JP5294740B2 - 電気毛布 - Google Patents

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Description

本発明は、電気毛布に係り、さらに詳しくは、冬期プログラムモードの他に春秋期の温度に合わせて快適な入眠、就眠及び起床などの支援ができる春秋プログラムモードを備えた電気毛布に関するものである。
電気毛布は、入眠、就眠及び起床を支援する支援具として広く使用されている。この電気毛布は、ヒータが埋め込まれた毛布と、このヒータを制御する制御装置とを備えて、制御装置によって、入眠、就眠及び起床を支援するように構成されている。
この支援には、就眠中に、胸元に比べて足元が冷たくなるので、ヒータ密度を胸元で粗にし、足元で密になるようにしたもの、或いは発熱部を上半部と下半部とに分割して、それぞれの発熱量を個別に調整するようにしたもの(例えば、下記特許文献1参照)、さらに、電源スイッチを入れた最初の一定時間は比較的高温になるように設定して、その後は設定温度が下がるようにしたものがある(例えば、下記特許文献2参照)。
図9は、下記特許文献2に開示された電気毛布の温度特性線図である。
この電気毛布は、温度制御装置を備え、この制御装置によって、電源オンから起床までを予熱、入眠期、就眠期、睡眠期などに区分して、予熱時にヒータ温度を適温より高くして、以後の入眠期、就眠期及び睡眠期に適温になるように、温度制御するようにしたものである。この制御装置は、入床時に床内の温度が低下するので、このような場合に、迅速に温度低下をカバーするようになっている。
特開2003−125908号公報(段落〔0010〕、図1) 特公平5−42793号公報(第2頁右欄「作用」、図2)
電気毛布は、通常、冬期に使用にされるものとなっている。冬期は、外気温が低く、この低い外気温により寝室の室温も低下することから、電気毛布は、比較的厚めの布団と一緒に使用されている。そこで、電気毛布は、厚めの布団の保温力及び就眠時の低い室温などを考慮して設計されている。この設計は、入床、就眠及び起床期間に、いずれもヒータへの通電を行う温度制御となっている。上記特許文献1、2の電気毛布も、入床、就眠、起床期間にヒータへの通電が行われている。
近年は、冬期前後の秋及び春期にも、電気毛布が使用されることがある。春秋期は、外気温度の変動が激しく、温度の高低差が大きくなるが、一方で平均温度は冬期に比べて高くなり、これに伴って室温も高低差が発生するものの平均室温で比べると高くなっている。この春秋期では、平均室温が高くなるので厚めの布団が不要となり、電気毛布は、通常、薄めの布団と一緒に使用される。このような環境下、すなわち、平均室温が冬期と比べて高く、室温の高低差が大きく、しかも使用される布団が薄めなどの環境下で電気毛布が使用されると、この電気毛布は、前述したように冬期仕様で設計されているので、この環境下での使用に適合しない、例えば以下のような課題が発生する。
入床時に、冬期仕様では、ヒータ温度が高く設定されているが、春秋期に高いヒータ温度で布団が暖められると、布団が適温を通り過ぎた温度となり、暑くなり過ぎて入眠できなくなる。また、冬期仕様では、常時ヒータへの通電が行われているので、春秋期に室温が高くなっても布団が暖められる。その結果、布団が高い室温及びヒータからの熱などで暖められて、就眠中に体温が上昇して寝苦しくなり、このために寝汗をかき、目が覚めて、安眠ができなくなる。この対策として、就眠中にヒータへの通電を停止させることが考えられるが、そうすると、気温の変化により室温が低下してしまうと、覆われている布団が薄いために体が冷えてしまい途中で目が覚めたり、寝冷え或いは風邪の原因ともなる。
そこで、本発明は、このような背景に基づいてなされたもので、本発明の目的は、春秋期の温度に合わせて快適な就眠支援ができる春秋期プログラムモードを備えた電気毛布を提供することにある。
