JP5306714B2 - イムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法 - Google Patents

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Description

この発明は、蛍光によりタンパク質等の特定物質の検出を行うイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法に関する。
生体中の抗原物質などの微量物質を検出する手法として、蛍光性の物質を標識試薬として検出したい標的物質に結合させ、未結合の標識試薬を除去した後に残留する標識試薬を蛍光によって検出する手法が提案されている(特許文献1参照)。蛍光標識試薬を用いる利点は蛍光検出装置を用いることで蛍光を高感度かつ定量的に評価できることであり、高感度化、高精度化を達成するために装置の光源や蛍光検出機構には様々な工夫が施される(特許文献2参照)。また、光検出機構を構成する部品が高価であるためその他の部品の価格を低く抑えても装置全体の低コスト化の効果は薄く、低コスト化よりも高性能化を優先させるほうが望ましい。これらの事情により、標識試薬側に求められる要求は逆に低くなる。例えば蛍光検出機構に励起光が入ってくることを防ぐ必要があり、一般的には蛍光試薬の励起波長と蛍光検出波長の差異(ストークス・シフト)が大きいほど励起光のみを選択的に遮断しやすいが、このような装置では高価で性能のよい光フィルタやレーザー励起光源を用いることができるため、蛍光試薬側がストークス・シフトを大きくすることを強く要求されることはない。
特開平5−10950号公報 特開平6−333125号公報
しかし、人の肉眼で蛍光の有無を確認するとなると状況は変わってくる。例えば微量生体物質の検出技術の大きな応用先として医療機関における疾病診療が挙げられ、高額で高性能な装置での検出と合わせて患者自身の目で診断結果を確認させたいという要望がある。人の肉眼では精度の高い定量評価はできないので、そのような用途のための装置には、検出性能の高さよりも利便性やコストの低さ(もしくは大量に導入できること)が要求されることになる。そして廉価な光フィルタやLED励起光源を用いる場合には、ストークス・シフトの大きさが蛍光の取り出し効率に大きく作用する。したがって、ストークス・シフトを大きくするという蛍光試薬への要求が強くなる。
低コストで蛍光強度の高い蛍光材料としてローダミン類などの有機蛍光色素があるが、一般に有機蛍光色素はストークス・シフトが小さい。蛍光波長の異なる色素を混合すると、蛍光波長の短い色素が吸収した光エネルギーが蛍光波長の長い色素に移動するFRET(Fluorescence resonant energy transfer;蛍光共鳴エネルギー遷移)という現象が発生し、あたかもストークス・シフトの大きな色素であるかのように振舞わせることもできるが、液体中に分散させた遊離状態の色素ではその効率が高くないという問題がある。
蛍光検出のための励起光源としては、扱いやすいレーザーもしくは波長自由度の高い白色ランプと回折格子の組み合わせが多く用いられる。これらの光源による励起光には単色性がよいという特徴があり、蛍光検出の際に邪魔となる吸収されなかった励起光を除去しやすいというメリットもある。しかし、どちらも装置が大型で非常に高価であるという問題がある。レーザーダイオード(LD)によるレーザーであれば安価かつコンパクトで扱いやすいが、今のところ可視領域で実用的なものが入手できるのは紫色(405nm)と赤色(650nm)のみである。安価で扱いやすく蛍光強度の強い蛍光材料である有機蛍光色素はちょうどこの間の波長で励起されるものが多く(たとえば525nmで励起されるローダミン−6G色素)、有機蛍光色素からなる蛍光標識の検出に用いるには適さない。近赤外波長で発振するLDとニオブ酸リチウムなどの非線形結晶と組み合わせることで緑色(532nmなど)のレーザーが得られるレーザー光源も実用化されているが、やはり高価である。
これに対して、LEDは極めて安価でコンパクトに収納できる光源である。高輝度とされるものに限定しても得られる種類(波長)が青(〜460nm)、青緑(〜500nm)、緑(〜525nm)、赤(〜650nm)と豊富で、波長的に適合する有機蛍光色素の数も多い。ただし、LEDの光には単色性が悪いという欠点がある。極微量の物質を検出するための蛍光標識から得られる蛍光強度は極めて微弱であり、励起光に蛍光と同じ波長の光がわずかでも含まれているとそれにかき消されてしまって検出できない。そのため励起光を単色化させる光フィルタを装着することが必須となる。また励起光そのものも蛍光検出の障害となるため、検出機構(肉眼での可視化装置の場合にはのぞき窓)側にも励起光をカットするための光フィルタが必須である。
