JP5296398B2 - 核酸分子間の鎖交換反応を促進させる方法 - Google Patents
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Description
本発明は、核酸分子間の鎖交換反応を促進させる方法、およびそれを利用して配列変異を検出する方法に関する。
核酸間の相同組換えは、ほとんど同一の塩基配列をもつ核酸二重鎖および単鎖間における鎖交換反応であり、生物種の多様性を生み出す原動力となっている。相同組換えは、配列の差異(変異、欠損および挿入等)により引き起こされることが多いため、鎖交換反応を人工的に誘発・制御・解析することにより、核酸の配列解析等様々な核酸分析に応用することが期待できる。それゆえ、鎖交換反応に関する種々の技術は、配列の差異に起因する疾患易罹患性や薬剤反応性などを判定する遺伝子診断分野において利用できる。鎖交換反応は、生体内においては主にリコンビナーゼと呼ばれる種々のタンパク質が関与している。大腸菌のRecAタンパク質は最も代表的なリコンビナーゼである(非特許文献1を参照)。通常、DNAは二重鎖であるが、配列の差異等が生じると二重鎖がほどけるあるいは片方の鎖の分解等により一本鎖となる。RecAタンパク質は、単鎖DNAに数珠状に結合し、DNA-RecAからなるフィラメント構造を作る。このフィラメントの構造体が相同な配列をもつ二重鎖DNAを検索し、その配列を見つけると、二重鎖DNAから相補鎖をほぐし、自らの一本鎖DNAと新たな二重鎖を形成する。一方、生体外においては、生理的温度条件下でこれらタンパク質が存在しない場合、鎖交換反応速度は極めて遅く、見かけ上ほとんど起こらない。交換反応を人工的に達成した例としては、ペプチド核酸(PNA)があり、このPNAを用いた新しいDNAおよびゲノム解析法が種々報告されている(非特許文献2を参照)。しかしながら、PNAは低イオン濃度下ではDNA鎖交換を促進するが、生理的イオン濃度条件下では、その性能が極めて低下する。このようなPNAの問題点を克服した例としては、ペプチド−DNA複合体がある(非特許文献3を参照)。しかしながら、Mgイオン存在下ではDNA鎖交換活性が阻害されるため、DNAポリメラーゼなどのMgイオン依存型酵素との併用が制限される。さらに、近年、くし型(comb-type)のカチオン性コポリマーが、生体内と同等の条件下でDNA二重鎖あるいは三重鎖の形成及び安定化を促進するとともに(特許文献1および特許文献2を参照)、鎖交換反応を促進することが報告されている(特許文献3を参照)。また、この効果を一塩基変異の検出に応用している(特許文献4を参照)。カチオン性ポリマーが存在下において、二重鎖DNAの一塩基がミスマッチの場合、フルマッチの場合と比べて鎖交換反応速度が著しく増大するため、反応速度または反応率から一塩基の違いを検出することができる。これらは、主にアニオン性のDNA鎖間の静電的反発を遮蔽することにより反応を促進している。しかしながら、これらの効果は静電的な相互作用に基づいているため、塩やイオン等の濃度の影響を受けやすいという問題がある(非特許文献4を参照)。
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 74, 5280-5284 (1977)
Nat. Biotecnol., 14, 1700-1704 (1996)
J. Am. Chem. Soc., 121, 2012-2020 (1999)
J. Am. Chem. Soc., 124, 12676-12677 (2002)
特開平10−45630号公報
特開平10−158196号公報
特開2001−78769号公報
WO2003/018841
WO2003/067258
本発明は、室温かつ緩和な条件下で二重鎖核酸における特定部位における配列を、それに相同な核酸配列で交換する手段を提供することを目的とする。
上述したように、生体外において核酸分子間の鎖交換を促進する場合は、核酸間の静電的反発を遮蔽する必要がある。本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、二重鎖核酸分子を固定化した固相担体表面に、単鎖核酸分子を固定化した固相担体を、それぞれの担体に結合した核酸分子が接触するまで近接させることにより、核酸分子間の鎖交換反応を促進できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は以下の通りである。
(1) 二重鎖核酸分子を固定化した第一の固相担体表面に、単鎖核酸分子を固定化した第二の固相担体を近接させることにより、第二の固相担体に固定化した単鎖核酸分子と、二重鎖核酸分子を構成する一方の単鎖核酸分子との間の鎖交換反応を行うことを含む、鎖交換反応方法。
