JP5305614B2 - アクロレインの製造方法 - Google Patents

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本発明は、固体触媒を用いるグリセリンからアクロレインを生成する脱水反応において、用いられる原料グリセリン組成物に関するものである。
植物油から製造されるバイオディーゼルは、化石燃料の代替燃料としてだけではなく、二酸化炭素の排出量が少ない点でも注目され、需要の増大が見込まれている。このバイオディーゼルを製造するとグリセリンが副生するため、その有効利用を図る必要がある。グ
リセリンの利用の一態様としては、グリセリンをアクロレインの原料に使用することが挙げられる。
またアクロレインは、アクリル酸や1,3−プロパンジオール、メチオニン等の各種アクロレイン誘導体の原料として用いられている。
グリセリンから脱水反応によりアクロレインを製造するに際して、固体触媒を用いることは古くから知られている。酸強度関数H0が+2以下の燐酸を酸化アルミニウム担体に担持した固体酸触媒を用いて、グリセリンを脱水しアクロレインを製造することが開示されている(特許文献1参考)。
また、酸強度関数H0が−9以下の固体酸触媒を用いて、グリセリンを脱水しアクロレインを製造することが開示されている(特許文献2参考)。
グリセリンの脱水反応から得られたアクロレインを用いたアクロレインの誘導体の製造方法として、アクロレイン及びヒドロキシアセトンを接触水素添加して1,3−及び1,2−プロパンジオールを製造することが開示されている(特許文献3参考)。また、グリセリンの気相脱水反応生成物に気相酸化を施すことにより、アクリル酸を製造することが開示されている(特許文献4参考)。
また、前記以外のアクロレイン誘導体の製造方法として、グリセリンから得られたアクロレインを公知の気相酸化反応によりアクリル酸とし、さらに公知の方法により吸水性樹脂を製造することが開示されている(特許文献5参考)。
しかし、これらに開示されているアクロレインの収率は、工業的に十分とは言えず、更なる改善が要求されている。また、本発明者らは、該反応において固体触媒とグリセリンを接触させた直後はアクロレインの収率が著しく低い、誘導期があることを見出した。
特開平06−211724号公報 国際公開WO2006−087083号公報 特開平06−192147号公報 特開2005−213225号公報 国際公開WO2006−092272号公報
本発明は、上記事情に鑑み、原料グリセリンの供給開始直後から安定したアクロレインの収率を得るために、グリセリンからのアクロレインの製造方法を提供することを目的とする。
グリセリンの気相脱水反応により得られたアクロレインは、アクリル酸や1,3−プロパンジオール、メチオニン等のアクロレイン誘導体の原料として用いられることが知られている。
上記アクロレイン誘導体の製造において、特に連続的にグリセリンからアクロレインを経てアクロレインの誘導体を製造する際に、グリセリンから安定した収率でアクロレインが得られないと、誘導体の製造工程へのアクロレイン供給量が不安定になり、好ましくない。アクロレインの供給量の変動を抑制するために、アクロレインを貯蔵するタンクを設けて、一定量を供給できるようにすることができるが、アクロレインは非常に不安定な物質であり、極力、貯蔵時間を短くするのが好ましいが、アクロレインの収率が不安定であるほど、貯蔵量を多くしておく必要があるため、やはり安定した収率でアクロレインが得られることが望ましい。
また、目的化合物であるアクロレインの収率の向上は、前記課題とは関係なく、望まれているものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、脂肪酸あるいは脂肪酸エステルがグリセリンに含まれていると、誘導期が短縮されることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、前記課題を解決する手段として、下記方法を発明した。
(1)固体触媒を用いるグリセリンからアクロレインを生成する脱水反応において、脂肪酸および脂肪酸エステルの総重量がグリセリンに対して0.001質量%〜5質量%含まれるグリセリン組成物を用いることを特徴とするアクロレインの製造方法。
(2)前記グリセリン組成物が、油脂の加水分解またはエステル交換反応で生成するものであることを特徴とする(1)記載のアクロレインの製造方法。
(3)前記脂肪酸が、炭素数が4〜22の飽和および/または不飽和の脂肪酸であることを特徴とする(1)〜(2)記載のアクロレインの製造方法
(4)前記脂肪酸エステルが、炭素数が4〜22の飽和および/または不飽和の脂肪酸と炭素数1〜4のアルコールからなる脂肪酸エステルであることを特徴とする(1)〜(3)記載のアクロレインの製造方法
(5)前記脱水反応が、気相脱水反応であることを特徴とする(1)〜(4)記載のアクロレインの製造方法。
