第1の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は本発明によるカードの印字システムの一実施の形態を示す図である。
本発明によるカードの印字システムは、図3(a)(b)(c)に示すようなICチップ1aを含むICカード1の表面2に対して各個人の必要な表面情報2aおよび顔画像情報2bを印字するとともに、ICカードの裏面3に対して裏面情報3aを印字し、ICチップ1a内に表面情報2aおよび裏面情報3aを書込んで、例えば社員カード、銀行カード、運転免許証等のICカードを作製するものである。この場合、裏面情報のうちICカード裏面に印字できない追記情報5aは、追記情報ラベル5に印字される。このうち、表面情報2aおよび裏面情報3aにより文字情報が構成される。
ここで必要な表面情報2aとは、当該個人の氏名、および住所等が考えられる。また裏面情報3aとは表面に書き込めない住所の詳細情報が考えられ、さらに追記情報ラベル5に表記される追記情報5aとは個人の詳細な運転条件等が考えられる。またICカード1の表面2に個人のID番号(ID情報)2cも、印字されている。
このようなICカードの印字、書込システム10は図1に示すように、ICカードの印字、書込みを行なう必要がある個人のID情報2cが入力されるID情報入力部11と、多数の個人の表面情報2aおよび裏面情報3aがID情報2cとともに蓄えられ、ID情報入力部11からのID情報2cに基づいて、当該ID情報に対応する個人のID情報2c、表面情報2a、および裏面情報3aを出力するデータベース12と、ID情報入力部11からのID情報2cに基づいて、このID情報2cに対応した顔画像情報2bを生成する顔画像生成手段13とを備えている。
このうち顔画像生成手段13はカメラ等の撮影装置、または予め作成された顔画像を電子データとして取込んで顔画像情報を生成する装置からなっている。
またデータベース12および顔画像情報生成部13に、データベース12からのID情報2cに対応する表面情報2aおよび裏面情報3aが送られるとともに、顔画像情報生成部13からの顔画像情報2bが送られる表裏面情報出力部14が接続され、さらに表裏面情報出力部14に、ID情報2c、表面情報2a、裏面情報3a、および顔画像情報2bに基づいて、ICカード1の表面2に表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cを印字するとともに、ICカード1の裏面3に裏面情報3aを印字するICカード用書込機能付プリンタ15が接続されている。
このICカード用書込機能付プリンタ15においては、ICカード1のICチップ1a内に、表面情報2aおよび裏面情報3aが書込まれる。
さらにICカード用書込機能付プリンタ15の下流側には、ICカード1のICチップ1a内に書き込まれた表面情報2aおよび裏面情報3aを読み取ってその内容を確認する第2リーダライタ(確認用リーダライタ)17が接続されている。
さらにこの第2リーダライタ17には、ICカード1のICチップ1aから裏面情報3aを読み取り、裏面情報3aのうちICカード1の裏面3に印字できない追記情報5aを印字して追記情報ラベル5を作製するとともに、この追記情報ラベル5を発行する追記情報ラベル発行部18が接続されている。
また上述したID情報入力部11とは独立して、追加ID情報入力部41が設けられている。この追加ID情報入力部41にはICカード1を発行すべきか否かの判定に関する情報が入力され、追加ID情報入力部41からの情報はICカード発行判定部42に送られる。そしてICカード発行判定部42によってICカード1の発行の適否が判定され、判定結果はICカード用書込機能付プリンタ15へ送られる。
次にICカード用書込機能付プリンタ15について図2により更に詳述する。
図2に示すようにICカード用書込機能付プリンタ15は、ケーシング20と、ケーシング20内上方に設けられICカード1を積層して収納するICカードホッパ21と、ICカードホッパ21からのICカード1を搬送する第1搬送ライン32と、第1搬送ライン32に沿って配置されICカード1の表面2に顔画像情報2bを印字するY印刷部22、M印刷部23およびC印刷部24とを有している。このうちY印刷部22はICカード1の表面2にイエロー印刷を施すものであり、M印刷部23はICカード1の表面2にマゼンタ印刷を施すものであり、C印刷部24はICカード1の表面2にシアン印刷を施すものである。
またC印刷部24の下流側には、Y印刷部22、M印刷部23およびC印刷部24によって印刷されたインキをICカード1の表面2に定着させるインキ定着部25が設けられ、さらにインキ定着部25の下流側にはICカード1の表面2に表面情報2aおよびID情報2cからなる文字情報2a,2cを印字する表面印字部26が設けられている。
