JP5301306B2 - 燃焼設備及び燃焼設備の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硫化物含有の石炭を燃料とする流動床式の燃焼室を備えた燃焼設備及び燃焼設備の運転方法に関する。
従来から流動床式焼却炉を備えたボイラ設備などの燃焼設備が知られている。例えば、特許文献1には、燃焼室である炉区内に燃料を含む粒状材料が投入されて流動床が形成され、流動床内に空気を通過させることによって流動床を流動化させ、この流動床の形成によって比較的低温にての燃料の燃焼を促進する流動床式燃焼装置が記載されている。
ボイラ設備などの燃焼設備に適用される燃料として多種多様な燃料の適用が求められており、特に、従来の石炭に代えて低品位炭の使用が望まれている。低品位炭の中には、硫化物、例えば二硫化鉄(FeS)を多く含む石炭が存在する。このような低品位炭は、炉区内でFeS(1−x)に熱分解された後、さらにFeS(1−x)内の硫黄(S)が熱分解されて硫黄酸化物(SO)となる。硫黄酸化物(SO)の大気放出は環境等に配慮してできるだけ抑える必要があり、そのために炉区内には石灰石等の吸着材が投入される。
特開平4−227403号公報
従来の燃焼設備では、石炭中に含まれる硫化物を硫黄酸化物にまで熱分解させている。例えば、二硫化鉄(FeS)の場合、熱分解によってFeS(1−x)とし、さらに熱分解させて硫黄酸化物(SO)にしている。ここで、FeS(1−x)を硫黄酸化物(SO)にまで熱分解させるためには、900℃程度の高温を維持したまま炉(燃焼室)内で長時間保持する必要がある。しかしながら、FeS(1−x)は鉄などに比べて融点が低く、燃焼室内に長時間滞留すると粘性の高いクリンカーとなって流動床の流動化を不安定にする虞があり、燃焼室内での燃焼を不安定にする可能性があった。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、石炭中の硫化物に起因したクリンカーの発生を抑制し、流動床式の燃焼室での安定した燃焼を可能にする燃焼設備を提供することを目的とする。
本発明は、硫化物含有の石炭を燃料とする流動床式の燃焼室を備える燃焼設備において、燃焼室から排出された灰のうち、磁性物を磁力選別によって分離する磁選手段と、磁選手段によって磁性物を分離された非磁性物を燃焼室に返送する返送ラインと、磁選手段によって分離された磁性物を受け入れる焙焼炉と、焙焼炉内での磁性物の加熱によって生成される金属を回収する金属回収部と、焙焼炉から排出された燃焼排ガスを燃焼室に返送する排ガス返送ラインと、を備えることを特徴とする。
本発明では、燃焼室で生成された灰のうち、硫化金属を磁選手段による磁力選別によって分離し、非磁性物のみを燃焼室に返送する。非磁性物は流動床を形成する流動材料として再利用されるため、流動床を維持するための流動材料の追加投入量を抑えることができる。その結果、流動材料の低減に伴う流動床の不安定化を抑えながら、FeS(1−x)などの硫化金属が硫黄酸化物(SO)にまで熱分解されるのを待たずに、硫化金属を灰として積極的に燃焼室から排出できる。その結果として、粘性の高いクリンカー生成の虞のある硫化金属を燃焼室から積極的に回収でき、クリンカーの発生を抑制でき、流動床式の燃焼室での安定した燃焼を可能にする。
さらに磁性物中の硫化金属は、焙焼炉内で硫黄(S)が熱分解されて硫黄酸化物(SOX)と金属が生成され、その金属を金属回収部で回収することができる。特に、低品位炭としての石炭中には、鉄などの他に希少金属であるインジウムを含んでいる可能性もあり、石炭中からこれらの金属を効率よく回収できるので資源の有効利用が可能になる。
さらに、焙焼炉で生じた酸化硫黄(SOX)含有の燃焼排ガスを燃焼室に返送することで、酸化硫黄を効率的に処理できる。
