JP5304145B2 - 音色指定装置、電子楽器及び音色指定処理のプログラム - Google Patents
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Description
近年、このスプリット及びデュアル機能の両方を兼ね備えた電子楽器が提案されている。しかも、専用のスイッチを設けることなくスプリット機能からデュアル機能を設定できる構成が提案されている。
例えば特許文献1には、スプリット機能におけるスプリットポイントを最低音鍵に設定することにより、2つの鍵域に夫々割り当てられた音色の楽音をいずれかの鍵の押鍵に応答して発音する構成が開示されている。
しかしながら、ここで問題となるのは、どの音色をどの鍵域に割り当てていくかということである。当然、一旦各鍵域に音色を割り当て、それが気に入らねば、割り当てられた音色を変更もしくは他の音域に割り当てられた音色と交換する、という操作が必要になる。こうした操作は非常に煩わしいものであり、またこのための専用スイッチ等を設ける必要が生じ、コスト的にも問題がある。
図1は、本発明の音色設定装置を適用した電子楽器のブロック図である。
図において、CPU1は、プログラムROM2に記憶されたプログラムに基づき、この電子楽器全体の処理動作を制御するものである。またこのプログラムROM2には、複数種の音色データも記憶されている。そしてワークRAM3は、このCPU1の処理に用いられるデータを一時的に記憶するものであり、後述するレジスタ群やフラグ群もこのエリアの一部用いて構成される。
SW部4は、発生すべき楽音の音色を指定するためのスイッチ群を含む。この音色スイッチ群は、前述のプログラムROM2に記憶された音色データ夫々に対応して独立したスイッチを有している。さらにノーマル、スプリット及びデュアルのいずれかの機能を選択する機能選択スイッチ、これらの機能選択及び分割位置等の設定を行う設定モードとこれら選択されたモードで演奏を行う演奏モードとに切り換える設定スイッチ等を有する。
また鍵盤5は、楽音の発音・消音及びその音高を指定するものであり、音源部6はCPU1から送出される音高及び音色に対応した楽音を生成して発音部7に供給して発音させるものである。
一方、表示部8は、鍵盤に割り当てられた音色の音色名、その他演奏に必要なパラメータを表示するものである。
まず電源が投入されると、CPU1を初期状態に設定するとともに、ワークRAM3に構成されたレジスタ群にデフォルト値を設定、さらにはフラグ群を初期の状態に設定するイニシャライズ処理を行なう(ステップS1)。続いてSW処理にて、SW部4で操作されたスイッチの操作に基づいた処理を行なう(ステップS2)。そして鍵盤処理にて鍵盤5の押鍵・離鍵に基づく処理を行い(ステップS3)、表示処理にて表示部8に表示させる処理を行う(ステップS4)。その後、電子楽器に必要なその他の処理を行い(ステップS5)、再びステップ2に戻る。この一連の処理は、電源がオフされるまで繰り返される。
まず、フラグSF、MF、FDF及びUPFを「0」とする(ステップS10)。ここで、フラグSFは「1」で設定モードを表わし、「0」で演奏モードを表わす。またフラグMFは、機能を表わすフラグであり、「0」はノーマル、「1」はスプリット、「2」はデュアルの機能であることを表わす。
フラグFDFは、デュアル機能からスプリット機能に移行したときに「1」となるフラグである。また、フラグUPFは、鍵盤5の上鍵域に音色が割り当てられたときに「1」となるフラグである。
続いて、レジスタUPPER、LOWER、TONE1及びTONE2に予め定められた音色を表わす音色データを記憶する(ステップS11)。レジスタUPPER及びLOWERは、鍵盤5の上鍵域及び下鍵域に割り当てられるべき音色データを記憶するものでありスプリット機能時に用いられる。レジスタTONE1及びTONE2はデュアル機能時に用いられる音色データを夫々記憶するものである。
そしてそれ以外の必要なイニシャライズ処理を実行し、この処理を終了する(ステップS12)。
