JP5300716B2 - アルカリ電池のためのスズメッキアノードケーシング - Google Patents

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Description

本発明は、ケーシングの少なくとも内面上に、好ましくは、アノードケーシングの外面全体上にスズ外面層を有するアノードケーシング、及びアノードケーシングを収容する電気化学電池に関する。アノードケーシング及びアノードケーシングを収容する電気化学電池を調製する方法を開示する。
プリズム電池及びボタン電池のような電気化学電池は、様々な電子装置に用いることができる。アルカリプリズム電池は、キーボード又はマウス、MP3プレーヤ、フラッシュMP3プレーヤ、及び「BLUETOOTH(登録商標)」無線ヘッドセットのような無線装置を含む装置に用いるのに適切である。亜鉛−二酸化マンガン及び亜鉛−銀電池のようなアルカリボタン電池は、腕時計及び手持ち式計算機のような小型装置に用いられることが多く、亜鉛−空気電池は、電子補聴器に特に有用である。市販のアルカリ電池は、典型的には、アノードケーシングを有する負の電極(アノード)及びカソードケーシングを有する正の電極(カソード)を含む。アノードケーシング及びカソードケーシングの両方は、各々、閉鎖端及び一般的に閉鎖端の反対側の開放端を備えたパン又はカップのような同様の形状の本体を有する。負の電極は、典型的に、活物質として亜鉛又は亜鉛合金、及び水酸化カリウムのようなアルカリ電解質を用いる。アノードケーシングは、電池物質の全てがアノード及びカソードケーシング内の望ましい場所に配置された後に、電気絶縁材料を間に挟んでカソードケーシングに挿入され、電池は、一般的に圧着することによって密封される。負の電極内の導電性を改善し、放電中並びに保存及び非使用期間中に電池に起こる可能性がある水素ガス発生を低減するために、過去には、負の電極活物質混合物には水銀が用いられていた。環境及びヒト及び動物の健康に関する懸念のために、ボタン電池を含む全ての電気化学電池から実質的に水銀を減少又は除去することが望ましい。
電池にいかなる他の変更も加えることなく水銀を除去すると、電池内のガス発生、密封領域の毛管作用、電池内の電位差により起こる電気化学的クリープ、及び損傷した電池密封構成要素のうちの1つ又はそれよりも多くにより電池の漏れが引き起こされる可能性がある。更に、ボタン亜鉛−空気電池内の圧力により、疎水性層が空気電極から層間剥離され、これが空隙空間を生成し、そこに電解質を蓄積させる可能性がある。電解質がこのように蓄積することにより、電池の空気電極に空気が到達することに対する障壁になる。
ボタン型電池の漏れの問題を除去し、同時に電池の水銀含量を実質的に減少又は除去する試みとして多くの異なる手法が取られてきた。
Ramaswami他に付与された米国特許第6、830、847号は、アノードケーシングがカソードケーシングに挿入されたカソードケーシング及びアノードケーシングを含む亜鉛−空気ボタン電池に関する。アノードケーシングは、多重被覆金属層、例えば、ニッケル/ステンレス鋼/銅で形成される。アノードケーシングの露出周縁上には、保護的であると報告されている金属をメッキする。金属は、望ましくは、銅、スズ、インジウム、銀、真ちゅう、青銅、又は金から選択される。
Guo他に付与された米国特許第6、602、629号は、水銀を含有せず、アノードカップの密封表面上にインジウムを含まず、かつ鉛と合金にした亜鉛を含む活物質を有する改良ボタン空気電池を開示している。水素過電圧が高いインジウム又は別の金属をアノードカップの内部表面又は密封領域にない内面の部分上に配置することができる。
Braunger他に付与された米国特許出願公開第2003/0211387号は、電池のキャップの少なくとも外側層が、ニッケルを含有しないCu−Sn−合金又はニッケルを含有しないCu−Sn−Zn−合金で被覆された、ボタン電池の形態のハウジングにおけるアルカリ電解質及び亜鉛の負の電極を備えたガルバニ要素に関する。更に、同じコーティングは、キャップの内面、電池ハウジングの残りの半分の内面、そのカップにも付加することができ、必要に応じて、その外面も同じ材料で被覆される。
Gordon他に付与された米国特許第6、060、196号は、ガス及び/又はエネルギを発生する亜鉛合金アノードベースの電気化学電池に関する。この電池の構造は、亜鉛合金アノード材料が、ハウジングの一体化部分であり、少量の腐食防止剤を含有するアルカリ電解質と接触しているようなものである。亜鉛アノードキャップは、鉛、インジウム、カドミウム、ビスマス、及びその組合せから成る群からの少なくとも1つの金属を含有する亜鉛合金である。亜鉛キャップは、亜鉛アノードを大気腐食から保護すると報告されている銅、スズ、又はステンレス鋼被覆外側層を有する。
東芝電池株式会社に付与された日本特許出願公開第07−057705号は、負の活物質及びアルカリ電解質として非アマルガム亜鉛を用い、かつ正のケース内部の負の電流コレクタとしても働く密封プレートを有するバッテリに関する。密封プレートは、銅/ステンレス鋼/ニッケルの3層被覆材料で形成され、その後、無電解メッキ又は電解メッキにより、密封プレートの一部又は全部は、鉛、スズ、インジウム、又はビスマス、又は合金で覆われる。高水素過電位の金属で覆うことにより、形成時に生じた表面上の亀裂又はピンホールが覆われ、水素ガス発生の活性部位を排除して水素ガスの発生を遅延させると報告されている。
「Toshiba Ray O Vac Co.」に付与された日本特許出願公開第50−134137号は、プレートの絶縁体パッキングに取り付けられたニッケルメッキアノード密封プレートの縁部が酸化窒素で被覆されることを開示している。酸化窒素処理が電解質の漏れが防止すると報告されている。
米国特許第6、830、847号 米国特許第6、602、629号 米国特許出願公開第2003/0211387号 米国特許第6、060、196号 日本特許出願公開第07−057705号 日本特許出願公開第50−134137号 米国特許第5、464、709号 米国特許第5、312、476号 米国特許第6、256、853号 米国特許第6、521、103号 米国特許第5、487、824号 米国特許第5、565、079号 米国特許第6、193、858号
電解メッキ又は無電解メッキ又はその両方のような工程によりアノードケーシングをメッキする時に様々な問題に遭遇している。このような問題の例は、アノードケーシング仕上げが、かすみ、曇り、又は無光沢などの望ましくない外観を有し、望ましい外観の場合よりも大量にガスが発生する可能性があること、アノードケーシングが、望ましくない外観をもたらし、水素過電圧が小さい基板が露出されるとガス発生が増大する可能性があるかき傷又は切れ目などを有すること、メッキ工程中のアノードケーシングの入れ子構成が、不完全又は不均一なメッキ又はその組合せをもたらすこと、ケーシングが、メッキ溶液又はメッキ溶液に浮かぶケーシングの表面張力及びその組合せにのために平坦な表面間などで互いに付着し、これが、不完全又は不均一なメッキ又はその組合せを引き起こす可能性があること、メッキ中のメッキ装置におけるアノードケーシングの不適切な流れ、及びケーシングが、曲げ及び歪領域のような損傷領域を有することを含む。
上記に鑑みて、本発明は、以下に説明する利点の1つ又はそれよりも多くを提供することができる。
本発明は、水銀が付加されず、漏れ及び加塩に高度に抵抗性であり、しかも製造及び商品化するのに費用効率がよく、満足することができる電気的性能を示すプリズム型電池又はボタン型電池のような電気化学電池を提供することができる。
本発明は、スズ層のない従来技術のアノードケーシングに比較して比較的低率で水素ガス発生させるアノードケーシングの表面の少なくとも内部に位置するスズ外側層を有する電気化学電池のためのアノードケーシングを提供することができる。スズ層は、アノードケーシングの切り口を含む電池内の電解質と接触する可能性があるあらゆる表面を含むケーシングの全ての表面に汚染物質のない連続する滑らかで一様な層として堆積させることが好ましい。
本発明は、アノードケーシングの少なくとも内面にスズ外側層を有するアノードケーシングを有し、電池に水銀が加えられていない電気化学電池を提供することができる。
本発明は、好ましくは、アノードケーシングの全表面に光沢メッキ金属表面層を有し、金属表面層がスズ又はスズ合金を含む高水素−過電圧金属であるアノードケーシングを提供することができる。
本発明は、基板が通過して電池電解質に露出される可能性があり、それによってガス発生が増大する可能性があるピンホール、かき傷、及び非メッキ領域のような欠陥のない形成後の後メッキ層を有するアノードケーシングを提供することができる。
本発明は、アノードケーシングの少なくとも内面にスズ層を有するアノードケーシングを形成する方法、並びに本発明に開示したアノードケーシングを収容する電気化学電池を調製する方法を提供することができる。好ましい実施形態では、本方法は、アノードケーシングの全表面がメッキされるように、メッキ溶液中にある間にアノードケーシングの一部分を選択的に係合及び脱係合する可変接触ラックメッキ装置を用いてスズの層をアノードケーシングの少なくとも内面にメッキする段階を含む。
本発明の1つの態様は、正の電極ケーシング及び負の電極ケーシングを含むハウジングと、正の電極と、亜鉛を含有する負の電極と、水性アルカリ電解質とを有する電気化学バッテリ電池である。負の電極ケーシングは、金属基板、スズを含んで銅より大きな水素過電圧を有する光沢電気メッキ表面層、及び表面層の下の銅を含む層を含む。
電気化学電池を製造する方法は、(a)基板として鋼鉄層を含むシートを準備する段階、(b)基板から負の電極ケーシングを形成する段階、(c)負の電極ケーシングの可変接触保持、及び538〜2691アンペア/平方メートルの電気メッキ電流密度によるラックメッキ工程を用いて、光沢スズを含み、平均厚みが1〜10マイクロメートルである層を基板に電気メッキする段階、(d)負の電極材料が負の電極ケーシング上のスズ層と接触するように、亜鉛を含む負の電極材料及び水性アルカリ電解質を負の電極ケーシングの凹部に堆積させる段階、及び(e)負の電極ケーシング及び負の電極材料を正の電極及び正の電極ケーシングと組み合わせて密封電池を形成する段階を含む。
