JP5305244B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5305244B2
JP5305244B2 JP2009203848A JP2009203848A JP5305244B2 JP 5305244 B2 JP5305244 B2 JP 5305244B2 JP 2009203848 A JP2009203848 A JP 2009203848A JP 2009203848 A JP2009203848 A JP 2009203848A JP 5305244 B2 JP5305244 B2 JP 5305244B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
main injection
injection amount
injection
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009203848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011052641A (ja
Inventor
伸一朗 奥川
覚 野坂
茂人 矢羽田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2009203848A priority Critical patent/JP5305244B2/ja
Publication of JP2011052641A publication Critical patent/JP2011052641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5305244B2 publication Critical patent/JP5305244B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
今日、環境保護意識の高まりのなかで内燃機関に対してすぐれた排気浄化性能が求められている。特にディーゼルエンジンにおいては、エンジンから排出される黒煙などのいわゆる排気微粒子(粒子状物質、PM:Particulate Matter)の除去が重要である。この目的のために排気管の途中にディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)が装備されることが多い。
DPFがPMを捕集することにより排気中のPMは大部分が除去されるが、DPF内にPMが堆積し続ける一方では、DPFは目詰まりを起こしてしまうので、堆積されたPMを燃焼して除去することで、DPFを再生する必要がある。DPF内に堆積したPMを燃焼するためにシリンダ内でメイン噴射後に燃料を噴射するポスト噴射などの手法が用いられる。
しかしDPF再生時に温度が上がり過ぎると、DPFが溶損したり割れたりするなどの不具合が生じてしまう。例えば、DPFの再生中でDPFの温度が高く、かつDPFにおけるPMの堆積量が多い状況下で、エンジンを減速状態にすると、吸気量が急速に低減するので、DPF内部の熱が排ガスによって下流に移動されなくなる。したがってDPF内部に熱がこもってしまうこととなり、DPFの過昇温の可能性が高くなる。
例えば下記特許文献1では、DPF過昇温の可能性がある場合(排気温度が高く、減速運転状態)に、吸気絞り弁を絞るとともにEGR弁を全開にすることで排気中の酸素濃度を低減してDPFにおけるPMの燃焼を抑制する技術が開示されている。
特開2002−188493号公報
PMの急速燃焼を防止してDPFの過昇温を抑制するために、DPFに流入する排気中の酸素濃度を速やかに低減する場合、目標となる酸素濃度は例えば2〜3%程度と非常に低濃度である。酸素濃度をこの値より下げすぎるとエンジン失火や白煙が発生し、また逆に酸素濃度がこの値より高すぎるとDPFが過昇温を起こしてしまう可能性がある。したがって酸素濃度を高精度に低減しなければならない。
DPFに流入する排気中の酸素濃度(排気酸素濃度)を低減するための手法としてアフタ噴射を用いる場合がある。アフタ噴射とは、エンジン筒内でメイン噴射よりも遅角側で(ポスト噴射よりは進角側で)なされる追加噴射である。アフタ噴射では噴射した燃料の一部が筒内で燃焼してトルクが発生する。
図4には、(a)上死点(TDC)近傍でメイン噴射のみを行う通常時と、(b)排気酸素濃度低減のためにメイン噴射よりも遅角側でアフタ噴射を行う場合が例示されている。アフタ噴射により筒内で燃料の一部が筒内で燃焼し、さらに燃え残って排気管に排出された燃料の一部が排気管に配置された酸化触媒で燃焼することによって、DPFに流入する排気中の酸素濃度が低減する。これによりDPFの過昇温を抑制する効果をもつ。