まず、設定スイッチの操作に係る設定スイッチ処理(ステップS20)機能スイッチの操作に係る機能スイッチ処理(ステップS21)、続いて音色スイッチの操作に係る音色スイッチ処理(ステップS22)、そしてSW部4に含まれるその他のスイッチの操作に係るその他スイッチ処理(ステップS23)の順で実行される。
まず、設定スイッチがオン操作されたか否か判別する(ステップS24)。ここでオン操作されていないと判別されたなら何もせずにこのフローの処理を終了する。オン操作されたと判別されたならステップS25に進み、フラグSFを反転してこのフローの処理を終了する。
このように設定スイッチがオン操作される毎に、フラグSFは反転し、設定モードと演奏モードとか交互に指定されることになる。
まず、フラグSFが「1」であるか否か判別する(ステップS29)。もしフラグSFが「1」でないなら、つまり演奏モードであるなら、何もせずにこのフローの処理を終了する。そして「1」であるなら、つまり設定モードならステップS30に進む。これにより、設定モードの場合のみ以下の処理が実行されることになる。
ここでデュアル機能でない、と判別された場合は、このフローの処理を終了させる。一方、デュアル機能と判別されたなら、フラグMFを、デュアル機能であることを表わす「2」とし、フラグUPFを、上鍵域に音色が割り当てられていないことを表わす「0」とする(ステップS40)。
まず、いずれかの音色スイッチがオン操作されたか否か判別する(ステップS50)。ここでオン操作されていないと判別されたならば、このフローの処理を終了する。
オン操作されたと判別されたなら、フラグMFの状態を判別する(ステップS51)。ここでフラグMFが「0」、つまりノーマル機能であるならは、レジスタTONE1にこの音色スイッチにて指定された音色を示す音色データを記憶させ(ステップS52)、このフローの処理を終了する。これにより、ノーマル機能において発生する楽音の音色が指定される。
まず、鍵盤5を走査し(ステップS70)、鍵の状態を判別する(ステップS71)。ここでいずれの鍵にも変化がなければ、このフローの処理を終了する。また、いずれかの鍵がオンからオフの状態に、つまり離鍵されたなら、この離鍵された鍵の鍵番号をレジスタNOTEに記憶し(ステップS72)、このレジスタNOTEに記憶された鍵番号に対応する音高の楽音の消音を、音源部6に指示して(ステップS73)、このフローの処理を終了する。
まず、フラグMFの状態を判別する(ステップS90)。ここでフラグMFが「0」、つまりノーマル機能に設定されているなら、表示部8にレジスタTONE1に記憶されている音色データに対応する音色名が表示される(ステップS91)。そしてフラグMFが「1」、つまりスプリット機能に設定されているなら、表示部8にレジスタUPPER及びLOWERに記憶されている音色データに対応する音色名が表示される(ステップS92)。さらにそしてフラグMFが「2」、つまりデュアル機能に設定されているなら、表示部8にレジスタTONE1及びTONE2に記憶されている音色データに対応する音色名が表示される(ステップS93)。このステップS91〜S93のいずれかの処理の後、このフローの処理を終了する。
2 プログラムROM
3 ワークRAM
4 SW部
5 鍵盤
6 音源部
7 発音部
8 表示部
Claims (5)
- 鍵盤と、
スプリット機能及びデュアル機能のいずれかの機能を選択する機能選択手段と、
この鍵盤を上鍵域と下鍵域とに分割する分割位置を指定する分割位置指定手段と、
この分割位置を記憶する分割位置記憶手段と、
この分割位置記憶手段に記憶された分割位置で分割された鍵盤の上鍵域に含まれる鍵の押鍵に対応して発音される楽音の音色を指定する音色データが記憶される第1のレジスタと、
前記分割位置記憶手段に記憶された分割位置で分割された鍵盤の下鍵域に含まれる鍵の押鍵に対応して発音される楽音の音色を指定する音色データが記憶される第2のレジスタと、
前記鍵盤の鍵域に係りなく鍵の押鍵に対応して発音される楽音の音色を指定する音色データが記憶された第3及び第4のレジスタと、
前記機能選択手段によりデュアル機能からスプリット機能が選択されたことを判別する第1の判別手段と、
