JP5296260B2 - マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は半導体分野におけるマスクブランク用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法に関する。
近年の半導体デバイスの微細化に伴い、光リソグラフィー技術において使用される露光光源の短波長化が進んでいる。透過型の光リソグラフィーの先端分野では露光光源としては、波長が200nm以下のArFエキシマレーザー(波長193nm)が用いられている。しかし、微細化の要求はさらに高まっており、ArFエキシマレーザー光を露光光源とするだけでは解決が困難となり、斜入射照明法等による高NA化によって解決を図ってきている。ただ、高NA化が進むことで、露光装置の焦点深度が非常に小さくなってきている。このため、転写用マスクを露光装置に真空吸着などによりセット(チャック)したときに、この転写用マスクがセット(チャック)前に比べて変形しその平坦度が低下してしまうと、転写用マスクのマスクパターンを被転写体である半導体基板へ転写する際に焦点位置がずれて、転写精度が低下する場合がある。
そのため、マスクブランクに用いられる透光性基板を露光装置にセットしたときの当該透光性基板の形状を、有限要素法を用いてシミュレーションして平坦度を予測することが提案されている。
しかし、有限要素法による基板形状のシミュレーションは基板主表面の形状をある程度正確に予測することはできるが、シミュレーションに要する時間が非常に長いという問題があった。
また、DRAM hp32nm以下の世代においては、ダブルパターニング技術を適用することが検討されている。ダブルパターニング技術は、1つの微細・高密度パターンを2つの比較的疎なパターンに分割し、その2つのパターンについてそれぞれ転写用マスクを作製し、この2枚の転写用マスクで対象物上に微細・高密度パターンを形成するものである。ダブルパターニング技術には、ダブル露光技術、狭義のダブルパターニング技術等、スペーサーを用いる技術、レジストフリージングを基いる技術など、いくつかの手法が提案されているが、2枚の転写用マスクによる2回の露光処理を行って1つの微細・高密度パターンを形成することについては同じである。つまり、1回の露光処理で2枚の転写用マスクを同時に使用するのではなく、1枚の転写用マスクごとに露光装置のマスクステージにチャックさせ、露光光を照射して転写パターンを転写するプロセスを行う。よって、2つのパターンの位置合わせ精度を従来よりも大幅に高める必要がある。このため、転写用マスクの露光装置のマスクステージにチャックしたときに生じるパターンの位置ずれも考慮して、転写マスクに作製する転写パターンを設計する必要が生じている。
そこで、露光用マスクを製造する過程において、フォトレジスト付きのマスクブランクに転写パターンを描画する際に、基板形状のシミュレーション結果を利用して、転写パターンを補正し、補正された転写パターンを描画することが検討され始めている(例えば非特許文献1)。
Proceeding of SPIE 「Mask image position correction for double patter ning lithography」、Photomask and Next−G eneration Lithography Mask Technology XV Vol.7028,2008年、p.7028D.1−p.7028D.9
上記従来技術においては、転写パターンの補正をするために、露光装置にセットした状態における基板主表面の各点での位置をシミュレーションで予測し、その予測データがそのまま転写パターンの補正に用いられている。しかし、シミュレーションを精度よく行うためには基板主表面の多数の点におけるデータが必要であり、シミュレーションの結果をそのまま利用した場合、データ量が大きすぎて扱いづらいという課題があった。
上記の課題を解決するために、本発明者等は、シミュレーション結果を所定の近似曲面に近似することでデータ量を削減することを考え、基板上の各点における位置の近似精度とデータ量とを考慮して適切な近似曲面を選択することを考えた。
つまり、本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法は、主表面が精密研磨された透光性基板を準備する準備工程と、主表面の実測領域内に設定された複数の測定点について、基準面を基準とした主表面の高さ情報をそれぞれ測定してチャック前主表面形状を取得する形状測定工程と、前記透光性基板を露光装置のマスクステージにチャックしたときにおける前記複数の測定点の前記基準面を基準とした主表面の高さ情報であるチャック後主表面形状をシミュレーションにより得るシミュレーション工程と、前記チャック後主表面形状を基に近似曲面を算出する近似曲面算出工程と、前記近似曲面の情報を前記透光性基板と対応付けて記録装置に記録する記録工程と、を有することを特徴とするものである。尚、前記形状測定工程は、光干渉計を利用した公知の平坦度測定装置などを用いて行われ、且つ、シミュレーション工程は、コンピュータを用いて行われることは云うまでもない。
上記本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法において、近似曲面は、基準面にX座標軸およびY座標軸を設定し、基準面に直交する方向にZ座標軸を設定してなる3次元座標系で表わされる多変数関数で表現されたものであり、記録工程は、前記多変数関数の各係数の情報を近似曲面の情報として記録装置に記録することを有するものであると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法において、近似曲面は、XまたはYが4次以上である多変数関数で表現されたものであると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法において、多変数関数のXに関する偏微分を行うX偏微分関数の算出、および多変数関数のYに関する偏微分を行うY偏微分関数の算出を行う偏微分関数算出工程を有し、記録工程では、前記X偏微分関数およびY偏微分関数の各係数の情報も近似曲面の情報として記録装置に記録するものであると好適である。
本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法において、主表面が精密研磨された透光性基板を準備する準備工程と、主表面の実測領域内に設定された複数の測定点について、基準面を基準とした主表面の高さ情報をそれぞれ測定してチャック前主表面形状を取得する形状測定工程と、前記透光性基板を露光装置のマスクステージにチャックしたときにおける前記複数の測定点の前記基準面を基準とした主表面の高さ情報であるチャック後主表面形状を、コンピュータを用いたシミュレーションにより得るシミュレーション工程と、前記チャック後主表面形状を基に、前記基準面にX座標軸およびY座標軸を設定し、基準面に直交する方向にZ座標軸を設定してなる3次元座標系で表わされる多変数関数で表現された近似曲面を算出する近似曲面算出工程と、前記多変数関数のXに関する偏微分を行うX偏微分関数の算出、および前記多変数関数のYに関する偏微分を行うY偏微分関数の算出を行う偏微分関数算出工程と、前記X偏微分関数およびY偏微分関数の各係数の情報を近似曲面の情報として前記透光性基板と対応付けて記録装置に記録する記録工程と、を有することを特徴とするものである。尚、近似曲面算出工程及び偏微分関数算出工程はコンピュータを用いて行われる。
また、上記本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法において、近似曲面は、XまたはYが4次以上である多変数関数で表現されたものであると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法において、シミュレーション工程は、透光性基板をマスクステージに載置したときにおける主表面の重力による変形量である重力変形量と、前記透光性基板をマスクステージにチャックしたときにおける主表面のマスクステージを支点とした場合におけるてこ変形によるてこ変形量、主表面のマスクステージの形状に倣う変形による倣い変形量、および主表面の捩じれを矯正する変形による捩じれ変形量とをそれぞれ算出し、前記チャック前主表面形状へ重ね合わせてチャック後主表面形状を算出するものであると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法において、チャック後主表面形状から求められる算出領域内の平坦度が所定値以下のものをマスクブランク用基板として選定する選定工程を有すると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法において、前記算出領域は、透光性基板の中心を基準とした132mm角内の領域であると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法において、前記平坦度が所定値は、0.24μm以下であると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法において、前記チャック前主表面形状の所定領域内での平坦度が0.4μm以下である透光性基板を選定する工程を有すると好適である。なお、平坦度とは、算出領域や所定領域内における基準面からの主表面の高さが最大の値と最小の値との差を言う。
また、本発明に係るマスクブランクの製造方法は、上記マスクブランク用基板の製造方法により製造されたマスクブランク用基板の前記主表面上に、パターン形成用薄膜を形成する薄膜形成工程を有するものである。
また、本発明に係る転写用マスクの製造方法は、上記マスクブランクの製造方法により製造されたマスクブランクを用いて転写用マスクを製造する方法であって、前記マスクブランクの前記パターン形成用薄膜の上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記近似曲面の情報を基にレジスト膜に形成する転写パターンの補正を行うパターン補正工程と、パターン補正工程で補正した転写パターンをレジスト膜に形成するレジストパターン形成工程と、を有するものである。