アフタ噴射で排気酸素濃度を低減する場合、上述のとおりアフタ噴射によりトルクが発生する。したがってアフタ噴射を実行することにより、エンジン出力トルクにトルク変動(トルクショック)が発生する可能性がある。トルク変動の存在は運転性能、快適性の低下につながる。従来技術では、このアフタ噴射によるトルク変動に対処できていない。
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、DPFの過昇温の可能性があると判定されたら酸素濃度を低減して過昇温を抑制する排気浄化装置において、トルク変動を引き起こすことなく排気中の酸素濃度を低減してDPFの過昇温を抑制できる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を達成するために、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関の排気通路に配置されて粒子状物質を捕集するフィルタと、前記フィルタに流入する排気中の酸素濃度を検出する第1検出手段と、前記内燃機関の吸気量を検出する第2検出手段と、前記フィルタに捕集された粒子状物質が燃焼して前記フィルタが昇温し過ぎる可能性があることを検出した場合に、内燃機関の筒内で、メイン噴射よりも遅角側でトルクの発生する噴射であるアフタ噴射を実行するように制御し、前記第1検出手段の計測値と前記フィルタの過昇温抑制のための酸素濃度値の目標値とを用いたフィードバック制御によってアフタ噴射量を調節する制御手段と、その制御手段によるアフタ噴射で発生するトルク変動を低減するように、アフタ噴射量が大きい程、メイン噴射量を大きく減少させ、前記第2検出手段による吸気量の計測値が大きい程、アフタ噴射量の増加量に対するメイン噴射量の減少量の比を大きくするようにメイン噴射量を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
これにより本発明に係る内燃機関の排気浄化装置では、フィルタにおける粒子状物質の燃焼による過昇温の可能性がある場合に、アフタ噴射を実行し、かつアフタ噴射によるトルク変動を抑制するようにメイン噴射量を補正するので、アフタ噴射により排気中の酸素濃度を低減して、これによりフィルタにおける過昇温を効果的に抑制したうえで、アフタ噴射によるトルク変動も抑制される。したがってフィルタの過昇温抑制とトルク変動の抑制とをともに達成する排気浄化装置が実現できる。
また前記フィルタに流入する排気中の酸素濃度を検出する第1検出手段を備え、前記制御手段は、前記第1検出手段の計測値と、前記フィルタの過昇温抑制のための酸素濃度値の目標値とを用いたフィードバック制御によってアフタ噴射量を調節するとしてもよい。
これによりフィルタに流入する排気中の酸素濃度の計測値とフィルタの過昇温抑制のための酸素濃度値の目標値とを用いたフィードバック制御を用いるので、フィードバックの効果により高精度に排気中の酸素濃度を過昇温抑制のための目標値に収束させることができる。さらに、フィードバック制御によりアフタ噴射量が調節された場合に、アフタ噴射の変化量に対してトルク変動を抑制するようにメイン噴射量を補正することで確実にフィルタの過昇温を抑制し、かつフィードバック制御によるアフタ噴射量の変化により生じるトルク変動を抑制できる。
また前記補正手段は、アフタ噴射量が大きい程、メイン噴射量を大きく減少させるように補正するとしてもよい。
これによりアフタ噴射量が大きい程、メイン噴射量を大きく減少させることにより、アフタ噴射量が大きいほど大きくなるエンジン出力トルクを、メイン噴射量をより小さくすることで打ち消せる。よってトルク変動が確実に抑制できる。
また前記補正手段は、アフタ噴射時期が進角側である程、アフタ噴射の増加量に対するメイン噴射の補正値の減少量の比を大きくするとしてもよい。
これによりアフタ噴射時期が進角側である程メイン噴射量をより大きく減少させるので、アフタ噴射時期が進角側であるほど、アフタ噴射による筒内の燃焼が増大して出力トルクが大きくなる性質に対応して、適切にアフタ噴射によるトルク変動が抑制できる。
また吸気量を検出する第2検出手段を備え、前記補正手段は、その第2検出手段による吸気量の計測値が大きい程、アフタ噴射の増加量に対するメイン噴射の減少量の比を大きくするとしてもよい。
これにより吸気量が大きい程メイン噴射量をより大きく減少させるので、吸気量が大きい程アフタ噴射による筒内の燃焼が増大して出力トルクが大きくなる性質に対応して、適切にアフタ噴射によるトルク変動が抑制できる。
また吸気中の酸素濃度を検出する第3検出手段を備え、前記補正手段は、その第3検出手段による吸気中の酸素濃度の計測値が大きい程、アフタ噴射の増加量に対するメイン噴射の減少量の比を大きくするとしてもよい。
