JP5308950B2 - 水分交換用中空糸膜モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば燃料電池システムに用いて好適な水分交換用中空糸膜モジュールに係り、特に、被加湿ガスに対する加湿効率を向上させる技術に関する。
燃料電池としては、平板状の膜電極構造体(MEA:Membrane Electrode Assembly)の両側にセパレータが積層された積層体が単位セルとされ、複数の単位セルが例えば数百層積層されて燃料電池スタックとして構成された燃料電池が知られている。膜電極構造体は、正極(空気極、カソード)および負極(燃料極、アノード)を構成する一対の電極の間にイオン交換樹脂等からなる電解質膜が挟まれた三層構造である。このような燃料電池によると、例えば、燃料極側のガス拡散電極に面するガス流路に燃料ガスを流し、空気極側のガス拡散電極に面するガス流路に酸化剤ガスを流すと電気化学反応が起こり、発電が生じる。
ここで、上記のような電気化学反応を安定させるためには、膜電極構造体が湿潤していることが望ましい。たとえば、特許文献1には、燃料ガス流路内で燃料ガスに発電生成水が水蒸気となって加わることにより、水蒸気分圧が上昇した使役後のアノード排出ガスを加湿ガスとし、未使役の燃料ガスを加湿する燃料電池システムが開示されている。
ところで、近年、燃料電池の高性能化に伴って膜電極構造体は薄くなる傾向にあり、電気化学反応で生成され空気極側に出てくる水が燃料極側へ移動するという現象が生じるようになってきた。このため、燃料ガスを加湿すると燃料極の湿潤状態が過剰となり、燃料と燃料極との接触が妨げられるフラッディングと呼ばれる現象が生じる。一方、空気極側は、湿潤の程度が過剰でも電気化学反応にはさほど差し障りがない場合のあることが知られている。したがって、最近では、燃料ガスを加湿するよりも酸化剤ガスを加湿する技術が重要視されてきている。
酸化剤ガスを加湿する従来の自動車用燃料電池システムとして、たとえば、特許文献2には、水蒸気透過膜で区切られた加湿器の一方の空間に乾燥した未使役の酸化剤ガスを供給し、他方の空間に湿潤した使役後の酸化剤ガスの排気(オフガス)を供給して、水蒸気透過膜を介してオフガスから酸化剤ガスへ水分を移動させる技術が開示されている。
しかしながら、上記技術では、略平面状の水蒸気透過膜を介してその両側からガスを接触させて水分移動を行うため、接触領域が小さく、連続的に供給される酸化剤ガスに対して水分移動が間に合わず、加湿効率が十分ではないという問題があった。
このような問題に対して、たとえば、特許文献3〜6には、加湿器内に中空糸膜を充填して、未使役の酸化剤ガスを中空糸膜の中空内部に流通させるともに使役後のオフガスを中空糸膜外壁に接触するように流通させて、中空糸膜を介して水分移動を行う技術が開示されている。これらの技術によれば、加湿器内に微細な中空糸膜が多数充填されているので、水分移動を行うための接触領域は著しく増加しており、特許文献1に記載の技術と比較して加湿効率は向上している。
しかしながら、中空糸膜は、水分移動の際の吸湿によって膨潤するため、加湿器内に充填する際にはその寸法変化を考慮して、中空糸膜間に予め空隙を設けて充填しなければならず、密に充填することができない。このように、中空糸膜間には空隙があり、また、中空糸膜は弾性的に変形可能であるため、加湿器内にオフガスを導入すると、ガス流速が最も大きい導入部分においてオフガスが中空糸膜を押し退けて、隙間が形成されてしまう。オフガスは、この隙間をバイパス路として流れてしまうため、加湿器内を均一に流通させることができず、加湿効率が低下するという問題があった。
このような問題に対して、特許文献4に記載の技術では、数本の中空糸膜を剛性棒と共に束ねて固定したものを多数製造し、これを加湿器に充填することで、中空糸膜の移動を抑制している。また、特許文献5および6に記載の技術では、加湿器内に仕切り板を設けることによって、オフガスの流路を導き、また、中空糸膜の特定の方向への偏りを抑制している。
実開昭61−3671号公報 特開平6−132038号公報 特願2002−147802号公報 特願2004−311287号公報 特願2005−40675号公報 特願2007−323982号公報
