本発明の通信端末制御システム1の全体の概念図の一例を図1に示す。また,通信端末制御システム1のシステム構成の一例の概念図を図2に示す。
通信端末制御システム1は,本システムを管理する企業等が利用する管理サーバ2と,制御指示を送る側である制御指示側通信端末3と,制御指示側通信端末3で行われた制御指示に基づいて制御処理を実行する被制御側通信端末4とを有する。なお,後述する制御指示側通信端末3と被制御側通信端末4の各機能は,説明の便宜上,制御指示側通信端末3においては制御指示を行うための機能,被制御側通信端末4においては受け取った制御指示に基づく制御処理を実行するための機能を有する場合を説明するが,一方向の制御が行われるのみならず,双方向での制御が行われても良い。すなわち,制御指示側通信端末3における各機能と,被制御側通信端末4における各機能を,それぞれの通信端末で備えることによって,ある場合では制御指示側通信端末3となり,ある場合では被制御側通信端末4となるように構成することができる。
通信端末制御システム1の管理サーバ2,制御指示側通信端末3,被制御側通信端末4は,サーバやパーソナルコンピュータ,タッチパネル型表示装置を備えた可搬型通信端末などの各種のコンピュータにより実現される。図3に通常のコンピュータ(タッチパネル型表示装置を備えたコンピュータ以外のコンピュータ)のハードウェア構成の一例を示す。通信端末制御システム1における管理サーバ2,制御指示側通信端末3や被制御側通信端末4が通常のコンピュータである場合,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と,ディスプレイなどの表示装置72と,キーボードやポインティングデバイス(マウスやテンキーなど)などの入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置74とを有している。
通信端末制御システム1を構成するコンピュータのうち,制御指示側通信端末3や被制御側通信端末4がタッチパネル型表示装置を備えた可搬型通信端末の場合もある。図4にタッチパネル型表示装置82を備えた可搬型通信端末であるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す。この場合,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置80と,情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置81と,タッチパネルにより入力が可能な,タッチパネルディスプレイなどのタッチパネル型表示装置82と,演算装置80の処理結果や記憶装置81に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置83とを有している。
図3および図4における演算装置70,80,記憶装置71,81,通信装置74,83などは,その機能は同じである。また,タッチパネル型表示装置82は,表示装置72と入力装置73が一体化したディスプレイであって,表示を行う点では機能が共通している。タッチパネル型表示装置82では,そのディスプレイ上で,直接,所定の入力デバイス(タッチパネル用のペンなど)によって入力を行える点で,表示装置72と入力装置73の機能が一体化した装置である。
なお,図1,図2では管理サーバ2が一台のコンピュータで実現される場合を示したが,複数台のコンピュータにその機能が分散配置され,実現されても良い。
本発明における各手段は,その機能が論理的に区別されているのみであって,物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
制御指示側通信端末3は,条件設定受付部30と操作受付部31と制御指示情報生成部32と制御指示情報送信部33とを有する。
条件設定受付部30は,後述する操作受付部31で受け付けた,制御指示側通信端末3に対する操作を,どの被制御側通信端末4に対して送るのかの条件の設定を受け付ける。この際の条件としては,すべての被制御側通信端末4,ある特定のグループに属している被制御側通信端末4など,任意に設定可能である。
操作受付部31は,制御指示側通信端末3の入力装置73またはタッチパネル型表示装置82による操作の入力を受け付ける。ここで受け付けた操作に基づいて,後述する制御指示情報生成部32で制御指示情報が生成され,被制御側通信端末4に送られることで,その操作が被制御側通信端末4で反映される。
制御指示情報生成部32は,操作受付部31で受け付けた操作内容,たとえばある画像ファイルにマーキングをする,アプリケーションを起動する,カメラなどの各種装置の機能を起動するなど,と,条件設定受付部30で受け付けた条件とを含む制御指示情報として生成する。なお,この際に,各操作が行われた日時情報を制御指示情報に含める。
また制御指示情報生成部32は,マーキングのように,表示装置72,タッチパネル型表示装置82で表示する画面に直接内容を書き込むような操作の場合には,書き込んだ画面を画像情報として送る必要がある。この場合,以下のような方法で制御指示情報生成処理を行う。
マーキングなどの操作を行う画面が表示されている場合には,制御指示側通信端末3および被制御側通信端末4の表示装置72,タッチパネル型表示装置82では,その画面またはマーキング可能な領域が複数の矩形状の領域に分割され,各矩形領域についてそれぞれを識別可能とするための識別情報(領域識別情報)が付されている。図6に,表示装置72,タッチパネル型表示装置82で表示する画面のマーキング可能な領域が複数の矩形領域に分割されていることを模式的に示す。なお,図6の破線が,分割される矩形領域を示すが,この線は実際には表示されず,各通信端末3,4における処理のために用いられる。また図7に矩形領域に対する識別情報を示す。
制御指示情報生成部32は,矩形領域のうち,入力装置73,タッチパネル型表示装置82により入力が行われた領域を判定し,当該領域に表示している画面を画像情報として取得する。そして,その画像情報と,領域識別情報と,領域に対するマーキング操作が行われたことの操作内容を示す情報と,条件設定受付部30で受け付けた条件とを制御指示情報として生成する。この制御指示情報生成部32の処理を模式的に示すのが図8である。たとえば図9に示すようなマーキング操作(矢印で示す軌跡)が行われた場合,制御指示情報生成部32は,画面における領域識別情報「41」乃至「45」,「49」,「53」,「57」,「58」,「60」,「61」,「66」乃至「68」の矩形領域の画面を画像情報として取得し,それぞれについて制御指示情報として生成する。
なお,制御指示情報は,その操作内容に応じて逐次,変更が可能であり,少なくとも操作内容が含まれていればよい。また,制御指示情報は一つの情報で構成されていても良いし,複数の情報から構成されていても良い。
制御指示情報送信部33は,制御指示情報生成部32で生成した制御指示情報を,管理サーバ2に送る。
管理サーバ2は,接続状態監視部20と制御指示情報受取部21と制御指示情報記憶部22と端末特定処理部23と制御情報処理部24と制御情報記憶部25と制御情報反映処理部26と最終制御情報判定処理部27と相対操作設定処理部28とを有する。
接続状態監視部20は,管理サーバ2と制御指示側通信端末3,管理サーバ2と被制御側通信端末4との間における接続状態を監視している。
制御指示情報受取部21は,制御指示側通信端末3から送られた制御指示情報を取得し,後述する制御指示情報記憶部22に記憶する。
制御指示情報記憶部22は,制御指示情報受取部21で受け取った制御指示情報を記憶する。なお,制御指示情報記憶部22は,受け取った制御指示情報を逐次,記憶する。制御指示情報記憶部22の一例を図10に示す。
端末特定処理部23は,制御指示情報における条件の情報に基づいて,当該操作内容を含む情報を送る被制御側通信端末4を特定する。
制御情報処理部24は,端末特定処理部23で特定した被制御側通信端末4に対して送る制御情報を,制御指示情報受取部21で受け取った制御指示情報に基づいて生成し,後述する制御情報記憶部25に記憶させる。なお,ここでは制御情報処理部24が制御指示情報に基づいて制御情報を生成する場合を説明したが,制御指示情報がそのまま制御情報となってもよい。
なお,制御情報は,その操作内容に応じて逐次,変更が可能であり,少なくとも操作内容が含まれていればよい。また,制御情報は一つの情報で構成されていても良いし,複数の情報から構成されていても良い。
制御情報記憶部25は,制御情報処理部24で生成した,端末特定処理部23で特定した端末に送るための制御情報を,被制御側通信端末4ごとに記憶する。制御情報記憶部25は,最終制御情報判定処理部27での判定処理に用いるため,相対する操作についてはそのセットをグループ化したキーごとに記憶する。相対する操作がない場合には,一般の制御情報として記憶させる。各被制御側通信端末4に送る制御情報記憶部25の一例を図11に示す。
