JP5307690B2 - レンズホルダー - Google Patents

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Description

本発明は、複数のレンズを支持するためのレンズホルダーに関するものである。
特許文献1には、不使用時にコンパクトに収納することを目的とした沈胴式のレンズ鏡胴およびこれを用いた撮像装置が開示されている。レンズ鏡胴は、固定筒と、固定筒に対し回転可能に配置されている第1回転筒と、第1回転筒の内周側に配置され光軸方向には第1回転筒と一体的に移動する円筒形状の直進キーと、直進キーの内周側に配置されている第2回転筒とを備えている。
特許文献2には、画像投射装置(プロジェクタ)等に用いられるレンズ鏡筒(ズームレンズ鏡筒)が開示されている。このレンズ鏡筒は、カムに設けたカム溝又はカム面、及び固定筒に設けた直進案内手段に沿って、光軸方向に移動する複数のレンズ群を有している。
特開2009−69290号公報(段落番号0001、0019) 特開2009−122339号公報(段落番号0001、0009)
撮像装置や投影装置などの分野では、装置全体のさらなる薄型化が進んでいる。このため、レンズホルダーは、収納時(不使用時)に、レンズホルダーのベースとなるボディーであって、より薄いボディーに収納できるものが求められている。
本発明の一態様は、第1のレンズ群と第2のレンズ群とを少なくとも支持し、第1のレンズ群と第2のレンズ群との光軸方向の距離を変えて変倍(ズーム)するレンズホルダーである。このレンズホルダーは、第1のレンズ群を支持する第1のレンズ枠と、第2のレンズ群を支持する第2のレンズ枠と、第1ないし第3のカム筒とを有する。第1のカム筒は、第1のレンズ枠を支持し、第2のレンズ枠を受け入れて支持可能であって、第1のレンズ群と第2のレンズ群との距離を変えられるものである。また、第1のカム筒は、第2のレンズ枠の光軸に沿った位置を変えられる第2のカム溝を含んでいる。第2のカム筒は、このレンズホルダーを支持するベースと第1のカム筒との距離を変えられる第3のカム溝を含んでいる。第3のカム筒は、上記ベースと第2のカム筒との距離を変えられる第4のカム溝を含んでいる。
そして、このレンズホルダーの変倍の範囲(ズームの範囲)は、第1の変倍範囲(第1のズーム範囲)と、第2の変倍範囲(第2のズーム範囲)とを含む。第1の変倍範囲では、第1のレンズ枠および第2のレンズ枠が第1のカム筒により支持され、第2のレンズ枠は第1のカム筒の第2のカム溝により光軸に沿って前後し、第1のレンズ群と第2のレンズ群との光軸方向の距離が変えられる。一方、第2の変倍範囲では、第1のレンズ枠は第1のカム筒により支持され、第2のレンズ枠は第2のカム筒により支持された状態で第3のカム筒の第4のカム溝により光軸に沿って前後し、第1のレンズ群と第2のレンズ群との光軸方向の距離が変えられる。
このレンズホルダーによれば、第1の変倍範囲では、第2のレンズ枠は第1のカム筒の第2のカム溝により動き、第2の変倍範囲では、第2のレンズ枠は第2のカム筒に支持され、第3のカム筒の第4のカム溝により動く。したがって、レンズホルダーを変倍動作させて第2の変倍範囲から第1の変倍範囲に移行するとき、また逆に移行するときは、変倍範囲の境界で、第2のレンズ枠は、第2のカム筒に支持される状態と第1のカム筒に支持される状態との間で乗り換え(乗り移り)が発生する。
また、第1の変倍範囲では、変倍に利用される第1のレンズ群と第2のレンズ群との距離調整範囲は、第1のカム筒の範囲内であり第1のレンズ群と第2のレンズ群とを近接した状態で距離調整できる。一方、第2の変倍範囲では、変倍に利用される第1のレンズ群と第2のレンズ群との距離調整範囲は、第1のカム筒と、第2のカム筒と、第3のカム筒とになる。すなわち、第1のレンズ枠は第1のカム筒に支持され、第1のカム筒の位置は第2のカム筒の第3のカム溝で調整され、第2のカム筒に支持された第2のレンズ枠の位置は第3のカム筒の第4のカム溝で調整される。したがって、第2の変倍範囲では、第1のレンズ群と第2のレンズ群とを離れた状態で距離制御できる。このため、このレンズホルダーにより、第1の変倍範囲と第2の変倍範囲とを含む範囲を変倍できるレンズシステムであって、第1のレンズ群と第2のレンズ群との距離調整範囲が広いレンズシステムを提供できる。
レンズホルダーは、収納状態では、第1のカム筒は第2のカム筒内に収まり、第2のカム筒は第3のカム筒内に収まることが望ましい。このレンズホルダーによれば、収納時(不使用時)のレンズホルダーの長さを、第1、第2および第3のカム筒のいずれかの最長程度に収めることができる。したがって、レンズホルダーの変倍可能な範囲を多段のカム筒の1つのカム筒ではなく、複数のカム筒に拡張できる。このため、レンズホルダーを大型化させることなく、第1のレンズ群と第2のレンズ群との距離調整範囲を広げることができる。すなわち、第1のレンズ枠と第2のレンズ枠との光軸方向の距離をより広い範囲内において可変させることができる。
このため、このレンズホルダーを用いたレンズシステムによれば、同じズーム倍率であれば、より薄いベース、たとえば、装置のボディー(ハウジング、筐体)に収納することができる。あるいは、収納するベースのサイズを変更することなく、レンズ移動量をより大きく確保し、ズーム倍率を上げることができる。したがって、コンパクトでズーム倍率の大きなカメラ、プロジェクタなどの装置を提供できる。
このレンズホルダーの一態様において、第2のレンズ枠は、第2のカム溝に入る第2のカムピンを含み、第1のカム筒は、第3のカム溝に入る第3のカムピンを含む、光軸の周りに回転する回転カム筒である。このレンズホルダーは、第4のカム溝に入る第4のカムピンを含む回転筒をさらに有し、第2のカム筒は光軸方向に沿って前後する直進カム筒であり、回転筒とともに光軸に沿って前後することが好ましい。そして、第1のカム筒の第2のカム溝は、第2のカム筒とともに移動する第2のレンズ枠の第2のカムピンが入るように、光軸に沿って第2のカム筒の方向に開いた部分を含むことが好ましい。