表面印字部26を通過したICカード1は第1搬送ライン32から第1リーダライタ27および裏面印字部28へ送られた後、ケーシング20下方にある第2搬送ライン33へ送られる。
このうち、第1リーダライタ27は、ICカード1のICチップ1aに表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cを書込むものであり、裏面印字部28はICカード1の表面2に裏面情報3aを印字するものである。また第1リーダライタ27には、ICカード発行判定部42においてカード発行を行わないと判断した場合、当該ICカード1を破砕するカード破砕部27aが接続されている。
さらに第2搬送ライン33に沿って、ICカード1の表面2上にホログラム層(図示せず)を設けるホログラム層形成部29が設けられ、ホログラム層形成部29の下流側に保護シート(図示せず)を設ける保護シート形成部30が設けられている。
また第2搬送ライン33の下流側には、表面情報2a、顔画像情報2b、ID情報2cが表面2に印字され、裏面情報3aが裏面3に印字され、かつ表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cが書込まれたICカード1を受け取り、第1集積部35a、第2集積部35bまたは裏面印字集積部36へICカード1を振分ける振分け機構34が設けられている。
このうち第1集積部35a、第2集積部35bは、裏面3に対して印字する必要のないICカード1をICカード1の種類に基づいて集積するものであり、裏面印字集積部36は、ICカード1の裏面3に対して必要な裏面情報3aが印字されたICカード1を集積するものである。
第1集積部35a、第2集積部35bまたは裏面印字集積部36を経たICカード1は、その後第2リーダライタ(確認用リーダライタ)17側へ送られる。
なお、ICカード用書込機能付プリンタ15における構成部分は、プリンタ制御部15Aにより駆動制御される。また上述した表裏面情報出力部14およびICカード発行判定部42はプリンタ制御部15A内に内蔵されている。さらに、ICカード用書込機能付プリンタ15において、表面印字部26より下流側に位置する第1リーダライタ27、裏面印字部28、ホログラム層形成部29、保護シート形成部30、振分け機構34、第1集積部35a、第2集積部35bおよび裏面印字集積部36によって下流側処理部が構成されている。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について、図1乃至図4を用いて説明する。
まずICカード1に対して印字しかつ書込む必要のある個人のID情報2cがID情報入力部11から入力され、ID情報入力部11から入力されたID情報2cはデータベース12および顔画像情報生成部13へ送られる。
ここでID情報入力部11としては、個人のID情報2cが記載された用紙を読取るOCR等が考えられる。すなわち各個人は用紙にID情報2c(ID番号、氏名、生年月日、住所等のID情報)を記入し、OCRからなるID情報入力部11により用紙に記入されたID番号、氏名、生年月日、住所等のID情報を読取るようになっている。
ID情報2cがデータベース12へ送られると、データベース12内でID情報2cに対応する表面情報2aおよび裏面情報3aが集められ、これら表面情報2aおよび裏面情報3aがID情報2cとともに表裏面情報出力部14へ送られる。ここで表面情報2aは個人の氏名、住所等の情報を含み、裏面情報3aは詳細な住所情報を含む。
同時に顔画像情報生成部13では、個人の顔画像がカメラ等により撮影され、顔画像情報2bが生成されるとともに、生成された顔画像情報2bはID情報2cとともに、表裏面情報出力部14へ送られる。
表裏面情報出力部14は、次に表面情報2a、裏面情報3aおよび顔画像情報2bをID情報2cとともに、ICカード用書込機能付プリンタ15へ送る。その後ICカード用書込機能付プリンタ15内においてICカード1の表面2に表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bが印字され、裏面3に裏面情報3aが印字され、かつICチップ1a内に表面情報2aおよび裏面情報3aが書込まれる。
次にICカード用書込機能付プリンタ15内における作用について詳述する。
まず、印字および書込みがなされていないICカード1がICカードホッパ21内に積層して集積されている。次に、表裏面情報出力部14内へ各種情報が入力される前に、プリンタ制御部15AがICカードホッパ21を駆動制御して、ICカードホッパ21から印字および書込みがなされていないICカード1を出口21aまで排出させた後、ICカード1を待機させる。
次に表裏面情報出力部14内へ表面情報2a、裏面情報3a、顔画像情報2bが入力させると、プリンタ制御部15Aは第1搬送ライン32を駆動する。このことによりICカード1は搬送ライン32に沿って搬送される。