また、本発明に係る半導体デバイスの製造方法は、上記転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、フォトリソグラフィ法により転写用マスクの転写パターンをウェハ上のレジスト膜に露光転写する工程を有するものである。
上記した説明は、薄膜形成前の透光性基板に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、薄膜形成後のマスクブランクの製造方法にも同様に適用できる。即ち、本発明に係るマスクブランクの製造方法は、透光性基板の主表面上に薄膜を備えるマスクブランクを準備する準備工程と、前記マスクブランクの主表面の実測領域内に設定された複数の測定点について、基準面を基準とした主表面の高さ情報をそれぞれ測定してチャック前主表面形状を取得する形状測定工程と、前記マスクブランクを露光装置のマスクステージにチャックしたときにおける前記複数の測定点の前記基準面を基準とした主表面の高さ情報であるチャック後主表面形状をシミュレーションにより得るシミュレーション工程と、前記チャック後主表面形状を基に近似曲面を算出する近似曲面算出工程と、前記近似曲面の情報を前記マスクブランクと対応付けて記録装置に記録する記録工程とを有することを特徴とする。
上記本発明に係るマスクブランクの製造方法において、近似曲面は、基準面にX座標軸およびY座標軸を設定し、基準面に直交する方向にZ座標軸を設定してなる3次元座標系で表わされる多変数関数で表現されたものであり、記録工程は、前記多変数関数の各係数の情報を近似曲面の情報として記録装置に記録することを有するものであると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランクの製造方法において、近似曲面は、XまたはYが4次以上である多変数関数で表現されたものであると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランクの製造方法において、多変数関数のXに関する偏微分を行うX偏微分関数の算出、および多変数関数のYに関する偏微分を行うY偏微分関数の算出を行う偏微分関数算出工程を有し、記録工程では、前記X偏微分関数およびY偏微分関数の各係数の情報も近似曲面の情報として記録装置に記録するものであると好適である。
本発明に係るマスクブランクの製造方法は、透光性基板の主表面上に薄膜を備えるマスクブランクを準備する準備工程と、前記マスクブランクの主表面の実測領域内に設定された複数の測定点について、基準面を基準とした主表面の高さ情報をそれぞれ測定してチャック前主表面形状を取得する形状測定工程と、前記マスクブランクを露光装置のマスクステージにチャックしたときにおける前記複数の測定点の前記基準面を基準とした主表面の高さ情報であるチャック後主表面形状をシミュレーションにより得るシミュレーション工程と、前記チャック後主表面形状を基に、前記基準面にX座標軸およびY座標軸を設定し、基準面に直交する方向にZ座標軸を設定してなる3次元座標系で表わされる多変数関数で表現された近似曲面を算出する近似曲面算出工程と、前記多変数関数のXに関する偏微分を行うX偏微分関数の算出、および前記多変数関数のYに関する偏微分を行うY偏微分関数の算出を行う偏微分関数算出工程と、前記X偏微分関数およびY偏微分関数の各係数の情報を近似曲面の情報として前記透光性基板と対応付けて記録装置に記録する記録工程とを有することを特徴とする。
上記本発明に係るマスクブランクの製造方法において、近似曲面は、XまたはYが4次以上である多変数関数で表現されたものであると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランクの製造方法において、シミュレーション工程は、マスクブランクをマスクステージに載置したときにおける主表面の重力による変形量である重力変形量と、前記マスクブランクをマスクステージにチャックしたときにおける主表面のマスクステージを支点としたてこ変形によるてこ変形量、主表面のマスクステージの形状に倣う変形による倣い変形量、および主表面の捩じれを矯正する変形による捩じれ変形量とをそれぞれ算出し、前記チャック前主表面形状へ重ね合わせてチャック後主表面形状を算出するものであると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランクの製造方法において、前記チャック後主表面形状から求められる算出領域内の平坦度が所定値以下のものをマスクブランクとして選定する選定工程を有するものであると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランクの製造方法において、前記算出領域は、透光性基板の中心を基準とした132mm角内の領域であると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランクの製造方法において、前記平坦度の所定値は、0.24μm以下であると好適である。
また、上記本発明に係るマスクブランクの製造方法において、前記チャック前主表面形状から求められる所定領域内での平坦度が0.4μm以下であるマスクブランクを選定する工程を有するものであると好適である。
また、本発明に係る転写用マスクの製造方法は、上記マスクブランクの製造方法により製造されたマスクブランクを用いて転写用マスクを製造する方法であって、前記マスクブランクの前記パターン形成用薄膜の上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記近似曲面の情報を基にレジスト膜に形成する転写パターンの補正を行うパターン補正工程と、パターン補正工程で補正した転写パターンをレジスト膜に形成するレジストパターン形成工程と、を有するものである。
また、本発明に係る半導体デバイスの製造方法は、上記転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、フォトリソグラフィ法により転写用マスクの転写パターンをウェハ上のレジスト膜に露光転写する工程を有するものである。
本発明に係る転写用マスクの製造方法は、透光性基板の主表面上に薄膜を備えるマスクブランクを準備する準備工程と、前記マスクブランクの主表面の実測領域内に設定された複数の測定点について、基準面を基準とした主表面の高さ情報をそれぞれ測定してチャック前主表面形状を取得する形状測定工程と、前記マスクブランクを露光装置のマスクステージにチャックしたときにおける前記複数の測定点の前記基準面を基準とした主表面の高さ情報であるチャック後主表面形状をシミュレーションにより得るシミュレーション工程と、前記チャック後主表面形状を基に近似曲面を算出する近似曲面算出工程と、前記マスクブランクの前記パターン形成用薄膜の上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記近似曲面の情報を基にレジスト膜に形成する転写パターンの補正を行うパターン補正工程と、パターン補正工程で補正した転写パターンをレジスト膜に形成するレジストパターン形成工程と、を有することを特徴とするものである。
また、上記本発明に係る転写用マスクの製造方法において、近似曲面は、基準面にX座標軸およびY座標軸を設定し、基準面に直交する方向にZ座標軸を設定してなる3次元座標系で表わされる多変数関数で表現されたものであると好適である。
また、上記本発明に係る転写用マスクの製造方法において、近似曲面は、XまたはYが4次以上である多変数関数で表現されたものであると好適である。
また、上記本発明に係る転写用マスクの製造方法において、多変数関数のXに関する偏微分を行うX偏微分関数の算出、および多変数関数のYに関する偏微分を行うY偏微分関数の算出を行う偏微分関数算出工程を有するものであると好適である。
また、上記本発明に係る転写用マスクの製造方法において、シミュレーション工程は、マスクブランクをマスクステージに載置したときにおける主表面の重力による変形量である重力変形量と、前記マスクブランクをマスクステージにチャックしたときにおける主表面のマスクステージを支点としたてこ変形によるてこ変形量、主表面のマスクステージの形状に倣う変形による倣い変形量、および主表面の捩じれを矯正する変形による捩じれ変形量とをそれぞれ算出し、前記チャック前主表面形状へ重ね合わせてチャック後主表面形状を算出するものであると好適である。
また、上記本発明に係る転写用マスクの製造方法において、前記チャック後主表面形状から求められる算出領域内の平坦度が所定値以下のマスクブランクを選定する選定工程を有するものであると好適である。
また、上記本発明に係る転写用マスクの製造方法において、前記算出領域は、透光性基板の中心を基準とした132mm角内の領域であると好適である。
また、上記本発明に係る転写用マスクの製造方法において、前記平坦度の所定値は、0.24μm以下であると好適である。
また、上記本発明に係る転写用マスクの製造方法において、前記チャック前主表面形状から求められる所定領域内での平坦度が0.4μm以下であるマスクブランクを選定する工程を有するものであると好適である。
また、本発明に係る半導体デバイスの製造方法は、上記転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、フォトリソグラフィ法により転写用マスクの転写パターンをウェハ上のレジスト膜に露光転写する工程を有するものである。
本発明では、転写パターンの補正に、シミュレーションの結果をそのまま使うのではなく、近似曲面のデータを用いたので、近似曲面は、基板主表面の高さ情報を取得する各測定点の間(隙間)の領域についても補完されるため、各測定点の間の領域についての位置ずれ量の算出や設計転写パターンの補正も容易に、精度よく行うことができる。また、近似曲面として4次から6次程度の多項式曲面を選択したので、計算時間を短縮化できると共に、近似精度を確保することができる。