制御情報反映処理部26は,端末特定処理部23で特定した被制御側通信端末4に対して,制御情報処理部24で生成した制御情報を送り,その制御情報に対応する制御処理を当該被制御側通信端末4において実行させる。
最終制御情報判定処理部27は,被制御側通信端末4と管理サーバ2との間の接続が切断されている間に行われた制御指示側通信端末3からの制御指示のうち,最終的な制御情報を判定し,被制御側通信端末4に送る。
最終制御情報判定処理部27における処理を説明する。最終制御情報判定処理部27ではまず相対する操作のセットをグループ化し,キーとして設定しておく。そしてそのキーの中の各操作についての日時情報に基づいて,最終的に実行された操作を転送する。図11に相対する操作のセットの一例を模式的に示す。
図11(a)は,制御側通信端末において,被制御側通信端末4の操作を行えなくするための操作ロックを行う場合である。「実行」が被制御側通信端末4で操作ロックが機能し,「解除」が被制御側通信端末4で操作ロックが解除される。
図11(b)は,制御側通信端末において,画像上に何らかの書き込み操作(マーキング)を行う場合である。「実行」がマーキングを行った場合であり,「消去」がマーキングを消去する操作である。
図11(c)は,制御側通信端末において,各種のアプリケーションを起動した場合である。アプリケーションとしては,たとえば「個人フォルダ」,「ブラウザ(インターネットブラウザ)」,「カメラ・電子黒板」,「音声メモ」,「自習アプリ」などがある。各アプリケーションに対して,操作内容として「表示」,「非表示」があり,表示とはそのアプリケーションを表示(実行)する操作であり,「非表示」とはそのアプリケーションを非表示(終了)する操作である。
図11(d)は,相対する操作がない一般の制御情報である。この制御情報には,通信が切断した場合,後述する最終制御情報判定処理部27における判定処理は行われず,通信切断中の制御情報がそのまま送られる。
制御情報処理部24は,制御指示情報受取部21で受け取った制御指示情報における操作内容とその日時情報に基づいて制御情報を生成する。そして生成した制御情報を抽出し,各キーに対応する操作があるかを判定する。ある場合には,それぞれの操作内容を更新して記憶させる。ない場合には,一般の制御情報として記憶させる。
たとえば,制御指示側通信端末3で被制御側通信端末4の「操作ロック」が行われた場合,制御指示側通信端末3から,「操作ロック実行」の操作内容とその操作の日時情報,たとえば「2012年12月13日 13時45分10秒」の日時情報とを含む制御指示情報を受け取るので,それに基づいて制御情報を生成し,生成した制御情報をキーAの「実行」に記憶させる。この状態ではまだ被制御側通信端末4に当該制御情報を送っていないので,送信したか否かを示すフラグは「未」となる。この状態を模式的に示すのが図12である。また,制御指示側通信端末3で被制御側通信端末4の「操作ロック」の「解除」が行われた場合,制御指示側通信端末3から,「操作ロック解除」の操作内容とその操作の日時情報,たとえば「2012年12月13日 13時46分34秒」の日時情報とを含む制御指示情報を受け取るので,それに基づいて制御情報を生成し,生成した制御情報をキーAの「解除」に記憶させる。この状態ではまだ被制御側通信端末4に当該制御情報を送っていないので,送信したか否かを示すフラグは「未」となる。一方,図12で記憶した制御情報は,被制御側通信端末4と接続しているのであればその制御情報はすでに被制御側通信端末4に送られるので,そのフラグは「済」となり,切断されていれば送ることが出来ないので「未」となる。この状態を模式的に示すのが図13である。さらに,制御指示側通信端末3で被制御側通信端末4の「操作ロック」が行われた場合,制御指示側通信端末3から,「操作ロック実行」の操作内容とその操作の日時情報,たとえば「2012年12月13日 13時47分08秒」の日時情報とを含む制御指示情報を受け取るので,それに基づいて制御情報を生成し,生成した制御情報をキーAの「実行」に記憶させる。この状態を模式的に示すのが図14である。
そして上記図12乃至図14の間,管理サーバ2と被制御側通信端末4との間で,何らかの事情により,通信の接続が切断されていた場合,これらの制御指示情報に基づく制御情報は当該被制御側通信端末4には送られない。そこで,図14の状態のあとに,管理サーバ2と被制御側通信端末4との間で通信の接続が回復すると,最終制御情報判定処理部27は,キーAのなかから「実行」または「解除」のうち,フラグが「未」であって,新しい日時情報を含む制御情報を最終的な操作内容を含む制御情報として判定する。たとえば図14では,「2012年12月13日 13時47分08秒」の日時情報に対応づけられた「操作ロック実行」の操作内容を含む制御情報を最終的な操作内容を含む制御情報として判定し,その制御情報を制御情報反映処理部26から当該被制御側通信端末4に送り,操作ロックを実行させる。
このように,最終制御情報判定処理部27では,相対する操作内容をセットとしてグループ化した制御情報について,被制御側通信端末4と管理サーバ2との間で接続が確立後,その操作内容に対する日時情報の新旧を判定し,新しい日時情報に対応づけられている操作内容を制御情報として被制御側通信端末4に送るように構成する。これによって,上述のように,たとえば「操作ロック実行」,「操作ロック解除」,「操作ロック実行」のように複数回の相対する操作が行われた場合,それらの全てを送るのではなく,最終的に実行された処理のみを送ることができる。
また,操作内容がマーキング操作の場合には,最終制御情報判定処理部27は,制御情報が領域識別情報とその画像情報と日時情報とを含むので,領域識別情報ごとに最新の日時情報を含む制御情報を判定し,制御情報反映処理部26から当該被制御側通信端末4に送り,対応する矩形領域にその画像情報を表示させれば良い。これを模式的に示すのが図15である。
相対操作設定処理部28は,キーとして設定する相対する操作のセットの設定を受け付ける。この設定は,制御指示側通信端末3,被制御側通信端末4,あるいは管理サーバ2などからの操作を受け付ける。また管理サーバ2のほか,管理サーバ2を管理するためのコンピュータ(たとえば通信端末制御システム1を開発や保守等を行っている企業のコンピュータ)から受け付けても良い。
たとえば,操作ロックの実行および解除を相対する操作として設定する場合,その設定者が操作するコンピュータで所定の操作を行うことで,設定画面を表示させる。そして,その画面で,相対する操作(ここでは,「操作ロックの実行」の操作と「操作ロックの解除」の操作)を選択し,その情報を管理サーバ2に送る。管理サーバ2の相対操作設定処理部28では,この情報を受け付け,制御情報記憶部25に受け付けた情報に基づき,一つのキーとして相対する操作を記憶させる。つまり,制御情報記憶部25は,キーごとに前出の操作を打ち消す操作群を記憶する。これによって,任意に,相対する操作の設定が行える。なお,ここで設定する相対する操作(組み合わせとなる操作)としては,2つの操作に限られず,2以上の操作,たとえば3つの操作,4つの操作であっても良い。
被制御側通信端末4は,制御情報取得部40と制御情報実行処理部41とを有する。
制御情報取得部40は,管理サーバ2から送られた制御情報を取得する。
制御情報実行処理部41は,制御情報取得部40で取得した制御情報における操作内容に対応する制御処理を実行する。たとえば取得した制御情報における操作内容が「操作ロック実行」であった場合,被制御側通信端末4を「操作ロック」する処理を実行する。また,操作内容が「マーキング操作」であった場合,その制御情報における領域識別情報の矩形領域に,当該制御情報における画像情報を表示させる。
以上のような処理を実行することで,制御指示側通信端末3で行った操作を,被制御側通信端末4で行わせることができる。また,被制御側通信端末4と管理サーバ2との間の通信が切断された場合であっても,最新の制御指示情報に基づく制御情報が送られるので,切断中のすべての操作の制御指示情報に基づく制御情報が被制御側通信端末4に送られるわけではない。そのため,接続が切断した場合であっても,不要な操作を省略した上で,その間の操作を反映させることができる。また不要な操作を省略することで,無駄な通信の発生も防止できる。
なお,上述の最終制御情報判定処理部27における判定方法については一例であって,ほかの方法によっても良い。たとえば,管理サーバ2の制御指示情報記憶部22に,所定時間,制御指示情報を保存し,被制御側通信端末4からの制御情報の送信要求に伴って最終制御情報判定処理部27で判定処理を行っても良い。また,所定時間のほか,所定の制御指示情報分だけ保存し,それに基づいて判定処理を行っても良い。