このレンズホルダーにおいて、第1のカム筒は回転カム筒であり、第2のレンズ枠は第1のカム筒に支持された状態では、回転カム筒である第1のカム筒内を直進する。第2のカム筒は直進カム筒であり、第2のカム筒に支持された第2のレンズ枠は直進する。したがって、第2のレンズ枠は、第1の変倍範囲および第2の変倍範囲において光軸に沿って直進し、第2のレンズ枠は、第1のカム筒に支持される状態と第2のカム筒に支持される状態との間で乗り換えが容易である。
さらに、このレンズホルダーによれば、第1のカム筒(回転カム筒)の第2のカム溝は、光軸に沿って第2のカム筒の方向に開いた部分を含んでいる。したがって、第2のレンズ枠が第2のカム筒から第1のカム筒へ乗り換わる際、第1のカム筒が回転することにより、第2のカムピンを、第2のカム溝の開いた部分ですくい上げ、第2のレンズ枠を第2のカム筒から第1のカム筒へ移動できる。第2のレンズ枠が第1のカム筒から第2のカム筒へ乗り換わる際、第1のカム筒は上記と逆方向に回転することにより、第2のカムピンを、第2のカム溝の開いた部分で放出でき、第2のレンズ枠を第1のカム筒から第2のカム筒へ移動できる。
このレンズホルダーにおいては、第2のレンズ枠を第2のカム筒の方向に付勢する手段をさらに有し、第2のカム筒は、付勢する手段により付勢された第2のレンズ枠を受ける部分を含むことが好ましい。第2の変倍範囲において、第2のレンズ枠は第2のカム筒の方向に付勢されるため、第2のレンズ枠は第2のカム筒と一体で移動でき、第2の変倍範囲における第2のレンズ枠の位置精度を向上できる。
このレンズホルダーは、第2のレンズ枠を第2のカム筒の受ける部分の所定の位置に接触させるように光軸方向に延びたガイド機構をさらに有することが好ましい。第2のカム筒の所定の位置に第2のレンズ枠をより確実に接触させることができる。これに加え、第2のレンズ枠の前後方向の動きをガイド機構によりガイドすることができる。典型的には、第2のカム筒と第1のカム筒との間の乗り換えの際にも、第2のレンズ枠はガイド機構によりガイドされて所定の位置に誘導される。このため、乗り換えの際、第2のレンズ枠の第2のカムピンを第1のカム筒の第2のカム溝にいっそう確実に導入できる。
さらに、このレンズホルダーは、第1のレンズ群と第2のレンズ群との光軸方向の移動が停止する(自動的に停止する)複数のズームポジションを有し、第1の変倍範囲と第2の変倍範囲との境界は、隣接するズームポジションの間であることが好ましい。第2のレンズ枠が第1のカム筒と第2のカム筒との間を乗り換えている状態では第2のレンズ枠の動きを止めずに、乗り換えを確実に行わせることができる。
また、このレンズホルダーにおいて、第3のカム溝および第4のカム溝の第1の変倍範囲と第2の変倍範囲の境界は、光軸と垂直に形成されていることが好ましい。第2のレンズ枠が第1のカム筒と第2のカム筒との間を移動する際に、第2のカム筒および第3のカム筒は光軸に沿って前後に移動しないので、第2のレンズ枠の第1のカム筒と第2のカム筒との間の乗り換えを、より確実に行える。
このレンズホルダーにおいて、第1のレンズ枠は、第1のカム筒に固定されていてもよいが、第1のレンズ枠は、第1のカム筒により移動可能に支持されていることがさらに好ましい。すなわち、このレンズホルダーにおいては、例えば、第1のカム筒は、第1のレンズ枠を光軸に沿って動かす第1のカム溝を含むことが好ましく、第1のレンズ枠は、第1のカム溝に入る第1のカムピンを含むことが好ましい。第1のカム筒により、第1のレンズ枠も動かし、第1のレンズ群と第2のレンズ群との距離調整範囲をさらに広げることができる。
第1のカム溝の第1の変倍範囲と第2の変倍範囲の境界は、光軸と垂直あるいは垂直に近い状態に形成されていることが好ましい。第1のカム筒と第2のカム筒との間を第2のレンズ枠が乗り換える際、第1のレンズ枠の光軸方向の動きを制限し、第1のカム筒と第2のカム筒との間を第2のレンズ枠が乗り換える際の第1のカム筒の負荷を低減できる。
本発明の他の態様は、上記レンズホルダーと、第1のレンズ枠に支持された第1のレンズ群と、第2のレンズ枠に支持された第2のレンズ群とを有するズームレンズシステムである。このズームレンズシステムによれば、薄いベース(ボディー)であっても良好に収納できる。このようなズームレンズシステムは、例えば、撮像装置や投影装置などに好適に用いることができる。
すなわち、本発明のさらに他の態様は、上記ズームレンズシステムと、ベースと、ベースに収納された撮像ユニットであって、ズームレンズシステムにより結像された像を取得する撮像ユニットとを有する撮像装置である。薄型および/または小型の撮像装置を得ることができる。
また、本発明のさらに他の態様は、上記ズームレンズシステムと、ベースと、ベースに収納された画像形成ユニットであって、ズームレンズシステムにより投影される画像を形成する画像形成ユニットとを有する投影装置である。薄型および/または小型の投影装置を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかるズームレンズシステムを含む撮像装置の一例の概略構成を示す図であり、図1(a)はレンズが繰り出された状態、図1(b)はレンズが収納された状態を示す。 ワイドポジションの状態にあるズームレンズシステムを示す断面図。 収納状態のズームレンズシステムを示す断面図。 ズームレンズシステムの概略構成を展開して示す展開斜視図。 第1のカム筒(回転カム筒)の内面を示す図。 第2のカム筒(第1の直進カム筒)の内面を示す図。 第3のカム筒(第2の直進カム筒)の内面を示す図。 第2のズームポジションの状態にあるズームレンズシステムを示す断面図。 第2のズームポジションと第3のズームポジションとの間(ポジション2.5)の状態にあるズームレンズシステムを示す断面図。 第3のズームポジションの状態にあるズームレンズシステムを示す断面図。 テレポジションの状態にあるズームレンズシステムを示す断面図。 第2のレンズ枠、第2のレンズ群、第1の直進カム筒、および中間筒が組み付けられた状態を示す斜視図。 投影装置の一例の概略構成を示す図。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1(a)および(b)は、本発明に係るズームレンズシステムを備える撮像装置の一例の概略構成を示している。撮像装置の一例は、カメラである。図1(a)に示すように、本例の撮像装置(カメラ)130は、ハウジング131と、ズームレンズシステム1を含む撮像モジュール4と、当該装置130を制御する制御ユニット132と、ズームレンズシステム1を駆動させるためのモーター133とを有している。ハウジング131としては、例えば、箱形などの全体的に薄く平たい形状のものが採用されている。撮像モジュール4は繰り出される多段の筒からなるレンズホルダー2を含む。撮像モジュール4のズームレンズシステム1は、レンズホルダー2により支持される第1のレンズ群101と、第2のレンズ群102と、第3のレンズ群103とを含み、レンズホルダー2の繰り出しと、その後の伸び縮みする量がモーター133により制御される。