電気化学バッテリ電池を製造する方法は、(a)基板として非被覆鋼鉄層を含むシートを準備する段階、(b)基板から負の電極ケーシングを形成する段階、(c)負の電極ケーシングを清浄化し、次に、清浄化した負の電極ケーシングを濯ぐ段階、(d)負の電極ケーシングの可変接触保持を用いるラック工程を用いて、平均厚みが0.5〜1.0マイクロメートルであり、清浄化して濯いだ負の電極ケーシング上に銅を含む中間ストライク層を電気メッキする段階、(e)負の電極ケーシングの可変接触保持、及び538〜2691アンペア/平方メートルの電気メッキ電流密度によるラックメッキ工程を用いて、光沢スズを含み、平均厚みが1〜10マイクロメートルの層を基板に電気メッキする段階、(f)負の電極材料が負の電極ケーシング上のスズ層と接触するように、亜鉛を含む負の電極材料及び水性アルカリ電解質を負の電極ケーシングの凹部に堆積させる段階、及び(g)負の電極ケーシング及び負の電極材料を正の電極及び正の電極ケーシングと組み合わせて密封電池を形成する段階を含む。
電気化学バッテリ電池を製造する方法は、(a)銅を含む層で鋼鉄の層を被覆したシートを含む基板を準備する段階、(b)負の電極ケーシングの凹表面上に銅を含む層を備えるように基板から負の電極ケーシングを形成する段階、(c)銅を含む層の表面を清浄化する段階、(d)負の電極ケーシングの可変接触保持、及び538〜2691アンペア/平方メートルの電気メッキ電流密度によるラック工程を用いて、光沢スズを含み、平均厚みが1〜10マイクロメートルである層を、銅を含む層の清浄化表面上に電気メッキする段階、(e)負の電極材料が負の電極ケーシング上のスズ層と接触するように、亜鉛を含む負の電極材料及び水性アルカリ電解質を負の電極ケーシングの凹部に堆積させる段階、及び(f)負の電極ケーシング及び負の電極材料を正の電極及び正の電極ケーシングと組み合わせて密封電池を形成する段階を含む。
本発明のこれら及び他の特徴、利点、及び目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面を参照することにより、当業者によって更に理解され、かつ認められるであろう。
本発明は、図面と合わせて本発明の詳細説明を読むと更に理解され、他の特徴及び利点が明らかになるであろう。
アノードケーシングを有するプリズム型空気電気化学電池の断面立面図である。 アノードケーシングのための層システムの一実施形態を示す、図1の線2−2でアノードケーシングの材料構成を通る拡大断面図である。 ケーシングの内面にスズの外側層を備えたアノードケーシングを有するボタン型空気電気化学電池の断面立面図である。 再折り畳み型アノードケーシングを用いるボタン型空気電気化学電池の断面立面図である。 本発明のアノードケーシングをスズメッキするのに用いられるメッキチャンバを含む可変接触ラックメッキ装置の一実施形態の概略図である。
本発明のアノードケーシングは、ボタン電池、円筒形電池、平坦電池、又はプリズム型電池のような電気化学電池に用いられる。電池は、形成アノードケーシングをスズでメッキすることが望ましいあらゆる電気化学システムの1つとすることができる。好ましい電池型は、負の電極活物質として亜鉛を含有するアルカリ電池のような水性アルカリ電解質を収容するものであり、その例には、正の電極活物質として二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、酸化銀、及び酸素の1つ又はそれよりも多くを含む電池が含まれる。好ましい実施形態では、電池は、触媒電極を備えた流体脱分極電池である。電池に用いられる流体は、周囲外気の酸素のようなガスであることが好ましい。流体脱分極電気化学電池には、亜鉛−空気電池(以下では空気電池という)のような金属−空気電池が含まれる。
本発明の電池は、添加水銀、例えば、亜鉛重量に基づいて約3%水銀を含む可能性があるが、本発明の好ましい電池に含まれる水銀は、電池構成要素に自然に存在するもののみであることが望ましい。それにも関わらず、好ましい実施形態では、本発明の電池は、電池の総重量で一般的に50ppm未満、望ましくは10ppm未満、好ましくは、5ppm未満、最も好ましくは、2ppm未満の量の水銀を含む。Guo他に付与され、本明細書に引用により完全に組み入れた米国特許第6、602、629号は、電池内の水銀の総レベルを判断するのに用いられる方法を開示している。
本発明の平坦電池又はプリズム電池は、典型的には矩形の形状であるが、これに限定されず、長さが電池の幅に実質的に等しい正方形とすることができ、又はそうでなければ非円筒形の形状とすることができる。本発明は、アノード活物質と接触するように設計されたあらゆるアノードケーシングと共に用いることができる。本発明は、噴流層電極メッキ工程のような更に費用効率の良い工程を用いて実質的にメッキすることができないアノードケーシングに最も有用である。一般的に、最大直径又は長さが約11.6mmより大きな電池は、噴流層工程を用いて有効にメッキすることができない。好ましい実施形態では、本発明の電池は、最大長さ、幅、及び高さ寸法を有し、最大長さは、約22〜約53mmの範囲、最大幅寸法は、約10〜約32mmの範囲、最大高さ寸法は、約4〜約5mmの範囲である。これらの実施形態のアノードケーシングは、長さが約21〜約52、幅が約9〜約31mm、高さが約3〜約4mmの範囲とすることができる。
本発明のボタン型電池は、ほぼ円筒形の形状であり、最大直径は、その合計高さよりも大きい。最大直径は、一般的に約4mm〜約35mm、望ましくは約5mm〜約35mmの間である。好ましくは、最大直径は、約30mmよりも大きくなく、より好ましくは、約20mmよりも大きくない。ボタン型電池は、直径に垂直に測定した最大高さ又は厚みを有し、一般的に、約1mm〜約20mm、望ましくは約1mm〜約15mmである。好ましくは、最大高さは、約10mmよりも大きくなく、より好ましくは、約8mmよりも大きくない。本発明のアルカリ亜鉛−空気ボタン電池には、以下に限定されるものではないが、「国際電気標準会議(I.E.C.)国際標準」表示のPR41、PR44、PR48、PR63、及びPR70が含まれる。アルカリ亜鉛−酸化銀電池には、以下に限定されるものではないが、IEC300シリーズの電池、及びIEC13及びIEC76サイズの酸化銀電池が含まれる。
本発明のアノードケーシング126を含むプリズム電池110の好ましい実施形態が図1に示されている。ここに示す電池110は、好ましくは、ニッケルメッキ鋼で形成されたカソードケーシング112を含む空気電池である。アノードケーシング126及びカソードケーシング112は、ほぼプリズム形状、好ましくは、矩形であり、各ケーシング126、112は、好ましくは、実質的に平面の底部又は中心領域に接続した4つの直線又は非直線側壁を形成する。代替的に、ケーシング112は、ケーシング底部の周囲部分から外向きに突出する領域を備えた底部を有することができる。ケーシング、一般的にカソードケーシングは、必要に応じて単一又は複数の段を含むことができる。
ほぼカップ形金属構成要素であるアノードケーシング26を含むボタン電池10の好ましい実施形態が図3に示されている。図3に示す電池10は、カップ形であり、好ましくは、ニッケルメッキ鋼で形成され、均一な高さの直立壁16と連続してそれに囲まれた比較的平坦な中心領域14を有するようにしたカソードケーシング12を含む空気電池である。代替的に、一実施形態では、缶底部の中心領域14は、缶底部の周囲部分から外向きに突出することができる。カソード缶12の底部には少なくとも1つの穴18が存在し、空気流入口として働く。
ここで、本発明の電気化学電池を更に説明する図1〜図3を参照すると、空気電極20、120のような正の電極は、カソードケーシング12、112の底部近くに配置される。空気電極20、120は、空気電極に用いるのに適切なあらゆる材料とすることができるが、好ましくは、炭素、酸化マンガン(MnOx)、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の混合物である。更に、この混合物は、任意的に、PTFEに存在することが多い界面活性剤も含む。更に、空気電極20、120は、その上に積層されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層22、122を有することが好ましい。PTFE層22、122は、図1及び図3に示すように、空気電極20、120の下側(電池の底部近傍)に積層される。更に、空気電極20、120は、好ましくは、ニッケルエクスパンドメタルで作られ、空気電極20、120のPTFEラミネート層22、122の反対側に組み込まれた金属スクリーンも含むことが好ましい。更に、空気電極20、120は、任意的に、PTFE層22、122とケーシング12、112の底部の平坦な中心領域14、114との間にPTFEフィルムのような隔膜123を含むこともできる。セパレータ24、124の少なくとも1つの層が、空気電極20、120の上に位置決めされる。好ましくは、多孔性材料121の層は、空気電極20、120とケーシング12、112の底部との間に位置決めされ、空気を電極20、120に均等に分配する。熱可塑ホットメルト接着剤、例えば、米国ノースカロライナ州リサーチトライアングルパーク所在の「Forbo Adhesives、LLC」の「SWIFT(登録商標)82996」のようなシーラント129を用いて、カソードの一部をカソードケーシング112に接着することができる。
また、電池10、110は、電池の上部を形成するアノードケーシング26、126も含む。アノードケーシング26、126は、意図した用途に十分な機械的強度を有する材料を含み、導電性金属でメッキされる機能も有する基板で形成することが好ましい。一実施形態のケーシング基板は、以下に限定されるものではないが、鋼鉄(例えば、ステンレス鋼、軟鋼、又は冷間圧延鋼)、アルミニウム、チタン、又は銅のような材料の単一の層であり、軟鋼が好ましい。好ましい実施形態では、アノードケーシング基板は、前メッキされ、すなわち、ケーシングに形成される前に少なくとも1つの付加的な層でメッキされるか又は被覆される。好ましい前メッキ及び被覆材料には、以下に限定されるものではないが、ニッケル、銅、インジウム、スズ、及びその組合せが含まれ、これは、アノードケーシングがケーシングを形成した後にストライク層及び/又はスズ又はスズ合金のスズ層で後メッキされる前に基板の腐食を防止するように働くことができる。更に、前メッキ又は被覆層又はその両方は、後メッキ層のあらゆるピンホール、損傷、又は他の欠陥が低水素過電圧基板材料に露出されないようにし、並びに次に付加する層との接着が促進されないようにするという利点をもたらす。代替的に、アノードケーシングを形成するのに用いられる材料又は形成したアノードケーシング又はその両方は、形成ケーシングをスズ又はスズ合金のスズ層で後メッキする前に、腐食防止剤が存在する閉鎖環境に保存することができる。