つぎに本発明の通信端末制御システム1の処理プロセスの一例を,図5のフローチャートを用いて説明する。なお,以下の説明では,教員が制御指示側通信端末3を操作し,各学習者が被制御側通信端末4を操作する場合を説明する。また,学習者として,学習者A乃至学習者Dがおり,学習者Aおよび学習者Bがグループ1,学習者Cおよび学習者Dがグループ2であるとする。また,学習者A乃至学習者D,各グループを構成する学習者の情報は,あらかじめ制御指示側通信端末3で記憶されているとする。なお,教員,学習者の情報は,たとえば管理サーバ2で,通信端末制御システム1を利用する利用者の情報として登録しておき,あらかじめそれらの情報を制御指示側通信端末3で取得しておく。また,誰がどの制御指示側通信端末3,被制御側通信端末4を利用しているかは,制御指示側通信端末3,被制御側通信端末4にログインする際に,それぞれから認証情報(IDやパスワード)の入力や選択を受け付け,教員または学習者と,各自が利用する制御指示側通信端末3,被制御側通信端末4の識別情報とを対応づけておくと良い。ここでは,学習者Aが被制御側通信端末4A,学習者Bが被制御側通信端末4B,学習者Cが被制御側通信端末4C,学習者Dが被制御側通信端末4Dとを対応づけているとする。
まず,教員は制御指示側通信端末3から,各学習者は被制御側通信端末4から,上述のように,それぞれ認証情報を入力や選択をし,ログインをする。図16にログイン画面の一例を示す。図16(a)が学年,組を選択する画面であり,図16(b)が自らの名前を選択する画面である。なお,選択後,認証情報としてのパスワードの入力を,図16のように受け付けなくても良い。正常に認証処理が行われることで,制御指示側通信端末3と管理サーバ2,被制御側通信端末4と管理サーバ2との間で接続が確立する(S100)。そして,管理サーバ2の接続状態監視部20は,管理サーバ2と,制御指示側通信端末3,被制御側通信端末4との間の接続状態の監視を開始する(S110)。また接続状態監視部20は,通信が切断されたことを検出した場合,その通信端末と切断した日時とを記憶する。そして管理サーバ2および被制御側通信端末4は,制御指示側通信端末3から制御指示を受け取るまで待機する(S120)。
教員が制御指示側通信端末3で行った操作を学習者の被制御側通信端末4に反映させたい場合,その対象となる学習者を特定するための条件を設定する(S130)。たとえば条件設定受付部30で「全員」,「グループ1」,「グループ2」,「学習者A」,「学習者B」,「学習者C」,「学習者D」といった条件の設定の入力を受け付け,記憶する(S130)。なお,ここで受け付けた条件はあらたに条件の入力が行われるまで有効となることが好ましい。
教員が制御指示側通信端末3で操作を行うと,操作受付部31でその操作を受け付ける(S140)。そして制御指示情報生成部32は,受け付けた操作の操作内容と,S130で受け付けた条件とを含む制御指示情報を生成し,制御指示情報送信部33が,管理サーバ2に対して当該制御指示情報を送る(S150)。
たとえば,学習者全員に対して「操作ロック」の実行の操作を行う場合,教員は,制御指示側通信端末3で所定の操作を行うことで,条件として「全員」を選択すると,その設定を条件設定受付部30で受け付ける。そして,教員が制御指示側通信端末3で,「学習者の被制御側通信端末4の操作ロック」をする操作を行うと,その操作を操作受付部31で受け付ける。
制御指示情報生成部32は,「操作ロック」の操作が行われた日時情報(たとえば2012年12月13日13時45分10秒)と,操作内容として「操作ロック」と,条件「全員」とを含めた制御指示情報を生成し,生成した制御指示情報を制御指示情報送信部33が管理サーバ2に送る。
S150で制御指示側通信端末3から送られた制御指示情報は,管理サーバ2の制御指示情報受取部21で受け取り,制御指示情報記憶部22に記憶する(S160)。端末特定処理部23は,受け付けた制御指示情報における条件を参照し,当該制御指示情報をどの被制御側通信端末4に送るかを特定する(S170)。ここでは,制御指示情報における条件として「全員」が設定されているので,学習者A乃至学習者Dが使用する被制御側通信端末4A乃至Dを送信先として特定する。
そして制御情報処理部24は,制御指示情報における操作内容,日時情報に基づいて,それらを含む制御情報を生成する(S180)。ここでは,操作内容として「操作ロック」と日時情報「2012年12月13日13時45分10秒」を含む制御情報を生成する。また,条件が「全員」なので,各学習者が利用する被制御側通信端末4に対応づけて上記生成した制御情報を制御情報記憶部25に記憶させる(S190)。図17にこの状態の制御情報記憶部25の一例を模式的に示す。なお,図17の時点ではまだ被制御側通信端末4には制御情報を送っていないので,送信したかを示すフラグとして,未送信であることを示す「未」が記憶される。
そして制御情報反映処理部26は,各被制御側通信端末4の接続状況を確認し,接続が切断していない被制御側通信端末4があるかを判定する(S200)。ここで,たとえば学習者Bの被制御側通信端末4Bと管理サーバ2との間で接続が切断していたとする(なお接続が切断した日時情報は,接続状態監視部20で管理しているとする)。そうすると,制御情報反映処理部26は,被制御側通信端末4BにはS180で生成した制御情報を送ることができないので,そのまま待機をする(S120)。一方,被制御側通信端末4A,CおよびDに対しては,接続が確立していることから,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25を参照することで,未送信のほかの制御情報があるかを判定する(S210)。ここでは被制御側通信端末4A,CおよびDのいずれでも,S180で生成した制御情報のほかに未送信の制御情報がないので,最終制御情報判定処理部27における処理を行わずに,そのまま制御情報反映処理部26は,当該制御情報を被制御側通信端末4A,CおよびDに送る(S220)。そして,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25のうち,被制御側通信端末4A,CおよびDについて,送信したかを示すフラグを,送信したことを示す「済」に変更して記憶する。この状態の制御情報記憶部25の一例を図18に示す。
そして被制御側通信端末4A,CおよびDは,管理サーバ2から送られた制御情報を制御情報取得部40で取得し(S250),制御情報実行処理部41は,制御情報における操作内容に対応する制御,ここでは「操作ロック」を実行する(S260)。これによって,被制御側通信端末4A,CおよびDにおいて操作ロックが実行され,図19(b)の画面が表示される。なお,被制御側通信端末4Bは管理サーバ2と接続が切断しており,制御情報を取得していないので,操作可能状態のままである(画面は図19(a)のままとなる)。
つぎに,教員が「グループ1」の学習者に対して操作ロックの解除の操作を行ったとする。この場合,教員が制御指示側通信端末3で条件として「グループ1」の入力を行い,条件設定受付部30でそれを受け付けて記憶する(S130)。
そして教員が制御指示側通信端末3で「操作ロック解除」の操作を行うと,操作受付部31でその操作を受け付け(S140),制御指示情報生成部32は,受け付けた操作の操作内容「操作ロック解除」と,S130で受け付けた条件「グループ1」と,日時情報「2012年12月13日13時46分34秒」とを含む制御指示情報を生成する。そして制御指示情報送信部33がこの制御指示情報を管理サーバ2に送る(S150)。
S150で制御指示側通信端末3から送られた制御指示情報を管理サーバ2の制御指示情報受取部21で受け取り,制御指示情報記憶部22に記憶する(S160)。そして端末特定処理部23は,受け付けた制御指示情報における条件「グループ1」を参照することで,送信する先となる被制御側通信端末4としてグループ1に属する学習者AおよびBが利用する,被制御側通信端末4Aおよび被制御側通信端末4Bを特定する(S170)。
そして制御情報処理部24は,制御指示情報における操作内容「操作ロック解除」と,日時情報「2012年12月13日13時46分34秒」に基づいて,それらを含む制御情報を生成し(S180),制御情報記憶部25における被制御側通信端末4AおよびBのキーA(操作ロック)に対応づけて記憶させる(S190)。図20にこの状態の制御情報記憶部25の一例を模式的に示す。なお,図20の時点ではまだ被制御側通信端末4には制御情報を送っていないので,送信したかを示すフラグとして「未」が記憶される。