しかしながら、特許文献4に記載の技術では、中空糸膜を剛性棒と共に束ねたものを多数製造する必要があるため、工程数が増大して好ましくない。また、特許文献5および6に記載の技術では、従来よりは中空糸膜の移動は抑制することができるものの、仕切り板で区切られた領域内での偏りまでも抑制することは困難であり、また、ガスを流通させる必要上、仕切り板を完全に閉じた構造とすることはできず、その開口部分における偏りを抑制することはできない。
したがって、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、中空糸膜内に供給される乾燥した燃料電池未使役のガスを充分に加湿することができるのは勿論のこと、加湿器内に充填された中空糸膜の偏りを抑制して、湿潤した燃料電池使役後のオフガスを加湿器内で均一に流通させることができる水分交換用中空糸膜モジュールを提供することを目的としている。
本発明の水分交換用中空糸膜モジュールは、筒状ケースと、筒状ケース内の空間に軸方向に延在させて充填された複数の中空糸膜と、筒状ケースの両端において複数の中空糸膜を固定して空間を封止したシール部と、筒状ケースの一側面に設けられた導入口と、導入口が設けられた側面の対向面に設けられた排出口と、中空糸膜の一端側から中空糸膜の中空内部を経由して他端側に至る第1流体経路と、導入口から上記空間内でありかつ中空糸膜の外側を経由して排出口に至る第2流体経路と、 上記空間内において筒状ケースの軸方向に平行に延在し、導入口が設けられた面および排出口が設けられた面に平行に配置された複数の仕切板とを備え、仕切り板の形状は、仕切り板が筒状ケースの側面と平行となる2つの線分と、仕切り板が筒状ケースの両端面と交わる2つの線分とで囲まれる長方形であり、複数の仕切板のそれぞれは、開口部を有し、複数の仕切板のうち導入口側に設けられた仕切板と筒状ケースとの間隔が、仕切板どうしの間隔、および排出口側に設けられた仕切板と筒状ケースとの間隔のいずれよりも小さいことを特徴としている。
上記構成の水分交換用中空糸膜モジュールにあっては、中空糸膜内を経由する第1流体経路に例えば乾燥した未使役のガス(酸化剤ガスあるいは燃料ガス)を流通させ、中空糸膜外を経由する第2流体経路に例えば湿潤した使役後のオフガスを流通させてオフガスの水分を未使役のガスに移動させるにあたり、中空糸膜が充填されている空間内において第2流体経路の導入口が設けられた面および排出口が設けられた面に平行に開口部を有する複数の仕切板が配置されているので、中空糸膜は、仕切板と筒状ケースによって囲まれる領域内あるいは仕切板どうしによって囲まれる領域内で拘束される。また、複数の仕切板のうち導入口側に設けられた仕切板と筒状ケースとの間隔が、仕切板どうしの間隔、および排出口側に設けられた仕切板と筒状ケースとの間隔のいずれよりも小さいので、ガス流速が大きい導入口近傍であっても中空糸膜の移動が抑制される。これにより、中空糸膜と筒状ケースとの隙間が形成されないので、オフガスは中空糸膜モジュール内を均一に流通し、効率良く水分交換を行うことができる。
複数の仕切板のそれぞれには、複数の開口部が設けられ、隣接する仕切板どうしの開口部は、平面視で互いに少なくとも一部が重ならないことが好ましい。隣接する仕切板どうしにおいて、仕切板と直交する方向への開口部の射影が完全に一致していると、中空糸膜が拘束されない領域がその直交方向へ貫通して形成されてしまい、その領域においては中空糸膜の撓みが生じてしまう。しかしながら、このような態様によれば、開口部の射影が隣接する仕切板どうしで少なくとも一部異なっているため、中空糸膜の非拘束領域が貫通して形成されない。そのため、中空糸膜の開口部における撓みを抑制することができる。
複数の仕切板のそれぞれには、複数の開口部が設けられ、隣接する仕切板どうしの開口部は互いに異なる形状であることが好ましい。上記の説明と同様に、隣接する仕切板どうしにおいて、仕切板と直交する方向への開口部の形状が完全に一致していると、中空糸膜が拘束されない領域がその直交方向へ貫通して形成されてしまい、その領域においては中空糸膜の撓みが生じてしまう。しかしながら、このような態様によれば、開口部の形状が隣接する仕切板どうしで異なっているため、中空糸膜の非拘束領域が貫通して形成されない。そのため、中空糸膜の開口部における撓みを抑制することができる。
中空糸膜の乾燥状態では、中空糸膜どうしの間および中空糸膜と仕切板との間に形成される空隙部を有し、中空糸膜の膨潤状態では、互いに接触することで空隙部を減少させることが好ましい。このような態様によれば、水分交換用中空糸膜モジュールの運転時にあって中空糸膜と仕切板を互いに接触させることができ、ケースに沿った隙間の形成が確実に抑制される。