本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法および転写用マスクの製造方法を示すフローチャートである。 チャック前主表面形状を取得する際、及びシミュレーションによりチャック前主表面形状を算出する際における各測定点を説明するための透光性基板の斜視図である。 露光装置のマスクステージにセットされた透光性基板を示す図である。 近似する多項式の次数と計算時間及び近似精度との関係を示す図である。 本発明に係るマスクブランクの製造方法および転写用マスクの製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための第1形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法を含む転写用マスクの製造工程を示すフローチャートである。
本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法は、図1における透光性基板(合成石英ガラス基板)の準備工程(S1)、形状測定工程(S2)、シミュレーション工程(S3)、近似曲面算出工程(S4)、記録工程(S5)までの工程を有する。続いて、製造されたマスクブランク用基板の主表面上に、薄膜形成工程(S6)によりパターン形成用薄膜を形成して、マスクブランクを製造する。
続いて、製造されたマスクブランクを用いて、レジスト膜形成工程(S7)、パターン補正工程(S8)、レジストパターン形成工程(S9)及びエッチング工程(S10)により、転写用マスクが製造される。
上述の各工程を、以下に順次説明する。なお、透光性基板上に形成するパターン形成用薄膜に透光性基板の変形に影響を与える膜応力が存在する場合、この膜応力を低減する目的で、膜応力制御工程を設けても良い。また、レジスト膜形成工程(S7)はマスクブランクの製造の工程に含まれる場合もある。上述の各工程を、以下に順次説明する。なお、ここでは、透光性基板として合成石英ガラスを適用したが、転写用マスクの基板として用いることができるものであれば、特に限定されない。例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、無アルカリガラス、フッ化カルシウムガラスなどがあげられる。
以下の説明では、透光性基板のサイズが、約152mm×約152mm×6.35mmのものについて述べられているが、特に限定されるものではない。約152mm×約152mm×6.35mmよりも大きいまたは小さい透光性基板の場合でも、同様の効果を得ることができる。また、基板主表面のチャック後主表面形状から算出する平坦度については、その平坦度を算出する領域を、透光性基板の大きさに準じて、適宜設定することができる。
(A)透光性基板の準備工程(S1)
図2(A)に透光性基板の斜視図、同図(B)に透光性基板の外周部の断面図を示す。透光性基板は、一般的に知られている方法により作製された合成石英ガラスインゴットから、約152.4mm×約152.4mm×約6.8mmに切り出して得ることができる。得られた合成石英ガラス板に面取り加工や主表面等の研削を施し、次に、この合成石英ガラス板の表面である主表面1及び2と端面3と面取り面4とを鏡面研磨し、更に主表面1及び2を精密研磨して透光性基板(合成石英ガラス基板、約152mm×約152mm×6.35mm)5を準備する。上記主表面1に、薄膜形成工程においてパターン形成用薄膜(遮光膜、光半透過膜等)が形成される。透光性基板5の準備工程においては、透光性基板5における両主表面1及び2の表面粗さは、二乗平均平方根粗さ(Rq)で約0.2nm以下であり、端面3及び面取り面4の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で約0.03μm以下とする。
ここで、準備された透光性基板5の露光装置による露光時に影響のない部分(端面3、面取り面4、ノッチマーク部、主表面1及び2の転写パターンが形成される領域の外周領域等)の表面に、特開2006−309143号公報に記載されているようなレーザー光を照射して凹部を複数形成してなるマーカーを設け、これを個体識別マークとして、後工程で使用すると好ましい。個体識別マークとして用いる透光性基板5に設けるマーカーは、透光性基板5の表面に限らず、基板内部に焦点が集まるように複数のレーザー光源からレーザー光を照射して、局所的に変質させることで形成してもよい。
(B)形状測定工程(S2)
透光性基板5の主表面1のマスクステージに載置する前の主表面形状であるチャック前主表面形状を取得する手段としては、公知の光干渉計を利用した平坦度測定装置(不図示)などで得ることができる。透光性基板5の自重による撓みをなるべく抑えるため透光性基板5を垂直又は略垂直に立たせた状態(フリースタンディング状態)で平坦度を測定できるものがよい。ここにいうチャック前主表面形状とは、図2に示すように、透光性基板5の主表面1内に設けられた実測領域(a×a)内における複数の測定点P(Xm、Yn)(但しm、nは整数)における基準面7(最小自乗法により算出される焦平面)からの高さ情報Zk(kは整数)をいう。そして、この高さ情報Zkは、なるべく高精度に測定できるものが良く、nmオーダーで測定できるものが良い。なお、図2において、透光性基板5の主表面1内の格子は、複数の測定点P(Xm、Yn)を表すための仮想の線であり、主表面1上に実際にある線ではない。
チャック前主表面形状を測定する上記実測領域(a×a)は、透光性基板5のサイズや平坦度測定装置の測定精度、露光装置のマスクステージが透光性基板5の主表面1に当接する領域等により適宜選定する。後述するシミュレーションを高精度に行うためには、なるべく透光性基板5の主表面1の全面においてチャック前主表面形状を取得することが望ましいが、少なくとも露光装置のマスクステージが透光性基板5の主表面1に当接する領域(つまり、露光装置のマスクステージに透光性基板5がチャックされる領域)を含むように設定する。
また、現存の光干渉計を利用した平坦度測定装置の場合、透光性基板5の外周部、つまり、図2(B)に示すように、透光性基板5の主表面1と面取り面4との境界近傍で、上記高さ情報Zkを高精度に測定することは難しい。この点を考慮すると、チャック前主表面形状を取得する主表面1の実測領域(a×a)は、透光性基板5の面取り面4から0mmを超え3mm以下の周縁部領域bを、主表面1の全面から除いた領域とすることが好ましい。特に好ましくは、透光性基板5の面取り面4から0.5mm以上2.5mm以下の周辺部領域b、さらに好ましくは透光性基板5の面取り面4から1mm以上2mm以下の周辺部領域bを、それぞれ主表面1の全面から除いた領域を、チャック前主表面形状を取得する実測領域(a×a)とすることが望ましい。例えば、透光性基板5の大きさが152mm×152mmである場合、チャック前主表面形状を取得する実測領域(a×a)を146mm×146mm、さらに好ましくは148mm×148mmとすることが望ましい。
また、後述するシミュレーションを高精度に行うためや近似曲面を高精度に算出するには、高さ情報Zkを取得する測定点P(Xm、Yn)をなるべく多くすることが望ましい。しかし、測定点P(Xm、Yn)を多くするとより正確なシミュレーション結果が得られるが、シミュレーションの所要時間がかかってしまうので、これらの点を考慮して測定点P(Xm、Yn)を決定することが好ましい。例えば、測定点P(Xm、Yn)は256×256ポイントとすることができる。
ここで得られたチャック前主表面形状の情報(各測定点Pとその測定点での高さ情報Zk等の基板主表面に関する各種情報)は、その測定した透光性基板5と対応付けて記録装置(PC、ネットワークサーバー、ICタグ等)に記録されてもよい。この記録されたチャック前主表面形状の情報は、後工程の転写用マスクの製造工程で使用することができる。また、透光性基板の準備工程で、透光性基板5自体に個体識別マークを形成している場合には、この個体識別マークとチャック前主表面形状の情報(各測定点Pとその測定点での高さ情報Zk等の基板主表面に関する各種情報)を対応付けて前記記録装置に記録してもよい。
(C)シミュレーション工程(S3)
このシミュレーション工程では、透光性基板5を露光装置のマスクステージにセット(吸引チャック)した状態をシミュレーションして、透光性基板5の主表面1における複数の測定点P(Xm,Yn)で、基準面7(図2)からの高さ情報ZSk(但しkは整数)を求める。
図3は、透光性基板5を露光装置(不図示)のマスクステージ8にセットした様子を示す図である。図3(B)が上から見た図であり、同図(A)がIII−III断面における断面図である。図3に示すとおり、マスクステージ8は、重力方向に実質的に垂直なX−Y平面上に互いに平行に配置された2つの吸引チャック部からなる。この2つの吸引チャック部は、互いにX方向に距離L1だけ離れた位置に、長手方向がY方向(X方向と垂直)に沿うように配置されている。それぞれの吸引チャック部はX方向の幅がL2であり、Y方向の長さがL3とする。
また、図3(C)は同図(B)のIII−III断面における断面図であり、ここでは、理解を容易にするために、透光性基板5の形状が誇張して示されている。図3(C)を参照すると、マスクステージ8へのセット(吸引チャック)前の状態における透光性基板5が実線で示され、マスクステージ8へのセット(吸引チャック)後の状態における透光性基板5が破線で示されている。マスクステージ8を構成する2つの吸引チャック部は、それぞれ、透光性基板5の主表面1と平行に線状に延伸する3本の支持部9とその間に2本の吸着口10が形成されている構成でも良い。透光性基板5は、マスクステージ8の上に置いただけでは、実線で示すように、重力により撓んでいる。マスクステージ8にセット(吸引チャック)されると、破線に示すように、吸引チャックにより、マスクステージ8に当接するように変形する。
