JP5297752B2 - 筒状フィルム、およびその製造装置と製造方法 - Google Patents

筒状フィルム、およびその製造装置と製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、筒状フィルム、およびその製造装置と製造方法に関する。
フィルム製の容器は、通常、インフレーション成形法やTダイ成形法などにより均一な肉厚のフィルムを成形し、必要に応じてフィルム表面に印刷を施し、フィルムを一旦ロール状に巻き取った後、次の工程である製袋工程へと搬送して製造する。
例えばインフレーション成形法では、フィルムを筒状に成形する際にフィルムの内側に空気などの気体を注入して膨らまし、成形された筒状フィルムを冷却した後に扁平状にして巻き取るので、筒状フィルムの内側が外気から遮断された状態を維持できる。従って、医療用分野等で用いられるフィルム製の容器を製造する場合は、フィルムを筒状に成形する際に、無菌フィルターを通過した無菌エアーをフィルムの内側に注入することで衛生性を保つことができる。
ところで、筒状に成形されたフィルムを扁平状にすると、例えば図7に示すように、フィルム30の屈曲部31がフィルムの折り曲げに対する弾性反発により膨らみやすくなり、屈曲部31の見かけの厚みがフィルム2枚分の厚みよりも厚くなり、厚みムラが生じることがあった。このような傾向はフィルムの厚さが厚くなるほど顕著であり、特に輸液バッグなどの薬剤を収容する医療用容器に用いられるフィルムを製造する場合、屈曲部が厚くなりやすかった。
そのため、図8に示すように、厚みムラが生じたフィルム30を巻き取ると、図7に示すフィルム30の端部32に相当する部分32’が、中央部33に相当する部分33’に比べて嵩だかになり、外観上、両端部が盛り上がったようになり、フィルムを平坦に巻き取ることが困難であった。また、このような状態で巻き取ったフィルムは変形不良や、次工程においてフィルムを製袋したり、必要に応じて印刷を施したりする際に、フィルムの位置決め精度が低下し、寸法や形状が規格外の不良品が発生する原因になりやすかった。
そこで、フィルムの両端を5〜10mm程度の一定幅で切断し、平坦な部分のみを巻き取る方法が知られている。
また、フィルムを巻き取る際に、一定の間隔でフィルム、または巻芯を左右に動かして、フィルムの両端部が常に重ならないようにトラバースしながら巻き取る方法が知られている。例えば特許文献1には、最大振幅が1.0〜4.0mmになるように、フィルムロールの巻芯をその幅方向に規則的に反復運動させながらフィルムを巻き取る方法が開示されている。
特開2003−147092号公報
しかしながら、フィルムの両端を切断する方法の場合、フィルムから切断された切断物は廃棄される場合が多く、製造コストや資源節約の点で有益ではない。また、フィルムを切断することでフィルム内の密閉性が損なわれるため、例えば気密性を必要とする医療用容器に用いられるフィルムとしては不向きであった。
なお、ニクロム線などの熱線や、所定の温度に加熱した切断刃をフィルムの両端に接触させ、接触部分を溶融接着しつつ切断する、いわゆる溶断を行ってフィルムを巻き取る方法も実用化されている。この方法の場合、密閉性を維持できるので気密性や衛生面を確保できるものの、溶断によって溶けて劣化したフィルム、すなわち樹脂劣化物が熱線や切断刃に付着しやすかった。該樹脂劣化物がフィルムに転移するとフィルムが汚染されるため、品質が低下する恐れがあった。
また、特許文献1に記載のように、トラバースしながらフィルムを巻き取る方法の場合、フィルムの端部をスリットせずに巻き取ると、5mm以上の振幅で左右にトラバースする必要があった。その結果、フィルムにかかる張力が左右方向で不均衡になりやすく、フィルムの伸びが左右方向で不均一となり、フィルムにうねり癖が残りやすかった。そのため、次工程、例えば製袋工程においてフィルムを巻き戻す際に、フィルムが蛇行しやすかった。
フィルムの蛇行は、機械的に強制してある程度は補正できるが、フィルムに大きなうねり等の変形がある場合は補正に限界があり、フィルムを溶着したり打ち抜いたりする際に、フィルムの位置決め精度が低下し、寸法や形状が規格外の不良品が発生する原因になりやすかった。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、衛生面を確保し、品質の低下を抑制すると共に、フィルムにうねり癖を残すことなく平坦に巻き取ることができる筒状フィルム、およびその製造装置と製造方法を実現することを課題とする。
