JP5306379B2 - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は太陽電池モジュールおよびその製造方法に関する。
近年、環境保護の観点から、太陽電池モジュールの普及拡大が進められている。太陽電池モジュールは、一般に、受光面側から順に、透光性基板、透明な熱硬化性樹脂等よりなるシート状の充填材に周囲を保護された太陽電池素子列(太陽電池ストリング)、および裏面を保護する裏面保護材を積層して一体化することによって得られる。特に、太陽電池素子としては、発電効率が高いことから、シリコンを含有するものが多く使われている。太陽電池ストリングは、一方の太陽電池素子に設けられた電極と、該太陽電池素子に隣り合う他方の太陽電池素子の電極とをハンダを介して導線で接合し、電気的に接続することで形成される。
しかしながら、係る接合の後、ハンダを冷却すると、太陽電池素子と導線との熱膨張率の差に起因する熱応力が生じ、太陽電池素子に反りが生じる場合がある。特に、隣り合う太陽電池素子の同じ側の主面同士、例えば、非受光面同士を導線で接合し、受光面側には導線を配置しない太陽電池ストリングの場合、太陽電池素子には、配列方向に沿った断面視で受光面側が凸になる反りが、生じやすい。係る反りを有する太陽電池ストリングを用いて太陽電池モジュールを構成した場合、太陽電池素子と導線との接合部に応力がかかることで、接合部のクラックや破断が生じ、その結果として太陽電池モジュールの出力が低下する可能性がある。
特開2007−250623号公報には、導線の断面積を局部的に小さくすることによって熱応力を緩和し、反りを低減する方法が提案されている。しかしながら、太陽電池素子の同じ側の主面にのみ導線を設ける場合は、この方法では十分に反りが低減されない。
本発明は、上記の問題に鑑みて案出されたものであり、太陽電池ストリングの応力が緩和された太陽電池モジュールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、太陽電池モジュールは、それぞれが受光面と前記受光面の裏側に位置する裏面とを有する複数の太陽電池素子と、1の太陽電池素子と隣り合う太陽電池素子とを接続するとともに、1の太陽電池素子の1の面に接続される接続部を有する複数の導線と、を備える太陽電池モジュールであって、前記複数の太陽電池素子のうち隣り合う2つの太陽電池素子どうしは、それぞれの前記裏面が前記複数の導線によって電気的に接続されてなり、前記接続部の長手方向において、前記複数の太陽電池素子の少なくとも一つは、前記裏面側に突出した第1の突出部の両側に前記受光面側に突出した第2の突出部を有する波形をなしており、前記複数の導線の少なくとも1つが前記接続部の長手方向において前記複数の太陽電池素子の少なくとも1つの波形に対応する波形をなしている。
本発明の太陽電池モジュールによれば、太陽電池素子と導線との接合部に加わる応力が緩和されており、接合部におけるクラックや破断の発生、さらには太陽電池モジュールの出力低下が好適に抑制されている。しかも、太陽電池素子よりも導線の方が熱膨張係数が大きい場合において、導線が熱膨張や熱収縮などによって伸縮したとしても、太陽電池素子が係る伸縮に追随して変形可能であるので、導線と太陽電池素子との間に生じる応力が緩和される。
また、本発明によれば、太陽電池モジュールの製造方法は、それぞれが受光面と前記受光面の裏側に位置する裏面とを有する複数の太陽電池素子について、隣り合う2つの太陽電池素子どうしを導線によって電気的に接続する第一の工程と、前記複数の太陽電池素子のそれぞれに対して変形力を作用させることによって、その一部領域を前記導線側に突出させる第二の工程と、を備えるものである。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法によれば、第二の工程によって平坦化された太陽電池ストリングを用いて太陽電池モジュールを構成するので、製造過程におけるチッピングの発生などが好適に抑制される。また、太陽電池ストリングの短手方向におけるアライメント精度が確保され、太陽電池モジュール内において太陽電池素子の配置ばらつきが生じることが抑制されるので、太陽電池モジュールの意匠性が向上する。加えて、得られた太陽電池モジュールにおいては、太陽電池素子と導線との接合部に加わる応力が緩和されるので、接合部におけるクラックや破断の発生、さらには出力低下が、好適に抑制される。
太陽電池モジュールの一例を示す断面図である。 メタルラップスルー構造を有する太陽電池素子の一例を示す図であり、(a)は太陽電池素子の第二の主面(受光面側)を示す斜視図、(b)は太陽電池素子の第一の主面(非受光面側)を示す斜視図である。 太陽電池ストリングの一例を示す斜視図である。 図3の太陽電池ストリングを用いて構成された太陽電池モジュールを示す断面図である。 比較例として示す、太陽電池素子に第二の主面側が凸である反りの生じている太陽電池ストリングを示す斜視図である。 図5の太陽電池ストリングを用いて構成された太陽電池モジュールを示す断面図である。 太陽電池素子と導線を接合して太陽電池ストリングを製造する様子を示す図であり、(a)は接合前の様子を第一の主面側(非受光面側)から示す斜視図、(b)は接合後の様子を第二の主面側(受光面側)から示す斜視図である。 太陽電池モジュールの第1の製法を示す図であり、(a)は太陽電池ストリングに三点曲げの曲げ応力を加える前の様子を示す側面図、(b)は太陽電池ストリングに曲げ応力を加える様子を示す側面図、(c)は太陽電池ストリングに曲げ応力を加えたときに(b)のA部に生じる応力を示すモデル図である。 本発明の太陽電池モジュールの一例を拡大して示す断面図であり、(a)太陽電池ストリングに曲げ応力を加える前の様子を示す断面図、(b)は太陽電池ストリングに曲げ応力を加えたときの様子を示す断面図、(c)は太陽電池ストリングに曲げ応力を加えたときの力を示すモデル図である。 太陽電池モジュールの第2の製法を示す図であり、(a)は、押圧前の様子を示す側面図、(b)は押圧中の様子を示す側面図、(c)は押圧後の様子を示す側面図、(d)は支持部材71の一例を示す図である。 太陽電池モジュールの第1および第2の製法において、太陽電池ストリングに加わる曲げ応力と、導線に加わる引張応力を示す線図であり、(a)は第2の製法における曲げ応力の線図、(b)は第2の製法における引張応力の線図、(c)は第1の製法における曲げ応力の線図、(d)は第1の製法における引張応力の線図である。 太陽電池モジュールの第3の製法を示す図であり、(a)は太陽電池ストリングを押圧する前の様子を示す側面図、(b)は太陽電池ストリングが平坦となるまで個々の太陽電池素子を押圧した様子を示す側面図、(c)は第の主面5aが凸状になるまで押圧して変形させるように曲げ応力を加えた様子を示す側面図、(d)は太陽電池ストリングの押圧後の様子を示す側面図である。 太陽電池モジュールの第4の製法を示す図であり、(a)は太陽電池ストリングを押圧する前の様子を示す側面図、(b)は、最左端の太陽電池素子を押圧し曲げ応力を加える様子を示す側面図、(c)は、最左端の太陽電池素子の押圧を止めるとともに、隣り合う太陽電池素子を押圧し曲げ応力を加える様子を示す側面図である。 太陽電池モジュールの第5の製法を示す図であり、(a)は太陽電池ストリングを押圧する前の様子を示す側面図、(b)は太陽電池ストリングが水平となるまで押圧した様子を示す側面図、(c)は太陽電池ストリングが第二の主面側に凸の形状となるように押圧した様子を示す側面図、(d)は太陽電池ストリングの押圧後の様子を示す側面図である。 太陽電池モジュールの製法の第一変形例を示す図であり、(a)は、太陽電池ストリングを押圧する前の様子を示す側面図、(b)は太陽電池ストリングを押圧して曲げ応力を加えている様子を示す側面図である。 太陽電池モジュールの製法の第二変形例を示す図であり、(a)、(b)、(c)は、太陽電池ストリングを支持ローラーと押圧ローラーで押圧して曲げ応力を加えながら搬送する経過を示す側面図、(d)は、搬送時における太陽電池ストリングの導線に加わる引張応力の経時変化を示す引張応力線図である。
