JP5308317B2 - 波力発電装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、ブイ内の海水の注入・注出によって質量が変わる振動子と、ばねとを組み合わせて、振動子の固有周期を波浪の揺動周期に近づけて発電することが開示されている。
また、特許文献2に記載の発明は、海水の注入・注出を利用するため波浪の揺動周期が小さい場合には、発電量が小さくなるという問題があった。
すなわち、本発明にかかる波力発電装置によれば、波面に浮かべられる浮体内に設けられ、負荷される振動によって発電する振動受部と、該振動受部の上方から質量を負荷する質量体と、該質量体を直列に支持する複数の弾性部材と、複数の該弾性部材の運動をそれぞれ拘束・解除する複数のロック機構と、を備えることを特徴とする。
また、油圧シリンダに設けるオンオフ弁を制御して、直列に接続されている複数の弾性部材の弾性係数を変えることとした。そのため、直列に接続される複数の弾性部材の弾性係数を制御する装置を別途設置する必要がない。したがって、波力発電装置の小型化、簡素化を図ることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図4を用いて説明する。
図1には、波力発電装置1の概略図が示されている。
波力発電装置1は、浮体2の内部に設けられている。
浮体2は、鉛直方向の下方に向かってテーパー状に先細りとなる縦断面が台形状とされた筒である。浮体2は、海水(波面)50に浮くことができる浮力を有する。なお、同図の符号50aは水位を示す。浮体2は、その内部が床面2aによって鉛直上下方向に2分割されている。床面2aよりも下部側の浮体2内には、発電機構(図示せず)が設けられている。床面2aよりも上部側の浮体2内には、発電用シリンダ(振動受部)31と、錘体4と、錘体4を支持している複数のばね(弾性部材)5および複数の油圧シリンダ(ロック機構)6と、複数のばね5および複数の油圧シリンダ6を支持しているフレーム(支持部材)7とが設けられている。本実施形態では、これら発電用シリンダ31等は、床面2aを平面視した場合の中央部に1組設けられている。
床面2aには、フレーム7の一部を構成する鉛直方向に延在する4本のフレーム7の脚部10a,10b,10c,10dが接続されている。脚部10a,10b,10c,10dは、フレーム7の一部である複数の大きさの直方体を形成する枠10,11,12を下方から支持している。複数の枠10,11,12は、錘体4、錘体4を支持しているばね5及びばね5に平行に設けられている油圧シリンダ6を支持している。
また、床面2aには、鉛直方向の下方から錘体4を支持している発電用シリンダ31が設けられている。
ばね5は、複数(例えば12箇所)設けられている。各ばね5は、同一のばね定数とされている。
フレーム7は、床面2aに接続されている4本の脚部10a,10b,10c,10dと、複数(例えば3種類)の大きさの直方体を形成する枠10,11,12とを有している。
第2段フレーム11は、第1段フレーム10よりも大きさが小さいものとされている。
第3段フレーム12は、第2段フレーム11よりも大きさが小さいものとされている。
第3段上面側支持板16a,16b,16c,16dおよび第3段下面側支持板は、ばね5および油圧シリンダ6を支持することができる大きさとされている。
ここで、第2段用油圧シリンダ22aは、第2段用油圧シリンダ22aの内周を摺動するピストン部(図示せず)の端面が第3段下面側支持板16eの上面に接するように設けられている。
ここで、第2段下面側支持板15eに接続されている第1段用ばね油圧シリンダ23aは、第1段用ばね油圧シリンダ23aの内周を摺動するピストン部(図示せず)の端面が第2段下面側支持板15eの上面に接するように設けられている。
これらにより、錘体4は、複数のばね17a,21a,23aおよび複数の油圧シリンダ18a,22a,24aを直列に接続しているフレーム11a,12a,14a,15a,15e,16a,16eを介して支持されていることになる。