露光装置に透光性基板5を吸引チャックしたときの、透光性基板5における複数の測定点P(Xm,Yn)の高さ情報ZSk(図2(A))をシミュレーションして得るには、例えば、上記表面形態情報取得工程で得た透光性基板5の主表面1における複数の測定点P(Xm,Yn)の基準面7からの高さ情報Zkと、露光装置のマスクステージ8が透光性基板5の主表面1に当接する領域(つまり、マスクステージ8におけるX方向の幅L2及びY方向の幅L3を有する領域)を含む当該マスクステージ8の形状情報(上記幅L2、上記幅L3、マスクステージ8間の距離L1)とを用いる。これらの情報を使い、材料力学における撓み微分方程式によって、露光装置のマスクステージ8に透光性基板5を吸引チャックしたときの、透光性基板5の主表面1における複数の測定点P(Xm,Yn)での基準面7からの高さ情報ZSkをシミュレーションして得ることができる。
上記撓み微分方程式は、重力の方向にZ軸の正の方向をとり、例えば、次のようにして求める。
(マスクステージに吸引チャックしたときの透光性基板の主表面における高さ情報ZSk)
=(形状測定工程で取得した透光性基板の主表面における高さ情報Zk)
+(透光性基板の重力によるX方向に沿う撓みによる変形の予測値)[重力変形量]
+(吸引チャックによるマスクステージを支点としたX方向に沿う透光性基板の反り(てこの効果)の予測値)[てこ変形量]
+(吸引チャックによるY方向(マスクステージの長手方向)に沿う透光性基板の変形の予測値)[倣い変形量]
+(透光性基板をマスクステージに吸引チャックしたときに透光性基板の捩じれが矯正される方向に働く変形(捩じれ変形)の予測値)[捩じれ変形量]
ここで、X方向及びY方向は、図3(B)におけるものであり、X方向はマスクステージ8の長手方向に直交する方向であり、Y方向はマスクステージ8の長手方向に沿う方向である。また、「透光性基板がマスクステージに当接するY方向に沿う領域」は、マスクステージ8の形状情報としての、マスクステージ8が透光性基板5の主表面1に当接する領域から求められる。
上記シミュレーション工程においては、透光性基板は通常、捩じれ成分を有していることに着目し、透光性基板5がマスクステージ8にセット(吸着)されたときに透光性基板の捩じれが矯正される方向に働く変形(捩じれ変形)をも考慮してシミュレーションを行った場合、有限要素法によるシミュレーションの結果と比べて、遜色ないレベルの正確なシミュレーション結果が得られる。しかも、シミュレーションに要する時間は、有限要素法よりも大幅に短縮できる。
なお、上述のマスクステージの形状情報としては、マスクステージ8が透光性基板5の主表面1に当接する領域(X方向の幅L2及びY方向の幅L3を有する領域)に加え、マスクステージ8が透光性基板5の主表面1に当接する上記領域(面)における当該マスクステージ8の平坦度の情報を含んでも良い。
また、シミュレーションは上記の方法に限らず、有限要素法等によるシミュレーションでも構わない。
ここで得られたチャック後主表面形状の情報(各測定点Pにおけるシミュレーション後の高さ情報Zk等のシミュレーションで得られたチャック後の主表面に関する各種情報、マスクステージ8に関する情報等)は、形状測定工程の場合と同様の要領で、その測定した透光性基板5と対応付けて記録装置(PC、ネットワークサーバー、ICタグ等)に記録されてもよい。この記録されたチャック後主表面形状の情報は、後工程の転写用マスクの製造工程で使用することができる。
(D)近似曲面算出工程(S4)
近似曲面算出工程では、シミュレーション工程で得られた、チャック後主表面形状に関する情報である、複数の測定点P(Xm,Yn)における基準面からの高さ情報ZSkを所定の曲面に近似する工程である。この工程では、各測定点P(Xm,Yn)におけるZSkを、例えば最小自乗法により、n次多項式曲面(nは4、5又は6)にフィッティングする。
例えば、4次多項式曲面の場合、多項式A(X,Y)は、
(X,Y)=a[0,0]+a[1,0]X+a[0,1]Y+a[2,0]X+a[1,1]XY+a[0,2]Y+・・・+a[j,k]X+・・・+a[0,4]Yで表わされる。
上式において、a[j,k]は多項式の各項に係る係数である(j、k;0〜4の整数)。
ここで、近似する多項式の次数と、最小自乗法によりフィッティングするために要する計算時間及び近似精度との関係を調べた結果を図4に示す。図4において、横軸は近似する多項式の次数であり、2次から10次まで調べた。左側縦軸が近似するために要した計算時間で、4次多項式の計算に要した時間を1として示してある。右側縦軸は、近似精度であり、4次多項式における近似精度を1として示してある。ここで近似精度として、決定係数(総平方和に対するモデルの平方和の比)を指標とした。
図4において、◆マークが、計算時間を表している。この図から、次数が上がるごとに計算時間が増加することがわかる。一方、近似精度を表す■マークをみると、4次から上の次数では、ほとんど近似精度が変わらないのがわかる。計算時間が4次の場合の3倍以上かかる7次及びそれ以上の次数の場合は、計算時間がかかる割には、近似精度が変わらない。よって、近似曲面の多項式の次数は、4次、5次又は6次が短い計算時間で、十分な近似精度が得られて、好適なことがわかった。
(E)記録工程(S5)
記録工程では、近似工程で各測定点P(Xm,Yn)におけるZSkの近似曲面として求められたn次多項式Aの各項の係数a[j,k]を係数情報として、透光性基板と対応付けて、一般的に用いられている記録装置(例えば、PC、ネットワークサーバー、ICタグ、不揮発メモリや、CD−R、DVD−R等の各種メディア等)に記録する。例えば、透光性基板にシリアルナンバーを付し、そのシリアルナンバーと係数情報とを対応付けて記録する。また、シリアルナンバーと透光性基板の材質やサイズ等の情報も対応付けて記録しておく。
なお、透光性基板とシリアルナンバーとを対応付けるために、例えば透光性基板の端面にシリアルナンバーを表すマーカーを付しても良い。
上記(A)透光性基板の準備工程から(E)記録工程までが、マスクブランク用透光性基板の製造方法である。
(F)薄膜形成工程(S6)
薄膜形成工程では、上記の各工程を経て製造されたマスクブランク用基板の主表面上にマスクパターンを形成するためのパターン形成用薄膜をスパッタリング法により形成してマスクブランクを作製する。この薄膜の成膜は、例えばDCマグネトロンスパッタリング装置を使って行う。
パターン形成用薄膜には、遮光膜、ハーフトーン型の位相シフト膜、エンハンサマスクなどで用いられる光半透過膜、さらにはこれらの膜の上に設けられたり、クロムレス位相シフトマスクを作製するために用いられたりするエッチングマスク膜などが適用可能である。遮光膜を構成する材料としては、クロム、遷移金属とケイ素からなる材料(遷移金属シリサイド)、タンタルを挙げることができる。遮光膜は、単層である場合や、基板側から遮光層、表面反射防止層の2層積層構造や、基板側から裏面反射防止層、遮光層、表面反射防止層の3層積層構造などがあげられる。表面反射防止層や裏面反射防止層には、遮光層で用いられる材料に、酸素や窒素を添加した材料が好適である。遷移金属シリサイド中の遷移金属としては、Mo、W、Ta、Ti、Hf、Zr、Pd、Nb、Ru、Ni、V、Rh、Cr等が適用可能である。また、位相シフト膜や光半透過膜の材料としては、クロム系材料であれば、CrO、CrON、CrOCNなど、遷移金属シリサイド系材料であれば、MSiON(M:遷移金属、以下同じ)、MSiO、MSiN、MSiOC、MSiOCNなど、タンタル系材料であれば、TaO、TaON、TaBO、TaBONなどを用いることが好ましい。
パターン形成用薄膜はスパッタリング法により成膜することができる。スパッタリング装置としては、DCマグネトロンスパッタ装置、RFマグネトロンスパッタ装置、イオンビームスパッタ装置などを用いることができる。マスクブランク用基板への遮光性膜のスパッタリングの際に、基板を回転させ、かつ、スパッタターゲットを基板の回転軸から所定角度傾斜させた位置にターゲットを配置して成膜することが好ましい。このような成膜法により、遮光膜の面内のばらつきを小さくし、均一に形成することができる。特に位相シフトマスクや光半透過膜の場合、基板を回転させ、かつ、スパッタターゲットを基板の回転軸から所定角度傾斜させた位置にターゲットを配置して成膜する場合においては、位相角および透過率の面内の分布は、基板とターゲットの位置関係によっても変化する。特開2003−280174号公報に記載されているような成膜方法を用いることが望ましい。
(G)レジスト膜形成工程(S7)
次に、マスクブランクにおける上記パターン形成用薄膜の表面にレジストをスピンコート法等の通常の方法で塗布した後、加熱処理してレジスト膜を形成する。レジストには、微細パターンを形成可能な電子線描画露光用のものが好ましく、化学増幅型のものが特に好ましい。上記(A)透光性基板の準備工程から(F)薄膜形成工程まで、あるいは(G)レジスト膜形成工程までがマスクブランクの製造方法である。
(H)パターン補正工程(S8)
パターン補正工程では、記録工程で透光性基板のシリアルナンバーと対応付けて記憶された係数情報を用いて、設計したパターン形成用薄膜に形成する転写パターンを補正する。露光装置のマスクステージに吸引チャックされたときに生じるパターンの位置ずれ量の予測は、係数情報から近似曲面の多項式を再現し、多項式をXで偏微分した多項式と、Yで偏微分した多項式を算出し、後は、前記の先行技術文献に記載の手法でX方向、Y方向それぞれの予測位置ずれ量を算出する。そして、算出されたX方向、Y方向それぞれの予測位置ずれ量を用いて、設計した転写パターンを補正する。さらに、その補正した転写パターンから、次工程でレジストパターンを描画する際に用いる描画データを作製する。
(I)レジストパターン形成工程(S9)
レジストパターン形成工程では、パターン補正工程(S8)で補正された転写パターンを、一般の描画装置により描画し、現像処理および洗浄処理を行い、レジストパターンを形成する。
(J)エッチング工程(S10)
エッチング工程では、上記レジストパターンをマスクにして、薄膜形成工程(S6)で形成したパターン形成用薄膜をエッチングし、転写パターン(マスクパターン)を形成する。最後に、上記レジストパターンを除去して、マスクブランク用基板上に転写パターンが形成された転写用マスクを得る。
上記(A)透光性基板の準備工程から(J)エッチング工程までが、転写用マスクの製造方法である。
