JP5306036B2 - 不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
この種の不揮発性半導体記憶装置は、種々の用途に応じて開発が進められている。例えば、一つのメモリチップ上に高速な書込みや読出しに適した2値(SLC)記憶領域と、単一メモリセル当りのデータ保存量を高めた多値(MLC)記憶領域とが設けられる場合がある。この例となる技術思想が特許文献1に開示されている。
この特許文献1記載の技術思想によれば、同一基板上に、単一ビット動作モード用セルアレイ領域、多重ビット動作モード用セルアレイ領域、並びに、単一ビット動作モード用ページバッファ回路、多重ビット動作モード用ページバッファ回路を設けている。これにより、1つのチップ内で多重ビット動作と単一ビット動作を同時あるいは選択的に可能としている。
このように、メモリセルアレイ内の各セルアレイ領域の使用方法は、不揮発性半導体記憶装置の用途等に応じて様々に変化する。しかしながら、メモリセルアレイ内の各セルアレイ領域のメモリセルデバイス構造を均一化して構成すると、各セルアレイ領域の使用に適さない場合を生じてしまう。
特開平10−106279号公報
本発明は、メモリセルアレイ内の各セルアレイ領域の使用方法を異なるように設定したとしても、各セルアレイ領域内のメモリセルの諸特性を使用方法の要求に応じて適するものにできる不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、第1メモリセルトランジスタが配置された第1セルアレイ領域および第2メモリセルトランジスタが配置された第2セルアレイ領域を有する半導体基板と、前記第1セルアレイ領域の前記半導体基板の表面に帯状に形成された複数の第1素子絶縁膜と、前記第2セルアレイ領域の前記半導体基板の表面に帯状に形成された複数の第2素子分離絶縁膜と、前記第1セルアレイ領域の前記半導体基板上に、前記第1素子分離絶縁膜により区画されて形成された第1メモリセルトランジスタの第1ゲート電極であって、前記第1素子分離絶縁膜により区画された第1活性領域上に形成された第1ゲート絶縁膜と、この第1ゲート絶縁膜上に形成された第1電荷蓄積層と、この第1電荷蓄積層上に形成された第1電極間絶縁膜と、この第1電極間絶縁膜上に形成された第1制御電極とを有する第1ゲート電極と、前記第2セルアレイ領域の前記半導体基板上に前記第2素子分離絶縁膜により区画されて形成された第2メモリセルトランジスタの第2ゲート電極であって、前記第2素子分離絶縁膜により区画された第2活性領域上に形成された第2ゲート絶縁膜と、この第2ゲート絶縁膜上に形成された第2電荷蓄積層と、この第2電荷蓄積層上に形成された第2電極間絶縁膜と、この第2電極間絶縁膜上に形成された第2制御電極とを有する第2ゲート電極とを備え、前記半導体基板表面からの前記第1素子分離絶縁膜の高さは前記第1電荷蓄積層の高さより低く、かつ前記第2素子分離絶縁膜の高さより高い不揮発性半導体記憶装置を特徴としている。
本発明の一態様は、第1セルアレイ領域、第2セルアレイ領域の各領域の半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記各領域のゲート絶縁膜上に電荷蓄積層を形成する工程と、前記各領域の電荷蓄積層、前記ゲート絶縁膜および前記半導体基板に素子分離溝を形成する工程と、前記各領域の素子分離溝内に素子分離絶縁膜を形成する工程と、前記第1セルアレイ領域内の素子分離絶縁膜の上面が前記第2セルアレイ領域内の素子分離絶縁膜の上面よりも高くなるように前記素子分離絶縁膜の上部をエッチング処理する工程と、前記電荷蓄積層および前記素子分離絶縁膜の上に電極間絶縁膜を形成する工程と、前記電極間絶縁膜の上に制御電極を形成する工程とを備えた不揮発性半導体記憶装置の製造方法を特徴としている。
本発明の一態様によれば、メモリセルアレイ内の各セルアレイ領域の使用方法を異なるように設定したとしても、各セルアレイ領域内のメモリセルの諸特性を使用方法の要求に応じて適するものにできる。
本発明の第1の実施形態について電気的構成を概略的に示すブロック図 メモリセルアレイの一部を示す電気的構成図 メモリセルアレイの構造を示す平面図 (a)は図3の4A−4A線に沿って示す模式的縦断面図、(b)は図3の4B−4B線に沿って示す模式的縦断面図 図3の5−5線に沿って示す模式的縦断面図 素子分離絶縁膜の上面高さに応じた書換可能回数の特性図 書込み動作の一例を概略的に示すフローチャート 書込み動作の流れを概略的に示す説明図 比較例を示す図8(a)相当図 図3の4A−4A線、4B−4B線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その1) 図3の4A−4A線、4B−4B線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その2) 図3の4A−4A線、4B−4B線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その3) 図3の4A−4A線、4B−4B線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その4) マスク被覆領域を示す模式的平面図(その1) 図3の4A−4A線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その5) マスク被覆領域を模式的に示す平面図(その2) (a)は図3の4A−4A線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その6)、(b)は図3の4B−4B線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その5) (a)は図3の4A−4A線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その7)、(b)は図3の4B−4B線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その6) (a)は図3の4A−4A線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その8)、(b)は図3の4B−4B線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図(その7) 図3の5−5線に沿って切断した一製造段階の模式的縦断面図 本発明の第2の実施形態について、ダミーセルアレイ領域の説明および一製造段階におけるマスク被覆領域を示す模式的平面図
(第1の実施形態)
