JP5296355B2 - アリール基含有フタロシアニン化合物、その製造方法、及び、配合物 - Google Patents
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Description
以下に本発明を詳述する。
また、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子又は塩素原子が好ましい。より好ましくは、フッ素原子である。アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基としては、炭素数1〜20のものが好ましい。より好ましくは、炭素数1〜10のものである。
また、一つのアリール基が有する置換基の数は、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基としては、1〜5であることが好ましい。より好ましくは、1〜3である。ハロゲン原子としては、1〜5であることが好ましい。より好ましくは、3〜5である。
なお、本発明において、「アリール基含有」とは、フタロシアニン核にアリール基が酸素原子や硫黄原子等を介することなく結合していることを意味する。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、アラルキル基、ナフチル基等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができるが、中でも、フェニル基が好ましい。
Mがこのような好ましい形態であると、本発明の効果が充分に発揮されることになる。
VOPc{4−(CH3)C6H4}4F4F8、
CuPc{4−(CH3)C6H4}4F4F8、
ZnPc{4−(CH3)C6H4}4F4F8、
ZnPc(C6F5)4F4F8、VOPc(C6F5)8F8、
CuPc(C6F5)8F8、ZnPc(C6F5)8F8、及び、
ZnPc{4−(CF3)C6H4}4F4F8等が挙げられる。
本明細書中、Pcは、フタロシアニン環を表し、Pcの前のアルファベット(元素記号)は、フタロシアニン環内の無金属、金属、金属酸化物又は金属ハロゲン化物を表し、以後順番にZ2、Z3、Z6、Z7、Z10、Z11、Z14及びZ15の8つの置換基、Z1、Z4、Z5、Z8、Z9、Z12、Z13及びZ16の8つの置換基を順に表す。
このような製造方法により、本発明の有利な効果を発揮するアリール基含有フタロシアニン化合物を簡便に効率よく製造することができる。
上記一般式(2)〜(5)において、アリール基、及び、ハロゲン原子の具体例や好ましい構造としては、上述したアリール基含有フタロシアニン化合物におけるものと同様である。
また、アリール基含有フタロシアニン化合物の製造方法は、フタロニトリル化合物と金属化合物とを反応させる工程を含んでなるものである限り、その他の工程を含んでいてもよい。
また後に、得られたアリール基含有フタロシアニン化合物に対して公知の方法を用いて置換反応をすることにより、アリール基含有フタロシアニン化合物の置換基を別のものに変えることができる。
反応時間としては、1〜30時間が好ましい。反応時間が1時間より短いと、反応率が充分なものとはならず、30時間より長いと、副反応が起こり、反応の選択率が低下するだけでなく、目的物の分解が起こる可能性があるので好ましくない。より好ましくは、3〜24時間である。なお反応後は、従来公知のフタロシアニン合成方法に従って精製(洗浄、カラムクロマトグラフィー、晶析、再結晶等)により、効率よく、かつ高純度に得ることができる。
また、例えば、特願2007−003778号明細書に記載の方法によっても、上記アリール基含有フタロニトリル化合物を製造することができる。
また、グラム吸光係数(εg)は、40以上、好ましくは60以上、さらに好ましくは80以上であることを特徴とする。
本発明のアリール基含有フタロシアニン化合物は、耐熱性が要求される用途、例えばレーザーダイオード(LD)若しくは発光ダイオード(LED)を使用した光通信におけるフィルタ用材料、アイソレーター用材料、アッテネーター用材料や、QSW(Q−switched)ルビーレーザー用眼球保護メガネ用材料若しくは保護ガラス用材料、太陽電池用色素の原料、インクジェット用インク、偽造防止用インク、ゴーグルのレンズ、遮蔽板、光記録媒体、PETボトルの成型加工時のプレヒーティング助剤、感熱転写や感熱孔版等の光熱交換材、IDカードの偽造防止、プラスチックのレーザー透過溶着法(LTW:Laser Transmission Welding)用の光熱交換材、熱線遮蔽材、カラーフィルタ用材料、プラズマパネルディスプレイの色調補正材料、エンジニアプラスチックを用いたレンズ材料において特に好適に用いることができる。これらの用途においては、本発明のアリール基含有フタロシアニン化合物は、樹脂、ガラス等と配合して使用されることになる。