第1搬送ライン32に沿ってICカード1が搬送される際、このICカード1の表面2に対してY印刷部22、M印刷部23およびC印刷部24によって、各々イエロー印刷、マゼンタ印刷、およびシアン印刷が施され、このようにしてICカード1の表面2に顔画像情報2bが印字される。なお、Y印刷部22、M印刷部23およびC印刷部24によって画像情報印字部が構成される。
次にICカード1は第1搬送ライン32によってインキ定着部25へ送られ、このインキ定着部25においてY印刷部22、M印刷部23およびC印刷部24によって印字された顔画像情報2bのインキがICカード1の表面2に定着される。
その後ICカード1は第1搬送ライン32によって表面印字部(文字情報印字部)26に送られ、この表面印字部26においてICカード1の表面2に表面情報2aおよびID情報2cが印字される。
表面印字部26においてICカード1の表面2に表面情報2aおよびID情報2cが印字された後、プリンタ制御部15AはICカード1を表面印字部26の出口側で待機させる。
この間、ICカード1の発行を希望する各個人に対してICカード1を発行すべきか否か個別の審査が行われる。そして追加ID情報入力部41にはICカード1を発行すべきか否かの判定に関する情報が入力され、追加ID情報入力部41からの情報はICカード発行判定部42に送られる。
そしてICカード発行判定部42によってICカード1の発行が適切である、と判断された場合、プリンタ制御部15AはICカード1を表面印刷部26の出口側から第1搬送ライン32によって第1リーダライタ27に送り、ICカード1に対して第1リーダライタ27による処理が施される。
他方、ICカード発行判定部42によってICカード1の発行が不適切である、と判断された場合、プリンタ制御部15AはICカード1を表面印字部26の出口側から第1搬送ライン32によって第1リーダライタ27に送り、第1リーダライタ27による処理を行うことなく、当該ICカード1をカード破砕部27aによって破砕する。
発行が適切と判断されたICカード1は第1搬送ライン32から第1リーダライタ27へ送られ、この第1リーダライタ27においてICカード1のICチップ1aに対して表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cが書込まれる。その後ICカード1は、裏面印字部28へ送られ、この裏面印字部28においてICカード1の裏面3に裏面情報3aが印字される。
このようにして表面情報2a、顔画像情報2b、ID情報2cが表面2に印字され、裏面情報3aが裏面3に印字され、かつICチップ1aに表面情報2a、ID情報2c、および裏面情報3aが書込まれたICカード1は、その後第2搬送ライン33に沿って搬送されてホログラム層形成部29へ送られ、このホログラム層形成部29においてICカード1の表面にホログラム層が形成される。次にICカード1は第2搬送ライン33に沿って保護シート形成部30へ送られ、この保護シート形成部30においてICカード1上に保護シートが形成される。
なお、ICカード1の裏面3に印字したりICチップ1aに書込むべき裏面情報3aがない場合、裏面3に裏面情報3aが印字されることはなく、かつICチップ1a内に裏面情報3aが書込まれることはなく、ICカード1は裏面印字部28を通過する。
次にICカード1は第2搬送ライン33により搬送され、振分け機構34に達する。ICカード1はこの振分け機構34により振分けられ、ICカード1のうち、表面2のみに表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cが印字され、裏面3には裏面情報3aが印字されていないIDカード1は第1集積部35a、第2集積部35bへ送られる。
他方、表面2に表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cが印字され、裏面3にも裏面情報3aが印字されたIDカード1は裏面印字集積部36へ送られる。
このようにしてICカード用書込機能付プリンタ15によって、ICカード1に対する印字および書込作業が終了し、印字および書込済のICカード1が得られる(図1の符号16)。
なお、上述のようにICカード用書込機能付プリンタ15における各構成部分は、プリンタ制御部15Aにより駆動制御される。
このようにICカード用書込機能付プリンタ15によって印字および書込みが行なわれたICカード1は、次に第2リーダライタ17へ送られ、この第2リーダライタ17において、ICカード1のICチップ1a内に書込まれた表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cが読み取られる。第2リーダライタ17には、表裏面情報出力部14から表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cが送られてきており、第2リーダライタ17は表裏面情報出力部14からの情報を参照しながらICチップ1a内に正しく情報が書込まれているか否か判定し、正しく情報が書込まれていない場合、ICチップ1a内に正しい情報を書き込む。