これにより吸気中の酸素濃度が高い程メイン噴射量をより大きく減少させるので、吸気中の酸素濃度が高い程アフタ噴射による筒内の燃焼が増大して出力トルクが大きくなる性質に対応して、適切にアフタ噴射によるトルク変動が抑制できる。
また前記補正手段は、メイン噴射量の増減量及びアフタ噴射量の増減量とエンジントルクの増減量との関係を示すモデルを用いて、メイン噴射量の補正量を決定するとしてもよい。
これによりメイン噴射量の増減量及びアフタ噴射量の増減量とエンジントルクの増減量との関係を示すモデルを用いるので、どれだけアフタ噴射量が増加すれば、エンジントルクがどれだけ増加し、その増加したエンジントルクをどれだけメイン噴射量を減少させれば打ち消せるかが、明確に算出できることとなる。したがって高精度にトルク変動を抑制できる。
また吸気量を調節する調節手段と、前記補正手段により補正されたメイン噴射量が所定の下限値以下となったら、メイン噴射量は前記所定の下限値に制御して、前記調節手段で吸気量を低減させる第1副補正手段と、を備えたとしてもよい。
これによりメイン噴射量は所定の下限値よりも下げることはせずに、吸気量を低減することにより対処するので、メイン噴射量が小さすぎることによる失火等の不具合を適切に回避しつつ、アフタ噴射によるトルク変動を抑制する。
また前記補正手段により補正されたメイン噴射量が所定の下限値以下となったら、メイン噴射量は前記所定の下限値に制御して、アフタ噴射時期を遅角化する第2副補正手段を備えたとしてもよい。
これによりメイン噴射量は指定の下限値よりも下げることはせずに、アフタ噴射時期を遅角化することにより対処するので、メイン噴射量が小さすぎることによる失火等の不具合を適切に回避しつつ、アフタ噴射によるトルク変動を抑制する。
また前記内燃機関の筒内圧を検出する第4検出手段と、その第4検出手段の計測値に基づいて、メイン噴射による筒内の熱発生量を算出して、その熱発生量が失火回避可能な値となるメイン噴射量を前記所定の下限値に設定する設定手段と、を備えたとしてもよい。
これにより筒内圧をモニタし、それから熱発生量を算出して、熱発生量が失火回避可能な値となるメイン噴射量を下限値に設定するので、実際の筒内圧の計測値を用いて算出された下限値により、確実に失火を回避しつつ、アフタ噴射によるトルク変動を抑制する。
本発明における内燃機関の排気浄化装置の実施例の構成図。 過昇温抑制処理を示すフローチャート。 エンジン出力トルクと噴射量の関係を示す図。 アフタ噴射を示す図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置1の実施例における装置構成を示している。
図1の排気浄化装置1は、4気筒のディーゼルエンジン2(以下では単にエンジンと称する)に対して構成されている。エンジン2及び排気浄化装置1は、吸気管3、排気管4、EGR管5を備える。排気管4には上流側から酸化触媒8(DOC:Diesel Oxicidation Catalyst)、DPF6が配置されている。エンジン2及び排気浄化装置1は自動車に搭載されているとすればよい。
吸気管3を通じてエンジン2に空気(吸気)が供給される。吸気管3にはエアフロメータ31、吸気スロットル32、酸素濃度センサ33が配置されている。エアフロメータ31は吸気量を計測する。ここでの吸気量は例えば単位時間当たりの質量流量とすればよい。また吸気スロットル32の開度が調節されることによってエンジン2に供給される吸気量が増減する。酸素濃度センサ33で吸気内の酸素濃度が計測される。
エンジン2にはインジェクタ21、エンジン回転数センサ22、筒内圧センサ23が装備されている。インジェクタ21からの噴射によってシリンダ内に燃料が供給される。エンジン回転数センサ22によってエンジン2の(単位時間あたりの)回転数が計測される。エンジン回転数センサ22は、例えばエンジン2から連結されたクランクの回転角度を計測するクランク角センサとして、その検出値がECU7へ送られてエンジンの回転数が算出されるとすればよい。また筒内圧センサ23によってエンジン2の筒内圧力が計測される。
DPF6は、例えば代表的な構造として、いわゆるハニカム構造において入口側と出口側を交互に目詰めした構造とすればよい。エンジン2の運転中に排出される排気にはPM(粒子状物質)が含まれ、このPMはDPF6の上記構造のDPF壁を排気が通過するときに、このDPF壁の内部あるいは表面に捕集される。なおDPF6は酸化触媒が担持された酸化触媒付きDPFとすればよい。
DOC8には酸化触媒が担持されている。排気管4には、DOC8とDPF6の間に、酸素濃度を計測する酸素濃度センサ41が装備されている。またDPF6の入口側と出口側における排気圧の差である前後差圧(圧損)を計測する差圧センサ61も装備されている。