この第1の判別手段によりスプリット機能への選択を判別した後、前記第1及び第2のレジスタに前記第3及び第4のレジスタに記憶されている音色データを転送する第1の転送手段と、
この第1の転送手段による音色データの転送の後、前記分割位置指定手段で指定された分割位置が前記分割位置記憶手段に記憶された分割位置と同一か否か判別する第2の判別手段と、
この第2の判別手段により同一と判別された場合に前記第1及び第2のレジスタの内容を入れ替える入れ替え手段と、
前記第2の判別手段により同一でないと判別された場合に、前記分割位置記憶手段に記憶されている分割位置を、前記分割位置指定手段により指定された分割位置に変更する変更手段と、
を有する音色指定装置。 - 前記分割位置指定手段は、前記鍵盤で押鍵された鍵の位置を前記分割位置として指定することを特徴とする請求項1記載の音色指定装置。
- 前記音色指定装置はさらに、
前記機能選択手段によりスプリット機能からデュアル機能が選択されたことを判別する第3の判別手段と、
この第3の判別手段によりデュアル機能への選択を判別した後、前記第3及び第4のレジスタに前記第1及び第2のレジスタに記憶されている音色データを転送する第2の転送手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の音色指定装置。 - 請求項1記載の音色指定装置と、
上記鍵盤の鍵の押鍵を検出する押鍵検出手段と、
前記機能選択手段によりスプリット機能が選択されている場合は、この押鍵検出手段により押鍵の検出された鍵が前記上鍵域及び下鍵域のいずれに含まれるかを判別するとともに、上鍵域に含まれると判別された場合には、前記押鍵された鍵に対応する音高及び前記第1のレジスタに記憶された音色データで示される音色に基づいた楽音の発生を音源に指示するとともに、下鍵域に含まれると判別された場合には、前記押鍵された鍵に対応する音高及び前記第2のレジスタに記憶された音色データで示される音色に基づいた楽音の発生を前記音源に指示する第1の発音指示手段と、
前記機能選択手段によりデュアル機能が選択されている場合は、前記押鍵された鍵に対応する音高及び前記第3のレジスタに記憶された音色データで示される音色に基づいた楽音、及び前記押鍵された鍵に対応する音高及び前記第4のレジスタに記憶された音色データで示される音色に基づいた楽音の発生を前記音源に同時に指示する第2の発音指示手段と、
を有する電子楽器。 - 鍵盤と、スプリット機能及びデュアル機能のいずれかの機能を選択する機能選択手段と、この鍵盤を上鍵域と下鍵域とに分割する分割位置を指定する分割位置指定手段と、この分割位置を記憶する分割位置記憶手段と、この分割位置記憶手段に記憶された分割位置で分割された鍵盤の上鍵域に含まれる鍵の押鍵に対応して発音される楽音の音色を指定する音色データが記憶される第1のレジスタと、前記分割位置記憶手段に記憶された分割位置で分割された鍵盤の下鍵域に含まれる鍵の押鍵に対応して発音される楽音の音色を指定する音色データが記憶される第2のレジスタと、前記鍵盤の鍵域に係りなく鍵の押鍵に対応して発音される楽音の音色を指定する音色データが記憶された第3及び第4のレジスタと、を有する音色指定装置に適用されるコンピュータに、
前記機能選択手段によりデュアル機能からスプリット機能が選択されたことを判別する第1の判別ステップと、
この第1の判別ステップによりスプリット機能への選択を判別した後、前記第1及び第2のレジスタに前記第3及び第4のレジスタに記憶されている音色データを転送する第1の転送ステップと、
この音色データの転送の後、前記分割位置指定手段で指定された分割位置が前記分割位置記憶手段に記憶された分割位置と同一か否か判別する第2の判別ステップと、
この第2の判別ステップにより同一と判別された場合に前記第1及び第2のレジスタの内容を入れ替える入れ替えステップと、
前記第2の判別ステップにより同一でないと判別された場合に、前記分割位置記憶手段に記憶されている分割位置を、前記分割位置指定手段により指定された分割位置に変更する変更ステップと、
を実行させる音色指定処理のプログラム。
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