特性のよい光フィルタとしては、回折格子やプリズムとスリットの組み合わせ、あるいはガラスなどの透明な基板に誘電多層膜を形成したものがある。しかしいずれにせよ高価である。特性的にそれらに準ずる光フィルタとして、有機色素を透明な母材に高濃度に含有させて薄板状に整形した色フィルムがある。母材としては、アクリルなどの硬質プラスチックやガラス、セロファンなどの可塑性フィルムがある。その光学特性としては、短波長領域で高い吸収率を持つものや、特定の波長帯域で高い透過特性を示すものなど様々なものが入手可能であるが、概して透過率(もしくは吸収率)の波長に対する変化が緩やかであるという難点がある。ただし、誘電多層膜形成光フィルタなどと比べるとはるかに安価である。
以上の事柄を検討すれば、安価な蛍光可視化装置を作製するには、励起光源をLEDとし、励起光源の前方とのぞき窓にそれぞれ適する光学特性の色フィルムフィルタを装着させればよいことが分かる。ただし色フィルムフィルタには前述のような難点があるため、蛍光観察の邪魔になる励起光ののぞき窓からの漏洩を完全に防ごうとすると蛍光自身も吸収され減衰してしまう。微弱な蛍光の検出を目的とする以上蛍光の減衰はできる限り小さく抑えられるべきで、そのためには励起波長と蛍光波長との差異であるストークス・シフトを大きくしたい。なお、LEDからの励起光に含まれる蛍光とかぶる長波長成分を色フィルムフィルタでカットする場合も同様に望ましい波長の成分を減衰させてしまうが、それはLEDを複数個集積させて励起光強度を強めることで解決できるため、大きな問題とはならない。ちなみにLEDは単価が非常に安く大きさも小さいため、集積させてもコストの増大や装置の大型化を気にする必要はない。
そこで、本発明は、肉眼でも確認可能な蛍光標識試薬を用いて微量の特定物質を検出する方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の手段を提供するものである。
〔1〕特定の抗体と結合する性質を有する標識試薬と、前記抗体を固定する抗体固定部位を有する親水性のメンブレンとを用いたイムノクロマト法による標的物質の検出方法であって、
前記標識試薬と結合された前記標的物質を含有する溶液が親水性のメンブレン中を移動し、該メンブレン内に作製した前記抗体固定部位に前記標識試薬を集積させ、集積した前記標識試薬を蛍光発色により可視化させるに当たり、
前記標識試薬として、蛍光粒子の母体の主成分がシリカである粒子中に、1種または2種以上の有機色素と、該有機色素よりも励起波長の長い有機蛍光色素とを共に含有し、共鳴エネルギー遷移現象によって励起波長と蛍光波長の差異を1種類の前記蛍光色素の場合よりも広げた蛍光粒子を用い
緑色または青緑色の高輝度LEDからの励起光を、励起光の長波長成分をカットする緑色フィルムからなる励起光側の光フィルタを介して前記標的物質に結合した標識試薬を含む試料に照射し、励起光をカットするオレンジ色フィルムからなる蛍光側の光フィルタを介して試料からの蛍光を肉眼で観察することを特徴とするイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
〔2〕前記蛍光粒子としてフルオレセイン色素とローダミン6G色素を共に含有する水分散性のコロイド粒子であって、青緑色の励起光を吸収して緑色の蛍光を放つ蛍光粒子を用いることを特徴とする〔1〕に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
〔3〕前記蛍光粒子として、ローダミン6G色素と、テトラメチルローダミン色素、ローダミンB色素、およびX−ローダミン色素からなる群から選ばれる1種または2種以上の色素とを共に含有する水分散性のコロイド粒子であって、緑色の励起光を吸収して黄色もしくは赤色の蛍光を放つ蛍光粒子を用いることを特徴とする〔1〕に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
〔4〕前記蛍光粒子として、カルボキシローダミン6GとTAMRA色素とを共に含有するシリカコロイドの粒子を用いることを特徴とする〔1〕に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
〔5〕前記蛍光粒子として、カルボキシローダミン6GとBODIPY−FL色素とを共に含有するシリカコロイドの粒子を用いることを特徴とする〔1〕に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
〔6〕アミノ基と反応するNHS基を持つカルボキシ色素と3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)を結合させ、それをシランカップリング剤と混合してシリカコロイドを合成し、シリカコロイド内部に色素を固定したことを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
