JP5308861B2 - 試験用ローラ及び試験装置 - Google Patents
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Description
このようなカレンダ装置や圧延装置は、材料に対して成型や表面加工等の加工を行うためのローラを複数備え、例えばローラ間において上記材料の加工を行う。
このため、従来においては、様々な表面特性を有するローラを複数用意し、各ローラにて実際に材料の加工を行うことによって、各ローラの材料に対する表面特性を試験し、最も良好な試験結果が得られたローラを実際のカレンダ装置や圧延装置に搭載していた。
このため、候補となるローラが数多い場合には、上記試験に極めて長い時間を要すると共に、ローラの取替え作業回数の増加によって作業者への負担が増大する。
また、表面特性の違いによる加工状態の変化が小さい場合も少なくなく、目視によって何れのローラが最適であるかの判断が困難な場合も多い。
このため、当該試験ローラに材料を供給して加工を行うことによって、リング部材ごとの加工状態を一度に確認することができる。
したがって、ローラの交換を行うこともなく、短時間で、材料の加工に適したローラの表面特性を容易に特定可能とすることが可能となる。
図1は、本実施形態の試験用ローラ1の側面図である。また、図2は、本実施形態の試験用ローラ1の軸方向の断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態の試験用ローラ1は、軸部2と、当板3と、複数のリング部材4とを備えている。
この軸部2は、中央部2aが端部2bに対して大径とされることによって中央部2aが膨らんだ形状を有している。
また、軸部2は、中空とされており、その内部空間に温調用油が供給可能とされている。
また、軸部2は、試験装置100の温調用油供給装置304(温調手段)と接続され、温調用油供給装置304から内部空間に温調用油が供給される。
なお、図2に示すように、当板3は、軸部2の中央部2aの外側まで張り出されており、その張り出し量がリング部材4の厚さよりも少なくなるように板幅が設定されている。
また、リング部材4は、軸L方向に貫通する貫通孔を備えている。そして、本実施形態の試験用ローラ1においては、6つのリング部材4が設置されており、各リング部材4の貫通孔が連通されるように全てのリング部材4を軸部2の中央部2aに嵌め合わせた状態で、リング部材4の貫通孔と当板3の貫通孔とにシャフト6を挿通させてボルト締めすることによってリング部材4が軸部2に対して固定される。
そして、リング部材4a〜4f同士が軸L方向に当接されることで、リング部材4a〜4fの外周面によって試験用ローラ1の成型面(加工面)が面一で形成されている。
これによって、リング部材4同士が側部全面で当接される場合と比較して、当接面の面圧を高めることができ、リング部材4同士の間に隙間が形成されることを防止することができる。
これは本実施形態の試験用ローラ1が試験装置100に搭載された場合に、試験装置100側のガイドローラが試験用ローラ1と当接する領域を確保するためであり、リング部材4a〜4fの実質的な圧延幅を均一化するためである。
これらの図に示すように、試験装置100は、供給装置200(供給手段)と、カレンダ装置300と、回収装置400(回収手段)と、制御部500とを備えている。
押出機201は、ホッパ204を介して投入された材料を、時間当たり一定の量で押し出すものである。
練りロール機202は、押出機201から供給された材料を加熱状態で混練するものである。
コンベア203は、練りロール機202によって混練された材料をカレンダ装置300の試験用ローラ1に供給するものである。
また、供給装置200は、図4に示すように、練りロール機202が備えるミルロールに温調用油を供給するための温調用油供給装置205を備えている。
なお、図4に示すように、カレンダ装置300は、モータ302を備えている。そして、モータ302が駆動されることによって、試験用ローラ1と対向ローラ301とが回転駆動される。
さらに、カレンダ装置300は、図5に示すように、試験用ローラ1と対向ローラ301とに温調用油を供給するための温調用油供給装置304を備えている。このような温調用油供給装置304によって、試験用ローラ1の軸部2に温調用油を供給することによってリング部材4の温度調節が行われる。
ただし、試験用ローラ1を用いた試験においては、材料を巻取り装置403にて巻き取る必要がないため、巻取り装置403を駆動する必要はない。
なお、上記温度センサとしては、温調用油の配管の途中に設置されて間接的に試験用ローラ1の温度を測定する温度センサ、及び試験用ローラ1に直接設置される温度のいずれかあるいは両方を用いることができる。
その後、材料は、回収装置400のテイクオフローラ401によって引き剥がされ、さらに冷却ローラ402によって冷却される。
そして、本実施形態の試験用ローラ1及び該試験ローラ1を備える試験装置100によれば、試験ローラ1に材料を供給して成型を行うことによって、リング部材4a〜4fごとの加工状態を一度に確認することができる。
したがって、ローラの交換を行うこともなく、短時間で、材料の加工に適したローラの表面特性を容易に特定可能とすることが可能となる。
このため、全てのリング部材4の外周面において材料を均等に成型することが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
そして、本実施形態の試験用ローラ1においては、制御部500によってヒータ2cの発熱量が制御されることで温度調整が行われる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、試験用ローラが材料の表面処理を行う構成であっても良い。
つまり、本発明の試験用ローラは、材料に対して何らかの加工を行うローラの材料に対する表面特性を試験する際に用いることができる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の試験用ローラは、2つ以上のリング部材を備えていれば良い。
Claims (4)
- ローラの材料に対する表面特性を試験するための試験用ローラであって、
異なる表面特性を有すると共に同軸上に配列される複数のリング部材を備え、
当該リング部材の外周面によって前記材料に対して加工を行う加工面が形成され、
前記リング部材同士が当接されて前記加工面が面一とされ、
前記リング部材の他のリング部材との当接面積が、前記リング部材の軸方向からの投影面積よりも小さい
ことを特徴とする試験用ローラ。 - ローラの材料に対する表面特性を試験するための試験用ローラと、該試験用ローラに前記材料を供給する供給手段と、前記試験用ローラにて加工された前記材料を回収する回収手段とを備える試験装置であって、
前記試験用ローラとして、請求項1記載の試験用ローラを備えることを特徴とする試験装置。 - 加工された前記材料を前記試験用ローラ上において前記リング部材に合わせて切断する切断手段を備えることを特徴とする請求項2記載の試験装置。
- 前記リング部材の温度調整を行う温調手段を備えることを特徴とする請求項2または3記載の試験装置。
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