以下、本発明の太陽電池モジュールおよびその製造方法について、添付図面を参照しながら説明する。なお、各図面においては、太陽電池ストリングにおける太陽電池素子の配列方向をx軸方向とし、太陽電池モジュールにおける積層方向(太陽電池素子の受光面側から非受光面側に向かう方向)をz軸方向とする、右手系のxyz座標を適宜付している。
(太陽電池モジュール)
本実施の形態に係る太陽電池モジュールXは、図1に示すように、透光性基板1と、受光面側充填材2aと、太陽電池素子列(太陽電池ストリング)3と、非受光面側充填材2bと、裏面保護材4とを順次積層してなる。太陽電池ストリング3は、複数の太陽電池素子5を導線6で電気的に直列接続してなる。なお、以下においては、受光面側充填材2aと非受光面側充填材2bとを、充填材2と総称する。
透光性基板1は、太陽電池素子5へ光を入射させることができる部材であればその材質は特に限定されない。例えば、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどのガラスやポリカーボネート樹脂などからなる光透過率の高い基板が透光性基板1として用いられてよい。例えば、厚さ3mm〜5mm程度の白板強化ガラス、厚さ5mm程度の合成樹脂基板(ポリカーボネート樹脂などからなる)が透光性基板1として用いられることが好ましい。
充填材2は、太陽電池素子5を封止する役割を有する。例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)やポリビニルブチラール(PVB)を主成分とする有機化合物が、充填材2として用いられる。具体的には、Tダイと押出し機により、該有機化合物を厚さ0.4〜1mm程度のシート状に成形し、適宜のサイズに切断したものを充填材2として用いる。ここで、充填材2には架橋剤が含有されている。この架橋剤はEVAなどの分子間を結合させる役割を有するものである。架橋剤としては、例えば70℃〜180℃の温度で分解してラジカルを発生する有機過酸化物を用いることができる。有機過酸化物としては、例えば、2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンやtert−ヘキシルパーオキシピバレートなどが挙げられる。充填材2にEVAを用いる場合であれば、EVA100質量部に対し1質量部程度の割合で架橋剤を含有させることが好ましい。上述のEVAやPVB以外にも、熱硬化性樹脂もしくは、熱可塑性樹脂に架橋剤を含有して熱硬化の特性を持たせた樹脂であれば、充填材2として好適に利用可能である。例えばアクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂やEEA(エチレン−アクリル酸エチル共重合体)などが、充填材2として利用可能である。
裏面保護材4は、充填材2や太陽電池素子5を保護する役割を有する。裏面保護材4としては、PVF(ポリビニルフルオライド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)PEN(ポリエチレンナフタレート)、或いはこれらを積層したものを用いることができる。
太陽電池素子5としては、例えば、メタルラップスルー構造、エミッタラップスルー構造等のバックコンタクト型のものが好適に用いられる。本実施の形態では、一例として、メタルラップスルー構造の太陽電池素子5を用いる場合について説明する。また、太陽電池素子5の受光面の裏面を5a、受光面を5bとする。
太陽電池素子5は、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板の内部に、ボロンなどのP型不純物を多く含んだP層と、リンなどのN型不純物を多く含んだN層とのPN接合を有し、シリコン基板の裏面5a及び/又は受光面5bに、銀やアルミニウムなどからなる電極を配置した構成を有する。
単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板としては、例えば、インゴットからスライス加工して切り出された、厚みが0.1mm〜0.3mm程度で、大きさが150mm〜160mm角程度の矩形状のものが用いられる。このようなシリコン基板は、例えば、純度が6N〜11Nのシリコン原料を用いて形成することができる。また、電極は、銀ペーストやAlペースト等の導電性ペーストを用い、スクリーンプリント法などにより形成される。
図2(a)、(b)に示す太陽電池素子5の場合であれば、フィンガーと呼ばれる細い集電極51が受光面5bに設けられるとともに、受光面5bで生じたキャリアを裏面5aに導くために、電極材料で充填された貫通孔52が配置されている。そして、裏面5aには、電力を出力するための正負の出力電極53(正の出力電極53a、負の出力電極53b)が設けられている。図2(b)に示す太陽電池素子5においては、正の出力電極53aの配列と負の出力電極53bの配列とが、それぞれ太陽電池素子5の辺に平行に、かつ交互に設けられてなる。
なお、図2(a)、(b)に示す太陽電池素子5のように、受光面5bにバスバー電極を設けない場合、太陽電池素子5の有効受光面積が増加し、それによって真性変換効率が増大する。
導線6は、太陽電池ストリング3において隣り合う2つの太陽電池素子5の極性の異なる出力電極同士を接続する。すなわち、導線6は、一方の出力電極53aと他方の出力電極53bとを接続するように、配されている。また、図2(b)に示すように、1つの太陽電池素子5に正の出力電極53aおよび負の出力電極53bが複数箇所に設けられる場合には、それぞれに導線が接続される。
導線6は、凹凸のない一様な長尺状をなしていてもよいし、図1に示すように、太陽電池素子5の裏面5a上に配置される部分に底部が接続される凹部(接合部)6aと、裏面5aとは接続されない凸部(非接合部)6bとを有してもよい。後者の場合、凸部6bにおいて太陽電池ストリング3に作用する熱応力が開放されるので、太陽電池ストリング3の反りが抑制される。
なお、図1においては、太陽電池ストリング3を構成する個々の太陽電池素子5がその配列方向である図面視水平方向に沿って完全に平坦であり、導線6も太陽電池素子5に沿って当該方向に延在する太陽電池モジュールX(これを太陽電池モジュールXaとも称する)を図示している。
以下、本発明の各実施形態について説明する。
太陽電池モジュールは、それぞれが受光面と前記受光面の裏側に位置する裏面とを有する複数の太陽電池素子と、1の太陽電池素子と隣り合う太陽電池素子とを接続するとともに、1の太陽電池素子の1の面に接続される接続部を有する導線と、を備え、前記接続部の長手方向において、前記複数の太陽電池素子の少なくとも一つは波形をなすものである。
太陽電池素子5がその配列方向に沿って波形である場合としては、太陽電池素子5が当該配列方向において複数の凹凸部を有する場合や、複数の極点を有する場合や、当該配列方向に沿った形状が特定周期のあるいは非周期的な曲線状である場合などがある。ここで極点とは、太陽電池素子5をその配列方向に垂直な方向から断面視した場合に、極大となる点および極小となる点である。また、曲線状の形状には、太陽電池素子5がその機能を発揮する限りにおいて三角波状や矩形波状の形状が含まれていてもよい。
また、前記接続部の長手方向とは、その接続面の端から端までの距離が、もっとも長くなる方向である。
さらに、太陽電池モジュールは、前記複数の太陽電池素子のうち隣り合う2つの太陽電池素子どうしが、それぞれの前記裏面が前記複数の導線のそれぞれによって電気的に接続される場合に適している。例えば、バックコンタクトタイプのように、裏面5aの側に導体6が接続されていると、一方の面側に反りが発生するためである。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記波形は、前記第1太陽電池素子の前記裏面側に突出した第1突出部を含むことが好ましい。