(2) (1)に記載の鎖交換反応方法により第一の固相担体表面に捕捉された第二の固相担体を、捕捉されなかった第二の固相担体から分離して検出し、捕捉された第二の固相担体の数から鎖交換反応の速度または率を算出する工程、または、(1)に記載の鎖交換反応方法により結合した第一の固相担体と第二の固相担体において、両者を結合している核酸分子の数から鎖交換反応の速度または率を算出する工程を、第一の固相担体表面に固定化される二重鎖核酸分子について、試料の単鎖核酸分子がハイブリダイズして二重鎖核酸分子を形成している場合と、対照の単鎖核酸分子がハイブリダイズして二重鎖核酸分子を形成している場合とについてそれぞれ行い、試料の速度または率を対照の速度または率と比較し、試料の方が高いときに試料の単鎖核酸分子の配列に変異があると判定する、単鎖核酸分子における配列の変異を検出する方法。
(3) (1)に記載の鎖交換反応方法により第一の固相担体表面に捕捉された第二の固相担体を、捕捉されなかった第二の固相担体から分離して検出し、捕捉された第二の固相担体の数から鎖交換反応の速度または率を算出する工程、または、(1)に記載の鎖交換反応方法により結合した第一の固相担体と第二の固相担体において、両者を結合している核酸分子の数から鎖交換反応の速度または率を算出する工程を、第二の固相担体に固定化された単鎖核酸分子について、試料の単鎖核酸分子と、対照の単鎖核酸分子についてそれぞれ行い、試料の速度または率を対照の速度または率と比較し、試料の方が低いときに試料の単鎖核酸分子の配列に変異があると判定する、単鎖核酸分子における配列の変異を検出する方法。
(4) 第一の固相担体表面と第二の固相担体とを近接及び/または分離する際に磁場、電場、重力または流体を用いることを特徴とする、(1)から(3)の何れかに記載の方法。
(5) 第一の固相担体及び/または第二の固相担体が、磁性又は電荷を有することを特徴とする、(1)から(4)の何れかに記載の方法。
(6) 第一の固相担体表面が平板状であり、第二の固相担体が微粒子であることを特徴とする、(1)から(5)の何れかに記載の方法。
(5) 第一の固相担体及び/または第二の固相担体が、磁性又は電荷を有することを特徴とする、(1)から(4)の何れかに記載の方法。
(6) 第一の固相担体表面が平板状であり、第二の固相担体が微粒子であることを特徴とする、(1)から(5)の何れかに記載の方法。
(7) 単鎖核酸分子における一塩基変異を検出することを特徴とする、(2)から(6)の何れかに記載の方法。
(8) 第一の固相担体表面としてホール素子センサを使用し、第二の固相担体として磁気微粒子を用いることを特徴とする、(1)から(7)の何れかに記載の方法。
(8) 第一の固相担体表面としてホール素子センサを使用し、第二の固相担体として磁気微粒子を用いることを特徴とする、(1)から(7)の何れかに記載の方法。
本発明は、一塩基変異等の核酸分析における迅速化、簡便化および低コスト化等を可能にし、テーラーメード医療の実現へ大きく寄与する効果を有する。
本発明における核酸とは主としてDNAを意味するが、 RNAや核酸類似分子(PNAあるいは修飾オリゴヌクレオチドなど)なども含む。核酸は生体由来であっても化学的に合成されたものであってもよい。核酸分子の長さは特に限定されないが、試料となる核酸は5塩基以上で10,000塩基以下が好ましい。より好ましくは10塩基以上で100塩基以下であり、特に好ましくは15塩基以上で40塩基以下である。
核酸を固定化する固相担体とは、平板あるいは微粒子などであり、金属やポリマーなどいかなる材質であってもよく、磁性や電荷を帯びていてもよい。微粒子はいかなる大きさ、形状であってもよいが、直径が1 nmから1 mmであるものが好ましい。より好ましくは50 nmから10μmであり、特に好ましくは4μmから5μmである。平板は凹凸があってもよく湾曲していてもよい。
本発明の鎖交換反応方法は、二重鎖核酸分子を固定化した第一の固相担体表面に、単鎖核酸分子を固定化した第二の固相担体を近接させることにより行う。本発明で用いる上記の第一の固相担体及び/または第二の固相担体としては、磁性又は電荷を有する固相担体を用いることができる。好ましくは、第一の固相担体表面は平板状であり、第二の固相担体は微粒子である。特に好ましい態様によれば、第一の固相担体表面としてホール素子センサを使用し、第二の固相担体として磁気微粒子を用いることができる。
核酸は、共有結合により直接固相担体に固定化しても、抗体などの分子受容体を化学結合あるいは吸着させ、それを介して固定化してもよい。第一の固相担体表面に固定化される核酸は、二重鎖核酸分子であるが、ここでいう二重鎖核酸分子は、二重鎖核酸を含むものであればよく、二重鎖あるいは三重鎖であってもよい。また、第二の固相担体に固定化される核酸は、単鎖核酸分子である。