好ましい一実施形態では、基板材料は、ニッケルメッキ鋼、好ましくは、ニッケルメッキ軟鋼を含む。本明細書に用いる場合、軟鋼は、約0.15〜約0.30重量パーセント炭素及び約0.75重量パーセント未満のマンガンを含む低炭素鋼である。ニッケル層142は、その上に外部スズ層が存在しない場合には、鋼鉄ストリップ144の外面を保護し、図2に示すように鋼鉄144の両側に存在する。従って、アノードケーシング126は、後メッキの前には、外部から内部へNi/軟鋼/Niであることが好ましい。他の積層材料を用いて、ステンレス鋼基板上の銅の二層積層体又は3つを超える層で作られた積層体を含むアノードケーシング26、126を形成することができる。
アノードケーシング26、126を形成するのに用いることができる他のメッキ材料又は被覆材料(すなわち、金属の少なくとも1つの層が金属の別の層に接着された層状材料)の例には、スズの層がアノードケーシング26、126の表面にメッキされる前では、外側層から内側層の順序で列記すると、ニッケル/ステンレス鋼/銅のような他の3つの積層材料、ステンレス鋼/銅のような2層被覆材料、及びニッケル/ステンレス鋼/ニッケル/銅のような4層材料が含まれる。
また、アノードケーシング126には、好ましくは、本明細書の以下に説明するような可変接触ラックメッキ装置を用いてストライク層146又は任意的に付加的な前メッキ層を設けることができる。好ましいストライク層又は前メッキ層は、アノードケーシング126とスズ層の間の接着を促進する銅である。
アノードケーシング26、126は、アノードケーシング26、126の少なくとも内面36、136をスズ又はスズ合金の層でメッキする。好ましくは、アノードケーシング26、126の実質的に全表面をスズ又はスズ合金の層でメッキする。スズ又はスズ合金層は、アノードケーシングの内面に比較的高水素過電位金属を設け、電池内でのアノードケーシングによるガス発生を減少又は防止する。適切なスズ合金の例には、以下に限定されるものではないが、スズと、銅及び亜鉛の少なくとも1つとの合金(例えば、銅、スズ及び亜鉛が重量で約58:32:10の比率又はスズ及び亜鉛が重量で75:25の比率)が含まれる。好ましい実施形態では、スズ含量は、純スズ(すなわち、重量で1パーセント未満の総不純物、及び好ましくは、各々10ppm未満のクロム、鉄、モリブデン、ヒ素、アンチモン、バナジウム、カドミウム、銅、ニッケル、及びアルミニウムを含む非合金)のようにスズ合金の50重量パーセントを超える。好ましい実施形態では、アノードケーシング26、126の外面全体は、図2に示すように、スズの層140でメッキされる。好ましい実施形態では、スズ又は光沢スズ合金層は、光沢スズ又はスズ合金層である。以下に用いる場合、スズ層は、特に示されなければ、純スズ又はスズ含有合金を含むことができる。好ましくは、光沢スズ層の表面は、可視的斑点又は着色がなく、電池内のガス発生反応に最も高い抵抗を示すことになる。
本明細書に用いる場合、光沢スズ層は、「ASTM B545−97」、第4.3.2節に従ってメッキ浴に光沢剤を用いるメッキ工程で生成されるスズ又はスズ合金を含む層である。光沢剤は、メッキ浴が、電位が高い表面の高い点を優先的にメッキするという一般的な傾向を阻害することによって微視的なレベルで金属堆積を制御する。光沢剤は、高電位の点に引きつけられて一時的にそれを遮断して金属イオンを他所に堆積させ、その後、高電位の局所点が消えると散逸させることができる。それによって金属の凝集の形成が防止され、非常に滑らかな表面が生成される。望ましくは、CIE(国際照明委員会)1931色空間に関する光沢スズ層の表面の正反射除外Yパラメータ値は、約1〜約40、好ましくは、約20よりも大きくなく、より好ましくは、約15よりも大きくなく、最も好ましくは、約10よりも大きくないことになる。正反射率除外Yパラメータ値は、正反射除外モードで、目盛を0〜100(ここで、0は最大反射率を表し、100は、反射なしを表す)に較正した球形分光光度計(米国ミシガン州グランビル所在の「X−Rite、Inc.」から入手可能)で試験することによって判断することができる。
好ましい実施形態では、任意的に前メッキ又は被覆されたアノードケーシング基板材料は、好ましくは、ストライク層が設けられ、任意的に別の金属層でメッキし、その後アノードケーシング26、126の実質的に全表面を少なくともスズの層で電解後メッキした望ましい形状のアノードケーシング26、126に形成される。アノードケーシング26、126は、スタンピング工程を用いて形成されることが好ましい。好ましい実施形態では、ボタン電池のアノードケーシング26は、3つ又はそれよりも多くの徐々に大きくなるスタンピングダイを用いて、望ましい材料のコイルの一部からカップとして形成され、その後、アノードカップを打ち抜く。2つ又はそれ未満のダイを用いてアノードケーシングを形成すると、電池内にそれで生成される望ましくないガス生成の原因になる可能性がある。一実施形態では、アノードケーシング26、126の少なくとも内面36、136及び端部35、135がスズの層でメッキされる。好ましい実施形態では、アノードケーシング26、126の全表面積がスズメッキされる。好ましいメッキ法は以下に説明する。
アノードケーシング基板材料の軟鋼、冷間圧延鋼、又は他の代替的な好ましい鋼鉄は、構造的剛性を付与し、用いる特定のアノードケーシング26、126の総厚みに基づいて、好ましくは、厚み約97.6%で存在する。アノードケーシング基板材料の各ニッケル層の厚みは、独立に、アノードケーシング26、126の総厚みに基づいて約1.2%であることが好ましい。列記した全ての値は、スズメッキする前のものであり、ストライク層又は他の層は、スタンピングのような工程を用いてアノードケーシングが形成された後に付加される。
電池を製造中、アノードケーシング26、126は、反転していることが好ましく、その後、負の電極組成物又はアノード混合物28、128及び電解質がアノードケーシング26、126に入れられる。ボタン電池では、アノード混合物の挿入は、2段階工程であり、乾燥アノード混合物材料が、最初にアノードケーシング26の凹部に全体的に堆積(例えば、計量分配)され、続いてKOH溶液が計量分配される。プリズム電池では、アノード混合物の湿潤及び乾燥構成要素が、一般的に予め配合され、次に、1段階でアノードケーシング126に堆積される。電解質は、アノードケーシング26、126の内面36、136に沿ってクリープ又はウィッキングを起こし、それと共にアノード混合物28、128及び/又は電解質に含有される材料を運ぶ可能性がある。
アノード混合物28は、ボタン電池では、亜鉛、電解質、及び有機化合物の混合物を含む。アノード混合物28は、亜鉛粉末と、「SANFRESH(登録商標)DK−500 MPS」、「CARBOPOL(登録商標)940」、又は「CARBOPOL(登録商標)934」のような結合剤と、水酸化インジウム(In(OH)3)のようなガス発生阻害剤とを約99.7重量パーセント亜鉛、約0.25重量パーセント結合剤、及び約0.045重量パーセント水酸化インジウムの量で含むことが好ましい。「SANFRESH(登録商標)DK−500 MPS」は、米国ニューヨーク州ニューヨーク所在の「Tomen America Inc.」の架橋ポリアクリル酸ナトリウムであり、「CARBOPOL(登録商標)934」及び「CARBOPOL(登録商標)940」は、100%酸性型のアクリル酸ポリマーであり、米国オハイオ州クリーブランド所在の「Noveon Inc.」から入手可能である。
ボタン電池の電解質組成物は、水酸化カリウム溶液が28〜40重量パーセント、好ましくは、30〜35重量パーセント、より好ましくは、約33重量パーセントの水性KOH溶液である水酸化カリウム(KOH)溶液約97重量パーセントと、酸化亜鉛(ZnO)約3.00重量パーセントと、「Dow Chemical Co.」(米国ミシガン州ミッドランド)から入手可能なポリエチレングリコール系化合物である「Carbowax(登録商標)550」を非常に少量、アノードの亜鉛組成物の重量に基づいて好ましくは約10〜500ppm、より好ましくは、約30〜100ppmの量との混合物であることが好ましい。
アノード混合物128は、プリズム電池では、亜鉛、電解質、及び有機化合物の混合物を含む。アノード混合物128は、亜鉛粉末、電解質溶液、「CARBOPOL(登録商標)940」のような結合剤、及び水酸化インジウム(In(OH)3)及び「DISPERB YK(登録商標)Dl 90」のようなガス発生阻害剤を、約60〜約80重量パーセント亜鉛、約20〜約40重量パーセント電解質溶液、約0.25〜約0.50重量パーセント結合剤、約0.045重量パーセント水酸化インジウム、及び少量、好ましくは、亜鉛の「Disperbyk(登録商標)D 190」の重量に基づいて約10〜500ppm、より好ましくは、約100ppmの量で含むことが好ましい。「DISPERBYK(登録商標)Dl 90」は、アニオン性ポリマーであり、米国コネティカット州ウォリンフォード所在の「Byk Chemie」から入手可能である。
プリズム電池の電解質組成物は、約28〜約40重量パーセント、好ましくは、約30〜約35重量パーセント、より好ましくは、約33重量パーセント水性KOH溶液である水酸化カリウム(KOH)溶液約97重量パーセントと、酸化亜鉛(ZnO)約1.00重量パーセントとの混合物であることが好ましい。
好ましい亜鉛粉末は、水銀無添加のアルカリ電池に用いるのに適する低ガス発生亜鉛組成物である。その例は、米国特許第6、602、629号(Guo他)、第5、464、709号(Getz他)、及び第5、312、476号(Uemura他)に開示されており、これらの特許は、引用により本明細書に組み込まれている。
