JP5299990B2 - ロール状食品製造装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、ロール状食品を人手によって製造する場合、手間がかかるため、疲労等の問題が生じ、長時間にわたって多量のロール状食品を製造するのには自ずと限界があった。
巻き寿司製造装置(500)は、2本の上部ローラ(501)と下部ローラ(502)を有し、その外側を無端軌道(503)で取り囲んだ構成を有している。
巻き寿司製造装置(500)により巻き寿司を製造する工程としては、まず、図25(a)に示す如く、2本の上部ローラ(501)間の無端軌道(503)上に、巻き寿司の中具に相当するシャリ(G51)とネタ(G52)を積載する。
そして、図25(b)に示す如く、2本の上部ローラ(502)間の距離を縮め、無端軌道(503)を弛ませる。その状態でローラを回転させることで、無端軌道(503)が動き、シャリ(G51)とネタ(G52)が無端軌道(503)上で回転する。それにより、シャリ(G51)とネタ(G52)が断面略円形状に形成される。
シャリ(G51)とネタ(G52)が断面略円形状に形成された後、図25(c)に示す如く、外皮に相当する海苔(K5)をシャリ(G51)の下に挿入し、さらにローラを回転させることで海苔(K5)が巻かれ、巻き寿司が完成する(図25(d)参照)。
このような巻き寿司製造装置(500)を用いることで、人手で個々に製造するのに比して、作業効率を向上させることができる。
また、海苔(K5)を手で挿入する工程も経る必要があり、作業がより煩雑となる要因となっていた。
更に、中具として刻み野菜等の小さい食材を用いた場合、中具が無端軌道の網目から落下してしまうため、例えば刻み野菜を小麦粉の薄い生地で巻いたトルティーヤを製造することはできなかった。
また、両端部に鍔を有する上部ローラ(501)が用いられることにより、2つの上部ローラ(501)の外周面同士を密接させることができず、2つの上部ローラを近接させた時にローラの間から中具がこぼれてしまう場合があった。
また、無端軌道の強度が向上して耐久性に優れたものとなる。更に、ロール状食品を強固に締め付けることが可能となるため、しっかりと成形された形崩れが生じにくいロール状食品を製造することができる。
図1は本発明の第一実施例に係るロール状食品製造装置(100)の全体構成を示す概略図である。
先ず、第一実施例に係るロール状食品製造装置(100)の構造について、図1を参照しながら説明する。
また、下部ローラ(4)は、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)の略中間位置の下方に配設されている。
ロール状食品製造装置(100)は、中具載置部(A)上に載置される中具と、外皮載置部(B)上に載置される外皮によりロール状食品を製造することができる。
ロール状食品製造装置(100)により製造されるロール状食品としては、生春巻き、クレープ、ロールサンドイッチ、ブリトー、巻き寿司等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
このように、第三上部ローラ(3)が略同一高さ位置を維持した状態で移動することにより、外皮載置部(B)上に載置される外皮が滑り落ちることが防がれる。
尚、ロール状食品を製造する工程については後に詳述する。
例えば、外周側表面(中具や外皮を載置する側の表面)が平坦であるシート状の無端コンベアを使用する構成も好ましく採用でききる。シート状コンベアとしては、合成樹脂やゴム等からなるベルトコンベアを用いることができる。
本発明では、後のロール状食品を製造する工程で詳述するように、無端軌道(5)によってロール状食品が周りから押されることにより巻き締められるが、無端軌道(5)の表面が平坦でない場合(例えば、図1で示すような網状の場合等)、ロール状食品が無端軌道(5)に巻き締められることにより、ロール状食品に無端軌道(5)の痕が残る。しかしながら、無端軌道(5)の外周側表面が平坦である場合、ロール状食品に無端軌道(5)の痕が残ることを防ぐことができ、外観の良好なロール状食品を作成することができる。また、中具が刻み野菜等の小さいものである場合でも落下させずにコンベア上に載置することができる。