なお、第一の固相担体表面には、二重鎖核酸分子が固定化されているが、ここで、該二重鎖核酸分子を構成する2つの単鎖核酸分子のうちの片方の単鎖核酸分子が、当該第一の固相担体表面に固定化されており、該二重鎖核酸分子を構成する2つの単鎖核酸分子のうちの他方の単鎖核酸分子は、第二の固相担体に固定化した単鎖核酸分子との鎖交換反応に供されることになる。
二重鎖核酸分子を固定化した第一の固相担体表面に、単鎖核酸分子を固定化した第二の固相担体を近接及び/または分離させる方法としては、磁場、電場、重力または流体などいかなる方法を用いてもよい。
固相担体の接触は、核酸分子同士が接触して鎖交換反応を起こせばよいので、担体表面を完全に接触させない場合も本発明の範囲に含まれる。核酸分子同士の接触とは、互いの核酸分子が鎖交換反応を行える距離まで近接して接触していることを意味する。第一の固相担体と第二の固相担体を接触させる時間(即ち、核酸分子同士を接触させる時間)も特に限定されないが、1秒から16時間程度が好ましい。より好ましくは5秒から1時間程度であり、特に好ましくは15秒から30分程度である。
鎖交換反応とは、二重鎖核酸の特定の配列が、該配列に相同の単鎖核酸配列により入れ替わり再構成されることを意味する。
本発明に従えば、このような鎖交換反応は、単鎖および二重鎖核酸分子が固定化された別々の固相担体を、それぞれの担体に結合した核酸分子が接触するまで近接させることにより、効率よく起こすことができる。
鎖交換反応は、二重鎖核酸が変性しないような温度で行うことができる。上記温度は約4から約60oCが好ましい。より好ましくは10から40oCであり、特に好ましくは20から30oCである。
本発明は、鎖交換反応を利用した核酸の解析に適用できる。例えば、二つの核酸において鎖交換反応速度の違いを比較する配列の変異の解析に有用である。配列の変異とは、一塩基変異、欠損、挿入等の核酸配列の違いを指す。解析方法は、以下の工程を含み、鎖交換反応速度の増大または低下に基づく方法に大別される。
速度が増大する方法においては、まず、試料となる単鎖核酸がハイブリダイズして形成された二重鎖核酸が固定化された固相担体、および試料となる単鎖核酸がハイブリダイズしている核酸と相補配列の単鎖核酸が固定化された固相担体をそれぞれ調製する。つぎに、これら担体を近接させ鎖交換反応を開始させる。鎖交換反応は二重鎖核酸が完全に相補の場合は反応速度が極めて遅いため、試料となる単鎖核酸に変異がある場合、変異がない場合と比べて鎖交換反応速度が増大する。したがって、ある時間においては核酸を介して結合する固相担体の数、または固相担体同士を結合している核酸分子の数も増大する。固相担体に固定化された単鎖核酸は、鎖交換反応が起こるような配列であればよく、完全な相補配列でなくてもよい。
一方、鎖交換反応速度が低下する方法においては、まず、試料となる単鎖核酸が固定化された固相担体、および試料となる単鎖核酸と相補配列の単鎖核酸に、これと相補配列の単鎖核酸がハイブリダイズして形成された二重鎖核酸が固定化された固相担体をそれぞれ調製する。つぎに、これら担体を近接させ鎖交換反応を開始させる。試料となる単鎖核酸に変異がある場合、変異がない場合と比べて鎖交換反応速度が低下するため、ある時間においては核酸を介して結合する固相担体の数、または固相担体同士を結合している核酸分子の数は減少する。
固相担体上に形成されている二重鎖核酸は、鎖交換反応が起こるような配列であればよく、完全な相補配列でなくてもよい。したがって、結合した固相担体の数、または固相担体同士を結合している核酸分子の数を比較することで、核酸の変異を判別することができる。担体および核酸分子の検出方法は特に限定されないが、発色、蛍光、発光、電気、質量、磁気などを用いて測定することができる。さらには、顕微鏡や目視により直接担体を検出してもよく、写真または動画等を撮影後、担体を検出してもよい。担体同士の結合力を計測してもよい。
磁気検出する場合は、磁気ビーズを核酸の標識体として用い、検出にはホール素子センサを用いることが有用である。ホール素子はホール効果を利用した磁気センサであり、磁石や電流の発生する磁界を電気信号に変換し出力する。したがって、センサ面に存在する磁性分子を検出することができ、磁性分子を介した検体の定量的な分析が可能となる(特許文献5を参照)。本発明においては、センサ上および磁気ビーズ上に核酸分子を結合させ、これらの核酸分子間において鎖交換反応を行うことで核酸分子を介してセンサ上に磁気ビーズが結合する。したがって、結合した磁気ビーズ数をホール素子センサで検出することで、核酸の変異を判別することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