さらに、焙焼炉の熱源としてプラズマトーチを用いると好適である。焙焼炉の熱源としてプラズマトーチを用いると、通常の燃料燃焼バーナに比べて焙焼炉内の酸素濃度を低く抑えることが可能になる。その結果として、焙焼炉で生成された金属の酸化を抑制できる。さらに、プラズマトーチを用いることで排ガス量の低減も可能である。
さらに、燃焼室で得た熱を利用して発電する発電手段を更に備え、発電手段で発電された電力の少なくとも一部は、プラズマトーチに供給されると好適である。発電手段で発電された電力の少なくとも一部を利用できるので、別の発電施設から電力の供給を受ける必要はなくなる。
また、本発明は、硫化物含有の石炭を燃料とする流動床式の燃焼室を備えた燃焼設備の運転方法において、燃焼室から排出された灰を引き抜き、その灰のうち、磁性物を磁力選別によって分離除去し、残りの非磁性物を燃焼室に返送し、分離された磁性物を燃焼炉に受け入れ、焙焼炉内での磁性物の加熱によって生成される金属を回収し、焙焼炉から排出された燃焼排ガスを燃焼室に返送することを特徴とする。本発明によれば、炉内クリンカー生成の虞のある硫化金属のみを積極的に回収でき、炉内クリンカーの発生を抑制して燃焼効率を向上させることができる。本発明によれば、粘性の高いクリンカー生成の虞のある硫化金属を燃焼室から積極的に回収でき、クリンカーの発生を抑制でき、流動床式の燃焼室での安定した燃焼を可能にする。また、磁性物中の硫化金属は、焙焼炉内で硫黄(S)が熱分解されて硫黄酸化物(SOX)と金属が生成され、その金属を金属回収部で回収することができる。特に、低品位炭としての石炭中には、鉄などの他に希少金属であるインジウムを含んでいる可能性もあり、石炭中からこれらの金属を効率よく回収できるので資源の有効利用が可能になる。さらに、焙焼炉で生じた酸化硫黄(SOX)含有の燃焼排ガスを燃焼室に返送することで、酸化硫黄を効率的に処理できる。
本発明によれば、石炭中の硫化物に起因したクリンカーの発生を抑制し、流動床式の燃焼室での安定した燃焼を可能にする。
本発明の第1実施形態に係るボイラ設備を概略的に示す図である。 本実施形態に係る磁力選別器を概略的に示す断面図である。 本実施形態に係るキルン回転炉を概略的に示す断面図である。 燃焼塔内の温度とFeS及びFeSの濃度との関係を示すグラフである。 燃焼経過時間及び燃焼塔内の温度とSO及びO濃度との関係を示すグラフである。 FeとFeSとの相状態図である。 本発明の第2実施形態に係るボイラ設備を概略的に示す図である。
以下、本発明に係る燃焼設備の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る燃焼設備を概略的に示す図、図2は磁力選別器を概略的に示す図、図3はキルン回転炉を概略的に示す図である。
(第1実施形態)
図1に示されるように、ボイラ設備1(燃焼設備)は発電施設などに設置され、石炭、特に硫化物を多く含む低品位炭を燃料にする燃焼装置3を備えている。燃焼装置3は、流動床式の燃焼室である燃焼塔5と、燃焼塔5で生じた煙道ガスから固形物を分離するサイクロン分離器7と、煙道ガスから熱を回収する熱交換部9と、熱交換部9から排出される排ガス中の煤塵を除去するバグフィルタ11とを備えている。この種のボイラ設備1はCFBボイラとも呼ばれる。
燃焼塔5内には、燃料としての石炭C1と、硫黄(S)を除去する吸着材料としての石灰石とが投入される。燃焼塔5には、下部から空気が供給され、石炭C1及び石灰石を含む固形物は流動化され、可燃性材料からなる流動床Fbが形成される。流動床Fbの形成により、石炭C1の燃焼が促進される。燃焼の結果として生じる燃焼ガスは、固形物の一部を随伴しながら燃焼塔5内を上昇する。