低ガス発生亜鉛の例は、米国ペンシルベニア州モナカ所在の「Zinc Corporation of America」のZCA等級1230亜鉛粉末であり、これは、約400〜約550百万分率(ppm)の鉛を含む亜鉛合金である。亜鉛粉末は、好ましくは、最大1.5(より好ましくは、最大0.5)重量パーセントの酸化亜鉛(ZnO)を含む。更に、亜鉛粉末は、特定の不純物を有する可能性がある。クロム、鉄、モリブデン、ヒ素、アンチモン、及びバナジウムの不純物は、亜鉛の重量に基づいて合計で最大25ppmであることが好ましい。更に、クロム、鉄、モリブデン、ヒ素、アンチモン、バナジウム、カドミウム、銅、ニッケル、スズ、及びアルミニウムの不純物は、重量で亜鉛粉末組成物の全体で68ppmを超えないことが好ましい。より好ましくは、亜鉛粉末は、亜鉛の重量に基づいて、次の量を超えない、すなわち、Fe−3.5ppm、Cd−8ppm、Cu−8ppm、Sn−5ppm、Cr−3ppm、Ni−6ppm、Mo−0.25ppm、As−0.1ppm、Sb−0.25ppm、V−2ppm、Al−3ppm、及びGe−0.06ppmを超えない鉄、カドミウム、銅、スズ、クロム、ニッケル、モリブデン、ヒ素、バナジウム、アルミニウム、及びゲルマニウムを含有する。
更に別の実施形態では、亜鉛粉末は、好ましくは、ビスマス、インジウム、及びアルミニウムを含有する亜鉛合金組成物である。亜鉛合金は、好ましくは、ビスマス約100ppm、インジウム200ppm、及びアルミニウム100ppmを含有する。亜鉛合金は、好ましくは、約35ppm又はそれ未満のような低レベルの鉛を含む。好ましい実施形態では、平均粒子の大きさ(D50)は、約90〜約120マイクロメートル(μm)である。適切な亜鉛合金の例には、ベルギー国ブリュッセル所在の「N.V.Umicore、S.A.」から入手可能な製品等級の「NGBIA 100」、「NGBIA 115」、及びBIAが含まれる。
また、電池10、110は、密封として働くエラストマー材料で作られたガスケット30、130を含む。ガスケット30、130の底部縁は、アノードケーシング26、126の縁に隣接する内向きに向く唇縁32、132を生成するように形成される。任意的に、ガスケット、カソードケーシング、及び/又はアノードケーシングにシーラントを付加することができる。適切なシーラント材料は、当業者には理解されるであろう。例には、単独か又はエラストマー材料又はエチレン酢酸ビニルを有するかのいずれかのアスファルト、脂肪族又は脂肪酸ポリアミド、及びポリオレフィン、ポリアミン、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリイソブテンのような熱可塑性エラストマーが含まれる。好ましいシーラントは、本明細書で上述の「SWIFT(登録商標)82996」である。
挿入空気電極20、120及び関連膜を含むカソードケーシング12、112は、反転させて、ケーシングのリムが上向きに向くように反転させたケーシングと予め組み立てたアノードカップ/ガスケットアセンブリに押し付ける。反転している間、カソードケーシング12、112の縁は、内向きに変形し、従って、カソードケーシング12、112のリム34、134は、カソードケーシング12、112とアノードケーシング26、126との間にあるエラストマーガスケット30、130に対して圧縮され、それによってアノードケーシング26、126とカソードケーシング12、112との間に密封及び電気的障壁を形成する。
必要に応じてクリンプ、コレット、スエージ、再絞り加工、及びその組合せを含むあらゆる適切な方法を用いて、ケーシングの縁を内向きに変形させて電池を密封することができる。好ましくは、ボタン電池は、セグメントダイでクリンプ又はコレット加工することによって密封し、良好な密封を生じさせると同時に電池をダイから容易に除去することを可能にする。本明細書に用いる場合、セグメントダイは、その形成表面を広げて離し、密封される電池を挿入及び除去する開口部を拡大するセグメントを含むダイである。好ましくは、セグメントの一部分は、個々のセグメントが独立に移動して電池を損傷したりその挿入又は除去するのを妨げたりしないように共に接合又は保持されるので自由に浮遊しない。好ましいクリンプ加工機構及び工程は、本出願人所有の米国特許第6、256、853号に開示されており、それは、引用により本明細書に組み込まれている。好ましくは、プリズム電池は、クリンプ加工により密封される。
電池10、110が用いられる状態になるまで開口部18、118を覆って適切なタブ(図示せず)を配置し、使用前に電池10に空気が入らないようにすることができる。
図4に示すような本発明の更に別の実施形態では、電気化学電池210には、アノードケーシング26の代わりに、当業技術では典型的に垂直壁アノードケーシングと呼ばれ、アノードケーシング26に開口部を形成する終末端部35を有する再折り畳みアノードケーシング226が用いられる。再折り畳みアノードケーシング226は、ボタン型電池に関して示されているが、再折り畳み型アノードケーシングは、プリズム電池又は平坦電池構成に用いることができることは理解されるものとする。図4に破線(幽霊線)で示す他の電池構成要素は、電気化学電池10に関して本明細書で上に説明しており、ここに引用により組み込むものとする。再折り畳みアノードケーシング226は、アノードケーシング226に開口部を形成する端部が実質的にU字形状の丸味を帯びたリム235を有する。再折り畳みアノードケーシング226は、一実施形態では、リム235によりケーシングに開口部が定められるようにケーシングの壁の一部を折り返すことによって形成される。再折り畳みアノードケーシング226は、アノードケーシング26に関して本明細書で上に説明するような材料及び寸法などで形成することができる。従って、再折り畳みアノードケーシング226は、その表面をスズの層でメッキされる。一実施形態では、再折り畳みアノードケーシング226の内面及びリム235は、スズの層でメッキされ、好ましい実施形態では、再折り畳みアノードケーシング226の内面及び外面の両方を含む全表面が、スズメッキされる。
本明細書で上述のように、アノードケーシング26、126、226は、スズ又はスズ合金のスズ層及び任意的に金属ストライク又は他の中間層、又はその組合せでメッキされる。本明細書に用いる場合、中間層は、スズ又はスズ合金表面層と金属基板との間の金属の下層である。下層は、ストライク又は厚い層として電気メッキすることができ、銅又は銅合金のような高水素過電圧の金属の被覆層とすることができる。ストライク層は、約2.5μmまでの厚み、好ましくは、平均0.2〜2.0μm厚み、より好ましくは、平均約0.5〜1.0μm厚みの電気メッキ層である。厚い電気メッキ下層は、一般的に、約8μm又はそれよりも大きい厚みである。一般的に、中間層は、スズ層の平均厚みが5μm厚み未満である時に好ましい。
好ましくは、鋼鉄、ニッケルメッキ鋼、又は被覆金属材料のようなアノードカップ材料を望ましい形状又は形態を有するアノードケーシング26、126、226に形成した後に、アノードケーシング26、126、226の表面をメッキする。一実施形態では、アノードケーシング26、126、226のメッキは、可変接触ラックメッキ工程を用いて行う。本明細書に用いる場合、ラックメッキ工程は、メッキする間に個々のアノードケーシング間の部品間に接触が存在しないメッキ工程である。可変接触ラックメッキ装置の例は、米国特許第6、521、103号に示されており、この特許は、引用により本明細書に完全に組み込まれている。好ましい可変接触ラックメッキ装置は、米国フロリダ州クリアウォーター所在の「Surface Finishing Technologies」から市販されている。
可変接触ラックメッキ装置は、各々が選択的に可変的に接触する複数の保持要素を含むクランプアセンブリ(下の実施形態に説明するようなもの)のような部品保持アセンブリを含み、従って、スズメッキアノードケーシングを生成するために少なくともスズメッキ工程中にアノードケーシングの一部に係合及び脱係合し、好ましい実施形態では、アノードケーシングの全表面がスズメッキされ、アノードケーシングの表面に実質的に欠陥又は非コーティング領域がない。より詳細には、クランプアセンブリは、可変的又は交互に接触し、それによってアノードケーシングを保持するクリップの対を含むことができ、メッキ又は他の溶液は、クリップの対の1つがケーシングから脱結合した領域でアノードケーシングに交互に接触することができる。可変接触ラックメッキ装置は、スズメッキステーションのメッキ浴を通してアノードケーシングを移動することができる運搬アセンブリと、好ましくは、1つ又はそれよりも多くの付加的なステーション、最も好ましくは、以下に限定されるものではないが、1つ又はそれよりも多くの清浄化ステーション、1つ又はそれよりも多くの濯ぎステーション、1つ又はそれよりも多くの金属ストライクステーション、1つ又はそれよりも多くの他のメッキステーション、及び乾燥ステーションのような複数のステーションとを含む。クランプアセンブリの保持要素とアノードケーシングとの間の可変接触は、好ましくは、アノードケーシングが清浄化浴、ストライク浴、濯ぎ浴、メッキ浴のような浴に浸漬される間又は乾燥ステーションにある間に装置の1つ又はそれよりも多くのステーションで行われる。工程の一部分を電気メッキする間には、電流は、クランプアセンブリを通り、メッキされているアノードケーシングを通って流れることができる。メッキ工程は、清浄な環境で行い、メッキ部品の汚染の危険性を最小にすることができる。
本発明のアノードケーシングは、個々のケーシングが別々に連続的に処理されて高品質のスズメッキケーシングを生成するための装置の様々なステーションを通る単一の流れを用いて、可変接触ラックメッキ装置で連続的に処理することができる。可変接触ラックメッキ装置により、固定保持要素を用いるラックメッキに比較して、メッキアノードケーシングを比較的高速で効率的に生成することができる。
図5には、可変接触ラックメッキ装置300の一部を概略的に示す一実施形態の例を示している。装置300は、その中にメッキ溶液又は浴306を有するタンク304を含むメッキチャンバ302を含む。メッキ溶液は、本明細書で後に説明する。アノードケーシング運搬アセンブリ310は、メッキチャンバ302とケーシングをメッキするメッキ溶液306とを通して、並びに装置に存在するあらゆる他の望ましいステーションを通して、図示の126のような望ましいアノードケーシングを移動するように構成される。