本発明の他の目的は、就眠プロセスを入眠、就眠及び起床などに区分して、春秋期の温度に合わせて快適な就眠支援ができる春秋期プログラムモードを備えた電気毛布を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の電気毛布は、ヒータが埋め込まれた毛布と、室温を検知する室温検知手段と、使用モードを設定する入力手段と、前記室温検知手段の出力を入力し前記入力手段のモード設定に基づいて前記ヒータを制御する制御装置とを備えた電気毛布において、前記制御装置は、前記入力手段で春秋プログラムモードが選択されたときに、就眠期に前記ヒータへの通電を停止した制御を行い、該就眠期で室温が最低の設定基準値以下に低下したときに前記ヒータへの通電を実行してヒータ温度を補正することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電気毛布において、前記入力手段において、前記春秋プログラムモードは、入眠から起床までを区分して支援するモード、連続運転の連続モード又は設定所定時間後に運転が切れる切タイマーモードのいずれかのモードと組み合せて選択されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載の電気毛布において、前記基準値と前記ヒータ温度を補正する補正量との関係は、設定する前記基準値を低くするときに前記補正が大きく、逆に前記基準値を高くするときに前記補正が小さくなるように設定されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1に記載の電気毛布において、前記就眠期前に予熱期を設けて、前記制御装置は、前記予熱期に前記ヒータへの通電を行う予熱制御を行うことを特徴とする。
請求項5に記載の電気毛布は、ヒータが埋め込まれた毛布と、室温を検知する室温検知手段と、使用モードを設定する入力手段と、前記室温検知手段の出力を入力し前記入力手段のモード設定に基づいて前記ヒータを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、入眠から起床までの睡眠プロセスを少なくとも就眠期及び起床期に区分して制御するようにした電気毛布において、前記入力手段に、季節に対応した季節モード選択部を設けて、
前記制御装置は、前記季節モード選択部で春秋プログラムモードが選択されたときに、就眠プロセスの就眠期に前記ヒータへの通電を停止した制御を行い、該就眠期で室温が最低の設定基準値以下に低下したときに前記ヒータへの通電を実行してヒータ温度を補正することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の電気毛布において、前記基準値と前記ヒータ温度を補正する補正量との関係は、設定する前記基準値を低くするときに前記補正が大きく、逆に前記基準値を高くするときに前記補正が小さくなるように設定されていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5に記載の電気毛布において、前記睡眠プロセスには、前記就眠期前に予熱期を設けて、前記制御装置は、前記予熱期に前記ヒータへの通電を行う予熱制御を行うことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5〜7のいずれかに記載の電気毛布において、前記季節モードは、前記春秋プログラムモードと冬期プログラムモードからなり、前記制御装置は、前記春秋プログラムモードにおける睡眠プロセスの温度を前記冬期プログラムモードの睡眠プロセス温度より高く設定して、前記ヒータを制御することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8に記載の電気毛布において、前記ヒータ温度を検知するヒータ温度検知手段を設けて、前記ヒータ温度検出手段の出力を前記制御装置に入力して、 前記制御装置は、前記就眠期にヒータ温度が設定最高基準値以下で、前記ヒータへの通電を停止し、前記最高基準値は、前記冬期プログラムモードの就眠期のヒータ温度以下に設定されていることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項5に記載の電気毛布において、前記制御装置は、起床時刻の所定時間前から前記ヒータへの通電を開始して、ヒータ温度を徐々に上昇させることを特徴とする。
本発明は、上記構成を備えることにより、以下の優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、春秋プログラムモードにおいて、就眠期にヒータへの通電が停止されるので、ヒータからの発熱が無くなり寝床が適温を超して過熱されることが無くなる。その結果、一般に室温が13℃〜15℃のときが一番寝易いと言われているので、春秋期でこの温度条件に適合させた電気毛布の使用が可能になる。また、この就眠期において、室温が所定の設定最低温度以下に低下したときに、ヒータへの通電が実行されてヒータ温度が補正されるので、寝冷え及びこの寝冷えに起因する風邪などを防止できる。