そして制御情報反映処理部26は,被制御側通信端末4AおよびBの接続状況を確認し,接続が切断していない被制御側通信端末4があるかを判定すると(S200),まだ学習者Bの被制御側通信端末4Bと管理サーバ2との間で接続が切断していた場合,学習者Bの被制御側通信端末4BにはS180で生成した制御情報を送ることができないので,そのまま待機する(S120)。
一方,被制御側通信端末4Aに対しては,接続が確立していることから,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25を参照することで,未送信のほかの制御情報があるかを判定する(S210)。被制御側通信端末4Aに対しては,S180で生成した制御情報のほかに未送信の制御情報がないので,最終制御情報判定処理部27における処理を行わずに,そのまま制御情報反映処理部26は,当該制御情報を被制御側通信端末4Aに送る(S220)。そして,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25のうち,被制御側通信端末4Aについて,送信したかを示すフラグを「済」に変更して記憶する。この状態の制御情報記憶部25の一例を図21に示す。
そして被制御側通信端末4Aは,管理サーバ2から送られた制御情報を制御情報取得部40で取得し(S250),制御情報実行処理部41は,制御情報における操作内容に対応する制御,ここでは「操作ロック解除」を実行する(S260)。これによって,被制御側通信端末4Aは,操作ロックが解除され,図19(b)の画面から,図19(a)の画面の表示に戻る。なお,被制御側通信端末4Bは管理サーバ2と接続が切断しており,制御情報を取得していないので,操作可能状態(図19(a))のままである。また,被制御側通信端末4CおよびDは,「操作ロック解除」の制御情報を取得していないので,制御ロックされたままの状態(図19(b))である。
つぎに,教員が「グループ1」の学習者に対して「操作ロック」の操作を行ったとする。この場合,教員が制御指示側通信端末3で条件として「グループ1」の入力を行い,条件設定受付部30でそれを受け付けて記憶する(S130)。
そして教員が制御指示側通信端末3で「操作ロック」の操作を行うと,操作受付部31でその操作を受け付け(S140),制御指示情報生成部32は,受け付けた操作の操作内容「操作ロック」と,S130で受け付けた条件「グループ1」と,日時情報「2012年12月13日13時47分08秒」とを含む制御指示情報を生成する。そして制御指示情報送信部33がこの制御指示情報を管理サーバ2に送る(S150)。
S150で制御指示側通信端末3から送られた制御指示情報を管理サーバ2の制御指示情報受取部21で受け取り,制御指示情報記憶部22に記憶する(S160)。そして端末特定処理部23は,受け付けた制御指示情報における条件「グループ1」を参照することで,送信する先となる被制御側通信端末4としてグループ1に属する学習者AおよびBが利用する,被制御側通信端末4Aおよび被制御側通信端末4Bを特定する(S170)。
そして制御情報処理部24は,制御指示情報における操作内容「操作ロック」と,日時情報「2012年12月13日13時47分08秒」に基づいて,それらを含む制御情報を生成し(S180),制御情報記憶部25における被制御側通信端末4AおよびBのキーA(操作ロック)に対応づけて記憶させる(S190)。図22にこの状態の制御情報記憶部25の一例を模式的に示す。なお,図22の時点ではまだ被制御側通信端末4には制御情報を送っていないので,送信したかを示すフラグとして「未」が記憶される。
そして制御情報反映処理部26は,被制御側通信端末4AおよびBの接続状況を確認し,接続が切断していない被制御側通信端末4があるかを判定すると(S200),学習者Bの被制御側通信端末4Bと管理サーバ2との間で接続が回復していた場合,学習者Aおよび学習者Bの被制御側通信端末4AおよびBにS180で生成した制御情報を送ることができる。従って,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25を参照することで,未送信のほかの制御情報があるかを判定する(S210)。ここでは被制御側通信端末4Aに対しては,S180で生成した制御情報のほかに未送信の制御情報がないので,最終制御情報判定処理部27における処理を行わずに,そのまま制御情報反映処理部26は,当該制御情報を被制御側通信端末4Aに送る(S220)。
一方,被制御側通信端末4Bに対しては,「操作ロックの実行」のほかに「操作ロックの解除」の未送信の制御情報があることを判定できるので(S210),最終制御情報判定処理部27における処理を行うこととなる。すなわち,キーAにおいて相対する操作として対応づけられている「操作ロックの実行」と「操作ロックの解除」のうち,いずれか新しい日時情報が対応づけられている操作内容,この場合には,日時情報が「2012年12月13日13時47分08秒」の日時情報に対応づけられた「操作ロック実行」の操作内容を最終の操作内容として判定する(S230)。そして制御情報反映処理部26は,操作内容として「操作ロックの実行」,日時情報として「2012年12月13日13時47分08秒」を含む制御情報を,制御情報反映処理部26から被制御側通信端末4Bに送る(S240)。
そして,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25のうち,被制御側通信端末4Aについて,送信したかを示すフラグを「済」に変更して記憶する。また,被制御側通信端末4Bについて,最終制御情報判定処理の対象となった「操作ロックの実行」,「操作ロックの解除」についてのフラグを「済」に変更して記憶する。この状態の制御情報記憶部25の一例を図23に示す。
そして被制御側通信端末4Aおよび被制御側通信端末4Bは,管理サーバ2から送られた制御情報を制御情報取得部40で取得し(S250),制御情報実行処理部41は,制御情報における操作内容に対応する制御,ここでは「操作ロック」を実行する(S260)。これによって,被制御側通信端末4AおよびBでは操作ロックが実行され,図19(a)の画面に代えて,図19(b)の画面が表示される。また,被制御側通信端末4CおよびDは,「操作ロックの実行」の制御情報を取得していないので,操作ロックされたままの状態(図19(b))である。
以上のような処理を実行することで,制御指示側通信端末3で「操作ロックの実行」,「操作ロックの解除」,「操作ロックの実行」といった操作が反復された場合であっても,従来は接続が切断されている間の処理をすべて,被制御側通信端末4に送っていたので,接続が回復した後,「操作ロックの実行」,「操作ロックの解除」,「操作ロックの実行」といった処理が被制御側通信端末4で行われていたが,そのようなことがなく,最新の状態を反映することができる。また,通信量も減らすことができる。これを模式的に示すのが図24である。
実施例1では,同一のキーAにおける相対する操作である「操作ロックの実行」と「操作ロックの解除」の反復の場合を示したが,同一のキーにおける相対する操作が行われる間に,別の操作が行われる場合を説明する。具体的には,「カメラ・電子黒板」のアプリケーションの起動後,「個人フォルダ」のアプリケーションを起動させ,その後,「カメラ・電子黒板」のアプリケーションを閉じる操作を,教員が制御指示側通信端末3で行う場合を説明する。
まず,教員は制御指示側通信端末3から,各学習者は被制御側通信端末4から,上述のように,それぞれ認証情報を入力または選択し,ログインをする。これによって,制御指示側通信端末3と管理サーバ2,被制御側通信端末4と管理サーバ2との間で接続が確立する(S100)。そして,管理サーバ2の接続状態監視部20は,管理サーバ2と,制御指示側通信端末3,被制御側通信端末4との間の接続状態の監視を開始する(S110)。また接続状態監視部20は,通信が切断されたことを検出した場合,その通信端末と切断した日時とを記憶する。そして管理サーバ2および被制御側通信端末4は,制御指示側通信端末3から制御指示を受け取るまで待機する(S120)。
教員がまず,学習者全員に対して「カメラ・電子黒板」のアプリケーションの起動の操作を行う場合,教員は制御指示側通信端末3で所定の操作を行うことで,条件として「全員」を選択すると,その入力を条件設定受付部30で受け付け,記憶する(S130)。そして,教員が制御指示側通信端末3で,「カメラ・電子黒板のアプリケーションの起動の実行」をする操作を行うと,その操作を操作受付部31で受け付ける(S140)。