以下、NAND型フラッシュメモリ装置に適用した本発明の第1の実施形態について図1ないし図20を参照しながら説明する。なお、以下に参照する図面内の記載において、同一または類似部分には同一又は類似の符号を付して表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との比率、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる場合もある。
図1は、NAND型フラッシュメモリ装置の電気的構成をブロック図によって概略的に示している。この図1に示すように、フラッシュメモリ装置1は、メモリセル領域Mと周辺回路領域Pとから構成される。メモリセル領域Mには、多数のメモリセルがマトリクス状に配設されたメモリセルアレイArが設けられている。メモリセルアレイArは、第1セルアレイ領域Ar1、第2セルアレイ領域Ar2のY方向に2つに区分されている。2つのセルアレイ領域Ar1、Ar2の境界Z1はX方向に沿って設けられている。
詳しくは後述するが、セルアレイ領域Ar1は、単一メモリセル当り1ビット記憶するバッファメモリ領域として構成されており、セルアレイ領域Ar2は、単一メモリセル当り2ビット以上を記憶する多値記憶領域として構成されている。
周辺回路領域Pには、メモリセルアレイAr(Ar1、Ar2)の各メモリセルからデータ読出し/各メモリセルへのデータ書込み/各メモリセルのデータ消去を行うための制御回路CC、ロウ駆動回路RD、カラム駆動回路CD、センスアンプSAなどの周辺回路が設けられている。尚、メモリセルアレイAr(Ar1、Ar2)はメモリセル領域M内に構成され、周辺回路は周辺回路領域P内に構成される。
次に、メモリセルアレイの概略構成について図2および図3を用いて説明する。図2は、主にメモリセルアレイ内の電気的構成を概略的に示している。
図2に示すように、メモリセル領域M内のメモリセルアレイArは、多数のセルユニットUC(NAND型セルユニット構造に相当)がマトリクス状に配設されることにより構成されている。2つのセルアレイ領域Ar1、Ar2は、互いに同一の電気的構成を有する多数のセルユニットUCをマトリクス状に配設して構成されているが、後述するようにその中のメモリセル特性がセルアレイ領域Ar1、Ar2毎に異なっている。
セルユニットUC(UC…UCn+1)は、ビット線BL(BL…BLn+1)側にそれぞれ接続された選択ゲートトランジスタSTDと、ソース線CSL側に接続された選択ゲートトランジスタSTSと、当該2個(複数)の選択ゲートトランジスタSTS−STD間に複数個(例えばm=2のk乗、例えば32個)直列接続されたメモリセルトランジスタMT(MT…MTm−1)(メモリセルに相当)とからなる。
以下の説明では、必要に応じて、「セルユニット」を称する場合には符号「UC」、「ビット線」を称する場合には符号「BL」、「ソース線」を称する場合には符号「CSL」、「メモリセルトランジスタ」を称する場合には符号「MT」を付して説明を行う。
セルユニットUCは、その選択ゲートトランジスタSTD、STS、メモリセルトランジスタMTがY方向(列方向、チャネル長方向、ビット線方向)に並んで構成されている。セルユニットUCがX方向(行方向、チャネル幅方向、ワード線方向)にn+2列並列に配列されることによりX方向に沿って1つのブロックBが構成されている。メモリセルアレイArは、1つのブロックBがY方向に複数配列されることによりz行のブロックB〜B、Bj+1〜Bが構成されている。尚、以下の説明で「ブロック」を称するときには、必要に応じて符号「B」を付して説明を行う。
X方向に配列された複数のセルユニットUC(UC…UCn+1)の選択ゲートトランジスタSTDは、1本の選択ゲート線SGLD(SGLD)により電気的に接続されている。この選択ゲート線SGLD(SGLD)は、1ブロックB(B)毎に設けられており、全ブロックB(B〜B)合わせてz本設けられている。
X方向に配列された複数のセルユニットUC(UC…UCn+1)の選択ゲートトランジスタSTSは、1本の選択ゲート線SGLS(SGLS)により電気的に接続されている。この選択ゲート線SGLS(SGLS)も、1ブロックB(B)毎に設けられており、全ブロックB(B〜B)合わせてz本設けられている。尚、以下の説明で「選択ゲート線」を称するときには、必要に応じて符号「SGLD」「SGLS」をそれぞれ付して説明を行う。
メモリセルトランジスタMT(MT〜MTm−1)はそれぞれ同一番号でX方向に配列されており、それぞれ、同一番号のワード線WL(WL〜WLm−1)によって電気的に接続されている。
図1に示すセンスアンプSAは、図2に示すビット線BL(BL〜BLn+1)に接続されており、データの読出時に当該データを一時的に保存するラッチ回路を接続して構成されている。
図3は、メモリセルアレイの平面図を模式的に示している。
図3に示すように、素子分離領域SRがX方向に離間して複数設けられており、それぞれY方向に沿って形成されている。複数の素子分離領域SR間にはアクティブエリア(活性領域)AAが形成されている。したがってアクティブエリアAAはY方向に沿って形成されている。セルユニットUCは1つのアクティブエリアAAに沿って構成されている。選択ゲート線SGLD、ワード線WL、選択ゲート線SGLSは互いにY方向に離間して形成されており、それぞれX方向に延伸している。
選択ゲート線SGLDと交差するアクティブエリアAA上には、選択ゲートトランジスタSTDの選択ゲート電極SGDが構成されている。この選択ゲート電極SGDは、X方向に離間して並設されており選択ゲート線SGLDによってX方向に連結されている。
選択ゲートトランジスタSTDはそのドレイン領域にビット線コンタクトCBが接続されている。このビット線コンタクトCBはX方向に離間したアクティブエリアAA上にそれぞれ形成されており、それぞれビット線BL(図2参照)に接続されている。
選択ゲート線SGLSと交差するアクティブエリアAA上には、選択ゲートトランジスタSTSの選択ゲート電極SGSが構成されている。この選択ゲート電極SGSは、X方向に離間して並設されており選択ゲート線SGLSによりX方向に連結されている。
選択ゲートトランジスタSTSはそのソース領域にソース線コンタクトCSが形成されている。ソース線コンタクトCSはX方向に離間したアクティブエリアAA上にそれぞれ形成されており、これらのソース線コンタクトCSは1本のソース線CSL(図2参照)で共通接続されている。
ワード線WLと交差するアクティブエリアAA上には、メモリセルトランジスタMTのゲート電極MGが構成されている。このゲート電極MGは、X方向に離間して並設されておりワード線WLによってX方向に連結されている。