本発明者等は鋭意検討した結果、フィルムを以下の構成とすることで、フィルムの端部を切断したり溶断したりすることなく、かつトラバースすることなく、フィルムを平坦に巻き取ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の筒状フィルムは、扁平な筒状フィルムにおいて、屈曲部のフィルムの厚さが、当該筒状フィルムの肉厚よりも薄く、前記屈曲部の幅が3〜20mmであることを特徴とする。
ここで、前記屈曲部のフィルムの厚さが、前記筒状フィルムの肉厚の20〜90%であることが好ましい
また、本発明の筒状フィルムの製造装置は、樹脂を溶融してダイスより筒状にフィルムを成形し、フィルムの内側に気体を注入する成形手段と、該成形手段により成形された筒状フィルムを冷却する冷却手段と、筒状フィルムを扁平にする扁平手段と、扁平な筒状フィルムを巻き取る巻き取り手段とを具備し、前記扁平手段により筒状フィルムを扁平にしたときの屈曲部のフィルムの厚さが、当該筒状フィルムの肉厚よりも薄くなるように、前記ダイスの流路出口が狭くなっていることを特徴とする。
ここで、前記ダイスの流路出口の幅狭部が、当該流路出口の流路幅の30〜90%であることが好ましい。
さらに、前記幅狭部の長さが、6〜40mmであることが好ましい。
また、本発明の筒状フィルムの製造方法は、樹脂を溶融してダイスよりフィルムを筒状に成形し、フィルムの内側に気体を注入する成形工程と、該成形工程により成形された筒状フィルムを冷却する冷却工程と、筒状フィルムを扁平にする扁平工程と、扁平な筒状フィルムを巻き取る巻き取り工程とを有し、前記扁平工程により筒状フィルムを扁平にしたときの屈曲部のフィルムの厚さが、当該筒状フィルムの肉厚よりも薄くなるように、前記ダイスよりフィルムを筒状に成形することを特徴とする。
ここで、前記屈曲部のフィルムの厚さが、前記筒状フィルムの肉厚の20〜90%になるように、前記ダイスよりフィルムを筒状に成形することが好ましい。
さらに、前記屈曲部の幅が3〜20mmになるように、前記ダイスよりフィルムを筒状に成形することが好ましい。
本発明によれば、衛生面を確保し、品質の低下を抑制すると共に、フィルムにうねり癖を残すことなく平坦に巻き取ることができる筒状フィルム、およびその製造装置と製造方法を実現できる。
以下、図を用いて本発明を詳細に説明する。
なお、図2〜6において、図1と同じ構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する場合がある。また、図1〜8においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材に毎に縮尺を異ならせてある。
図1は、本発明の筒状フィルムの一例を示す斜視図である。
図1に示す筒状フィルム10は、扁平状であり、屈曲部11のフィルムの厚さD11が、当該筒状フィルム10の肉厚よりも薄いことを特徴とする。
本発明において「筒状フィルムの肉厚」を当該筒状フィルム10の標準厚さD10とする。また、「屈曲部のフィルムの厚さ」をフィルムの側端部の厚さとする。
屈曲部11のフィルムの厚さD11を筒状フィルム10の肉厚よりも薄くすることで、フィルムの折り曲げに対する弾性反発による膨らみが生じにくくなり、屈曲部11の厚みH11が厚くなるのを防止でき、厚みムラが生じるのを抑制できる。従って、図2に示すように、巻芯24aに筒状フィルム10を巻き取る際に、図1に示す筒状フィルム10の端部12に相当する部分12’が、中央部13に相当する部分13’に比べて嵩だかになるのを抑制でき、両端部が盛り上がることなくフィルムを平坦に巻き取ること可能となる。
屈曲部11のフィルムの厚さD11は、筒状フィルム10の肉厚、すなわち、標準厚さD10の20〜90%であることが好ましく、30〜80%がより好ましい。