中空糸膜を複数の領域に区画する仕切板は、少なくともその一端をシール部で固定されていることが好ましい。このような態様によれば、ガスの流通に際して力が加わっても仕切板の移動が抑制されるため、仕切板と中空糸膜の摩擦による中空糸膜の損傷が抑制される。
本発明によれば、モジュール内に充填された中空糸膜のうち最も偏りが生じ易い導入口付近の部分において中空糸膜が仕切板と筒状ケースとの間で保持されて拘束されているので、オフガスの流通による中空糸膜の偏りを抑制し、モジュール内のオフガスを均一に流通させることができる。
水分交換用中空糸膜モジュールを示す透視斜視図である。 図1の水分交換用中空糸膜モジュールを示す側方断面図である。 従来の水分交換用中空糸膜モジュールにおける中空糸膜の偏りを示す側方断面図である。 本発明の実施形態に係る水分交換用中空糸膜モジュールを示す側方断面図である。 本発明の実施形態に係る水分交換用中空糸膜モジュールにおける仕切板の配置を示す模式図である。 本発明の仕切板の変形例を示す図である。 本発明の仕切板の変形例を示す図である。 本発明の仕切板の変形例を示す図である。 本発明の仕切板の変形例を示す図である。 本発明の実施形態に係る水分交換用中空糸膜モジュールを示す側方断面図である。 本発明の実施形態に係る水分交換用中空糸膜モジュールを示す側方断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。まず、実施形態の説明に先立ち、本発明を適用することができる水分交換用中空糸膜モジュールの一般的な構成について、図1および2を参照して説明する。図1および2に示すように、水分交換用中空糸膜モジュールMは、筒状ケース10を有し、この筒状ケース10内の空間(以下、充填空間と略称する場合がある)には、複数の中空糸膜11が、筒状ケース10の軸方向と平行に充填されている。複数の中空糸膜11は、吸湿に際して膨張するため、その寸法変化を吸収するために、所定の間隔を介して充填されている。
中空糸膜11の両端は、シール部14によって筒状ケース10に固定されている。図1では、中空糸膜11は部分的に省略して図示しているが、中空糸膜11は両端のシール部14間に延在している。シール部14は、上記充填空間における中空糸膜11の外側を合成樹脂等で埋設したものであり、充填空間のみを外部に対して封止するものである。したがって、中空糸膜11の中空内部は封止されておらず、中空糸膜11の中空内部は両端とも外部に連通している。本実施形態では、中空糸膜11の一端側(矢印20)から中空糸膜の中空内部を経由して他端側(矢印21)に至る経路を第1流体経路と定義する。
筒状ケース10の一側面(例えば図においては底面)には、ガスの導入口12が設けられており、導入口12の下流側であってかつ対向する面(例えば図においては頂面)には、ガスの排出口13が設けられている。本実施形態では、導入口12(矢印22)から充填空間内でありかつ中空糸膜11の外側を経由して排出口13(矢印23)に至る経路を第2流体経路と定義する。
上記の水分交換用中空糸膜モジュールMにおいては、例えば、乾燥した燃料電池未使役のガス20を第1流体経路に導入するとともに、このガスを燃料電池で使役した後の排気ガスであるオフガス22を第2流体経路に導入するので、乾燥した未使役のガス20が中空糸膜11内を通過すると同時に、湿潤した使役後のオフガス22は充填空間内の中空糸膜11の外側を通過する。中空糸膜11は、内外のガス交換は阻止するが、その両面に存在する微細な孔を通じて水分のみを移動させることができるため、高湿潤側から低湿潤側への水分移動が行われる。このようにして、第1流体経路および第2流体経路に導入された乾燥した未使役のガス20および湿潤した使役後のオフガス22それぞれにおいては、水分が移動し、加湿された未使役のガス21および湿度が低下した使役後のオフガス23となって排出される。
図3は、従来の水分交換用中空糸膜モジュールにおける問題点を説明するための図である。上述したように、中空糸膜11は、湿潤によって寸法変化するために、乾燥状態にあっては所定の間隔を以って充填空間内に固定されている。また、中空糸膜11は、弾性的に変形する性質を有している。そのため、図3に示すように、オフガス22が導入口12から導入されると、ガス流速が最も大きい導入口12側で圧力が高まり、オフガス22は中空糸膜11を押し退けて変形させ、筒状ケース10の底面に沿って隙間が生じてしまう。オフガスは、矢印24で示すようにこの隙間を経由して下流側(図において右側)へ一気に移動し、その後、排出口13へ向かって流通して排出されてしまう。このように、オフガスは上流側(図において左側)においては中空糸膜11の空隙を通過せず、下流側のみで水分移動が行われるため、中空糸膜11の利用率および加湿効率が低いという問題があった。