次に、ワード線の延伸方向に沿う断面構造について図4を参照して説明する。図4(a)は、セルアレイ領域Ar1内のワード線の延伸方向(X方向)に沿って示す断面構造(図3中の4A−4A線に沿って示す縦断面図)を模式的に示しており、図4(b)は、セルアレイ領域Ar2内のワード線の延伸方向(X方向)に沿って示す断面構造(図3中のIVB−IVB線に沿って示す縦断面図)を模式的に示している。
これらの図4(a)および図4(b)に示すように、半導体基板(例えばp型のシリコン基板)2の表層にはnウェル2aが形成されており、このnウェル2aのさらに表層にはpウェル2bが形成されている。
pウェル2bの上部には、複数の素子分離溝3が形成され該素子分離溝3内にはそれぞれ素子分離絶縁膜4が形成されている。これによりSTI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離領域SRが構成されている。この素子分離領域SRはX方向に所定間隔で複数形成されており、これによりアクティブエリアAAがX方向に分離されている。
セルアレイ領域Ar1、Ar2の両領域において、素子分離溝3により分離された半導体基板2(アクティブエリアAA)の上面上にはゲート絶縁膜5が形成されている。このゲート絶縁膜5は、例えばシリコン酸化膜により形成されている。
アクティブエリアAAは、図4(a)および図4(b)に示すセルアレイ領域Ar1およびAr2内において、そのX方向幅が互いに同一幅で形成されている。ゲート絶縁膜5の上面上には多結晶シリコン層6が構成されている。多結晶シリコン層6は浮遊ゲート電極FG(電荷蓄積層に相当)として機能する。素子分離絶縁膜4は半導体基板2の表面より上方に突出して形成されている。
素子分離絶縁膜4は、例えばシリコン酸化膜により形成されており、多結晶シリコン層6の下部側面およびゲート絶縁膜5の側面に接触して構成されている。ここで、素子分離絶縁膜4は、図4(a)および図4(b)に示すセルアレイ領域Ar1およびAr2内において、そのX方向幅が互いに同一幅で形成されているものの、その上面位置が変わっている。
図4(a)および図4(b)に示すセルアレイ領域Ar1、Ar2内の素子分離絶縁膜4は、それらの上面4a、4bがそれぞれ下側に湾曲状(U字形状)に形成されており、この点では双方共に同様の構造となっている。
しかし、セルアレイ領域Ar2内の素子分離絶縁膜4の上面4bは、半導体基板2の上面付近に位置して形成されており、セルアレイ領域Ar2内の素子分離絶縁膜4の上面4aよりも一様に低く形成されている。素子分離絶縁膜4の上面4a、4bの下端部の位置を比較すると、半導体基板2の上面からの上面4aの下端部4aaの位置が、半導体基板2の上面からの上面4bの下端部4baの位置よりも高い。
また、セルアレイ領域Ar1内において、素子分離絶縁膜4が多結晶シリコン層6と接触する接触面の最上端高さをH1とし、セルアレイ領域Ar2内において素子分離絶縁膜4が多結晶シリコン層6と接触する接触面の最上端高さをH2とすると、高さH1は高さH2より高い。これは、セルアレイ領域Ar1内とセルアレイ領域Ar2内では、メモリセルトランジスタMTの各特性を変更しているためである。
多結晶シリコン層6の上面上および上部側面上並びに素子分離絶縁膜4の上面4a、4b上に沿ってゲート間絶縁膜7が形成されている。このゲート間絶縁膜7は、例えばONO(Oxide-Nitride-Oxide)膜により構成される。
このゲート間絶縁膜7の上にはワード線WLが形成されている。このワード線WLは、個々のメモリセルゲート電極MGの制御ゲート電極CGを連結している。このワード線WLは、複数のアクティブエリアAA、複数の素子分離領域SRの上方をX方向に渡って形成されていると共に、X方向に並設された浮遊ゲート電極FGの上方を渡って形成されている。
ワード線WLは、多結晶シリコン層の上部をタングステン(W)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)などの何れかの金属によってシリサイド化したシリサイド層を積層した導電層8によって構成されている。メモリセルトランジスタMTのゲート電極MGは、多結晶シリコン層6、ゲート間絶縁膜7、制御ゲート電極CGを積層したスタックゲート構造により構成されている。
尚、第1セルアレイ領域Ar1内においては、素子分離溝3を第1溝部31、素子分離絶縁膜4を第1素子分離絶縁膜41、ゲート絶縁膜5を第1ゲート絶縁膜51、多結晶シリコン層6を第1電荷蓄積層61、ゲート間絶縁膜7を第1電極間絶縁膜71、導電層8を第1制御電極81として対応付けて示している。
また、第2セルアレイ領域Ar2内においては、素子分離溝3を第2溝部32、素子分離絶縁膜4を第2素子分離絶縁膜42、ゲート絶縁膜5を第2ゲート絶縁膜52、多結晶シリコン層6を第2電荷蓄積層62、ゲート間絶縁膜7を第2電極間絶縁膜72、導電層8を第2制御電極82として対応付けて示している。
次に、アクティブエリアAAの延伸方向に沿う断面構造について図5を参照して説明する。図5は、アクティブエリアAAの延伸方向(Y方向)に沿って示す断面構造(図3中のV−V線に沿って示す縦断面図)を模式的に示している。
pウェル領域2b上には、ゲート絶縁膜5を介して選択ゲートトランジスタSTDの選択ゲート電極SGDが形成されている。また、この選択ゲート電極SGDの形成領域からY方向に離間して、選択ゲートトランジスタSTSの選択ゲート電極SGSがpウェル領域2b上にゲート絶縁膜5を介して形成されている。選択ゲート電極SGD−SGS間の半導体基板2上には、ゲート絶縁膜5を介して複数のメモリセルトランジスタMTのゲート電極MGがY方向に並設されている。
選択ゲートトランジスタSTDの選択ゲート電極SGD、および、選択ゲートトランジスタSTSの選択ゲート電極SGSは、メモリセルトランジスタMTのゲート電極MGの構造とほぼ同様の構造をなしているが、ゲート間絶縁膜7の平面中央に開口が構成されており、当該開口を介して多結晶シリコン層6および導電層8が構造的に接触した状態で構成されている。
各ゲート電極MG−MG間、ゲート電極MGと選択ゲート電極SGDとの間、ゲート電極MGと選択ゲート電極SGSとの間の半導体基板2の表層には、ソース/ドレイン領域となる不純物拡散層2cが構成されている。
選択ゲート電極SGS−SGS間の半導体基板2の表層にはLDD構造の不純物拡散層2cが形成されている。この不純物拡散層2c上にはソース線コンタクトCSが構成されている。このソース線コンタクトCSの上にはローカルソース線などのソース線CSLが構成されている。
図3、図5には図示していないが、ビット線コンタクトCBを挟んでY方向に選択ゲート電極SGD、SGDが対向配置されている。これらの選択ゲート電極SGD−SGD間の半導体基板2の表層にはLDD構造の高濃度の不純物拡散層2cが形成されており、ビット線コンタクトCBはこの不純物拡散層2c上に構成されている。このビット線コンタクトCBの上にはビット線BLがY方向に沿って構成されている。