レンズホルダー2は、折り畳まれると、図1(b)に示すように、折り畳まれてズームレンズシステム1がハウジング131に収納されたパークの状態になる。一方、図1(a)に示すように、レンズホルダー2が繰り出されると、ズームレンズシステム1がハウジング131の前方に突き出され撮像できる状態になる。さらに、レンズホルダー2は、第1から第3のレンズ群101〜103の光軸に沿った位置(距離)を変えて広角(ワイド)と望遠(テレ)の範囲のズーミングを可能とする。
図2に、撮像モジュール4の概略構成を断面図で示している。図2は、パーク状態からレンズホルダー2が繰り出された直後に停止するワイドポジション(ズームレンズシステム1がワイド(広角端)にセットされた状態)を示している。また、図3に、撮像モジュールのパーク状態を示している。撮像モジュール4は、ベースとなる固定筒90を含み、パーク状態では、この固定筒90に全ての要素を収納できるようになっている。
撮像モジュール4は、固定筒90から繰り出されるように構成されたレンズホルダー2と、レンズホルダー2に支持された第1のレンズ群101と、第2のレンズ群102と、第3のレンズ群103とを含む。レンズホルダー2と、レンズ群101〜103とにより、ズームレンズシステム1が構成され、ズームレンズシステム1の光軸Lに沿った後方に撮像ユニット5が配置されている。撮像ユニット5は、ズームレンズシステム1により結像された像を取得するユニットであり、典型的なものは、CCDまたはCMOSなどの半導体撮像素子である。ズームレンズシステム1により撮像ユニット5に結像された画像は、デジタルデータとしてハウジング131内に設けられたメモリ(不図示)に格納される。
撮像装置130は、ハウジング131の背面に、ズームレンズシステム1により撮像ユニット5に結像された画像を表示する表示装置134を有する。表示装置134としては、例えば、液晶表示装置を用いることができる。この撮像装置130は、ハウジング131にズームレンズシステム1を収納できるので、持ち運びのサイズはコンパクトである。その一方、撮像する際は、多段のレンズホルダー2を伸ばすことができるので、ズームレシオ(変倍、変倍範囲)の大きな(広い)撮像装置130を提供できる。
図4に、ズームレンズシステム1の構成を分解斜視図により示している。図2に示すようにこのズームレンズシステム1は、レンズホルダー2と、レンズホルダー2を支持する円筒状のベース90と、レンズホルダー2の第1のレンズ枠70に支持された第1のレンズ群101と、レンズホルダー2の第2のレンズ枠80に支持された第2のレンズ群102と、ベース90に支持された第3のレンズ枠99に支持された第3のレンズ群103とを含んでいる。以下、ベース90を固定筒と称する。
このレンズホルダー2は、固定筒90に収納される多数の筒が重ねあわされ、伸び縮みする多段構造であり、第1のカム筒10と、第2のカム筒20と、第3のカム筒30と、第1のカム筒10とともに一体で移動する第1の筒体40と、第2のカム筒20とともに一体で移動する第2の筒体50と、第3のカム筒30とともに一体で移動する第3の筒体60とを有する。さらに、レンズホルダー2は、第1のレンズ群101と、第2のレンズ群102と、第3のレンズ群103とを、それぞれのレンズ枠70、80および99を介して支持し、上記のカム筒10〜30により、上記のレンズ群101〜103の光軸Lの方向の位置を変え、レンズ群101〜103の相互の距離を可変させることができる。
第1のカム筒10は、第1のレンズ群101を保持する第1のレンズ枠70を支持するとともに、第2のレンズ群102を保持する第2のレンズ枠80を受け入れて支持可能なカム筒である。したがって、第1のレンズ群101と第2のレンズ群102との距離を可変させるカム筒である。本例では、第1のカム筒10として、光軸Lの周りに回転する回転カム筒を採用している。第1のカム筒10の内部には光軸Lの方向に沿って直進(前後)する直進筒が第1の筒体40として収納されており、第1のレンズ枠70および第2のレンズ枠80は第1の筒体40により第1のカム筒10の内部を直進する。以下、第1のカム筒10を回転カム筒、第1の筒体40を直進筒と称する。
図5に回転カム筒10の内部に設けられたカム溝を周方向に展開して示している。回転カム筒10は、その内壁面に、第1のレンズ枠70を光軸Lに沿って前後に移動させる3本の第1のカム溝11と、第2のレンズ枠80を光軸Lに沿って前後に移動させる3本の第2のカム溝12とを含んでいる。3本の第1のカム溝11は、それぞれ同じ形状であり、120°ずつピッチをずらして形成されている。同様に、3本の第2のカム溝12も、それぞれ同じ形状であり、120°ずつピッチをずらして形成されている。以降で説明するカム溝およびカムピンは、特に記載しないかぎり基本的に光軸Lの周りに3回対称な位置に形成されている。それぞれの筒および枠の位置を光軸Lの周りの3か所で支持することにより、光軸Lに直交する面の傾きが変化せず、それらに支持されるレンズ群および各レンズの面の傾きおよび位置を高い精度で保持できるようになっている。