(K)半導体デバイスの製造工程
得られた転写用マスクを露光装置のマスクステージにセット(吸引チャック)し、この転写用マスクを使用し、ArFエキシマレーザーを露光光として光リソグラフィー技術を用い、半導体基板に形成されているレジスト膜に転写用マスクの転写パターンを転写して、この半導体基板上に所望の回路パターンを形成し、半導体デバイスを製造する。
上記のマスクブランク用基板の製造方法において、(C)シミュレーション工程(S3)でチャック後主表面形状を算出した後に、そのチャック後主表面形状の情報から、所定の算出領域で基板主表面の平坦度を算出し、その算出した平坦度が所定値以下のもののみをマスクブランク用基板として選定し、その選定されたマスクブランク用基板に対して、(D)近似曲面算出工程(S4)以降の工程を行うようにすると好ましい。液浸露光技術が適用されるようなDRAM hp45世代よりも微細なパターンの転写用マスクに用いるマスクブランク用基板の場合、チャック後の主表面の平坦度が低いものは適さないためである。
この場合の算出領域は、露光波長や半導体基板上に形成する微細パターン(回路パターン)の種類等によって決められる。例えば、マスクブランクの大きさが152mm×152mmの場合、転写用マスクの転写領域を含む算出領域を、基板主表面の中心を基準とした104mm×132mmの矩形状や、90度回転させて転写パターンを配置することを考慮して132mm×132mmの正方形状とすることができる。さらに、132mm×132mmの外周領域についても平坦度を保証するとなお好ましく、たとえば142mm×142mmの正方形状を算出領域とすると良い。
チャック後主表面から算出される平坦度の所定値は、露光波長や、露光装置のマスクステージの基板チャック方式等の相違により、マスクブランク(または転写用マスク)に対して許容できる平坦度を算出して定める。例えば、露光光源がArFエキシマレーザー(露光波長:193nm)であり、基板チャック方式(透光性基板5の支持部構造)が、図3(B)に示すように、透光性基板5の主表面1と平行に線状に延伸する3本の支持部9の間に2本の吸着口10が形成され、上記支持部9に透明基板5を当接して吸引チャックで支持する構造を有する場合には、上記仕様は、転写用マスクの転写領域を含む算出領域において平坦度が0.24μm以下となる。なお、ダブルパターニング技術が適用される転写用マスクの場合には、前記と同じ算出領域において平坦度が0.12μm以下とすることが望ましい。
また、チャック後の主表面の平坦度が所定値以下のものという基準だけでマスクブランク用基板として選定するのでは、チャック前の主表面の平坦度がよくないものも合格品となる。チャック前の主表面の平坦度がよくないが、チャック後の主表面の平坦度は所定値以下の良好なものになるというマスクブランク用基板は、チャック前後で主表面形状が大きく変化する特性を有している。主表面形状が大きく変化する透光性基板を用いて製造される転写用マスクは、パターン形成用薄膜で形成された転写パターンがチャック前後でのX−Y平面上の移動量が比較的大きくなってしまう。液浸露光技術が適用されるようなDRAM hp45世代よりも微細なパターンの転写用マスクに用いるマスクブランク用基板の場合、チャック前後の転写パターンの移動量(位置ずれ)が大きいと転写精度への影響が大きくなるため、好ましくない。特に、ダブルパターニング技術が適用される転写用マスクに用いるマスクブランク用基板の場合には、転写パターンの位置精度が厳しく、転写パターンの移動量(位置ずれ)が大きいことは特に問題となる。この点を考慮する場合においては、(B)形状測定工程で透光性基板5のチャック前主表面形状を測定した後に、所定の算出領域でチャック前の主表面の平坦度を算出し、所定値以下のものを選定して、次の工程に送ることが望ましい。この場合、(C)シミュレーション工程前に最初の選定を行うことが好ましい。
チャック前主表面形状の平坦度を算出する所定領域は、チャック後主表面形状の平坦度を算出する算出領域と同じとしても良いが、それよりも広い領域を保証することが望ましい。透光性基板の大きさが152mm×152mmの場合、基板主表面の中心を基準とした132mm×132mmの正方形状の領域で平坦度を保証すると良く、142mm×142mmの製法形状の領域で平坦度を保証するとなお好ましい。平坦度の所定値であるが、液浸露光技術が適用されるようなDRAM hp45世代よりも微細なパターンの転写用マスクに用いるマスクブランク用基板の場合では、0.4μm以下とすることが好ましい。また、ダブルパターニング技術が適用される転写用マスクに用いるマスクブランク用基板の場合には、0.3μm以下の平坦度とすることが好ましい。
透光性基板上に形成するパターン形成用薄膜に透光性基板の変形に寄与する膜応力が存在する場合、この膜応力を低減する目的で、膜応力制御工程を設けても良い。膜応力制御工程としては、例えば、パターン形成用の薄膜形成時及び/又は薄膜形成後にマスクブランクを150℃以上の温度で加熱処理する場合や、マスクブランク用基板上に形成するパターン形成用薄膜を複数層とし、圧縮応力を有する層と引張応力を有する層の積層構造として、各層の膜応力を相殺する場合などがある。なお、パターン補正工程(S8)は、近似曲面算出工程(S4)で、近似曲面のn次多項式Aが算出された後と、レジストパターン形成工程(S9)の前の間であれば、どの段階で行ってもよい。
次に、本発明を実施する第2形態を図面に基づき説明する。
図5は、本発明に係るマスクブランクの製造方法および転写用マスクの製造工程を示すフローチャートである。
本発明のマスクブランクおよび転写用マスクの製造方法の第2形態は、透光性基板の準備工程(S201)、薄膜形成工程(S202)、形状測定工程(S203)、シミュレーション工程(S204)、近似曲面算出工程(S205)、及び記録工程(S206)までの工程を有する。続いて、製造されたマスクブランクを用いて、レジスト膜形成工程(S207)、パターン補正工程(S208)、レジストパターン形成工程(S209)、及びエッチング工程(S210)により、転写用マスクが製造される。なお、透光性基板上に形成するパターン形成用薄膜に透光性基板の変形に寄与する膜応力が存在する場合、この膜応力を低減する目的で、膜応力制御工程を設けても良い。また、レジスト膜形成工程(S207)はマスクブランクの製造の工程に含まれる場合もある。上述の各工程について、前記の図1のフローチャートと異なる部分を中心に順次説明する。なお、特に説明されない事項については、前記の本発明に係るマスクブランク用基板の製造方法の第1形態と同様である。
この第2形態では、最初に、第1形態の透光性基板の準備工程(S1)と同様の手順で透光性基板の準備工程(S201)を行い、透光性基板5を準備する。続いて、第1形態の薄膜形成工程(S6)と同様の手順で薄膜形成工程(S202)を行い、透光性基板5の主表面1上にパターン形成用薄膜が形成されたマスクブランクを準備する(透光性基板の準備工程(S201)から薄膜形成工程(S202)までがマスクブランクの準備工程に相当)。必要な場合には、第1形態の膜応力制御工程と同様の手順で膜応力制御工程を行い、パターン形成用薄膜の応力を低減させる。パターン形成用薄膜の膜応力は、主表面1の膜形成前後の変化量の絶対値が、TIR(Total Indicated Reading)で少なくとも0.1μm以下に制御する必要があり、0.1μm未満であると好ましく、50nm以下であることが望ましい。
次に、マスクブランクに対して、第1形態の形状測定工程(S2)と同様の手順で、形状測定工程(S203)を行い、マスクブランクの主表面のマスクステージに載置する前の主表面形状であるチャック前の主表面形状を取得する。ここで、平坦度測定装置によって取得されるマスクブランクのチャック前の主表面形状は、透光性基板5の主表面1上に形成されたパターン形成用薄膜の表面形状である。しかし、スパッタリング法で成膜されたパターン形成用薄膜11の膜厚分布は非常に高い。また、パターン形成用薄膜の膜応力は非常に低く制御されている。このため、パターン形成用薄膜の表面形状は、透光性基板5の主表面1のチャック前主表面形状と等価としてもシミュレーション精度には実質的に影響しない。
次に、得られたマスクブランクのチャック前の主表面形状を用い、第1形態のシミュレーション工程(S3)と同様の手順で、シミュレーション工程(S204)を行い、マスクブランクのチャック後の主表面形状を取得する。このシミュレーション工程(S204)で用いられる撓み微分方程式は、透光性基板に関するものである。しかし、透光性基板の厚さが約6mmであるのに対し、パターン形成用薄膜の膜厚は100nm以下であり、断面2次モーメント等に与える影響は非常に小さい。また、パターン形成用薄膜の膜応力は非常に低く制御されている。このため、透光性基板に関する撓み微分方程式を基にしたシミュレーションでマスクブランクのチャック後の主表面形状を算出しても、シミュレーション精度には実質的に影響しない。なお、ここで得られたマスクブランクのチャック後の主表面形状は、透光性基板のチャック後主表面形状と等価とできる。
次に、得られたマスクブランクのチャック後の主表面形状を用い、第1形態の近似曲面算出工程(S4)と同様の手順で、近似曲面算出工程(S205)を行い、近似曲面のn次多項式Aを算出する。さらに、第1形態の記録工程(S5)と同様の手順で、記録工程(S206)を行い、算出されたn次多項式Aの各項の係数a[j,k]を係数情報として、マスクブランクと対応付けて記録する。
続いて、第1形態のレジスト膜形成工程(S7)と同様の手順で、レジスト膜形成工程(S207)を行い、マスクブランクのパターン形成用薄膜上にレジスト膜を形成する。次に、第1形態のパターン補正工程(S8)と同様の手順で、パターン補正工程(S208)を行い、設計したパターン形成用薄膜に形成する転写パターンを補正する。続いて、第1形成のレジストパターン形成工程(S9)と同様の手順で、レジストパターン形成工程(S209)を行い、補正された転写パターンを描画装置によって描画し、現像処理、洗浄処理を経て、レジスパターンを形成する。さらに、第1形態のエッチング工程(S10)と同様の手順で、レジストパターンをマスクにして、パターン形成用薄膜をエッチングし、転写用マスクを得る。さらに、得られた転写用マスクを用い、ArFエキシマレーザーを露光光として光リソグラフィー技術を用い、半導体基板(半導体ウェハ)上に形成されているレジスト膜に転写用マスクの転写パターンを転写する。このようにして、半導体基板上に所望の回路パターンを形成し、半導体デバイスを製造する。