〕前記蛍光粒子が、抗体、抗原、ペプチド、DNA、RNA、糖鎖、リガンド、受容体、また化学物質で表面修飾された〔1〕〜〔〕のいずれか1項に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
〕赤色LEDを照明光源として用いることを特徴とする〔〕〜〔〕のいずれか1項に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
本発明において、「高輝度LED」とは、光度が8000mcd以上、好ましくは14000mcd以上の発光ダイオードを意味する。
本発明の方法および装置を使って肉眼で蛍光を確認することにより、標的物質の検出に関して陽性または陰性を直観的に理解しやすくなる。
本発明の標的物質の検出方法は、1種または2種以上の有機色素と、該有機色素よりも励起波長の長い有機蛍光色素とを共に含有し、共鳴エネルギー遷移現象によって励起波長と蛍光波長の差異(ストークス・シフト)を1種類の前記蛍光色素の場合よりも広げた蛍光粒子を検出したい標的物質と結合する標識試薬とし、前記標的物質に結合した蛍光粒子を蛍光発色により可視化するものである。
ストークス・シフトを拡張する手法として、波長特性の異なる色素同士のFRETの利用が挙げられる。光を吸収して励起された色素の近傍に励起準位が同じか低い色素が存在している場合、励起状態の共鳴によりエネルギーが色素間を移動する現象である。励起準位の異なる色素間でのFRETは不可逆的であり、励起準位の高い、すなわち吸光ピーク波長の短い色素が励起光の吸収を担い、吸収した光で得たエネルギーを遷移される励起準位の低い、すなわち蛍光ピーク波長の長い色素が発光を担う。その結果、このような色素の対を近接させるとストークス・シフトの大きな蛍光特性を実現することができる。前者を供与色素、後者を受容色素と呼ぶ。ただしFRETは確実に発生するわけではなく、強い蛍光強度を得るには高いFRET効率を実現させる色素の組み合わせや濃度を考えなければならない。一般に供与色素の蛍光寿命が長いほどFRET効率が高く、また供与色素の蛍光波長と受容色素の吸光波長が近いほどFRET効率が高い。当然供与色素と受容色素が空間的に近いこともFRETには必要である。
本発明においては、緑色または青緑色の高輝度LEDを励起光源とすることが好ましく、この高輝度LEDを用いた場合、波長的に対応する色素としてはローダミン6G(緑色LEDに対して)、フルオレセイン(青緑色LEDに対して)が比較的普及しているものとしてまず挙げられる。より蛍光強度の強い色素としてInvitrogen社が販売しているBODIPY色素やAlexa色素(いずれもMolecular Probe社製)にもそれらに対応する波長特性のものが存在するが、前述の2色素と比べるとかなり高価である。前述の2色素を供与色素とする場合、その蛍光波長に適する受容色素はそれぞれTAMRAもしくはローダミンB、およびローダミン6Gとなる。ローダミン6GとTAMRAによるFRETが発生すると、波長が525nm前後の励起光を吸収して波長580nm前後の蛍光を放出することになる。受容色素としてローダミンBを用いても同様である。
本発明においては、励起光の長波長成分をカットする光フィルタを介して前記標的物質に結合した標識試薬を含む試料に照射し、励起光をカットする光フィルタを介して肉眼で観察することが好ましいが、上記の場合、ストークス・シフトが55nmほどあって前述の色フィルムフィルタを励起光のカットに使用できるだけでなく、肉眼で感じられる色が励起光の緑と蛍光のオレンジ色とで異なり、肉眼でよりはっきりと蛍光の有無を確認できるというメリットもある。フルオレセインとローダミン6GによるFRETを用いる場合は、波長が495nm前後の励起光を吸収して波長555nm前後の蛍光を放出することになる。この場合のストークス・シフトは60nmほどで、肉眼では励起光が青緑色、蛍光が黄緑色に見えるため違いを確認することができる。
本発明の標的物質の検出方法の一つの好ましい態様は、蛍光粒子として、フルオレセイン色素とローダミン6G色素を共に含有する水分散性のコロイド粒子を、励起光源として高輝度青緑色LEDを用い、青緑色の励起光を吸収させて蛍光粒子の放つ緑色の蛍光を検出するものである。ただし、上記の色素は、それらと同等の誘導体(例えば、フルオレセイン色素にカルボキシル基を付与した5−カルボキシフルオレセイン)が含まれる。
本実施態様において、フルオレセイン色素もしくはその誘導体の濃度は1.5〜4.5μmol/gが好ましく、2.5〜3.5μmol/gがさらに好ましい。ここでは濃度をシリカコロイドの乾燥重量に対して規定している。ローダミン6G色素の濃度についても同様である。これよりも色素濃度が高いと濃度消光によって蛍光強度が低下してしまい、逆に低いと色素の不足により蛍光強度が低下してしまう。このことは直接蛍光を放出する受容色素だけでなく光の吸収を担う供与色素についても言える。供与色素同士でのエネルギー遷移もまた非発光過程であるエネルギーの散逸につながり、濃度消光と同じような状況を引き起こすからである。