第1のレンズ枠70は、リングあるいは筒状の部材であり、内部に複数のレンズからなる第1のレンズ群101が取り付けられ、周囲には径方向に突き出たカムピンであって、3本の第1のカム溝11にそれぞれ入る3つの第1のカムピン71が設けられている。第2のレンズ枠80は、リングあるいは筒状の部材であり、内部に複数のレンズからなる第2のレンズ群102と、パーク状態で第2のレンズ群102を退避位置に跳ね上げるための機構とを含む。さらに、第2のレンズ枠80の周囲には径方向に突き出たカムピンであって、3本の第2のカム溝12にそれぞれ入る3つの第2のカムピン81が設けられている。これらのカムピン71および81も3回対称な位置に配置されている。
回転カム筒10の外側に配置されている第2のカム筒20は、光軸Lの方向に沿って前後する直進カム筒である。第2のカム筒20は、後述する第3のカム筒30の内部で回転する第2の筒体50である回転筒(第1の回転筒、第1の回動筒)に収容され、第2の筒体50とともに光軸Lの方向に沿って前後する。以下、第2のカム筒20を第1の直進カム筒、第2の筒体50を中間筒と称する。
図6に第1の直進カム筒20の内部に設けられたカム溝を周方向に展開して示している。第1の直進カム筒20は、回転カム筒10を光軸Lの方向に(光軸Lに沿って)前後に動かすための3本の第3のカム溝21を含んでいる。3本の第3のカム溝21は、それぞれ同じ形状であり、3回対称な位置、すなわち、120°ずつピッチがずれるように形成されている。これらの第3のカム溝21は、それぞれ、第1の直進カム筒20を貫通するように設けられている。
一方、上述した回転カム筒10の周壁の後端側(繰り出されるときの固定筒90の側)には径方向に突き出たカムピンであって、3本の第3のカム溝21にそれぞれ入る3つの第3のカムピン13が3回対称な位置に設けられている。したがって、回転カム筒10が第1の直進カム筒20の内部で回転することにより、回転カム筒10と第1の直進カム筒20との光軸Lに沿った相対的位置が変化する。このため、第1の直進カム筒20は、以下で示す第2の直進カム筒30とともに、レンズホルダー2を支持する固定筒90と回転カム筒10との距離を可変させる機能を含む。
第1の直進カム筒20の外側に配置されている第3のカム筒30は、光軸Lの方向に沿って前後する直進カム筒である。第3のカム筒30は、固定筒90の内部で回転する第3の筒体60である回転筒(第2の回転筒、第2の回動筒)に収容され、第3の筒体60とともに光軸Lの方向に沿って前後する。以下、第3のカム筒30を第2の直進カム筒、第3の筒体60を回転筒と称する。
図7に第2の直進カム筒30の内部に設けられたカム溝を周方向に展開して示している。第2の直進カム筒30は、第1の直進カム筒20を光軸Lの方向に(光軸Lに沿って)前後に動かすための3本の第4のカム溝31を含んでいる。第4のカム溝31は、それぞれ同じ形状であり、3回対称な位置に形成されている。これらの第4のカム溝31は、それぞれ、第2の直進カム筒30を貫通するように設けられている。
一方、上述した中間筒50の周壁の後端側(繰り出されるときの固定筒90の側)には径方向に突き出たカムピンであって、3本の第4のカム溝31にそれぞれ入る3つの第4のカムピン51が3回対称な位置(120°ずつ離間した位置)に設けられている。したがって、中間筒50が第2の直進カム筒30の内部で回転することにより、中間筒50と第2の直進カム筒30との光軸Lに沿った相対的位置が変化する。このため、第2の直進カム筒30は、第1の直進カム筒20とともに、レンズホルダー2を支持する固定筒90と回転カム筒10との距離を可変させる機能を含む。
このレンズホルダー2は、これらの筒体のアッセンブリーであり、以下のようにして組み込まれ、機能する。なお、レンズホルダー2は、図4の左上の固定筒90の内部に、他の筒体などが収納されるように組み立てられ、固定筒90から左上の方向に向かって組み立てられた筒体が繰り出される。まず、最も外側の固定筒90の内壁面には、光軸Lの方向に直線的に延びる複数の溝91(図4においては1つのみ図示)と、らせん状のヘリコイド溝92と、ヘリコイド溝92に繋がった周溝93が形成されている。回転筒60の周壁の固定筒90の側(繰り出されるときの固定筒90の側)に爪62が径方向に突き出ており、さらに、回転筒60の周壁に光軸Lに沿ってスリット状の溝61が設けられている。そして、固定筒90がベースとしてカメラ130のハウジング131に固定され、回転筒60がモーター133により回転駆動される。
回転筒60が回転すると、回転筒60がヘリコイド溝92および爪62により固定筒90の左側に繰り出される。回転筒60とともに第2の直進カム筒30が左側に繰り出される。第2の直進カム筒30の固定筒90の側には、回転筒60から径方向に突き出して固定筒90の溝91に入るように突起32が形成されている。したがって、第2の直進カム筒30は、回転筒60とともに光軸Lに沿って移動するが、光軸Lの周りには回転せずに直進する。
回転筒60に収納される中間筒50の第4のカムピン51は、第2の直進カム筒30の第4のカム溝31を貫通し、回転筒60の溝61に入る。したがって、中間筒50は、回転筒60とともに(同期して)光軸Lの周りに回転する。第2の直進カム筒30は回転せず、中間筒50は回転するので、第2の直進カム筒30と中間筒50および第1の直進カム筒20との相対的位置は第4のカム溝31により制御される。中間筒50の内側には光軸Lに沿って直線的に延びた溝52が設けられ、第2の直進カム筒30の内側にも光軸Lに沿って直線的に延びた溝33が設けられている。
第1の直進カム筒20の固定筒90の側には、中間筒50から径方向に突き出して第2の直進カム筒30の直線溝33に入るように突起22が形成されている。したがって、第1の直進カム筒20は、中間筒50とともに光軸Lに沿って移動するが、光軸Lの周りには回転せずに直進する。
中間筒50に収納される回転カム筒10の第3のカムピン13は、第1の直進カム筒20の第3のカム溝21を貫通し、中間筒50の溝52に入る。したがって、回転カム筒10は、中間筒50とともに(同期して)光軸Lの周りに回転する。第1の直進カム筒20は回転せず、回転カム筒10は回転するので、第1の直進カム筒20と回転カム筒10との相対的位置は第3のカム溝21により制御される。第1の直進カム筒20の内側には光軸Lに沿って直線的に延びた溝23が設けられている。