EGR管5は、排気管4から吸気管3への排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)を行うために装備されている。EGR管5にはEGRバルブ51が装備されている。EGRバルブ51の開閉によって排気の還流量が調節される。
上で述べたエアフロメータ31、エンジン回転数センサ22、アクセル開度センサ23、酸素濃度センサ41、差圧センサ61の計測値は電子制御装置7(ECU:Electronic Control Unit)へ送られる。またECU7によりインジェクタ21によるエンジン2への燃料噴射のタイミングや噴射量、吸気スロットル32とEGRバルブ51との開度が調節、制御される。ECU7は通常のコンピュータと同様の構造を有するとして、各種演算をおこなうCPUや各種情報の記憶を行うメモリ71を有するとすればよい。
DPF6に堆積したPMの堆積量が十分大きくなった度ごとに、堆積したPMを燃焼することによって除去し、DPF6を再生する。PMの堆積量を推定する方法は例えば、DPF6の前後差圧とPM堆積量の関数関係(マップ)を予め求めておいてメモリ71に記憶しておき、差圧センサ61の計測値と同マップとからPMの堆積量を推定すればよい。
DPF6の再生方法としては例えば、インジェクタ21からメイン噴射後のタイミングで燃料を噴射するポスト噴射を実行する。ポスト噴射により筒内に噴射されて未燃のまま排気管4に排出された未燃燃料が、DPF6に達して、DPF6に担持された触媒の作用で昇温して、DPF6に堆積したPMを燃焼させる。
本実施例では、こうした装置構成のもとで、DPF6に過昇温発生の可能性が生じた場合に、迅速に酸素濃度を低減して過昇温の発生を抑制する処理を実行する。図2に本実施例における過昇温抑制処理の処理手順が示されている。この処理手順はプログラム化されてメモリ71に記憶しておき、ECU7が呼び出して自動的に実行するようにすればよい。図2の処理は例えば4サイクルエンジンの場合、4サイクル毎に周期的に処理すればよい。
図2の処理は例えばDPF6の再生制御中に実行するとしてもよく、再生中以外にも実行するとしてもよい。DPF6の再生制御では、例えば筒内でポスト噴射を実行し、それにより未燃燃料が排気管4に排出されて、DOC8あるいはDPF6に担持された触媒の作用で昇温して、DPF6に堆積したPMが燃焼する。図2の処理をDPF6の再生制御中に実行する場合、再生制御中に過昇温が発生することが抑制できる。図2の処理をDPF6の再生中以外にも実行する場合、DPF6に堆積したPMが自然に燃焼して過昇温が発生することにも対処できる。
図2の詳細の説明に先立ち、処理手順の全体の流れを説明する。まず手順S10で過昇温の可能性があると判断されると、手順S20でメイン噴射量とアフタ噴射量の基本量を求める。そしてS30からS70でアフタ噴射量の補正量(アフタ噴射補正量)を算出する。そしてS80からS110で、アフタ噴射が原因のトルク変動が抑制されるように、メイン噴射量の補正量を算出する。これらの補正量を基本量に加えた値がそれぞれ、メイン噴射量、アフタ噴射量となる。さらに手順S120からS140では補正によりメイン噴射量が小さくなり過ぎた場合に対処する。そして最終的にS150でメイン噴射、アフタ噴射を実行する。
図2の処理ではまずS10でECU7は、DPF6に過昇温の可能性があるか否かを判定する。過昇温の可能性があると判断される場合(S10:YES)はS20に進み、過昇温の可能性がないと判断される場合(S10:NO)は図2の処理を終了する。過昇温の可能性の判定は、例えばDPF6におけるPMの堆積量と運転条件とから行えばよい。
その場合具体的には、PMの堆積量は例えば差圧センサ61の計測値を用いて推定すればよい。また運転条件、すなわちエンジン2の回転数と負荷とは、例えばエンジン回転数センサ22の計測値とインジェクタ21への噴射量指令値とすればよい。そして例えばDPF6の堆積量の推定値が過剰であり、かつ運転が低負荷あるいは低回転まで落ちた、といった条件が満たされる場合を過昇温の可能性がある場合と予め決めておいて、ECU7でこの条件が満たされるか否かを判定すればよい。
S20でECU7は、メイン噴射とアフタ噴射との基本噴射量を算出する。以下ではメイン噴射の基本量をQmainbas、アフタ噴射の基本量をQafbasと表記する。このメイン噴射とアフタ噴射との基本量は、インジェクタ21による噴射量がノミナル(公称値)どおりであるとの仮定のもとで、例えば予め記憶させておいたマップによりDPF6の過昇温の回避に必要なメイン噴射量とアフタ噴射量とを呼び出せばよい。