本発明の標的物質の検出方法の別の好ましい態様は、蛍光粒子として、ローダミン6G色素と、テトラメチルローダミン色素、ローダミンB色素、およびX−ローダミン色素からなる群から選ばれる1種または2種以上の色素とを共に含有する水分散性のコロイド粒子を、励起光源として高輝度緑色LEDを用い、緑色の励起光を吸収させて蛍光粒子の放つ黄色もしくは赤色の蛍光を放つ蛍光を検出するものである。ただし、上記の色素は、それらと同等の誘導体(例えば、ローダミン6G色素にカルボキシル基を付与した5−カルボキシローダミン6G)が含まれる。
本実施態様において、ローダミン6G色素もしくはその誘導体の濃度は1.5〜4.5μmol/gが好ましく、2.5〜3.5μmol/gがさらに好ましい。前述したその他の色素群の濃度についても同様である。
蛍光色素分子単体を標的物質と結合させて蛍光標識として用いる場合、標的物質の濃度が薄いと結合している蛍光標識分子の濃度も薄くなってしまい、分子間距離が大きくなってFRETを発生させられなくなってしまうことが考えられる。このような事態を回避するためには、複数の色素を固体粒子の内部に閉じ込めた蛍光粒子標識を用いればよい。その場合標的物質と結合する標識は粒子単位であり、その濃度が低くてもFRETの発生効率は変わらない。色素分子を閉じ込める固体粒子としてはポリスチレンラテックスやシリカコロイドなどがあり、それ以外には反応性の官能基を持つポリマー分子に複数の色素分子を結合させるという手法も考えられる。
シリカコロイド内部に色素を固定する手法としては例えば、アミノ基と反応するNHS基を持つカルボキシ色素(蛍光特性に寄与しないカルボキシル基を持つ色素;5−カルボキシフルオレセインなど)と3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)を結合させ、それをシランカップリング剤と混合させてシリカコロイドを合成する手法がある(欧州特許第1036763号B1明細書参照)。ポリマー分子に色素分子を結合させる手法の例としては、特表平11−511558号公報に示されているものなどがある。
本発明においては、検体(例えば、血清、唾液、尿、任意の細胞抽出液、溶菌液、培地・培養液、溶液、バッファー)中の標的生体分子(生理活性物質を含む。)を蛍光標識付けすることができる。
前記蛍光粒子を表面修飾する前記標的生体分子を分子認識する物質としては、抗体、抗原、ペプチド、DNA、RNA、糖鎖、リガンド、受容体、化学物質等が挙げられる。
ここで、分子認識とは、(1)DNA分子間又はDNA−RNA分子間のハイブリダイゼーション、(2)抗原抗体反応、(3)酵素(受容体)−基質(リガンド)間の反応など、生体分子間の特異的相互作用をいう。
ここで、リガンドとはタンパク質と特異的に結合する物質をいい、例えば、酵素に結合する基質、補酵素、調節因子、あるいはホルモン、神経伝達物質などをいい、低分子量の分子やイオンばかりでなく、高分子量の物質も含む。
また化学物質とは天然有機化合物に限らず、人工的に合成された生理活性を有する化合物や環境ホルモン等を含む。
すなわち、前記シリカナノ粒子を表面修飾した標的生体分子を分子認識する物質は、それ自体が受容体部位となって、例えば抗原−抗体反応、ビオチン−アビジン反応、塩基配列の相補性を利用したハイブリダイゼーションなどの特異的な分子認識を利用して、標的生体分子に特異的に結合することができる。
蛍光粒子への前記生体分子による吸着等の表面修飾が、縮合剤ないしは架橋剤の存在下又は非存在下にて、前記積層構造のシリカナノ粒子のコロイドと前記生体分子の溶液とを混合することにより行われることが好ましい。
例えば、縮合剤等の非存在下、前記蛍光粒子分散溶液と前記生体分子の溶液とを混合することにより、前記生体分子を前記蛍光粒子の表面に吸着させることができる。
前記縮合剤ないしは架橋剤を用いる場合の具体例としては、N−(6−マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミド(EMCS)、グルタルアルデヒド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等が挙げられる。
表面修飾に用いる前記縮合剤ないしは架橋剤の当量数、前記コロイドの分散媒、前記生体分子の溶液の溶媒の種類・容量、及び反応温度等の反応条件については表面修飾が進行する限り特に制限はない。
前記表面修飾した後、前記蛍光粒子と前記蛍光粒子に結合ないし吸着していない前記生体分子との分離は、遠心分離または限外ろ過によって可能である。
前記生体分子により前記蛍光粒子を表面修飾した後は、前述の非特異的吸着をさらに防止する観点から、PEG、BSAなどの任意のブロッキング剤でブロッキング処理を施してもよい。