[実施例1]ホール素子センサ基板上に固定化した二重鎖DNAと磁気ビーズ上に固定化した単鎖DNAとの間での鎖交換反応
以降の実施例において使用したオリゴヌクレオチドを表1に示す。
以降の実施例において使用したオリゴヌクレオチドを表1に示す。
これらはいずれもSigma Genosysより購入した。センサ表面を蒸留水で洗浄後、センサ上に5μMアビジン溶液を15μl滴下し、室温で一晩静置した。1×PBS-T (0.05% Tween 20) 200μlで3回洗浄後、0.1μM FG-3B(dT)(配列番号1)溶液を15μl滴下し、室温で30分間静置した。1×PBS-T 200μlで3回洗浄後、1×PBS-T BSA (3% BSA)を10μl滴下し、室温で30分間静置した。1×PBS-T 200μlで3回洗浄後、1μM RC(配列番号3)を10μl滴下し、室温で30分間静置した。1×PBS-T 200μlで3回洗浄後、室温で2分間乾燥した。ストレプトアビジンが結合した粒径4.5μm 4×108 beads ml-1 ビーズ (CELLectionTM Biotin Binder Kit、 Dynal Biotech)を約10倍量PBSで2回洗浄後、1μM RC-3B(dT) (配列番号2)100μlとビーズ液20μlを混合した。ボルテックスミキサーを用いて時々攪拌しながら室温で30分間インキュベートした。磁石によりビーズを分離後、上澄みを捨て1×PBS-T 200 μlを添加し、ボルテックスミキサーを用いて攪拌した。同様の操作を2回繰り返した後、1×PBS-T BSA 200μlに懸濁した。ボルテックスミキサーを用いて時々攪拌しながら室温で30分間静置した。磁石によりビーズを分離後、上澄みを捨て1×PBS-T 200μlを添加した。ボルテックスミキサーを用いて攪拌後、同様の操作を2回繰り返した。ビーズ終濃度が 8×107 beads ml-1となるように1×PBS-T 100μlに懸濁した。二重鎖DNAを固定化したセンサチップに単鎖DNAを固定化したビーズ液を10μl滴下し、室温で一定時間静置した。ホール素子センサは16×16個の計256センサがアレイ状に二次元的に配置されたものを使用した(特許文献5を参照)。センサチップを検出器に設置した後、4.2×10-2 Tの直流磁場を5秒間印加し、未反応等のビーズを分離した。さらに、1.0×10-2 Tの交流磁場およびを4.2×10-2 Tの直流磁場印加し、センサ上のビーズを検出した。シグナルは以下のように定義した。交流磁場を印加した際に得られる256センサの電圧の偏差を算出する(A)。つぎに、直流磁場を印加して同様に偏差を算出する(B)。Aから(A+B)を差し引き、各センサにおける偏差の差分を得る。最後に、256センサにおいてこれら差分の偏差を算出し、これをHEシグナルとした。
結果を図1に示す。時間の経過とともにシグナルが増大し、約60秒で一定となった。一方、DNAを固定化していない磁気ビーズを用いた場合は、600秒後もシグナルは変化しない。したがって、固相担体上に固定化した二重鎖および単鎖DNA間において鎖交換反応が起こることが分かった。
[実施例2]液相および固/液相における鎖交換反応速度の比較
液相および固/液相における鎖交換反応を行い、実施例1の結果と比較した。なお、液相および固/液相における鎖交換反応の検出には、以下に示すような蛍光共鳴エネルギー移動 (FRET)による蛍光強度を用いた。フルオレセインイソチオシアネート (FITC)を標識した核酸とテトラメチルローダミン (TAMRA)を標識した核酸がハイブリダイズしている場合、FITCの励起光波長である485 nmの光を照射してもFRETによりFITCの蛍光は生じない。一方、両者の核酸がハイブリしていない場合は蛍光が生じる。したがって、530 nmの蛍光強度を比較することによりハイブリダイズの有無を識別することができる。まず、液相における鎖交換反応を行った。96穴マイクロタイタープレートに1μM FG-5F3B(配列番号7)およびRG-5B3T(配列番号8)を各10μl、PBSを70μlを添加し、室温で5分間静置した。1μM RC(配列番号3)またはRG(配列番号4)を10μl添加した後、プレートリーダーを用いて励起光波長485 nmおよび蛍光波長530 nmにて蛍光強度を測定した。つぎに、固/液相における鎖交換反応を行った。ストレプトアビジンがコートされた96穴マイクロタイタープレートに1μM FG-5F3B(dT) (配列番号9)を50μl添加し、室温で30分間静置した。