網状コンベア(51)は、ステンレスワイヤー等の金属線を梯子状に組み合わせて無端状に形成したコンベアである。
シート状コンベア(52)は、表面が平坦なシートを無端状に形成したコンベアである。その素材は、可撓性を有するものであれば特に限定されないが、四フッ化エチレン樹脂が特に好ましく用いられる。これは、コンベア表面への食材の付着を防ぐことができるためである。尚、四フッ化エチレン樹脂を用いる場合、コンベアを形成するシートそのものを四フッ化エチレン樹脂から形成してもよいし、コンベアを形成するシートは他の素材から形成してその表面を四フッ化エチレン樹脂によりコーティングしてもよい。
連結棒(61)は、その上端部が第一上部ローラ(1)及び第二上部ローラ(2)の両端部と夫々連結され、下端部が2本の回転軸(621)(622)と夫々連結されている。
尚、図示していないが、下部ローラ(4)の回転軸と2本の回転軸(621)、(622)は、その位置関係が変化しないように両端部を逆三角形状のプレートに回動自在に固定されている。
操作棒(64)を下方に押し下げることにより、操作棒(64)と連結された一方の回転軸(622)が反時計回りに回転し、それに伴って歯車(632)も反時計回りに回転する。すると、歯車(632)と噛み合う歯車(631)が時計回りに回転し、これに伴ってもう一方の回転軸(621)が時計回りに回転する。
2本の回転軸(621)、(622)が互いに内方向に回転すると、左右の連結棒(61)の上端部が互いに内方向(閉じる方向)に移動し、左右の連結棒(61)と夫々連結された第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)は、互いに接近する方向へと移動する。このとき、第三上部ローラ(3)は、第二上部ローラ(2)と接続棒(21)により連結されているので、第二上部ローラ(2)が移動することにより、第三上部ローラ(3)も第二上部ローラ(2)と間隔を一定に維持しながら水平方向に移動する。
錘ローラ(7)は、開閉機構(6)により第一上部ローラ(1)、第二上部ローラ(2)が互いに接近する方向へと移動した際に、自重によって無端軌道(5)を下降させる役割を果たすものである。
図3は、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)が接近している状態を示している。第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)が接近すると、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)の間の無端軌道(5)の緊張状態(左右に引っ張られている状態)が解除されるため、錘ローラ(7)の自重により第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)の間の無端軌道(5)が下降する。
錘ローラ(7)は、下降時において連結棒(71)を中心に回動するため、図3に示すように、下降位置においては第一上部ローラ(1)側に近づいた位置となる。
押圧機構(8)は、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)が接近している際に、2本の上部ローラ(1)及び(2)の下方位置で、且つ下部ローラ(4)の上方位置において無端軌道(5)を外側から押さえる役割を果たすものである。
第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)が互いに接近している場合、錘ローラ(7)により無端軌道(5)は下降しているが、押圧機構(8)により押圧することで、下降した無端軌道(5)を上昇させることができる。これにより、ロール状食品が第一上部ローラ(1)、第二上部ローラ(2)、無端軌道(5)によって周りから押されることとなるため、しっかりと巻き締めることができる。詳しくは、後のロール状食品を製造する工程で説明する。
そして、回転軸(81)を回転させることで、押さえローラ(82)を回転軸(81)を中心として回転移動させ、無端軌道(5)を押圧することができる。このような構造を有することにより、回転軸(81)の回転力が押さえローラ(82)に効果的に伝わる。そのため、無端軌道(5)を押圧して軌道に張力を付与し、下降した無端軌道(5)を確実に上昇させることができる。