前記生体分子の表面修飾が出来たかどうかの確認は、混合液から遠心分離または限外ろ過で粒子を除去した溶液に含まれる前記生体分子を一般的なタンパク質定量法(例えば、UV法、Lowry法、Bradford法)で定量し、減少した前記生体分子の量を定量することで行うことができる。
本発明において、前記蛍光粒子を標識試薬として用いて標的物質に結合する方法は、特に限定は無く、従来用いられている任意の方法で行うことができる。また、本発明に用いられる試料としては、それに限定されるものではないが、イムノクロマト法などに用いられるメンブレンなどを用いることができる。
本発明の方法は、特定の抗体と結合する性質を有する前記蛍光標識試薬と結合された前記標的物質を含有する溶液が親水性のメンブレン中を移動し、該メンブレン内に作製した前記抗体固定部位に前記蛍光標識試薬を集積させ、蛍光発色させる標的物質の検出方法、特に、標的物質の検出に関して陽性又は陰性を判定するイムノクロマト法に好適に用いることができる。
図6および7に、上記の標的物質の検出方法を好適に実施することのできる、本発明の蛍光試薬可視化装置の1例を示す。図6は正面図、図7はその内部構造を概略的に示す概略正面図である。
図6に示す装置では、一つの側面にのぞき窓1を設けてある。以降、のぞき窓1を有する面を装置の「前面」と呼ぶことがある。のぞき窓1は、図示されるように前面の1部分に設けるものに限定されず、例えば、前面のみ透明なプラスチック製の外箱を作製することに設けられたものでもよい。
また、図示された装置では、上面と側面下部にそれぞれ穴2および穴3を開けた。側面下部の穴3は、蛍光試薬を含有するイムノクロマト検査用メンブレンなどの試料を挿入し、試料保持部材の試料保持台4に搭載するためのもので、外界の光が隙間から装置内部に入り込まないように穴3の大きさをぎりぎりまで小さくする、内部に中空形状のガイドを設けてその内壁で侵入してくる光を吸収させることが好ましい。検査する試料の大きさや形状が決まっているのであれば、試料のガイドや板バネなどの押さえ機構5を設けるとより使いやすく好ましい。穴3によって試料が十分に固定されるものであれば、穴3を試料保持部材として用いることができる。
上面の穴2には、例えば箱の内側に透明プラスチック製カバー6を取り付け、その先に緑色のプラスチックシート7が貼り付けられている。図示の装置では、穴2の上から、高輝度緑色LED8が箱の内部に差し込まれ、蛍光観察用の励起光源とされている。励起光源からの励起光は試料保持台4に照射される。
また、のぞき窓1は透明プラスチック板の裏側に、オレンジ色の色フィルムを貼り付けてある。
LED8は外部の駆動装置(図示せず)で発光させるが、簡単な電子回路基板と乾電池を取り付ければLED8を一定電流で自家発光させることも可能である。
この装置では励起光の長波長成分は前述の緑色プラスチックシートでカットされているため、のぞき窓から装置の外部に漏洩してくる励起光はごくわずかである。したがって、励起光に邪魔されることなく蛍光試薬からの蛍光のみを肉眼で認知することができる。
のぞき窓の大きさは試料が見える程度の大きさでよく、大きいほど外界から蛍光波長近傍の光が進入しやすくなる。のぞき窓の上部と下部に光を透過させない黒いシートを貼り付けてその面積を制限することが好ましい。
このようにして蛍光シグナルを見ることに特化して作られた箱の内部は、それ以外のものが非常に見づらい。そのため、図示の装置では、励起光源とは別に照明光源として赤色LED9が箱内に設置され、試料が所定の場所にうまく納まっているか、LEDの光軸がずれていないか等箱の中の様子の確認が容易となる。赤色LED9の光はピーク波長が650nm近傍であり、のぞき窓に貼り付けたオレンジ色フィルムをよく透過する。赤色LED10の駆動電源は励起光源である緑色LED8用の電池を共用すればよく、駆動回路も緑色LED用の回路基板上に作り込めばよい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
縦4cm、横8cm、高さ6cmで前面のみ透明なプラスチック製の箱を用意し、上面と側面下部に穴を開けた。側面下部の穴は蛍光試薬を含有するイムノクロマト検査用メンブレンなどの試料を挿入するためのものである。
上面の穴には箱の内側に透明なプラスチック製のカバーを取り付け、その先に緑色のプラスチックシート(有限会社マルシン;プラスチック板E−6)を貼り付けた。この穴の上から砲弾型の高輝度緑色LED(豊田合成;E1L51−3G)を箱の内部に差し込んで、蛍光観察用の励起光源とした。
また、箱の上面から赤色LED(OptoSupply社;OSHR5111A−TU)を箱の内部に差し込んで、照明用の光源とした。
本実施例の装置では、LEDは外部の駆動装置(Ship Electric Co., Ltd製)で発光させた。
のぞき窓である前面の透明プラスチック板の裏側に、オレンジ色の色フィルム(東京舞台照明;ポリカラーNo.31)を2枚重ねて貼り付けた。
