外線反射膜135,163を使用することによって、Naの析出を抑制することができる。また、赤外線反射膜135,163として、赤外線域で98%程度と高い反射率をもつAu膜を、ガラスとの密着性を高めるためのW,Ta,Ti,Crなどを下地層として成膜するだけでなく、陽極接合時に移動してきたNaがガラスと金属膜の界面に高濃度に析出することで膜が剥がれたり、ひびが入ることを防ぐため、TaとSiとOとを成分元素とする化合物(以下、「Ta−Si−O系材料」と言う)、LaとSrとMnとOとを成分元素とするアモルファス膜をAuの下地層の下に設けることができるが、この場合、Au/W/Ta−Si−Oのように三層の複雑な膜構造を有することから生産性が低い。
そのため、表面へのNaの析出を防ぎ、かつ、高反射率を有する材料として、2μm以上の赤外線を70%以上反射する赤外線反射膜を使用することが好ましく、具体的にはITO(インジウム錫酸化物)等の金属酸化導電膜を好適に用いることができる。金属酸化導電膜の膜厚は、100nm〜400nmとすることが好ましい。金属酸化導電膜は、上記赤外線に対して90%程度の反射率を有し、また、界面への高濃度のNa析出も抑制することができ、さらに、金属酸化導電膜は導電性を有しているため、陰極側表面を等電位に保つことができることから、陽極接合時の電界強度が平面的に均一にかかりやすく、全体を均一に接合するのに適している。したがって、第一基板130の両面のうち断熱用上蓋111側の面に設ける赤外線反射膜135,163として金属酸化導電膜は、赤外線輻射を抑制するだけではなく、Naの析出を抑制し、真空封止の信頼性も向上させることができる。
次に、複合型マイクロ反応装置100の製造方法について説明する。
(第一基板、第四基板の加工)
第一基板130の断熱用上蓋111側の面及び第四基板160の断熱用下蓋112側の面に赤外線反射膜135,163として金属酸化導電膜をスパッタ法により成膜する。その後、フォトリソグラフィー法、サンドブラスト法を用いて、第一基板130はその両面を貫通する孔を形成して接続部133を形成し、第四基板160はその両面を貫通する孔を形成して高温用基板161と低温用基板162とに分断する。
(第二基板の加工)
第二基板140の第一基板130側の面に、第三及び第四基板150,160の陽極接合時の可動イオンの移動により陽極接合用の金属膜に与えるダメージを防ぐための緩衝膜、その上に陽極接合用の金属膜をそれぞれスパッタ法により成膜する。緩衝膜としては、Ta−Si−O系材料、LaとSrとMnとOとを成分元素とするとともにその組成比をLa:Sr:Mn:O=0.7:0.3:1:(3−x)とする化合物(以下、La0.7Sr0.3MnO3-xと言う)を用いることができる。ここで、0≦x≦0.3である。陽極接合用の金属膜としては、Ta,Ti,Alなどを用いることができる。成膜したガラス基板を両面からフォトリソグラフィー、サンドブラスト法を用いて、両面を貫通する孔を形成して接続部143を形成し、また、改質流路部144、一酸化炭素除去流路部145、改質反応用供給流路部146、連通流路部147、燃焼用供給流路部148、燃焼用排出流路部149、切欠き140a〜140f、端子部収納室241a,241b,246a,246b、連通溝242a,242b,245a,245b、通し溝243a,243b,246a,246bを形成する。
(第三基板の加工)
第三基板150としては、両面に熱酸化膜の形成されたSi基板を使用する。第三基板150の第四基板160側の面に形成された熱酸化膜をドライエッチングなどにより除去した後、第二基板150側の面に電熱パターン153,154を形成するための金属膜をスパッタ法によりべた一面に成膜する。具体的には、W/Au/W膜を用いることができる。そして、成膜した金属膜をフォトリソグラフィー及びエッチングにより形状加工することによって、電熱パターン153,154をパターニングする。電熱パターン153,154を加工後、電熱パターン153,154の上に絶縁膜(図示しない)を形成する。絶縁膜としては、SiO2を用いることができる。SiO2はスパッタ法、塗布法、又はその両方の二層構造を用いることができる。絶縁膜をフォトリソグラフィー、エッチングにより加工する。このとき、第二基板140側の面には、陽極接合ができるようにSiが露出するように熱酸化膜まで除去する。さらに、サンドブラスト法によって、その両面を貫通する孔を形成して高温用基板151と低温用基板152とに分断し、また、切欠き150a〜150f、燃焼流路部157、改質反応用供給流路部251、一酸化炭素除去用供給流路部252、燃焼用供給流路部253、燃焼用排出流路部254、燃焼用供給孔158、燃焼用排出孔159等を形成する。