尚、押さえローラ(82)の軸方向長さは、第一上部ローラ(1)の軸方向長さよりも短く設定されている。
生春巻きは外皮としてライスペーパーを用いるが、ライスペーパーはそのままでは硬いため、破らずに中具を巻くためには、水または温水に浸して使用する必要がある。そのため、外皮加湿器(9)を有する装置とすることにより、ライスペーパー(外皮)を容易に水に浸すことができ、効率的に生春巻きを製造することができる。
外皮加湿器(9)を設置する位置としては、操作棒(64)の近くが好ましい。操作者は、操作棒(64)により、開閉機構(6)を操作するが、外皮加湿器(9)が操作棒(64)の近くにあることにより、外皮を外皮加湿器(9)(水槽)の水に浸す作業と、操作機構(6)を操作する作業を、同じ位置で行うことができ、作業効率が向上するからである。
但し、外皮加湿器(9)の位置や大きさ、種類は特に限定されるものではなく、設置スペース等の操作者の都合により設計すればよい。例えば、後述する第二実施例の如く、スチーム加湿器等を使用することもできる。
外皮加湿器(9)で加湿するものはライスペーパーに限られず、軟質化などのために水分を必要とする外皮なら、特に限定されるものではない。また、水槽に入れる水も、温水、冷水、常温水等、任意であるし、後述する第二実施例の如く、蒸気等の水分でもよい。
まず、図4に示す如く、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)間の中具載置部(A)に中具(G)を載置し、第二上部ローラ(2)と第三上部ローラ(3)間の外皮載置部(B)に外皮(K)を載置する。
このとき、外皮(K)として、ライスペーパー等を使用する場合は、外皮加湿器によりライスペーパーを加湿した後、使用すればよい。
勿論、ライスペーパー等の外皮を中具載置部(A)に最初に載置し、その上に中具を載置して外皮と中具と一緒に巻き回してもよい。
但し、ライスペーパー等の外皮を外皮載置部(B)に載置して、中具の巻き回し時に外皮を引き込んで同時に巻回する方が、確実に中具を外皮で巻くことができるため好ましい。
第一上部ローラ(1)及び第二上部ローラ(2)の間に掛け渡された無端軌道(5)を下降させることにより、中具(G)は周りを無端軌道(5)に囲まれた範囲(C)に存在することとなる(図5参照)。
このとき、上述したように、錘ローラ(7)が連結棒(71)を中心に回動するため、図示のように無端軌道(5)の下降部分は第一上部ローラ(1)寄りの位置にある。
第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)が接近している場合、中具(G)が無端軌道(5)、第一上部ローラ(1)、第二上部ローラ(2)により囲まれた状態にあるが、このときに中具(G)の位置が上昇することで、中具(G)が無端軌道(5)、第一上部ローラ(1)、第二上部ローラ(2)により周りから押されて締められる。また、中具(G)の位置が上昇する際には、無端軌道(5)が第一上部ローラ(1)側から引っ張られて上昇していく。そのため、周囲からしっかりと巻き締められながら、ロール状に成形されていく。
また、中具(G)の位置が上昇しているため、外皮(K)が中具の下にスムーズに入り込み、外皮(K)が中具(G)の間に入り込んだりすることを防ぐことができる(図7参照)。
ロール状食品製造装置(100)を用いることにより、図9に示す如く、中具(G)が外皮(K)に包まれ、且つしっかり巻き締められたロール状食品(生春巻き)を製造することができる。
また、ロール状食品がしっかりと巻き締められる場合でも、無端軌道(5)として外周側表面が平坦なものを用いることにより、ロール状食品に無端軌道(5)の痕が残ることを防ぐことができ、外観の良好なロール状食品を作成することができる。
図10は、第二実施例に係るロール状食品製造装置(200)を示した説明図である。
ロール状食品製造装置(200)は、第一実施例に係るロール状食品製造装置(100)と外皮加湿器が異なる。便宜上、ロール状食品製造装置(200)の外皮加湿器を外皮加湿器(91)とする。また、ロール状食品製造装置(200)には、自動供給器(10)も設けられている。
