JP5297027B2 - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、カテーテル等を生体内に挿入する際に用いられる医療用ガイドワイヤに関するものである。
医療用ガイドワイヤは診断又は治療を行う際、分岐を有する血管等に挿入される。そして、この挿入された医療用ガイドワイヤをガイドとして、カテーテル等が生体内に導入される。医療用ガイドワイヤにおいては、挿入作業に際して生体に損傷を与えることなく、血管形状に追随して押し込むことが可能な遠位端部の形状が必要となる。これに対して近年では、例えば図9(a)に示すように、遠位端部にて近位側に戻るようにして戻り領域81が形成された医療用ガイドワイヤ80が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2005−144104号公報
ここで、医療用ガイドワイヤ80は、心臓等の診断対象箇所又は治療対象箇所に挿入される場合には上腕や手首等の細い血管82から挿入されるが、この際、図9(b)の実線に示すように、医療用ガイドワイヤ80は、戻り領域81を遠位端側に伸ばし、その伸ばした自由端から血管内に挿入される。この細い血管82にはその途中位置に目標としない分岐血管83が存在していることがあり、戻り領域81の自由端がその分岐血管83内に入り込むことがある。この場合に、従来の医療用ガイドワイヤ80の戻り領域81はJ型に復元され難く、図9(b)の二点鎖線に示すように、目標としない分岐血管83内を進入していってしまうおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、遠位端頂部から近位側に戻る領域が形成された医療用ガイドワイヤにおいて、血管等への挿入作業を良好に行うことができる医療用ガイドワイヤを提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
本発明の医療用ガイドワイヤは、先端から所定長さ分を、ワイヤ基部の延びる方向に対して一側へ向けて湾曲させることにより、ガイドワイヤ全体としての遠位端が滑らかな凸形となって当該凸形の遠位端頂部よりも先端側が近位端側へ戻るように形成された第1曲げ部と、当該第1曲げ部よりも近位端側を前記ワイヤ基部の延びる方向に対して前記一側とは反対側となる他側へ向けて曲げることにより、前記第1曲げ部を当該他側へ傾斜させる第2曲げ部と、を備えていることを特徴とする。
本構成によれば、先端を遠位端側に伸ばした状態で細い管(細い血管等)内に挿入され当該細い管の途中位置に設けられた分岐管(分岐血管等)内に遠位端側に伸ばした先端が入り込んだとしても、第2曲げ部が形成されていることにより、第1曲げ部に対して当該第1曲げ部の曲がり側とは逆側に移動させるようにする力が加えられる。そうすると、遠位端側に伸ばした先端に対しても分岐管側とは逆側に引っ張る力が加えられ、遠位端側に伸ばした先端が近位側に戻った状態に復元され易くなる。そして、この復元された状態となることで、分岐管側へ進入しないように医療用ガイドワイヤを操作し易くなり、従来の医療用ガイドワイヤに比べ、分岐管内に進入してしまわないように操作し易くなる。
上記構成において、前記第2曲げ部は、前記ワイヤ基部に対する曲げ開始位置から前記第1曲げ部の曲げ開始位置までの領域において、遠位端へ向かうほど前記他側へ遠ざかるように曲げられているとよい。この場合、第1曲げ部に対して当該第1曲げ部の曲がり側とは逆側に移動させるように付与される力を大きくすることが可能となり、上記復元性を高めることが可能となる。
上記構成において、前記第2曲げ部の前記他側への曲げ量に起因して、前記第1曲げ部の遠位端頂部が、前記他側に配置されているとよい。
本構成によれば、目標とする分岐管(分岐血管等)への導入性を高めることができる。つまり、遠位端頂部がワイヤ基部の仮想的な延長線を基準として第1曲げ部の湾曲方向側とは逆側に配置されているため、分岐管へ導入する場合にはその遠位端頂部が配置された側が分岐管に近寄るように医療用ガイドワイヤを挿入していくことで、遠位端頂部を分岐管の管壁に容易に当てることができる。そうすると、近位端側から伝達されてくる挿入方向の力を分岐管側に向けさせることができ、医療用ガイドワイヤを目標とする分岐管へ容易に導入することができる。