次に第2リーダライタ17を経たICカード1は、追記情報ラベル発行部18に送られる。この追記情報ラベル発行部18では、ICカード1のICチップ1aから裏面情報3aを読み取り、裏面情報3aのうちICカード1の裏面に印字できない追記情報5aを印字して追記情報ラベル5を作製し発行する。このようにして得られた追記情報ラベル5は、その後ICカード1の裏面3の所望位置に貼付される。
この場合、追加情報ラベル発行部18において、ICカード1のICチップ1aからID情報2cを読み取り、このID情報2cに対応する追記情報5aを表裏面情報出力部14から取得して、追加情報5aを印字することにより追加情報ラベル5を作製し発行してもよい。
このようにして表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cが表面2に印字され、裏面情報3aが裏面3に印字され、表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cがICチップ1cに書込まれ、追記情報ラベル5が裏面3に貼付されたICカード1を精度良くかつ効率良く作製することができる。
以上のように本実施の形態によれば、プリンタ制御部15Aの表裏面情報入力部14内へ必要な情報が入力される前に予めICカードホッパ21内のICカード1をICカードホッパ21の出口21aまで排出させて待機させておくので、表裏面情報入力部14内へ必要な情報が入力された後にICカードホッパ21内のICカード1を排出する場合に比べて作業効率を向上させることができる。またICカード1に対して画像印字部22,23,24によって顔画像情報2bが印字され、かつ表面印字部26によって表面情報2aおよびID情報2cが印字されたICカード1を一旦待機させておき、ICカード発行判定部42によってICカード1の発行が適切と判定された場合にICカード1に対して後工程における処理を施している。
このためICカード1の発行が適切か否か各個人に対して審査を行い、発行が適切であると判断した後にICカード1に対して顔画像情報2bを印字し、かつ表面情報2aおよびID情報2cを印字する場合に比較して、ICカード1を作製する際の作業効率が格段に向上する。
第2の実施の形態
次に本発明の第2の実施の形態について図4乃至図6により説明する。
なお、図4乃至図6に示す第2の実施の形態において、図1乃至図3に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を符して詳細な説明は省略する。
第2の実施の形態によるICカードの印字システム10は図1に示すように、ICカードの印字、書込みを行なう必要がある個人のID情報2cが入力されるID情報入力部11と、多数の個人の表面情報2aおよび裏面情報3aがID情報2cとともに蓄えられ、ID情報入力部11からのID情報2cに基づいて、当該ID情報に対応する個人のID情報2c、表面情報2a、および裏面情報3aを出力するデータベース12と、ID情報入力部11からのID情報2cに基づいて、このID情報2cに対応した顔画像情報2bを生成する顔画像生成手段13とを備えている。
このうち顔画像生成手段13はカメラ等の撮影装置、または予め作成された顔画像を電子データとして取込んで顔画像情報を生成する装置からなっている。
またデータベース12および顔画像情報生成部13に、データベース12からのID情報2cに対応する表面情報2aおよび裏面情報3aが送られるとともに、顔画像情報生成部13からの顔画像情報2bが送られる表裏面情報出力部14が接続され、さらに表裏面情報出力部14に、ID情報2c、表面情報2a、裏面情報3a、および顔画像情報2bに基づいて、ICカード1の表面2に表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cを印字するとともに、ICカード1の裏面3に裏面情報3aを印字するICカード用書込機能付プリンタ15が接続されている。
このICカード用書込機能付プリンタ15においては、ICカード1のICチップ1a内に、表面情報2aおよび裏面情報3aが書込まれる。
さらにICカード用書込機能付プリンタ15の下流側には、ICカード1のICチップ1a内に書き込まれた表面情報2aおよび裏面情報3aを読み取ってその内容を確認する第2リーダライタ(確認用リーダライタ)17が接続されている。
さらにこの第2リーダライタ17には、ICカード1のICチップ1aから裏面情報3aを読み取り、裏面情報3aのうちICカード1の裏面3に印字できない追記情報5aを印字して追記情報ラベル5を作製するとともに、この追記情報ラベル5を発行する追記情報ラベル発行部18が接続されている。