なお、上記のマスクブランクの製造方法において、シミュレーション工程(S204)でチャック後主表面形状を算出した後に、そのチャック後主表面形状の情報から、所定の算出領域で基板主表面の平坦度を算出し、その算出した平坦度が所定値以下のもののみを選定し、その選定されたマスクブランクに対して、近似曲面算出工程(S205)以降の工程を行うようにすると好ましい。液浸露光技術が適用されるようなDRAM hp45世代よりも微細なパターンの転写用マスクに用いるマスクブランク用基板の場合、チャック後の主表面の平坦度が低いものは適さないためである。また、上記の転写用マスクの製造方法において、パターン形成用薄膜に形成する転写パターンに求められる精度から、マスクブランクに必要なチャック前主表面形状の平坦度、チャック後主表面形状の平坦度を定め、製造された各マスクブランクの中からその基準を満たすものを選定するようにしてもよい。
(実施例)
以下、マスクブランク用透光性基板の製造工程、マスクブランクの製造工程を含む露光用マスクの製造工程について、具体的に説明する。
(I)透光性基板の準備工程(S1)
正方形状の透光性基板(合成石英ガラス基板)の主表面を精密研磨し、洗浄して透光性基板(約152mm×約152mm×6.35mm)を2枚準備した。このとき、個体識別マークとして、透光性基板の端面に炭酸ガスレーザーを用いて、ブロックサイズが3mm×3mmのデータマトリックスを形成した。データマトリックスのシンボルサイズは、12×12(固定:10桁)とし、セルサイズは、0.25mmとした。この個体識別マークで、透光性基板に10桁のシリアルナンバーを付与した。
(II)形状測定工程(S2)
上記透光性基板の主表面について、光干渉計を利用した平坦度測定装置(Corning TROPEL社製 UltraFlat200M)を用いて、透光性基板の主表面(薄膜が形成される主表面)の実測領域(148mm×148mm)において、256×256の各測定点につきチャック前主表面形状の情報(最小自乗法により算出される焦平面(仮想絶対平面)からの高さ情報)を取得し、個体識別マークのシリアルナンバーと対応付けて、コンピュータ(記録装置)に保存した。なお透光性基板の自重による撓みをなるべく抑えるため透光性基板を垂直又は略垂直に立たせた状態(フリースタンディング)で平坦度を測定した。この測定の結果、透光性基板の主表面(薄膜が形成される主表面)の表面形状は、この主表面の高さが中心領域から周縁部へ向かって漸次低くなる形状であり、148mm×148mmにおける平坦度は、2枚とも0.3μm以下であり、良好であった。
(III)シミュレーション工程(S3)
形状測定工程で得られたチャック前主表面形状の情報と、露光装置のマスクステージが透光性基板の主表面に当接する領域(透光性基板の対向する2つの端面からそれぞれ約10mm×132mm)の当該マスクステージの形状情報とから、前述の撓み微分方程式を用い各測定点について、露光装置に透光性基板を吸引チャックしたときの基準面からの高さの情報(チャック後主表面情報)を、コンピュータを用いたシミュレーションにより算出した。算出した2枚の透光性基板のチャック後主表面形状から、基板の中心を基準とした132mm角内の領域で平坦度をそれぞれ算出したところ、2枚とも0.12μm以下であり、ダブルパターニング技術が適用される転写用マスクを作製するのに使用可能な範囲であった。
(IV)近似曲面算出工程(S4)
シミュレーション工程で得られた、複数の測定点P(Xm,Yn)における基準面からの高さ情報ZSkを、ここでは、最小自乗法により4次多項式曲面にフィッティングした。ここでは、近似曲面算出工程は、コンピュータを用いて実行した。
つまり、下記の式で表わされる多項式A(X,Y)にフィッティングして、各項の係数a[j,k](j、k;0〜4の整数)を求めた。
(X,Y)=a[0,0]+a[1,0]X+a[0,1]Y+a[2,0]X+a[1,1]XY+a[0,2]Y+・・・+a[j,k]X+・・・+a[0,4]Y
(ただし、a[j,k]は多項式の各項に係る係数である(j、k;0〜4の整数)。)
(V)記録工程(S5)
続いて、近似曲面算出工程で各測定点P(Xm,Yn)におけるZSkの近似曲面として求められた4次多項式Aの各項の係数a[j,k]を係数情報として、透光性基板と対応付けて、記録装置に記憶した。また、透光性基板の材質やサイズも同様に記憶した。具体的には、透光性基板の個体識別マークでコード表現されているシリアルナンバーをデータのファイル名に含めることで、対応付けた。シミュレーションの結果をそのまま記憶するのではなく、近似曲面のデータを用いたのでデータ量を削減できた。
(VI)薄膜(遮光膜)形成工程(S6−1)
表面形態情報を取得し、シミュレーションを行ったマスクブランク用透光性基板の主表
面上に、遮光層と表面反射防止層を備える遮光膜(パターン形成用薄膜)を形成した。
具体的には、枚葉式DCマグネトロンスパッタ装置内に透光性基板を設置し、スパッタターゲットにモリブデン(Mo)とケイ素(Si)の混合ターゲット(原子%比 Mo:Si=21:79)を用い、アルゴンと窒素との混合ガス雰囲気で、MoSiN膜を形成した。次に、スパッタターゲットにモリブデン(Mo)とケイ素(Si)の混合ターゲット(原子%比 Mo:Si=4:96)を用い、アルゴンと窒素と酸素とヘリウムの混合ガス雰囲気で、MoSiON膜を形成した。以上により、膜厚50nmのMoSiN膜(膜組成比 Mo:14.7原子%,Si:56.2原子%,N:29.1原子%)の遮光層と膜厚10nmのMoSiON(膜組成比 Mo:2.6原子%,Si:57.1原子%,O:15.9原子%,N:24.4原子%)の表面反射防止層の2層積層構造のMoSi系材料からなる遮光膜を形成した。なお、遮光膜の各層の元素分析は、ラザフォード後方散乱分析法を用いた。この遮光膜の光学濃度(OD)は、ArFエキシマレーザーの露光光の波長に対し、3.0であった。
成膜した遮光膜は膜応力を有するため、膜応力制御工程を行った。具体的には、遮光膜が形成されたマスクブランク用基板に対し、450℃で30分間加熱処理(アニール処理)を行い、遮光膜の膜応力を低減する処理を行い、上記遮光膜の膜応力を実質的にゼロにした。
(VII)薄膜(エッチングマスク膜)形成工程(S6−2)
遮光膜が形成されたマスクブランク用基板に対し、遮光膜上にエッチングマスク膜(パターン形成用薄膜)を形成した。
枚葉式DCマグネトロンスパッタ装置内に透光性基板を設置し、スパッタターゲットにクロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴンと二酸化炭素と窒素とヘリウムとの混合ガス雰囲気で、エッチングマスク膜としてCrOCN膜を膜厚10nmで形成した。
成膜したエッチングマスク膜は膜応力を有するため、膜応力制御工程を行った。エッチングマスクが形成されたマスクブランク用基板に対し、遮光膜のアニール処理よりも低い温度で加熱処理(アニール処理)を行うことで、エッチングマスク膜の膜応力を低減する処理を行った。さらに、所定の洗浄を行い、マスクブランクを製造した。
(VIII)レジスト膜形成工程(S7)
製造したマスクブランクのエッチングマスク膜上にスピンコート法によりレジスト膜(電子線描画露光用化学増幅型レジスト:富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 PRL009)を形成し、プリベーク処理して膜厚が100nmのレジスト膜を形成し、レジスト膜付きマスクブランクを得た。
(IX)転写パターン補正工程(S8)
転写パターン補正工程では、記録工程で透光性基板のシリアルナンバーと対応付けて記録された係数情報を用いて、上記で説明したとおりの方法で、設計転写パターンの補正する処理をコンピュータを用いて行った。ただし、ここで使用する設計転写パターンは、ダブルパターニング技術を用い、DRAM hp32nm世代に相当する1つの微細・高密度な設計パターンを2つの比較的疎な設計パターンに分割したものとした。すなわち、2枚の各マスクブランクとそれに形成する転写パターンとを対応付けしてセットとし、セットごとに、設計転写パターンの補正を行った。補正した各設計転写パターンから次工程でレジストパターンを描画する際に用いる描画データをそれぞれ生成した。
本発明では、転写パターンの補正に、シミュレーションの結果をそのまま使うのではなく、近似曲面のデータを用いたので、近似曲面は、基板主表面の各測定点Pの間の領域についても補完されるため、各測定点Pの間の領域についての位置ずれ量の算出や設計転写パターンの補正も容易に行うことができた。また、近似曲面として4次多項式曲面を選択したので、計算時間を短縮化できると共に、近似精度を確保することができた。
(X)レジストパターン形成工程(S9)
続いて、転写パターン補正工程(S8)で補正された各転写パターンを、対応付けされているマスクブランクのレジスト膜に対して電子線描画露光装置により描画し、現像および洗浄を施してレジストパターンを形成した。
(XI)エッチング工程(S10)
エッチング工程では、レジストパターンをマスクとし、エッチングマスク膜を塩素と酸素の混合ガスでドライエッチングを行い、エッチングマスク膜に転写パターンを転写した。次いで、エッチングマスク膜をマスクとし、遮光膜をドライエッチングして転写パターンを形成した。このとき、エッチングガスとして、SFとHeの混合ガスを用いた。最後に、エッチングマスク膜を、塩素と酸素の混合ガスによるドライエッチングで剥離し、所定の洗浄処理を施して、ダブルパターニング用の2枚の転写用マスク(セット)を作製した。
(XII)半導体デバイスの製造工程