これらの中でも、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルウレタン系樹脂、ブチラール樹脂、(メタ)アクリルシリコーン系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂等の変性シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンビニルエーテルポリマー等のフッ素系樹脂が好ましい。より好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂である。なお、アクリル系樹脂とメタクリル系樹脂をアクリル系樹脂ともいう。
その他の成分としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のアルコール系溶媒;酢酸ブチル、酢酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド等の有機溶剤の1種又は2種以上や、硬化剤、レベリング剤;コロイド状シリカ、アルミナゾル等の無機微粒子、消泡剤、タレ性防止剤、シランカップリング剤、チタン白、複合酸化物顔料、カーボンブラック、有機顔料、顔料中間体等の顔料;顔料分散剤;抗酸化剤;粘性改質剤;紫外線安定剤;金属不活性化剤;過酸化物分解剤;充填剤;補強剤;可塑剤;潤滑剤;防食剤;防錆剤;蛍光性増白剤;有機及び無機系紫外線吸収剤、無機系熱線吸収剤;有機・無機防炎剤;静電防止剤等の添加剤が挙げられる。
<UV吸収、吸光度測定>
島津製作所製 分光光度計 UV−1650PCを用いて測定した。
フタロシアニン9の合成は、公知の方法で行った。
フタロシアニン7とフタロシアニン10をそれぞれ0.1g量り取り、加熱管の中にいれた。系内に窒素を流し充分に置換した後、昇温し、450℃で5時間熱処理をした後で、加熱前後のサンプルのUVスペクトルを比較した。
UVスペクトルの比較の結果、フタロシアニン10は分解して炭化してしまい、アセトンにも殆ど溶けなかった。一方、フタロシアニン7は加熱後でも加熱前と殆ど同じスペクトルを得た。
結果をそれぞれ図10及び11に示す。
フタロシアニン1〜11について吸光度を測定した。
吸光度(ε)の測定は、各フタロシアニンを4〜6mg/L程度のクロロホルム溶液に調整して測定を行った。
実施例3については、フタロシアニン3(ZnPc{4−(CH3)C6H4}4F4F8)14.40mgを量りとり、2500倍に希釈して5.76mg/Lの溶液に調整して吸光度を測定した。
実施例5については、フタロシアニン5(VOPc(C6F5)8F8)14.84mgを量りとり、2500倍に希釈して5.936mg/Lの溶液に調整して吸光度を測定した。
比較例3については、フタロシアニン11(VOPc(C6F5O)8F8)11.22mgを量りとり、2500倍に希釈して4.488mg/Lの溶液に調整して吸光度を測定した。
結果を下記表1に示す。
Claims (3)
- 請求項1に記載のアリール基含有フタロシアニン化合物の製造方法であって、
該アリール基含有フタロシアニン化合物の製造方法は、下記一般式(2)〜(5);
ことを特徴とするアリール基含有フタロシアニン化合物の製造方法。 - 請求項1に記載のアリール基含有フタロシアニン化合物と、樹脂及び/又はガラスとが配合された配合物であって、
該配合物は、レーザーダイオード若しくは発光ダイオードを使用した光通信におけるフィルタ用材料、アイソレーター用材料、アッテネーター用材料、Q−switchedルビーレーザー用眼球保護メガネ用材料若しくは保護ガラス用材料、太陽電池用色素の原料、インクジェット用インク、偽造防止用インク、ゴーグルのレンズ、遮蔽板、光記録媒体、PETボトルの成型加工時のプレヒーティング助剤、感熱転写若しくは感熱孔版の光熱交換材、IDカードの偽造防止、プラスチックのレーザー透過溶着法用の光熱交換材、熱線遮蔽材、カラーフィルタ用材料、プラズマパネルディスプレイの色調補正材料、又は、エンジニアプラスチックを用いたレンズ材料に用いられるものである
ことを特徴とする配合物。
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