PBS 200μlで3回洗浄後、1μM RG-5B3T(dT) (配列番号10)溶液を30μl添加し、室温で30分間静置した。PBS 200μlで3回洗浄した後、1μM RCまたはRGを50μl添加した後、プレートリーダーを用いて励起光波長485 nmおよび蛍光波長530 nmにて蛍光強度を測定した。これらの結果を相対的に比較するために、鎖交換反応率を用いて評価した。鎖交換反応率は以下の式を用いて算出した。鎖交換反応率={(ある時間における蛍光強度またはHEシグナル)-(時間0におけるシグナル)}/{(反応が完全に進行したときの蛍光強度またはHEシグナル)-(時間0における蛍光強度またはHEシグナル)}。このとき、反応が完全に進行したときの蛍光強度またはHEシグナルは以下のように測定した。実施例1の場合においては、基板およびビーズ上に相補配列を持つ単鎖DNAを固定化し、これらをハイブリダイズさせた際に生じるシグナルを、液相および固/液相の場合においては、TAMRA標識していないプローブをハイブリダイズした際におけるFITCの蛍光強度を測定した。
液相および固/液相における鎖交換反応を行い、実施例1の結果と比較した。なお、液相および固/液相における鎖交換反応の検出には、以下に示すような蛍光共鳴エネルギー移動 (FRET)による蛍光強度を用いた。フルオレセインイソチオシアネート (FITC)を標識した核酸とテトラメチルローダミン (TAMRA)を標識した核酸がハイブリダイズしている場合、FITCの励起光波長である485 nmの光を照射してもFRETによりFITCの蛍光は生じない。一方、両者の核酸がハイブリしていない場合は蛍光が生じる。したがって、530 nmの蛍光強度を比較することによりハイブリダイズの有無を識別することができる。まず、液相における鎖交換反応を行った。96穴マイクロタイタープレートに1μM FG-5F3B(配列番号7)およびRG-5B3T(配列番号8)を各10μl、PBSを70μlを添加し、室温で5分間静置した。1μM RC(配列番号3)またはRG(配列番号4)を10μl添加した後、プレートリーダーを用いて励起光波長485 nmおよび蛍光波長530 nmにて蛍光強度を測定した。つぎに、固/液相における鎖交換反応を行った。ストレプトアビジンがコートされた96穴マイクロタイタープレートに1μM FG-5F3B(dT) (配列番号9)を50μl添加し、室温で30分間静置した。PBS 200μlで3回洗浄後、1μM RG-5B3T(dT) (配列番号10)溶液を30μl添加し、室温で30分間静置した。PBS 200μlで3回洗浄した後、1μM RCまたはRGを50μl添加した後、プレートリーダーを用いて励起光波長485 nmおよび蛍光波長530 nmにて蛍光強度を測定した。これらの結果を相対的に比較するために、鎖交換反応率を用いて評価した。鎖交換反応率は以下の式を用いて算出した。鎖交換反応率={(ある時間における蛍光強度またはHEシグナル)-(時間0におけるシグナル)}/{(反応が完全に進行したときの蛍光強度またはHEシグナル)-(時間0における蛍光強度またはHEシグナル)}。このとき、反応が完全に進行したときの蛍光強度またはHEシグナルは以下のように測定した。実施例1の場合においては、基板およびビーズ上に相補配列を持つ単鎖DNAを固定化し、これらをハイブリダイズさせた際に生じるシグナルを、液相および固/液相の場合においては、TAMRA標識していないプローブをハイブリダイズした際におけるFITCの蛍光強度を測定した。
結果を図2に示す。時間経過に伴う鎖交換反応率の増大が、液相および固/液相と比べて実施例1において高いことから、鎖交換反応が促進されていることが明らかとなった。反応速度定数を算出したところ、液相と比べて約10倍、固/液相と比べて約100倍反応速度が増大することが分かった。
[実施例3]鎖交換反応に基づいた一塩基変異の検出
RC(配列番号3)の代わりに、一塩基のみ異なるRG(配列番号4)を用いて実施例1の方法にて鎖交換反応を行った。さらに、RCの代わりにRA(配列番号5)およびRT(配列番号6)を用いて、鎖交換反応時間5分間においてシグナル強度を比較した。
RC(配列番号3)の代わりに、一塩基のみ異なるRG(配列番号4)を用いて実施例1の方法にて鎖交換反応を行った。さらに、RCの代わりにRA(配列番号5)およびRT(配列番号6)を用いて、鎖交換反応時間5分間においてシグナル強度を比較した。
RCおよびRGを用いて鎖交換反応を行った結果を図3に示す。RGを用いた場合、RCとは異なり、時間が経過してもシグナルの増大が見られず、鎖交換反応が進行していないことが明らかとなった。RAおよびRTを用いて同様に鎖交換反応を行った際に得られたシグナルを比較した結果を図4に示す。鎖交換反応の時間はいずれも5分である。RCと比べてRG、 RAおよびRTのシグナルは5〜7倍増大しており、一塩基の違いを見分けることが可能であることが明らかとなった。