さらに、本構成によれば、目標としない分岐管への進入を抑制することができる。つまり、医療用ガイドワイヤを生体の管内に挿入していくと遠位端頂部よりも先端側が目標としない分岐管内に入り込むことがある。この場合、遠位端頂部がワイヤ基部の仮想的な延長線を基準として第1曲げ部の湾曲方向側とは逆側に配置されているため、上記先端側が目標としない分岐管に入り込んだとしても、医療用ガイドワイヤの遠位端頂部は目標とする管内にある。近位端側から伝達されてくる挿入方向の力は遠位端頂部へと伝わっていくため、当該遠位端頂部が目標とする管内にあれば上記挿入方向の力は目標としない分岐管側に向くことはなく、目標としない分岐管へ進入していってしまうことが抑制される。
上記構成において、前記遠位端頂部よりも先端側の少なくとも一部でありかつ先端を含む所定領域が、前記一側に配置されているとよい。この場合、遠位端頂部よりも先端側であって先端を含む所定領域を、ワイヤ基部に対して離間させることができるため、当該所定領域の先端をカテーテル、導入針又はシース等に挿入する場合において、その挿入作業を容易に行うことができる。
また、前記所定領域は、先端である自由端側ほど前記一側へ遠ざかるように形成されているとよい。この場合、遠位端頂部よりも先端側であって先端を含む所定領域は、自由端に向かうほどワイヤ基部に対して離間されることとなるため、当該所定領域の先端をカテーテル、導入針又はシース等に挿入する場合において、その挿入作業を容易に行うことができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1(a)は医療用ガイドワイヤ10の概略全体側面図、図1(b)は図1(a)の領域Cにおける縦断面図である。
図1(a)に示すように、医療用ガイドワイヤ10は一連のワイヤ11により形成されている。ワイヤ11は、図1(b)に示すように、芯金としてのコアワイヤ12に合成樹脂層としての外皮13を被覆してなる。コアワイヤ12は、金属材料により形成されている。具体的には、超弾性合金であるNi―Ti合金により形成されている。但し、これに限定されることはなく、他の公知の超弾性合金を用いてもよく、またステンレス合金等を用いてもよい。
外皮13は、合成樹脂材料により形成されている。具体的には、ポリウレタンエラストマにより形成されている。但し、これに限定されることはなく、PTFE等のフッ素系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン等を用いてもよい。
また、外皮13の表面には親水性の潤滑性皮膜がコーティングされている。この潤滑性皮膜として、ポリメチルビニルエーテル及び無水マレイン酸のコポリマがコーティングされているが、これに限定されることはなく、他の公知の材料を用いて潤滑性皮膜を形成してもよい。
なお、コアワイヤ12は、長さ方向の途中位置からワイヤ11の一端に向けて先細りするように形成されている。また、ワイヤ11の外径は、その全体に亘って同一又は略同一となっている。但し、これに限定されることはなく、コアワイヤ12が先細りするように形成された側の端部に向けて外径が小さくなるようにワイヤ11を形成してもよい。具体的には、コアワイヤ12が先細りするように形成された側のワイヤ11の外径を0.69mm以上0.85mm未満の範囲における所定の寸法とし、反対側の外径を0.79mm以上0.85mm以下の範囲における先細り側よりも小さい寸法としてもよい。
次に、医療用ガイドワイヤ10の形状について説明する。
医療用ガイドワイヤ10は、コアワイヤ12が先細りするように形成された側を遠位端側とし、図1(a)に示すように、その遠位端側に複数の曲げ部15,16が生じるように上記ワイヤ11を曲げて形成されている。
詳細には、医療用ガイドワイヤ10は、近位端部から医療用ガイドワイヤ10の軸線に沿って形成されたワイヤ基部14を備えているとともに、当該ワイヤ基部14から第2曲げ部としての近位側曲げ部15と第1曲げ部としての遠位側曲げ部16とを介して、近位側に戻る戻り領域17へと続いている。