クランプアセンブリ320は、アノードケーシングをスズ層で均一にメッキし、アノードケーシングとクランプアセンブリ320の間の接続部位に実質的に非メッキ領域又は他の不完全部を残さないようにアノードケーシング126に可変的に接触して保持するための運搬アセンブリ310と作動的に接続される。クランプアセンブリは、アノードケーシングと係合する第1の位置とアノードケーシングから脱結合した少なくとも第2の位置との間で可動なクリップ322、好ましくは、フィンガ又は突起と見なすことができる複数の組のクリップ322のような複数の保持要素を含む。可変接触により、メッキ溶液306中で全アノードケーシングをメッキすることができる。
メッキステーションでは、メッキされることになるアノードケーシング126は、少なくとも第1のクリップ322及び第2のクリップ322により、好ましくは、少なくとも第1及び第2の組のクリップ322によりクランプアセンブリ320に保持される。メッキクランプアセンブリ320がメッキチャンバ302を通って進行又は移動すると、第1のクリップ又はクリップの組及び第2のクリップ又は第2の組のクリップは、各々、少なくともメッキ溶液306中にある間は連続的及び交互に移動してアノードケーシングと接触又は係合し、それによってアノードケーシングは、全表面がメッキされる。好ましい実施形態では、可変接触ラックメッキ装置300は、クランプ機構のクリップ322をアノードケーシングに関して係合位置から脱係合位置まで選択的に移動する少なくとも1つの、好ましくは、複数のアクチュエータ332を有する駆動装置330を含む。一実施形態では、アクチュエータは、第1の移行表面336及び第2の移行表面337を有する水平表面334を含み、クランプアセンブリのカム従動子324が、それに沿って係合して移動又は進行し、一般的に、その経路に従ってそれぞれのクリップ322又はクリップの組とアノードケーシングとの間に選択的な係合を生成する。
好ましい実施形態では、クランプアセンブリ320は、適切な電源及び制御盤に電気的に接続され、それによってアノードケーシングがメッキ溶液306に存在する金属イオンを受け取るようにし、従って、アノードケーシングがメッキ溶液306を通って移動するとスズ層で電気メッキされる。
メッキタンク304には、所定の容量及び濃度のスズ含有メッキ溶液が用いられる。メッキ溶液の量は、メッキタンク304の寸法、及びメッキされる部品の容積のような因子に依存する。好ましい実施形態では、メッキタンク304には、スズ精鉱、酸、抗酸化剤、湿潤剤、光沢剤、メークアップ剤、及び水を含むメッキ溶液を用いる。メッキ溶液306及びその成分の量を調節し、アノードケーシングに望ましいメッキ特性を達成することができる。メッキチャンバ302は、好ましくは、本明細書で以下に説明するように、メッキ溶液組成物を所定の温度範囲に維持するために冷却機を含む。好ましい実施形態では、メッキ溶液は、米国ロードアイランド州クランストン所在の「Technic、Inc.」から商品名「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」で入手可能な成分を含み、これは、アノードケーシングに望ましい特性の光沢スズ層を与える。変色に耐性があるスズ表面及び実質的に均一なメッキ密度のような望ましい特性を与えるアノードケーシングを生成することができ、比較的高い限界電流値を有する電気化学電池を形成する際にこのケーシングを用いることができることが見出されている。「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」メッキ溶液は、「TECHNISTAN(登録商標)」酸、「TECHNISTAN(登録商標)」スズ精鉱、「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」メークアップ、「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」光沢剤、「TECHNISTAN(登録商標)」抗酸化剤、及び脱イオン水を含む。
タンク304を含むメッキチャンバ302は、アノードケーシング、及び好ましくは、複数のアノードケーシングに連続してメッキ段階を行うのに十分な望ましいレベル又は容量のメッキ溶液306が含まれるように構成される。タンク304は、好ましくは、メッキ溶液306の成分に抵抗性でそれと反応しないポリプロピレン又はポリエチレンのようなポリマーで作られる。好ましくは、チタンであるアノードバスケットは、タンク304内に位置決めされ、ペレット、スラグ、ボール、又は他の粒子の形態などでスズを含み、これが、イオンとしてメッキ溶液に入り、スズを置換してアノードケーシングの表面をメッキし、従って、メッキ溶液から除去される。アノードバスケットは、メッキ溶液中で導電性かつ安定である。タンク304は、1つ又はそれよりも多くのライン、ポンプ、フィルタ、及びバルブを含み、望ましい工程ループを提供することができる。一実施形態では、タンクは、濾過を用いて可能な汚染物質を捕捉することができ、好ましくは、10マイクロメートル織ポリプロピレンフィルタカートリッジなどを用いて連続濾過を行うことができる濾過ループを含むことができる。メッキ溶液は、約3〜約5倍メッキ溶液容量/時間の流速で濾過ループを通って再循環することができる。メッキチャンバ302は、メッキチャンバ内でアノードケーシングに電解スズメッキを行うためにそれと作動的に接続した制御盤を含む。
メッキ溶液は、「Technic、Inc.」の「TECHNISTAN(登録商標)」スズ精鉱に存在するようなスズを含むことが好ましい。スズ精鉱は、一般的に約163〜約165ミリリットル/リットル、好ましくは、164ミリリットル/リットルのメッキ溶液の量で存在する。
また、メッキ溶液は、以下に限定されるものではないが、酸、メークアップ剤、光沢剤、抗酸化剤、湿潤剤、又は水などのような様々な成分を含むことができる。
好ましい実施形態では、一般的に約97〜約103ミリリットル/リットル、好ましくは、100ミリリットル/リットルのメッキ溶液の量で、酸、好ましくは、「Technic、Inc.」の「TECHNISTAN(登録商標)」酸を用いる。
好ましい抗酸化剤の例は、「Technic、Inc.」から入手可能な「TECHNISTAN(登録商標)」抗酸化剤である。抗酸化剤の量は、好ましくは、約20ミリリットル/リットルのメッキ溶液である
湿潤剤を含むと考えられている好ましいメークアップ剤は、「Technic、Inc.」から入手可能な「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」である。好ましい実施形態では、メークアップ剤は、一般的に約39〜約41ミリリットル/リットル、好ましくは、40ミリリットル/リットルのメッキ溶液の量で存在する。
好ましい光沢剤の例は、「Technic、 Inc.」から入手可能な「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」光沢剤である。光沢剤は、一般的に約9〜約11ミリリットル/リットル、好ましくは、約10ミリリットル/リットルのメッキ溶液の量で存在する。
好ましい実施形態では、メッキ組成物の残りは、水、好ましくは、脱イオン水である。
アノードケーシング26、126、226にメッキするスズの厚みは、供給電流、電流密度、メッキ時間又は滞留時間、及びメッキ浴の金属顔料を含むいくつかの因子に依存する。一実施形態では、メッキ時間又はメッキ溶液中の滞留時間は、約45秒〜約180秒、好ましくは、約45秒〜約120秒の範囲である。カソード電流密度は、約538〜約2691アンペア/平方メートル(50〜250アンペア/平方フィート)とすることができ、好ましくは、約807〜約2153アンペア/平方メートル(75〜200アンペア/平方フィート)、好ましくは、約1023〜約1130アンペア/平方メートル(95〜105アンペア/平方フィート)の範囲である。メッキ組成物の温度は、好ましくは、約22℃(72°F)〜約25.6℃(78°F)である。
好ましい実施形態では、スズは、アノードカップ26の表面に、X線蛍光(XRF)で測定すると典型的に約1〜約10マイクロメートルの平均厚みでメッキされる。好ましくは、平均厚みは、約9マイクロメートルを超えず、より好ましくは、約8マイクロメートルを超えず、最も好ましくは、約7マイクロメートルを超えない。一部の実施形態では、スズの平均厚みは、スズメッキの不完全部によるガス発生を良好に防止するために少なくとも2.5マイクロメートルである。
アノードケーシングにスズをメッキする方法は、好ましくは、スズメッキ段階の前に行われる1つ又はそれよりも多くの前メッキ段階と、アノードケーシングがスズメッキされた後に行われる1つ又はそれよりも多くの後メッキ段階とを含む。
好ましい実施形態では、アノードケーシングは、クランプアセンブリ320に、より詳細には、クリップ322に手動又は自動のいずれかで装填され、ケーシングにアルカリ清浄工程を受けさせることによって可変接触ラックメッキ装置で処理され、その後、アノードケーシングは、好ましくは、水で、最も好ましくは、脱イオン水で濯がれる。アノードケーシングには、次に、好ましくは、カソードの電解清浄段階を受けさせ、その後、更に濯ぎ段階を行う。更に別の段階では、アノードケーシングには、可変接触ラックメッキ装置の電解浸漬ステーションを用いて金属ストライク層が設けられる。更に別の任意的な工程段階では、アノードケーシングに銅メッキ層を設けることができる。更に濯ぎ段階を行うことが好ましい。アノードケーシングには、次に、酸清浄又は溶蝕段階を行い、その後濯ぎ段階を行う。その後、アノードケーシングは、スズメッキし、再び濯ぎ、続いて乾燥する。可変接触ラックメッキ装置でのアノードケーシングの処理速度は、約30.48センチメートル/秒(12インチ/秒)であることが好ましい。