例えば、生春巻きを作る場合、外皮(K)としてライスペーパーを用いるが、外皮加湿器(91)を有することにより、外皮載置部(B)に載置する前にライスペーパー(外皮(K))を水に浸すといった前処理を行う必要がなく、工程数を削減することができる。
なお、外皮加湿器(91)により、ライスペーパー(外皮(K))を蒸気に曝した後、開閉機構(図1中(6))を動作させればよい。
さらに、図10では、無端軌道(5)の上部に外皮加湿器(91)を設け、上から外皮(K)に蒸気をあてているが、下、又は横から蒸気をあてるように設けてもよい。
また、外皮(K)はライスペーパーに限られず、蒸気をあてる必要があるものであれば限定されるものではない。
自動供給器を設ける場合、自動供給器による外皮の供給と連動して外皮加湿器(91)や開閉機構(図1中(6))を動作させることで、ロール状食品の製造のさらなる自動化を図ることができ、なお一層作業効率が向上する。
自動供給器(10)としては、例えば、外皮(K)を複数枚積み重ねた状態で、下から一枚ずつ押出す構造のものが使用できる。また、外皮(K)は外皮載置部(B)に載置される前は乾燥しているため、個々の外皮同士がくっつくこともなく、一枚ずつ容易に供給することができる。
図11は、第一参考例に係るロール状食品製造装置(300)を示した概略図である。
ロール状食品製造装置(300)は、上記第一及び第二実施例の装置において、第三上部ローラを有さない構造を採用したものであり、それ以外の構成は省略されているが第一及び第二実施形態と同様である。
具体的には、第一上部ローラ(1)、第二上部ローラ(2)、下部ローラ(4)の外周に無端軌道(5)が掛け渡されている。第三上部ローラを有さないため、装置全体がコンパクトとなり、設置スペースが小さくても設置することができる。
但し、外皮載置部を有さないため、図12に示す如く、第一上部ローラ(1)及び第二上部ローラ(2)が接近している際、中具(G)の下に外皮(K)を手で挿入することとなる。
図13は、第二参考例に係るロール状食品製造装置(400)の全体構成を示す概略図である。
以下、ロール状食品製造装置(400)が上記した第一実施例のロール状食品製造装置(100)と異なる点について説明し、ロール状食品製造装置(100)と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
網状コンベア(51)とシート状コンベア(52)とは接着せずに単に重ねるのみでもよいし、接着一体化してもよい。接着せずに単に重ねた場合でも、2つのコンベアを充分に張ってローラに掛け渡すことにより、両ベルトを一体的に回転させることができる。
先ず、網状コンベア(51)のみの場合には、無端軌道(5)の上部に刻み野菜等の小さな中具を置いたときに、コンベアの隙間(網目)から中具が落下してしまうが、外側にシート状コンベア(52)があることにより落下が防止される。
また、シート状コンベア(52)のみの場合には、無端軌道(5)の強度が低くなって耐久性に問題が生じる場合があるが、二層構造であることにより、強度が向上して耐久性に優れたものとなる。そして、強度が優れるために、ロール状食品を強固に締め付けることが可能となり、しっかりと成形された形崩れが生じにくいロール状食品を製造することができる。また、ロール状食品を巻き締める際に、2つの錘ローラ(7)の間で無端軌道が撓むことが防がれ、綺麗な円柱形のロール状食品を得ることができる。
ロール状食品製造装置(400)の開閉機構(6)は、歯車(631)(632)を回転させるための操作機構の構成が上記第一実施例の装置とは異なっている。
具体的には、第一実施例の装置(100)における操作機構は操作棒(64)から構成されていたが、第二参考例の装置(400)における操作機構は以下に説明するように構成されている。
そして、上下動作手段は、モータ(43)と、中心にモータ(43)の回転軸が連結され且つ偏心位置に操作棒(42)の下端部が連結された回転板(44)とから構成されている。
上部バネ(45)は、上端部が前記雄ねじに螺合されたナットの下面に当接し、下端部が操作板(41)の上面に当接している。下部バネ(46)は、上端部が操作板(41)の下面に当接し、下端部が前記雄ねじに螺合されたナットの上面に当接している。