なお、ワイヤ基部14は直線状又は略直線状に形成されているが、医療用ガイドワイヤ10の保管状態によっては若干曲線状となっているものもある。また、医療用ガイドワイヤ10は上記のように近位側曲げ部15及び遠位側曲げ部16という複数の曲げ部を有しているが、全体は同一平面に含まれている又は概ね含まれている。
近位側曲げ部15は、ワイヤ基部14と遠位側曲げ部16との間の領域18(以下、中間領域18という)が、ワイヤ基部14の仮想的な延長線Eを基準として遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側に迂回した形状となるように形成されている。また、中間領域18は、遠位側曲げ部16に向かうほど上記延長線Eから離間される方向に延びるよう、すなわち遠位端へ向かうほど遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側へ遠ざかるように直線状に形成されている。このように近位側曲げ部15及び中間領域18が形成されていることにより、遠位側曲げ部16の中間領域18側の端部(曲げ開始位置)が上記延長線Eから遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側に離間された位置にある。
ちなみに、近位側曲げ部15は、ワイヤ基部14(又は上記延長線E)に対する中間領域18の角度αが150度となるように形成されている。但し、これに限定されることはなく、角度αは90度より大きく180度より小さければよく、140度以上170度以下の範囲であることが好ましい。
遠位側曲げ部16は、その途中位置に医療用ガイドワイヤ10の遠位端頂部19が生じるようにU字状に形成されている。つまり、遠位端頂部19及びその周辺において遠位側に膨らんだ滑らかな凸形が形成されるように遠位側曲げ部16が形成されている。
ここで、上記のとおり近位側曲げ部15が形成されていることにより、遠位側曲げ部16は上記延長線Eを基準として当該遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側に傾斜している。詳細には、遠位側曲げ部16の中間領域18側の端部は延長線Eから当該遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側に離間された位置にあり、さらに遠位端頂部19が延長線Eから遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側に離間された位置にある。また、遠位側曲げ部16の戻り領域17側の端部(曲げ終了位置)は、中間領域18、遠位側曲げ部16の中間領域18側の端部及び遠位端頂部19に対して延長線Eを挟んだ反対側に位置している。この位置から近位側に戻るように戻り領域(所定領域)17が形成されている。
戻り領域17は、先端である自由端側ほど上記延長線Eから遠ざかるように、すなわち近位側に向かうほど延長線Eから離間される方向に延びるよう直線状に形成されている。また、上記のとおり遠位側曲げ部16の戻り領域17側の端部は中間領域18に対して延長線Eを挟んだ反対側に位置しているため、戻り領域17はその全体が中間領域18に対して延長線Eを挟んだ反対側に位置している。なお、延長線Eに対する戻り領域17の角度βは鋭角であれば任意である。
戻り領域17の長さ寸法L1は、中間領域18の長さ寸法L2と略同一となっている。具体的には、これら長さ寸法L1,L2は、5.0mm以上7.0mm以下の範囲における所定の長さ寸法に設定されている。また、軸線Lから戻り領域17の自由端までの距離L3は5.5mmとなっているのに対して、軸線Lから中間領域18側に離間された最大の距離L4は3.7mmとなっている。つまり、距離L3>距離L4となっている。但し、これに限定されることはなく、距離L3を3.0mm以上6.0mm以下の範囲における所定の距離としてもよく、距離L4を2.0mm以上4.0mm以下の範囲における所定の距離としてもよい。
ちなみに、上記形状に形成することができるのであれば、医療用ガイドワイヤ10の製造方法は任意であるが、例えばワイヤ11を形成した後に、型内で熱をかけて近位側曲げ部15及び遠位側曲げ部16の形状付けを行うことにより、医療用ガイドワイヤ10を製造することができる。