例えば、太陽電池素子5は、受光面5bの側に少なくとも2箇所の突出部を有する。例えば、図3および図4に示すように、太陽電池ストリング3を太陽電池素子5の配列方向に垂直な方向から断面視した場合に、それぞれの太陽電池素子5の第1突出部5cが裏面5a側に凸状をなす態様にて凹凸を有しており、導線6が、係る凹凸に沿って配置されるように、太陽電池モジュールX(これを太陽電池モジュールXbと称する)が構成されていてもよい。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記波形は前記受光面側に突出した複数の第2突出部を含むことが好ましい。
係る場合、裏面5a側に突出する第一突出部5cの両側2箇所が、受光面5b側に突出して第2突出部5dとなる。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記複数の第2突出部は、前記第1太陽電池素子の両端部よりも前記受光面側に突出していることが好ましい。
係る場合、受光面5b側に突出した第2突出部5dと両端部5eとが一致してしまうことがないので第2突出部5dは極点となることができる。
また、図5および図6には、比較のために、個々の太陽電池素子5に受光面5b側が凸である反りの生じている太陽電池ストリング3aと、これを用いて構成した太陽電池モジュールXcを示している。太陽電池ストリング3aにおいては、太陽電池素子5の配列方向に垂直な方向からみた場合に、個々の太陽電池素子5が受光面5b側に一様に湾曲している。太陽電池素子5の、水平面からの浮き上がり量は約5mmである。
太陽電池モジュールXcに用いられた太陽電池ストリング3aと、図1および図4に例示する、太陽電池モジュールXa、Xbに用いられた太陽電池ストリング3とを対比すると、後者の方が太陽電池素子5の配列方向においてより平坦化されたものとなっている。太陽電池モジュールXcにおいては、透光性基板1や裏面保護材4等によって挟持されることで、太陽電池素子5には、その配列方向においてこれを平らに引き伸ばす力がかかり続ける。この場合、太陽電池素子5と導線6との接合部に応力が長時間かかることになるため、クリープ現象により接合部のハンダが徐々に変形して接合部のクラックや破断が生じ、その結果として太陽電池モジュールXcの出力が低下する可能性がある。これに対して、太陽電池モジュールXa、Xbにおいては、太陽電池ストリング3が平坦化されているので、太陽電池素子5と導線6との接合部に加わる応力が緩和されており、接合部におけるクラックや破断の発生、さらには太陽電池モジュールXの出力低下が好適に抑制されている。
なお、応力緩和という観点からは、図1に示した太陽電池モジュールXaよりも、図4に示した太陽電池モジュールXbの方がより好ましい。太陽電池モジュールXbのように、太陽電池ストリング3が波形の形状をなしている場合、シリコン基板からなる太陽電池素子5よりも熱膨張係数が大きい導線6が、熱膨張や熱収縮などによって伸縮したとしても、太陽電池素子5が係る伸縮に追随して変形可能であり、導線6と太陽電池素子5との間に生じる応力が緩和される。すなわち、ヒートサイクルに対する耐性の点で優れている。これに対して、図1に示す太陽電池モジュールXaのように太陽電池素子5が完全に平坦である場合は、導線6の伸縮に太陽電池素子5が追随できず、導線6が太陽電池素子5から剥離してしまうおそれがある。なお、太陽電池モジュールXbに用いられる太陽電池ストリング3における太陽電池素子5の水平面からの浮き上がり量は、約1mm程度であるのが好適である。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記複数の導線は、少なくとも一つの第1導線と、前記各太陽電池素子に対して前記少なくとも一つの第1導線とは反対の極性を呈する少なくとも一つの第2導線とを有することが好ましい。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記少なくとも一つの第1導線及び前記少なくとも一つの第2導線は互いに平行であることが好ましい。
これにより、反りの大きさを揃えるとともに、方向を特定の方向になるようにすることができる。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記少なくとも一つの第1導線及び前記少なくとも一つの第2導線の少なくとも一方は、前記各太陽電池素子の前記裏面に断続的に接続されていることが好ましい。
これにより、必要以上の面積で導線6が太陽電池素子5と接合して、余計な応力が発生してしまうことを低減できる。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記少なくとも一つの第1導線及び前記少なくとも一つの第2導線の少なくとも一方は、前記各太陽電池素子の前記裏面と接続する接続部と接続しない非接続部とを有し、前記接続部と前記非接続部とが成す角度は90度より大きいことが好ましい。
これにより、必要以上の面積で導線6が太陽電池素子5と接合して、余計な応力が発生してしまうことをさらに低減できる。
さらに、太陽電池モジュールは、前記少なくとも一つの第1導線及び前記少なくとも一つの第2導線の少なくとも一方は、クラッド銅箔であることが好ましい。
導線6は、例えば銅やアルミニウムのような低抵抗の金属導体の表面に、メッキやディッピングにより20μm〜70μm程度の厚みでハンダコートを施したものを、適当な長さに切断してなる部材である。導線6は、金属であることから、延性を有する。例えば、金属導体として、銅/インバー/銅なる構成を有するクラッド銅箔を用いるようにしてもよい。この場合、導線6の熱膨張率がシリコンに近づくので、太陽電池素子5の反りが低減される。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記各太陽電池素子は矩形状であり、且つ、前記複数の導線は前記各太陽電池素子の一つの辺に平行であることが好ましい。
これにより、反りの大きさを揃えるとともに、方向を特定の方向になるようにすることができる。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記導線は複数の第1導線を有し、且つ、前記複数の第1導線は互いに平行であることが好ましい。
これにより、反りの大きさを揃えるとともに、方向を特定の方向になるようにすることができる。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記導線は複数の第2導線を有し、且つ、前記複数の第2導線は前記複数の第1導線と平行であることが好ましい。
これにより、反りの大きさを揃えるとともに、方向を特定の方向になるようにすることができる。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記少なくとも一つの第1導線と前記少なくとも一つの第2導線とは交互に位置することが好ましい。
これにより、反りの大きさを揃えるとともに、方向を特定の方向になるようにすることができる。
さらに、太陽電池モジュールは、前記複数の太陽電池素子のうち隣り合う2つの太陽電池素子どうしが、一方の前記受光面と他方の前記裏面とが前記複数の導線のそれぞれによって電気的に接続される場合に適している。例えば、受光面と裏面とで、導体6と太陽電池素子5との接続部の面積が異なる場合には、一方の面側に反りが発生するためである。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記波形は、前記第1太陽電池素子の前記受光面側に突出した第3突出部を含むことが好ましい。
例えば、太陽電池ストリング3を太陽電池素子5の配列方向に垂直な方向から断面視した場合に、それぞれの太陽電池素子5の第3突出部が受光面5b側に凸状をなす態様にて凹凸を有しており、導線6が、係る凹凸に沿って配置されるように、太陽電池モジュールが構成されていてもよい。なお第3突出部が反る方向は、導線6と太陽電池素子5との接合面積次第で、受光面5b、裏面5aのいずれかに反るものである。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記波形は前記裏面側に突出した複数の第4突出部を含むことが好ましい。