S30でECU7は、DPF6に流入する排気における過昇温抑制のための目標酸素濃度を算出する。目標酸素濃度はO2trgで表記する。次にS40でECU7は、DPF6に流入する排気酸素濃度を計測する。この検出は酸素濃度センサ41で計測すればよい。排気酸素濃度の計測値はO2realで表記する。
S50でECU7は、偏差を算出する。偏差を△O2で表記すると次の式(E1)が成立する。
△O2=O2real―O2trg (E1)
次にS60でECU7は、アフタ噴射における噴射量の補正値(アフタ噴射補正量)を算出する。アフタ噴射補正量はQaffbと表記する。Qaffbは次の式(E2)、(E3)で算出する。ただしΣ△O2は過去から現在までの△O2の和である。つまり式(E2)はPI(比例積分)コントローラを示しており、右辺第1項が比例コントローラ、第2項が積分コントローラである。そしてKp、Kiがそれぞれのゲイン定数である。KafがPIコントロ−ラの出力側に配置された最終的なゲイン定数である。Kp、Ki、Kfbは予め適切に設定すべきパラメータである。
O2fb=Kp×△O2+Ki×Σ△O2 (E2)
Qaffb=Kaf×O2fb (E3)
以上のとおり手順S30からS70でフィードバック(F/B)コントローラを用いて、排気酸素濃度O2realを目標値O2trgに収束させるように制御したが、F/Bコントローラが積分器を含むので、目標値O2trgへの収束が達成できる。また、F/B制御を採用したことの効果として、インジェクタ21による噴射量が機差や劣化等により公称値からずれていても排気酸素濃度O2realの目標値O2trgへの収束が達成できる。
なお上記S30からS70でのようにF/B制御を用いるのでなく、S30からS50を削除して、S60のアフタ噴射補正量算出では、例えば予め求めておいたマップから、排気酸素濃度O2realを目標値O2trgになる条件を満たすアフタ噴射補正量を算出するとしてもよい。そのマップでは、アフタ噴射量が増加するほど排気酸素濃度が単調に減少するとすればよい。この場合、F/B制御を用いた場合のように収束まで時間がかかることがない。
S70でECU7は、アフタ噴射量を次の式(E4)で算出する。アフタ噴射量はQafで表記する。
Qaf=Qafbas+Qaffb (E4)
次にECU7は、手順S80からS82で各種情報を取得し、これらの情報を後述のS90で用いる。まずS80でECU7は、アフタ噴射の噴射時期を算出する。噴射時期はTafと表記する。噴射時期Tafは例えば、アフタ噴射量Qafに応じて予め定めておいたマップ等から算出すればよい。S81でECU7は、吸気量を計測する。この計測はエアフロメータ31で行えばよい。S82でECU7は、吸気中の酸素濃度を計測する。この計測は酸素濃度センサ33で実行すればよい。
S90でECU7は、メイン噴射補正係数(補正係数)を算出する。この補正係数をKMで表記する。KMは0以上1以下の範囲の数値とし、以下の手順で図3を用いて算出される。
図3には、筒内での燃料噴射量とその噴射により発生するエンジン出力トルクとの関係が図示されている。直線L1がメイン噴射の場合であり、直線L2がアフタ噴射の場合である。つまり図3はメイン噴射量の増減量及びアフタ噴射量の増減量とエンジントルクの増減量との関係を示すモデルである。メイン噴射により発生するトルクの方がアフタ噴射よりも大きいので、直線L1の方がL2よりも傾き(エンジン出力トルクの増分を噴射量の増分で除算した値)が大きい。
アフタ噴射の噴射時期が進角側になるほど、直線L2の傾きは大きくなる性質がある。この性質は、アフタ噴射時期が進角側になるほどアフタ噴射で噴射された燃料のうち燃焼に参加する割合が高くなるからである。また吸気量が大きくなるほど、あるいは吸気中の酸素濃度が大きいほど、直線L2の傾きは大きくなる性質がある。これは、吸気中の酸素が多いほどアフタ噴射による燃焼反応が大きくなるからである。
以下では、上記S60で算出したアフタ噴射補正量QaffbをQ1とする。図3の例では、アフタ噴射量(の増加量)がQ1のとき、それによるエンジン出力トルク(の増加量)がT1であり、メイン噴射において出力トルクがT1となる噴射量がQ2となっている。つまりアフタ噴射量(の増加量)がQ1のとき、それによるエンジン出力トルクを打ち消すためには、メイン噴射をQ2だけ減少させればよいこととなる。したがってQ1とQ2との差分値がメイン噴射、アフタ噴射合計で増加した噴射量であり、この噴射量の増加分が排気中の酸素濃度を低減させる効果を有する。
Q2とQ1との比、すなわちQ2/Q1は、アフタ噴射量(の増加)によるトルク変動が発生しないための、アフタ噴射量の増加量に対するメイン噴射量の減少量の割合である。このQ2/Q1が、S90で求めるメイン噴射補正係数KMの定義である。つまり次の式(E5)が成立する。