制御指示情報生成部32は,「カメラ・電子黒板のアプリケーションの起動の実行」の操作が行われた日時情報(たとえば2012年12月13日13時45分10秒)と,操作内容として「カメラ・電子黒板のアプリケーションの起動の実行」と,条件「全員」とを含めた制御指示情報を生成し,生成した制御指示情報を制御指示情報送信部33が管理サーバ2に送る(S150)。
S150で制御指示側通信端末3から送られた制御指示情報は,管理サーバ2の制御指示情報受取部21で受け取り,制御指示情報記憶部22に記憶する(S160)。端末特定処理部23は,制御指示情報における条件として「全員」が設定されているので,学習者A乃至学習者Dが使用する被制御側通信端末4A乃至Dを送信先として特定する(S170)。
そして制御情報処理部24は,制御指示情報における操作内容「カメラ・電子黒板のアプリケーションの起動の実行」と,日時情報「2012年12月13日13時45分10秒」に基づいて,それらを含む制御情報を生成する(S180)。また,条件が「全員」なので,各学習者が利用する被制御側通信端末4に対応づけて上記生成した制御情報を制御情報記憶部25に記憶させる(S190)。図25にこの状態の制御情報記憶部25の一例を模式的に示す。なお,図25の時点ではまだ被制御側通信端末4には制御情報を送っていないので,送信したかを示すフラグとして,未送信であることを示す「未」が記憶される。
そして制御情報反映処理部26は,各被制御側通信端末4の接続状況を確認し,接続が切断していない被制御側通信端末4があるかを判定する(S200)。ここで,たとえば学習者Bの被制御側通信端末4Bと管理サーバ2との間で接続が切断していたとすると,制御情報反映処理部26は,被制御側通信端末4BにはS180で生成した制御情報を送ることができないので,そのまま待機をする(S120)。一方,被制御側通信端末4A,CおよびDに対しては,接続が確立していることから,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25を参照することで,未送信のほかの制御情報があるかを判定する(S210)。ここでは被制御側通信端末4A,CおよびDのいずれでも,S180で生成した制御情報のほかに未送信の制御情報がないので,最終制御情報判定処理部27における処理を行わずに,そのまま制御情報反映処理部26は,当該制御情報を被制御側通信端末4A,CおよびDに送る(S220)。そして,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25のうち,被制御側通信端末4A,CおよびDについて,送信したかを示すフラグを,送信したことを示す「済」に変更して記憶する。この状態の制御情報記憶部25の一例を図26に示す。
そして被制御側通信端末4A,CおよびDは,管理サーバ2から送られた制御情報を制御情報取得部40で取得し(S250),制御情報実行処理部41は,制御情報における操作内容に対応する制御,ここでは「カメラ・電子黒板のアプリケーションの起動の実行」を実行する(S260)。これによって,被制御側通信端末4A,CおよびDでカメラ・電子黒板のアプリケーションが起動され,図27(a)の初期状態の画面から,図27(b)の画面が表示される。なお,被制御側通信端末4Bは管理サーバ2と接続が切断しており,制御情報を取得していないので,初期状態(図27(a))のままである。
つぎに,教員が「グループ1」の学習者に対して「個人フォルダのアプリケーションの起動」の操作を行ったとする。この場合,教員が制御指示側通信端末3で条件として「グループ1」の入力を行い,条件設定受付部30でそれを受け付けて記憶する(S130)。
そして教員が制御指示側通信端末3で「個人フォルダの起動」の操作を行うと,操作受付部31でその操作を受け付け(S140),制御指示情報生成部32は,受け付けた操作の操作内容「個人フォルダのアプリケーションの起動」と,S130で受け付けた条件「グループ1」と,日時情報「2012年12月13日13時46分34秒」とを含む制御指示情報を生成する。そして制御指示情報送信部33がこの制御指示情報を管理サーバ2に送る(S150)。
S150で制御指示側通信端末3から送られた制御指示情報を管理サーバ2の制御指示情報受取部21で受け取り,制御指示情報記憶部22に記憶する(S160)。そして端末特定処理部23は,受け付けた制御指示情報における条件「グループ1」を参照することで,送信する先となる被制御側通信端末4としてグループ1に属する学習者AおよびBが利用する,被制御側通信端末4Aおよび被制御側通信端末4Bを特定する(S170)。
そして制御情報処理部24は,制御指示情報における操作内容「アプリケーションの起動」と,日時情報「2012年12月13日13時46分34秒」に基づいて,それらを含む制御情報を生成し(S180),制御情報記憶部25における被制御側通信端末4AおよびBのキーC(個人フォルダのアプリケーションの起動)に対応づけて記憶させる(S190)。図28にこの状態の制御情報記憶部25の一例を模式的に示す。なお,図28の時点ではまだ被制御側通信端末4には制御情報を送っていないので,送信したかを示すフラグとして「未」が記憶される。
そして制御情報反映処理部26は,被制御側通信端末4AおよびBの接続状況を確認し,接続が切断していない被制御側通信端末4があるかを判定すると(S200),まだ学習者Bの被制御側通信端末4Bと管理サーバ2との間で接続が切断していた場合,学習者Bの被制御側通信端末4BにはS180で生成した制御情報を送ることができないので,そのまま待機する(S120)。
一方,被制御側通信端末4Aに対しては,接続が確立していることから,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25を参照することで,未送信のほかの制御情報があるかを判定する(S210)。被制御側通信端末4Aに対しては,S180で生成した制御情報のほかに未送信の制御情報がないので,最終制御情報判定処理部27における処理を行わずに,そのまま制御情報反映処理部26は,当該制御情報を被制御側通信端末4Aに送る(S220)。そして,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25のうち,被制御側通信端末4Aについて,送信したかを示すフラグを「済」に変更して記憶する。この状態の制御情報記憶部25の一例を図29に示す。
そして被制御側通信端末4Aは,管理サーバ2から送られた制御情報を制御情報取得部40で取得し(S250),制御情報実行処理部41は,制御情報における操作内容に対応する制御,ここでは「個人フォルダのアプリケーションの起動」を実行する(S260)。これによって,被制御側通信端末4Aで個人フォルダのアプリケーションが起動され,図30(a)の画面から,図30(b)の画面に変更される。なお,被制御側通信端末4Bは管理サーバ2と接続が切断しており,制御情報を取得していないので,初期状態(図27(a))のままである。また,被制御側通信端末4CおよびDは,「個人フォルダのアプリケーションの起動」の制御情報を取得していないので,「カメラ・電子黒板のアプリケーションの起動」の画面(図27(b))の状態である。
つぎに,教員が「全員」の学習者に対して「カメラ・電子黒板のアプリケーションの終了」の操作を行ったとする。この場合,教員が制御指示側通信端末3で条件として「全員」の入力を行い,条件設定受付部30でそれを受け付けて記憶する(S130)。
そして教員が制御指示側通信端末3で「カメラ・電子黒板のアプリケーションの終了」の操作を行うと,操作受付部31でその操作を受け付け(S140),制御指示情報生成部32は,受け付けた操作の操作内容「カメラ・電子黒板のアプリケーションの終了」と,S130で受け付けた条件「全員」と,日時情報「2012年12月13日13時47分08秒」とを含む制御指示情報を生成する。そして制御指示情報送信部33がこの制御指示情報を管理サーバ2に送る(S150)。
S150で制御指示側通信端末3から送られた制御指示情報を管理サーバ2の制御指示情報受取部21で受け取り,制御指示情報記憶部22に記憶する(S160)。そして端末特定処理部23は,受け付けた制御指示情報における条件「全員」を参照することで,送信する先となる被制御側通信端末4として学習者A乃至学習者Dが利用する,被制御側通信端末4A乃至被制御側通信端末4Dを特定する(S170)。
そして制御情報処理部24は,制御指示情報における操作内容「カメラ・電子黒板のアプリケーションの終了」と,日時情報「2012年12月13日13時47分08秒」に基づいて,それらを含む制御情報を生成し(S180),制御情報記憶部25における被制御側通信端末4A乃至DのキーC(カメラ・電子黒板のアプリケーション)に対応づけて記憶させる(S190)。図31にこの状態の制御情報記憶部25の一例を模式的に示す。なお,図31の時点ではまだ被制御側通信端末4には制御情報を送っていないので,送信したかを示すフラグとして「未」が記憶される。