各ゲート電極MG−MG間、ゲート電極MGと選択ゲート電極SGDとの間、ゲート電極MGと選択ゲート電極SGSとの間には、例えばシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜9が形成されている。この層間絶縁膜9は、ゲート電極MGの上面上、選択ゲート電極SGD、SGSの上面上にも形成されており、当該ゲート電極MG、SGD、SGSと他の電気的構成要素(例えば、ビット線コンタクトCB、ソース線コンタクトCS、ビット線BL、ソース線CSL)との間で電気的絶縁が図られている。
図6は、書込/消去サイクル(すなわち、書換可能回数)の素子分離絶縁膜4の高さ依存性を測定した結果を表わしている。この図6の縦軸は、所定の信頼性評価用の指標を用いて測定した書込/消去サイクルを示し、横軸は素子分離絶縁膜4(STI)の高さを示している。縦軸はログスケールで表すと共に横軸はリニアスケールで表しており、それぞれ相対的な値によって表わしている。
一般に、フラッシュメモリ装置1は、データを書換えるときには、最初にメモリセルトランジスタMTのデータを消去し、続いてメモリセルトランジスタMTにデータを書込むようになっている。これらの消去処理および書込処理が繰り返されることによりメモリセル特性が劣化し、データ書込みに要する時間が延びたりデータ書込み不能に至ったりする場合も想定される。そこで信頼性を保持するため、所定のマージンを見込んで書換可能回数を設定している。
この図6に示すように、素子分離絶縁膜4の上面4a、4bの高さH1、H2が高くなればなるほど、書込/消去サイクル(書換可能回数)は対数的に飛躍的に上昇することが確認されている。
つまり、本実施形態の構造を適用すると、セルアレイ領域Ar1内の素子分離絶縁膜4の上面4aが、セルアレイ領域Ar2内の素子分離絶縁膜4の上面4bよりも一様に高く位置しているため、セルアレイ領域Ar1内のメモリセルトランジスタMTは、セルアレイ領域Ar2内のメモリセルトランジスタMTよりもその書込/消去サイクル性能が高い。
セルアレイ領域Ar1内のメモリセルトランジスタMTは、書込/消去サイクル性能が高いため、書込/消去処理が繰り返し頻繁に行われるバッファメモリ領域として使用すると特に有効に機能する。なぜなら、バッファメモリは、情報を一時的に保存するための領域として使用されており、データを不揮発的に長時間記憶する領域と比較して短期間で頻繁に書換可能であることが要求されるためである。また、本実施形態では、セルアレイ領域Ar1内のメモリセルトランジスタMTの書込み/読出しスピードを向上するため、セルアレイ領域Ar1は特に単一メモリセル当り1ビットの記憶容量を有する領域として用いている。
逆に、セルアレイ領域Ar2では、メモリセルトランジスタMTの書込/消去サイクル性能は比較的低いものの、メモリセルトランジスタMTの個々の特性に着目すると、制御電極CGと浮遊ゲート電極FGとの間の対向面積が広くカップリング比が大きいことがわかる。このため、セルアレイ領域Ar2のメモリセルトランジスタMTは、セルアレイ領域Ar1のメモリセルトランジスタMTに比較して書込み特性が良化する。したがって、セルアレイ領域Ar2は、情報を不揮発的に長期間保存するための多値記憶領域として使用すると特に有効に機能する。
このような理由から、本実施形態では、セルアレイ領域Ar1をバッファメモリ領域として用いており、セルアレイ領域Ar2は単一メモリセル当り2ビット以上の記憶容量を有する多値記憶領域として用いている。尚、書換可能回数は、セルアレイ領域Ar2よりもセルアレイ領域Ar1の方が大きくなる。
本実施形態では、各セルアレイ領域Ar1、Ar2の占有領域の広狭は、これらのセルアレイ領域Ar1、Ar2の書換可能回数比に応じて調整設定されている。具体的には、例えばセルアレイ領域Ar2の占有領域がセルアレイ領域Ar1の占有領域よりも広く構成されている。
設計者は、セルアレイ領域Ar1内にデータを複数(例えば2〜4)回書換えするのに対し、セルアレイ領域Ar2内にデータを1回書換えするという書換形態を予めデバイスの使用方法に応じて設計により求めることができる。
したがって、各セルアレイ領域Ar1、Ar2内のデバイス構造が、当該実効書換回数比に対応した書換可能回数比になるように予め調整されていれば、メモリセルアレイAr全体の書換可能回数を総合的に増大できる。これによりデバイス寿命を長期化(ウェアレベリング)できる。
また、各セルアレイ領域Ar1、Ar2の全メモリ容量の多少が、セルアレイ領域Ar1、Ar2の書換可能回数比に応じて調整されている。具体的には、不揮発性メモリデバイスとして記憶容量を増大させるため、セルアレイ領域Ar2の全メモリ容量がセルアレイ領域Ar1の全メモリ容量よりも多く設定されている。
図7、図8は、1メモリセルアレイAr内におけるバッファメモリ領域と多値記憶領域の使用方法の一例を示している。
セルアレイ領域Ar2(多値記憶領域)内においては、単一のメモリセルトランジスタMTが2ビット記憶する場合には、制御回路CCはメモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGの蓄積電荷量を4段階に調整することで各メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を4分布内の何れかの閾値電圧となるように調整する。
単一メモリセルトランジスタMTが3ビット、4ビット記憶する場合には、制御回路CCはメモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGの蓄積電荷量をそれぞれ8段階、16段階に調整することで、各メモリセルトランジスタMTの閾値電圧Vtをそれぞれ8分布、16分布内の何れかの閾値電圧となるように調整する。
このように、単一メモリセル当りの記憶ビット数が多くなればなるほど、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧Vtの分布数も多くなり、当該隣接する複数分布間のマージン電圧も小さくなる。また、近年の設計ルールの縮小化、微細化の影響に伴い、隣接する複数のメモリセルトランジスタMT間の隣接距離が短くなると、あるメモリセルトランジスタMTの閾値電圧Vtが、隣接するメモリセルトランジスタMTの浮遊ゲートFG内の蓄積電荷量の影響を受けやすくなり、閾値電圧Vtが変動しやすくなる。
そこで本実施形態では、図7および図8に示す流れによって書込処理を行っている。尚、説明を理解しやすくするため、セルアレイ領域Ar2(多値記憶領域)では単一メモリセル当り2ビットを記憶する形態に適用して説明を行う。
図7は、データ書込み時に制御回路が主として行う処理の流れをフローチャートにより示しており、図8は、この流れで書込処理が行われたときの浮遊ゲート電極内の蓄積電荷量の変化を概略的に示している。