[実施例4]ホール素子センサ基板上に固定化した単鎖DNAと磁気ビーズ上に固定化した二重鎖DNAとの間での鎖交換反応および一塩基変異の検出
実施例1において、センサおよびビーズに固定化する二重鎖および単鎖DNAを逆にし、センサ上に単鎖RC-3B(dT)(配列番号2)を固定化し、ビーズ上に固定化したFG-3B(dT)(配列番号1)にRC(配列番号3)およびRG(配列番号4)をハイブリダイズし、実施例1と同様の条件にて鎖交換反応を行った。さらに、実施例3と同様に一塩基変異によるシグナル強度の違いを比較した。結果を図5および6に示す。二重鎖および単鎖DNAを固定化する担体を逆にした場合においても、図3および4とほぼ同様の結果を得ることができ、一塩基の違いを検出することが可能であることが明らかとなった。
実施例1において、センサおよびビーズに固定化する二重鎖および単鎖DNAを逆にし、センサ上に単鎖RC-3B(dT)(配列番号2)を固定化し、ビーズ上に固定化したFG-3B(dT)(配列番号1)にRC(配列番号3)およびRG(配列番号4)をハイブリダイズし、実施例1と同様の条件にて鎖交換反応を行った。さらに、実施例3と同様に一塩基変異によるシグナル強度の違いを比較した。結果を図5および6に示す。二重鎖および単鎖DNAを固定化する担体を逆にした場合においても、図3および4とほぼ同様の結果を得ることができ、一塩基の違いを検出することが可能であることが明らかとなった。
[実施例5] 変異位置の異なるDNAを用いた一塩基変異の検出
実施例3において、5'末端側から17番目の塩基が変異したDNAを用いていたが、変異位置が異なるDNAを用いて実施例3と同様の検討を行った。5'末端側から20、 11、 4、 1番目の塩基がRC(配列番号3)と異なるDNAである20RT(配列番号11)、11RG(配列番号12)、4RA(配列番号13)、1RG(配列番号14)およびRC、RG(配列番号4)をそれぞれ使用した。
実施例3において、5'末端側から17番目の塩基が変異したDNAを用いていたが、変異位置が異なるDNAを用いて実施例3と同様の検討を行った。5'末端側から20、 11、 4、 1番目の塩基がRC(配列番号3)と異なるDNAである20RT(配列番号11)、11RG(配列番号12)、4RA(配列番号13)、1RG(配列番号14)およびRC、RG(配列番号4)をそれぞれ使用した。
結果を図7に示す。いずれのDNAを用いた場合においても、RGと同程度の高いシグナルを示し、変異位置に関わらず一塩基変異の検出が可能であることが明らかとなった。
[実施例6] 金基板上に化学的に固定化した単鎖DNAと磁気ビーズ上に固定化した二重鎖DNAとの間での鎖交換反応および一塩基変異の顕微鏡による検出
アビジンをシリコン基板に物理的に吸着させる代わりに、チオール化した単鎖DNAを金基板に化学的に固定化し、磁気ビーズ上に固定化した二重鎖DNAとの間での鎖交換反応および一塩基変異の検出を行った。さらに、HEセンサでの磁気検出の代わりに、顕微鏡観察および画像解析によるビーズの検出を行った。チオール分子は自己組織的に金表面に化学結合することが知られている。金表面に化学結合したチオール分子は、一定の配向で規則的に固定化されるため、対象となるDNAとの高効率な反応が期待される。金を蒸着したシリコン基板上に、3'末端をチオール化したFG-3S (dT) (配列番号15)を添加し、室温で一晩固定化した。実施例1と同様の方法で調整したRC-3B (dT) (配列番号2)固定化磁気ビーズに、1 μM FG (配列番号16)またはFC (配列番号17)を室温で30分間ハイブリダイズさせ、二重鎖を形成させた。これら磁気ビーズをFG-3S (dT)を固定化した金基板に滴下し、一定時間毎に0.2 Tの磁場を印加して未反応のビーズを分離した後、基板の顕微鏡画像を撮影した。得られた画像は、画像解析ソフトScion Image (Scion corporation)を用いて二値化後、結合している相対的なビーズ数を算出した。