(6)前記固体触媒が、酸性を有することを特徴とする(1)〜(5)記載のアクロレインの製造方法。
(7)固体触媒を用いた脱水反応によるアクロレインの製造に原料として用いられる、脂肪酸および脂肪酸エステルの総重量がグリセリンに対して0.001〜5質量%であるグリセリン組成物。
本発明によれば、固体触媒を用いるグリセリンからアクロレインを生成する脱水反応において、脂肪酸基がグリセリンに対して0.001重量%〜5重量%含まれるグリセリン組成物を用いてアクロレインを製造することにより、アクロレインが安定して高収率で得られる。
本発明に用いられる固体触媒は、グリセリンからアクロレインを脱水反応で合成することが公知であるものであれば、いかなる触媒でもかまわない。
例えば、(I)結晶性メタロシリケート、(II)金属酸化物、(III)粘土鉱物、(IV)鉱酸をα−アルミナやシリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機担体に担持したもの、(V)リン酸や硫酸の金属塩およびそれらをα−アルミナやシリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機担体に担持したもの、等が上げられる。
(I)結晶性メタロシリケートとしては、Al、B、Fe、Ga等から選ばれる1種または2種以上の元素をT原子とし、その結晶構造としては、LTA、CHA、FER、MFI、MOR、BEA、MTW等があり、(II)金属酸化物としては、Al2O3、TiO2、ZrO2、SnO2、V2O5、などの単独金属酸化物以外に、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、TiO2−WO3、WO3−ZrO2等の複合酸化物があり、(III)粘土鉱物としては、ベントナイト、カオリン、モンモリロナイトなどがあり、(IV)鉱酸を無機担体に担持したものとして、リン酸や硫酸をアルミナやシリカ、ジルコニアなどに担持したもの等があり、(V)リン酸や硫酸の金属塩としては、MgSO4、Al2(SO4)3、K2SO4、AlPO4、Zr3(PO4)4等が例示される。
具体的には、国際公開WO2006/087083号公報およびWO2006/087084号公報に開示されている触媒(リン酸、硫酸または酸化タングステンを担持している酸化ジルコニウムなど)を使用することも出来る。
好ましくは、当業者において知られている中程度以上の酸強度を有する固体酸(例えば、化学総説 No.34 P78〜89 (1982) 田部浩三他著、表1および表2記載の、ハメットの酸度関数H0が+1.5以下の酸性を有する固体酸)である。
原料グリセリンは、プロピレンやエチレン等を原料とした化学合成品でも、油脂の加水分解やエステル交換反応により生成したものでもかまわない。特に後者であれば、グリセリンの精製条件を適度に調整することにより、本発明に好適な脂肪酸および/または脂肪酸エステル(以下、脂肪酸類と称することがある)を含有するグリセリン組成物が得られるので好ましい。また、前記の方法により製造されたグリセリンに脂肪酸類を適量添加して得られるグリセリン組成物を用いても構わない。ここでいう添加するとは、グリセリンと脂肪酸類とを混合して予めグリセリン組成物を調製しておくだけではなく、グリセリンと脂肪酸類とを別々に脱水反応へ供給する方法も含まれる。
本発明における脂肪酸または脂肪酸エステルとは、下記脂肪酸または脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上からなる化合物である。前記脂肪酸は飽和および不飽和いずれでもよく、炭素数についても特に限定されないが、天然の植物性油脂や動物性油脂の加水分解やエステル交換反応で生成する炭素数4〜22の飽和または不飽和脂肪酸が好ましい。前記植物性油脂としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、大豆油、ナタネ油、オリーブ油、ごま油等、動物性油脂としては、魚油、牛脂、豚脂、鯨油などが挙げられる。脂肪酸エステルの場合には、前記脂肪酸と炭素数が1〜4の低級アルコールまたはグリセリンとのエステル化合物を指し、特にメチルエステルおよびエチルエステル、あるいはグリセリンと脂肪酸とのエステルであるモノグリセリドが好ましい。
脂肪酸類の含有量は、グリセリンの質量を基準とした脂肪酸類の質量%で示される値であり、その含有量は、0.001質量%〜5質量%であれば良く、好ましくは0.01質量%〜4質量%、より好ましくは0.05質量%〜2質量%である。これより含有量が少ないと誘導期の短縮が不十分であり、多すぎる場合には触媒の活性低下を早めることがあり、好ましくない。
グリセリンの脱水反応によりアクロレインを製造するには、少なくとも脂肪酸類とグリセリンとで構成されているグリセリン組成物を触媒と接触させれば良いが、反応原料中のグリセリン濃度を調整するためにグリセリン脱水反応に不活性な成分を含んでいても良い。不活性成分には、水や水蒸気、窒素ガス、空気を例示することができ、特に水または水蒸気を添加すると触媒の寿命やアクロレインの収率に対して有利な効果が見られ、好適である。