例えば、図8に示すセルアレイ領域Ar2内において、3つのメモリセルトランジスタMTにバイナリデータ「&B11」「&B11」「&B10」をそれぞれ書込むことを想定して説明する。尚、図8(a)および図8(b)において、各メモリセルトランジスタMTの構造上には、浮遊ゲート電極FGの電荷蓄積量を4段階(「0」「1」「2」「3」)で示している。
図7に示すように、データ書込時において、制御回路CCは変数jを1とし(ステップS1)、第1セルアレイ領域(バッファメモリ領域)Ar1内の第jブロックにデータを書込む(ステップS2)。ここで書込まれるデータは2値データであり、初期の時点では第2セルアレイ領域(多値記憶領域)Ar2内の所定ブロック(書込対象ブロック)に書込むべき2ビットのうちの高い桁(最初は2桁目)の値を書込んでいる。
つまり、前記したセルアレイ領域Ar2内の3つの多値のメモリセルトランジスタMTについて考慮した場合には、セルアレイ領域Ar1内の2値のメモリセルトランジスタMTには、前記バイナリデータ「&B11」「&B11」「&B10」のうちの2桁目のデータ「&B1」「&B1」「&B1」が書込まれる。
次に、制御回路CCは、変数jをインクリメントし(ステップS3)、この変数jが単一メモリセル当りの多値記憶ビット数(本説明の場合2ビットのため「2」)よりも大きいか否かを判定する(ステップS4)。これは、制御回路CCが第2セルアレイ領域Ar2の所定ブロックBに書込むべき2進数全桁のデータを第1セルアレイ領域Ar1内の複数のブロックBに2進数の桁毎に書き込んだか否かを判定する処理を示している。
制御回路CCは、変数jが単一メモリセル当りの多値記憶ビット数を超える値になっていなければ(S4:NO)、全桁のデータを第1セルアレイ領域Ar1のブロックBに書き込んでいないと判定し、ステップS2に戻り、2進数全桁のデータを第1セルアレイ領域Ar1内の複数のブロックBに全て書込むまで繰り返す。
つまり、本実施形態においては、制御回路CCはステップS2〜S4の処理を2回繰り返すことで、第1セルアレイ領域Ar1の第1ブロックに2進数2桁目のデータを書込み、第1セルアレイ領域Ar1の第2ブロックに2進数1桁目のデータを書込む。その後、制御回路CCは、ステップS4において、変数jが単一メモリセル当りの多値記憶ビット数を超えると(S4:YES)、第1セルアレイ領域Ar1内の複数の各ブロックBへの書込みを終了する。
次に、制御回路CCは変数jを1に戻し(ステップS5)、第1セルアレイ領域Ar1内の第jブロックのデータを読出し、第2セルアレイ領域Ar2内の所定ブロック(書込対象ブロック)に書込む(ステップS6)。
次に、制御回路CCは、変数jをインクリメントし(ステップS7)、変数jが単一メモリセル当りの多値記憶ビット数(本実施形態の場合2ビットのため「2」)よりも大きいか否かを判定し(ステップS8)、変数jが当該ビット数を超える(S8:YES)までステップS6〜S8の処理を繰り返す。
つまり、本実施形態においては、制御回路CCはステップS6〜S8の処理を2回繰り返すことで、第1セルアレイ領域Ar1の第1ブロックBから2進数2桁目のデータを読出して第2セルアレイ領域Ar2の所定の書込対象ブロックBに書込み、次に、第1セルアレイ領域Ar1の第2ブロックBから2進数1桁目のデータを読出して第2セルアレイ領域Ar2の所定の書込対象ブロックBに再度書込むようにしている。
この流れでセルアレイ領域Ar2にデータを書込んだ場合の浮遊ゲート電極FGの電荷蓄積量変化について図8を参照して説明する。
図7に示すステップS6〜S8の処理を1回繰り返した後には、図8(a)に示すように、2進数2桁目のデータ「&B1」「&B1」「&B1」に対応して電荷(電子)がそれぞれ「2」「2」「2」だけ蓄積される。その後、ステップS6〜S8の処理を再度繰り返した後には、図8(b)に示すように、2進数1桁目のデータ「&B1」「&B1」「&B0」に応じて、各メモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGに蓄積される電荷量が増加し、電荷(電子)がそれぞれ「3」「3」「2」だけ蓄積されるようになる。
このようにして、各メモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGには、「3」段階、「3」段階、「2」段階の電荷がそれぞれ蓄積されるようになり、各メモリセルトランジスタMTの閾値電圧Vtもこれらの電荷蓄積量に応じて変化する。これにより、多値データを徐々に書込むことができる。
図9は、図7に示す処理を適用することなく、単一メモリセルトランジスタMT毎にデータ書込みを行う場合において、浮遊ゲート電極FGの電荷蓄積量の変化を比較例として示している。
この図9に示す例は、制御回路CCが、ソース線CSL、ビット線BL、pウェル2bなどの各領域に対し所定電圧をそれぞれ与えることにより、図9中の中央に位置するセルユニットのメモリセルトランジスタMTについて書込選択し、その両脇のセルユニットのメモリセルトランジスタMTについて非書込選択した場合を示している。
制御回路CCが、書込選択されたセルユニットUCのメモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGに対し、データ「&B11」に対応して電荷を「3」段階注入する処理を行い、X方向に隣接した非書込選択メモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGには電荷を注入しない制御を行う。
この場合、隣接した非書込選択メモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGには電荷が注入制御されないものの、電荷が書込選択メモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGから素子分離絶縁膜4またはゲート間絶縁膜7などを通じて隣接する非書込選択メモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGに移動したり、当該浮遊ゲート電極FG下のゲート絶縁膜5周辺に移動したりすることで固定電荷として留まってしまう場合がある。
このように、ある書込選択メモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGのみに書込み処理が行われると、その周辺(X方向、Y方向の何れの方向)の非書込選択メモリセルトランジスタMTが影響を受ける。近年の設計ルールの縮小化および微細化が顕著な場合にはこの影響を受けやすい。