そして制御情報反映処理部26は,被制御側通信端末4A乃至Dの接続状況を確認し,接続が切断していない被制御側通信端末4があるかを判定すると(S200),学習者Bの被制御側通信端末4Bと管理サーバ2との間で接続が回復していた場合,学習者A乃至学習者Dの被制御側通信端末4A乃至DにS180で生成した制御情報を送ることができる。従って,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25を参照することで,S180で生成した制御情報以外に未送信の制御情報があるかを判定する(S210)。ここでは被制御側通信端末4A,被制御側通信端末4CおよびDに対しては,S180で生成した制御情報のほかに未送信の制御情報がないので,最終制御情報判定処理部27における処理を行わずに,そのまま制御情報反映処理部26は,当該制御情報を被制御側通信端末4A,CおよびDに送る(S220)。
一方,被制御側通信端末4Bでは,「カメラ・電子黒板のアプリケーションの終了」のほかに「カメラ・電子黒板のアプリケーションの実行」の未送信の制御情報があることを判定できるので(S210),最終制御情報判定処理部27における処理を行うこととなる。すなわち,キーCにおいて相対する操作として対応づけられている「カメラ・電子黒板のアプリケーションの実行」と「カメラ・電子黒板のアプリケーションの終了」のうち,いずれか新しい日時情報が対応づけられている操作内容,この場合には,日時情報が「2012年12月13日13時47分08秒」の日時情報に対応づけられた「カメラ・電子黒板のアプリケーションの終了」の操作内容を最終の操作内容として判定する(S230)。なお,この場合,判定した操作がアプリケーションの「終了」であって,実質的な処理が行われる操作ではないことから,制御情報を生成しない,あるいは被制御側通信端末4Bに送らないようにしても良い。本明細書では制御情報を生成せず,それを送信しない場合とする。
また,キーCにおいて,未送信の制御情報としてほかに,操作内容として「個人フォルダのアプリケーションの起動」と日時情報「2012年12月13日13時46分34秒」を含む制御情報には相対する操作がないので,それを最終の制御情報として判定する。
従って,制御情報反映処理部26は,操作内容として「個人フォルダのアプリケーションの起動」と日時情報「2012年12月13日13時46分34秒」を含む制御情報を,制御情報反映処理部26から被制御側通信端末4Bに送る(S240)。
そして,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25のうち,被制御側通信端末4A,CおよびDについて,送信したかを示すフラグを「済」に変更して記憶する。また,被制御側通信端末4Bについて,最終制御情報判定処理の対象となった「カメラ・電子黒板のアプリケーションの実行」と「カメラ・電子黒板のアプリケーションの終了」,「個人フォルダのアプリケーションの起動」を「済」に変更して記憶する。この状態の制御情報記憶部25の一例を図32に示す。
そして被制御側通信端末4A乃至被制御側通信端末4Dは,管理サーバ2から送られた制御情報を制御情報取得部40で取得し(S250),制御情報実行処理部41は,制御情報における操作内容に対応する制御,ここでは被制御側通信端末4A,CおよびDでは,「カメラ・電子黒板のアプリケーションの終了」を実行する。また,被制御側通信端末4Bでは,「個人フォルダの起動」を実行する(S260)。これによって,被制御側通信端末4AおよびBでは図30(b)の画面が表示され,被制御側通信端末4CおよびDでは図27(a)の画面が表示される。
以上のような処理を実行することで,制御指示側通信端末3で相対する操作の間に異なる操作が行われたとしても,従来は接続が切断されている間の処理をすべて,被制御側通信端末4に送っていたので,接続が回復した後,「カメラ・電子黒板のアプリケーションの実行」,「個人フォルダの起動」,「カメラ・電子黒板のアプリケーションの終了」といった処理が被制御側通信端末4Bで行われていたが,そのようなことがなく,最新の状態を反映することができる。また,通信量も減らすことができる。これを模式的に示すのが図33である。
つぎにマーキング操作とその消去が行われる場合を説明する。具体的には,図34(a)の画面に対して,図34(b)に示すようなマーキング操作を実行し,図34(c)に示すように図34(b)のマーキングを消去し,さらに,図34(c)の画面に対して,図34(d)示すようなマーキングの操作を,教員が制御指示側通信端末3で行う場合を説明する。
まず,教員は制御指示側通信端末3から,各学習者は被制御側通信端末4から,上述のように,それぞれ認証情報を入力または選択し,ログインをする。これによって,制御指示側通信端末3と管理サーバ2,被制御側通信端末4と管理サーバ2との間で接続が確立する(S100)。そして,管理サーバ2の接続状態監視部20は,管理サーバ2と,制御指示側通信端末3,被制御側通信端末4との間の接続状態の監視を開始する(S110)。また接続状態監視部20は,通信が切断されたことを検出した場合,その通信端末と切断した日時とを記憶する。そして管理サーバ2および被制御側通信端末4は,制御指示側通信端末3から制御指示を受け取るまで待機する(S120)。
教員がまず,学習者全員に対して「マーキング操作の実行」を行う場合,教員は制御指示側通信端末3で所定の操作を行うことで,条件として「全員」を選択すると,その入力を条件設定受付部30で受け付け,記憶する(S130)。そして,教員が制御指示側通信端末3で,表示装置72,タッチパネル型表示装置82で「マーキング操作」を行うと,その操作を操作受付部31で受け付ける(S140)。
たとえば図34(a)に示す初期状態の画面に対して,図34(b)に示すようなマーキング操作を教員が行った場合,制御指示情報生成部32は,矩形領域のうち,画面における領域識別情報「41」乃至「45」,「49」,「53」,「57」,「58」,「60」,「61」,「66」乃至「68」の矩形領域を画像情報として取得し(図9参照),「マーキング操作」が行われた日時情報(たとえば2012年12月13日13時45分10秒)と,操作内容として「マーキング操作」と,画像情報と,条件「全員」とを含めた制御指示情報を生成し,生成した制御指示情報を制御指示情報送信部33が管理サーバ2に送る(S150)。
S150で制御指示側通信端末3から送られた制御指示情報は,管理サーバ2の制御指示情報受取部21で受け取り,制御指示情報記憶部22に記憶する(S160)。端末特定処理部23は,制御指示情報における条件として「全員」が設定されているので,学習者A乃至学習者Dが使用する被制御側通信端末4A乃至Dを送信先として特定する(S170)。
そして制御情報処理部24は,領域識別情報「41」乃至「45」,「49」,「53」,「57」,「58」,「60」,「61」,「66」乃至「68」の矩形領域ごとに,制御指示情報における操作内容「マーキング操作」と,画像情報と,その日時情報「2012年12月13日13時45分10秒」を含む制御情報を生成する(S180)。また,条件が「全員」なので,各学習者が利用する被制御側通信端末4に対応づけて上記生成した制御情報を制御情報記憶部25に記憶させる(S190)。図35にこの状態の制御情報記憶部25の一例を模式的に示す。なお,本実施例では図面の都合上,マーキング操作に対応するキーBのみを示す。また,被制御側通信端末4CおよびDは,被制御側通信端末4Aと同じなので省略する(以下,本実施例において同様)。
そして制御情報反映処理部26は,各被制御側通信端末4の接続状況を確認し,接続が切断していない被制御側通信端末4があるかを判定する(S200)。ここで,たとえば学習者Bの被制御側通信端末4Bと管理サーバ2との間で接続が切断していたとすると,制御情報反映処理部26は,被制御側通信端末4BにはS180で生成した制御情報を送ることができないので,そのまま待機をする(S120)。一方,被制御側通信端末4A,CおよびDに対しては,接続が確立していることから,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25を参照することで,未送信のほかの制御情報があるかを判定する(S210)。ここでは被制御側通信端末4A,CおよびDのいずれでもS180で生成した制御情報のほかに未送信の制御情報がないので,最終制御情報判定処理部27における処理を行わずに,そのまま制御情報反映処理部26は,当該制御情報を被制御側通信端末4A,CおよびDに送る(S220)。そして,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25のうち,被制御側通信端末4A,CおよびDについて,送信したかを示すフラグを,送信したことを示す「済」に変更して記憶する。この状態の制御情報記憶部25の一例を図36に示す。