また上述したID情報入力部11とは独立して、追加ID情報入力部41が設けられている。この追加ID情報入力部41にはICカード1を発行すべきか否かの判定に関する情報が入力され、追加ID情報入力部41からの情報はICカード発行判定部42に送られる。そしてICカード発行判定部42によってICカード1の発行の適否が判定され、判定結果はICカード用書込機能付プリンタ15へ送られる。
次にICカード用書込機能付プリンタ15について図2により更に詳述する。
図2に示すようにICカード用書込機能付プリンタ15は、ケーシング20と、ケーシング20内上方に設けられICカード1を積層して収納するICカードホッパ21と、ICカードホッパ21からのICカード1を搬送する第1搬送ライン32と、第1搬送ライン32に沿って配置されICカード1のICチップ1aに表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cを書込む第1リーダライタ27と、第1リーダライタ27の下流側に配置されICカード1の表面2に顔画像情報2bと表面情報2aとID情報2cとを印字する転写プリント部45とを有している。
このうち、転写プリント部45は、図6に示すように、転写リボン46cを供給する供給ロール46aと、転写リボン46cを巻取る巻取ロール46bと、転写リボン46cを支持する支持ロール47とを有している。そして転写プリント部45において、印字部48により転写リボン46cを用いて、表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bが転写シート49に印字され、このようにして表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bを含む転写シート49が得られる。
その後、転写シート49はICカード1の表面2上に重ねられ、転写シート49からICカード1の表面2に表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bが転写される。この場合、表面情報2aおよびID情報2cにより、文字情報が構成される。
転写プリント部45を通過したICカード1は第1搬送ライン32から裏面印字部28へ送られた後、ケーシング20下方にある第2搬送ライン33へ送られる。
このうち、裏面印字部28はICカード1の表面2に裏面情報3aを印字するものである。また転写プリント部45には、ICカード発行判定部42においてカード発行を行わないと判断した場合、転写プリント部45で作製された転写シート49を破砕する転写シートは細部45aが接続されている。
さらに第2搬送ライン33に沿って、ICカード1の表面2上にホログラム層(図示せず)を設けるホログラム層形成部29が設けられ、ホログラム層形成部29のの下流側に保護シート(図示せず)を設ける保護シート形成部30が設けられている。
また第2搬送ライン33の下流側には、表面情報2a、顔画像情報2b、ID情報2cが表面2に印字され、裏面情報3aが裏面3に印字され、かつ表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cが書込まれたICカード1を受け取り、第1集積部35a、第2集積部35bまたは裏面印字集積部36へICカード1を振分ける振分け機構34が設けられている。
このうち第1集積部35a、第2集積部35bは、裏面3に対して印字する必要のないICカード1をICカード1の種類に基づいて集積するものであり、裏面印字集積部36は、ICカード1の裏面3に対して必要な裏面情報3aが印字されたICカード1を集積するものである。
第1集積部35a、第2集積部35bまたは裏面印字集積部36を経たICカード1は、その後第2リーダライタ(確認用リーダライタ)17側へ送られる。
なお、ICカード用書込機能付プリンタ15における構成部分は、プリンタ制御部15Aにより駆動制御される。また上述した表裏面情報出力部14およびICカード発行判定部42はプリンタ制御部15A内に内蔵されている。さらに、ICカード用書込機能付プリンタ15において、転写プリント部45より下流側に位置する裏面印字部28、ホログラム層形成部29、保護シート形成部30、振分け機構34、第1集積部35a、第2集積部35bおよび裏面印字集積部36によって下流側処理部が構成されている。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について、図1乃至図4を用いて説明する。
まずICカード1に対して印字しかつ書込む必要のある個人のID情報2cがID情報入力部11から入力され、ID情報入力部11から入力されたID情報2cはデータベース12および顔画像情報生成部13へ送られる。