回転カム筒10に収容される直進筒40の固定筒90の側には、回転カム筒10から径方向に突き出して第1の直進カム筒20の直線溝23に入るように突起41が形成されている。したがって、直進筒40は、回転カム筒10とともに光軸Lに沿って移動するが、光軸Lの周りには回転せずに直進する。直進筒40には、光軸Lの方向に直線的に延びる切欠き42および43が形成されている。第1のレンズ枠70の第1のカムピン71は、直進筒40の切欠き42を貫通し、回転カム筒10の第1のカム溝11に嵌る。したがって、第1のレンズ枠70は直進し、回転カム筒10は回転するので、回転カム筒10の第1のカム溝11により、第1のレンズ枠70と回転カム筒10との光軸Lに沿った相対的位置は制御される。
また、第2のレンズ枠80の第2のカムピン81は、直進筒40の切欠き43を貫通し、回転カム筒10の第2のカム溝12に嵌る。したがって、第2のレンズ枠80は直進し、回転カム筒10は回転するので、回転カム筒10の第2のカム溝12により、第2のレンズ枠80と回転カム筒10との光軸Lに沿った相対的位置は制御できる。また、第2のレンズ枠80は、第1の直進カム筒20に支持される状態と、回転カム筒10に支持される状態とを乗り換える。したがって、直進筒40の切欠き(スロット)43は、第1の直進カム筒20の側が開いており、ズーミング(変倍範囲)の途中で第2のレンズ枠80の第2のカムピン81を受け入れられるようになっている。図5に示すように、第2のカム溝12も同様であり、第1の直進カム筒20の側が開いており、ズーミング(変倍範囲)の途中で第2のレンズ枠80の第2のカムピン81を受け入れられるようになっている。このため、図5に示すように、第1のレンズ枠70と、第2のレンズ枠80との間隔(距離)は、回転カム筒10の範囲を超えて制御できる。
図5において、回転カム筒10の第2のカム溝12を超えた(図面上の下方に一転破線で示される)軌跡19は、第1の直進カム筒20とともに第2のレンズ枠80が移動している状態を示している。この状態では、第2のレンズ枠80の動きは第1の直進カム筒20と同期しており、回転カム筒10の位置は第1の直進カム筒20の第3のカム溝21により制御される。したがって、軌跡19は、第1の直線カム筒20の第3のカム溝21の該当部分を逆転させたものとなる。なお、ワイドポジションPwから収納までの軌跡19は第2のレンズ枠80を退避位置へ跳ね上げる動きを含んでいる。
本例のレンズホルダー2およびこれを備えるズームレンズシステム1は、ズーミング(変倍範囲)の間で、回転筒60の回転を自動的に停止させる複数のズーミングポジションを備えている。すなわち、モーター133は、これらのズーミングポジション以外では次のズーミングポジションに向かって回転筒60を回転し続け、回転を止めない。したがって、光軸Lに沿った第1のレンズ群101、第2のレンズ群102、第3のレンズ群103および撮像ユニット(撮像素子)5を用いて撮像可能なズームポジションは、回転が自動的に停止する複数のズームポジションのみになる。具体的には、ワイド(広角端)ポジションPw、第2のズームポジションP2、第3のズームポジションP3、第4のズームポジションP4、第5のズームポジションP5、テレ(望遠端)ポジションPtにおいて、自動的に回転が停止し、ユーザーはそれらのズームポジションの画像を取得できる。
図5ないし図7においては、各カムピン71、81、13、51が各ズームポジションで停止する位置を示している。ズーミングの途中で第2のレンズ枠80が乗り移る位置は、第2のズームポジションP2および第3のズームポジションP3の間(ポジションP2.5)であり、乗り移り区間を符号Aで示している。
図2は、上述のように、ワイドポジションPwの状態にあるズームレンズシステム1を断面図により示している。図8は、第2のズームポジションP2の状態にあるズームレンズシステム1を断面図により示している。図9は、第2のズームポジションP2と第3のズームポジションP3との間、すなわち、乗り移り区間AのポジションP2.5の状態にあるズームレンズシステム1を断面図により示している。図10は、第3のズームポジションP3の状態にあるズームレンズシステム1を断面図により示している。図11は、テレポジションPtの状態にあるズームレンズシステム1を断面図により示している。
これらの図からわかるように、このレンズホルダー2においては、変倍の範囲(ズームの範囲)は、第2のレンズ枠80が回転カム筒10により移動されるか、第1の直進カム筒20に支持され第2の直進カム筒30により移動されるかにより2つの変倍範囲に分けることができる。図5に示すように、テレポジションPtからワイドポジションPwの変倍範囲(ズーム範囲)Z0は、テレポジションPtから、第5のズームポジションP5、第4のズームポジションP4および第3のズームポジションP3を経て乗り換えポジションP2.5に至る第1の変倍範囲Z1と、乗り換えポジションP2.5から、第2のズームポジションP2を経てワイドポジションPwに至る第2の変倍範囲Z2とに分けることができる。
第1の変倍範囲Z1では、第1のレンズ枠70および第2のレンズ枠80が回転カム筒(第1のカム筒)10により支持され、第2のレンズ枠80は回転カム筒10の第2のカム溝12により光軸Lに沿って前後し、第1のレンズ群101と第2のレンズ群102との光軸Lに沿った距離が変えられる。第2の変倍範囲Z2では、第1のレンズ枠70は回転カム筒10により支持され、第2のレンズ枠80は第1の直進カム筒(第2のカム筒)20により支持された状態で第2の直進カム筒(第3のカム筒)30の第4のカム溝31により光軸Lに沿って前後し、第1のレンズ群101と第2のレンズ群102との光軸Lに沿った距離が変えられる。