請求項2の発明によれば、この春秋プログラムモードを入眠から起床までを区分して支援するモード、連続運転の連続モード又は設定所定時間後に運転が切れる切タイマーモードのいずれのモードとも組み合わせることによって、幅広い使用形態での使用が可能になる。
請求項3の発明によれば、補正は、設定最低基準値との関連において、室温が低いと
きに補正が大きく、室温が高くなるにしたがって補正が小さく設定されるので、室温の低高に対応して迅速なヒータ温度の補正が可能となる。
請求項4の発明によれば、予熱期に所定の温度になるように予熱をするので、入眠がし易くなる。
請求項5の発明によれば、春秋プログラムモードにおいて、就眠期にヒータへの通電が停止されるので、ヒータからの発熱が無くなり寝床が適温を超して過熱されることが無くなる。その結果、一般に室温が13℃〜15℃のときが一番寝易いと言われているので、春秋期でこの温度条件に適合させた電気毛布の使用が可能になる。また、この就眠期において、室温が所定の設定最低温度以下に低下したときに、ヒータへの通電が実行されてヒータ温度が補正されるので、寝冷え及びこの寝冷えに起因する風邪などを防止できる。
請求項6の発明によれば、補正は、設定最低基準値との関連において、室温が低いときに補正が大きく、室温が高くなるにしたがって補正が小さく設定されるので、室温の低高に対応して迅速なヒータ温度の補正が可能となる。
請求項7の発明によれば、予熱期に所定の温度になるように予熱をするので、入眠がし易くなる。
請求項8の発明によれば、従来は冬期プログラムモードが主であったが、春秋プログラムモードが加わることによって、冬期及び春秋期の長い期間に亘って、すぐ眠れる、ぐっすり眠れる、すっきり目覚めるなどの快眠条件を備えた電気毛布の使用が可能になる。
請求項9の発明によれば、冬期プログラムモードでは、通常、就眠期でヒータへの通電がなされてヒータ温度が所定温度、例えば26℃程度となっているが、春秋プログラムモードでは、この温度(26℃)より低い最高基準値、例えば20℃程度に設定することによって、就眠期にヒータへの通電が停止されて、ヒータからの発熱が無くなる。その結果、寝床が過熱されることがなく、一般に室温が13℃〜15℃のときが一番寝易いと言われているので、春秋期において、電気毛布はこの条件に適合させることができて、体温に依存した自然の状態で安眠を支援できる。
請求項10の発明によれば、起床期にヒータ温度が高められるので、快く起床ができる。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための電気毛布を例示するものであって、本発明をこの電気毛布に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
図1を参照して、本発明の実施例に係る電気毛布の概要を説明する。なお、図1は本発明の実施例に係る電気毛布の使用概要図、図2は図1のコントローラを示し、図2Aは図1のコントローラの斜視図、図2Bは図2AのIIB部の拡大図である。
電気毛布1は、線状ヒータ(以下、単に「ヒータ」という)3が所定形状にして埋設された毛布2と、このヒータ3に接続されたコントローラ4と、このコントローラ4の使用モード設定入力手段からの指令に基づいて毛布2の温度制御を行う制御装置(図3参照)8とを備えている。制御装置8は、各種の制御素子などが装着された回路制御基板(図示省略)で構成されて、この制御基板はコントローラ4を構成する機器内に収容されている。この電気毛布1は、敷布団Fと掛布団(図示省略)との間に入れて、掛毛布或いは敷毛布として使用される。
コントローラ4は、図2に示すように、小型携帯機器5からなり、この小型携帯機器5には、スタートキー6A、使用モードを選択するモード選択キー6Bと、起床時刻などを設定する時刻設定キー6C、速熱キー6Dと、これらのキー操作の内容を表示する表示パネル7、電源スイッチSWなどが設けられている。このコントローラ4からは、2本のコード線L1、L2が引出されて、これらの先端にコネクタP1、P2が取付けられている。一方のコネクタP1は、ヒータ3に接続されており、他方のコネクタP2は電源に接続される。なお、図1ではコード線L2及びコネクタP2が省略されている。