係る場合、受光面5b側に突出する第3突出部の両側2箇所が、裏面5a側に突出して第4突出部となる。なお第4突出部が反る方向は、導線6と太陽電池素子5との接合面積次第で、受光面5b、裏面5aのいずれかに反るものである。
さらに、太陽電池モジュールにおいて、前記複数の第4突出部は、前記第1太陽電池素子の両端部よりも前記裏面側に突出していることが好ましい。
係る場合、裏面5a側に突出した第4突出部と両端部5eとが一致してしまうことがないので第4突出部は極点となることができる。
(太陽電池モジュールの製造方法)
<第1の製法>
本実施の形態に係る太陽電池モジュールX(Xa、Xb)の第1の製法について図7および図8を用いて説明する。
まず、第一の工程として、図7(a)に示すように、太陽電池素子5と導線6とが接合される。導線6は、複数の太陽電池素子5を配列させた状態で、個々の太陽電池素子5の正の出力電極53aと、該太陽電池素子5と隣り合う太陽電池素子5の負の出力電極53bとを、電気的に接続するように配される。より詳細には、それぞれの太陽電池素子5においては、極性の異なる出力電極53のそれぞれに、相異なる導線6(第一導線61、第二導線62)が接続される。例えば、図7(a)に図示された3つの太陽電池素子5のうちの中央の太陽電池素子5の場合であれば、正の出力電極53aが第一導線61によって右端の太陽電池素子5の負の出力電極53bと接続され、負の出力電極53bが第二導線62によって左端の太陽電池素子5の正の出力電極53aと接続されている。なお、第一導線61と第二導線62は、両者が接触して短絡することのないように、互いに平行に配置される。好ましくは、第一導線61と第二導線62の少なくとも一方が、図1に示したように、凹部6a(接合部)と凸部6b(非接合部)とを有する。
出力電極53aまたは出力電極53bと導線6とは、ハンダで接合される。すなわち、加熱溶融したハンダを出力電極53aまたは出力電極53bと導線6との間に介在させた後、該ハンダが冷却されることで、出力電極53aまたは出力電極53bと導線6とが接合される。
この接合後においては、図7(b)に示すように、太陽電池素子5が第二の主面(受光面)5bの側に凸に湾曲した太陽電池ストリング3aが作製される場合がある。これは、シリコン基板を含んで構成される太陽電池素子5よりも、金属部材である導線6の方が、熱膨張率が大きいために、ハンダが冷却される際に導線6が太陽電池素子5よりも大きく熱収縮することが原因である。このように太陽電池素子5に反りのある太陽電池ストリングをそのまま後段の積層・一体化工程に供した場合、図6に示すような太陽電池モジュールXcが作製されてしまうことになる。
そこで、本実施の形態においては、太陽電池モジュールXを構成するに先立って、太陽電池ストリング3を構成する太陽電池素子5に生じている反りを解消・低減すべく、第二の工程として、図8に示すように、太陽電池素子5を受光面5b側から押圧し、太陽電池素子5に三点曲げの曲げ応力を加える加工を行う。
太陽電池モジュールの製造方法は、それぞれが受光面と前記受光面の裏側に位置する裏面とを有する複数の太陽電池素子について、隣り合う2つの太陽電池素子どうしを導線によって電気的に接続する第一の工程と、前記複数の太陽電池素子のそれぞれに対して変形力を作用させることによって、その一部領域を前記導線側に突出させる第二の工程と、を備えるものである。
これは例えば、導線6と太陽電池素子5との熱膨張率差により、特にバックコンタクトタイプの場合は、受光面5b側に突出して反る傾向があることに基づくものである。
さらに、太陽電池モジュールの製造方法において、前記変形力は、前記各太陽電池素子を押圧する押圧力であることが好ましい。
これにより最も容易に反りの矯正を制御することができる。
さらに、太陽電池モジュールの製造方法において、前記導線がその長手方向に沿って凸部と凹部とを交互に有し、前記凹部を前記各太陽電池素子に対して接合することが好ましい。
これにより導線6と太陽電池素子5との接続面積を減らし、反りを低減することができる。
図8に示すように、第二の工程に使用する加工装置100は、太陽電池ストリング3を構成する太陽電池素子5のうちの1つを支持する支持部材71(71a、71b)と、該太陽電池素子5を押圧する押圧部材72と、を有している。押圧部材72は、例えばエアシリンダーなどの昇降装置73に接続されており、昇降装置73を駆動することによって上下に移動自在とされてなる。太陽電池素子5を支持部材71によって支持した状態で、押圧部材72によって太陽電池素子5を上方から押圧することで、太陽電池素子5に対して曲げ応力を加えることができる。
具体的には、第二の工程においては、図8(a)に示すように、受光面5bの側が上を向くように太陽電池ストリング3を構成する太陽電池素子5のうちの1つを支持部材71によって支持した状態で、図8(b)に示すように、押圧部材72によって受光面5bの凸部を押圧する。これにより、太陽電池素子5は、導線6側(裏面5a側)が凸である弓なり状に撓んだ状態に変形される。
この変形状態においては、図8(c)に示すように、図8(b)のA部において、中立軸Cよりも上側にある太陽電池素子5には圧縮応力σcが生じ、大半の部分が中立軸Cより下側にある導線6には引張応力σtが生じる。これらの圧縮応力σcと引張応力σtとは、中立軸Cから離れるほど大きくなる。すなわち、太陽電池素子5の受光面5bでは最大圧縮応力σcmaxを示し、導線6の表面では最大引張応力σtmaxを示す。
一般に、太陽電池素子5は、圧縮応力に対しては高い強度を示しクラックなどの破壊を生じにくく、塑性ひずみも生じにくい。これは、太陽電池素子5が、脆性を有するシリコン基板を用いて構成されていること、さらには、該シリコン基板にはインゴットから切り出す際に表面に加工変質層が形成されていることから、一般に、引張応力には弱いが圧縮応力には強いからである。一方で、導線6は、太陽電池素子5に比べてヤング率が低く、断面積が小さく、延性を有することから、引張応力により塑性ひずみを生じ伸長しやすい。
それゆえ、図8(b)に示す態様にて太陽電池ストリング3が押圧された場合、主として圧縮応力が加わる太陽電池素子5の割れは抑制される一方で、引張応力が加わる導線6は、引張方向に塑性変形する。その結果、押圧後の太陽電池素子5においては、ハンダ接合後に生じた太陽電池素子5と導線6の熱ひずみの差が平準化され、熱応力が低減されてなる。太陽電池ストリング3を構成する全ての太陽電池素子5に対して加工装置100による押圧を行うことにより、それぞれの太陽電池素子5の反りは抑制され、図1や図3あるいは図4に示すような平坦化された太陽電池ストリング3が得られる。特に、加工装置100を用いて図8に示す態様にて押圧を行った場合には、図3あるいは図4に示した、太陽電池素子5が波形の形状を有する太陽電池ストリング3がより容易かつ確実に形成される。ただし、適宜に押圧条件を定めることでダメージを与えることなく、図1に示す太陽電池ストリング3も形成される。
そして、係る太陽電池ストリング3を、透光性基板1、受光面側充填材2a、非受光面側充填材2b、および裏面保護材4と積層し、これによって得られる積層体を加熱加圧して充填材2を溶融させる工程を経ることで、図1あるいは図4に示す、全体が一体化された太陽電池モジュールXが得られる。すなわち、太陽電池素子5と導線6の接合部のハンダに加わる熱応力が好適に低減されており、特にヒートサイクルにおけるハンダのクリープ変形やそれに伴う接合部の剥離の発生が低減された太陽電池モジュールXが、実現される。
仮に、太陽電池ストリング3aをそのまま充填材2その他と積層する場合、太陽電池素子5の四隅の角部が充填材2に引っ掛かることによって角部に負荷が生じやすい。その結果、充填材2の加熱加圧の際に太陽電池素子におけるクラックの発生や導線6の屈曲を招きやすいため、好ましくない。