第1実施形態
図4は、上述した従来の問題を解決することができる本発明の水分交換用中空糸膜モジュールの第1実施形態を示す図である。なお、図4の水分交換用中空糸膜モジュールは、仕切板30aおよび30b以外の構成要素は図1および2と共通であるため、ここでは共通部分の説明は省略し、第1実施形態特有の構成、作用および効果について説明する。
図4に示すように、充填空間内には、複数の仕切板30aおよび30bが、筒状ケース10の軸方向と平行に、かつ、導入口12が設けられた面および排出口13が設けられた面と平行に設けられている。また、仕切板30aおよび30bは、図4に示すように、その両端部をシール部14に埋設されることで固定されている。
仕切板30aおよび30bは、オフガスを十分に流通させることができる開口部を有し、オフガスのガス圧力を受けても変形しない剛性を有し、かつ長期の使用に耐え得るような耐食性を有する材料で構成されている。仕切板30aおよび30bは、例えばステンレス鋼等の金属やプラスチックからなる板状部材から構成され、例えば図6(a)に示す矩形の開口部40、(c)に示す円形の開口部42を打ち抜き形成してもよいし、(b)に示すようにステンレス鋼等の金属やプラスチックからなるメッシュで構成してもよい。また、例えば図7に示すように、同じ形状の開口部を有する仕切板を隣接させてもよい。なお、図7においては、(a)および(d)は、オフガスの導入口および排出口が設けられた筒状ケース側面に相当し、(b)および(c)は、上記説明における仕切板30aおよび30bに相当する。
上記実施形態においては、図5に示すように、筒状ケース10の導入口12を設けた側の面と仕切板30aとの間隔をA、仕切板30aと仕切板30bとの間隔をA、仕切板30bと筒状ケース10の排出口13を設けた側の面との間隔をAと定義した場合、最も導入口側の間隔Aが、他の間隔AおよびAのいずれよりも小さく設定されている。
本発明におけるシール部14を形成する方法としては特に限定されず、任意の固定手段を用いることができる。本実施形態では、筒状ケース10の端部を立てた状態で充填空間に中空糸膜11、仕切板30aおよび30bを充填して、下端部を樹脂に浸漬して固定し、続いて上下を反転させて他端部も同様にして樹脂に浸漬して固定するポッティングを採用している。ポッティングの際、浸漬した樹脂は、中空糸膜11の内外を封止してしまうが、中空糸膜11の径よりも中空糸膜11どうしの間隔の方が小さいため、毛細管現象により樹脂の浸漬高さが異なり、中空糸膜11の外部と比較して内部の方が浅く封止される。このため、この部分を切断除去することにより、中空糸膜11内部はモジュール外界に連通させて、中空糸膜11外部のみに樹脂を残存させ、充填空間を封止することができる。
本実施形態においては、中空糸膜11の湿潤による膨張率を予め把握しておく。そして膨張率が最大に達した際に中空糸膜11の移動を抑制するため、中空糸膜11どうしの間、中空糸膜11と仕切板30aの間および中空糸膜11と仕切板30bの間が互いに接触して隙間無く密に充填されるよう、あるいは隙間が減って密度が高く充填されるようにそれぞれが配置されている。一方乾燥状態においては、これらの間に空隙部(隙間)をもって中空糸膜11と仕切板30aおよび30bが配置されている。
本発明における中空糸膜11としては、公知の中空糸膜を選択することができ、具体的には、フェノールスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸、パーフルオロカーボンスルホン酸等の高分子イオン交換膜で構成されたものや、高分子樹脂系あるいはセラミック系等の中空糸膜が挙げられる。
本実施形態によれば、導入口12からオフガスが充填空間内に導入される際に導入口12近傍の中空糸膜11がガス圧力を受けても、仕切板30aが最も導入口側の中空糸膜11を拘束しているので、導入口12側のケース面と仕切板30aとの間の領域の中空糸膜11の移動が抑制される。加えて、仕切板30bがさらに排出口側で中空糸膜11を拘束しているので、仕切板30aと仕切板30bとの間の領域の中空糸膜11、および仕切板30bと排出口13側のケース面との間の領域の中空糸膜11の移動をも抑制することができる。これにより、筒状ケース10に沿って隙間が生じることが抑制されるので、図4に矢印25で示すように、オフガスは充填空間内において上流側から下流側へ向かって均一に流通する。これにより、中空糸膜11の利用率および加湿効率が向上する。