モード選択キー6Bは、図2Bに示すように、連続モードキー61、切タイマモードキー62、春秋モードキー63及び冬期モードキー64となっている。なお、春秋モードキー63及び冬期モードキー64は、季節モード選択部ともいい、また、連続モードキー61は連続モード選択部ともいう。これらのモードキーのうち、連続モードキー61は、毛布が連続して使用継続されるモードキーであり、切タイマモードキー62は、設定時間後にヒータへの通電が停止されるようにしたモードキーである。また、速熱モードキー6Dは、短時間でヒータ温度を上げるモードキーとなっている。このモードキーは、夜中にトイレなどで目が覚めたとき、寝床を離れる際にこのキーを押しておくことによって、速熱されて戻ってきたときに床内が暖められて、電気毛布の温度設定を気にせずに、再び眠りにつくことができるモードを実行するものとなっている。なお、この速熱は、暫く高い温度が維持された後、自動的に元の選択されたモードに復帰する仕組みになっている。
春秋モードキー63及び冬期モードキー64は、これらのモードキーが操作されたとき、制御装置は冬期プログラムモード(以下、単に「冬期モード」という)及び春秋プログラムモード(以下、単に「春秋モード」という)の制御を実行するようになっている。冬期モード及び春秋モードでは、図5に示すように、いずれも入眠から起床までの睡眠プロセスが予熱、就眠及び起床を支援する支援区間に区分されて、制御装置8によってそれぞれの区分毎に季節に合わせた温度制御が実行される。この支援区分は、寝床に入る前、すなわち入眠前に所定時間掛けて毛布を所定の温度に予熱する予熱期I、この予熱後に所定時間及び温度で安眠を支援する就眠期II及び就眠後に床内を暖めて快適な起床を支援する起床期IIIとなっている。冬期モード及び春秋モードのうち、冬期モードの予熱期I、就眠期II及び起床期IIIのそれぞれの温度は、春秋モードのそれぞれの温度より低く設定されて、特に就眠期IIではヒータ3への通電を行わない制御がなされる。
図3を参照して、制御装置を説明する。なお、図3は制御装置の構成を示すブロック図である。
制御装置8は、図3に示すように、種々の演算処理を行うCPU、各種データの記憶を行うROM及びRAMからなる記憶手段、選択されたモードを検出するモード検出手段、時間を計時するタイマー、ヒータの発熱量を制御するヒータ制御手段、室温が最低基準値以下に低下したときにヒータへの通電を開始してヒータ温度を補正する補正制御手段、表示パネルに表示される表示画面を制御するための表示パネル制御手段などを備えている。記憶手段には、冬期モード及び春秋モードにおける予熱期、就眠期及び起床期のプログラムなどが記憶されている。
この制御装置8には、スタートキー6A、モード選択キー6B、時刻設定キー6C及び速熱キー6Dなどからの指令が入力される。同様に室温検知センサ9A及びヒータ温度検知センサ9Bからの検出値が入力される。また、この制御装置8には、ヒータ3、表示パネル7などが接続されている。
次に、図1〜図5を参照して、冬期モード及び春秋モード制御を説明する。なお、図4は冬期モード及び春秋モード制御のフローチャート図、図5は冬期モード及び春秋モード制御における温度特性図である。図6は、最低基準温度値と補正値との関係を説明する説明図である。
(イ)冬期モード
コントローラ4の電源スイッチSWをオンして表示パネル7を点灯させる(S1)。モード選択キー6Bから冬期64を選択する(S2、S3)。また、時刻設定キー6Cを操作して起床時刻を設定する(S4)。これらの設定終了後に、スタートキー6Aをオンする(S5)。このスターキー6Aオンにより、制御装置8は、ヒータ3への通電を行って予熱期Iの予熱を開始する(S6)。この予熱は、所定時間t1(例えば60分)掛けて、室温A1からヒータ温度が予熱最高温度A2(例えば、57℃)に達するまで昇温する。この予熱期I終了後に入床する。入床時点では、床内が暖められているので快適な環境で入眠できる。入眠後の就眠期IIでは、ヒータ3への通電をオン・オフ制御によって行い、ヒータ温度は所定の温度A3(例えば26℃)に保持される。冬期モードでは、朝方になると室温が低下する。そこで、制御装置8は、この起床期IIIでヒータ3の通電を行ってヒータ温度を上昇させる。この温度上昇は、図5に示すように、起床時刻の所定時間t3(例えば20分)前からヒータ3への通電を実施して所定温度A4(20℃)まで上昇させる。その後は、起床時刻までに徐々に上昇、所定時間t31(例えば10分)前には所定温度A5(例えば25℃)、起床時刻では所定温度A6(例えば30℃)になるようにする。この起床温度制御により、起床がし易くなる。