サイクロン分離器7は、燃焼塔5に隣接して配置されており、燃焼塔5から排出された煙道ガス及び煙道ガスに随伴された粒状固形物を受け入れ、遠心分離作用によって煙道ガスと粒状固形物とを分離し、粒状固形物は燃焼塔5に戻し、煙道ガスは熱交換部9に送り込む。
熱交換部9では、煙道ガスからの熱を蒸気等で回収する。煙道ガスに同伴された煤塵中の硫黄の一部は、熱交換部9で燃焼する。また、バグフィルタ11は、熱交換部9から排出された排ガス中の煤塵を捕捉し、バグフィルタ11を通過した排ガスは、他の処理設備に送られたり、大気に放出されたりする。
また、ボイラ設備1は、燃焼塔5から排出された灰Baを受け入れる磁力選別器13(磁選手段)と、磁力選別器13によって磁力選別された非磁性物を篩い作用によって選別する振動篩器15と、振動篩器15によって選別された粒径の細かい灰分を燃焼塔5に戻す粉体返送ライン17(返送ライン)と、磁力選別器13によって磁力選別された磁性物を再度燃焼させるキルン回転炉19と、キルン回転炉19から排出された残渣Rfを回収する残渣回収部21と、キルン回転炉19からの燃焼排ガスを燃焼塔5及び熱交換部9に返送する排ガス返送ライン23と、を備えている。
燃焼塔5に投入される石炭(低品位炭)C1中には、二硫化鉄(FeS)などの硫化物が多く含まれており、燃焼塔5内において可燃物の燃焼と同時にFeS及びFeS(1-x)などが熱分解して硫黄酸化物(SO)になる。ここで、燃焼塔5内での燃焼によって生じる物質と流動床Fbへの影響について図4〜図6を参照して説明する。図4は燃焼塔5内の温度とFeS及びFeSの濃度変化との関係を示すグラフである。図5は燃焼経過時間及び燃焼塔5内の温度(炉内温度)と燃焼塔5の上端出口(炉出口)でのSO及びOの濃度変化との関係を示すグラフである。また、図6はFeとFeSとの相状態図である。
図4に示されるように、二硫化鉄(FeS)を多く含有する石炭C1(低品位炭)は、500°C程度以上にまで加熱されると二硫化鉄(FeS)が熱分解されてFeS1−x(x=0〜0.2)が生成される。図5に示されるように、この段階で生じる硫黄酸化物(SOx)によって、例えば、燃焼塔5内のSOの濃度は急激に上昇してピークに達し、その後急速に減少する。
FeS1−x(x=0〜0.2)を硫黄酸化物(SOx)になるまで熱分解させるには、900°C程度に加熱した状態を長時間保持する必要がある。図6に示されるように、FeS1−x(x=0〜0.2)は融点が低く、FeS1−x(x=0〜0.2)が長期に渡って燃焼塔5内に滞留すると、FeS1−x(x=0〜0.2)と他の灰分とによってクリンカーが生成される。クリンカーは粘性が高く、流動床Fbを形成する固形物に付着すると流動化を阻害する要因になり、燃焼塔5内での燃焼を不安定にする虞がある。そこで、本実施形態に係るボイラ設備1では、クリンカーの生成を抑えるために、燃焼塔5内の灰(ボトムアッシュ)Baを早期に引き抜いて磁力選別器13に送り込んでいる。
燃焼塔5の底部には、灰Baを排出するための排出部5aが設けられており、排出部5aには、磁力選別器13に連絡する粉体移送ライン25が接続されている。粉体移送ライン25には、スクリューコンベヤなどの粉体移送手段が配置されている。
磁力選別器13には、FeS1−x(x=0〜0.2)を含む灰Baが送り込まれる。FeS1−x(x=0〜0.2)は磁性を帯びており、FeS1−x(x=0〜0.2)を含む磁性物と、灰分を主体とする非磁性物とは磁力選別器13によって磁力選別される。