KM=Q2/Q1 (E5)
直線L1、L2の傾きをそれぞれA1、A2とすると、傾きの定義から次の式(E6)、(E7)が得られる。さらにこれらから式(E8)が得られ、最終的に式(E9)でKMが得られる。
A1=T1/Q1 (E6)
A2=T1/Q2 (E7)
Q2/Q1=A1/A2 (E8)
KM=A1/A2 (E9)
図2に戻って、次にS100でECU7は、メイン噴射量の補正量を算出する。アフタ噴射補正量によって発生するエンジン出力トルクを打ち消すだけのメイン噴射補正量を算出する。メイン噴射補正量をQmainfbで表記する。したがって上記議論でQ1をQaffbとしたときのQ2の値がQmainfbである。
よって式(E8)、(E9)よりQmainfbは次の式(E10)で与えられる。ただし増加側の補正量を正値、減少側の補正量を負値で示すので、式(E10)の右辺にはマイナス符号が付加されている。
Qmainfb=−Qaffb×KM (E10)
上記のとおり、S80からS82の結果が上記KMの値に反映されている。つまりアフタ噴射時期が進角側であるほど、吸気量が大きいほど、そして吸気中の酸素濃度が大きいほど、KMの値、つまりアフタ噴射補正量に対するメイン噴射補正量の比が大きくなる。これにより、アフタ噴射時期が進角側であるほど、吸気量が大きいほど、そして吸気中の酸素濃度が大きいほどアフタ噴射により発生するトルクが大きいとの性質を組み込んで、適切なメイン噴射補正量が算出される。
S110でECU7は、次の式(E11)でメイン噴射量を算出する。
Qmain=Qmainbas+Qmainfb (E11)
次に手順S120でECU7は、メイン噴射量の下限値を算出する。具体的には、S120の時点以前から筒内圧センサ23を用いてエンジン2の筒内圧をモニタしておき、その筒内圧計測値から筒内での熱発生量を算出し、その情報から失火する(あるいは失火しそうになる)メイン噴射量の下限値を算出すればよい。メイン噴射量の下限値の算出はS120の時点で行わなくてもよく、別の時点で下限値を算出しておいて例えばメモリ71に記憶しておいてもよい。
S130でECU7は、S110で算出したメイン噴射量が、S120で算出したメイン噴射量の下限値以上か否かを判定する。下限値以上の場合(S130:YES)はS150に進み、下限値より小さい場合(S130:NO)はS140に進む。
S140でECU7は、各種の補正を実行する。具体的には、メイン噴射量をS110で求めた値ではなく、上記下限値に置き替える。そして吸気スロットル32の開度を減少させる。これにより吸気を絞って排気酸素濃度を低減する。さらにアフタ噴射時期を遅角側に補正する。これにより図3のL2の傾きが小さくなるので、メイン噴射補正量を小さくしつつトルク変動を低減できる。
S150でECU7は、以上で設定されたメイン噴射とアフタ噴射とを実行する。以上が図2の処理手順である。
なお図2の処理は、上記説明からあきらかなように、基本的にはアフタ噴射量の補正量により発生するトルク変動をメイン噴射量によって打ち消す(抑制する)ための処理となっている。これを、アフタ噴射補正量ではなくアフタ噴射量そのものにより発生するトルク変動を打ち消す(抑制する)処理へ変形することは容易である。この変形の場合、式(E10)でQaffbをQafに置き替えればよい。
上記実施例におけるS70の手順とECU7とが制御手段を構成する。S100の手順とECU7とが補正手段を構成する。S140の手順とECU7とが第1、第2副補正手段を構成する。なお上記実施例ではエンジン2をディーゼルエンジンとしたが、これは例えばリーンバーンガソリンエンジンとしても上記と同様の効果が得られる。
1 排気浄化装置
2 ディーゼルエンジン(内燃機関)
3 吸気管
4 排気管(排気通路)
5 EGR管
6 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF、フィルタ)
7 電子制御装置(ECU)
21 インジェクタ
23 筒内圧センサ(第4検出手段)
31 エアフロメータ(第2検出手段)
32 吸気スロットル(調節手段)
33 酸素濃度センサ(第3検出手段)
41 酸素濃度センサ(第1検出手段)
61 差圧センサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に配置されて粒子状物質を捕集するフィルタと、
    前記フィルタに流入する排気中の酸素濃度を検出する第1検出手段と、
    前記内燃機関の吸気量を検出する第2検出手段と、
    前記フィルタに捕集された粒子状物質が燃焼して前記フィルタが昇温し過ぎる可能性があることを検出した場合に、内燃機関の筒内で、メイン噴射よりも遅角側でトルクの発生する噴射であるアフタ噴射を実行するように制御し、前記第1検出手段の計測値と前記フィルタの過昇温抑制のための酸素濃度値の目標値とを用いたフィードバック制御によってアフタ噴射量を調節する制御手段と、