なお、第一基板130については予めダイシングして個片化し、第二基板〜第四基板140,150,160までは後述するようにウェハ状態で接合を行い、その後、接合した接合体をダイシングし、個片化してから第一基板130と接合する。第二基板〜第四基板140,150,160までは、例えばオリフラ(orientation flat)に対して90°ずつ回転させた位置に加工することで、陽極接合時に第三基板150を陽極とするように電極を取ることができる。ただし、個片化した状態でも同様に電極をとることができるように第二、第四基板140,160に上述した第一基板130に形成した面取縁134を設けても良い。
(第一〜第四基板の接合方法)
第二基板140と第三基板150とを、第三基板150の第二基板140側の導電性のある面(Si面)を陽極となるように第三基板150に直流電源の正極を当接し、第二基板140の第一基板130側の金属膜面(Ta,Ti,Al等)を陰極となるように第二基板140に直流電源の負極を当接して電圧を印加して陽極接合法により接合する。接合雰囲気としては、接合中に第三基板150に形成された金属膜(電熱パターン153,154)が酸化されるのを防止するために、不活性ガス雰囲気又は真空中で接合することが好ましい。
次に、第二基板140と第三基板150の接合体の、第一基板130側を向く改質流路部144及び一酸化炭素除去流路部145、第四基板160側を向く燃焼流路部157に、それぞれ改質触媒255、一酸化炭素選択触媒256、燃焼用触媒257を、それぞれ触媒の密着層としてベーマイト層をゾルゲル法により形成した後、ウォッシュコート法で固定化する。
次に、第二基板140と第三基板150の接合体と、第四基板160とを、第三基板150の第四基板160側のSi面を陽極となるように直流電源の正極を当接し、第四基板160の断熱用下蓋112側の金属酸化導電膜面を陰極となるように直流電源の正極を当接して電圧を印加し、陽極接合法により接合する。接合雰囲気は不活性ガス雰囲気又は真空中が好ましい。
次に、第二基板140、第三基板150及び第四基板160の接合体をダイシングし、個片化する。
次に、通電用のリード線114〜117を第三基板150に設けられた端子部収納室241a,241b,244a,244bに収納された端子部155a,155b,156a,156bに抵抗溶接する。リード線114〜117には、封止を考慮し、熱膨張係数が低融点ガラス封着剤に近いコバール線を用いることができる。この部分は、熱の逃げの原因となり得るため、リード線114〜117の太さは細い方が好ましく、本実施例では線径が0.2mmのコバール線を用いる。ただし、リード線114〜117としてはコバール線に限らず、鉄ニッケル合金線、又は鉄ニッケル合金の芯材を銅層で被覆したジュメット線を使用しても良い。
その後、それぞれ個片化した第一基板130と、第二基板140、第三基板150及び第四基板160の接合体とを、第二基板140の第一基板130側の面の接合用金属膜面を陽極、第一基板130の断熱用上蓋111側の面を陰極として陽極接合法により接合する。
なお、通し溝243a,243b,246a,246bに封着剤を注入することで、通し溝243a,243b,246a,246bの開口をシールしておく。