図2に示されるように、磁力選別器13は、FeS1−x(x=0〜0.2)を含む灰Baを受け入れ、且つ振動ふるいによってFeS1−x(x=0〜0.2)を他の灰分から剥離させるホッパ13aを備える。さらに、磁力選別器13は、ホッパ13aから流下するFeS1−x(x=0〜0.2)を吸着する左右一対の磁気ドラム13bと、この磁気ドラム13bの周面に摺接することで磁気ドラム13bの周面に吸着された粒子状のFeS1−x(x=0〜0.2)を回収する左右一対のスクレーパ13cと、を備えている。なお、スクレーパ13cによって掻き取られた磁性物としての粉体(以下、「磁性粉」という)AmにはFeS1−x(x=0〜0.2)が濃縮されており、この磁性粉Amは、コンベヤなどの移送装置によってキルン回転炉19まで移送される。
磁気ドラム13bの間から流下する非磁性物としての灰分(以下、「非磁性灰」という)Anは、振動篩器15に投入される。振動篩器15では非磁性灰Anを粒径によって選別し、篩上の粒径の大きな非磁性灰Anについては他の処理施設に移送するか、または廃棄処分とし、粒径の小さな非磁性灰Anについては粉体返送ライン17によって燃焼塔5に返送する。粉体返送ライン17にはスクリューコンベヤなどの移送手段が配置されている。
燃焼塔5に返送された非磁性灰Anは、流動床Fbを形成する流動材料(「ベット材」ともいう)になる。非磁性灰Anを返送することで、流動材料の新規の追加投入量を抑えることができ、特に、非磁性灰AnはFeS1−x(x=0〜0.2)が除去されているのでクリンカーの発生を抑制するのに有効である。
図3に示されるように、キルン回転炉19は、縦型キルンもあるが、本実施形態では横型キルンを採用している。キルン回転炉19は、磁性粉Amを焙焼する円筒形状の焙焼炉27と、焙焼炉27から排出される燃焼排ガスを二次燃焼する二次燃焼室29とを備えている。
焙焼炉27の外周には歯車27aが設けられ、焙焼炉27は図示しないモータによって軸線L回りに回転する。焙焼炉27は、磁性粉Amを受入れ側Usから排出側Dsへ移動させることができるように、受入れ側Usから排出側Dsに向けて下方に傾斜されている。焙焼炉27と二次燃焼室29とは、焙焼炉27が回転可能に且つ接合部の気密が保持されるように接合されている。磁性粉Amを酸化焙焼した後の残渣Rfと燃焼排ガスとは、焙焼炉27の排出口から二次燃焼室29に導入され、残渣Rfは落下し、燃焼排ガスは上昇する。燃焼排ガスは、二次燃焼室29で二次燃焼された後、返送管を配管した排ガス返送ライン23を介して燃焼塔5及び熱交換部9(図1参照)に返送される。
焙焼炉27の受入れ側Usの端面であるフロントウォール27bには、定量供給装置33に連結される受入口27cが形成されている。また、フロントウォール27bには、加熱手段であるバーナ31が貫通して配置されている。バーナ31は、フロントウォール27bから焙焼炉27の排出側Dsに向かって火炎を放射する。バーナ31には、図示しない燃料ポンプによって燃料タンクから重油等の燃料が供給される。バーナ31には、図示しないブロアを介して燃焼用空気が供給される。
定量供給装置33は、フロントウォール27bの受入口27cに接続されたシリンダ部33aと、シリンダ部33a内を往復動する押出部33bと、押出部33bの往復動を駆動制御する供給器33cと、シリンダ部33a内に連通するホッパ33dとを備えている。ホッパ33dには、磁力選別器13からの磁性粉Amが投入される。ホッパ33d内に堆積する磁性粉Amは、押出部33bの往復動によって定量ずつが焙焼炉27内に供給される。定量供給装置33は、スクリューコンベヤなどによって磁性粉Amを焙焼炉27内に供給する装置であってもよい。
焙焼炉27内へ供給された磁性粉Amは、供給当初からバーナ31によって加熱される。磁性粉Amは、焙焼炉27内において、攪拌されながら900℃程度まで加熱され、受入れ側Usから排出側Dsに移動する。焙焼炉27の受入れ側Usには、図示しない空気供給ラインが接続されており、焙焼炉27内で磁性粉Amが移動する方向と焙焼炉27に導入される空気とが並行になる。このようなガス流れを持つキルン回転炉19は並流式と呼ばれる。なお、本実施形態は並流式であるが、磁性粉Amの移動方向と焙焼炉27に導入される空気とが対向する向流式のキルン回転炉19であってもよい。