アルカリ清浄段階を用いて、存在する場合はアノードケーシングの表面の残留物を除去する。従って、一実施形態では、一般的にアノードケーシングが比較的清浄である場合は、アルカリ清浄段階は行わない。アノードケーシングは、好ましくは、アノードケーシングの全表面を清浄にするのを容易にするためにクランプアセンブリとアノードケーシングとの間を可変的に接触させ、アルカリ清浄溶液を含むタンクにアノードケーシングを浸漬することによって清浄にすることができる。好ましい実施形態では、清浄剤として「TechnicInc.」の「TEC(登録商標)1001」を用いる。「TEC(登録商標)1001」は、一般的に約46〜約78ミリリットル/リットル(6〜約10オンス/ガロン)、好ましくは、約62.5ミリリットル/リットル(約8オンス/ガロン)の水の量で水、好ましくは、脱イオン水と混合され、清浄溶液を形成する。アルカリ清浄溶液の温度は、好ましくは、約57℃(135°F)〜約63℃(145°F)である。アルカリ清浄溶液中のアノードケーシングの滞留時間は、好ましくは、約1分である。
アルカリ清浄段階の後、アノードケーシングは、運搬アセンブリにより濯ぎステーションに運搬され、濯ぎ溶液を含むタンクに浸漬することができる。水、好ましくは、脱イオン水を用いてアノードケーシングを濯ぎ、あらゆる残留アルカリ清浄溶液を除去してメッキ工程の次の段階への残り物を防ぐ。濯ぎタンクへのアノードケーシングの滞留時間は、好ましくは、約0.25分である。濯ぎタンクは、好ましくは、タンクが、上流タンクから水が溢れ出て下流タンクに流れ込む2つ又はそれよりも多くの別々のチャンバを含む逆流タンクである。
アノードケーシングは、運搬アセンブリにより電解清浄ステーションまで移送することができ、そこで、「TEC(登録商標)1001」のようなアルカリ清浄ステーションに関して本明細書で上述のような清浄溶液中で電解的に清浄にされる。アノードケーシングは、アルカリ清浄溶液を含むタンクにアノードケーシングを浸漬することによって電解的に清浄にされる。好ましい実施形態では、「TEC(登録商標)1001」は、好ましくは、約46〜約62.5ミリリットル/リットル(6〜約8オンス/ガロン)の水の量で水、好ましくは、脱イオン水と混合され、清浄溶液を形成する。アルカリ清浄溶液の温度は、好ましくは、約57℃(135°F)〜約63℃(145°F)である。電解清浄段階のタンクは、金属、好ましくは、鋼鉄、最も好ましくは、400ステンレス鋼であることが望ましい。電解清浄は、電圧が約6〜約9ボルトの範囲でカソード的であることが好ましい。電解清浄タンク内のアノードケーシングの滞留時間は、好ましくは、約1分である。
電解清浄段階の後、アノードケーシングは、濯ぎステーションに運搬され、本明細書の上述のような逆流システムを用いることなどにより水、好ましくは、脱イオン水を用いて濯ぐことができる。滞留時間は、好ましくは、約0.25分である。
濯いだアノードケーシングは、金属ストライクステーションまで移送され、そこで、アノードケーシングは、金属ストライクタンクの金属ストライクメッキ溶液に浸漬される。ストライクは、好ましくは、比較的高水素過電位の金属であり、以下に限定されるものではないが、銅、インジウム、鉛、水銀、青銅、及び「MIRALLOY(登録商標)」(ドイツ国シュウェービッシュグミュント所在の「Umicore Galvanotechnik GmbH」から入手可能な銅、スズ、及び亜鉛の合金)のような金属を含む非合金金属又は金属合金を含むことができる。銅又は青銅ストライクが好ましい。金属ストライクにより、スズメッキ層のアノードケーシングに対する接着が良好になり、また、スズ層が連続でないか又はその後損傷したあらゆる場所で付加保護としてスズ層の下に比較的高水素過電圧金属を設けることができると考えられている。ストライク層の厚みは、好ましくは、約1マイクロメートルまでである。アノードケーシングが、既に、上に列記したストライク金属の1つ、例えば、銅を含む内面層を有する場合には、ストライクの段階は、必ずしも行う必要はない。
金属ストライクメッキ溶液の組成物は、ストライクに用いる特定の材料に応じて変動することになる。例えば、一実施形態では、ストライクメッキ溶液は、約23〜約31ミリリットル/リットル(3〜約4オンス/ガロン)、好ましくは、約27ミリリットル/リットル(3.5オンス/ガロン)の範囲のシアン化銅と、一般的に約11.7〜約23ミリリットル/リットル(1.5〜3オンス/ガロン)、好ましくは、約15.5ミリリットル/リットル(2オンス/ガロン)の量のカリウムと、一般的に約4〜約15.5ミリリットル/リットル(0.5〜2オンス/ガロン)、好ましくは、約15.5ミリリットル/リットル(2オンス/ガロン)の量の水酸化カリウムと、好ましくは、約19.5ミリリットル/リットル(2.5オンス/ガロン)の量のロッシェル塩とを含む。
金属ストライク段階のカソード電流密度は、一般的に約431〜約646アンペア/平方メートル(40〜60アンペア/平方フィート)、好ましくは、約538アンペア/平方メートル(50アンペア/平方フィート)の範囲である。メッキ組成物は、好ましくは、約21℃(70°F)〜約26.7℃(80°F)である。
金属ストライクタンクは、好ましくは、メッキ溶液306の成分に耐性があり、それと反応しないポリプロピレン又はポリエチレンのようなポリマーで作られる。好ましくは、チタンであるアノードバスケットは、タンク内に位置決めされ、ペレット、スラグ、ボール、又は他の粒子の形態などの銅を含み、これが、イオンとしてメッキ溶液に入り、銅を置換してアノードケーシングの表面をメッキし、従って、メッキ溶液から除去される。アノードバスケットは、ストライクメッキ溶液中で導電性かつ安定である。金属ストライクタンクは、1つ又はそれよりも多くのライン、ポンプ、フィルタ、及びバルブを含み、望ましい工程ループを提供することができる。一実施形態では、タンクは、本明細書で上述のような濾過ループを含むことができる。金属ストライクメッキステーションは、望ましい金属ストライク層をアノードケーシングに付加するためにそれと作動的に接続した制御盤を含む。ストライクステーションの不溶性アノードとして鋼鉄又はステンレス鋼を用いることが好ましい。金属ストライク溶液中のアノードケーシングの滞留時間は、好ましくは、約15秒である。
銅ストライクの代わりに又はそれに加えて、任意的な段階では、アノードケーシングには、スズメッキの前にメッキステーションで銅メッキ層を設けることができる。アノードケーシングは、運搬アセンブリを通じて金属ストライクステーションから銅メッキステーションまで移送され、更に、好ましくは約1.45分のメッキ溶液内での滞留時間中に銅層でメッキされる。
メッキステーションは、アノードケーシングにメッキする段階を行うのに十分な望ましいレベル又は容量のメッキ溶液が収容されるように構成されたタンクを含む。タンクは、好ましくは、メッキ溶液成分に耐性があり、それと反応しないポリプロピレン又はポリエチレンのようなポリマータンクである。好ましくは、ステンレス鋼であるアノードバスケットは、タンク内に位置決めされ、ペレット、スラグ、ボール、又は他の粒子の形態などの銅を含み、これが、イオンとしてメッキ溶液に入り、銅を置換してアノードケーシングの表面をメッキし、従って、メッキ溶液から除去される。アノードバスケットは、ストライクメッキ溶液中で導電性かつ安定である。メッキステーションは、1つ又はそれよりも多くのライン、ポンプ、フィルタ、及びバルブを含み、望ましい工程ループを提供することができる。一実施形態では、タンクは、本明細書で上述のような濾過ループを含むことができる。メッキ溶液は、流速約3〜約5倍のメッキ溶液容量/時間で濾過ループを通って再循環することができる。メッキステーションは、望ましいメッキ層をアノードケーシングに付加するためにそれと作動的に接続した制御盤を含む。メッキ組成物の温度は、好ましくは、約46℃(115°F)〜約51.7℃(125°F)である。
銅メッキ溶液の組成物は、一般的に、約46.8〜約78ミリリットル/リットル(6〜約10オンス/ガロン)、好ましくは、約62.5ミリリットル/リットル(8オンス/ガロン)の範囲のシアン化銅と、一般的に約78〜約141ミリリットル/リットル(10〜18オンス/ガロン)、好ましくは、約125ミリリットル/リットル(16オンス/ガロン)の量のシアン化カリウムと、一般的に約78〜約23.4ミリリットル/リットル(1〜3オンス/ガロン)、好ましくは、約15.6ミリリットル/リットル(2オンス/ガロン)の量の遊離シアン化物と、一般的に約23.4〜約39ミリリットル/リットル(3〜5オンス/ガロン)、好ましくは、約31.2ミリリットル/リットル(4オンス/ガロン)の量の水酸化カリウムと、一般的に約23.4〜約39ミリリットル/リットル(3〜5オンス/ガロン)、好ましくは、約31.2ミリリットル/リットル(4オンス/ガロン)の量のロッシェル塩とを含む。カソード電流密度は、一般的に約323〜約861アンペア/平方メートル(30〜80アンペア/平方フィート)、好ましくは、約431〜約861アンペア/平方メートル(40〜80アンペア/平方フィート)の範囲である。
アノードケーシングは、続いて、濯ぎステーションに運ばれ、水、好ましくは、脱イオン水を用い、かつ本明細書で上述の逆流システムなどを用いて濯がれる。滞留時間は、好ましくは、約0.25分である。
濯いだアノードケーシングは、活性化ステーションに運ばれ、そこで、アノードケーシングは、タンク内の活性化溶液に浸漬される。アノードケーシング活性化は、好ましくは、硫酸のような酸を含む酸溶液を用いる。他の酸を用いることもできる。好ましくは、酸は、殆どガスを発生しないものであり、活性化の間にアノードケーシングを侵蝕することにならない。酸は、溶液の総重量に基づいて、一般的に約6〜14重量パーセント、望ましくは約8〜12重量パーセント、好ましくは、約10重量パーセントの量で存在する。活性化段階は、メッキするためにアノードケーシングの表面を活性化する。溶液中のアノードケーシングの滞留時間は、好ましくは、約0.25分間である。
活性化に続き、アノードケーシングは、好ましくは、更に別の濯ぎステーションに運ばれ、水、好ましくは、脱イオン水を用い、かつ本明細書の上述のような逆流システムなどを用いて濯がれ、スズメッキステーションへの活性化溶液の残り物を低減するようにする。
濯ぎ段階の後、本明細書で上述のように、メッキチャンバ302を用いてスズメッキ工程を行う。
更に別の段階では、アノードケーシングに、水、好ましくは、脱イオン水を用い、かつ本明細書で上述のような逆流システムなどを用いて1つ又はそれよりも多くの濯ぎを行う。濯ぎの目的は、アノードケーシング上のあらゆる残留スズメッキ溶液を除去することである。一実施形態では、濯ぎ段階は、水、好ましくは、脱イオン水をアノードケーシングに噴霧する段階を含む。