作製した2枚の転写用マスク(セット)を用い、ダブルパターニング技術(ダブル露光技術)による半導体デバイスの製造を行った。1枚目の転写用マスクを露光装置のマスクステージにセット(吸引チャック)し、半導体基板上のレジスト膜にArF露光光で1つ目の転写パターンの露光転写を行った。続いて、2枚目の転写用マスクを露光装置のマスクステージにセット(吸引)チャックし、半導体基板上の先ほどと同じレジスト膜にArF露光光で2つ目の転写パターンの露光転写を行った。これにより、半導体基板上のレジスト膜にDRAM hp32nm世代に相当する1つの微細・高密度な転写パターンの露光転写を行ったことになる。半導体基板上のレジスト膜に所定の現像を行い、レジスト膜のパターンの下にある薄膜にドライエッチングによって回路パターンを転写した。転写後の回路パターンを検査したところ、短絡や断線箇所もなく、正常に転写できていることが確認できた。すなわち、転写用マスクがマスクステージにチャックしたときの主表面形状の変化に対応した転写パターンが形成できていること、即ち、本発明の透光性基板に対するシミュレーションの精度が十分に高いことが証明された。同様にして作製した他の転写用マスクセットを用い、半導体基板上に順次回路パターンの積層構造を形成し、半導体デバイスを作成した。得られた半導体デバイスを検査したところ正常に動作していることが確認できた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、近似工程(S4)で、n次多項式Aの各項の係数a[j,k]を係数情報としたが、それに限定されず、例えば、n次多項式AのX偏微分曲面及びY偏微分曲面のそれぞれの多項式の各係数を係数情報としても良い。実際に転写パターンを補正する際には微分曲面の多項式と透明基板の厚さを用いて補正することができる。
1,2 主表面
3 端面
4 面取り面
5 透光性基板
7 基準面
8 マスクステージ

Claims (37)

  1. 2つの主表面を有する透光性基板の一方の主表面にパターン形成用薄膜が形成されたマスクブランクの製造に用いられるマスクブランク用基板の製造方法であって、
    2つの主表面が精密研磨された前記透光性基板を準備する準備工程と、
    前記パターン形成用薄膜が形成される側の主表面である前記一方の主表面の実測領域内に設定された複数の測定点について、基準面を基準とした前記一方の主表面の高さ情報をそれぞれ測定してチャック前主表面形状を取得する形状測定工程と、
    前記透光性基板における前記一方の主表面を露光装置のマスクステージにチャックしたときにおける前記複数の測定点の前記基準面を基準とした前記一方の主表面の高さ情報であるチャック後主表面形状を、前記チャック前主表面形状の複数の測定点における一方の主表面の高さ情報と前記マスクステージの形状情報を用いたシミュレーションにより得るシミュレーション工程と、
    前記チャック後主表面形状の複数の測定点における一方の主表面の高さ情報を基に近似曲面を算出する近似曲面算出工程と、
    前記近似曲面の情報を前記透光性基板と対応付けて記録装置に記録する記録工程と
    を有することを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
  2. 近似曲面は、基準面にX座標軸およびY座標軸を設定し、基準面に直交する方向にZ座標軸を設定してなる3次元座標系で表わされる多変数関数で表現されたものであり、
    記録工程は、前記多変数関数の各係数の情報を近似曲面の情報として記録装置に記録することを有することを特徴とする請求項1記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  3. 近似曲面は、XまたはYが4次以上である多変数関数で表現されたものであることを特徴とする請求項2記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  4. 多変数関数のXに関する偏微分を行うX偏微分関数の算出、および多変数関数のYに関する偏微分を行うY偏微分関数の算出を行う偏微分関数算出工程を有し、
    記録工程では、前記X偏微分関数およびY偏微分関数の各係数の情報も近似曲面の情報として記録装置に記録することを特徴とする請求項2または3に記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  5. 2つの主表面を有する透光性基板の一方の主表面にパターン形成用薄膜が形成されたマスクブランクの製造に用いられるマスクブランク用基板の製造方法であって、
    2つの主表面が精密研磨された前記透光性基板を準備する準備工程と、
    前記パターン形成用薄膜が形成される側の主表面である前記一方の主表面の実測領域内に設定された複数の測定点について、基準面を基準とした前記一方の主表面の高さ情報をそれぞれ測定してチャック前主表面形状を取得する形状測定工程と、
    前記透光性基板における前記一方の主表面を露光装置のマスクステージにチャックしたときにおける前記複数の測定点の前記基準面を基準とした前記一方の主表面の高さ情報であるチャック後主表面形状を、前記チャック前主表面形状の複数の測定点における一方の主表面の高さ情報と前記マスクステージの形状情報を用いたシミュレーションにより得るシミュレーション工程と、
    前記チャック後主表面形状の複数の測定点における一方の主表面の高さ情報を基に、前記基準面にX座標軸およびY座標軸を設定し、基準面に直交する方向にZ座標軸を設定してなる3次元座標系で表わされる多変数関数で表現された近似曲面を算出する近似曲面算出工程と、
    前記多変数関数のXに関する偏微分を行うX偏微分関数の算出、および前記多変数関数のYに関する偏微分を行うY偏微分関数の算出を行う偏微分関数算出工程と、
    前記X偏微分関数およびY偏微分関数の各係数の情報を近似曲面の情報として前記透光性基板と対応付けて記録装置に記録する記録工程と
    を有することを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
  6. 近似曲面は、XまたはYが4次以上である多変数関数で表現されたものであることを特徴とする請求項5記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  7. シミュレーション工程は、
    透光性基板をマスクステージに載置したときにおける前記一方の主表面の重力による変形量である重力変形量と、
    前記透光性基板をマスクステージにチャックしたときにおける前記一方の主表面のマスクステージを支点としたてこ変形によるてこ変形量、前記一方の主表面のマスクステージの形状に倣う変形による倣い変形量、および前記一方の主表面の捩じれを矯正する変形による捩じれ変形量とをそれぞれ算出し、
    前記チャック前主表面形状へ重ね合わせてチャック後主表面形状を算出することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  8. 前記チャック後主表面形状から求められる算出領域内の平坦度が所定値以下のものをマスクブランク用基板として選定する選定工程を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  9. 前記算出領域は、透光性基板の中心を基準とした132mm角内の領域であることを特徴とする請求項8記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  10. 前記平坦度の所定値は、0.24μm以下であることを特徴とする請求項8または9に記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  11. 前記チャック前主表面形状から求められる所定領域内での平坦度が0.4μm以下である透光性基板を選定する工程を有することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法により製造されたマスクブランク用基板の前記一方の主表面上に、パターン形成用薄膜を形成する薄膜形成工程を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  13. 請求項12記載のマスクブランクの製造方法により製造されたマスクブランクを用いて転写用マスクを製造する方法であって、
    前記マスクブランクの前記パターン形成用薄膜の上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
    前記近似曲面の情報を基にレジスト膜に形成する転写パターンの補正を行うパターン補正工程と、
    パターン補正工程で補正した転写パターンをレジスト膜に形成するレジストパターン形成工程と
    を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  14. 請求項13記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、フォトリソグラフィ法により転写用マスクの転写パターンをウェハ上のレジスト膜に露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  15. 2つの主表面を有する透光性基板の一方の主表面上にパターン形成用薄膜を備えるマスクブランクを準備する準備工程と、
    前記マスクブランクの主表面である前記パターン形成用薄膜の表面の実測領域内に設定された複数の測定点について、基準面を基準とした前記パターン形成用薄膜の表面の高さ情報をそれぞれ測定してチャック前主表面形状を取得する形状測定工程と、
    前記マスクブランクにおける前記パターン形成用薄膜の表面を露光装置のマスクステージにチャックしたときにおける前記複数の測定点の前記基準面を基準とした前記パターン形成用薄膜の表面の高さ情報であるチャック後主表面形状を、前記チャック前主表面形状の複数の測定点における一方の主表面の高さ情報と前記マスクステージの形状情報を用いたシミュレーションにより得るシミュレーション工程と、