次に、医療用ガイドワイヤ10をカテーテル31内に挿入する場合の様子について、従来のJ型の医療用ガイドワイヤ20と比較しながら説明する。図2(a)は本医療用ガイドワイヤ10の挿入の様子を説明するための説明図、図2(b)は従来の医療用ガイドワイヤ20の挿入の様子を説明するための説明図である。
従来の医療用ガイドワイヤ20は、図2(b)に示すように、遠位端頂部21から近位側に戻る戻り領域22が形成されているが、当該戻り領域22はワイヤ基部23と平行となるように形成されている。そして、当該戻り領域22とワイヤ基部23との間の距離は比較的狭くなっている。この場合に、医療用ガイドワイヤ20をカテーテル31内に挿入する場合、戻り領域22を遠位端側に伸ばし、その伸ばした最先端からカテーテル31内に挿入することとなるが、上記のとおり、戻り領域22とワイヤ基部23との間の距離が比較的狭くなっているため、当該挿入作業を行いづらい、又は戻り領域22を遠位端側に伸ばすための補助具としてインサータを必要とする。さらには、そのインサータへの挿入作業も行いづらい。
これに対して、本医療用ガイドワイヤ10は、既に説明したように、戻り領域17の全体と中間領域18の全体とが延長線Eを挟んでそれぞれ反対側に位置しているとともに、戻り領域17は近位側に向かうほど延長線Eから離間される方向に延びるように直線状に形成されている。したがって、図2(a)に示すように、戻り領域17は、当該戻り領域17と対向する中間領域18との間の距離が比較的広く確保されているため、戻り領域17を遠位端側に伸ばす作業を行うことなく、カテーテル31内に挿入していくことができる。また、戻り領域17を遠位端側に伸ばす作業を行うとしても、伸ばすためのインサータなどを用いることなく、容易に当該作業を行うことができる。また、仮に、インサータを用いる場合であっても当該インサータへの挿入作業を容易に行うことができる。よって、本医療用ガイドワイヤ10によれば、従来の医療用ガイドワイヤ20に比べ、カテーテル31内への挿入作業を容易に行うことができる。なお、挿入作業の容易性は、カテーテル31に限定されることはなく、導入針や、シースに挿入する場合においても同様である。
次に、医療用ガイドワイヤ10の血管32内での復元性について、従来のJ型の医療用ガイドワイヤ20と比較しながら説明する。図3(a)は本医療用ガイドワイヤ10の血管32内での復元性を説明するための説明図、図3(b)は従来の医療用ガイドワイヤ20の血管32内での復元性を説明するための説明図である。
ここで、医療用ガイドワイヤ10,20を心臓等の診断又は治療対象箇所に挿入する場合、戻り領域17,22を遠位端側に伸ばした状態で、上腕や手首等における細い血管33に挿入される。そして、医療用ガイドワイヤ10,20は、戻り領域17,22の自由端が細い血管33の血管壁34に押し付けられた状態が維持されながら細い血管33内を進み、診断又は治療対象箇所に近付くことで太い血管35内に挿入される。
この場合に、従来の医療用ガイドワイヤ20は、図3(b)に示すように、細い血管33から太い血管35内に挿入されたとしても、戻り領域22の自由端が血管壁34に押し付けられた状態が解除されにくく戻り領域22が近位側に戻った自然状態への復元性が悪かった。そうすると、戻り領域22を設けた効果が十分に発揮されなくなってしまう。
これに対して、本医療用ガイドワイヤ10は、既に説明したように、中間領域18が遠位側曲げ部16に向かうほど延長線Eから離間される方向に延びる直線状となるように近位側曲げ部15が形成されており、これにより、遠位側曲げ部16の中間領域18側の端部が上記延長線Eから遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側に離間された位置にある。したがって、図3(a)に示すように、細い血管33から太い血管35内に挿入された場合に、近位側曲げ部15によって、遠位側曲げ部16の中間領域18側の端部に対して遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側に移動させるようにする力が加えられる。特に、中間領域18は、上記のとおり、遠位側曲げ部16に向かうほど延長線Eから離間される方向に延びるよう直線状に形成されているため、上記力は強くなる。そうすると、戻り領域17に対して血管壁34から離間させる方向に引っ張る力が加えられることとなる。そして、太い血管35内を進んでいく過程で、上記力により、戻り領域17の自由端が血管壁34に押し付けられた状態から解除され易く、戻り領域17が近位側に戻った自然状態へ復帰し易くなっている。よって、本医療用ガイドワイヤ10によれば、従来の医療用ガイドワイヤ20に比べ、血管内での復元性が高められている。