ここでID情報入力部11としては、個人のID情報2cが記載された用紙を読取るOCR等が考えられる。すなわち各個人は用紙にID情報2c(ID番号、氏名、生年月日、住所等のID情報)を記入し、OCRからなるID情報入力部11により用紙に記入されたID番号、氏名、生年月日、住所等のID情報を読取るようになっている。
ID情報2cがデータベース12へ送られると、データベース12内でID情報2cに対応する表面情報2aおよび裏面情報3aが集められ、これら表面情報2aおよび裏面情報3aがID情報2cとともに表裏面情報出力部14へ送られる。ここで表面情報2aは個人の氏名、住所等の情報を含み、裏面情報3aは詳細な住所情報を含む。
同時に顔画像情報生成部13では、個人の顔画像がカメラ等により撮影され、顔画像情報2bが生成されるとともに、生成された顔画像情報2bはID情報2cとともに、表裏面情報出力部14へ送られる。
表裏面情報出力部14は、次に表面情報2a、裏面情報3aおよび顔画像情報2bをID情報2cとともに、ICカード用書込機能付プリンタ15へ送る。その後ICカード用書込機能付プリンタ15内においてICカード1の表面2に表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bが印字され、裏面3に裏面情報3aが印字され、かつICチップ1a内に表面情報2aおよび裏面情報3aが書込まれる。
次にICカード用書込機能付プリンタ15内における作用について詳述する。
まず、印字および書込みがなされていないICカード1がICカードホッパ21内に積層して集積されている。次に表裏面情報出力部14内へ各種情報が入力される前に、プリンタ制御部15AがICカードホッパ21を駆動制御して、ICカードホッパ21から印字および書込みがなされていないICカード1を出口21aまで排出させた後、ICカード1を待機させる。
次に表裏面情報出力部14内へ表面情報2a、裏面情報3a、顔画像情報2bが入力させると、プリンタ制御部15Aは第1搬送ライン32を駆動する。このことによりICカード1は搬送ライン32に沿って搬送される。
第1搬送ライン32によりICカード1はまず第1リーダライタ27に送られ、この第1リーダライタ27において、ICカード1は一旦待機する。
次に転写プリント部45において、印字部48により転写リボン46cを用いて表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bが転写シート49に印字される。このようにして表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bを含む転写シート49が得られる。
この間、ICカード1の発行を希望する各個人に対してICカード1を発行すべきか否か個別の審査が行われる。そして追加ID情報入力部41にはICカード1を発行すべきか否かの判定に関する情報が入力され、追加ID情報入力部41からの情報はICカード発行判定部42に送られる。
そしてICカード発行判定部42によってICカード1の発行が適切である、と判断された場合、プリンタ制御部15Aは第1リーダライタ27を制御して、この第1リーダライタ27においてICカード1のICチップ1aに対して表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cが書込まれる。次にICカード1は第1搬送ライン32によって、転写プリント部45へ送られる。次にプリンタ制御部15Aは転写プリント部45を制御して、ICカード1の表面2上に転写シート49を重ね、転写シート49上の表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bをICカード1の表面2上に転写する。
他方、ICカード発行判定部42によってICカード1の発行が不適切である、と判断された場合、ICカード1は第1リーダライタ27において情報2a,3a,2cが書込まれることはなく、かつ転写シート49上の表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bがICカード1の表面2上に転写されることはなく、当該転写シート49は転写シート破砕部45aによって破砕される。このようにICカード1に対して情報2a,3a,2cが書込まれることはなく、かつICカード1の表面2上に表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bが転写されない場合、このICカード1は回収されて再利用される。
発行が適切と判断されたICカード1は第1搬送ライン32から裏面印字部28へ送られ、この裏面印字部28においてICカード1の裏面3に裏面情報3aが印字される。
このようにして表面情報2a、顔画像情報2b、ID情報2cが表面2に印字され、裏面情報3aが裏面3に印字され、かつICチップ1aに表面情報2a、ID情報2c、および裏面情報3aが書込まれたICカード1は、その後第2搬送ライン33に沿って搬送されてホログラム層形成部29へ送られ、このホログラム層形成部29においてICカード1の表面にホログラム層が形成される。次にICカード1は第2搬送ライン33に沿って保護シート形成部30へ送られ、この保護シート形成部30においてICカード1上に保護シートが形成される。