焙焼炉27内の磁性粉Am中に含まれるFeS1−x(x=0〜0.2)は、硫黄(S)が熱分解されて酸化硫黄(SO)になり、残渣Rf中にはFe若しくはFeOとして鉄分が残留する。酸化硫黄(SO)を含む燃焼排ガスと残渣Rfとは、焙焼炉27から二次燃焼室29に排出される。二次燃焼室29には、残渣Rfと飛翔ダストとを分離するための二股式の第1排出口29a及び第2排出口29bが設けられている。残渣Rfの出口となる第1排出口29aは、焙焼炉27側に設けられ、飛翔ダストの出口となる第2排出口29bは、二次燃焼室29の傾斜した側面側に設けられている。残渣Rfは、第1排出口29aに達し、第1排出口29aから排出される。一方、飛翔ダストは、二次燃焼室29で流速が落ちて落下し、第2排出口29bから排出される。飛翔ダストには、未燃焼分が多く含まれており、二股式の第1,第2排出口29bを設けることで、飛翔ダストのみを回収でき、その飛翔ダストを再度焙焼炉27や燃焼塔5に投入するようにすることもできる。
第1排出口29aには、残渣回収部21に接続されたスクリューコンベヤ(粉体移送部)35が接続されている。スクリューコンベヤ35の入口は、第1排出口29aに接続されており、出口は残渣回収部21に接続されている。鉄原料(FeまたはFeO)を含む残渣Rfは残渣回収部21で回収される。残渣Rfは、鉄分が主体であり、純度の高い鉄原料として電炉精錬メーカーにて有効利用可能である。また、残渣Rf中には微量の希少金属(例えば、インジウム)が含まれている可能性もあり、そのような希少金属を効率良く回収できる。残渣回収部21は本発明の金属回収部に相当する。
次に、ボイラ設備1の運転方法について説明する。ボイラ設備1の燃焼塔5内に低品位炭である石炭C1及び石灰石を投入し、900℃程度に加熱して石炭C1を燃焼させる。石炭C1中の硫化鉄(FeS)は、燃焼塔5内でFeS1−x(x=0〜0.2)に分解され、その結果、燃焼塔5内のSO濃度は急激に上昇し、ピークに到達すると急激に減少する(図5参照)。FeS1−x(x=0〜0.2)によるクリンカーの生成を抑止するため、所定の時間が経過すると燃焼塔5内の灰Ba(ボトムアッシュ)を引き抜く。この所定の時間は、例えば、SO濃度がピークを超えて減少し、その後再び上昇すると想定されるまでの時間としたり、引き抜いた灰Ba中のFeS1−xの含有量を分析調査し、濃度から想定される時間、例えば、30分から80分程度としたり、適宜に決定できる。
次に、燃焼塔5内から引き抜いた灰Baは磁力選別器13に投入され、磁力選別器13によってFeS1−x(x=0〜0.2)を含む磁性粉Amと、灰分を含む非磁性灰Anとに分離される。さらに、非磁性灰Anは、振動篩器15によって粒径を整えられ、細粒分のみが燃焼塔5に返送される。
一方で、FeS1−x(x=0〜0.2)が濃縮された磁性粉Amは、キルン回転炉19の焙焼炉27に投入される。焙焼炉27では、磁性粉Amを900℃程度に加熱してFeS1−x(x=0〜0.2)を酸化硫黄(SO)と鉄とに熱分解させる。ここで鉄は、Feまたは酸化鉄(FeO)として残渣Rf中に残留する。SOを含む燃焼排ガスは、燃焼塔5及び熱交換部9に返送され、鉄原料(FeまたはFeO)を含む残渣Rfは残渣回収部21で回収される。焙焼炉27から排出されたFe分が主体の固形物残渣Rfを回収することで、純度の高い鉄原料として電炉精錬メーカーにて有効利用可能である。