屈曲部11のフィルムの厚さD11が、筒状フィルム10の肉厚の20%以上であれば、筒状フィルム10を容易に成形できる。一方、90%以下であれば、屈曲部11の厚みH11が厚くなるのを十分に防止でき、厚みムラが生じるのを抑制できる。従って、筒状フィルム10を巻き取る際に、両端部が盛り上がることなくフィルムを平坦に巻き取ることができる。
また、屈曲部11の幅W11は、3〜20mmであることが好ましく、5〜15mmがより好ましい。
屈曲部11の幅W11が3mm以上であれば、屈曲部11の厚みH11が厚くなるのを十分に防止でき、厚みムラが生じるのを抑制できる。従って、筒状フィルム10を巻き取る際に、両端部が盛り上がることなくフィルムを平坦に巻き取ることができる。一方、屈曲部11の幅W11が20mmを超えても、屈曲部11の厚みH11が厚くなるのを防止して、厚みムラが生じるのを抑制する効果は頭打ちになる。従って、屈曲部11の幅W11の上限は20mm以下が好ましい。
このような筒状フィルムは、例えば以下のようにして製造できる。
図3は、本発明の筒状フィルムの製造装置の全体構成図の一例を示す概略図である。
図3に示す筒状フィルムの製造装置20は、筒状にフィルムを成形する成形手段21と、該成形手段21により成形された筒状フィルムを冷却する冷却手段22と、筒状フィルムを扁平にする扁平手段23と、扁平な筒状フィルム10を巻き取る巻き取り手段24とを有して構成されている。
また、筒状フィルムの製造装置20には、必要に応じて扁平手段23と巻き取り手段24との間に、筒状フィルム10を乾燥する乾燥手段25と、筒状フィルムの表面に印刷を施す印刷手段26が備えられていてもよい。
以下、扁平前の筒状フィルムを「成形フィルム10’」と略す場合がある。
成形手段21は、ホッパ21aから供給される樹脂を溶融して押し出す押出機21bと、溶融樹脂を筒状のフィルムに成形するダイス21cとを備えている。
押出機21bとしては特に制限されず、公知の押出機を用いることができる。
ダイス21cとしては、図1に示す筒状フィルム10の屈曲部11のフィルムの厚さD11が、筒状フィルム10の肉厚、すなわち標準厚さD10よりも薄くなるように、流路出口が狭くなっているダイスを用いる。具体的には、図4に示すように、ダイス21cの流路出口211cの一部が狭くなっているダイスを用いる。以下、流路出口211cが狭くなっている部分を幅狭部212cという。このようなダイス21cから成形される筒状フィルムにおいて、ダイス21cの幅狭部212cに相当する部分が筒状フィルムの屈曲部となる。
幅狭部212cの幅W212は、当該流路出口211cの流路幅W211の30〜90%であることが好ましく、40〜80%がより好ましい。
幅狭部212cの幅W212が、流路出口211cの流路幅W211の30%以上であれば、筒状フィルムを容易に成形できる。一方、90%以下であれば、図1に示すように屈曲部11の厚みH11が厚くならず、厚みムラのない筒状フィルム10が得られる。従って、後述する巻き取り手段24にて筒状フィルム10を巻き取る際に、図2に示すように両端部が盛り上がることなくフィルムを平坦に巻き取ることができる。
なお、本発明において「流路出口の流路幅」を流路出口の標準流路幅とする。
また、幅狭部212cの長さL212は、6〜40mmであることが好ましく、6〜35mmがより好ましい。
幅狭部212cの長さL212が6mm以上であれば、図1に示すように屈曲部11の厚みH11が厚くならず、厚みムラのない筒状フィルム10が得られる。従って、後述する巻き取り手段24にて筒状フィルム10を巻き取る際に、図2に示すように両端部が盛り上がることなくフィルムを平坦に巻き取ることができる。一方、幅狭部212cの長さL212が40mmを超えても、屈曲部11の厚みH11が厚くなるのを防止して、厚みムラが生じるのを抑制する効果は頭打ちになる。従って、幅狭部212cの長さL212の上限は40mm以下が好ましい。
なお、幅狭部212cの長さL212の半分が、図1に示す筒状フィルム10の屈曲部11の幅W11に相当する。
このようなダイス21cは、例えば、幅狭部212cの幅W212や長さL212が所望の大きさになるように、180度相対する2箇所の流路出口211cに樹脂の流動を制限する制限部材213cを設けたリップリングをダイスの出口に設置することで得られる。制限部材213cとしては、樹脂の流動を制限できるものであれば特に限定されない。