上ストッパ(47)は、操作板(41)の他端部が所定高さ以上まで上がるのを防ぎ、下ストッパ(48)は、操作板(41)の他端部が所定高さ以下まで下がるのを防ぐ役割を果たす。
モータ(43)の回転軸が一方向に回転すると、回転板(44)も同じ方向(矢印参照)に回転する。
回転板(44)が回転すると、それに伴って回転板(44)の偏心位置に取り付けられている操作棒(42)の下端部が上下動をする。例えば、図示例において、回転板(44)が時計回りに半回転すると、操作棒(42)の下端部が上に移動するため、操作棒(42)が上昇し(矢印参照)、更に半回転すると操作棒(42)は下降する。
すると、歯車(631)に連結された回転軸(621)及び歯車(632)に連結された回転軸(621)(622)も互いに内向きに回転し、これにより左右の連結棒(61)が上端部が閉じる方向に回動し、第一上部ローラ(1)及び第二上部ローラ(2)が互いに接近する方向へと移動する。
すると、回転軸(621)及び回転軸(622)も互いに外向きに回転し、これにより左右の連結棒(61)が上端部が開く方向に回動し、第一上部ローラ(1)及び第二上部ローラ(2)が互いに離間する方向へと移動する。
また、上ストッパ(47)及び下ストッパ(48)が設けられていることにより、左右の連結棒(61)の開閉の度合い(角度ストローク)を規定することができる。
また、第一上部ローラ(1)及び第二上部ローラ(2)の直径は、連結棒(61)の上端部の幅よりも大きい。
これにより、第一上部ローラ(1)及び第二上部ローラ(2)の外周面同士を密接させることが可能となるため、後述するロール状食品の製造工程において、2つの上部ローラ(1)(2)を近接させた時に2つのローラの間から中具がこぼれてしまうことが防がれる。
押圧機構(8)の回転軸(81)の一端部にはスプロケット(83)が取り付けられており、このスプロケット(83)とモータ(85)の回転軸に取り付けられたスプロケット(86)とを連結するように無端状チェーン(84)が掛け渡されている。
これにより、モータ(85)が時計回り方向に回転すると、回転軸(81)も時計回り方向に回転し、押さえローラ(82)が無端軌道(5)に向けて移動し、無端軌道(5)を側方から押圧する。
モータ(85)の駆動を停止する(電源オフにする)と、無端軌道(5)を押圧する力が作用しなくなるため、押さえローラ(82)は無端軌道(5)が復元しようとする反発力を受けて初期位置に戻り、押さえローラ(82)により押されて変形していた無端軌道(5)が元の形状に戻る。
第二開閉機構は、開閉機構(6)の動作により第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)が互いに近接した状態において、第一上部ローラ(1)及び第二上部ローラ(2)を互いに僅かに(約50mm程度)離間させるための機構である。
当接部材(11)は、図示の如く、正面視において略L字状に屈曲された部材であって、屈曲部(111)は回動可能であるが移動不能に位置が固定されている。
図16に示した状態、即ちフットペダル(12)が押し下げられていない状態では、バネ(16)によりテコ部材(14)の一端部が下降する方向に付勢されているため、当接部材(11)には屈曲部(111)を中心に反時計回りに回転する力が作用している。この状態において、当接部材(11)の一端部は左側の連結棒(61)の内側面を押圧しているが、その力はバネ(16)の付勢力のみによる小さいものであるため、連結棒(61)は動かず、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)は互いに近接(密接)した状態にある。
このとき、左右両方の連結棒(61)が外方向に動くのは、歯車(631)(632)が噛み合っているためである。尚、このときの歯車(631)の回転は僅かであるため、上部バネ(45)の収縮により上下方向の変位は吸収され、開閉機構(6)の回転板(44)が回転することはない。
また、フットペダル(12)を押し下げると、図示しないリミットスイッチが作動して下部ローラ(4)を回転するモータが停止し、これにより無端軌道(5)の移動が停止するようになっている。また、押し下げを解除すると、リミットスイッチが解除されて無端軌道(5)が移動するようになっている。