触媒と接触させる形態は、液体、気体を問わない。例えば、前記特許文献1記載のように、グリセリン水溶液を180℃以上の温度、加圧下で固体酸触媒と接触させる、あるいは250℃以上の温度でグリセリンを含むガスを固体酸触媒に接触させる方法などがある。
但し、アクロレインの生産性の観点から考えると、ガス状で接触させる気相脱水反応が好ましい。以下、気相脱水反応における反応条件について述べる。
反応原料ガス中におけるグリセリン濃度は、1モル%以上であれば良く、アクロレインの製造を経済的かつ高効率で行うためには、5モル%以上が好ましい。
不活性成分として水蒸気を用いると、収率や触媒寿命を改善する効果があり好ましい。この場合の水蒸気の濃度(モル%)は特に規定されないが、水を気化させる熱や反応生成物中の水蒸気を凝縮させる熱、廃水処理などの面から反応原料ガス中のグリセリン濃度(モル%)の5倍以下であるのが好ましい。
反応性ガスの流量は、単位触媒容積あたりの反応ガス流量(GHSV)で表すと100〜10000hr−1であると良い。好ましくは、8000hr−1以下であり、アクロレインの製造を経済的かつ高効率で、行うためには、6000hr−1以下がより好ましい。
反応温度は、200〜500℃であると良く、好ましくは、250〜450℃、更に好ましくは、300〜400℃である。
反応圧力は、グリセリンが凝縮しない範囲の圧力であれば特に限定されない。通常、0.001〜1MPaであると良く、好ましくは、0.01〜0.5MPaである。
本反応においては、活性の低下した触媒と酸素などの酸化性のガスを含む気体を、高温で接触させる事により再生することができる。接触させる形態は特に問わず、触媒を反応器から取出して行っても良いし、脱水反応と同じ反応器内で流通させるガスを切換えることで行っても構わない。脱水反応を固定床で行っている場合には、触媒の抜出し・再充填などの手間がかからない後者の方が簡便であり、推奨される。
再生で使用する酸化性ガスとして酸素を用いる場合は空気中の酸素を用いるのが安価であるが、窒素や二酸化炭素、水蒸気等の不活性ガスを同伴させても良い。特に、空気を接触させる事で急激な発熱が懸念される場合には、酸素濃度を調整するために不活性ガスを用いる事が推奨される。再生処理の前後において、系内に残存する余分な有機物や触媒充填時に混入した酸素などを除去する目的で、窒素等の不活性ガスでパージしても良い。
再生した触媒は、反応原料ガスと接触させる事で、再度アクロレイン合成用触媒として用いる事ができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下ことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すものとする。
(触媒製造例1)
0.58gのNaOHと1.95gのNaAlO2(浅田化学工業株式会社製、純度86.8質量%)を蒸留水15.00gに順次溶解し、更に、10.15gの40質量%水酸化テトラ−n−プロヒルアンモニウム水溶液を蒸留水に添加した。そして、この溶液に蒸留水を加えて、全量が30mlの含浸液を調製した。
次に、シリカ成形体としてシリカビーズ(富士シリシア化学社製「キャリアクトQ−50」、10〜20メッシュ、平均細孔径50nm)を使用し、120℃で1日間乾燥した30gのシリカビーズを含浸液に1時間含浸させた。その後、含浸したシリカビーズを100℃の湯浴上に設置した蒸発皿上で乾燥させた後、更に80℃、窒素気流下で5時間乾燥して、結晶化に必要なNa、Al結晶化剤をシリカビーズに担持させ、結晶性メタノシリケート前駆体を得た。
担持工程で得た前駆体を容積100mlのテトラフルオロエチレン製のジャケット付坩堝の中空部に配置し、坩堝の底部に1.00gの蒸留水を入れ、この坩堝を180℃の電気炉に8時間静置した。
結晶化工程を経た固形物を、60℃の1mol/L硝酸アンモニウム水溶液300gに浸潰して1時間援持した後、上澄み液を廃棄した。この操作を複数回繰り返した。その後、固形物を水洗した。
イオン交換工程後の固形物を、空気気流中において540℃で3.5時間焼成した。この焼成により、H型MFIである触媒Aを得た。
(触媒製造例2)
市販の顆粒状活性アルミナ(メルク社製「ALUMINIUMOXIDE90 ACTIVE ACIDIC(0.0063−0.200MM)」、製造番号101078)を、空気雰囲気下、500℃で2時間焼成した。得られた焼成物を、内径3cm、高さ5mmの塩化ビニル製の筒に充填して加圧成形を行い、得られた成型体を破砕して、0.7〜1.4mmに分級することにより、触媒Bを得た。
(実施例1)