次に、医療用ガイドワイヤ10を目標とする分岐血管36へ導入する場合の様子について、従来のJ型の医療用ガイドワイヤ20と比較しながら説明する。図4は本医療用ガイドワイヤ10の導入の様子を説明するための説明図、図5は従来の医療用ガイドワイヤ20の導入の様子を説明するための説明図である。
従来の医療用ガイドワイヤ20では、図5(a),(b)に示すように、目標とする分岐血管36へ導入しようとする場合、医療用ガイドワイヤ20の軸線を回転軸としていずれの向きに回転させたとしても、医療用ガイドワイヤ20の遠位端頂部21を分岐血管36の血管壁に容易に当てることはできない。医療用ガイドワイヤ20を目標とする分岐血管36に導入するためには、遠位端頂部21を分岐血管36の血管壁に当てて、近位端側から伝達されてくる挿入方向の力を分岐血管36側に向けさせる必要があるが、従来の医療用ガイドワイヤ20においては上記のとおりそれを容易に行うことができず、目標とする分岐血管36への導入性が悪かった。
これに対して、本医療用ガイドワイヤ10は、既に説明したように、近位側曲げ部15の曲げ量に起因して、遠位側曲げ部16の中間領域18側の端部が延長線Eから当該遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側に離間された位置にあり、さらに医療用ガイドワイヤ10の遠位端頂部19が延長線Eから遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側に離間された位置となるように遠位側曲げ部16が形成されている。したがって、図4(a)に示すように、中間領域18側が目標とする分岐血管36側を向くように医療用ガイドワイヤ10を挿入していくことで、図4(b)に示すように、医療用ガイドワイヤ10の遠位端頂部19を目標とする分岐血管36の血管壁に容易に当てることができる。そうすると、近位端側から伝達されてくる挿入方向の力を分岐血管36側に向けさせることができ、図4(c)に示すように、医療用ガイドワイヤ10を目標とする分岐血管36へ容易に導入することができる。よって、本医療用ガイドワイヤ10によれば、従来の医療用ガイドワイヤ20に比べ、目標とする分岐血管36への導入性が高められている。
次に、医療用ガイドワイヤ10を目標としない分岐血管(側枝)37へ導入しないようにする場合の様子について、従来のJ型の医療用ガイドワイヤ20と比較しながら説明する。図6は本医療用ガイドワイヤ10について、目標としない分岐血管37へ導入されない様子を説明するための説明図、図7は従来の医療用ガイドワイヤ20について、目標としない分岐血管37へ導入されてしまう様子を説明するための説明図である。
従来の医療用ガイドワイヤ20では、図7(a)に示すように、細い血管38を、戻り領域22を遠位端側に伸ばした状態で進んでいる場合、図7(b)に示すように、戻り領域22の自由端が目標としない分岐血管37に入り込んでしまうことがある。この場合、医療用ガイドワイヤ20は戻り領域22の自由端が近位側に戻った状態に復元され難く、図7(c)に示すように、目標としない分岐血管37を進入していってしまう。
これに対して、本医療用ガイドワイヤ10は、既に説明したように、近位側曲げ部15によって、遠位側曲げ部16の中間領域18側の端部が上記延長線Eから遠位側曲げ部16の曲がり側とは逆側に離間された位置にあるため、戻り領域17を遠位端側に伸ばした状態からの復元性が高められている。したがって、図6(a)に示すように、戻り領域17を遠位端側に伸ばした状態で細い血管38を進んできたとしても、図6(b)に示すように、目標としない分岐血管37に戻り領域17の自由端が入り込んだ状態において戻り領域17の自由端が近位側に戻った状態に復元し易い。