また、一体化のための加熱加圧の際に太陽電池ストリング3aを平坦化させようとしても、太陽電池素子5同士が導線6で接続されている一方で、太陽電池素子5が導線6の長手方向に沿って湾曲していることから、太陽電池ストリング3は均等に平坦に伸ばされにくく、太陽電池素子5にクラックが生じやすいため、好ましくない。
これに比べ、本実施の形態に係る製法の場合は、第二の工程によってあらかじめ平坦化された太陽電池ストリング3を用いて太陽電池モジュールXを構成するので、このような製造過程におけるクラックの発生などが好適に抑制される。また、積層・一体化の際の、太陽電池ストリング3の短手方向におけるアライメント精度が維持され、該太陽電池モジュールX内において太陽電池素子5の配置ばらつきが生じることが抑制されるので、太陽電池モジュールXの意匠性が向上する。
なお、図9(a)に示すような、凹部6a(接合部)と凸部6b(非接合部)を設けた導線6を用いる場合、第一の工程で製造された太陽電池ストリング3が第二の工程において押圧されると、図9(b)に示すように変形する。このとき、図9(c)に示すように、導線6に加わる引張応力p1は、凸部6b(非接合部)では屈曲部を伸ばす偶力m(偶力mを足し合わせたものが偶力Mとなる)として作用する。すなわち、凸部6bが偶力mによりひずむことから、長手方向に一様に長尺な導線6が用いられる場合に比べて、凸部6bを有する導線6が用いられる場合の方が、導線6において、より小さな力でより大きな伸びが生じる。つまりは、凸部6bを有する導線6を用いて太陽電池ストリング3を構成する方が、第二の工程において太陽電池ストリング3に加わる曲げ応力がより小さくて済むので、太陽電池素子5に加える負荷が小さくなり、クラックなどの損傷の発生がさらに抑制される。
また、支持部材71および押圧部材72は、太陽電池ストリング3に曲げ応力を加える際に、太陽電池ストリング3の回転や水平方向の移動が容易になるように、フッ素樹脂などの摩擦係数の低い材質を用いて構成することが好ましい。この場合、図8(b)に示すように受光面5bの側から押圧した際に、太陽電池ストリング3の水平方向の見かけの長さが縮小するので、太陽電池ストリング3に生じる引張応力が低減され、結果として、太陽電池素子5におけるクラックの発生が抑制される。
さらに、太陽電池モジュールの製造方法において、前記第二の工程では、前記導線で接合された前記複数の太陽電池素子のうち、一端に位置する太陽電池素子から他端に位置する太陽電池素子まで連続的に前記変形力を作用させることが好ましい。
これにより、図11に示すような応力分布をより平坦化させることができる。
さらに、太陽電池モジュールの製造方法において、前記第二の工程では、前記複数の太陽電池素子のうち一つの太陽電池素子に対する前記変形力は、前記一つの太陽電池素子以外の太陽電池素子が移動可能な状態で、作用されることが好ましい。
これにより、図10、13、14のように、一つの太陽電池素子5が押圧により位置ずれしても、他の太陽電池素子5が移動可能なので導体6や太陽電池素子5に過度な応力がかからないようにすることができる。
さらに、太陽電池モジュールの製造方法において、前記第二の工程においては、前記複数の太陽電池素子の一つの太陽電池素子を2つの支点で支持した状態で、前記一つの太陽電池素子を前記2つの支点の裏側から回転可能な押圧部材にて押圧することが好ましい。
これにより、太陽電池素子5を押圧していくことに伴い作用点が変化するので、この変化する作用点に合わせて押圧部材が追従していくようにできる。
さらに、太陽電池モジュールの製造方法において、前記押圧部材は、前記一つの太陽電池素子のうち前記2つの支点の間の部位を押圧することが好ましい。
これにより、太陽電池ストリング3aにおける各太陽電池素子5は、図11()、()のような平坦な応力分布を示すことができる。
これらの太陽電池モジュールの製造方法としては以下のような製法が挙げられる。
<第2の製法>
次に、本実施の形態に係る太陽電池モジュールXの第2の製法について、図10および図11を参照しつつ説明する。
第2の製法は、第二の工程において、太陽電池ストリング3を構成する個々の太陽電池素子5に対する受光面5b側からの押圧を二箇所に対して行うことによって、太陽電池素子5に対して四点曲げの曲げ応力を加える点で、三点曲げの曲げ応力を加える第1の製法と相違する。
太陽電池素子5の四点曲げには、一対の支持部材71(71a、71b)と、一対の押圧部材72(72a、72b)を備える加工装置200を使用する。一対の押圧部材72a、72bは、昇降装置73に接続された押圧部材保持部72sに、互いに所定の間隔で離間させて設けられてなる。
第2の製法では、第二の工程において、図10(a)に示すように、受光面5bの側が上を向くように、太陽電池ストリング3を構成する太陽電池素子5のうちの1つを支持部材71によって支持した状態で、2つの押圧部材72a、72bによって太陽電池素子5を押圧する。これにより、図10(b)に示すように、太陽電池素子5は、導線6側(裏面5a側)が凸である弓なり状に撓んだ状態に変形される。係る押圧を施した後、太陽電池素子5は、図10(c)に示すように平坦化される。
図11(a)、(b)は、本製法において四点曲げによる押圧を行った場合に太陽電池素子5に加わる曲げモーメントMの線図と導線6に加わる引張応力σtの線図とを示している。また、図11(c)、(d)は、対比のために示す、第1の製法において押圧を行った場合のそれぞれの線図である。なお、いずれの線図も、横軸は、支持部材71aの位置を原点とし、それぞれの部材の符号でその位置を示している。また、引張応力σtの線図である図11(b)、(d)は、引張応力σtが降伏応力σsを超えた部分で、導線6に塑性ひずみが生じることを示している。
図11(d)に示すように、三点曲げの場合、引っ張り応力σtは、押圧部材72による押圧位置で極大となるのみであるが、図11(b)に示すように、四点曲げの場合、導線6に生じる引張応力σtは、押圧部材72aと押圧部材72bの間で略一定の区間を有する。すなわち、四点曲げでは、導線6に略一定の塑性ひずみを生じせしめることができる。これにより、三点曲げの場合に比べ、応力集中を低減することができるとともに、広範囲で略均一に反りを戻すことができる。
なお、図10に示すように、支持部材71および押圧部材72a、72bとして、回動可能なローラーを用いてもよい。支持部材71および押圧部材72a、72bが回動可能であることにより、押圧部材72a、72bからの押圧力が大きくなり太陽電池ストリング3と支持部材71や押圧部材72a、72bとの間の摩擦力が大きくなっても、太陽電池ストリング3が撓みに伴って容易に移動することができる。このような構成によれば、押圧に伴って太陽電池素子5に引張応力が過度に加わることが低減されるので、クラックの発生が抑制される。また、図10(d)に示すように、支持部材71の導線6と相対する部分に、支持部材71と導線6との干渉を避けるための溝部71cが設けられていてもよい。支持部材71が溝部71cを備える場合、押圧部材72a、72bによって太陽電池素子5に押圧力が加えられたとしても導線6と支持部材71とが接触しないので、太陽電池素子5の導線6との接合部近傍への荷重の集中が低減される。
太陽電池ストリング3を構成する全ての太陽電池素子5に対して加工装置200による押圧を行うことにより、第2の製法においても、太陽電池素子5の反りは抑制され、平坦化された太陽電池ストリング3が得られる。なお、図10(c)においては図1と同様に太陽電池素子5が図面視水平方向に完全に平坦となる場合を例示しているが、加工装置200を用いて図10に示す態様にて押圧を行った場合も、第1の製法と同様、図3あるいは図4に示した、太陽電池素子5が波形の形状を有する太陽電池ストリング3がより容易かつ確実に形成される。
<第3の製法>
次に、本実施の形態に係る太陽電池モジュールXの第3の製法について、図12を参照しつつ説明する。
第3の製法は、第二の工程において、太陽電池ストリング3を構成する全ての太陽電池素子5に対する四点曲げをほぼ同時に行うことにより、全ての太陽電池素子5にほぼ同時に四点曲げの曲げ応力を加える点で、個々の太陽電池素子5に順次に四点曲げの曲げ応力を加える第2の製法と相違する。
