JP5299104B2 - 高周波焼入用鋼 - Google Patents
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Description
・必要な部位のみ硬化できること、
・短時間加熱のため結晶粒粗大化などの悪影響が少ないこと、
・インラインで処理できるので、軟窒化等のバッチ式表面処理などに比べて工程の自由度が高いこと、
といったメリットを有している。このため、上述の部品は高周波焼入処理で製造されることも多い。
『質量%で、C:0.35〜0.45%、Si:0.20〜0.60%、Mn:0.40〜0.80%、S:0.040〜0.070%、Cr:0.10〜0.40%、Ti:0.020〜0.100%、Ca:0.0005〜0.0050%、B:0.0005〜0.0030%、O(酸素):0.0015〜0.0050%、Mo:0〜0.05%、P:0.025%以下、V:0.03%以下、Al:0.009%以下及びN:0.0100%以下を含有し、残部がFe及び不純物よりなり、
下記(1)式で表されるFn1の値が0.63以下であり、
下記(2)式で表されるFn2の値が1.0以下であると共に、
下記(3)式で表されるFn3の値が5.7以上である
ことを特徴とする高周波焼入用熱間鍛造非調質鋼。
式(2):Fn2=Ca/O
式(3):Fn3=25.9×Fn1+27.5×(Ti−3.4N)−7.9』
が提案されている。
・高周波焼入によって表面硬化した部分に存在する非金属介在物を起点として破壊が起こり、疲労強度が低下する場合があること、
・Ca含有量が多いことにより生成する粗大な酸化物が破壊の起点となること、
が明らかになった。
Caは含有させるもののその含有量を極微量とし、かつAlの含有量を制限することによって、CaOとSiO2とAl2O3の三元系の酸化物をSiO2リッチである一層軟質な酸化物に変えることが可能になり、圧延によって個々の酸化物を延伸させて微細化することができる。そして、酸化物を形態を上記のように変化させれば、介在物を起点とする疲労破壊の発生を抑制することができる。
という新たな知見を得た。
Cは、焼入性および母材硬さを上昇させる作用がある。最低限の焼入性および強度を得るためには、0.35%以上のCを含有する必要がある。しかしながら、Cの含有量が余りに多くなると、母材硬さの上昇が著しくなり、被削性が低下する。このため、Cの含有量を0.35〜0.45%とした。なお、より良好な被削性の確保のためには、C含有量は0.40%以下とすることが好ましい。
Siは、鋼の脱酸剤として必要であるとともに、フェライトを強化し、疲労強度を上昇させる作用がある。これらの効果を得るには、0.20%以上のSiを含有する必要がある。しかしながら、Siの含有量が多くなりすぎると、熱間鍛造時の脱炭を促進し、疲労強度の低下を招く。このため、Siの含有量を0.20〜0.60%とした。なお、Si含有量は0.30%以上とすることが好ましく、また、0.50%以下とすることが好ましい。
Mnは、鋼の脱酸剤として必要であるとともに、焼入性を高めて鋼の強度を向上させる作用を有する。こうした効果を得るには0.60%以上のMnを含有する必要がある。一方、Mn含有量が多くなりすぎると、硬さの上昇が著しくなり、被削性が低下する。したがって、Mnの含有量を0.60〜1.50%とした。なお、Mn含有量は0.80%以上とすることが好ましく、また、1.20%以下とすることが好ましい。
Pは、不純物元素であり、その含有量が多くなると、熱間鍛造性の低下を招く。したがって、Pの含有量を0.030%以下とした。より好ましいPの含有量は0.020%以下である。
Sは、MnとともにMnSを形成して、被削性を向上させる効果がある。この効果を得るには0.040%以上のSを含有する必要がある。しかしながら、Sの含有量が多くなりすぎると、鋼の熱間鍛造性が低下するとともに、疲労強度の低下をきたす。このため、Sの含有量を0.040〜0.070%とした。なお、S含有量は0.060%以下とすることが好ましい。