すなわち、このレンズホルダー2においては、変倍動作させ、第2の変倍範囲Z2から第1の変倍範囲Z1に移行するとき、また逆に移行するときは、変倍範囲Z1およびZ2の境界領域(乗り移り区間)Aで、第2のレンズ枠80を、第1の直進カム筒20と回転カム筒10との間で乗り換え(乗り移り)させられる。このため、第1の変倍範囲Z1では、第2のレンズ枠80は回転カム筒10の第2のカム溝12により動かすことができ、第2の変倍範囲Z2では、第2のレンズ枠80は第1の直進カム筒20に支持され、第2の直進カム筒30の第4のカム溝31により動かすことができる。したがって、回転カム筒10の光軸Lの方向の長さよりも、第2のレンズ枠80の光軸Lの方向の移動距離を長くできる。逆に言うと、変倍動作に要する第2のレンズ枠80の光軸Lの方向の移動距離に対して、回転カム筒10の光軸Lの方向の長さを短くできる。
さらに、このレンズホルダー2は、第2のレンズ枠80を第1の直進カム筒20の方向に付勢する手段110を有している。付勢する手段110は典型的にはコイルばねである。コイルばね110は、第1のレンズ枠70と第2のレンズ枠80との間に設置でき、定常的に第2のレンズ枠80に対し第1のレンズ枠70から離れる方向に力を加えることができる。また、コイルばね110であれば、第1のレンズ群101および第2のレンズ群102との間の光路を遮らない内径のものを選択できる。さらに、コイルばね110であれば、収納時またはテレポジションPtなどの、第1のレンズ群101および第2のレンズ群102との距離が最小になるポジションにおいて、圧縮長を第1のレンズ枠70および第2のレンズ枠80との最小距離よりも小さくすることができる。
第1の直進カム筒20には、コイルばね110により付勢された第2のレンズ枠80を受ける部分(受け部)24が形成されている。より具体的には、本例では、第1の直進カム筒20の後端(繰り出したときの固定筒90の側)が内側に折れ曲がるように張り出し、張出部(フランジ部)が形成されている。この張出部が受け部24となっている。第2のレンズ枠80は、回転カム筒10から外れると、コイルばね110により第1の直進カム筒20の受け部24に押しつけられ、第1の直進カム筒20の回転カム筒10とは反対側の端で、第1の直進カム筒20と同期して動く。コイルばね110により押しつけられているので、第2のレンズ枠80は第1の直進カム筒20と一体となり、回転カム筒10の第2のカム溝12から離れても光軸Lに沿った位置は精度よく第2の直進カム筒30により制御される。
また、第2のレンズ枠80を第1の直進カム筒20の、回転カム筒10とは反対側(回転カム筒の出入りする側とは反対側、撮像素子5の側)の端で支持することにより、第1のレンズ群101と第2のレンズ群102との距離の制御可能な範囲を最大にできる。すなわち、回転カム筒10を第1の直進カム筒20から最大限繰り出すことにより、第1のレンズ群101と第2のレンズ群102との距離を、回転カム筒10と第1の直進カム筒20とで得られる最大にできる。このため、光軸Lに沿った方向が薄い(長さが短い)回転カム筒10と第1の直進カム筒20とにより変倍に十分な距離を得ることができる。したがって、回転カム筒10が第1の直進カム筒20に収納されるときのサイズを最小にできる。
このレンズホルダー2は、さらに、第2のレンズ枠80を第1の直進カム筒20の受け部24の所定の位置に接触させるように、光軸Lの方向に延びたガイド機構120を有している。典型的なガイド機構120は、ロッド(ピン)とそれを受ける筒との組み合わせである。レールなどの他のガイド機構であってもよい。
図12に示すように、第2のレンズ枠80は、光軸Lの方向に沿って後方(繰り出された後の固定筒90の側)に向かって延びる3本のガイドピン121が3回対称な位置に設けられている。また、第1の直進カム筒20の受け部24には、これらのガイドピン121がそれぞれ貫通する3つの貫通孔122が設けられている。ガイドピン121は、貫通孔122に入りやすいように、後端(後方を向いている先端)が面取りまたはテーパー状になっており、貫通孔122の前方はロート状に広がっている。
したがって、第2のレンズ枠80は、第1の直進カム筒20に支持されるときに光軸Lの周りに回転することはなく、第1の直進カム筒20とともに、光軸Lに沿って直進する。このため、回転カム筒10から第2のレンズ枠80が外れても、回転カム筒10により第2のレンズ枠80が駆動される状態と光学的に同じ状態、すなわち、直進するように第1の直進カム筒20により支持できる。さらに、ガイドピン121と貫通孔122により、第2のレンズ枠80の第2のカムピン81が回転カム筒10の第2のカム溝12に出入りする前後の比較的広い範囲にわたり、第2のレンズ枠80の直進性を担保できる。回転カム筒10と第1の直進カム筒20との間の第2のレンズ枠80の乗り換えをスムースに行うことができ、第2のカムピン81が第2のカム溝12から外れない、あるいは第2のカムピン81が第2のカム溝12に入らないといったトラブルを未然に防止できる。
さらに、図5に示すように、回転カム筒10の第2のカム溝12は、第1の直進カム筒20とともに移動する第2のレンズ枠80の第2のカムピン81が入りやすいように、光軸Lに沿って第1の直進カム筒20の方向(後方)に開いた部分12aを含んでいる。したがって、回転カム筒10と第1の直進カム筒20との間を第2のレンズ枠80が乗り換えるときに、光軸Lの周りに、回転カム筒10と第2のレンズ枠80と間に公差の範囲の位相のずれがあっても、第2のカムピン81が第2のカム溝12から外れない、あるいは第2のカムピン81が第2のカム溝12に入らないといったトラブルを未然に防止できる。
さらに、図6および図7に示すように、第1の直進カム筒20の第3のカム溝21、および第2の直進カム筒30の第4のカム溝31の、第1の変倍範囲Z1と第2の変倍範囲Z2の境界領域(乗り移り区間)Aは、それぞれ、光軸Lと垂直に形成されている。回転カム筒10と第1の直進カム筒20との間を第2のレンズ枠80が乗り換えるポジションP2.5の周囲を回転させているときに、境界領域Aを第3のカムピン13および第4のカムピン51が通過し、境界領域Aは、光軸Lと垂直なので第1の直進カム筒20および第2の直進カム筒30は光軸Lにそって前後方向に移動しない。したがって、乗り換えるポジションP2.5の周囲において第2のレンズ枠80の光軸Lの方向の動きを最小限に止めることができる。このため、第2のレンズ枠80の乗り移りをより安定した状態で行うことができ、モーター133の負荷も低減できる。