図1は、緑色プラスチックシートの光透過スペクトル(破線)および高輝度緑色LEDの発光スペクトル(実線)であり、横軸は波長(nm)、右縦軸は強度(a.u.:相対値)、左縦軸は透過率(%)である。図1に示すように緑色LEDは、525nm付近に強度のピークがあり、一方、緑色フィルタは510nm付近が最も透過率が低い。
図2は、緑色フィルタの有無の違いによるオレンジ色フィルタ透過後の励起光スペクトルである。図2において、実線が緑色フィルタなしのスペクトル、破線が緑色フィルタありのスペクトルを示し、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(a.u.)である。
図1において蛍光試薬の蛍光波長として想定している580nm近傍の長波長成分が緑色プラスチックシートによって、図2に示されるように低減させられることが分かる。
図3は、オレンジ色フィルムの光透過スペクトルであり、横軸は波長(nm)、縦軸は透過率(%)である。図3に示すように緑色LEDによる励起光のうち長波長成分のみが透過してくることが分かる。
しかしこの装置では励起光の長波長成分は前述の緑色プラスチックシートでカットされているため、のぞき窓から装置の外部に漏洩してくる励起光はごくわずかである。したがって、励起光に邪魔されることなく蛍光試薬からの蛍光のみを肉眼で認知することができる。
実施例2
カルボキシTAMRA色素とカルボキシローダミン6G色素をシリカ粒子内部に共含有させ、前者を受容色素として、後者を供与色素として用いるFRET蛍光特性を持つシリカコロイドを合成した。
シリカ粒子内部に色素を含有させるには、まず色素分子のカルボキシル基をAPS分子のアミノ基と結合させ、APSをシリカの原料となるTEOSと共に合成溶液中に添加すればシロキサン結合によりシリカに取り込んだ。カルボキシル基の先にNHS基を持つ色素のスクシンイミドエステルをDMFまたはDMSOの溶媒中に分散させ、APSを混合して室温(25℃)で1時間撹拌し、APS結合色素分子を得た。前述2色素のスクシンイミドエステルは、Invitrogen社から購入した。
シリカコロイドの合成法としては、いわゆるStober法を用いた(Journal of Colloid Interface Science, 26, 62−69(1968))。具体的には、純水で7倍に希釈したアンモニア水(4.0wt%)をさらにエタノールで5倍に希釈し、その中に体積比0.5%分のTEOSと以下に示す量の両APS結合色素を添加し、50℃に加熱して撹拌した。
色素の添加量としては、色素濃度が濃くなりすぎると同一色素間でのFRETにより非発光過程で散逸するエネルギーの比率が増大してしまうので、それぞれの色素が単独で含有されているときに蛍光強度が最大となる濃度になるように、両APS結合色素の1.0mMに調整したDMF溶液を個別に用意し、対TEOSの体積比でカルボキシTAMRA色素溶液を30%分、カルボキシローダミン6G色素溶液を50%分添加した。合成は、50℃で4時間、その後室温(25℃)に冷まして20時間かけて行った。合成後の洗浄処理については、反応終了後、遠心分離(15000×g)を30分行い、粒子を沈降させた後、直ちに上清液を除去した。得られた沈殿物をエタノールに再分散させ、再度遠心分離(15000×g)を30分行い、粒子を沈降させた。同様のエタノール洗浄操作をさらに1回繰り返し、未反応のTEOS等を除去した。さらにエタノールの代わりに蒸留水を用いた以外は同様な洗浄操作を4回行い、遊離色素等を除去した。
合成されたシリカコロイドの粒度分布は、DLS測定(動的光散乱測定)の結果によればピーク粒径が35〜40nmであった。なお、DLS測定はマルバーン社製のゼータサイザーナノにて行った。DLS測定とは、溶媒中に分散しているコロイド粒子のブラウン運動による微小領域における光散乱強度の時間変化を測定し、その自己相関関数からコロイド粒子の粒度分布を算出する手法である。
合成されたシリカコロイドのPLEスペクトル測定結果を図4に示す。ここでPLEスペクトルとは、励起波長を連続的に変化させたときに得られる固定された特定波長での蛍光強度である。逆に、固定された特定波長で励起したときに得られる蛍光強度の波長特性がPLスペクトルである。図4において、実線がカルボキシTAMRA色素とカルボキシローダミン6G色素を共に含有するFRET蛍光特性を持つシリカコロイドのPLEスペクトル、破線がカルボキシローダミン6G色素のスペクトルのみを含有するシリカコロイドのPLEスペクトル、二点鎖線がカルボキシTAMRA色素のみを含有するシリカコロイドのPLEスペクトルであり、横軸は波長(nm)、縦軸はPLE強度(a.u.)である。図4に示されるように、FRET蛍光特性を持つシリカコロイドのPLEスペクトルは、受容色素であるカルボキシTAMRA色素のみを含有させた場合に見られるスペクトルに供給色素であるカルボキシローダミン6G色素のスペクトルを足し合わせたような形となった。