押出機21bから押し出された溶融樹脂は、ダイス21cより筒状のフィルムに成形され、垂直方向に引き取られながらフィルムの内側に気体が注入される。図3に示す例では、ダイス21cの流路出口が下向きに向いているので、成形フィルム10’は下向き、すなわち鉛直方向に引き取られる。
冷却手段22としては、成形手段21にて成形された成形フィルム10’を冷却できるものであれば、特に制限されないが、成形手段21が上述したような下吹きタイプの場合、例えば内部を冷媒が循環する冷却リングなどが挙げられる。冷媒としては水などが挙げられる。
扁平手段23としては、成形フィルム10’を扁平状にできるものであれば、特に制限されないが、例えば成形フィルム10’を挟み込んで扁平状にするピンチロールなどが挙げられる。
乾燥手段25としては、筒状フィルム10を乾燥して水分等を除去できるものであれば、特に制限されないが、例えば乾燥機などが挙げられる。
印刷手段26としては、筒状フィルムの表面に印刷を施すことができるものであれば、特に制限されないが、例えばインライン印刷機などが挙げられる。
巻き取り手段24としては、筒状フィルム10を巻芯24aなどに巻き取れるものであれば、特に制限されない。
なお、筒状フィルムの製造装置20には、上述した各手段の前後に駆動式の送りロールや引取りロールが備えられていてもよい。引取りロールによって、成形フィルム10’や筒状フィルム10は各手段に導かれるが、この際、引取りロールの引取り速度を、送りロールの送り速度以上の速さに設定することによって、円滑に成形フィルム10’や筒状フィルム10を搬送させることができる。
次に、図3に示す筒状フィルムの製造装置20を用いて、本発明の筒状フィルムの製造方法の一例を説明する。
本発明の筒状フィルムの製造方法は、筒状にフィルムを成形する成形工程と、該成形工程により成形された筒状フィルムを冷却する冷却工程と、筒状フィルムを扁平にする扁平工程と、扁平な筒状フィルムを巻き取る巻き取り工程とを有する。
また、本発明においては、必要に応じて、扁平工程と巻き取り工程の間に、筒状フィルムを乾燥する乾燥工程と、筒状フィルムの表面に印刷を施す印刷工程を有してもよい。
成形工程は、成形手段21のホッパ21aに樹脂を投入し、押出機21bにて樹脂を溶融し、押出機21bから押し出された溶融樹脂をダイス21cより筒状のフィルムに成形し、フィルムの内側に気体を注入する工程である。
図3に示す例では、成形フィルム10’は下向き、すなわち鉛直方向に引き取られる。
引き取り速度は3〜100m/分が好ましい。
成形工程では、後述する扁平工程にて成形フィルム10’を図1に示すように扁平にしたときに、屈曲部11のフィルムの厚さD11が、筒状フィルムの肉厚、すなわち標準厚さD10よりも薄くなるように、筒状にフィルムを成形する。
その際、屈曲部11の厚さD11が、筒状フィルム10の肉厚の20〜90%になるように、フィルムを筒状に成形することが好ましく、より好ましくは30〜80%である。屈曲部11のフィルムの厚さD11が、筒状フィルム10の肉厚20%以上であれば、筒状フィルム10を容易に成形できる。一方、90%以下であれば、得られる筒状フィルム10の屈曲部11の厚みH11が厚くなるのを十分に防止でき、厚みムラが生じるのを抑制できる。従って、筒状フィルム10を巻き取る際に、両端部が盛り上がることなくフィルムを平坦に巻き取ることができる。
また、屈曲部11の幅W11が、3〜20mmになるように、フィルムを筒状に成形することが好ましく、より好ましくは5〜15mmである。屈曲部11の幅W11が3mm以上であれば、得られる筒状フィルム10の屈曲部11の厚みH11が厚くなるのを十分に防止でき、厚みムラが生じるのを抑制できる。従って、筒状フィルム10を巻き取る際に、両端部が盛り上がることなくフィルムを平坦に巻き取ることができる。一方、屈曲部11の幅W11が20mmを超えても、屈曲部11の厚みH11が厚くなるのを防止して、厚みムラが生じるのを抑制する効果は頭打ちになる。従って、屈曲部11の幅W11の上限が20mm以下になるように、フィルムを筒状に成形するのが好ましい。