更に別の段階では、メッキアノードケーシングは、乾燥ステーションで強制空気を用いて乾燥させる。あらゆる適切な乾燥工程を用いることができる。一実施形態による乾燥ステーションでは、加熱風(例えば、約65.56℃(150°F)〜約104.44℃(220°F))がアノードケーシングに向けられる。アノードケーシングは、一般的に、乾燥するまで、好ましくは、約30秒間にわたって乾燥ステーションに留まる。
アノードケーシングが乾燥した後、クランプアセンブリ320の1つ又はそれよりも多くのクリップ322からそれを除去し、本明細書で上述のように電気化学電池内に組み込まれる。アノードケーシングがクランプアセンブリ320の1つ又はそれよりも多くのクリップ322から除去された後、クリップ及び/又はクランプアセンブリは、好ましくは、電解又は浸漬で清浄化し、適切な剥離溶液を用いてメッキ溶液のあらゆる堆積物を除去する。
いくつかのメッキ工程を評価し、プリズム電池アノードケーシングをメッキするのに適切である可能性があるものを識別した。アノードケーシングは、図1に示すものと同様の形状であった。それらは、両側をニッケルでメッキした鋼ストリップで作られ、形成したケーシングの外側寸法は、ほぼ44.6×25.6×3.1mm(長さ×幅×高さ)であった。評価したメッキ工程は、以下の通りである。
1.バレル−バレルを回転して部品の振動及び均等なメッキをもたらす穿孔バレルの内部で行われるメッキ。
2.手首作用を備えたバレル−バレル内の部品の振動を変更するためにバレルを他の非回転的運動でも移動するある一定の種類のバレルメッキ。
3.揺動バレル−円筒形バレルが、縦方向対称軸からオフセットしている軸線の周りを回転し、バレルが回転する時にバレルが一方の側から他方の側まで傾くようにするある一定の種類のバレルメッキ(例えば、イリノイ州シカゴ所在の「Harwood Line Manufacturing Company」の「揺動メッキバレル」)。
4.タンブル−バスケット内の部品を振動させ、バスケットが倒れる時に部品を次のステーションに移送するために各々回転ベルトを装備した1つ又は一連のバスケット(例えば、「Technic、Inc.」の「TUMBLEPLATER(登録商標)」工程)。
5.回転流動−垂直回転ドーム内の部品が、間欠的にドームの周囲でカソードリングに対して遠心力で圧縮される工程(例えば、米国特許第5、487、824号及び第5、565、079号)。
6.噴流層電極−部品及び流体(例えば、メッキ溶液)が、部品及び流体の中心流を上向きに向けることによって振動され、その後、部品及び流体が落下し、外向きに向けられる工程(例えば、米国特許第6、193、858号に説明)。
7.ラック−対象物をクリップでラックに留め、次に、電解質溶液に入れる。
8.可変接触を備えたラック−交互クランプフィンガを備えたラックメッキ(例えば、上述のもの及び米国特許第6、521、103号に説明)。
各工程を観察し、いずれがアノードケーシングと共に機能し、ケーシングを適切に移動させることになるかを判断した。機能するものに対しては、アノードケーシングをスズでメッキし、メッキ外観を検査した。
評価の結果は、表1にまとめている。タンブルメッキ及び噴流層電極メッキは、処理の観点から不適切であり、可変接触を備えたラックメッキのみが、外観不良、損傷部分、又は目に見えるメッキ欠陥のために不適格とされないメッキケーシングを生成した。
表1に列記した化学物質には、メッキ溶液の全ての成分(例えば、スズ精鉱、酸溶液、メークアップ、光沢剤、抗酸化剤、及び水)が含まれる。用いたメッキ溶液の成分は、以下の通りである。
(a)「ROPLATE(登録商標)」Sn:硫酸第1スズ溶液、硫酸溶液(CP.Grade、SG−1.84)、「ROPLATE(登録商標)」Snメークアップ1−B号溶液、「ROPLATE(登録商標)」メークアップ2号溶液、及び「ROPLATE(登録商標)」Sn維持A溶液
(b)「TECHNISTAN BTl(登録商標)」:「TECHNISTAN(登録商標)」スズSnSO4溶液、「TECHNI BT(登録商標)」水1溶液、「TECHNI BT(登録商標)」光沢剤2溶液、及び「NF抗酸化剤(登録商標)」1号溶液
(c)「TECHNISTAN BT2(登録商標)」:「TECHNISTAN(登録商標)」スズSnSO4溶液、「TECHNI BT(登録商標)」水2溶液、「TECHNI BT(登録商標)」光沢剤2溶液、及び「NF抗酸化剤(登録商標)」1号溶液
(d)「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」:「TECHNISTAN(登録商標)」酸溶液、「TECHNISTAN(登録商標)」スズ精鉱溶液、「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」メークアップ溶液、「TECHNISTAN(登録商標)」光沢剤溶液、「TECHNISTAN(登録商標)」抗酸化剤溶液、及び脱イオン水
(表1)
Figure 0005300716
可変接触を備えたラックメッキを全て「Technic、Inc.」から入手可能ないくつかのスズメッキ化学物質で評価した(表2参照)。全ては、表2に示す電流密度により約100アンペア−分でメッキした。電流密度の範囲を列記している場合には、範囲の少なくとも下限及び上限を評価した。
「TECHNISOLDER(登録商標)」化学物質は鉛を含むが、「TECHNISTAN(登録商標)」、「ROPLATE(登録商標)」、及び「CERAMISTAN(登録商標)」化学物質は含まなかった。用いた「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」化学物質は、標準「JB 3000」化学物質と成分の比率が僅かに異なる。「JB 3000」化学物質は、「TECHNISTAN(登録商標)」酸溶液(100ml/リットル)、「TECHNISTAN(登録商標)」スズ精鉱溶液(164ml/リットル)、「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」メークアップ溶液(40ml/リットル)、「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」光沢剤溶液(10ml/リットル)、「TECHNISTAN(登録商標)」抗酸化剤溶液(20ml/リットル)、及び脱イオン水(残り)を含んでいた。
メッキケーシングは、初期仕上げ光沢を評価した。「TECHNISTAN(登録商標)BT2」及び「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」化学物質の両方では、光沢仕上げが生成されたが、他のものは、艶消し仕上げが生成された。しかし、「TECHNISTAN(登録商標)BT2」化学物質は、低電流密度で用いることが意図されており、高電流密度では激しく着色した仕上げとならずにメッキすることはできなかった。
メッキアノードケーシングの試料には、ガス発生試験を行うが、この試験では、少量の亜鉛粉末がメッキケーシングのメッキ部分に配置され、この亜鉛粉末を小さい領域に押し込めて亜鉛粉末がない比較的大きな観察領域を残し、十分な33重量パーセントKOH電解質溶液を加えて亜鉛粉末及び隣接する観察領域を覆い、観察領域が亜鉛でメッキされるまで(一般的に1時間又はそれよりも長く)、20〜40倍の拡大率で顕微鏡を用いて観察領域のガスの泡を検査した。初期に存在する泡は、閉じ込められた空気によるものである可能性があり、これは、観察領域の表面から除去し、その後に表れた泡のみをガス発生によるものとした)。泡形成は、ガス発生を示すと考えられた。表面欠陥(例えば、ピンホール及びかき傷)のみでの泡形成は、欠陥がスズメッキを通りニッケルメッキステンレス鋼基板まで延びていることを示すと考えられた。目に見える欠陥がない領域にわたって延びるいくつかの泡は、スズメッキが不適切であることを示すと考えられた。ガス発生試験の結果(形成された阿波の数を定性的に説明する)は、表2にまとめている。最良の結果は、「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」化学物質に見られた。
「TECHNISTAN(登録商標)BT2」及び「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」化学物質でメッキされたケーシングは、60℃及び50パーセント相対湿度に保存することによる変色も評価した。「JB 3000」化学物質でメッキしたケーシングは、変色に対する耐性が遥かに高かった。
全体として、可変接触を備えたラックメッキ及び光沢メッキの組合せのみで、適切な処理、許容可能なメッキ外観品質、ガス発生耐性、及び変色耐性が得られた。「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」を用いて電流密度が約807と約2153アンペア/平方メートルの間(75と200アンペア/平方フィートの間)でメッキされたケーシングは、「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」を用いて低電流密度でメッキされたケーシング及びあらゆる他の化学物質でメッキされたケーシングよりも光沢が良好な仕上げであった。「TECHNISTAN(登録商標)BT2」でメッキされたケーシングは、次に光沢があり、その次が「ROPLATE(登録商標)」Snでメッキされたケーシングであった。
(表2)
Figure 0005300716
球形分光光度計を正反射除外反射率(RSEX)モードで用いて、807〜2153A/m2(75〜200A/ft2)での「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」及び「TECHNISTAN(登録商標)BT2」でメッキされた試料ケーシングの総反射率を試験した。CIE(照明委員会)1931色空間のYパラメータ値は、0が最大反射率を表し、100が無反射率を表す目盛で、それぞれ「JB 3000」に対して6.38及びBT2化学物質に対して48.41であった。
更に「TECHNISTAN(登録商標)JB 3000」化学物質(実施例2に説明した比率の成分)を用いて、中間メッキ段階を用いる場合と用いない場合の両方で、光沢のある純粋な(非合金)スズ堆積を生成することに対して可変接触を備えたラックメッキを評価した。
アノードケーシングは、実施例1と同じ寸法であり、鋼ストリップ、両側をニッケルでメッキした鋼ストリップ、又はケーシングの内部に銅層があるニッケル−ステンレス鋼−銅3層被覆ストリップのいずれかから作られた。3層被覆ストリップで作られたケーシングは、酸化物を除去して銅表面を活性化するために、スズメッキする前に10〜15容量パーセント工業用硫酸溶液で酸エッチングした。
以下に特に示す場合を除き、メッキ電流密度は、約1076アンペア/平方メートル(100アンペア/平方フィート)であり、スズメッキ時間は、約2〜2.75分であった。比較的高水素過電圧金属(基板材料に比較して)での中間メッキ(ストライク及び下地メッキ)を評価し、スズメッキ層が薄いか、欠陥があるか、又は損傷がある場合にスズ層の接着性又はガス発生に対する保護が改良されたか否かを判断した。評価に含まれる中間メッキ段階は、銅メッキ及びシアン化銅、酸性銅、アルカリ銅、シアン化青銅、及び無鉛シアン化青銅でのストライクであった。
アノードケーシングの試料は、実施例2に説明したガス発生試験を用いてガス発生を試験した。表3にまとめた結果により、ガス発生の量は、「JB 3000」メッキ化学物質を用いてスズでメッキされていない全てのケーシングに対して不適格に高く(泡が多い)、形成したケーシングの内部の基板の表面として、又は用いたスズメッキ時間(メッキ厚み)に対してスズをケーシングにメッキする前に堆積した中間層として、銅含有層をスズメッキの下に存在させることが必要であることが示されている。更に、これらの結果は、ストライク及びメッキ溶液中の汚染物質、特に、銅よりも高い水素過電圧を有する鉛のような金属を最小限にすることが望ましいことも示している。
(表3)
Figure 0005300716
図1に示す電池のようなプリズム電池は、実施例2のガス発生試験で僅か以上の泡を生成しなかった種類のアノードケーシングを用いて作られた。電池アノードは、約75重量パーセントの低ガス発生亜鉛粉末、約24.5重量パーセントの電解質溶液(33重量パーセントのKOH及び1重量パーセントZnOを含有する)、約0.35重量パーセントの「CARBOPOL(登録商標)940」結合剤、約0.03重量パーセントのIn(OH)3、約0.02重量パーセントの「DISPERB YK(登録商標)190」、及び約0.1重量パーセントの付加的な水の混合物であった。負の電極チャンバ(セパレータの負の電極側)の初期空隙容積は、約0.55cm3、又は約16.8パーセントであった。
密封電池OCV試験を用いて試料電池を試験し、内部ガス発生の作用を評価した。カソードケーシングの空気穴は、エポキシで密封し、本質的に酸素が入ることができず、利用可能な酸素は、密封時に電池に含まれたものだけになるようにした。水素は、密封電池に存在する酸素の一部と反応してそれを消費し、それに比例して開回路の電圧を低減するために、電池の開回路電圧を45℃で2週間保存した後に測定し、密封した後に電池内で発生する水素ガスの量の定量的指標を得た。
平均密封電池のOCVを表4にまとめている。1つよりも多いロットを試験した場合には、平均は、試験した各ロットに対して示している。平均OCVは、全て少なくとも0.762であった。一般的に、この試験では、少なくとも0.9ボルトの平均OCVが望ましく、好ましくは、平均OCVは、少なくとも0.95ボルトであることが見出されている。OCVは、高くなるほど良好であるが、密封電池には限られた量の酸素しか存在しないために、最大値は、通常、約1.0ボルトである。
(表4)
Figure 0005300716
また、ニッケル−ステンレス鋼−銅3層被覆から作られたアノードケーシングを備えた電池及びニッケルメッキ鋼で作られ、可変接触を備えたラックメッキ及び「JB 3000」化学物質を用いた銅ストライク及び続いてスズでメッキされたアノードケーシングを備えた電池は、60℃で17日間保存した後に1ボルトの限界電流に対しても試験された。非メッキ3層被覆ケーシングを備えた電池に対する平均限界電流は273mAであり、後メッキニッケルメッキ鋼ケーシングを備えた電池に対する平均限界電流は296mAであった。
1076A/m2(100A/ft2)で2分間のメッキが、満足することができるものであると判断された。メッキ電流密度及び/又は時間を増大させると、スズの層が厚くなり、内部ガス発生に対する保護が改善することになる。これらの条件下では、メッキスズ層の厚みは、走査型電子顕微鏡断面(ASTM B487)により判断すると、内面が約4.6〜4.8μmであり、ケーシングの外側が、約6.8〜7.9μmであることが見出された。一般的に、良好な腐食保護のためには、アノードケーシングの外面の平均スズ厚みは、約8μmであることが望ましい。アノードケーシングの内面の最小平均スズ厚みは、連続スズ層を達成するのに必要な最小値であり、最大平均スズ厚みは、部品が適合するという観点から容認することができる最大アノードケーシング寸法であることになる。一般的に、約2μmが、内面にスズの連続層をもたらすことが見出されており、約10μmまでの層は、適合性の問題もなく容認することができる。アノードケーシングの内側の凹部の平均スズ厚みは、好ましくは、4〜7μmであることになる。
一般的に、約807〜約2153A/m2の範囲の電流密度及び約0.75〜約3分のメッキ時間で「JB 3000」光沢スズ化学物質を用いて、可変接触を備えたラックメッキ工程でメッキされるアノードケーシングに満足できるメッキスズ層を生成することが見出された。様々な組合せの電流密度及びメッキ時間で許容可能なメッキアノードケーシングを生成することができるが(例えば、同様のアンペア−分のメッキを生成する)、約10μmを超えてメッキの量を増大しても付加的な利点は殆どない。
本発明には、開示した概念から逸脱することなく様々な修正及び改良を行うことができることは、本発明の実施者及び当業者によって理解されるであろう。与えられる保護の範囲は、特許請求の範囲及び法律により許可される解釈の幅によって判断されるものとする。
110 電池
112 カソードケーシング
126 アノードケーシング

Claims (15)

  1. 電気化学電池を製造する方法であって、
    (a)基板として鋼鉄層を含むシートを準備する段階、
    (b)前記基板から負電極ケーシングを形成する段階、
    (c)前記負電極ケーシングの可変接触保持及び538から2691アンペア/平方メートルの電気メッキ電流密度によるラックメッキ工程を用いて、光沢スズを含み、かつ1から10マイクロメートルの平均厚みを有する光沢スズ層を前記基板上に電気メッキする段階、
    (d)負の電極材料が前記負電極ケーシング上の前記光沢スズ層と接触するように、亜鉛を含む負の電極材料及び水性アルカリ電解質を該負電極ケーシングの凹状部分に堆積させる段階、及び
    (e)前記負電極ケーシング及び前記負の電極材料を正電極及び正電極ケーシングと組み合わせて密封電池を形成する段階、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記光沢スズ層は、807から2153アンペア/平方メートルの電流密度を用いて電気メッキされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記光沢スズ層の前記平均厚みは、2.5から9マイクロメートルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記基板は、前記負電極ケーシングの前記凹状部分の少なくとも一部上に中間銅層を含み、該銅層は、前記光沢スズ層が前記負電極ケーシング上に電気メッキされる前に前記鋼鉄層に付加されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記銅層は、前記鋼鉄層を被覆するか、または、前記銅層は、前記鋼鉄層上に電気メッキされることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記銅層は、平均で0.2から2.0マイクロメートル厚みのストライク層であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記銅層は、前記ケーシングの可変接触保持及び323から861アンペア/平方メートルの電気メッキ電流密度によるラックメッキ工程を用いて電気メッキされることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記負電極ケーシングの最大直径又は最大長さ寸法は、11.6ミリメートルよりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記光沢スズ層の前記平均厚みは、5マイクロメートル未満であり、前記基板は、前記光沢スズ層が前記負電極ケーシング上に電気メッキされる前に、前記負電極ケーシングの前記凹状部分の少なくとも一部上に中間銅層を含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 光沢スズを含む前記光沢スズ層におけるスズは、スズを含む合金であるか、または、光沢スズを含む前記光沢スズ層におけるスズは、非合金スズであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 光沢スズを含む前記光沢スズ層の表面は、球形分光光度計を「正反射除外」モードで用いて試験した時に1から40の正反射除外Yパラメータ値を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記電池は、プリズム形状を有することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記電池は、触媒電極を有することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記電池は、バッテリ電池であり、かつ水性アルカリ電解質を含むことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記電池は、亜鉛−空気バッテリ電池であることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方法。
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