第3の製法における四点曲げには、複数の支持部材71(71a、71b)が設けられたプレート74aと、複数の押圧部材72(72a、72b)が設けられたプレート74bとを備える加工装置300を使用する。なお、プレート74bは、図示しない昇降装置において昇降可能とされてなる。加工装置300は、太陽電池ストリング3を構成する個々の太陽電池素子5を1対の支持部材71(71a、71b)がそれぞれ支持し、かつ、プレート74bが下降することにより1対の押圧部材72(72a、72b)がそれぞれの太陽電池素子5を押圧するように構成されてなる。
第3の製法では、第二の工程において、図12(a)に示すように、受光面5bの側が上を向くように太陽電池ストリング3を構成するそれぞれの太陽電池素子5を対応する支持部材71によって支持した状態で、図12(b)に示すように、対応する2つの押圧部材72a、72bによってそれぞれの太陽電池素子5を押圧する。これにより、図12(c)に示すように、全ての太陽電池素子5が導線6側(裏面5a側)が凸である弓なり状に撓んだ状態に変形される。係る押圧を施した後、全ての太陽電池素子5は、図12(d)に示すように平坦化される。
すなわち、第3の製法においても、太陽電池素子5の反りは抑制され、平坦化された太陽電池ストリング3が得られる。なお、図12(d)においては図1と同様に太陽電池素子5が図面視水平方向に完全に平坦となる場合を例示しているが、加工装置300を用いて図12に示す態様にて押圧を行った場合も、第1の製法と同様、図3あるいは図4に示した、太陽電池素子5が波形の形状を有する太陽電池ストリング3がより容易かつ確実に形成される。
加えて、第3の製法の場合、太陽電池ストリング3の全ての太陽電池素子5に一斉に曲げ応力を加えることから、第2の製法よりもタクトタイムが短縮される。
なお、図12に示すように、プレート74aとプレート74bの間隔を規定するスペーサー75がプレート74aに設けられていてもよい。係るスペーサー75が設けられている場合、押圧部材72の押下範囲がスペーサー75によって制限されるため、太陽電池素子5に加わる押圧力が一定の範囲に制限される。このようにプレート74aにスペーサー75を設ける態様は、押圧力を管理するという観点から好適である。
さらに、第3の製法の場合、図12(c)のように太陽電池ストリング3の個々の太陽電池素子5を撓ませた状態で拘束しつつ、太陽電池ストリング3を摂氏零度以下に冷却することにより、太陽電池ストリング3に熱応力を加えてもよい。このとき、太陽電池素子5よりも熱膨張率係数が大きい導線6には、この熱応力が引張応力として作用する。押圧部材72によって機械的に与える引張応力のみならず係る熱応力も引張応力として作用するので、導線6には、機械的に引っ張り応力を与える場合よりもさらに大きな塑性ひずみが生じる。その結果として、太陽電池素子5の反りはより効果的に抑制される。
なお、この冷却によって生じる熱応力は、太陽電池素子5と導線6との接合界面全体で生じるので、応力集中は起こりにくい。
係る冷却を行う態様は、これを行わない場合に比して導線6により大きな伸びを加えることができるので、第一の工程を経た時点における太陽電池素子5と導線6の熱ひずみの差が比較的大きく、太陽電池素子5の反りがより顕著な場合に、その平準化を行ううえで特に効果的である。
<第4の製法>
次に、本実施の形態に係る太陽電池モジュールXの第4の製法について、図13を参照しつつ説明する。
第4の製法は、第一の工程と、第二の工程で太陽電池ストリング3を構成するそれぞれの太陽電池素子5に対する四点曲げを順次に行う点とにおいて第2の製法と共通するが、太陽電池ストリング3を固定したままで、それぞれの太陽電池素子5の四点曲げを、相異なる支持部材71および押圧部材72を用いて行う点で、第2の製法と相違する。
第4の製法における四点曲げには、複数の支持部材71(71a、71b)と、複数の押圧部材72(72a、72b)を備える加工装置400を使用する。加工装置400は、太陽電池ストリング3を構成する個々の太陽電池素子5を1対の支持部材71(71a、71b)がそれぞれ支持し、かつ、1対の押圧部材72a、72bがそれぞれの太陽電池素子5を押圧するように構成されてなる。1対の押圧部材72a、72bは、それぞれが昇降装置73に接続された押圧部材保持部72sに、互いに所定の間隔で離間させて設けられてなる。また、それぞれの昇降装置73は、昇降装置保持部73sによって保持されてなる。
第4の製法では、第二の工程において、まず最初に、図13(a)に示すように、第二の主面5bの側が上を向くように太陽電池ストリング3を構成するそれぞれの太陽電池素子5を対応する支持部材71によって支持した状態で、図13(b)に示すように、最左端の太陽電池素子5(5a)の受光面5bの凸部を押圧部材72によって押圧する。これにより、太陽電池素子5aは、導線6側(第一の主面5a側)が凸である弓なり状に撓んだ状態に変形される。そして、この太陽電池素子5aに対し変形を加えた後、図13(c)に示すように、太陽電池素子5aに隣り合う太陽電池素子5(5b)に対して、これに対応する押圧部材72にて同様に押圧を行う。以降、太陽電池素子5bに隣り合う太陽電池素子5(5c)およびさらにこれに隣り合う太陽電池素子5に対して、順次に押圧を行う。
すなわち、第4の製法においても、太陽電池素子5の反りは抑制され、平坦化された太陽電池ストリング3が得られる。なお、図13(c)においては四点曲げ後の太陽電池素子5が図1と同様に図面視水平方向に完全に平坦となる場合を例示しているが、加工装置400を用いて図13に示す態様にて押圧を行った場合も、第1の製法と同様、図3あるいは図4に示した、太陽電池素子5が波形の形状を有する太陽電池ストリング3がより容易かつ確実に形成される。
上述した第3の製法の場合、太陽電池ストリング3の個々の太陽電池素子5をほぼ同時に押圧するため、太陽電池素子5の撓みに伴う水平方向の見かけ上の伸縮に対応すべく、太陽電池ストリング3全体が滑らかに移動することになるが。太陽電池ストリング3が長尺になるほど、摩擦力が大きくなり、太陽電池ストリング3が移動しにくくなる。このような場合、太陽電池素子5や導線6に対して局部的に不要な応力が加わってしまう場合がある。
これに対し、第4の製法では、太陽電池素子5を順次に押圧するので、個々の太陽電池素子5の押圧時に、これに隣り合う太陽電池素子5が支持部材71上を自由に移動できる。よって、押圧する過程で太陽電池素子5の水平方向の見かけの長さが変化したとしても、太陽電池素子5と太陽電池素子5とを接続する導線6における圧縮応力や引張応力の発生は抑制されるので、太陽電池素子5におけるクラックの発生や、導線6の接合部の剥離が低減される。
なお、図13に示した加工装置400においては、それぞれの太陽電池素子5の上に対応させて押圧部材72が設けられているが、係る態様は必須ではなく、太陽電池ストリング3を固定した状態で一つの押圧部材72を水平方向に移動させることによって、各太陽電池素子5を順次に押圧して曲げ応力を加えるように、加工装置400が構成されていてもよい。
<第5の製法>
次に、本実施の形態に係る太陽電池モジュールXの第5の製法について、図14を参照しつつ説明する。
第5の製法は、第一の工程と、第二の工程で相異なる支持部材71および押圧部材72を用いてそれぞれの太陽電池素子5の四点曲げを行う点とにおいて、第4の製法と共通するが、それぞれの太陽電池素子5の四点曲げを同時に行う点、および、太陽電池素子5を支持および押圧した状態で移動可能である支持部材71および押圧部材72を用いる点で、第4の製法と相違する。