図4に示すダイス21cを用いれば、図1に示すような、屈曲部11のフィルムの厚さD11が、筒状フィルム10の肉厚D10よりも薄い筒状フィルム10を容易に成形できる。
本発明に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば、特に制限されない。例えば成形される材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、環状ポリオレフィン、エチレンビニルアルコール共重合体などが挙げられる。これらを用いて成形フィルムが成形される。
本発明の筒状フィルムは、1種類の材料からなる単層フィルムであってもよく、複数の種類の層からなる多層フィルムであってもよい。
フィルムの内側に注入される気体としては、空気、窒素などが挙げられる。中でも空気が好ましく、特に圧縮された空気が好適である。
冷却工程は、成形工程により成形された成形フィルム10’を冷却する工程である。
冷却方法としては、空冷や水冷などが挙げられる。空冷の場合は、成形手段21より成形された成形フィルム10’を自然冷却したり、空気などを吹きつけて冷却したりする。一方、水冷の場合は、図3に示すように、成形フィルム10’を水冷リングなどの冷却手段22の内側を通過させて冷却する。
扁平工程は、冷却工程で冷却された成形フィルム10’を扁平にする工程であり、例えば扁平手段23がピンチロールの場合、一対のピンチロールの間を成形フィルム10’が通過することで成形フィルム10’がピンチロールに挟まれて扁平な筒状フィルム10となる。この際、成形フィルム10’のうちダイス21cの幅狭部を通過した部位が筒状フィルム10の屈曲部になるように、成形フィルム10’を扁平にする。
扁平手段23への引き取り速度は、成形工程時の引き取り速度と同じ速度に設定するのが好ましい。
乾燥工程は、筒状フィルム10を乾燥する工程である。筒状フィルム10を乾燥することで、水分等が除去される。乾燥方法としては特に制限されないが、熱風乾燥などが挙げられる。
印刷工程は、筒状フィルムの表面に印刷を施す工程である。印刷方法としては特に制限されない。
巻取り工程は、筒状フィルム10を巻芯24aなどに巻き取る工程であり、通常、数100m〜数1000m程度の長さの筒状フィルム10を巻き取る。
巻取り速度は成形工程時の引き取り速度と同じ速度に設定するのが好ましい。
このようにして得られた筒状フィルム10は、図1に示すように、屈曲部11のフィルムの厚さD11が、筒状フィルムの肉厚、すなわち標準厚さD10よりも薄いので、フィルムの折り曲げに対する弾性反発による膨らみが生じにくくなり、屈曲部11の厚みH11が厚くならず、厚みムラが解消される。従って、図2に示すように巻芯24aに筒状フィルム10を巻き取る際に、図1に示す筒状フィルム10の端部12に相当する部分12’が、中央部13に相当する部分13’に比べて嵩だかになるのを抑制でき、両端部が盛り上がることなくフィルムを平坦に巻き取ること可能となる。
図7に示すように、従来、筒状に成形されたフィルム30を扁平状にすると、屈曲部31がフィルムの折り曲げに対する弾性反発により膨らみやすくなり、屈曲部31の見かけの厚みがフィルム2枚分の厚みよりも厚くなり、厚みムラが生じることがあった。そのため、図8に示すように巻芯24aにフィルム30を巻き取る際に、図7に示すフィルム30の端部32に相当する部分32’が、中央部33に相当する部分33’に比べて嵩だかになり、両端部が盛り上がったようになり、フィルムを平坦に巻き取ることが困難であった。このような状態で巻き取られたフィルムを巻き戻すと、端部が波打ったように変形不良を起こし、フィルムを製袋したり印刷を施したりする際にフィルムの位置決め精度が低下し、寸法や形状が規格外の不良品が発生する原因になりやすかった。
また、フィルムを平坦に巻き取るために、フィルムの両端を切断すると、製造コストや資源節約の点で有益ではなく、衛生性の問題もあった。また、フィルムを溶断すると、溶けて劣化した樹脂劣化物がフィルムに付着する場合があり、品質が低下する恐れがあった。