また、浮体2(図1参照)には、波50が作用している。そのため、浮体2には、波50によって鉛直上下方向に揺動が生じている。
また、油圧モータ34を駆動した油は、油圧モータ34に接続されている配管43へと導出される。配管43に導出された油は、貯油タンク36へと導かれる。貯油タンク36内に貯蔵されている油は、上述した配管40によって発電用シリンダ31へと導かれる。
図4には、錘体のばね定数を制御して、錘体の振動によって発電用シリンダに負荷される固有周期を浮体に作用する波浪周期に近づけるフローチャートが示されている。
ステップS1によって求められた波浪周期と、錘体4の固有周期とが近似するように、第1段用油圧シリンダから第3段用油圧シリンダ18a,22a,24aに設けられている各オンオフ弁のオンオフ状態を決定する(ステップS2)。
また、錘体4を下方から支持している発電用シリンダ31の減衰量である最適負荷を決定する(ステップS2)。
また、発電用シリンダ31は、所望の減衰量になるように制御される(ステップS3)。
以上のように、ステップS1からステップS3を10分間に1回繰り返して、錘体4の固有周期を波浪周期に近似させる。
各ばね17a,21a,23aが直列に接続されており、各ばね17a,21a,23aには、各油圧シリンダ18a,22a,24aが平行に設けられている。そのため、錘体4を振動させるばね定数Kは、各油圧シリンダ18a,22a,24aに設けられている各オンオフ弁をオンオフ制御することによって変えることができる。
各油圧シリンダ18a,22a,24a内に設けられている回路には、油が各々循環する。そのため、各油圧シリンダ18a,22a,24aは、各ばね17a,21a,23aの鉛直上下方向の動きを拘束しない。
K=k/3 (1)
T=2π(3m/k)1/2≒1.73×2π(m/k)1/2 (2)
第1段用油圧シリンダ24aに設けられているオンオフ弁がオフ状態のため、第1段用油圧シリンダ24a内に設けられている回路には、油が循環しない。第1段用油圧シリンダ24a内に油が循環しないため、第1段用油圧シリンダ24aは、第1段用ばね23aの鉛直上下方向の動きを拘束する。第1段用ばね23aの動きが拘束されるため、第1段用油圧シリンダ24aおよび第1段用ばね23aに接続されている第1段支持板14aと第2段下面側支持板15eとの間の動きが拘束される。
K=k/2 (3)
T=2π(2m/k)1/2≒1.41×2π(m/k)1/2 (4)
また、第3段用油圧シリンダ18aに設けられているオンオフ弁をオフ状態にし、第2段用油圧シリンダ22aおよび第1段用油圧シリンダ24aに設けられている各オンオフ弁をオン状態にした場合であっても同様である。
第3段用油圧シリンダ18aおよび第2段用油圧シリンダ22aに設けられている各オンオフ弁がオフ状態のため、第3段用油圧シリンダ18a内および第2段用油圧シリンダ22a内に設けられている回路には、油が各々循環しない。第3段用油圧シリンダ18a内および第2段用油圧シリンダ22a内に油が循環しないため、第2段用油圧シリンダ22aは、第2段用ばね21aの鉛直上下方向の動きを拘束する。また、第3段用油圧シリンダ18aは、第3段用ばね17aの鉛直上下方向の動きを拘束する。
K=k (5)
T=2π(m/k)1/2 (6)
第1段用油圧シリンダから第3段用油圧シリンダ24a,22a,18aに設けられている各オンオフ弁がオフ状態のため、第1段用油圧シリンダから第3段用油圧シリンダ24a,22a,18a内に設けられている回路には、油が各々循環しない。第1段用油圧シリンダから第3段用油圧シリンダ24a,22a,18a内に油が各々循環しないため、第1段用油圧シリンダから第3段用油圧シリンダ24a,22a,18aは、第1段用ばねから第3段用ばね23a,21a,17aの鉛直上下方向の動きを拘束する。