アビジンをシリコン基板に物理的に吸着させる代わりに、チオール化した単鎖DNAを金基板に化学的に固定化し、磁気ビーズ上に固定化した二重鎖DNAとの間での鎖交換反応および一塩基変異の検出を行った。さらに、HEセンサでの磁気検出の代わりに、顕微鏡観察および画像解析によるビーズの検出を行った。チオール分子は自己組織的に金表面に化学結合することが知られている。金表面に化学結合したチオール分子は、一定の配向で規則的に固定化されるため、対象となるDNAとの高効率な反応が期待される。金を蒸着したシリコン基板上に、3'末端をチオール化したFG-3S (dT) (配列番号15)を添加し、室温で一晩固定化した。実施例1と同様の方法で調整したRC-3B (dT) (配列番号2)固定化磁気ビーズに、1 μM FG (配列番号16)またはFC (配列番号17)を室温で30分間ハイブリダイズさせ、二重鎖を形成させた。これら磁気ビーズをFG-3S (dT)を固定化した金基板に滴下し、一定時間毎に0.2 Tの磁場を印加して未反応のビーズを分離した後、基板の顕微鏡画像を撮影した。得られた画像は、画像解析ソフトScion Image (Scion corporation)を用いて二値化後、結合している相対的なビーズ数を算出した。
撮影した画像を図8に示す。FGを用いた場合は時間の経過とともに金基板に結合するビーズ数が増大しているのに対し、FCを用いた場合はほとんど結合していない。画像解析後の結果を図9に示す。図3および5と比較すると、これらと同様に約60秒で基板上のビーズ数は一定となっているが、一塩基の違いがより明確になることが明らかとなった。
[実施例7] 長鎖核酸分子を用いた鎖交換反応および一塩基変異の検出
塩基数が65であるT65C(配列番号18)およびT65G(配列番号19)を用いて、一塩基変異の検出を行った。T65CとT65Gは一塩基のみ異なっており、他は完全に一致した配列となっている。基板および磁気ビーズ上に固定化されるF65S(dA)(配列番号20)およびR65B(dA)(配列番号21)は互いに相補な配列ではなく、T65CおよびT65Gの3'および5'末端側とそれぞれ相補になっている。したがって、これらのDNAのみでは鎖交換反応は起こらないため、T65CおよびT65Gの3'末端側20塩基の配列にハイブリダイズできるC65(配列番号22)を鎖交換反応用のDNAとして用いた。C65はT65Gと完全に相補であり、T65Cとは一塩基のみ異なっている。
塩基数が65であるT65C(配列番号18)およびT65G(配列番号19)を用いて、一塩基変異の検出を行った。T65CとT65Gは一塩基のみ異なっており、他は完全に一致した配列となっている。基板および磁気ビーズ上に固定化されるF65S(dA)(配列番号20)およびR65B(dA)(配列番号21)は互いに相補な配列ではなく、T65CおよびT65Gの3'および5'末端側とそれぞれ相補になっている。したがって、これらのDNAのみでは鎖交換反応は起こらないため、T65CおよびT65Gの3'末端側20塩基の配列にハイブリダイズできるC65(配列番号22)を鎖交換反応用のDNAとして用いた。C65はT65Gと完全に相補であり、T65Cとは一塩基のみ異なっている。
磁気ビーズ上にR65B(dA)を固定化したのち、1 μM T65Cまたは一塩基のみ変異したT65Gをハイブリダイズさせた。F65S(dA)を固定化した金基板に滴下し、5分間反応後磁場を印加して未反応のビーズを分離した。基板の顕微鏡画像を撮影後、画像処理により結合している相対的なビーズ数を算出した。
結果を図10に示す。T65Cを用いた場合、T65CにハイブリダイズしているC65と基板上のF65S(dA)との間において迅速に鎖交換反応が起こり、基板上にビーズが多数結合した。一方、C65と完全にハイブリダイズしているT65Gを用いた場合は基板上のF65S(dA)との間の鎖交換反応速度が遅く、基板上のビーズ数は少なかった。したがって、65塩基の長鎖核酸分子を用いた場合においても鎖交換反応が促進され、一塩基変異の検出が可能であることが明らかとなった。更に、ビーズおよび基板上の核酸分子同士が鎖交換反応により直接結合せずに、別の単鎖核酸分子を介して結合する場合においても鎖交換反応が起こることが明らかとなった。
[実施例8] 未知一塩基変異の同定
本法により一塩基変異を検出する場合、基板およびビーズ上に固定化する核酸分子において、試料となる核酸分子の変異箇所に対応した部位を全4種類の塩基を用いて調整し、これら全てを組み合わせて反応させることで、それぞれの鎖交換反応速度の違いから一塩基変異における塩基の種類を決定することができる。そこで、全ての塩基の組み合わせにおいて同時反応が可能か検討した。
本法により一塩基変異を検出する場合、基板およびビーズ上に固定化する核酸分子において、試料となる核酸分子の変異箇所に対応した部位を全4種類の塩基を用いて調整し、これら全てを組み合わせて反応させることで、それぞれの鎖交換反応速度の違いから一塩基変異における塩基の種類を決定することができる。そこで、全ての塩基の組み合わせにおいて同時反応が可能か検討した。