また、525〜555nmの範囲で励起光の波長を変化させても、得られるPLスペクトル形状および強度はほとんど変化せず、PLスペクトルは受容色素であるカルボキシTAMRA色素のものと一致する。すなわち、供給色素であるカルボキシローダミン6G色素は光を吸収しても自身では発光せず、エネルギーを受容色素であるカルボキシTAMRA色素に渡すか非発光過程で失うかしていることが分かる。
こうして得られた蛍光シリカコロイドは、緑色LEDの発光波長である525nm近傍の光で効率的に励起され、55nmという大きなストークス・シフトを持って580nmにPLピークがあるという蛍光特性が実現された。
実施例3
カルボキシローダミン6GとBODIPY−FL色素をシリカ粒子内部に共含有させ、前者を受容色素として、後者を供与色素として用いるFRET蛍光特性を持つシリカコロイドを合成した。BODIPY−FL色素のスクシンイミドエステルをInvitrogen社から購入し、実施例2と同様の調製を行った。色素のシリカ粒子取り込み方法およびシリカコロイドの合成法も実施例2と同様に行った。
合成されたシリカコロイドのPLEスペクトルの測定結果を図5に示す。図5において、実線がカルボキシローダミン6GとBODIPY−FL色素を共に含有するFRET特性を有するシリカコロイドのPLEスペクトル、破線がカルボキシローダミン6G色素のスペクトルのみを含有するシリカコロイドのPLEスペクトル、二点鎖線がBODIPY−FL色素のみを含有するシリカコロイドのPLEスペクトルであり、横軸は波長(nm)、縦軸はPLE強度(a.u.)である。図5に示されるように、FRET特性を有するシリカコロイドのPLEスペクトルは、受容色素であるカルボキシローダミン6G色素のみを含有させた場合に見られるスペクトルに供給色素であるBODIPY−FL色素のスペクトルを足し合わせたような形となった。
505nm近傍の波長で励起しても、このシリカコロイドの最適励起波長である530nmの光で励起した場合と遜色ない蛍光強度が得られることがわかる。この場合、蛍光強度は550nmで検出しているため、505nm(青緑LEDの発光ピーク波長)で励起した場合の実効的なストークス・シフトは45nmである。
実施例4
遠沈管に50mMKHPO(pH7.5)を1mLと実施例2で作製したFRET蛍光特性を持つシリカコロイド粒子分散液(6.25mg/mL)8mLを加えて軽く撹拌した。遠沈管に抗hCG抗体(Anti−hCG clone codes/5008, Medix Biochemica社製)1mL(5mg/mL)を撹拌しながら加え、室温で1時間撹拌し、抗hCG抗体を前記シリカナノ粒子に吸着させた。
混合液を12000×gで15分間遠心分離し、上清を1mL程度残して取り除き、残した上清に沈殿を分散させた。この分散液に50mMKHPO(pH7.5)を20mL加え、再度遠心分離し上清を取り除き、これに50mMKHPO(pH7.5)を2mL加え、粒子を分散させた。
得られた抗体を吸着させてなるシリカナノ粒子分散液をGlass Fiber Conjugate Pad(GFCP、MILLIPORE社製)(8×150mm)1枚あたり、上記分散液0.8mLを均等に塗布した。デシケーター内で室温下、一夜減圧乾燥し、コンジュゲートパッドを作製した。
抗体固定化メンブレンの作製については、メンブレン(丈25mm、商品名Hi−Flow Plus120 メンブレン、MILLIPORE社製)の中央付近(端から約12mm)に幅約1mmのテストラインとして抗hCG抗体(alpha subunit of FSH(LH), clone code/6601、Medix Biochemica社製)が1mg/mL含まれる溶液((50mMKHPO,pH7.0)+5%スクロース)を0.75μL/cmの塗布量で塗布した。
続いて、幅約1mmのコントロールラインとして抗IgG抗体(Anti Mouse IgG、Dako社製)が1mg/mL含まれる溶液((50mMKHPO,pH7.0)シュガー・フリー)を0.75μL/cmの塗布量で塗布し、50℃で30分乾燥させた。
次に、ブロッキング処理として前記メンブレン全体をブロッキングバッファー中に室温で30分浸した。
前記得られたメンブレン、前記得られたコンジュゲートパッド、サンプルパッド(Glass Fiber Conjugate Pad(GFCP)、MILLIPORE社製)、吸収パッド(Cellulose Fiber Sample Pad(CFSP)(MILLIPORE社製)をバッキングシート(商品名AR9020,Adhesives Research社製)上で組み立て、5mm幅、長さ60mmのストリップ状に切断し、テストストリップを得た。
なお、各構成部材は、各々その両端を隣接する部材と2mm程度重ね合わせて貼付した(以下、同様である。)。