次に、第一基板130、第二基板140、第三基板150及び第四基板160の接合体の側端面の挿入口(切欠き、改質反応用排出流路部の一端部の重なり部分等)に配管113a〜113fを嵌めこみ、封着剤によって気密に接合する。これによって、改質ガス排出口113aと一酸化炭素除去流路部145とを接続し、燃焼用排ガス排出口113bと燃焼用排出流路部254とを接続し、改質反応用燃料供給口113cと改質反応用供給路251とを接続し、一酸化炭素除去用空気供給口113dと一酸化炭素除去用供給流路部252とを接続し、燃焼用燃料供給口113eと燃料供給側の燃焼用供給流路部253aとを接続し、燃焼用空気供給口113fと空気供給側の燃焼用供給流路部253bとを接続する。
次に、断熱用上蓋111及び断熱用下蓋112を、供給排出部材113の配置位置に溝118a〜118f、119a〜119fを形成し、さらに、真空引き口取り付け位置に溝を持つ有底箱型状に加熱成型などにより加工する。断熱用上蓋111及び断熱用下蓋112の内面には、赤外線反射膜(図示しない)を成膜する。赤外線反射膜としては、Au膜をW、Ta、Ti膜などを下地膜としてスパッタ法により成膜する。
上述のように供給排出部材113を接合した第一〜第四基板130,140,150,160と、断熱用上蓋111と、断熱用下蓋112と、真空引き用のガラス管とを低融点ガラス封着剤を用いて気密に接合した。最後に、真空引き口に真空ポンプを取り付けて真空に排気しながら封止を行った。断熱パッケージ110内の真空度は、少なくとも1Pa以下の高真空に保つことが好ましい。
次に、上述の複合型マイクロ反応装置100の動作について説明する。
反応装置100が起動し、リード線114,115の間に電圧を印加すると電熱パターン153が発熱し、リード線116,117の間に電圧を印加すると電熱パターン154が発熱し、後述の改質反応のための熱源とする。また、燃焼ガス(例えば、水素ガス、メタノールガス、エタノールガス、ジメチルエーテルガス)を燃焼用燃料供給口113eから燃焼用供給流路部253aに送り込み、空気(酸素)を燃焼用空気供給口113fから燃焼用供給流路部253bに送り込むと、燃焼ガスと空気の混合気が燃焼流路部157を流動し、燃焼ガスが燃焼触媒により燃焼し、燃焼熱が発生するようにもできる。定常運転時にはこの触媒燃焼によって、吸熱反応である改質反応に必要な熱を供給し、システムを自立運転あるいは電熱パターンから供給する電力を軽減しての運転が可能となる。
このように改質反応のための熱が供給される状態で燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル)と水の混合気を改質反応用供給流路部251に供給すると、混合気が改質流路部144を流れているときに改質触媒255により反応して水素ガスが生成される。このとき、僅かながら一酸化炭素ガスも生成される(燃料がメタノールの場合には、下記化学式(1)、(2)を参照。)。一酸化炭素除去器の一酸化炭素除去用供給流路部252に空気を供給すると、水素ガス、一酸化炭素ガス、空気等が混合した状態で一酸化炭素除去流路部145を流れる。このとき、一酸化炭素ガスが一酸化炭素除去触媒256により優先的に酸化する選択酸化反応が起こり、一酸化炭素ガスが除去される(下記化学式(3)を参照)。そして、水素ガス等を含むガスが一酸化炭素除去流路部145から排出される。
CH3OH+H2O→3H2+CO2・・・(1)
2+CO2→H2O+CO・・・(2)
2CO+O2→2CO2・・・(3)
なお、燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル)と空気(酸素)の混合気を改質反応用供給流路部251に供給するようにしても良い。この場合、燃料が部分酸化改質反応を起こして水素ガスが生成されるが、その場合、改質流路部144の壁面に担持させる触媒は部分酸化改質触媒とする。改質流路部144の担持させる触媒を2種類にし、部分酸化改質反応と水蒸気改質反応(上記式(1))を組み合わせても良い。
次に、複合型マイクロ反応装置100の用途について説明する。