    前記チャック後主表面形状の複数の測定点における一方の主表面の高さ情報を基に近似曲面を算出する近似曲面算出工程と、
    前記近似曲面の情報を前記マスクブランクと対応付けて記録装置に記録する記録工程と
    を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  16. 近似曲面は、基準面にX座標軸およびY座標軸を設定し、基準面に直交する方向にZ座標軸を設定してなる3次元座標系で表わされる多変数関数で表現されたものであり、
    記録工程は、前記多変数関数の各係数の情報を近似曲面の情報として記録装置に記録することを有することを特徴とする請求項15記載のマスクブランクの製造方法。
  17. 近似曲面は、XまたはYが4次以上である多変数関数で表現されたものであることを特徴とする請求項16記載のマスクブランクの製造方法。
  18. 多変数関数のXに関する偏微分を行うX偏微分関数の算出、および多変数関数のYに関する偏微分を行うY偏微分関数の算出を行う偏微分関数算出工程を有し、
    記録工程では、前記X偏微分関数およびY偏微分関数の各係数の情報も近似曲面の情報として記録装置に記録することを特徴とする請求項16または17に記載のマスクブランクの製造方法。
  19. 2つの主表面を有する透光性基板の一方の主表面上にパターン形成用薄膜を備えるマスクブランクを準備する準備工程と、
    前記マスクブランクの主表面である前記パターン形成用薄膜の表面の実測領域内に設定された複数の測定点について、基準面を基準とした前記パターン形成用薄膜の表面の高さ情報をそれぞれ測定してチャック前主表面形状を取得する形状測定工程と、
    前記マスクブランクにおける前記パターン形成用薄膜の表面を露光装置のマスクステージにチャックしたときにおける前記複数の測定点の前記基準面を基準とした前記パターン形成用薄膜の表面の高さ情報であるチャック後主表面形状を、前記チャック前主表面形状の複数の測定点における一方の主表面の高さ情報と前記マスクステージの形状情報を用いたシミュレーションにより得るシミュレーション工程と、
    前記チャック後主表面形状の複数の測定点における一方の主表面の高さ情報を基に、前記基準面にX座標軸およびY座標軸を設定し、基準面に直交する方向にZ座標軸を設定してなる3次元座標系で表わされる多変数関数で表現された近似曲面を算出する近似曲面算出工程と、
    前記多変数関数のXに関する偏微分を行うX偏微分関数の算出、および前記多変数関数のYに関する偏微分を行うY偏微分関数の算出を行う偏微分関数算出工程と、
    前記X偏微分関数およびY偏微分関数の各係数の情報を近似曲面の情報として前記透光性基板と対応付けて記録装置に記録する記録工程と
    を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  20. 近似曲面は、XまたはYが4次以上である多変数関数で表現されたものであることを特徴とする請求項19記載のマスクブランクの製造方法。
  21. シミュレーション工程は、
    マスクブランクをマスクステージに載置したときにおける前記パターン形成用薄膜の表面の重力による変形量である重力変形量と、
    前記マスクブランクをマスクステージにチャックしたときにおける前記パターン形成用薄膜の表面のマスクステージを支点としたてこ変形によるてこ変形量、前記パターン形成用薄膜の表面のマスクステージの形状に倣う変形による倣い変形量、および前記パターン形成用薄膜の表面の捩じれを矯正する変形による捩じれ変形量とをそれぞれ算出し、
    前記チャック前主表面形状へ重ね合わせてチャック後主表面形状を算出することを特徴とする請求項15から20のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
  22. 前記チャック後主表面形状から求められる算出領域内の平坦度が所定値以下のものをマスクブランクとして選定する選定工程を有することを特徴とする請求項15から21のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
  23. 前記算出領域は、透光性基板の中心を基準とした132mm角内の領域であることを特徴とする請求項22記載のマスクブランクの製造方法。
  24. 前記平坦度の所定値は、0.24μm以下であることを特徴とする請求項22または23に記載のマスクブランクの製造方法。
  25. 前記チャック前主表面形状から求められる所定領域内での平坦度が0.4μm以下であるマスクブランクを選定する工程を有することを特徴とする請求項15から24のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
  26. 請求項15から25のいずれかに記載のマスクブランクを用いて転写用マスクを製造する方法であって、
    前記マスクブランクの前記パターン形成用薄膜の上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
    前記近似曲面の情報を基にレジスト膜に形成する転写パターンの補正を行うパターン補正工程と、
    パターン補正工程で補正した転写パターンをレジスト膜に形成するレジストパターン形成工程と
    を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  27. 請求項26記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、フォトリソグラフィ法により転写用マスクの転写パターンをウェハ上のレジスト膜に露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  28. 2つの主表面を有する透光性基板の一方の主表面上にパターン形成用薄膜を備えるマスクブランクを準備する準備工程と、
    前記マスクブランクの主表面である前記パターン形成用薄膜の表面の実測領域内に設定された複数の測定点について、基準面を基準とした前記パターン形成用薄膜の表面の高さ情報をそれぞれ測定してチャック前主表面形状を取得する形状測定工程と、
    前記マスクブランクにおける前記パターン形成用薄膜の表面を露光装置のマスクステージにチャックしたときにおける前記複数の測定点の前記基準面を基準とした前記パターン形成用薄膜の表面の高さ情報であるチャック後主表面形状を、前記チャック前主表面形状の複数の測定点における一方の主表面の高さ情報と前記マスクステージの形状情報を用いたシミュレーションにより得るシミュレーション工程と、
    前記チャック後主表面形状の複数の測定点における一方の主表面の高さ情報を基に近似曲面を算出する近似曲面算出工程と、
    前記マスクブランクの前記パターン形成用薄膜の上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
    前記近似曲面の情報を基にレジスト膜に形成する転写パターンの補正を行うパターン補正工程と、
    パターン補正工程で補正した転写パターンをレジスト膜に形成するレジストパターン形成工程と
    を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  29. 近似曲面は、基準面にX座標軸およびY座標軸を設定し、基準面に直交する方向にZ座標軸を設定してなる3次元座標系で表わされる多変数関数で表現されたものであることを有することを特徴とする請求項28記載の転写用マスクの製造方法。
  30. 近似曲面は、XまたはYが4次以上である多変数関数で表現されたものであることを特徴とする請求項29記載の転写用マスクの製造方法。
  31. 多変数関数のXに関する偏微分を行うX偏微分関数の算出、および多変数関数のYに関する偏微分を行うY偏微分関数の算出を行う偏微分関数算出工程を有することを特徴とする請求項29または30に記載の転写用マスクの製造方法。
  32. シミュレーション工程は、
    マスクブランクをマスクステージに載置したときにおける前記パターン形成用薄膜の表面の重力による変形量である重力変形量と、
    前記マスクブランクをマスクステージにチャックしたときにおける前記パターン形成用薄膜の表面のマスクステージを支点としたてこ変形によるてこ変形量、前記パターン形成用薄膜の表面のマスクステージの形状に倣う変形による倣い変形量、および前記パターン形成用薄膜の表面の捩じれを矯正する変形による捩じれ変形量とをそれぞれ算出し、
    前記チャック前主表面形状へ重ね合わせてチャック後主表面形状を算出することを特徴とする請求項28から31のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
  33. 前記チャック後主表面形状から求められる算出領域内の平坦度が所定値以下のマスクブランクを選定する選定工程を有することを特徴とする請求項28から32のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
  34. 前記算出領域は、透光性基板の中心を基準とした132mm角内の領域であることを特徴とする請求項33記載の転写用マスクの製造方法。
  35. 前記平坦度の所定値は、0.24μm以下であることを特徴とする請求項33または34に記載の転写用マスクの製造方法。
  36. 前記チャック前主表面形状から求められる所定領域内での平坦度が0.4μm以下であるマスクブランクを選定する工程を有することを特徴とする請求項28から34のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法。
  37. 請求項28から36のいずれかに記載の転写用マスクの製造方法により製造された転写用マスクを用い、フォトリソグラフィ法により転写用マスクの転写パターンをウェハ上のレジスト膜に露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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