さらに、乗り換えポジションP2.5は撮像のために自動停止しない位置なので、乗り換えている途中でレンズホルダー2の回転が停止することはない。このため、第2のレンズ枠80の乗り換えを、レンズホルダー2がズーミングのための一連の動作で淀みなく実行でき、不測の事態が発生することを防止できる。したがって、第2のレンズ枠80の乗り換えをより安定した状態で、高い信頼性で行うことができる。
第2のレンズ枠80が乗り換える状態は以下のようになる。たとえば、ズームをワイドからテレへ行うときは、まず、ワイドポジションPwにおいて、第2のレンズ枠80は、第1の直進カム筒20により支持されている。したがって、ワイドからテレへズームすると、第2のレンズ枠80は、第1の直進カム筒20とともに、第2の直進カム筒30の第4のカム溝31と中間筒50の第4のカムピン51とによって光軸Lに沿って前後する。この間(第2の変倍範囲Z2)における、第2のレンズ枠80の直進性はガイドピン121と貫通孔122とを含むガイド機構120により担保される。また、コイルばね110により第2のレンズ枠80は第1の直進カム筒20に前方(物体側、回転カム筒側)から押しつけられているので、これらは一体となって動く。
ワイドからテレに向かって、第1のレンズ群101と第2のレンズ群102との距離は縮まる傾向になる。したがって、第2のズームポジションP2を通過すると第1のレンズ枠70を支持する回転カム筒10(回転カム筒10の後端)と第2のレンズ枠80との距離は縮まる。図9に示すポジションP2.5で第2のレンズ枠80と回転カム筒10とはほぼ接し、第2のレンズ枠80の第2のカムピン81は、回転カム筒10の第2のカム溝12の開いた部分12aに侵入する。回転カム筒10がさらにテレ方向に向かって回転すると、第2のレンズ枠80の第2のカムピン81は回転カム筒10の第2のカム溝12に入り、第2のレンズ枠80は第1の直進カム筒20から回転カム筒10に乗り移る。
ポジションP2.5から第3〜第5のズームポジションP3〜P5を経てテレポジションPtに至る間(第1の変倍範囲Z1)では、第2のレンズ枠80の第2のカムピン81が回転カム筒10の第2のカム溝12に入り、回転カム筒10により第2のレンズ枠80は、第1のレンズ枠70とともに支持される。ワイドからテレに向かって、第2のレンズ群102と第3のレンズ群103との距離は開く傾向になる。したがって、図11に示すようにテレポジションPtでは、回転カム筒10は第1の直進カム筒20からほぼ最大限繰り出され、第2のレンズ群102と第3のレンズ群103との距離を確保できる。一方、第1のレンズ群101と第2のレンズ群102とは回転カム筒10により支持されるので、それらの距離を最小限まで近くできる。この間(第1の変倍範囲Z1)において、ガイドピン121と貫通孔122とは外れることがあるが、第2のレンズ枠80の直進性は直進筒40により担保される。
第2のレンズ枠80がテレポジションPt側からワイドポジションPw側に移動する際には、これと逆の動作となる。すなわち、第3のズームポジションP3と第2のズームポジションP2との間(図9参照)において、第2のレンズ枠80の第2のカムピン81が回転カム筒10の第2のカム溝12から外れ、第2のレンズ枠80が第1の直進カム筒20に支持される。また、第2のレンズ枠80の第2のカムピン81が回転カム筒10の第2のカム溝12から外れる前に、ガイドピン121が貫通孔122に入り、ガイド機構120により第2のレンズ枠80の直進性が担保される。
以上のように、このレンズホルダー2およびこれを備えるズームレンズシステム1によれば、変倍範囲が上記第1の変倍範囲と上記第2の変倍範囲とを含むように構成している。このため、収納時(不使用時)の長さ方向(光軸Lの方向)の大きさを大型化させることなく、第1のレンズ枠70と第2のレンズ枠80との光軸Lの方向の距離をより広い範囲内において可変させることができる。したがって、このレンズホルダー2およびこれを備えるズームレンズシステム1によれば、より薄い固定筒90に収納できる。あるいは、収納する固定筒90のサイズを変更することなく、レンズ移動量をより大きくし、ズーム倍率を上げることができる。
上記ズームレンズシステム1は、より薄い装置のボディーに収納することが可能である。したがって、撮像装置や投影装置など、中でも小型の装置、ポータブルタイプの装置に好適に用いることができる。
図13は、上記ズームレンズシステム1を備える投影装置の一例の概略構成を示している。本例の投影装置140は、小型(ハンディータイプ)のプロジェクタであり、ハウジング141と、ズームレンズシステム1を含むプロジェクタモジュール142と、プロジェクタ140を制御する制御ユニット143と、ズームレンズシステム1を駆動させるためのモーター144とを有している。
プロジェクタモジュール142は、固定筒90と、固定筒90に収納されるズームレンズシステム1と、固定筒90に収納された画像形成ユニット145とを有している。本例のプロジェクタモジュール142においては、ズームレンズシステム1の光軸Lに沿った後方に画像形成ユニット145が配置されている。画像形成ユニット145は、ズームレンズシステム1により投影される画像を形成するユニットであり、典型的なものはDMDのような反射型またはLCDのような透過型の画像形成ユニット145である。プロジェクタ140には、さらに、光源146を含み、例えば、LED光源を用いることができる。
この投影装置140においては、画像形成ユニット145において形成した画像を、ズームレンズシステム1によりスクリーン147などのプロジェクタ140の前方(光学的な位置関係における前方)に配置された媒体に倍率を変えた画像を形成できる。さらに、この投影装置140によれば、上記ズームレンズシステム1を用いているため、光軸Lの方向の厚さをより薄くすることができる。したがって、持ち運び時のサイズをさらにコンパクトにすることができる。
なお、上記では、ズームレンズシステム1を搭載したカメラ130およびプロジェクタ140を例に挙げているが、このズームレンズシステム1およびこのズームレンズシステム1に含まれるレンズホルダー2は、レンズが沈胴したり、収納時に長さが縮むことが望ましい光学製品(光学装置)全般に対して好適に用いることができる。