さらに、トラバース法の場合、フィルムを平坦に巻き取ることはできるものの、フィルムを左右に振りながら張力をかけて巻き取るので、フィルムにかかる張力が左右方向で不均衡になりやすかった。その結果、フィルムの伸びが左右方向で不均一となり、フィルムにうねり癖が残りやすく、フィルムを巻き戻した際にフィルムが蛇行しやすかった。そのため、フィルムを溶融させてシールしたり打ち抜いたりする際にフィルムの位置決め精度が低下し、寸法や形状が規格外の不良品が発生する原因になりやすかった。
しかし、本発明によれば、筒状フィルムの屈曲部のフィルムの厚さを、当該筒状フィルムの肉厚よりも薄くなるように成形するので、筒状フィルムを巻き取る際に、両端部が盛り上がることなくフィルムを平坦に巻き取ることが可能となる。
従って、フィルムを巻き戻しても変形不良が起きず、フィルムを製袋したり印刷を施したりする際にフィルムの位置決め精度を維持できるので、不良品の発生を抑制できる。
また、従来のようにフィルムの両端を切断したり溶断したりする必要がないので、衛生面を確保しつつ品質の低下を抑制できる。
さらに、トラバースしながらフィルムを巻き取る必要がないので、フィルムにうねり癖を残すことなく平坦に巻き取ることができる。従って、フィルムを巻き戻してもフィルムが蛇行しないので、フィルムを溶融したり打ち抜いたりする際にフィルムの位置決め精度を維持できるので、不良品の発生を抑制できる。
また、通常、フィルムの肉厚を厚くするほど扁平にした際に端部が屈曲しにくく、厚みが増して厚みムラが生じやすくなり、フィルムを平坦に巻き取るのが困難になりやすい。
しかし、本発明であれば、フィルムの肉厚を厚くしても、屈曲部のフィルムの厚さを肉厚よりも薄くすることで厚みムラを解消できるので、容易に筒状フィルムを平坦に巻き取ることができる。従って、例えば輸液バッグなど薬剤を収容する医療容器用のフィルムのように、フィルムに100〜1000μm程度の厚みを持たす必要がある場合でも、本発明により得られる筒状フィルムは所望の厚さのフィルムを製造することができるので、医療容器用のフィルムとしても好適である。
なお、筒状フィルム、およびその製造装置と製造方法を説明するに際して、ダイスとして図4に示すダイス21cを例示したが、本発明はこれに限定されない。図4に示すダイス21cは、幅狭部212cの幅W212や長さL212が所望の大きさになるように、180度相対する2箇所の流路出口211cの内側に樹脂の流動を制限する制限部材213cが設けられているが、例えば図5に示すように制限部材213cは流路出口211cの外側に設けられていてもよい。図5に示すダイス21cを用いると、例えば図6に示すような筒状フィルム10が得られる。
また、筒状フィルム、およびその製造装置と製造方法を説明するに際して、筒状フィルムがダイスより下向きに吐出される水冷インフレーション型の装置を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば筒状フィルムが上向きに吐出される空冷インフレーション型の装置を用いてもよい。
また、筒状フィルムは、例えばTダイ成形によりフィルム成形し、1枚のフィルムを用いる場合はそのフィルムの両端をヒートシールして筒状にしたり、2枚のフィルムを用いる場合はこれらの端部を貼り合わせて筒状にしたりすることでも得られる。この場合、筒状にしたフィルムを扁平にしたときに、屈曲部に相当する部分のフィルムの厚さが、当該フィルムの肉厚よりも薄くなるようなダイスを用いてフィルムを成形すればよい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
図3に示す筒状フィルムの製造装置20を用い、以下のようにして筒状フィルムを製造した。
樹脂として低密度ポリエチレンをホッパ21aに投入し、径が65mmのスクリュを備えた押出機21bにて、成形温度160℃、スクリュの回転数20rpmの条件で樹脂を可塑化した。
次いで、押出機21bの先端に接続され、160℃に温調されたダイス21cにより、溶融樹脂を押し出し、筒状にフィルムを成形した。ダイス21cの出口には、図4に示すように、流路出口211cの流路幅W211が3.5mmのリップリングを設置した。該リップリングは、外径が200mmであり、幅狭部212cの幅W212が2.3mm、長さL212が25mmになるように、180度相対する2箇所の流路出口211cの内側に樹脂の流れを制限する制限部材213cを設けた。