第5の製法における四点曲げには、加工装置400と同様に、複数の支持部材71(71a、71b)と、複数の押圧部材72(72a、72b)を備え、太陽電池ストリング3を構成する個々の太陽電池素子5を1対の支持部材71(71a、71b)がそれぞれ支持し、かつ、1対の押圧部材72a、72bがそれぞれの太陽電池素子5を押圧するように構成されてなる加工装置500を使用する。ただし、加工装置500においては、太陽電池ストリング3のうち最左端の太陽電池素子5を支持する支持部材71と、同じく最左端の太陽電池素子5を押圧する押圧部材72を、押圧部材保持部72sを介して昇降させる昇降装置73(73a)とは、水平方向について固定的に設けられているが、他の太陽電池素子5を支持する支持部材71は水平方向に移動自在な可動部71sに設けられ、かつ、当該他の太陽電池素子5を押圧する押圧部材72を昇降させる昇降装置73(73b)も、水平方向に移動自在に設けられてなる。
第5の製法では、第二の工程において、まず最初に、図14(a)に示すように、受光面5bの側が上を向くように太陽電池ストリング3を構成するそれぞれの太陽電池素子5を対応する支持部材71によって支持した状態で、図14(b)に示すように、それぞれの太陽電池素子5の受光面5bの凸部を押圧部材72によって押圧する。このとき、太陽電池ストリング3がいったん平坦になるため、太陽電池ストリング3は見かけ上、水平方向に伸長する。すると、これに応じて支持部材71の可動部71sと昇降装置73bとが移動することで、最左端以外の支持部材71と押圧部材72とが、太陽電池素子5に4点曲げの変形を加えつつ、係る太陽電池ストリング3の伸長に追随する態様にて移動する。すなわち、これら支持部材71と押圧部材72とは、太陽電池素子5の間隔が大きくなる方向に移動する。これにより、太陽電池ストリング3の伸長に伴って太陽電池素子5や導線6に過度な圧縮応力が加わることが抑制される。
その後、それぞれの太陽電池素子5aは、図14(c)に示すように、導線6側(裏面5a側)が凸である弓なり状に撓んだ状態に変形される。その際には、太陽電池ストリング3は見かけ上、水平方向に収縮するので、今度は逆に、最左端以外の支持部材71と押圧部材72とが、係る太陽電池ストリング3の収縮に追随する態様にて移動する。すなわち、これら支持部材71と押圧部材72とは、太陽電池素子5の間隔が小さくなる方向に移動する。この場合、太陽電池ストリング3の収縮に伴って太陽電池素子5や導線6に過度な圧縮応力が加わることが抑制される。
第5の製法においても、太陽電池素子5の反りは抑制され、平坦化された太陽電池ストリング3が得られる。なお、図14(d)においては図1と同様に太陽電池素子5が図面視水平方向に完全に平坦となる場合を例示しているが、加工装置500を用いて図14に示す態様にて押圧を行った場合も、第1の製法と同様、図3あるいは図4に示した、太陽電池素子5が波形の形状を有する太陽電池ストリング3がより容易かつ確実に形成される。
また、第5の製法によれば、太陽電池素子5や導線6に生じる圧縮応力および引張応力を低減させることができるので、太陽電池素子5と導線6との接合部の剥離を抑制しつつ、太陽電池ストリング3の個々の太陽電池素子5を効率良く押圧することができる。それゆえ、第5の製法によれば、太陽電池モジュールの歩留まりを高めつつ、タクトタイムを短縮して製造効率を向上することができる。
<太陽電池モジュールにおける太陽電池素子の形状の検証方法>
本発明の実施形態に係る太陽電池モジュールXにおいて、太陽電池ストリング3のそれぞれの太陽電池素子5がその配列方向に沿って波形の湾曲形状(curvature)を有していることは、実際の製品を分解して検証することができる。例えば、以下に示す方法によって、太陽電池モジュールXの充填材2を溶解し、太陽電池ストリング3を取り出すことにより、検証することができる。
まず裏面保護材4へ切り込みを入れる。切り込み加工は、カッターや円盤型カッター、レーザーカッター等を用い手作業によって行ってもよいが、より好ましくは、円盤型カッターや円盤型砥石、レーザーカッターの自動機を用いて行う。これにより、有機溶剤の浸透を早め、太陽電池ストリング3の回収時間を短縮することができる。
そして、太陽電池モジュールX全体を少なくとも水平状態で投入可能な寸法の槽内に、充填材2を分解させる有機溶剤を満たしたうえで、該槽内に太陽電池モジュールXを浸漬させる。有機溶剤としては、d−リモネンやキシレン、トルエンなどを用いることができる。有機溶剤は常温であってもよいが、80℃〜100℃に加温することにより、充填材2の溶解を早めて分解時間を短縮することができる。有機溶剤が常温の場合は太陽電池モジュールXを約24時間浸漬することで、有機溶剤を80℃〜100℃に加温した場合は約1〜2時間浸漬すれば、充填材2が溶解するので、太陽電池ストリング3を取り出すことができる。
このようにして取り出した太陽電池ストリング3の形状は、例えばレーザーを用いて三次元曲面の形状を計測する装置により、測定することができる。それ以外に、太陽電池ストリング3を定盤の上に置き、定盤からの浮き上がりをノギスで測定してプロットすることにより、形状を測定してもよい。これらの手法により、太陽電池ストリング3の形状が特定され、太陽電池素子5が、上述の実施形態にて示した波形の形状を有することが確認される。
あるいは、光学顕微鏡などの光学的観察装置を用い、太陽電池モジュールXの外部から、太陽電池素子5の受光面5bの複数個所において観察光の焦点を合わせ、それぞれの箇所における焦点深度を測定し、その空間的な変化をプロットすることで、太陽電池素子5および太陽電池ストリング3の反り形状を特定することもできる。
<変形例>
(両面コンタクトの場合)
上述の実施の形態においては、バックコンタクト型の太陽電池素子が用いられる場合を対象に説明をしているが、本発明は、導線を接合した後に太陽電池素子が受光面側である第二の主面の側に凸となるのであれば、両面コンタクト型の太陽電池モジュールの場合にもその作用効果を奏する。具体的には、両面コンタクト型の太陽電池モジュールであって、太陽電池素子の第二の主面における部材の接合面積よりも第一の主面における部材の接合面積が大きい場合がこれに該当する。
係る両面コンタクト型の太陽電池モジュールの場合も、太陽電池素子を図1ないし図4のように平坦化してなる太陽電池ストリングを用いることで、上述の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。また、係る太陽電池ストリングの形成は、上述の各製法を用いることで同様に実現される。
(製法の第一変形例)
上述の各実施形態においては、太陽電池モジュールXの製造方法の第二の工程において、太陽電池ストリング3を構成する個々の太陽電池素子5に対して個別に変形を加えているが、これに代わり、太陽電池ストリング3全体に変形を加えるようにしても、太陽電池ストリング3の平坦化は可能である。第一変形例では、係る態様を、図15を参照しつつ説明する。
本変形例では、一対の支持部材71(71a、71b)と、昇降装置73に接続された押圧部材保持部72sに、互いに所定の間隔で離間させて設けられた、一対の押圧部材72(72a、72b)と、太陽電池ストリング3を挟持する一対のプレート76(76a、76b)とを備える加工装置600を使用する。
プレート76としては、例えば、アルミニウム板を用いることが出来る。また、ステンレス鋼やバネ鋼鋼材、りん青銅等は、弾性域が広く、繰り返し曲げ変形を加えても疲労を生じにくいという観点から、プレート74の材料として好適である。
本変形例では、図15(a)に示すように、一対のプレート76で挟持した太陽電池ストリング3を、受光面5bの側が上を向くように支持部材71にて支持した状態で、図15(b)に示すように、2つの押圧部材72a、72bによって太陽電池ストリング3を押圧する。これにより、太陽電池ストリング3は平坦化される。
本変形例の場合、太陽電池ストリング3全体を一対のプレート76で挟持したうえで押圧を行うので、太陽電池素子5において応力集中が生じにくいので、曲げ応力を加えた際のクラックの発生が低減される。また、太陽電池ストリング3全体に対して一度に曲げ応力を加えるので、個々の太陽電池素子5を押圧する製法に比べて、作業性が優れている。