    その制御手段によるアフタ噴射で発生するトルク変動を低減するように、アフタ噴射量が大きい程、メイン噴射量を大きく減少させ、前記第2検出手段による吸気量の計測値が大きい程、アフタ噴射量の増加量に対するメイン噴射量の減少量の比を大きくするようにメイン噴射量を補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記補正手段は、メイン噴射量の増減量及びアフタ噴射量の増減量とエンジントルクの増減量との関係を示すモデルを用いて、メイン噴射量の補正量を決定する請求項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 吸気量を調節する調節手段と、
    前記補正手段により補正されたメイン噴射量が所定の下限値以下となったら、メイン噴射量は前記所定の下限値に制御して、前記調節手段で吸気量を低減させる第1副補正手段と、
    を備えた請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記補正手段により補正されたメイン噴射量が所定の下限値以下となったら、メイン噴射量は前記所定の下限値に制御して、アフタ噴射時期を遅角化する第2副補正手段を備えた請求項1乃至のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記内燃機関の筒内圧を検出する第検出手段と、
    その第検出手段の計測値に基づいて、メイン噴射による筒内の熱発生量を算出して、その熱発生量が失火回避可能な値となるメイン噴射量を前記所定の下限値に設定する設定手段と、
    を備えた請求項3又は4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
JP2009203848A 2009-09-03 2009-09-03 内燃機関の排気浄化装置 Expired - Fee Related JP5305244B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009203848A JP5305244B2 (ja) 2009-09-03 2009-09-03 内燃機関の排気浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009203848A JP5305244B2 (ja) 2009-09-03 2009-09-03 内燃機関の排気浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011052641A JP2011052641A (ja) 2011-03-17
JP5305244B2 true JP5305244B2 (ja) 2013-10-02

Family

ID=43941893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009203848A Expired - Fee Related JP5305244B2 (ja) 2009-09-03 2009-09-03 内燃機関の排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5305244B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5854203B2 (ja) * 2011-11-04 2016-02-09 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP5854204B2 (ja) * 2011-11-14 2016-02-09 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP6631220B2 (ja) * 2015-12-10 2020-01-15 三菱自動車工業株式会社 ハイブリッド自動車の制御装置
KR102552502B1 (ko) * 2018-10-31 2023-07-06 현대자동차주식회사 디젤 엔진의 후분사 제어 장치 및 그 방법

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06249025A (ja) * 1993-02-23 1994-09-06 Mazda Motor Corp エンジンの燃料制御装置
JP2002242732A (ja) * 2001-02-20 2002-08-28 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の排気浄化装置