前記触媒Aを触媒15ml充填したステンレス製反応管(内径10mm、長さ500mm)を固定床反応器として準備し、この反応器を360℃の塩浴に浸漬し、窒素61.5ml/minとグリセリン:パルミチン酸:水=80質量%:0.1質量%:19.9質量%のグリセリン組成物水溶液(供給量13.15g/hr)の気化ガスとを混合させた反応ガスを流通させた。反応器内に反応ガスを流通させてから0〜30分、30〜60分および150〜180分の各30分間における流出ガスを冷却液化して捕集した(以下、「捕集した流出ガスの冷却液化物」を「流出物」と称する)。
そして、ガスクロマトグラフィ(GC)により、流出物の定性および定量分析を行った。GCによる定性分析の結果、グリセリン、アクロレインと共に1−ヒドロキシアセトンが検出された。また、定量分析結果から、転化率、アクロレイン収率を算出した。ここで、転化率は、(1−(捕集流出物中のグリセリンのモル数)/(30分間で反応器に流入させたグリセリンのモル数))×100、で算出される値である。また、アクロレインの収率は、((アクロレインのモル数)/(30分間に反応器に流入させたグリセリンのモル数))×100、で算出される値である。
反応結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、触媒Aを触媒Bに変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。
反応結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、グリセリン組成物水溶液の組成をグリセリン:パルミチン酸:水=80質量%:0.1質量%:19.9質量%からグリセリン:パルミチン酸:水=80質量%:1.0質量%:19.0質量%に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。
反応結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、パルミチン酸をパルミチン酸メチルに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
反応結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、グリセリン組成物水溶液の組成を、グリセリン:水=80質量%:20質量%に変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。
反応結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2において、グリセリン組成物水溶液の組成を、グリセリン:水=80質量%:20質量%に変更した以外は実施例2と同様の操作を行った。
反応結果を表1に示す。
Figure 0005305614
転化率は全て100%であった。
比較例1および2では反応初期の0−30minにおけるアクロレインの収率が極めて低く、誘導期がある事がわかる。一方、脂肪酸であるパルミチン酸を添加したグリセリン組成物を用いた実施例1〜3およびパルミチン酸メチルを添加したグリセリン組成物を用いた実施例4では、0−30minおよび30−60minのアクロレインの収率が向上し、誘導期が短縮されていることが分かる。
従って、本発明の脂肪酸類を含有するグリセリン組成物をアクロレイン製造用原料として用いることにより、原料グリセリンの供給開始直後からアクロレインの収率が安定し、高収率で得られる事がわかる。
グリセリンを原料としたアクロレイン製造が効率的に行える。

Claims (7)

  1. 固体触媒を用いるグリセリンからアクロレインを生成する脱水反応において、脂肪酸および脂肪酸エステルの総重量がグリセリンに対して0.001質量%〜5質量%含まれるグリセリン組成物を用いることを特徴とするアクロレインの製造方法。
  2. 前記グリセリン組成物が、油脂の加水分解またはエステル交換反応で生成するものであることを特徴とする請求項1記載のアクロレインの製造方法。
  3. 前記脂肪酸が、炭素数が4〜22の飽和および/または不飽和の脂肪酸であることを特徴とする請求項1〜2記載のアクロレインの製造方法
  4. 前記脂肪酸エステルが、炭素数が4〜22の飽和および/または不飽和の脂肪酸と炭素数1〜4のアルコールからなる脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1〜3記載のアクロレインの製造方法
  5. 前記脱水反応が、気相脱水反応であることを特徴とする請求項1〜4記載のアクロレインの製造方法。
  6. 前記固体触媒が、酸性を有することを特徴とする請求項1〜5記載のアクロレインの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で得られるアクロレインから、アクリル酸、1,3−プロパンジオール、およびメチオニンから選ばれるアクロレイン誘導体を製造するアクロレイン誘導体の製造方法。
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