なお、ICカード1の裏面3に印字したりICチップ1aに書込むべき裏面情報3aがない場合、裏面3に裏面情報3aが印字されることはなく、かつICチップ1a内に裏面情報3aが書込まれることはなく、ICカード1は裏面印字部28を通過する。
次にICカード1は第2搬送ライン33により搬送され、振分け機構34に達する。ICカード1はこの振分け機構34により振分けられ、ICカード1のうち、表面2のみに表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cが印字され、裏面3には裏面情報3aが印字されていないIDカード1は第1集積部35a、第2集積部35bへ送られる。
他方、表面2に表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cが印字され、裏面3にも裏面情報3aが印字されたIDカード1は裏面印字集積部36へ送られる。
このようにしてICカード用書込機能付プリンタ15によって、ICカード1に対する印字および書込作業が終了し、印字および書込済のICカード1が得られる(図1の符号16)。
なお、上述のようにICカード用書込機能付プリンタ15における各構成部分は、プリンタ制御部15Aにより駆動制御される。
このようにICカード用書込機能付プリンタ15によって印字および書込みが行なわれたICカード1は、次に第2リーダライタ17へ送られ、この第2リーダライタ17において、ICカード1のICチップ1a内に書込まれた表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cが読み取られる。第2リーダライタ17には、表裏面情報出力部14から表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cが送られてきており、第2リーダライタ17は表裏面情報出力部14からの情報を参照しながらICチップ1a内に正しく情報が書込まれているか否か判定し、正しく情報が書込まれていない場合、ICチップ1a内に正しい情報を書き込む。
次に第2リーダライタ17を経たICカード1は、追記情報ラベル発行部18に送られる。この追記情報ラベル発行部18では、ICカード1のICチップ1aから裏面情報3aを読み取り、裏面情報3aのうちICカード1の裏面に印字できない追記情報5aを印字して追記情報ラベル5を作製し発行する。このようにして得られた追記情報ラベル5は、その後ICカード1の裏面3の所望位置に貼付される。
この場合、追加情報ラベル発行部18において、ICカード1のICチップ1aからID情報2cを読み取り、このID情報2cに対応する追記情報5aを表裏面情報出力部14から取得して、追加情報5aを印字することにより追加情報ラベル5を作製し発行してもよい。
このようにして表面情報2a、顔画像情報2bおよびID情報2cが表面2に印字され、裏面情報3aが裏面3に印字され、表面情報2a、裏面情報3aおよびID情報2cがICチップ1cに書込まれ、追記情報ラベル5が裏面3に貼付されたICカード1を精度良くかつ効率良く作製することができる。
以上のように本実施の形態によれば、プリンタ制御部15Aの表裏面情報入力部14内へ必要な情報が入力される前に予めICカードホッパ21内のICカード1をICカードホッパ21の出口21aまで排出させて待機させておくので、表裏面情報入力部14内へ必要な情報が入力された後にICカードホッパ21内のICカード1を排出する場合に比べて作業効率を向上させることができる。またICカード1のICチップに対して表面情報2aおよびID情報2cを第1リーダライタ27によって書込み、次に転写プリント部45において転写シート49を作製した後、ICカード1を一旦待機させておき、ICカード発行判定部42によってICカード1の発行が適切と判定された場合にICカード1に対して転写シート49によって表面情報2a、ID情報2cおよび顔画像情報2bを転写し、その後更に後工程における処理を施している。
このためICカード1の発行が適切か否か各個人に対して審査を行い、発行が適切であると判断した後にICカード1に対して第1リーダライタ27による作業を開始し、かつ転写プリント部45による作業を開始する場合に比較して、ICカード1を作製する際の作業効率が格段に向上する。
なお上記各実施の形態において、ICチップを有するICカードに対して情報を書込み、印字する例を示したが、これに限らずICチップを含まない非ICカードに対して第1リーダライタ27あるいは第2リーダライタ17において情報を書込むことなく、印字することにより非ICカードを作製してもよい。