JP3838339B2 (ja) * 2001-03-27 2006-10-25 三菱ふそうトラック・バス株式会社 内燃機関の排気浄化装置
JP4692436B2 (ja) * 2006-08-04 2011-06-01 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化システム
JP2009085165A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Denso Corp 内燃機関の制御装置、及び圧力制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011052641A (ja) 2011-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4301070B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
US8845783B2 (en) Failure detection apparatus and failure detection method for a particulate filter
US7421838B2 (en) Diesel engine exhaust gas after-treatment device
JP6233450B2 (ja) 排気浄化システムの制御装置
US9162184B2 (en) Exhaust gas purification system for internal combustion engine
JP5131362B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5024066B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5093617B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2006322364A (ja) 内燃機関の排気浄化システム
JP2010180743A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4270175B2 (ja) パティキュレート堆積量推定装置
JP5071819B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5305244B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
WO2016117516A1 (ja) 排気浄化システム及び触媒再生方法
JP3868926B2 (ja) ディーゼル機関の排気ガス還流制御装置
JP4947031B2 (ja) 内燃機関の推定装置、及び内燃機関の排気浄化装置
JP6455246B2 (ja) 排気浄化システム
KR101759852B1 (ko) 내연기관의 제어 장치 및 제어 방법
CN107429586B (zh) 排气净化系统和排气净化系统的控制方法
JP2004190568A (ja) ディーゼルエンジンのフィルタ再生制御装置
JP5004036B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP6550772B2 (ja) 排気浄化システム
JP2010090708A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5142050B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
KR101801717B1 (ko) 내연 기관의 제어 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120229

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20121004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130603

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5305244

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130616

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees