JP5296864B2 - フルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料 - Google Patents

フルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料 Download PDF

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Description

本発明は、十分な強度のフルーツ様香気を発酵麦芽飲料に安定的に付与し得る発酵麦芽飲料の製造方法、及び、十分な強度のフルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料に関する。
ホップは、ビールなどの発酵アルコール麦芽飲料に爽快な苦味と香りを付与することが知られている。ホップに由来する香りはビールのキャラクター形成に大きな影響を与えている。ホップ由来の香気の特徴を表現する言葉として、フローラル、スパイシー、シトラス、フルーティー、ホッピー、マスカット等が一般的に用いられている(非特許文献1〜5など参照)。
前述のフルーティーとも表現されるフルーツ様香気は、例えばライチ様やマスカット様、あるいはマンゴー様といった言葉で例えられる。かかるフルーツ様香気をビールに付与するために、アメリカ産のカスケード種やニュージーランド産のマチュエカ種などのホップが用いられている。しかし、その品種の同じロットのホップを同量で使用した場合でも、最終製品において感知されるフルーツ様香気の強度にばらつきがみられる場合があり、このフルーツ様香気を適切な強度にコントロールすることは困難であった。
Comparison of the Odor-Active Compounds in Unhopped Beer and Beers Hopped with Different Hop Varieties;Toru Kishimoto, Akira Wanikawa, Katsunori Kono, and Kazunori Shibata;J. Agric. Food Chem., 54, 8855-8861, 2006 Comparison of Odor-Active Compounds in the Spicy Fraction of Hop (Humulus lupulus L.) Essential Oil from Four Different Varieties;Graham T. Eyres, Philip J. Marriott, and Jean-Pierre Dufour;J. Agric. Food Chem., 55, 6252-6261, 2007 Hop Aroma in American Beer;Val E. Peacock, Max L. Deinzer, Lois A. McGill, and Ronald E. Wrolstad;J. Agric. Food Chem., 28, 774-777, 1980 Aging of Hops and Their Contribution to Beer Flavor;Kai C. Lam, Robert T. Foster 11, and Max L. Deinzer;J. Agric. Food Chem, 34, 763-770, 1986 Floral Hop Aroma in Beer;Val E. Peacock, Max L. Deinzer, Sam T. Likens, Gail B. Nickerson, and Lois A. McGill;J. Agric. Food Chem., 29, 1265-1269, 1981
上述のとおり、全く同じホップを用いてビールを醸造した場合でも、最終製品におけるフルーツ様香気の強度にばらつきがみられ、かかる香気を適切な強度にコントロールすることが困難であるという課題を抱えていた。本発明は、このような課題を解決しようとするものであり、より具体的には、十分な強度のフルーツ様香気を発酵麦芽飲料に安定的に付与し得る発酵麦芽飲料の製造方法、及び、十分な強度のフルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料を提供することにある。
本発明者らは、上述の状況において、発酵麦芽飲料を製造する際に生成する主発酵由来の発酵生成物に着目し、ホップ由来のフルーツ様香気と発酵生成物由来の香気との相互作用により、かかるフルーツ様香気の感知強度が変動することを見いだした。また、本発明者らはさらに研究を進めた結果、発酵生成物のうち1−ヘプタノールなどの高級アルコール類がフルーツ様香気をマスキングする効果が特に高いことを見いだした。さらに、本発明者らは、主発酵条件などの製造条件をコントロールして、飲料中のホップ由来フルーツ様香気成分の含量、及び、前記フルーツ様香気成分をマスキングする発酵生成物の含量を、前記発酵生成物の含量に対する前記フルーツ様香気成分の比率が増大するように、より好適には、飲料中の1−ヘプタノール濃度の値(ppb)に対するリナロール濃度の値(ppb)比率が3.3以上になるように調整することによって、十分な強度のフルーツ様香気を発酵麦芽飲料に安定的に付与し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
(1)ホップを用いた発酵麦芽飲料の製造において、飲料中のリナロールの含量及び1−ヘプタノールの含量が、以下の(Y)の条件を充足するように調整することを特徴とする、フルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料の製造方法:
(Y)1−ヘプタノール濃度の値(ppb)に対するリナロール濃度の値(ppb)の比率が3.3以上である:や、
(2)(Y)の条件における比率が3.6以上である、上記(1)に記載の発酵麦芽飲料の製造方法や、
(3)(Y)の条件を充足するように調整することが、ホップとして、アメリカ産のカスケード種のホップと、ニュージーランド産のマチュエカ種のホップを併用することを含む、上記(1)又は(2)に記載の発酵麦芽飲料の製造方法に関する。
また、本発明は、
)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の発酵麦芽飲料の製造方法により製造される発酵麦芽飲料や、
)ホップを用いた発酵麦芽飲料において、飲料中のリナロールの含量及び1−ヘプタノールの含量が、以下の(Y)の条件を充足するように調製されていることを特徴とする、フルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料:
(Y)1−ヘプタノール濃度の値(ppb)に対するリナロール濃度の値(ppb)の比率が3.3以上である:や、
(6)(Y)の条件における比率が3.6以上である、上記(5)に記載の発酵麦芽飲料や、
(7)(Y)の条件を充足するように調製することが、ホップとして、アメリカ産のカスケード種のホップと、ニュージーランド産のマチュエカ種のホップを併用することを含む、上記(5)又は(6)に記載の発酵麦芽飲料に関する。
本発明によれば、発酵麦芽飲料に十分な強度のフルーツ様香気を安定的に付与することができる。また、本発明により付与されるフルーツ様香気は好適なフルーツ様香気であり、かかる好適なフルーツ様香気は、従来の発酵麦芽飲料にはなかった香気である。
フルーツ香スコアと、リナロール/1−ヘプタノール比率との関係を示す図である。
1.フルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料の製造方法
本発明のフルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」と表示する。)は、ホップを用いた発酵麦芽飲料の製造において、飲料中のホップ由来フルーツ様香気成分の含量、及び、前記フルーツ様香気成分をマスキングする発酵生成物の含量を、前記発酵生成物の含量に対する前記フルーツ様香気成分の比率(以下、「比率B」とも表示する。)が増大するように調整することを特徴とし、より好適には、ホップを用いた発酵麦芽飲料の製造において、飲料中のリナロールの含量及び1−ヘプタノールの含量が、以下の(Y)の条件(以下、「条件Y」とも表示する。)を充足するように調整することを特徴とする。
(Y)1−ヘプタノール濃度の値(ppb)に対するリナロール濃度の値(ppb)の比率(以下、「比率Y」とも表示する。)が3.3以上である:
詳細なメカニズムは不明であるが、飲料中のホップ由来フルーツ様香気成分の含量、及び、前記フルーツ様香気成分をマスキングする発酵生成物の含量を、前記発酵生成物の含量に対する前記フルーツ様香気成分の比率が増大するように(より好適には上記比率Yが3.3以上となるように)調整すると、発酵麦芽飲料に十分な強度のフルーツ様香気を安定的に付与することができ、その結果、十分な強度のフルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料を製造することができる。
本明細書における「フルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料」は、「十分な強度のフルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料」と同義であり、かかる発酵麦芽飲料には、4名のパネルがフルーツ様香気の強度(フルーツ香強度)を1(弱い)〜5(強い)の5段階のスコアで表現した場合に、それら4名のスコアの平均値(フルーツ香スコア)が2.0以上、好ましくは2.5以上である発酵麦芽飲料が含まれる。また、本明細書における「フルーツ様香気」としては、ホップ由来のフルーツ様香気である限り特に制限されないが、爽快でみずみずしいフルーツ様香気を好適に例示することができ、中でも、マスカット様香気をより好適に例示することができる。
本明細書における「発酵麦芽飲料」とは、炭素源、窒素源および水などを原料として酵母により発酵させた飲料であって、原料として少なくとも麦芽を使用した飲料を意味する。麦芽使用比率が重量比で3分の2以上の「発酵麦芽飲料」としてはビールが挙げられ、麦芽使用比率が重量比で3分の2未満の「発酵麦芽飲料」としては、原料として少なくとも麦芽を使用する発泡酒、リキュール(例えば、酒税法上、「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)が挙げられる。なお、上記の「麦芽使用比率」とは、発酵麦芽飲料の原料のうち、水及びホップを除いた原料の総重量に占める麦芽の重量の比率を意味する。
上記のホップ由来フルーツ様香気成分としては、ホップ由来フルーツ様香気成分である限り特に制限されないが、リナロールを好適に例示することができる。また、上記のフルーツ様香気成分をマスキングする発酵生成物としては、フルーツ様香気成分をマスキングする発酵生成物である限り特に制限されないが、フルーツ様香気成分に対するマスキング作用の強さやフルーツ香スコアとの相関関係の強さから、1−ヘプタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノールを好適に例示することができ、中でも、1−ヘプタノール、1−ヘキサノールをより好適に例示することができ、中でも、1−ヘプタノールを特に好適に例示することができる。なお、上記のホップ由来フルーツ様香気成分は1種類だけ用いてもよいし、2種類以上を併用してもよく、上記のフルーツ様香気成分をマスキングする発酵生成物は1種類だけ用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本明細書における「フルーツ様香気成分をマスキングする発酵生成物」とは、ホップ由来フルーツ様香気成分を有する発酵麦芽飲料に、その発酵生成物を添加したときに、その発酵麦芽飲料におけるフルーツ様香気の強度が低下する発酵生成物を意味する。ある発酵生成物が、フルーツ様香気成分をマスキングする発酵生成物であるかどうかは、例えば後述の実施例2記載の香料添加試験のように、フルーツ様香気が感じられる試飲用貯酒サンプルにその発酵生成物を添加することによって、そのフルーツ様香気の強度が低下するかどうかを調べることによって容易に確認することができる。
上記の比率Bや比率Yにおける含量(濃度)の値には、ガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー(以下、「GC/MS」とも表示する。)で分析・測定した値を好適に用いることができる。かかるGC/MSとしては、市販の装置であれば問題なく使用可能である。
GC/MSによる分析・測定方法としては、GC/MSの公知の分析・測定方法を用いることができるが、中でも、ボルネオール(Borneol)を内部標準物質とした分析・測定方法を好適に例示することができ、中でも、後述の表3に記載した条件を用いた分析・測定方法をより好適に例示することができる。また、発酵麦芽飲料中の各成分をGC/MSで分析・測定する際には、かかる発酵麦芽飲料を固相カラムで抽出した香気成分をGC/MSに供することを好適に例示することができ、かかる固相カラムとしては、C18固相カラムを特に好適に例示することができる。
本発明において、発酵麦芽飲料中のホップ由来フルーツ様香気成分(好ましくはリナロール)の含量や、発酵麦芽飲料中のフルーツ様香気成分をマスキングする発酵生成物(好ましくは1−ヘプタノール)の含量をGC/MSで分析・測定する際の特に好適な方法は以下のとおりである。発酵麦芽飲料中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、それをGC/MSに供する。成分の定量には内部標準法を用い、内部標準物質としてボルネオール(Borneol)を試料中25ppbになるよう添加する。分析条件として、後述の表3の条件を用いる。
本発明の製造方法において、上記の比率Bが増大するように調整する方法や、上記比率Yが3.3以上となるように調整する方法としては、特に制限されないが、用いるホップの種類、添加量、原料液中でのホップの煮沸時間等のホップ関連条件や、発酵温度、酵母添加数等の主発酵条件などの製造条件を選択することにより、上記の比率Bを増大するように、あるいは、上記比率Yが3.3以上となるように調整する方法を好適に例示することができる。どのような製造条件を選択することにより、上記の比率Bが増大するように、あるいは、上記比率Yが3.3以上となるように調整し得るかは、上記のホップ関連条件や主発酵条件などの製造条件を適宜調整することにより、当業者であれば容易に理解することができる。
上記の比率Bが増大するような製造条件、あるいは、上記比率Yが3.3以上となるような製造条件は、例えば以下のような試飲用貯酒サンプルを調製し、その試飲用貯酒サンプル中のホップ由来フルーツ様香気成分(好ましくはリナロール)の含量、及び、フルーツ様香気成分をマスキングする発酵生成物(好ましくは1−ヘプタノール)の含量をGC/MSで分析・測定し、その測定値から算出した上記比率Bや上記比率Yの値を指標とすることで、検討及び選択することができる。
[試飲用貯酒サンプルの調製]
まず、2000Lスケールの試醸設備にて、糖化工程、麦汁濾過工程、麦汁煮沸工程を経て、仕込麦汁糖度14度に調整した仕込麦汁(仕込時の麦芽使用比率50%、副原料(液糖、大麦)使用比率50%)を調製することができる。ホップは例えばアメリカ産カスケード種(ホップ添加量0.92g/L)及びニュージーランド産マチュエカ種(ホップ添加量0.21g/L)を併用することができるが、他の品種のホップを添加量や煮沸時間を変化させた条件とすることもできる。この仕込麦汁を冷却し、冷麦汁サンプルを得ることができる。冷麦汁サンプルを20Lずつ各発酵試験タンクに投入し、例えば発酵温度、酵母添加数などを様々に変更した条件で主発酵を行うことができる。その後、各サンプルを急冷し、−1℃にて4日間以上貯蔵保管したサンプルを試飲用貯酒サンプルとすることができる。
本発明の製造方法は、飲料中の上記比率Bが増大するように調整する、より好適には、飲料中の上記比率Yが3.3以上となるように調整すること以外は、ホップを用いた発酵麦芽飲料の従来の製法と特に異なることはない。本発明に用いるホップの種類としては、本発明の発酵麦芽飲料の製造に用い得るものである限り特に制限されないが、より強いフルーツ様香気を得る観点から、リナロールを高含有するホップ種を好適に例示することができ、中でも、カスケード種やマチュエカ種のホップをより好適に例示することができ、中でも、カスケード種とマチュエカ種のホップを併用することをさらに好適に例示することができ、上記カスケード種としてはアメリカ産カスケード種を、上記マチュエカ種としてはニュージーランド産マチュエカ種を特に好適に例示することができる。本発明の製造方法において用いるホップは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。なお、本明細書におけるホップには、ホップ抽出物やホップ精油等のホップ成分含有物も含まれる。
2.フルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料
本発明のフルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料(以下、単に「本発明の発酵麦芽飲料」とも表示する。)には、(a)前述の本発明の製造方法により製造される発酵麦芽飲料や、(b)ホップを用いた発酵麦芽飲料において、飲料中のリナロールの含量及び1−ヘプタノールの含量が、上記条件Yを充足するように調製されていることを特徴とする発酵麦芽飲料が含まれる。詳細なメカニズムは不明であるが、本発明の製造方法により製造されるか、又は、上記条件Yを充足するように調製されている発酵麦芽飲料は、十分な強度のフルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料となる。
本発明の発酵麦芽飲料において、上記条件Yを充足するように(上記比率Yが3.3以上となるように)調製する方法としては、特に制限されないが、用いるホップの種類、添加量、原料液中でのホップの煮沸時間等のホップ関連条件や、発酵温度、酵母添加数等の主発酵条件などの製造条件を選択することにより、上記比率Yが3.3以上となるように調製する方法を好適に例示することができる。どのような製造条件を選択することにより、上記比率Yが3.3以上となるように調製し得るかは、上記のホップ関連条件や主発酵条件などの製造条件を適宜調整することにより、当業者であれば容易に理解することができる。なお、本発明の発酵麦芽飲料は、上記比率Yが3.3以上となるように調製されている限り、さらに香料等が添加されていてもよい。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[フルーツ様香気と発酵由来成分の関係]
フルーツ様香気と発酵由来成分の関係を調べるために、ホップ配合の条件は変化させず、主発酵条件を変化させて調製した試飲用貯酒サンプルのうち、フルーツ様香気の強いサンプル(サンプルc:フルーツ香スコア3)と、フルーツ様香気の弱いサンプル(サンプルd:フルーツ香スコア1)について、GC/MSやGC/FIDにて成分の網羅分析を実施して比較した。サンプルc中の含量を1としたときの、サンプルdの相対成分比を表1に示す。なお、試飲用貯酒サンプルのフルーツ様香気の強度(フルーツ香強度)の評価法や、試飲用貯酒サンプルの調製法や、成分の分析方法は、後述の実施例3で用いたのと同様の方法を用いた。
Figure 0005296864
表1の香気成分のうち、リナロールがホップ由来香気成分であり、酢酸エチル、酢酸イソアミル、1−オクタノール、1−ヘプタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノールが発酵生成物である。リナロールはホップ感強度と相関関係を示すことが知られている。表1の結果から分かるように、サンプルdでは、サンプルcと比較して、ホップ由来香気成分はほぼ同等であるのに対し、酢酸イソアミルといったエステル類が少なく、1−オクタノールや1−ペンタノールなどの直鎖の高級アルコール類の含量が多いことが確認された。このことから、フルーツ様香気の強度は、ホップ由来成分の含量のみによって決まるのではなく、発酵生成物由来の香気の影響を受けること、及び、その発酵生成物由来の香気によって、フルーツ様香気の感知強度が変動することが考えられた。
[香料添加試験]
上記実施例1の結果から、高級アルコール類などの発酵生成由来物がフルーツ様香気を弱める(マスキングする)関係があることが示唆された。そこで、どのような種類の発酵生成物がフルーツ様香気をマスキングするのかを調べるため、各種のエステル類成分や高級アルコール類を、フルーツ様香気が感じられる試飲用貯酒サンプルに添加し、フルーツ様香気の強度を確認した。その結果を表2に示す。
Figure 0005296864
表2の結果から分かるように、フルーツ様香気とは異質な香気を有する各種のエステル類や高級アルコール類の中には、添加によってフルーツ様香気をマスキングする傾向があるものが存在することが示された。すなわち、酢酸エチル、酢酸イソアミル、カプロン酸エチル、2−フェネチルアセテートといった各種エステル類はフルーツ様香気に影響を与えなかったが、1−オクタノール、1−ヘプタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノールといった高級アルコール類はフルーツ様香気を明確にマスキングする作用を有していた。
[フルーツ様香気強度の官能評価と関連した成分指標の検討]
実施例1及び2の結果から、発酵生成物中の高級アルコール類がフルーツ様香気強度を弱めることが推測されたため、試飲用貯酒サンプルを実際に製造して、高級アルコール類とフルーツ香強度との関係を調査することとした。そのために、試飲用貯酒サンプルを調製し、そのサンプルについて官能評価及び成分分析を行った。具体的には、以下の(1)〜(3)のような方法で行った。
(1)試飲用貯酒サンプルの調製
まず、2000Lスケールの試醸設備にて、通常のビールの製法にしたがって、糖化工程、麦汁濾過工程、麦汁煮沸工程を経て、仕込麦汁糖度14度に調整した仕込麦汁(仕込時の麦芽使用比率50%、副原料(液糖、大麦)使用比率50%)を調製した。ホップはアメリカ産カスケード種(ホップ添加量0.92g/L)及びニュージーランド産マチュエカ種(ホップ添加量0.21g/L)を併用した。この仕込麦汁を冷却し、冷麦汁サンプルを得た。冷麦汁サンプルを20Lずつ各発酵試験タンクに投入し、発酵温度、酵母添加数を後述の表4記載のように各々変更した条件で主発酵を行った。その後、各サンプルを急冷し、−1℃にて4日間以上貯蔵保管したサンプルを試飲用貯酒サンプルとした。
(2)試飲用貯酒サンプルの官能評価
上記の(1)で得られた各試飲用貯酒サンプルのフルーツ様香気強度(フルーツ香強度)について官能評価を行った。官能評価は、十分に訓練された4名のパネルが試飲用貯酒サンプルを試飲し、フルーツ香強度を1(弱い)〜5(強い)の5段階のスコアで評価することにより行った。それらの4名のスコアの平均値をフルーツ香スコアとして評価に用いた。なお、フルーツ香スコアが2.5以上の場合はフルーツ香強度が高いことを示し、2.0以上の場合はそれよりはやや弱いが許容し得る程度の十分なフルーツ香強度であることを示し、2.0未満の場合はフルーツ香が弱く、あまり感じられないことを示す。上記の(1)で得られた各試飲用貯酒サンプルの官能評価の結果を後述の表4に示す。
(3)試飲用貯酒サンプルの成分分析
上記の(1)で得られた各試飲用貯酒サンプルの成分分析をGC/MSを用いて行った。上記のGC/MSによる分析は、各試飲用貯酒サンプル中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、それをGC/MSに供することによって行った。成分の定量には内部標準法を用いた。内部標準物質にはボルネオール(Borneol)を用い、試料中で25ppbになるように添加した。GC/MSによる分析条件を表3に記載する。定量の単位はppbで行った。この測定の結果を後述の表4に示す。
Figure 0005296864
上記(2)及び(3)において得られた官能評価及び測定結果を表4に示す。
Figure 0005296864
いずれの試飲用貯酒サンプルも同一の冷麦汁を用いており、ホップ香気成分量に大きな相違はみられなかったにもかかわらず、フルーツ香スコアは1から3.5と大きく相違する結果となった。一方、発酵生成物である高級アルコール類はサンプル間で変動しており、フルーツ香スコアの変動にはこれらの高級アルコール類の関与が考えられた。
(4)発酵生成物成分値等とフルーツ香スコアとの関係
発酵生成物成分値とフルーツ香スコアとの関係を調べるために、上記表4のデータに基づいて、各発酵生成物成分値とフルーツ香スコアとの相関係数を算出した。その結果を表5に示す。
Figure 0005296864
表5の結果から分かるように、1−ヘプタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノールなどが絶対値のやや大きめの負の相関係数を示し、中でも、1−ヘプタノールが絶対値の最も大きい−0.75という負の相関係数を示した。
本発明者らは、上記表4のデータについてさらに解析を行って、官能上のフルーツ香強度(フルーツ香スコア)の好適な指標を設定できないか検討した。フルーツ香強度の指標としてリナロールは好適であると考えられた。また、発酵生成物成分の指標としては、表2におけるマスキングの程度と、表5における相関係数の絶対値の大きさから、1−ヘプタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノールが好適であり、1−ヘプタノール、1−ヘキサノールがより好適であると考えられたが、表5においてフルーツ香スコアと最も高い相関が得られていることから、1−ヘプタノールを指標として選定した。そこで、本発明者らは、上記表4のデータの各試飲用貯酒サンプルにおける1−ヘプタノール濃度の値(ppb)に対するリナロール濃度の値(ppb)の比率(本明細書において「リナロール/1−ヘプタノール比率」とも表示する。)が、官能上のフルーツ香強度の特に好適な指標となり得るのではないかと考え、上記表4のデータにおけるかかるリナロール/1−ヘプタノール比率と、フルーツ香スコアとの関係をプロットした。その結果を図1に示す。
図1の結果から分かるように、リナロール/1−ヘプタノール比率が高くなるにつれ、フルーツ香スコアが高くなる関係が確認された。また、リナロール/1−ヘプタノール比率が3.6以上のときは、フルーツ香スコアが常に2.5(高いフルーツ香強度)以上の良好な結果となり、一方、リナロール/1−ヘプタノール比率が3.3以上3.6未満の場合は、フルーツ香スコアが2.0(十分なフルーツ香強度)と先ほどよりはやや弱いサンプルも含まれるが、フルーツ香強度として許容範囲であることが確認された。他方、リナロール/1−ヘプタノール比率が3.3未満の場合は、フルーツ香スコアが1.5以下となり、フルーツ香強度が非常に弱いサンプルとなることが確認された。このことから、リナロール/1−ヘプタノール比率が官能上のフルーツ香強度を図る指標として有効に機能することが示された。
これらの結果を総合して、十分な強度(フルーツ香スコア2.0以上)のフルーツ様香気を発酵麦芽飲料に安定的に付与するための化学成分および含有量として、「リナロール/1−ヘプタノール比率が3.3以上、好ましくは3.6以上であること。」、すなわち、「1−ヘプタノール濃度の値(ppb)に対するリナロール濃度の値(ppb)の比率が3.3以上、好ましくは3.6以上であること。」という指標を得た。
[市販品の分析結果]
現状の発酵麦芽飲料(発酵麦芽アルコール飲料)の市販品について官能検査を行ったが、本発明におけるフルーツ様香気を感じる市販品はなかった。したがって、市販品におけるリナロール/1−ヘプタノール比率は、上記実施例3において見いだされた「3.3以上であること」という条件を満たしていないはずである。そこで、市販されている6種類の発酵麦芽アルコール飲料について、それぞれリナロール及び1−ヘプタノールの濃度を上記実施例3に記載の方法で測定し、リナロール/1−ヘプタノール比率を算出した。これらの結果を表6に示す。
Figure 0005296864
表6の結果から分かるように、現状の発酵麦芽アルコール飲料の市販品の中には、上記実施例で条件を充たす市販品は無かった。この試験結果から、本発明におけるフルーツ様香気を有する市販品がないことが、化学成分値からも裏付けられた。
本発明は、発酵麦芽飲料の分野に利用することができる。より詳細には、本発明は、フルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料の分野に好適に利用することができる。

Claims (7)

  1. ホップを用いた発酵麦芽飲料の製造において、飲料中のリナロールの含量及び1−ヘプタノールの含量が、以下の(Y)の条件を充足するように調整することを特徴とする、フルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料の製造方法:
    (Y)1−ヘプタノール濃度の値(ppb)に対するリナロール濃度の値(ppb)の比率が3.3以上である。
  2. (Y)の条件における比率が3.6以上である、請求項1に記載の発酵麦芽飲料の製造方法。
  3. (Y)の条件を充足するように調整することが、ホップとして、アメリカ産のカスケード種のホップと、ニュージーランド産のマチュエカ種のホップを併用することを含む、請求項1又は2に記載の発酵麦芽飲料の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の発酵麦芽飲料の製造方法により製造される発酵麦芽飲料。
  5. ホップを用いた発酵麦芽飲料において、飲料中のリナロールの含量及び1−ヘプタノールの含量が、以下の(Y)の条件を充足するように調製されていることを特徴とする、フルーツ様香気が付与された発酵麦芽飲料:
    (Y)1−ヘプタノール濃度の値(ppb)に対するリナロール濃度の値(ppb)の比率が3.3以上である。
  6. (Y)の条件における比率が3.6以上である、請求項5に記載の発酵麦芽飲料。
  7. (Y)の条件を充足するように調製することが、ホップとして、アメリカ産のカスケード種のホップと、ニュージーランド産のマチュエカ種のホップを併用することを含む、請求項5又は6に記載の発酵麦芽飲料。
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