特に、本実施形態では、オフガスの導入口12近傍が最もガス流速が大きく、中空糸膜11の受ける推力が大きいためその移動量も大きくなる傾向がある。Aを最小とすることによって、中空糸膜11の移動量を最小に抑えることができる。
本実施形態においては、少なくともAが最小であれば、AおよびAの関係は限定されず、例えばA=A、A<A、A>Aのいずれであってもよい。しかしながら、導入されるオフガスのガス流速は下流側に行くにつれ減衰するので、A<A<Aであることが特に好ましい。
特に、本実施形態では、予め中空糸膜11の膨張率を考慮した所定の空隙を以って中空糸膜11と仕切板30aおよび30bが配置されているので、水分交換用中空糸膜モジュールの運転時にあっては中空糸膜11と仕切板30aおよび30bを互いに接触させることができ、筒状ケース10に沿った隙間の形成が確実に抑制される。
第2実施形態
図8は、本発明の水分交換用中空糸膜モジュールの第2実施形態を示すものであり、オフガスを流通させる開口部を示す図である。なお、第2実施形態においては、これら開口部の配置以外の構成要素は第1実施形態と共通であるため、ここでは共通部分の説明は省略し、第2実施形態特有の構成、作用および効果について説明する。
図8(a)は、筒状ケース10の導入口が設けられた側面を示し、矩形の開口部40(導入口12に相当)よりオフガスが筒状ケース10内に導入される。図8(b)および(c)は、それぞれ導入口側および排出口側の仕切板を示す。また、図8(d)は、筒状ケース10の排出口が設けられた側面を示し、矩形の開口部40(排出口13に相当)よりオフガスが筒状ケース10外に排出される。
本実施形態においては、矩形の開口部40の形状は全て同じであるが、隣接する仕切板の開口部どうしは、平面視で少なくともその一部が重ならないように、開口部の位置をずらすようにして配置されている。例えば、図8(a)と(b)を重ねると、開口部が0.5個分ずらして形成されているので、(a)の開口部からは(b)の板状部材部分が見え、逆に(b)の開口部からは(a)の板状部材部分が見える。同様にして、隣接する(b)と(c)、(c)と(d)においても、平面視して開口部40が完全に重ならないように、少なくとも一部が遮蔽されて形成されている。
図10に示すように、隣接する上下方向(仕切板と直交する上下方向)の仕切板における開口部が完全に重なる場合、中空糸膜11が拘束されない領域が上下に貫通して形成されるため、中空糸膜11には、その非拘束領域で部分的に撓みが生じて、オフガスのバイパスが僅かに形成されてしまう。しかしながら、本実施形態によれば、図11に示すように、開口部は、隣接する上下の仕切板で重なっていないので、開口部において中空糸膜11に生じる撓みは限定的となり、オフガスのバイパスが形成されることが抑制される。
第3実施形態
図9は、本発明の水分交換用中空糸膜モジュールの第3実施形態を示すものであり、オフガスを流通させる開口部を示す図である。図9(a)は、筒状ケース10の導入口が設けられた側面を示し、矩形の開口部40(導入口12に相当)よりオフガスが筒状ケース10内に導入される。図9(b)および(c)は、それぞれ導入口側および排出口側の仕切板を示す。また、図9(d)は、筒状ケース10の排出口が設けられた側面を示し、矩形の開口部40(排出口13に相当)よりオフガスが筒状ケース10外に排出される。
本実施形態においては、第2実施形態と同様、矩形の開口部40の形状は全て同じであるが、隣接する仕切板の開口部どうしの射影が、平面視で少なくともその一部が重ならないように、開口部の位置をずらすようにして配置されている。例えば、図9(b)および(c)においては、矩形の開口部40が板状部材の辺方向から傾いて形成されている。図9(a)と(b)の板状部材を重ねると、一方の開口部からは他方の板状部材部分が見え、隣接する(b)と(c)、(c)と(d)においても同様である。
本実施形態においても、第2実施形態と同様、開口部が隣接する上下の仕切板において完全には重なっていないので、開口部において中空糸膜11に生じる撓みは限定的となり、オフガスのバイパスが形成されることが抑制される。