以上のボイラ設備1及びボイラ設備1に運転方法では、流動床式の燃焼塔5を備える燃焼装置3で生成されたFeS1−x(x=0〜0.2)などの硫化金属を含む灰Baのうち、FeS1−x(x=0〜0.2)が濃縮された磁性粉Amを磁力選別し、非磁性灰Anのみを燃焼塔5に返送する。非磁性灰Anは流動床Fbを形成する流動材料として再利用されるため、流動床Fbを維持するための流動材料の追加投入量を抑えることができる。その結果、流動材料の低減に伴う流動床Fbの不安定化を抑えながら、燃焼塔5で生成されたFeS(1−x)などの硫化金属が硫黄酸化物(SO)にまで熱分解されるのを待たずに灰Baとして積極的に燃焼塔5から排出できる。その結果として、粘性の高いクリンカー生成の虞のある硫化金属を燃焼塔5から積極的に回収でき、クリンカーの発生を抑制でき、流動床式の燃焼塔5での安定した燃焼を可能にする。
さらに、本実施形態では、磁性粉Am中のFeS(1−x)(x=0〜0.2)などの硫化金属は、焙焼炉27内で硫黄(S)が熱分解されて硫黄酸化物(SO)となり、鉄などの金属が含まれる残渣Rfが生成され、その残渣Rfを残渣回収部21で回収することができる。特に、低品位炭としての石炭C1中には、鉄などの他にインジウムなどの希少金属を含んでいる可能性が高い。従って、本実施形態によれば、石炭C1中からこれらの金属を効率よく回収することで資源の更なる有効利用が可能になる。
また、焙焼炉27で生じた酸化硫黄(SO)含有の燃焼排ガスを燃焼塔5及び熱交換部9に返送するので、酸化硫黄(SO)を効率的に処理できる。
(第2実施形態)
次に、図7を参照して、第2実施形態に係るボイラ設備について説明する。図7は、第2実施形態に係るボイラ設備を概略的に示す図である。なお、第2実施形態に係るボイラ設備については、第1実施形態に係るボイラ設備との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の要素や部材については、同一の符号を付して詳細説明を省略する。
図1に示されるように、ボイラ設備(燃焼設備)1Bは、石炭、特に硫化物を多く含む低品位炭を燃料にする燃焼装置3を備えている。燃焼装置3は、流動床式の燃焼室である燃焼塔5と、燃焼塔5で生じた煙道ガスから固形物を分離するサイクロン分離器7と、燃焼塔5で生成された飽和蒸気を、煙道ガスからの熱によって更に加熱して過熱蒸気を生成する蒸気過熱器(蒸気過熱手段)51と、蒸気過熱器51から排出される煙道ガス中の煤塵を除去するバグフィルタ11と、を備えている。この種のボイラ設備1BはCFBボイラとも呼ばれる。
また、ボイラ設備1Bは、蒸気過熱器51で生成された過熱蒸気を受け入れることで回転するタービンを備え、そのタービンの回転によって発電する発電装置(発電手段)53を備えている。
磁力選別器13によって磁力選別された磁性粉Amは、コンベヤなどの移送装置によってキルン回転炉19まで移送される。本実施形態に係るキルン回転炉19では、焙焼炉27の熱源として、バーナ31に代えて、プラズマトーチ55を利用しており、焙焼炉27内に供給された磁性粉Amは、プラズマトーチ55によって、焙焼炉27内で攪拌されながら900℃程度まで加熱される。
プラズマトーチ55は、例えば、非移行型の直流プラズマトーチ55であり、筒状の筐体(シュラウド)の内部には中空円筒状の陽極部と陰極部とが配置されており、陽極部と陰極部との間でアークが発生する。陽極部と陰極部との間には、空気、アルゴンまたは窒素などのプラズマガスが供給され、プラズマジェットを発生させて焙焼炉27内を加熱する。プラズマトーチ55には、プラズマガスをプラズマトーチ55に供給するガス供給装置57と、所定の電位をプラズマトーチ23にかける発電装置53とが接続されている。
磁性粉Am中のFeS(1−x)(x=0〜0.2)などの硫化金属は、焙焼炉27内で加熱されることによって、硫黄(S)が熱分解されて硫黄酸化物(SO)となり、鉄などの金属が含まれる残渣Rfが生成され、その残渣Rfを残渣回収部21で回収することができる。特に、低品位炭としての石炭C1中には、鉄などの他にインジウムなどの希少金属を含んでいる可能性が高い。従って、本実施形態によれば、石炭C1中からこれらの金属を効率よく回収することで資源の更なる有効利用が可能になる。