本実施形態では、第1セルアレイ領域Ar1をバッファメモリ領域として使用し、当該バッファメモリ領域の複数の各ブロックBに対して2進数の桁毎にデータを記憶させてから、当該データを2進数の例えば高い桁から低い桁にかけて桁毎に順に読出して第2セルアレイ領域Ar2の所定の書込対象ブロックBに順に繰り返し書込んでいる。このため、隣接メモリセルトランジスタMT−MT間の干渉作用を受け難くすることができ、極力干渉作用を受けることなくデータを書込むことができる。
尚、単一メモリセルの記憶容量が2ビットを超える3ビット、4ビットとなると、各メモリセルトランジスタMTの閾値電圧Vtのマージン電圧が小さくなるため、その影響はさらに顕著に現れる。このため、この方法を採用すると特に効果を上げることができる。
次に、上記構造の製造方法について説明する。尚、本実施形態における特徴的な部分であるセルアレイ領域Ar1、Ar2内の製造工程を中心に説明し、周辺回路領域P内の製造方法説明は省略する。以下に説明する製造工程は、必要に応じて入れ替えて行っても良いし、一般的な工程または図示しないその他の領域を形成するための工程であれば付加しても良いし、必要に応じて工程を削除しても良い。
図10に示すように、半導体基板(例えばp型のシリコン基板)2にnウェル2a、pウェル2bを順次形成し、チャネル領域形成のためのイオン注入を行った後、半導体基板2上にゲート絶縁膜5を熱酸化法によって所定膜厚(例えば8[nm])だけ酸化膜として形成する。次に、ゲート絶縁膜5の上にn型不純物(例えばリン)がドープされた非晶質シリコンを所定膜厚だけCVD法により堆積し、次に、シリコン窒化膜10、シリコン酸化膜11をそれぞれ所定膜厚だけCVD法により順に堆積する。尚、非晶質シリコンは浮遊ゲート電極FGとして機能するもので、後の熱処理によって多結晶化されるため多結晶シリコン層6として符号を付している。
シリコン窒化膜10は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法による研磨ストッパ材として機能し、シリコン酸化膜11は、反応性イオンエッチング(RIE(Reactive Ion Etching)法)のマスクとして形成される。
次に、フォトレジスト(図示せず)を塗布しリソグラフィ技術によって当該フォトレジストをパターンニングし、当該パターンニングされたレジストをマスクとして、図11に示すようにRIE法によりシリコン酸化膜11を加工することでハードマスクを形成する。この後、フォトレジストをアッシャー処理、硫酸過酸化水素水混合液によるエッチング処理によって除去する。
次に、加工されたシリコン酸化膜11をハードマスクとして用い、RIE法によりシリコン窒化膜10、多結晶シリコン層6、ゲート絶縁膜5、半導体基板2の上部を順次加工し素子分離溝3を形成する。希フッ酸処理によって前記RIE工程における反応生成物を除去処理する。
次に、図12に示すように、素子分離溝3内に素子分離絶縁膜4を形成する。この素子分離絶縁膜4は、例えばHTO(High Temperature Oxide)膜と、塗布型絶縁膜をアニール処理して得られたシリコン酸化膜との積層構造により形成される。素子分離絶縁膜4の形成法は、それぞれLP−CVD法、塗布法が用いられる。
次に、図13に示すように、シリコン窒化膜10をストッパとしてCMP法により素子分離絶縁膜4を平坦化処理し、半導体基板2の素子分離溝3内に素子分離絶縁膜4を残留させる。
図14は、次工程におけるマスクパターンの形成領域を示している。この図14に示すように、セルアレイ領域Ar1およびAr2を除く周辺回路領域Pにマスクパターン12を形成する。このマスクパターン12は、例えばレジストをリソグラフィ技術によりパターンニングすることで形成される。
次に、図15に示すように、マスクパターン12をマスクとしてRIE法により素子分離絶縁膜4の上部をRIE法によりエッチング処理し、当該マスクパターン12を除去処理する。このときのRIE処理は、多結晶シリコン層6に対して選択性の得られる条件にてシリコン酸化膜をエッチング処理可能な条件により行われる。
また、エッチング処理時間を調整することで、領域Ar1およびAr2内の素子分離絶縁膜4の上面4a、4bの位置を、シリコン窒化膜10の上面から下方で且つゲート絶縁膜5の上面より上方に位置するように調節する。尚、図15は、セルアレイ領域Ar1内の断面構造を示しているが、この時点ではセルアレイ領域Ar2内の断面構造も同様の構造に形成されている。
図16は、次工程におけるマスクパターンの形成領域を示している。この図16に示すように、周辺回路領域Pおよびセルアレイ領域Ar1を含む領域にマスクパターン13を形成する。このマスクパターン13は、例えばレジストをリソグラフィ技術によりパターンニングすることで形成される。この図16には、セルアレイ領域Ar1およびAr2間におけるマスクパターン13のY方向境界Z1を示している。図3に示すように、Y方向境界Z1は隣接するブロックBの選択ゲート線SGLS−SGLS間におけるソース線コンタクトCSの並設部に沿って設けられる。
次に、図17(b)に示すように、セルアレイ領域Ar2の素子分離絶縁膜4の上部をさらにRIE法によりエッチング処理し、マスクパターン13を除去処理する。これにより、素子分離絶縁膜4の上面4bが、図17(a)に示す素子分離絶縁膜4の上面4aよりも低い位置に形成される。また、上面4bの下端部4baが、上面4aの下端部4aaよりも低い位置に形成されるようになる。
素子分離絶縁膜4の上面4a、4b間の段差は、Y方向境界Z1(隣接するブロックBの選択ゲート線SGLS−SGLS間のソース線コンタクトCSの並設部)に沿って設けられるため、各セルアレイ領域Ar1およびAr2内のセルユニットUCの電気的特性に悪影響を与えることなく構成できる。次に、ホット燐酸によりシリコン窒化膜10を除去処理し、図18(a)および図18(b)に示すように、ONO膜によるゲート間絶縁膜7をLP−CVD法により成膜する。
次に、図19(a)および図19(b)に示すように、ゲート間絶縁膜7の上に導電層8を形成する。導電層8の形成方法は、リン等の不純物がドープされた非晶質シリコンを例えば段階的にLP−CVD法により堆積し、上部を金属によりシリサイド化することで形成する。このシリサイド化工程は、シリサイド化に適用する金属の種類に応じて、後述する層間絶縁膜9の堆積前後の何れのタイミングで行っても良い。
選択ゲート電極SGD、SGSを形成するときには、ゲート間絶縁膜7上に非晶質シリコンを薄く堆積し、選択ゲート電極SGD、SGSを構成するゲート間絶縁膜7の中央に開口を形成し、その後さらに非晶質シリコンを堆積することで導電層8の基層を構成し、当該基層上をシリサイド化することで形成する。
次に、図20に示すように、RIE法により多結晶シリコン層6、ゲート間絶縁膜7、導電層8をY方向に複数に分断することによってゲート電極MG、SGD、SGSを形成する。次に、分断領域を通じて半導体基板2の表層にソース/ドレイン領域2c形成用のイオン注入を行う。