また、本医療用ガイドワイヤ10は、既に説明したように、医療用ガイドワイヤ10の遠位端頂部19が延長線Eから遠位側曲げ部16の曲がり側とは離間された位置となるように遠位側曲げ部16が形成されていることにより、図6(b)に示すように、医療用ガイドワイヤ10の遠位端頂部19が目標としない分岐血管37の血管壁に当たっておらず、目標とする血管側を向いている。したがって、近位端側から伝達されてくる挿入方向の力が目標としない分岐血管37側に向くことはなく、図6(c)に示すように、目標としない分岐血管37を進んでいってしまうことを防止することができる。
ちなみに、医療用ガイドワイヤ10の軸線を回転軸として図6(a)の状態から180度回転した状態で細い血管38を進んできた場合、目標としない分岐血管37側に導かれてしまうことがある。しかしながら、この場合、戻り領域17の自由端を先頭として目標としない分岐血管37を進んでいくのではなく、滑らかな曲線状に形成された遠位側曲げ部16を先頭として目標としない分岐血管37を進んでいくこととなるため、当該分岐血管37が損傷しないようにすることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記のとおり近位側曲げ部15、遠位側曲げ部16、戻り領域17及び中間領域18が形成されていることにより、既に説明したように、医療用ガイドワイヤ10をカテーテル31内へ挿入する場合の挿入作業を容易に行うことができ、血管内での復元性を高めることができる。さらには、既に説明したように、目標とする分岐血管への導入性を高めることができるとともに、目標としない分岐血管へ入り込んでしまう可能性を低減することができる。
本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
(1)医療用ガイドワイヤの形状を図8(a)のように変更してもよい。図8(a)に示す医療用ガイドワイヤ40は、上記医療用ガイドワイヤ10と異なり、戻り領域41の全体が延長線Eを基準として中間領域42側に位置するように遠位側曲げ部43が形成されている。この場合、戻り領域41の自由端と中間領域42との間の距離が短くなるため、カテーテル内への挿入作業の作業性が低下してしまうおそれがあるものの、血管内での復元性を高めることができる。
(2)医療用ガイドワイヤの形状を図8(b)のように変更してもよい。図8(b)に示す医療用ガイドワイヤ50は、上記医療用ガイドワイヤ10と異なり、戻り領域51の自由端に滑らかな曲線状の返し部52が形成されている。この場合、戻り領域51の自由端が血管壁に当たる場合、滑らかな曲線状の返し部52が当たることとなり、血管壁への負担を低減することができる。
(3)医療用ガイドワイヤの形状を図8(c)のように変更してもよい。図8(c)に示す医療用ガイドワイヤ60は、上記医療用ガイドワイヤ10と異なり、遠位端部61が延長線Eから遠位側曲げ部62の曲がり側に離間された位置となるように遠位側曲げ部62が形成されている。この場合、上記医療用ガイドワイヤ10に比べ、目標とする分岐血管への導入性が低下するとともに、目標としない分岐血管へ入り込み易くなってしまう。但し、中間領域63が延長線Eを基準として遠位側曲げ部62の曲がり側とは逆側に迂回した形状となるように近位側曲げ部64が形成されており、遠位側曲げ部62の中間領域63側の端部が上記延長線Eから遠位側曲げ部62の曲がり側とは逆側に離間された位置にあるため、従来のJ型の医療用ガイドワイヤに比べ、血管内での復元性は高めることができる。また、戻り領域65の全体と中間領域63の全体とが延長線Eを挟んでそれぞれ反対側に位置しているとともに、戻り領域65は近位側に向かうほど延長線Eから離間される方向に延びるように直線状に形成されているため、従来のJ型の医療用ガイドワイヤに比べ、医療用ガイドワイヤ60をカテーテル内へ挿入する場合の挿入作業を容易に行うことができる。
なお、上記のように近位側曲げ部64が形成されていることにより、上記実施の形態における医療用ガイドワイヤ10ほどではないが、従来のJ型の医療用ガイドワイヤに比べれば、上記のとおり血管内での復元性が高められているため、目標とする分岐血管への導入性を高めることができるとともに、目標としない分岐血管へ入り込んでしまう可能性を低減することができる。