また、上記では、第1ないし第3のレンズ群101、102、103を備えた3群構成のズームレンズシステム1を例にとって説明しているが、第1および第2のレンズ群を備える2群構成のズームレンズシステムや、第4のレンズ群あるいはそれ以上の多群構成のズームレンズシステムに対しても、本発明を適用することが可能である。
1 ズームレンズシステム、 2 レンズホルダー
10 回転カム筒(第1のカム筒)、 11 第1のカム溝
12 第2のカム溝、 13 第3のカムピン
20 第1の直進カム筒(第2のカム筒)
21 第3のカム溝、 24 受ける部分
30 第2の直進カム筒(第3のカム筒)、 31 第4のカム溝
50 中間筒(回転筒)、 51 第4のカムピン
70 第1のレンズ枠、 71 第1のカムピン
80 第2のレンズ枠、 81 第2のカムピン
90 固定筒(ベース)、 101 第1のレンズ群、 102 第2のレンズ群
110 コイルばね(付勢する手段)、 120 ガイド機構
130 撮像装置、 140 投影装置

Claims (11)

  1. 第1のレンズ群と第2のレンズ群とを少なくとも支持し、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との光軸方向の距離を変えて変倍するレンズホルダーであって、
    前記第1のレンズ群を支持する第1のレンズ枠と、
    前記第2のレンズ群を支持する第2のレンズ枠と、
    前記第1のレンズ枠を支持し、前記第2のレンズ枠を受け入れて支持可能で、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との距離を変えられる第1のカム筒であって、前記第2のレンズ枠の光軸に沿った位置を変えられる第2のカム溝を含む第1のカム筒と、
    当該レンズホルダーを支持するベースと前記第1のカム筒との距離を変えられる第3のカム溝を含む第2のカム筒と、
    前記ベースと前記第2のカム筒との距離を変えられる第4のカム溝を含む第3のカム筒とを有し、
    前記変倍の範囲は、前記第1のレンズ枠および前記第2のレンズ枠が前記第1のカム筒により支持され、前記第2のレンズ枠は前記第1のカム筒の前記第2のカム溝により前記光軸に沿って前後し、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との前記光軸方向の距離が変えられる第1の変倍範囲と、
    前記第1のレンズ枠は前記第1のカム筒により支持され、前記第2のレンズ枠は前記第2のカム筒により支持された状態で前記第3のカム筒の前記第4のカム溝により前記光軸に沿って前後し、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との前記光軸方向の距離が変えられる第2の変倍範囲とを含む、レンズホルダー。
  2. 請求項1において、当該レンズホルダーの収納状態では、前記第1のカム筒は前記第2のカム筒内に収まり、前記第2のカム筒は前記第3のカム筒内に収まる、レンズホルダー。
  3. 請求項1または2において、前記第2のレンズ枠は、前記第2のカム溝に入る第2のカムピンを含み、
    前記第1のカム筒は、前記第3のカム溝に入る第3のカムピンを含み、前記光軸の周りに回転する回転カム筒であり、
    当該レンズホルダーは、さらに、前記第4のカム溝に入る第4のカムピンを含む回転筒を有し、
    前記第2のカム筒は、前記光軸方向に沿って前後する直進カム筒であり、前記回転筒とともに前記光軸に沿って前後し、
    前記第2のカム溝は、前記第2のカム筒とともに移動する前記第2のレンズ枠の前記第2のカムピンが入るように、前記光軸に沿って前記第2のカム筒の方向に開いた部分を含む、レンズホルダー。
  4. 請求項3において、さらに、前記第2のレンズ枠を前記第2のカム筒の方向に付勢する手段を有し、
    前記第2のカム筒は、前記付勢する手段により付勢された前記第2のレンズ枠を受ける部分を含む、レンズホルダー。
  5. 請求項4において、さらに、前記第2のレンズ枠を前記第2のカム筒の前記受ける部分の所定の位置に接触させるように前記光軸方向に延びたガイド機構を有する、レンズホルダー。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との前記光軸方向の移動が自動的に停止する複数のズームポジションを有し、
    前記第1の変倍範囲と前記第2の変倍範囲との境界は、隣接する前記ズームポジションの間である、レンズホルダー。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記第3のカム溝および前記第4のカム溝の前記第1の変倍範囲と前記第2の変倍範囲の境界は、前記光軸と垂直に形成されている、レンズホルダー。
  8. 請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記第1のカム筒は、前記第1のレンズ枠を前記光軸に沿って動かす第1のカム溝を含み、前記第1のレンズ枠は、前記第1のカム溝に入る第1のカムピンを含む、レンズホルダー。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のレンズホルダーと、
    前記第1のレンズ枠に支持された前記第1のレンズ群と、
    前記第2のレンズ枠に支持された前記第2のレンズ群とを有する、ズームレンズシステム。
  10. 請求項9に記載のズームレンズシステムと、
    前記ベースと、
    前記ベースに収納され、前記ズームレンズシステムにより結像された像を取得する撮像ユニットとを有する、撮像装置。
  11. 請求項9に記載のズームレンズシステムと、
    前記ベースと、
    前記ベースに収納され、前記ズームレンズシステムにより投影される画像を形成する画像形成ユニットとを有する、投影装置。
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