Crは、鋼の焼入性を上昇させて強度を高める効果がある。こうした効果を得るには0.10%以上のCrを含有する必要がある。しかしながら、Crの含有量が多くなりすぎると、鋼の熱間鍛造性が低下するとともに被削性も低下する。このため、Crの含有量を0.10〜0.40%とした。なお、Cr含有量は0.20%以下とすることが好ましい。
Alは、Oと結合して硬質なAl2O3系介在物を生成する。上記の硬質なAl2O3系介在物は、疲労破壊の起点となって疲労強度低下の原因となるばかりか、被削性の低下も招き、Alの含有量が多くなって、特に0.010%以上になると、硬質なAl2O3系介在物による疲労強度低下および被削性の低下が著しくなる。したがって、Alの含有量を0.010%未満とした。なお、Alの含有量は0.008%未満とすることが好ましい。
Alの含有量が少ない本発明に係る鋼において、Tiは、Nを固定してBの焼入性向上効果を低下させるBNの生成を抑制する作用を有する。また、鋼中の固溶Tiには鋼を強化する作用がある。こうした効果を得るには、Tiを0.020%以上含有する必要がある。一方、Tiの含有量が多くなりすぎると、鋼の被削性が低下する。このため、Tiの含有量を0.020〜0.100%とした。なお、Ti含有量は0.030%以上とすることが好ましく、また、0.060%以下とすることが好ましい。
本発明においては、Bの焼入性向上効果を低下させするBNの生成を抑制するために、Nの含有量は低くする必要がある。また、NはTiを含有させることにより、TiNとして固定されるものの、Nの含有量が多いと、粗大なTiNが生成し、疲労強度の低下を招く。そのため、Nの含有量を0.0100%以下とした。なお、N含有量の好ましい範囲は、0.0060%以下である。
本発明においては、母材硬さを低減させて被削性を向上させるために、C、Crなどの焼入性を高める元素の含有量を制限し、MoやVも含有させない。そのため、高周波焼入時の焼入深さを確保するために、Bを含有させる必要があって、焼入性向上効果を得るためには、Bの含有量を0.0005%以上とする必要がある。しかしながら、Bの含有量を多くしても、上述の効果が飽和してコストが嵩むばかりである。このため、Bの含有量を0.0005〜0.0030%とした。
Caを0.0001%以上含有させることによって、クラスター状の硬質のAl2O3系酸化物を起点とした破壊を抑止できる。しかしながら、Caの含有量が多くなって0.0004%を超えると、粗大な酸化物の割合が増加し、酸化物を起点とした破壊が助長される。したがって、Caの含有量を0.0001〜0.0004%とした。なお、Ca含有量は0.0003%以下とすることが好ましい。
Oは、不純物元素であり、その含有量が多くなって、特に0.030%を超えると、粗大な酸化物が生成し、疲労強度を低下させる場合がある。このため、Oの含有量を0.0030%以下とした。なお、Oの含有量は0.0025%未満とすることが好ましい。
CaとAlの含有量の比であるCa/Alの値が0.20を超えると、粗大な酸化物が生成して疲労強度の低下を招く。一方、Ca/Alの値が0.015未満になると、クラスター状のAl2O3系介在物が生成して疲労強度の低下を招く。このため、Ca/Alの値を0.015〜0.20とした。なお、Ca/Alの値は0.15以下とすることが好ましい。
Claims (1)
- 質量%で、C:0.35〜0.45%、Si:0.20〜0.60%、Mn:0.60〜1.50%、P:0.030%以下、S:0.040〜0.070%、Cr:0.10〜0.40%、Al:0.010%未満、Ti:0.020〜0.100%、N:0.0100%以下、B:0.0005〜0.0030%、Ca:0.0001〜0.0004%およびO:0.0030%以下を含有するとともに、Ca/Al:0.015〜0.20を満たし、残部はFeおよび不純物からなることを特徴とする高周波焼入用鋼。
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