(4)医療用ガイドワイヤの形状を図8(d)のように変更してもよい。図8(d)に示す医療用ガイドワイヤ70は、上記医療用ガイドワイヤ10と異なり、近位側曲げ部71と遠位側曲げ部72との間に中間領域が存在していない。つまり、近位側曲げ部71は遠位側曲げ部72の曲がり側とは逆側に湾曲させて形成されており、近位側曲げ部71の曲げ終了位置と遠位側曲げ部72の曲げ開始位置とが同じ位置となっている(すなわち、変曲点73が存在している)。本医療用ガイドワイヤ70であっても、上記実施の形態における医療用ガイドワイヤ10と同様の効果を得ることができる。
(5)医療用ガイドワイヤ10を形成するワイヤ11は、内外2重構造である必要はなく、内外3重構造などであってもよい。また、上記実施の形態における医療用ガイドワイヤ10は主として血管内を通されて、例えば冠状動脈、大腿動脈、肺動脈などの血管を治療等する際に用いられるが、血管以外の尿管や消化管などの生体内の「管」や、「体腔」にも適用可能である。
(a)医療用ガイドワイヤの概略全体側面図、(b)図1(a)の領域Cにおける縦断面図。 (a)カテーテルへの挿入の様子を説明するための説明図、(b)従来の医療用ガイドワイヤのカテーテルへの挿入の様子を説明するための説明図。 (a)医療用ガイドワイヤの血管内での復元性を説明するための説明図、(b)従来の医療用ガイドワイヤの血管内での復元性を説明するための説明図。 (a)〜(c)目標とする分岐血管への導入の様子を説明するための説明図。 (a),(b)従来の医療用ガイドワイヤの導入の様子を説明するための説明図。 (a)〜(c)目標としない分岐血管へ導入されない様子を説明するための説明図。 (a)〜(c)従来の医療用ガイドワイヤにおいて目標としない分岐血管へ導入されてしまう様子を説明するための説明図。 (a)〜(d)別の医療用ガイドワイヤを説明するための説明図。 (a),(b)背景技術及び課題を説明するための説明図。
符号の説明
10…医療用ガイドワイヤ、11…ワイヤ、14…ワイヤ基部、15…近位側曲げ部、16…遠位側曲げ部、17…戻り領域、18…中間領域、19…遠位端部、40…医療用ガイドワイヤ、50…医療用ガイドワイヤ、60…医療用ガイドワイヤ、70…医療用ガイドワイヤ。

Claims (3)

  1. 先端から所定長さ分を、ワイヤ基部の延びる方向に対して一側へ向けて湾曲させることにより、ガイドワイヤ全体としての遠位端が滑らかな凸形となって当該凸形の遠位端頂部よりも先端側が近位端側へ戻るように形成された第1曲げ部と、
    当該第1曲げ部よりも近位端側を前記ワイヤ基部の延びる方向に対して前記一側とは反対側となる他側へ向けて曲げることにより、前記第1曲げ部を当該他側へ傾斜させる第2曲げ部と、を備え、
    前記第2曲げ部の前記他側への曲げ量に起因して、前記第1曲げ部の前記遠位端頂部が、前記他側に配置されており、
    前記第1曲げ部の先端部から近位側へ戻るように直線状に形成され、かつ、前記一側に配置された先端を含む戻り領域と、
    前記ワイヤ基部と前記第1曲げ部との間の領域であってかつ直線状の中間領域と、
    を備え、
    前記戻り領域の長さL1と前記中間領域の長さL2とはそれぞれ5.0mm以上7.0mm以下の範囲の寸法となっており、
    前記ワイヤ基部の仮想的な延長線Eから前記戻り領域の前記先端までの距離L3は、前記延長線Eに対する前記ガイドワイヤの前記中間領域側への最大離間距離L4よりも大きくなっており、
    前記第2曲げ部は、前記ワイヤ基部に対する前記中間領域の角度αが140度以上170度以下の範囲となるように形成されていることを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
  2. 前記遠位端頂部よりも先端側の少なくとも一部でありかつ先端を含む所定領域が、前記一側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
  3. 前記所定領域は、先端である自由端側ほど前記一側へ遠ざかるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の医療用ガイドワイヤ。
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