50IU/LのリコンビナントhCG(ロート製薬社製)を前記ストリップのサンプルパッド部分に100μL滴下し、五分間放置し実施例1で作製した装置で検出したところ、抗hCG抗体(alpha subunit of FSH(LH), clone code/6601、Medix Biochemica社製)を塗布したライン(テストライン)および、抗IgG抗体を塗布したライン(コントロールライン)の発光が肉眼で確認でき標的物質hCGの存在を確認した。
緑色LEDの発光スペクトルと緑色フィルタの透過率スペクトルを示すグラフである。 オレンジ色フィルム透過後の励起光スペクトルを示すグラフである。 オレンジ色フィルムの透過率スペクトルを示すグラフである。 ローダミン6G色素とTAMRA色素を共含有させたFRET蛍光シリカコロイドのPLEスペクトルを示すグラフである。 BODIPY−FL色素とローダミン6G色素を共含有させたFRET蛍光シリカコロイドのPLEスペクトルを示すグラフである。 本発明の蛍光試薬可視化装置の1例の正面図である。 本発明の装置の1例の内部構造を概略的に示す概略正面図である。
符号の説明
1 のぞき窓
2,3 穴
4 試料保持台
5 押さえ機構
6 透明プラスチック製のカバー
7 緑色のプラスチックシート
8 高輝度緑色LED
9 赤色LED

Claims (8)

  1. 特定の抗体と結合する性質を有する標識試薬と、前記抗体を固定する抗体固定部位を有する親水性のメンブレンとを用いたイムノクロマト法による標的物質の検出方法であって、
    前記標識試薬と結合された前記標的物質を含有する溶液が親水性のメンブレン中を移動し、該メンブレン内に作製した前記抗体固定部位に前記標識試薬を集積させ、集積した前記標識試薬を蛍光発色により可視化させるに当たり、
    前記標識試薬として、蛍光粒子の母体の主成分がシリカである粒子中に、1種または2種以上の有機色素と、該有機色素よりも励起波長の長い有機蛍光色素とを共に含有し、共鳴エネルギー遷移現象によって励起波長と蛍光波長の差異を1種類の前記蛍光色素の場合よりも広げた蛍光粒子を用い
    緑色または青緑色の高輝度LEDからの励起光を、励起光の長波長成分をカットする緑色フィルムからなる励起光側の光フィルタを介して前記標的物質に結合した標識試薬を含む試料に照射し、励起光をカットするオレンジ色フィルムからなる蛍光側の光フィルタを介して試料からの蛍光を肉眼で観察することを特徴とするイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
  2. 前記蛍光粒子としてフルオレセイン色素とローダミン6G色素を共に含有する水分散性のコロイド粒子であって、青緑色の励起光を吸収して緑色の蛍光を放つ蛍光粒子を用いることを特徴とする請求項1に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
  3. 前記蛍光粒子として、ローダミン6G色素と、テトラメチルローダミン色素、ローダミンB色素、およびX−ローダミン色素からなる群から選ばれる1種または2種以上の色素とを共に含有する水分散性のコロイド粒子であって、緑色の励起光を吸収して黄色もしくは赤色の蛍光を放つ蛍光粒子を用いることを特徴とする請求項1に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
  4. 前記蛍光粒子として、カルボキシローダミン6GとTAMRA色素とを共に含有するシリカコロイドの粒子を用いることを特徴とする請求項1に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
  5. 前記蛍光粒子として、カルボキシローダミン6GとBODIPY−FL色素とを共に含有するシリカコロイドの粒子を用いることを特徴とする請求項1に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
  6. アミノ基と反応するNHS基を持つカルボキシ色素と3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)を結合させ、それをシランカップリング剤と混合してシリカコロイドを合成し、シリカコロイド内部に色素を固定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
  7. 前記蛍光粒子が、抗体、抗原、ペプチド、DNA、RNA、糖鎖、リガンド、受容体、また化学物質で表面修飾された請求項1〜のいずれか1項に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
  8. 赤色LEDを照明光源として用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のイムノクロマト法を用いた標的物質の検出方法。
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