そして被制御側通信端末4A,CおよびDは,管理サーバ2から送られた制御情報を制御情報取得部40で取得し(S250),制御情報実行処理部41は,制御情報における操作内容に対応する制御,ここでは領域識別情報「41」乃至「45」,「49」,「53」,「57」,「58」,「60」,「61」,「66」乃至「68」の矩形領域に,制御情報における各画像情報を表示する処理を実行する(S260)。これによって,被制御側通信端末4A,CおよびDでは,図34(a)の初期状態の画面に代えて,図34(b)の画面が表示される。なお,被制御側通信端末4Bは管理サーバ2と接続が切断しており,制御情報を取得していないので,初期状態(図34(a))のままである。
つぎに,教員が「全員」の学習者に対して「マーキング消去」の操作(図34(c))を行ったとする。
そして教員が制御指示側通信端末3で「マーキング消去」の操作を行うと,操作受付部31でその操作を受け付け(S140),制御指示情報生成部32は,受け付けた操作の操作内容「マーキング消去」と,消去されたマーキングの領域識別情報「41」乃至「45」,「49」,「53」,「57」,「58」,「60」,「61」,「66」乃至「68」の画像情報と,S130で受け付けた条件「全員」と,日時情報「2012年12月13日13時46分34秒」と,を含む制御指示情報を生成する。そして制御指示情報送信部33がこの制御指示情報を管理サーバ2に送る(S150)。
S150で制御指示側通信端末3から送られた制御指示情報を管理サーバ2の制御指示情報受取部21で受け取り,制御指示情報記憶部22に記憶する(S160)。そして端末特定処理部23は,受け付けた制御指示情報における条件「全員」を参照することで,送信する先となる被制御側通信端末4として学習者A乃至Dが利用する,被制御側通信端末4A乃至被制御側通信端末4Dを特定する(S170)。
そして制御情報処理部24は,消去されたマーキングの領域識別情報「41」乃至「45」,「49」,「53」,「57」,「58」,「60」,「61」,「66」乃至「68」の矩形領域ごとに,制御指示情報における操作内容「マーキング消去」と,画像情報と,日時情報「2012年12月13日13時46分34秒」を含む制御情報を生成し(S180),制御情報記憶部25における被制御側通信端末4A乃至DのキーBに対応づけて記憶させる(S190)。図37にこの状態の制御情報記憶部25の一例を模式的に示す。
そして制御情報反映処理部26は,被制御側通信端末4A乃至Dの接続状況を確認し,接続が切断していない被制御側通信端末4があるかを判定すると(S200),まだ学習者Bの被制御側通信端末4Bと管理サーバ2との間で接続が切断していた場合,学習者Bの被制御側通信端末4BにはS180で生成した制御情報を送ることができないので,そのまま待機する(S120)。
一方,被制御側通信端末4A,CおよびDに対しては,接続が確立していることから,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25を参照することで,S180で生成した制御情報以外の未送信の制御情報があるかを判定する(S210)。被制御側通信端末4A,CおよびDに対しては,S180で生成した制御情報のほかに未送信の制御情報がないので,最終制御情報判定処理部27における処理を行わずに,そのまま制御情報反映処理部26は,当該制御情報を被制御側通信端末4A,CおよびDに送る(S220)。そして,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25のうち,被制御側通信端末4A,CおよびDについて,送信したかを示すフラグを「済」に変更して記憶する。この状態の制御情報記憶部25の一例を図38に示す。
そして被制御側通信端末4A,CおよびDは,管理サーバ2から送られた制御情報を制御情報取得部40で取得し(S250),制御情報実行処理部41は,制御情報における操作内容に対応する制御,ここでは領域識別情報「41」乃至「45」,「49」,「53」,「57」,「58」,「60」,「61」,「66」乃至「68」の矩形領域に,制御情報における各画像情報を表示する処理を実行する(S260)。これによって,被制御側通信端末4A,CおよびDでは,図34(b)の画面に代えて,図34(c)の画面が表示される。なお,被制御側通信端末4Bは管理サーバ2と接続が切断しており,制御情報を取得していないので,初期状態(図34(a))のままである。
つぎに,教員が「全員」の学習者に対して「マーキング操作の実行」(図34(d))を行ったとする。
そして教員が制御指示側通信端末3で「マーキング操作の実行」を行うと,操作受付部31でその操作を受け付ける(S140)。図34(d)に示すようなマーキング操作を教員が行った場合,図39に示すように,マーキングが領域識別情報「13」乃至「16」,「20」,「21」,「24」,「28」,「29」,「32」,「37」乃至「40」に対して行われているので,それらの矩形領域を画像情報として取得し,「マーキング操作」が行われた日時情報(たとえば2012年12月13日13時47分08秒)と,操作内容として「マーキング操作」と,画像情報と,条件「全員」とを含めた制御指示情報を生成し,生成した制御指示情報を制御指示情報送信部33が管理サーバ2に送る(S150)。
S150で制御指示側通信端末3から送られた制御指示情報を管理サーバ2の制御指示情報受取部21で受け取り,制御指示情報記憶部22に記憶する(S160)。そして端末特定処理部23は,受け付けた制御指示情報における条件「全員」を参照することで,送信する先となる被制御側通信端末4として学習者A乃至学習者Dが利用する,被制御側通信端末4A乃至被制御側通信端末4Dを特定する(S170)。
そして制御情報処理部24は,領域識別情報「13」乃至「16」,「20」,「21」,「24」,「28」,「29」,「32」,「37」乃至「40」の矩形領域ごとに,制御指示情報における操作内容「マーキング操作」と,画像情報と,その日時情報「2012年12月13日13時47分08秒」を含む制御情報を生成する(S180)。また,条件が「全員」なので,各学習者が利用する被制御側通信端末4に対応づけて上記生成した制御情報を制御情報記憶部25に記憶させる(S190)。図40にこの状態の制御情報記憶部25の一例を模式的に示す。
そして制御情報反映処理部26は,被制御側通信端末4A乃至Dの接続状況を確認し,接続が切断していない被制御側通信端末4があるかを判定すると(S200),学習者Bの被制御側通信端末4Bと管理サーバ2との間で接続が回復していた場合,学習者A乃至学習者Dの被制御側通信端末4A乃至DにS180で生成した制御情報を送ることができる。従って,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25を参照することで,S180で生成した制御情報以外に未送信のほかの制御情報があるかを判定する(S210)。ここでは被制御側通信端末4A,被制御側通信端末4CおよびDに対しては,S180で生成した制御情報のほかに未送信の制御情報がないので,最終制御情報判定処理部27における処理を行わずに,そのまま制御情報反映処理部26は,当該制御情報を被制御側通信端末4A,CおよびDに送る(S220)。
一方,被制御側通信端末4Bでは,S180で生成した「マーキング操作の実行」のほかに,別の矩形領域に対する「マーキング操作の実行」と「マーキング操作の消去」の未送信の制御情報があることを判定できるので(S210),最終制御情報判定処理部27における処理を行うこととなる。すなわち,領域識別情報「41」乃至「45」,「49」,「53」,「57」,「58」,「60」,「61」,「66」乃至「68」の矩形領域に対する「マーキング操作の実行」と,領域識別情報「41」乃至「45」,「49」,「53」,「57」,「58」,「60」,「61」,「66」乃至「68」の矩形領域に対する「マーキング操作の消去」では同一の矩形領域に対するマーキング操作なので,いずれか新しい日時情報が対応づけられている操作内容,この場合には,日時情報が「2012年12月13日13時46分34秒」の日時情報に対応づけられた「マーキング操作の消去」の操作内容を最終の操作内容として判定する(S230)。なお,この場合,判定された操作が「マーキング操作の消去」であって,実質的な処理が行われる操作ではないことから,制御情報を生成しない,あるいは被制御側通信端末4Bに送らないようにしても良い。本明細書では制御情報を生成せず,それを送信しない場合とする。