先ず、図18に示すように、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)が離間した状態において、刻み野菜等の中具(G)を第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)の間に張られた状態の無端軌道(5)の上面に載置する。尚、図において錘ローラ(7)は省略されているが、中具(G)は一対の錘ローラの間に載置される。
左右のカラー(623)は、無端軌道(5)の内面に当接して外向きに張力を付与している。尚、図示していないが、第一乃至第三実施例においても、同様にカラーにより張力を付与することができる。
これに続いて若しくは同時に、押圧機構(8)の押さえローラ(82)により、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)の間に位置する部分の無端軌道(5)を外側から押圧する。
そして、押さえローラ(32)により無端軌道(5)が更に押圧されることにより、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)の間の無端軌道(5)は上昇し、これによって中具(G)が周囲から締め付けられて巻き締められる。この上昇時において、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)との間の無端軌道(5)は、第一上部ローラ(1)側から引っ張られて上昇していく。そのため、中具(G)は上昇に伴って周囲からしっかりと巻き締められていく。
尚、このとき、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)の外周面同士が密接していることにより、中具(G)がこぼれることがない。
その後、フットペダル(12)の押し下げを解除することにより、第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)とを互いに当接させるとともに、無端軌道(5)の回転を再開する。すると、外皮(K)は第一上部ローラ(1)と第二上部ローラ(2)の間に引き込まれて円柱状に成形された中具(G)の周囲に巻きつき(図22参照)、更に無端軌道(5)が回転することにより中具(G)は外皮(K)により完全に包まれる(図23参照)。
図24は、完成したロール状食品を半分に切断した状態を示した図であり、刻み野菜等からなる中具(G)をとうもろこしや小麦粉からなる薄い生地の外皮(K)で巻いたトルティーヤが示されている。刻み野菜等の中具はしっかりと巻き締められていないと切断面からこぼれ落ちてしまうが、本発明に係る装置によれば巻き締めが充分になされるため、これを防ぐことができる。
2 第二上部ローラ
3 第三上部ローラ
4 下部ローラ
5 無端軌道
51 網状コンベア
52 シート状コンベア
6 開閉機構
61 連結棒
621,622 回転軸
631,632 歯車
64 操作棒
7 錘ローラ
8 押圧機構
81 回転軸
82 押さえローラ
9,91 外皮加湿器
11 当接部材
12 フットペダル
13 上下動部材
14 テコ部材
15 支点
16 バネ
41 操作板
42 操作棒
43 モータ
44 回転板
45 上部バネ
46 下部バネ
A 中具載置部
B 外皮載置部
G 中具
K 外皮
Claims (12)
- 中具と、該中具を包む外皮とからなるロール状食品を製造するための装置であって、
略同一高さ位置で且つ、略平行に配設された第一上部ローラ及び第二上部ローラと、
前記2本の上部ローラの下方に配置された1本の下部ローラと、
前記2本の上部ローラ及び前記下部ローラの外周に掛け渡された無端軌道と、
前記2本の上部ローラの中間位置で且つ前記無端軌道の上部に載設され、自重によって前記無端軌道を下方に押し下げる錘ローラと、
前記2本の上部ローラの下方位置で、且つ前記下部ローラの上方位置において前記無端軌道を外側から押圧する押圧機構と、
前記第一上部ローラと前記第二上部ローラを互いに近接及び離間させる開閉機構を有し、
前記第一上部ローラと前記第二上部ローラ間の前記無端軌道の上部が、前記中具を載置するための中具載置部となり、
前記開閉機構により前記第一上部ローラと前記第二上部ローラが互いに近接する際に、前記押圧機構が無端軌道を押圧し、前記錘ローラにより下方に押し下げられた前記無端軌道を上昇させ、