変形例
本発明においては、仕切板を2箇所に設ける例を説明したが、この態様のみに限定されず、n箇所(nは2以上の整数)の任意の数の仕切板を設けることができる。その際、間隔Aが他の間隔A〜Aのいずれよりも小さいことが好ましく、A<A<・・・<An−1<Aがさらに好ましいことも同様である。
本発明においては、図8および9において開口部が全て矩形である例を説明したが、この態様のみに限定されず、円形等、他の形状の開口部を有するものであってもよく、また、開口部の形状が異なる仕切板が隣接していてもよい。
上記説明においては、第1流体経路に乾燥した未使役のガスを流し、第2流体経路に湿潤した使役後のオフガスを流した例を説明したが、本発明はこの態様のみに限定されるものではなく、第1流体経路に湿潤した使役後のオフガスを流し、第2流体経路に乾燥した未使役のガスを流して水分交換を行うことも可能である。
さらに、上記説明では、筒状ケース10の断面が矩形である場合を例にとり説明したが、本発明の水分交換用中空糸膜モジュールは矩形に限定されるものではなく、例えば断面が多角形の筒状とすることもできる。
本発明によれば、燃料電池から排出されるオフガスの水分を未使役の酸化剤ガスの加湿に再利用することができ、また、水分交換における加湿効率を高めることにより燃料電池の適正な加湿量での運転が可能となるから、厳格な安定運転が要求される車載用燃料電池システムに適用して極めて有望である。
M…水分交換用中空糸膜モジュール、
10…筒状ケース、
11…中空糸膜、
12…ガス導入口、
13…ガス排出口、
14…シール部、
20…未使役のガス(低湿潤)、
21…未使役のガス(水分交換後)、
22…使役後のオフガス(高湿潤)、
23…使役後のオフガス(水分交換後)、
30〜31…仕切板、
40…矩形の開口部、
41…メッシュ、
42…円形の開口部。




Claims (5)

  1. 筒状ケースと、
    上記筒状ケース内の空間に軸方向に延在させて充填された複数の中空糸膜と、
    上記筒状ケースの両端において上記複数の中空糸膜を固定して上記空間を封止したシール部と、
    上記筒状ケースの一側面に設けられた導入口と、
    上記導入口が設けられた側面の対向面に設けられた排出口と、
    上記中空糸膜の一端側から中空糸膜の中空内部を経由して他端側に至る第1流体経路と、
    上記導入口から上記空間内でありかつ上記中空糸膜の外側を経由して上記排出口に至る第2流体経路と、
    上記空間内において上記筒状ケースの軸方向に平行に延在し、上記導入口が設けられた面および上記排出口が設けられた面に平行に配置された複数の仕切板とを備え、
    上記仕切り板の形状は、上記仕切り板が上記筒状ケースの側面と平行となる2つの線分と、上記仕切り板が上記筒状ケースの両端面と交わる2つの線分とで囲まれる長方形であり、
    上記複数の仕切板のそれぞれは、開口部を有し、
    上記複数の仕切板のうち上記導入口側に設けられた仕切板と上記筒状ケースとの間隔が、仕切板どうしの間隔、および排出口側に設けられた仕切板と上記筒状ケースとの間隔のいずれよりも小さいことを特徴とする水分交換用中空糸膜モジュール。
  2. 前記複数の仕切板のそれぞれには、複数の開口部が設けられ、
    隣接する仕切板どうしの開口部は、平面視で互いに少なくとも一部が重ならないことを特徴とする請求項1に記載の水分交換用中空糸膜モジュール。
  3. 前記複数の仕切板のそれぞれには、複数の開口部が設けられ、
    隣接する仕切板どうしの開口部は、互いに異なる形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の水分交換用中空糸膜モジュール。
  4. 前記中空糸膜の乾燥状態では、中空糸膜どうしの間および中空糸膜と前記仕切板との間に形成される空隙部を有し、上記中空糸膜の膨潤状態では、互いに接触することで上記空隙部を減少させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水分交換用中空糸膜モジュール。
  5. 前記仕切板は、少なくともその一端を前記シール部で固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水分交換用中空糸膜モジュール。





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