複数のばね(弾性部材)5を直列に接続して錘体(質量体)4を支持し、各油圧シリンダ(ロック機構)6を制御することによって各ばね4の運動を変化させることとした。そのため、各油圧シリンダ6に設けられている各オンオフ弁(ロック機構)を制御することによって、発電用シリンダ(振動受部)31に負荷される錘体4の固有周期(周期)を制御することとした。したがって、浮体2に作用する多様な波浪周期(周期の波)に対して発電用シリンダ31に負荷される錘体4の固有周期を合わせることによって、効率的に発電することができる。
T=2π{(m+mf2+mf3)/k}1/2 (7)
T=2π(m/k)1/2 (8)
T=2π{(m+mf3)/k}1/2 (9)
以下、本発明の第2実施形態について図5を用いて説明する。
本実施形態の波力発電装置は、浮体内に複数設けられている点で第1実施形態と相違し、その他は同様である。したがって、同一の構成、オンオフ制御方法および発電方法については、その説明を省略する。
図5には、図1に示した波力発電装置が複数設けられている浮体内の概略図が示されている。
複数の波力発電装置1が均等な間隔をもって浮体2の内周に沿って配置されているので、浮体2に作用する波によって浮体2にピッチングやローリング等の横揺れが生じた場合には、複数の波力発電装置1によって各錘体4の固有周期を波浪周期に合わせることができる。
複数の波力発電装置1を浮体2内に設けることとした。これにより、浮体2が波50の作用によって鉛直方向に対して上下動する場合だけではなくローリングやピッチングによって横揺れする場合であっても、各波力発電装置1の発電用シリンダ(振動受部)31に負荷される各錘体4の固有周期(周期)を波浪周期(波の周期)に合わせることができる。そのため、複数の波力発電装置1によって、波50によって浮体2が上下動および横揺れする場合における発電を行うことができる。したがって、より効率的に発電することができる。
以下、本発明の第3実施形態について図6を用いて説明する。
本実施形態の波力発電装置は、支持部材が水平用弾性部材によって浮体内の側壁に接続されている点で第1実施形態と相違し、その他は同様である。したがって、同一の構成、制御方法および発電方法については、その説明を省略する。
図6には、支持部材が浮体内の側壁に水平用弾性部材によって接続されている波力発電装置の縦断面概略構成図が示されている。
波力発電装置1は、浮体内の側壁2bに接続されている水平用ばね(水平用弾性部材)25によって水平方向に振動可能とされる。また、波力発電装置1の水平方向の振動は、水平用の発電用シリンダ(水平用振動受部)37に負荷される。そのため、波の作用によって浮体が水平方向に動揺した場合であっても、波力発電装置1は、水平方向の振動から発電を行うことができる。したがって、より効率的に発電することができる。
2 浮体
4 質量体(錘体)
5 弾性部材(ばね)
6 ロック機構(油圧シリンダ)
31 振動受部(発電用シリンダ)
50 波面(海水)
Claims (5)
- 波面に浮かべられる浮体内に設けられ、負荷される振動によって発電する振動受部と、
該振動受部の上方から質量を負荷する質量体と、
該質量体を直列に支持する複数の弾性部材と、
複数の該弾性部材の運動をそれぞれ拘束・解除する複数のロック機構と、を備える波力発電装置。 - 複数の前記弾性部材それぞれは、支持部材を介して接続される請求項1に記載の波力発電装置。
- 前記ロック機構は、前記弾性部材に対して平行に設けられる油圧シリンダと、該油圧シリンダ内に設けられる回路内の油の循環をオンオフするオンオフ弁とを備える請求項1または請求項2に記載の波力発電装置。
- 前記浮体内の側壁に接続される水平用弾性部材と、該水平用弾性部材により負荷される振動によって発電する水平用振動受部とを備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の波力発電装置。
- 前記浮体内に複数設けられる請求項1から請求項4のいずれかに記載の波力発電装置。
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