前記第一上部ローラ及び前記第二上部ローラと略同一高さ位置で且つ、略平行に配設された第三上部ローラを有し、
前記無端軌道が、前記3本の上部ローラ及び前記下部ローラの外周に掛け渡されており、
前記第二上部ローラと前記第三上部ローラ間の前記無端軌道の上部が、前記外皮を載置するための外皮載置部となり、
前記開閉機構により前記第一上部ローラと前記第二上部ローラを互いに近接及び離間させる際に、前記第三上部ローラが、略同一高さ位置を維持した状態で、且つ前記第二上部ローラと間隔を一定に維持するよう動くことを特徴とするロール状食品製造装置。 - 前記無端軌道の外周側表面が平坦であることを特徴とする請求項1記載のロール状食品製造装置。
- 前記無端軌道が、内側の無端軌道を構成する網状コンベアと、外側の無端軌道を構成するシート状コンベアの二層構造を有することを特徴とする請求項2記載のロール状食品製造装置。
- 前記押圧機構が、前記無端軌道を押さえる押さえローラと、中心軸周りに回転する回転軸と、該回転軸の両端部と前記押さえローラの両端部を夫々連結するアームとからなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のロール状食品製造装置。
- 前記外皮を加湿するための外皮加湿器を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のロール状食品製造装置。
- 前記外皮加湿器が、前記外皮載置部に載置する前の前記外皮を水に浸すための水槽であることを特徴とする請求項5記載のロール状食品製造装置。
- 前記外皮加湿器が、前記外皮載置部に載置された前記外皮を蒸気に曝して加湿することを特徴とする請求項5記載のロール状食品製造装置。
- 前記開閉機構が、前記第一上部ローラ及び前記第二上部ローラと、該第一上部ローラ及び該第二上部ローラ夫々と連結棒によって連結された2本の回転軸を有し、
該2本の回転軸には夫々互いに噛み合う歯車が軸着されてなるとともに、いずれか一方の回転軸端部にはこれら歯車を回転させるための操作機構が接続されてなることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載のロール状食品製造装置。 - 前記第一上部ローラ及び第二上部ローラは、鍔部を有さない寸胴形の円筒状ローラであることを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載のロール状食品製造装置。
- 前記操作機構が、前記一方の回転軸に対して該回転軸の半径方向に延びるように連結された操作板と、該操作板を上下方向に貫通する操作棒と、該操作棒を上下動させるための上下動手段とから構成されており、
前記上下動作手段は、モータと、中心に該モータの回転軸が連結され且つ偏心位置に前記操作棒の下端部が連結された回転板とからなり、
前記操作棒には、前記操作板の上面に下端部が当接する上部バネと、前記操作板の下面に上端部が当接する下部バネとが外挿されていることを特徴とする請求項8記載のロール状食品製造装置。 - 前記開閉機構の動作により第一上部ローラと前記第二上部ローラが互いに近接した状態において、該第一上部ローラ及び第二上部ローラを互いに離間させるための第二開閉機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載のロール状食品製造装置。
- 前記第二開閉機構は、
一端部が前記連結棒の内側面に当接する当接部材と、
下端部に接続されたフットペダルの操作により上下動する上下動部材と、
一端部が前記当接部材の他端部と連結され且つ他端部が前記上下動部材の上端部と連結されたテコ部材とからなり、
該テコ部材は、前記一端部と他端部の間の点を支点として一端部と他端部が交互に上下するように構成されてなるとともに、該一端部は常時下降する方向に付勢されており、
前記当接部材は、前記テコ部材の一端部が上昇した時に前記連結棒の内側面を外方に向けて押圧し、前記第一上部ローラ及び第二上部ローラを互いに離間させることを特徴とする請求項11記載のロール状食品製造装置。
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