この複合型マイクロ反応装置100は、図12に示すような発電装置900に用いることができる。この発電装置900は、燃料と水を液体の状態で貯留した燃料カートリッジ901と、燃料カートリッジ901から供給された燃料と水を気化させる気化器902と、複合型マイクロ反応装置100と、複合型マイクロ反応装置100から供給された水素ガスにより電気エネルギーを生成する発電セル903と、発電セル903により生成された電気エネルギーを適切な電圧に変換するDC/DCコンバータ904と、DC/DCコンバータ904に接続される2次電池905と、それらを制御する制御部906とを備える。複合型マイクロ反応装置100は、上述のように改質器101、一酸化炭素除去器102及び燃焼器103を備える。
気化器902で気化した燃料と水は改質反応用供給流路部251に流れ込み、一酸化炭素除去流路部252から流れ出た水素ガス等は発電セル903の燃料極に供給され、発電セル903の酸素極には空気が供給され、発電セル903における電気化学反応により電気エネルギーが生成される。
DC/DCコンバータ904は発電セル903により生成された電気エネルギーを適切な電圧に変換したのちに電子機器1000に供給する機能の他に、発電セル903により生成された電気エネルギーを2次電池905に充電し、発電セル903側が運転されていない時に、電子機器1000に2次電池側から電気エネルギーを供給する機能も果たせるようになっている。制御部906は気化器902、複合型マイクロ反応装置100、発電セル903を運転するために必要な図示しないポンプやバルブ類、そして、ヒータ類、DC/DCコンバータ904等を制御し、電子機器1000に安定して電気エネルギーが供給されるような制御を行なう。
ここで、発電セル903の燃料極に供給された水素ガスは全てが反応しない方が高効率で、残留した水素ガスは、燃焼用供給流路部253a(燃焼用燃料供給口113e)から(燃焼器103(燃焼流路部144に対応)に供給されるようにしてもよい。また、改質器101の温度管理の観点より、燃焼器103で残留した水素ガスを全て燃焼させずに、別途水素燃焼器を備えるようにしてもよい。
以上のように、本発明の実施の形態によれば、断熱パッケージ110内に収容される改質器、一酸化炭素除去器及び燃焼器が、第一基板〜第四基板130,140,150,160を積層して、第三基板150を第一、第二及び第四基板130,140,160よりも熱伝導率の高い材料により形成し、さらに、第二基板140の改質流路部144の壁面及び第三基板150の電熱パターン153上には、改質反応のための改質触媒255が設けられ、第二基板140の一酸化炭素除去流路部145の壁面及び第三基板150の電熱パターン154上には、一酸化炭素除去反応のための一酸化炭素選択酸化触媒256が設けられているので、熱伝導率の高い第三基板150に触媒255,256が固定化されて触媒温度の均熱化及び触媒反応を安定化させることができる。また、第三基板150に形成された電熱パターン153,154は温度センサとしても機能し、このような温度センサとして機能する電熱パターン153,154上に各反応触媒255,256が設けられているので、改質触媒255や一酸化炭素選択酸化触媒256の温度変化をすばやく捉えることができる。
燃焼触媒257が第四基板160より熱伝導率の高い第三基板150の第四基板160側の面に設けられているので、改質触媒255と燃焼触媒257とが第三基板150を挟んで対向配置されているため、燃焼触媒257による熱が吸熱反応を起こす改質触媒255に効率良く、短時間に伝達させることができる。
触媒255〜257を形成する第三基板150にのみ熱伝導率の高い材料を使用するので、起動時に触媒255〜257以外の部分への熱の逃げが少なく、起動に必要な時間を短縮することができる。
したがって、触媒255〜257の高速起動性が高く、応答性の速い複合型マイクロ反応装置100とすることができる。
また、第一基板130の断熱用上蓋111側の面及び第四基板160の断熱用下蓋112側の面に、2μm以上の赤外線を70%以上反射する赤外線反射膜135,163が形成されているので、赤外線輻射を抑制するだけではなく、Naの析出を抑制し、真空封止の信頼性も向上させることができる。