この後、層間絶縁膜9を堆積し、当該層間絶縁膜9にホールを形成した後、ビット線コンタクトCB、ソース線コンタクトCSの構造を形成し、ビット線コンタクトCBの上にビット線BLの構造を形成することで図5に示す構造を得る。この後の製造方法は本実施形態の特徴には関係しないためその説明を省略する。
本実施形態によれば、第1素子分離絶縁膜41の上面4aの高さと、第2素子分離絶縁膜42の上面4bの高さとを異なるようにしているため、各セルアレイ領域Ar1、Ar2のメモリセルトランジスタMTの諸特性を変更することができる。これにより、セルアレイ領域Ar1、Ar2の使用方法を互いに異なるように設定して使用することができる。しかも、セルアレイ領域Ar1、Ar2内のメモリセルトランジスタMTの諸特性を使用方法の要求に応じて適するものとすることができる。
第2素子分離絶縁膜42の上面4bの高さが、第1素子分離絶縁膜41の上面4aの高さよりも低く形成されているため、第2セルアレイ領域Ar2では各メモリセルトランジスタMTの制御電極CGと浮遊ゲート電極FGとの間の結合容量が高くなりカップリング比が高くなる。したがって、第2セルアレイ領域Ar2は多値記憶領域として適した形態で使用できるようになる。
また、書込み動作としては次に示す特徴を備えている。制御回路CCは、セルアレイ領域Ar1のブロックB内に対し、メモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGの蓄積電荷量を変更することでセルアレイ領域Ar2の多値記憶ビット数分の2値データをセルアレイ領域Ar1の複数のブロックBに記憶させている。この後、制御回路CCは、セルアレイ領域Ar1に記憶された2値データに応じて、セルアレイ領域Ar2の書込対象ブロックB内のメモリセルトランジスタMTの浮遊ゲート電極FGの蓄積電荷量を徐々に繰り返し増加させている。これにより、隣接メモリセル間の干渉作用が少なくなり、データの誤書込、誤読出を極力防止できる。
(第2の実施形態)
図21は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、第1セルアレイ領域と第2セルアレイ領域との間にダミーセルアレイ領域を設けているところにある。前述実施形態と同一部分または類似部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分についてのみ説明する。
図21(a)および図21(b)は、ダミーセルアレイ領域の説明図を示している。
図21(a)に示すように、ダミーセルアレイ領域Ardがセルアレイ領域Ar1およびAr2間に設けられている。このダミーセルアレイ領域Ardは、少なくとも1ブロックB分以上のセルユニットUCの広さを有する領域となっている。
このダミーセルアレイ領域Ardには、セルアレイ領域Ar1またはAr2に配置されたメモリセルトランジスタMTと同じ構造であるがデータの記憶素子としては用いられないダミーセルトランジスタが設けられている。
また、図21(a)、図21(b)は、素子分離絶縁膜4の上面4a、4bの高さをエッチング処理によって調整するときに、前述実施形態にて説明した図14、図16にそれぞれ対応して、マスクパターン12、13による被覆領域(図21中のハッチング領域)をも合わせて示している。
本実施形態では、前述したようにダミーセルアレイ領域Ardは、セルアレイ領域Ar1、Ar2と同様の構造となっており、素子分離絶縁膜4はセルアレイ領域Ar1からダミーセルアレイ領域Ardを通じてセルアレイ領域Ar2に至るまで連続して形成されている。この素子分離絶縁膜4の上面4a、4bの高さがダミーセルアレイ領域Ard内で変更されている。
本実施形態の製造方法を説明すると、図13に示すように、CMP法により素子分離絶縁膜4を平坦化処理した後、図21(a)に示すようにマスクパターン12を形成する。このマスクパターン12は、セルアレイ領域Ar1、Ar2およびダミーセルアレイ領域Ardを除いた周辺回路領域Pを含む領域内にパターンニングされる。
次に、図15に示すように、RIE法により素子分離絶縁膜4をエッチング処理することによって領域Ar1、Ar2、Ard内の素子分離絶縁膜4の上面4a、4b等の位置調整を行い、マスクパターン12を除去処理する。
次に、図21(b)に示すように、セルアレイ領域Ar2を開口したマスクパターン13を形成する。このマスクパターン13は、そのY方向境界Z2がダミーセルアレイ領域Ard内に設けられており、その境界Z2はダミーセルアレイ領域Ardの1ブロックB内の複数のセルユニットUCの並設方向(X方向)に沿って設けられている。
次に、このマスクパターン13をマスクとしてRIE法によりセルアレイ領域Ar2内の素子分離絶縁膜4を異方性エッチング処理すると、素子分離絶縁膜4の上面4a、4bは、マスクパターン13の境界Z2を含む領域であるダミーセルアレイ領域Ard内で段差を生じることになる。
近年の微細化、設計ルールの縮小化の傾向により、パターンニングの合わせずれの悪影響が生じやすくなっている。仮にマスクパターン13のY方向合わせずれが生じたとしても、実際に電気的に動作していないダミーセルアレイ領域Ard内に境界Z2が設けられるため、セルアレイ領域Ar1、Ar2内のブロックBに当該パターン合わせずれの悪影響が及ぶことがなくなる。これにより、各セルアレイ領域Ar1、Ar2内のセルユニットUCを正常に動作させることができる。これにより、デバイスの信頼性を向上できる。
(他の実施形態)
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
NAND型のフラッシュメモリ装置1に適用したが、NOR型の不揮発性半導体記憶装置に適用しても良いし、その他の不揮発的に記憶可能なメモリを備えた不揮発性半導体記憶装置に適用しても良い。
前述実施形態では、NAND型セルユニットUCのブロックB単位でセルアレイ領域Ar1、Ar2を区分し、素子分離絶縁膜4a、4bの境界Z1を隣接ブロックB間に設けた実施形態を示しているが、必ずしも隣接ブロックB間に設ける必要はない。また、ソース線コンタクトCSの並設部に位置して当該並設方向に沿って境界Z1を設けた実施形態を示したが、ビット線コンタクトCBの並設部に位置して当該並設方向に沿って設けても良い。
メモリセルアレイArが2つのセルアレイ領域Ar1、Ar2に区分されている実施形態を示しているが、3つ以上のセルアレイ領域に区分されていても良い。書換可能な設定回数は、複数のセルアレイ領域毎に必ずしも異なっている必要はない。
セルアレイ領域Ar1をバッファメモリ領域、セルアレイ領域Ar2を多値記憶領域として用いているが、使用形態は特にこれに限られるものではない。