加えて、図15(b)に示すように、押圧部材72aと押圧部材72bの間に太陽電池ストリング3を配置して四点曲げを行った場合、太陽電池ストリング3全体に略一定の曲げ応力が加わるので、全ての導線6に略一定の曲げ応力を加えて塑性ひずみを与えることができる。これにより、太陽電池ストリング3の全体において略均一に反りが低減されて平坦化される。すなわち、本変形例によれば、導線6に局部的に偏った塑性ひずみが与えられることが抑制され、太陽電池素子5にかかる負荷が低減される。結果として、図1に示す形状の太陽電池ストリング3が好適に得られる。
(製法の第二変形例)
また、太陽電池モジュールXの製造方法の第二の工程において、太陽電池ストリング3に曲げ応力を加えて平坦化させる態様は、上述の実施の形態に限られるものではない。第二変形例では、図16を参照しつつ、上述の各実施の形態とは異なる平坦化の手法について説明する。
本変形例では、図16(a)に示すように、支持ローラー77(77a、77b)と押圧ローラー78とを備える加工装置700を用いて、太陽電池素子5を回転部材で押圧することにより、太陽電池ストリング3を平坦化させる。
すなわち、図16(a)に示すように、第二の主面5bの側が上を向くようにした太陽電池ストリング3を、回転する支持ローラー77によって下方から支持しつつ搬送するとともに、上方に備わり、同じく回転する押圧ローラー78によって該太陽電池ストリング3を押圧する。すると、図16(a)、(b)、(c)に順次に示すように、太陽電池ストリング3は、三点曲げの曲げ応力を加えられつつ搬送される。このとき、図16(d)に示すように、太陽電池ストリング3の移動と共に、導線6に加わる引張応力が極大となる位置も移動するので、太陽電池ストリング3の広範囲において略一定の塑性ひずみが導線6に与えられることになる。その結果、太陽電池素子5に生じた反りは、広範囲において均一に低減される。すなわち、太陽電池素子5に与える負荷を小さく保ちつつ、太陽電池ストリング3を広範囲に均一に平坦化することが出来る。
本変形例の場合、支持ローラー77と押圧ローラー78の間で搬送しながら太陽電池ストリング3に曲げ応力を加えているため、静止状態で曲げ応力を加える上述の各実施形態とは異なり、太陽電池ストリング3の長手方向の位置合わせが不要である。また、次に加工する太陽電池ストリング3を供給しやすいので、線状に生産工程を配置した製造ラインに適している。
なお、ウレタンゴムやEPDMなどからなる軟質のシート状部材で太陽電池ストリング3を挟持した状態で、加工装置700による変形加工を施すようにすることで、太陽電池素子5および導線6に加わる機械的衝撃を低減することができる。

Claims (17)

  1. それぞれが受光面と前記受光面の裏側に位置する裏面とを有する複数の太陽電池素子と、
    1の太陽電池素子と隣り合う太陽電池素子とを接続するとともに、1の太陽電池素子の1の面に接続される接続部を有する複数の導線と、を備える太陽電池モジュールであって、
    前記複数の太陽電池素子のうち隣り合う2つの太陽電池素子どうしは、それぞれの前記裏面が前記複数の導線によって電気的に接続されてなり、
    前記接続部の長手方向において、前記複数の太陽電池素子の少なくとも一つは、前記裏面側に突出した第1の突出部の両側に前記受光面側に突出した第2の突出部を有する波形をなしており、
    前記複数の導線の少なくとも1つが前記接続部の長手方向において前記複数の太陽電池素子の少なくとも1つの波形に対応する波形をなしている、太陽電池モジュール。
  2. 前記複数の導線は、少なくとも一つの第1導線と、前記各太陽電池素子に対して前記少なくとも一つの第1導線とは反対の極性を呈する少なくとも一つの第2導線とを有する、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記少なくとも一つの第1導線及び前記少なくとも一つの第2導線は互いに平行である、請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記少なくとも一つの第1導線及び前記少なくとも一つの第2導線の少なくとも一方は、前記各太陽電池素子の前記裏面に断続的に接続されている、請求項2又は3に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記少なくとも一つの第1導線及び前記少なくとも一つの第2導線の少なくとも一方は、前記各太陽電池素子の前記裏面と接続する接続部と接続しない非接続部とを有し、前記接続部と前記非接続部とが成す角度は90度より大きい、請求項2乃至4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記少なくとも一つの第1導線及び前記少なくとも一つの第2導線の少なくとも一方は、クラッド銅箔である、請求項2乃至5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記各太陽電池素子は矩形状であり、且つ、前記複数の導線は前記各太陽電池素子の一つの辺に平行である、請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記導線は複数の第1導線を有し、且つ、前記複数の第1導線は互いに平行である、請求項1乃至7のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  9. 前記導線は複数の第2導線を有し、且つ、前記複数の第2導線は前記複数の第1導線と平行である、請求項8に記載の太陽電池モジュール。
  10. 前記少なくとも一つの第1導線と前記少なくとも一つの第2導線とは交互に位置する、請求項2乃至9のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  11. 請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、
    それぞれが受光面と前記受光面の裏側に位置する裏面とを有する複数の太陽電池素子について、隣り合う2つの太陽電池素子どうしを導線によって電気的に接続する第一の工程と、
    前記複数の太陽電池素子のそれぞれに対して変形力を作用させることによって、その一部領域を前記導線側に突出させる第二の工程と、
    を備える太陽電池モジュールの製造方法。
  12. 前記変形力は、前記各太陽電池素子を押圧する押圧力である、請求項11に記載の太陽電池モジュールの製造方法
  13. 前記導線がその長手方向に沿って凸部と凹部とを交互に有し、
    前記凹部を前記各太陽電池素子に対して接合する、請求項11または請求項12に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  14. 前記第二の工程においては、前記導線で接合された前記複数の太陽電池素子のうち、一端に位置する太陽電池素子から他端に位置する太陽電池素子まで連続的に前記変形力を作用させる、請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  15. 前記第二の工程において、前記複数の太陽電池素子のうち一つの太陽電池素子に対する前記変形力は、前記一つの太陽電池素子以外の太陽電池素子が移動可能な状態で、作用される、請求項11ないし請求項14のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  16. 前記第二の工程においては、前記複数の太陽電池素子の一つの太陽電池素子を2つの支点で支持した状態で、前記一つの太陽電池素子を前記2つの支点の裏側から回転可能な押圧部材にて押圧する、請求項11ないし請求項15のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  17. 前記押圧部材は、前記一つの太陽電池素子のうち前記2つの支点の間の部位を押圧する、請求項16に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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