第三基板150は、高温用基板151側と低温用基板152側とに分断されているので、改質器側の高温用基板151と一酸化炭素除去器側の低温用基板152とで温度勾配を確実かつ容易につけることができる。
なお、上記実施の形態において、電熱ヒータ153,154や、各流路部144〜149,157,251〜254等の形状は上述した形状に限られるものではなく、適宜変更可能である。また、上記実施の形態では、第一〜第四基板130,140,150,160の四枚の基板を使用して反応装置100を構成するものとしたが、二枚や三枚、五枚以上の基板から構成しても良い。
また流路として基板に溝を形成したがこれに限らず、基板面に仕切りとなる壁を形成してもよい。
発電セルに供給する水素を改質する複合型マイクロ反応装置100を示した分解斜視図である。 図1における第一基板〜第四基板130,140,150,160の分解斜視図である。 複合型マイクロ反応装置100の正面断面図である。 第一基板130の両面のうち断熱用上蓋111側から見た際の平面図である。 第一基板130の両面のうち第二基板140側から見た際の平面図である。 第二基板140の両面のうち第一基板130側から見た際の平面図である。 第二基板140の両面のうち第三基板150側から見た際の平面図である。 第三基板150の両面のうち第二基板140側から見た際の平面図である。 第三基板150の両面のうち第四基板160側から見た際の平面図である。 第四基板160の両面のうち第三基板150側から見た際の平面図である。 第四基板160の両面のうち断熱用下蓋112側から見た際の平面図である。 発電装置900の構成を示したブロック図である。
符号の説明
100 反応装置
101 改質器(反応器)
102 一酸化炭素除去器(反応器)
103 燃焼器
110 断熱パッケージ(断熱容器)
130 第一基板(基板)
135,163 赤外線反射膜
140 第二基板(基板)
150 第三基板(基板)
153,154 電熱パターン(電気発熱体)
160 第四基板(基板)
255 改質触媒(触媒)
256 一酸化炭素選択酸化触媒(触媒)
257 燃焼触媒(触媒)
900 発電装置
903 発電セル
1000 電子機器

Claims (7)

  1. 第1の反応器と第2の反応器を含む異なる温度で反応物の反応を起こす複数の反応器と、
    前記複数の反応器のうちの少なくとも1つを加熱する発熱体と、
    前記複数の反応器間に配置され、前記複数の反応器同士を連結している接続部と、を備え、
    前記複数の反応器、前記発熱体及び前記接続部は、複数の基板が積層されることで一体形成され、前記複数の基板のうち、前記発熱体が設けられている基板は、前記複数の反応器の第1の反応器側と第2の反応器側とで分断され、且つ前記接続部を形成する基板より熱伝導率が高いことを特徴とし、
    前記1の反応器は、反応物としての燃料と水から水素を生成する改質器であることを特徴とする反応装置。
  2. 前記複数の基板のうち最も外側に位置する両端の基板の外面に、2μm以上の赤外線を70%以上反射する赤外線反射膜が形成されていることを特徴とする請求項1記載の反応装置。
  3. 前記赤外線反射膜が金属酸化導電膜を有することを特徴とする請求項2に記載の反応装置。
  4. 前記第2の反応器は、反応物としての一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応装置。
  5. 前記発熱体が設けられている基板は、他の基板と積層されることで前記複数の反応器のいずれかの反応炉を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の反応装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の反応装置により生成される改質ガスから電気化学反応により電力を取り出す発電セルを備えることを特徴とする発電装置。
  7. 請求項6に記載の発電装置を電力供給源として備えることを特徴とする電子機器。
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