第1セルアレイ領域Ar1を2値記憶領域とし、第2セルアレイ領域Ar2を多値記憶領域としたが、第1セルアレイ領域Ar1をメモリセルトランジスタMT当り2ビット以上のnビットを記憶する多値記憶領域としても良く、第2セルアレイ領域Ar2を単一メモリセルトランジスタMT当りnビットを超えるビット数を記憶する多値記憶領域としても良い。
ダミーセルアレイ領域Ardは、必要に応じて設ければ良い。
シリコン窒化膜10は必要に応じて成膜すれば良い。ゲート間絶縁膜7は、ONO膜により構成した実施形態を示したが、ONO膜の成膜前後にラジカル窒化することで形成されたNONON膜や、アルミナ(Al)を酸化膜および窒化膜の積層構造で挟んだNOAON膜で構成しても良い。
第1溝部31および第2溝部32とは連続していても分離していても良い。第1素子分離絶縁膜41と第2素子分離絶縁膜42とは連続していても分離していても良い。第1ゲート絶縁膜51と第2ゲート絶縁膜52は連続していても分離していても良い。第1電極間絶縁膜71と第2電極間絶縁膜72とは連続していても分離していても良い。
ゲート電極MG、SGD、SGSの上に層間絶縁膜9の構造を積層した実施形態を示しているが、例えばゲート電極MGの上層側からアクティブエリアAAなどへの不要物の通過を阻止するためのシリコン窒化膜などによるバリア膜、CMP加工ストッパ用の各種材質膜などを層間絶縁膜9の形成領域中に形成しても良い。
製造工程上では、各セルアレイ領域Ar1、Ar2内の素子分離絶縁膜4の上部について処理該当領域以外の領域にマスクパターンを形成し、各セルアレイ領域Ar1、Ar2個別に一括エッチング処理することで上面4a、4bの位置を調整しても良い。ダミーアレイ領域Ardを含んでも同様である。エッチング処理形態の順序、タイミングは前述実施形態に記した方法に限られない。
上記実施形態には、種々の実施形態が含まれており、上記実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されたとしても発明が解決しようとする課題の欄で述べられた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成要件を発明として適用可能である。
図面中、1はフラッシュメモリ装置(不揮発性半導体記憶装置)、2は半導体基板、3は素子分離溝(31は第1溝部、32は第2溝部)、4は素子分離絶縁膜(41は第1素子分離絶縁膜、42は第2素子分離絶縁膜)、4aは上面、4aaは下端部、4bは上面、4baは下端部、5はゲート絶縁膜(51は第1ゲート絶縁膜、52は第2ゲート絶縁膜)、6は多結晶シリコン層(61は第1電荷蓄積層、62は第2電荷蓄積層)、7はゲート間絶縁膜(71は第1電極間絶縁膜、72は第2電極間絶縁膜)、8は導電層(81は第1制御電極、82は第2制御電極)、Arはメモリセルアレイ、Ar1は第1セルアレイ領域、Ar2は第2セルアレイ領域、MTはメモリセルトランジスタ(MTは第1メモリセル、MTは第2メモリセル)を示す。

Claims (5)

  1. 第1メモリセルトランジスタが配置された第1セルアレイ領域および第2メモリセルトランジスタが配置された第2セルアレイ領域を有する半導体基板と、
    前記第1セルアレイ領域の前記半導体基板の表面に帯状に形成された複数の第1素子絶縁膜と、
    前記第2セルアレイ領域の前記半導体基板の表面に帯状に形成された複数の第2素子分離絶縁膜と、
    前記第1セルアレイ領域の前記半導体基板上に、前記第1素子分離絶縁膜により区画されて形成された第1メモリセルトランジスタの第1ゲート電極であって、前記第1素子分離絶縁膜により区画された第1活性領域上に形成された第1ゲート絶縁膜と、この第1ゲート絶縁膜上に形成された第1電荷蓄積層と、この第1電荷蓄積層上に形成された第1電極間絶縁膜と、この第1電極間絶縁膜上に形成された第1制御電極とを有する第1ゲート電極と、
    前記第2セルアレイ領域の前記半導体基板上に前記第2素子分離絶縁膜により区画されて形成された第2メモリセルトランジスタの第2ゲート電極であって、前記第2素子分離絶縁膜により区画された第2活性領域上に形成された第2ゲート絶縁膜と、この第2ゲート絶縁膜上に形成された第2電荷蓄積層と、この第2電荷蓄積層上に形成された第2電極間絶縁膜と、この第2電極間絶縁膜上に形成された第2制御電極とを有する第2ゲート電極とを備え、
    前記半導体基板表面からの前記第1素子分離絶縁膜の高さは前記第1電荷蓄積層の高さより低く、かつ前記第2素子分離絶縁膜の高さより高いことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 前記第1セルアレイ領域と前記第2セルアレイ領域は隣接して配置され、前記第1素子分離絶縁膜のそれぞれは複数の前記第2素子分離絶縁膜のうちのひとつと一直線状になるよう配置されていることを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記第1セルアレイ領域と前記第2セルアレイ領域との間に記憶素子としては用いられないダミーセルが形成されたダミーセルアレイ領域が設けられ、
    前記ダミーセルアレイ領域には、前記第1素子分離絶縁膜と前記第2素子分離絶縁膜との間の境界領域が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記第1セルアレイ領域は1ビット記憶する2値記憶領域として構成され、前記第2セルアレイ領域は2ビット以上を記憶する多値記憶領域として構成されていることを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 第1セルアレイ領域、第2セルアレイ領域の各領域の半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記各領域のゲート絶縁膜上に電荷蓄積層を形成する工程と、
    前記各領域の電荷蓄積層、前記ゲート絶縁膜および前記半導体基板に素子分離溝を形成する工程と、
    前記各領域の素子分離溝内に素子分離絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1セルアレイ領域内の素子分離絶縁膜の上面が前記第2セルアレイ領域内の素子分離絶縁膜の上面よりも高くなるように前記素子分離絶縁膜の上部をエッチング処理する工程と、
    前記電荷蓄積層および前記素子分離絶縁膜の上に電極間絶縁膜を形成する工程と、
    前記電極間絶縁膜の上に制御電極を形成する工程とを備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
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