特に本実施形態では、プラズマトーチ55を熱源として利用することで、燃料燃焼バーナに比べて焙焼炉27内の酸素濃度を低く抑えることが可能になる。焙焼炉27内の酸素濃度を薄くすることで、残渣Rf中の金属、例えば、鉄が下記の式(1)に示されるように再酸化してしまうのを抑止できる。さらに、プラズマトーチ55を利用することで排ガス量も低減でき、その結果として、排ガスを大気に放出するための処理負担が低減する。
2Fe+O=2FeO ・・(1)
また、発電装置53は、プラズマトーチ55に電力を供給可能に接続されており、発電した電力のうち、すくなくとも一部をプラズマトーチ55に供給する。その結果、このボイラ設備1Bでは、プラズマトーチ55を駆動するために、別の発電施設から電力の供給を受ける必要はなく、経済的である。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、硫化物として二硫化鉄、硫化金属としてFeS1−x(x=0〜0.2)を例示して説明したが、鉄以外の金属、例えばコバルト、ガリウム、インジウム、モリブデン、ニッケル、銀またはスズと硫黄との化合物であってもよい。
また、上記第2の実施形態では、キルン回転炉の炉本体にプラズマトーチを取り付ける態様を説明したが、炉本体とは別のチャンバを設け、そのチャンバにプラズマトーチを取り付け、そのプラズマトーチによってチャンバ内で加熱された高温ガスをキルン回転炉の焙焼炉内に供給して焙焼炉内を加熱する態様であってもよい。この態様も、焙焼炉の熱源としてプラズマトーチを用いていることになる。
1,1B…ボイラ設備(燃焼設備)、5…燃焼塔(燃焼室)、17…粉体返送ライン(返送ライン)、19…磁力選別器(磁選手段)、21…残渣回収部(金属回収部)、23…排ガス返送ライン、27…焙焼炉、55…プラズマトーチ、53…発電装置(発電手段)、Am…磁性粉(磁性物)、An…非磁性灰(非磁性物)、Ba…灰、C1…石炭、Rf…流動床。

Claims (4)

  1. 硫化物含有の石炭を燃料とする流動床式の燃焼室を備える燃焼設備において、
    前記燃焼室から排出された灰のうち、磁性物を磁力選別によって分離する磁選手段と、
    前記磁選手段によって前記磁性物を分離された非磁性物を前記燃焼室に返送する返送ラインと
    前記磁選手段によって分離された磁性物を受け入れる焙焼炉と、
    前記焙焼炉内での前記磁性物の加熱によって生成される金属を回収する金属回収部と、
    前記焙焼炉から排出された燃焼排ガスを前記燃焼室に返送する排ガス返送ラインと、を備えることを特徴とする燃焼設備。
  2. 前記焙焼炉の熱源としてプラズマトーチを用いることを特徴とする請求項記載の燃焼設備。
  3. 前記燃焼室で得た熱を利用して発電する発電手段を更に備え、前記発電手段で発電された電力の少なくとも一部は、前記プラズマトーチに供給されることを特徴とする請求項記載の燃焼設備。
  4. 硫化物含有の石炭を燃料とする流動床式の燃焼室を備えた燃焼設備の運転方法において、
    前記燃焼室から排出された灰を引き抜き、前記灰のうち、磁性物を磁力選別によって分離除去し、残りの非磁性物を前記燃焼室に返送し、
    分離された前記磁性物を焙焼炉に受け入れ、
    前記焙焼炉内での前記磁性物の加熱によって生成される金属を回収し、
    前記焙焼炉から排出された燃焼排ガスを前記燃焼室に返送することを特徴とする燃焼設備の運転方法。
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