次いで、ダイス21cより成形された成形フィルム10’を、冷却手段22として径が80mmの水冷リングに通過させて冷却した。
その後、扁平手段23として一対のピンチロールを用い、ピンチロールの間に成形フィルム10’を通過させて扁平にし、図1に示すような、扁平な筒状フィルム10を得た。
さらに、筒状フィルム10を乾燥手段25に通過させて水分を除去した後、巻き取り手段24にて巻芯24aに筒状フィルム10を巻き取った。
このようにして得られた筒状フィルム10は、肉厚が250μm、フィルム全体の幅が154mmであり、屈曲部11のフィルムの厚さD11が80μm、屈曲部11の幅W11が15mmであり、図1に示すように厚みムラが解消されていた。従って、トラバースすることなく筒状フィルムを連続して1000m巻き取っても、図2に示すように両端部が盛り上がることなくフィルムを平坦に巻き取ることができた。また、切断や溶断せずにフィルムを巻き取ったので、衛生面を確保しつつ品質の低下を抑制できた。
さらに、巻き取った筒状フィルムを巻き戻すと、うねり癖がないことが確認できた。
本発明の筒状フィルムの一例を示す斜視図である。 本発明の筒状フィルムを巻き取った状態の一例を示す側面図である。 本発明の筒状フィルムの製造装置の一例を示す概略図である。 ダイスの一例を示す平面図である。 ダイスの他の例を示す平面図である。 本発明の筒状フィルムの他の例を示す斜視図である。 従来の筒状フィルムの一例を示す斜視図である。 図7に示す筒状フィルムを巻き取った状態の一例を示す側面図である。
符号の説明
10:筒状フィルム、11:屈曲部、D10:筒状フィルムの標準厚さ(肉厚)、D11:屈曲部のフィルムの厚さ、W11:屈曲部の幅、20:筒状フィルムの製造装置、21:成形手段、21c:ダイス、211c:流路出口、212c:幅狭部、W211:流路幅、W212:幅狭部の幅、L212:幅狭部の長さ、22:冷却手段、23:扁平手段、24:巻き取り手段。

Claims (8)

  1. 扁平な筒状フィルムにおいて、
    屈曲部のフィルムの厚さが、当該筒状フィルムの肉厚よりも薄く、前記屈曲部の幅が3〜20mmであることを特徴とする筒状フィルム。
  2. 前記屈曲部のフィルムの厚さが、前記筒状フィルムの肉厚の20〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の筒状フィルム。
  3. 樹脂を溶融してダイスより筒状にフィルムを成形し、フィルムの内側に気体を注入する成形手段と、該成形手段により成形された筒状フィルムを冷却する冷却手段と、筒状フィルムを扁平にする扁平手段と、扁平な筒状フィルムを巻き取る巻き取り手段とを具備し、
    前記扁平手段により筒状フィルムを扁平にしたときの屈曲部のフィルムの厚さが、当該筒状フィルムの肉厚よりも薄くなるように、前記ダイスの流路出口が狭くなっていることを特徴とする筒状フィルムの製造装置。
  4. 前記ダイスの流路出口の幅狭部が、当該流路出口の流路幅の30〜90%であることを特徴とする請求項に記載の筒状フィルムの製造装置。
  5. 前記幅狭部の長さが、6〜40mmであることを特徴とする請求項またはに記載の筒状フィルムの製造装置。
  6. 樹脂を溶融してダイスよりフィルムを筒状に成形し、フィルムの内側に気体を注入する成形工程と、該成形工程により成形された筒状フィルムを冷却する冷却工程と、筒状フィルムを扁平にする扁平工程と、扁平な筒状フィルムを巻き取る巻き取り工程とを有し、
    前記扁平工程により筒状フィルムを扁平にしたときの屈曲部のフィルムの厚さが、当該筒状フィルムの肉厚よりも薄くなるように、前記ダイスよりフィルムを筒状に成形することを特徴とする筒状フィルムの製造方法。
  7. 前記屈曲部のフィルムの厚さが、前記筒状フィルムの肉厚の20〜90%になるように、前記ダイスよりフィルムを筒状に成形することを特徴とする請求項に記載の筒状フィルムの製造方法。
  8. 前記屈曲部の幅が3〜20mmになるように、前記ダイスよりフィルムを筒状に成形することを特徴とする請求項またはに記載の筒状フィルムの製造方法。
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