金を蒸着したシリコン基板上の任意の箇所に、3'末端をチオール化したFG-3S (dT) (配列番号15)、FC-3S (dT) (配列番号23)、FA-3S (dT) (配列番号24)およびFT-3S (dT) (配列番号25)をそれぞれ添加し、室温で一晩固定化した。実施例1と同様の方法により磁気ビーズにRC-3B (dT) (配列番号2)、RG-3B (dT) (配列番号26)、RA-3B (dT) (配列番号27)およびRT-3B (dT) (配列番号28)をそれぞれ固定化し、終濃度が4×107 beads ml-1となるように混合した。これら混合磁気ビーズに1 μM FG (配列番号16)、FC (配列番号17)、FA (配列番号29)またはFT (配列番号30)をそれぞれ加え、室温で30分間ハイブリダイズさせて二重鎖を形成させた。これら磁気ビーズをFG-3S (dT)、FC-3S (dT)、FA-3S (dT)およびFT-3S (dT)を固定化した金基板上に滴下し、5分間反応させた。2×10-2 Tの磁場を印加して未反応のビーズを分離した後、基板の顕微鏡画像を撮影した。得られた画像から画像解析ソフトScion Image (Scion corporation)を用いて結合している相対的なビーズ数を算出した。
結果を図11に示す。横軸は基板上に固定化した核酸の塩基を表している。FG、FC、FAおよびFTいずれの核酸を用いた場合においても、完全に相補となる塩基の組み合わせのみ鎖交換反応が促進され、基板に結合するビーズ数が増大した。したがって、試料となるDNAの変異が未知の場合においても、全ての塩基の組み合わせを用いて同時に反応させることで、塩基の同定が可能であることが明らかとなった。
本発明における核酸鎖の交換反応の促進方法は、遺伝子診断等の分野で好適に利用できる。
Claims (8)
- 二重鎖核酸分子を固定化した第一の固相担体表面に、単鎖核酸分子を固定化した第二の固相担体を近接させることにより、第二の固相担体に固定化した単鎖核酸分子と、二重鎖核酸分子を構成する一方の単鎖核酸分子との間の鎖交換反応を行うことを含む、鎖交換反応方法。
- 請求項1に記載の鎖交換反応方法により第一の固相担体表面に捕捉された第二の固相担体を、捕捉されなかった第二の固相担体から分離して検出し、捕捉された第二の固相担体の数から鎖交換反応の速度または率を算出する工程、または、請求項1に記載の鎖交換反応方法により結合した第一の固相担体と第二の固相担体において、両者を結合している核酸分子の数から鎖交換反応の速度または率を算出する工程を、第一の固相担体表面に固定化される二重鎖核酸分子について、試料の単鎖核酸分子がハイブリダイズして二重鎖核酸分子を形成している場合と、対照の単鎖核酸分子がハイブリダイズして二重鎖核酸分子を形成している場合とについてそれぞれ行い、試料の速度または率を対照の速度または率と比較し、試料の方が高いときに試料の単鎖核酸分子の配列に変異があると判定する、単鎖核酸分子における配列の変異を検出する方法。
- 請求項1に記載の鎖交換反応方法により第一の固相担体表面に捕捉された第二の固相担体を、捕捉されなかった第二の固相担体から分離して検出し、捕捉された第二の固相担体の数から鎖交換反応の速度または率を算出する工程、または、請求項1に記載の鎖交換反応方法により結合した第一の固相担体と第二の固相担体において、両者を結合している核酸分子の数から鎖交換反応の速度または率を算出する工程を、第二の固相担体に固定化された単鎖核酸分子について、試料の単鎖核酸分子と、対照の単鎖核酸分子についてそれぞれ行い、試料の速度または率を対照の速度または率と比較し、試料の方が低いときに試料の単鎖核酸分子の配列に変異があると判定する、単鎖核酸分子における配列の変異を検出する方法。
- 第一の固相担体表面と第二の固相担体とを近接及び/または分離する際に磁場、電場、重力または流体を用いることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の方法。
- 第一の固相担体及び/または第二の固相担体が、磁性又は電荷を有することを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の方法。
- 第一の固相担体表面が平板状であり、第二の固相担体が微粒子であることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の方法。
- 単鎖核酸分子における一塩基変異を検出することを特徴とする、請求項2から6の何れかに記載の方法。
- 第一の固相担体表面としてホール素子センサを使用し、第二の固相担体として磁気微粒子を用いることを特徴とする、請求項1から7の何れかに記載の方法。
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