従って,制御情報反映処理部26は,領域識別情報「13」乃至「16」,「20」,「21」,「24」,「28」,「29」,「32」,「37」乃至「40」の画像情報と操作内容として「マーキング操作の実行」と日時情報「2012年12月13日13時47分08秒」を含む制御情報を,制御情報反映処理部26から被制御側通信端末4Bに送る(S240)。
そして,制御情報反映処理部26は,制御情報記憶部25のうち,被制御側通信端末4A,CおよびDについて,送信したかを示すフラグを「済」に変更して記憶する。また,被制御側通信端末4Bについて,集約対象となった領域識別情報「41」乃至「45」,「49」,「53」,「57」,「58」,「60」,「61」,「66」乃至「68」の「マーキング操作の実行」と「マーキング操作の消去」と,領域識別情報「13」乃至「16」,「20」,「21」,「24」,「28」,「29」,「32」,「37」乃至「40」の「マーキング操作の実行」を「済」に変更して記憶する。この状態の制御情報記憶部25の一例を図41に示す。
そして被制御側通信端末4A乃至被制御側通信端末4Dは,管理サーバ2から送られた制御情報を制御情報取得部40で取得し(S250),制御情報実行処理部41は,制御情報における操作内容に対応する制御,ここでは被制御側通信端末4A乃至Dでは,領域識別情報「13」乃至「16」,「20」,「21」,「24」,「28」,「29」,「32」,「37」乃至「40」の「マーキング操作の実行」を実行する(S260)。これによって,被制御側通信端末4A乃至Dでは,図34(d)の画面が表示される。
以上のような処理を実行することで,被接続側通信端末Bで通信が切断された場合であっても,最新の状態を反映することができる。また,通信量も減らすことができる。これを模式的に示すのが図42である。
上述の実施例3では,制御指示側通信端末3の制御指示情報生成部32が,制御指示側通信端末3の表示装置72またはタッチパネル型表示装置82で表示している画面を矩形領域に分割し,変化があった矩形領域について,操作内容などとともに,制御指示情報として管理サーバ2に送っていた。本実施態様では,矩形領域の分割処理などを管理サーバ2で行う場合を説明する。この場合のシステム構成の一例を図43に示す。
この実施態様においては,制御指示側通信端末3では,制御指示情報生成部32,制御指示情報送信部33の代わりに,操作情報送信部34を備える。また,管理サーバ2では,制御指示情報受取部21,制御指示情報記憶部22の代わりに,操作情報受取部50,操作情報記憶部51を備える。
図43の制御指示側通信端末3における操作情報送信部34は,制御指示側通信端末3で表示した画像ファイルにマーキング操作が行われた場合,その操作内容と,制御指示側通信端末3で表示する画像ファイルの全部または一部と,条件設定受付部30で受け付けた条件とを少なくとも含む情報を,操作情報として管理サーバ2に送る。この際に,各操作が行われた日時情報を操作情報に含める。
管理サーバ2における操作情報受取部50は,制御指示側通信端末3から送られた操作情報を取得し,後述する操作情報記憶部51に記憶する。
操作情報記憶部51は,操作情報受取部50で受け取った操作情報を記憶する。
制御情報処理部24’は,端末特定処理部23で特定した被制御側通信端末4に対して送る制御情報を,操作情報受取部50で受け取った操作情報に基づいて生成し,後述する制御情報記憶部25に記憶させる。なお,ここでは制御情報処理部24’が操作情報に基づいて制御情報を生成する場合を説明したが,操作情報がそのまま制御情報となってもよい。
すなわち,制御情報処理部24’は,操作情報における画像情報を,図6や図7に示すように矩形領域に分割し,入力が行われた領域を判定する。これは,一つ前の操作情報における画像情報との差分を検出し,相違する場合には入力が行われた領域として判定できる。
そして,入力が行われたと判定した領域の画像情報と,その領域の領域識別情報と,領域に対するマーキング操作が行われたことの操作内容を示す情報と,日時情報とに基づいて制御情報を生成するとともに,制御情報記憶部25に記憶させる。
以上のように生成した制御情報に基づいて,上述の各実施例と同様に処理を実行する。このような処理を行うことによって,負荷の高い画像に対する処理を制御指示側通信端末3で行わず,処理能力の高い管理サーバ2で行うことが可能となる。
上述の実施例1乃至実施例4の別の実施態様を説明する。
この場合,制御指示側通信端末3から制御指示情報を受け取り,それを制御指示情報記憶部22に記憶させる。そして,被制御側通信端末4は,定期的にまたは所定のタイミングで被制御側通信端末4の制御情報取得部40が管理サーバ2に対して,制御情報の送信要求を行う。この送信要求には,前回,管理サーバ2から制御情報を取得した日時情報を含んでいる。
この制御情報の送信要求を管理サーバ2の制御情報処理部24で受け取ると,制御情報処理部24は,上記送信要求における日時情報より後の制御指示情報であって,当該被制御側通信端末4が対象となる制御指示情報を制御指示情報記憶部22から抽出する。そして,抽出した制御指示情報から制御情報を生成し,最終制御情報判定処理部27における最終的に行われた制御情報の判定処理を行い,それらの処理後の制御情報を管理サーバ2の制御情報反映処理部26が被制御側通信端末4に送る。
このような処理を実行することで,フラグを用いずに処理を行うことができる。なお,この場合,制御情報記憶部25を設けずとも良い。
さらに,制御指示情報,制御情報には,日時情報に代えて,その情報の順序を示すユニークな情報(制御指示情報順序コード,制御情報順序コード)を含めても良い。この場合,被制御側通信端末4は,被制御側通信端末4の制御情報取得部40で最後に取得した制御情報における制御情報順序コードを管理サーバ2に送る。管理サーバ2は,その制御情報順序コードに基づいて,最新の制御指示情報順序コードまでの制御指示情報を制御指示情報記憶部22から抽出し,それらの制御情報を生成し,最終制御情報を被制御側通信端末4に送るように構成することもできる。また,すでに制御情報を制御情報記憶部25に記憶している場合には,管理サーバ2は,その制御情報順序コードに基づいて,最新の制御情報順序コードまでの制御情報を制御情報記憶部25から抽出し,最終制御情報を被制御側通信端末4に送るように構成しても良い。
さらに別の実施態様として,以下のように構成することもできる。
制御指示情報記憶部22,制御情報記憶部25は,上述の各実施例では制御指示情報,制御情報を逐次更新して記憶する構成を示したが,相対する操作が行われた場合には,最終的に行われた制御指示情報,制御情報のみを記憶するようにしても良い。この場合,同一のキーに含まれる相対する操作の辞書データベース(相対操作キー情報記憶部)(図示せず)を備えておき,その辞書データベースを参照して,相対する操作内容を含む制御指示情報または制御情報を特定して,不要な(相対する操作内容の制御指示情報または制御情報のうち,最終的に行われた操作内容の制御指示情報または制御情報ではない)制御指示情報または制御情報を削除するように構成する。
この場合,相対操作設定処理部28は,制御情報記憶部25に,キーとして設定する相対する操作を記憶させるのではなく,上述の辞書データベースに,受け付けたキーを記憶させる。
最終制御情報判定処理部27における処理タイミングは任意のタイミングで行われれば良く,たとえば制御指示情報受取部21で制御指示情報を受け取ったタイミング,制御情報処理部24で制御情報を生成したタイミングなどで行っても良い。
実施例3における矩形の形状,大きさは一律でなくても良い。たとえば中心付近は細かく,周辺付近は大きくなるように矩形が構成されていても良い。また矩形でなくても良い。
上述の各実施例では,制御指示情報生成部32を制御指示側通信端末3に備えている場合を説明したが,管理サーバ2に備えていても良い。この場合,制御指示側通信端末3から管理サーバ2に対して,たとえば画像情報,操作内容を示す情報,条件設定受付部30で受け付けた条件とを含む情報を,それぞれ送り,管理サーバ2の制御指示情報生成部32で制御指示情報を生成しても良い。
さらに,上述の各実施例では一つの表示装置72,タッチパネル型表示装置82に一つの画面を表示する場合であったが,複数の画面を表示するように構成することもできる。この場合,図44に示すように,画面ごとに表示内容が異なる場合には,その画面ごとに異なるキーの組(相対する操作)を持つように構成しても良い。たとえば図44の場合,上の画面には教科書の内容が表示され,下の画面にはそれに対応する問題が表示される。従って上の画面のキーの組(相対する操作)と,下の画面のキーの組(相対する操作)をそれぞれ持つように構成しても良い。