(ロ)春秋モード
コントローラ4の電源スイッチSWをオンして表示パネル7を点灯させる(S1)。コース選択キー6Bから春秋63を選択する(S2、S31)。また、時刻設定キー6Cを操作して起床時刻を設定する(S41)。これらの設定終了後に、スタートキー6Aをオンする(S51)。このスタートキーオン6Aにより、制御装置8は、ヒータ3への通電を行って予熱期Iの予熱を開始する(S61)。この予熱は、所定時間t1(例えば60分)を掛けて、室温B1からヒータ温度が予熱最高温度B2(例えば39℃)に到達するまで昇温する。この予熱最高温度B2は、春秋期の室温が冬期より高くなっているので、冬期モードの予熱最高温度A2より低く設定されている。この予熱期I終了後に入床する。入床時点では、床内が暖められているので快適な環境で入眠ができる。入眠後の就眠期IIでは、室温が所定の最高設定温度、例えば20℃以上になったときに、ヒータ3への通電が停止される(S71)。ヒータ3への通電が停止されても、床内は体温で暖められているので、ヒータ温度を測定すると所定温度B3(例えば16℃)となっている。この就眠期IIでヒータ3への通電が停止されると、ヒータ3からの発熱が無いので寝床が過熱されることが無い。その結果、一般に室温が13℃〜15℃のときが一番寝易いと言われているので、春秋期でこの条件に適合させた電気毛布の使用が可能になる。
就眠期IIの、所定時間t2は比較的長い時間帯となっているので、この就眠期IIに室温が低下することがある。室温が低下した状態になっても、ヒータ3への通電が停止された状態が続くと体が冷えて目覚めることがある。そこで、室温が所定の設定最低基準値以下に低下したときに、制御装置8により、ヒータ3への通電を開始してヒータ温度の補正を行うようにする。この補正制御は、制御装置8の補正制御手段により実行される。この補正制御では、室温が設定最低温度、例えば室温10℃以下に低下したときに、所定量の補正、例えば、温度A3までヒータ温度を上昇させる。この温度A3は、冬期モードの就眠期IIの温度となっている。この補正により、床内が暖められるので、就眠期IIの途中で体が冷えて目覚めることがなく、しかも、寝冷え及びこの寝冷えに起因する風邪などを防止できる。したがって、電気毛布の温度設定を気にせずに使用することが可能になる。このヒータ温度補正は、最低温度の設定に基づいて、所定量の補正がなされる。例えば、前述のように、設定最低温度が10℃のときに補正値を温度A3にして略冬期モードの就眠期の温度にする。この補正量は、室温によって予め設定するが、補正量と室温で設定する基準値との関係は、図6に示すように、低い室温R1(例えば10℃)のときに補正値を大きく、室温が高いR2、R3を経てさらに高いRN(例えば15℃)へ近づくにつれてこの補正値を小さくなるようにし、この室温RNでは補正値は零に設定する。これらの室温及び補正値は、実験により求めて、制御装置の記憶手段に記憶して置く。このように室温との関係で補正値を設定して置くと、室温の低高に対応して迅速なヒータ温度の補正が可能となる。
また、春秋モードにおいても、朝方になると室温が低下する。そこで、制御装置8は、この起床期IIIでヒータ3の通電を実施してヒータ温度を上昇させる。この温度上昇は、図5に示すように、起床時刻の所定時間t3(例えば20分)前からヒータ3への通電を実施して所定温度B4(20℃)まで上昇させる。その後は、起床時刻までに徐々に上昇、所定時間t31(例えば10分)前には所定温度B5(例えば25℃)、起床時刻では温度B6(例えば30℃)になるようにする。この起床温度制御により、起床がし易くなる。
次に、図7、図8を参照して、春秋モードにおける連続モード制御を説明する。なお、図7は連続モード制御における温度特性図である。図8はヒータ温度の補正量を説明する説明図である。
連続制御モードは、春秋モードにおける連続モード制御であって、図7に示すように、他のモードと同じように、予熱期I、就眠期II及び起床期IIIに区分して、制御装置8により、予熱期I後は、就眠期の温度C3、起床期の温度C4、C5が略同一値となるように制御される。すなわち、就眠期II及び起床期IIIでは、ヒータ3への通電が停止される。
ヒータ3からの発熱が無いので寝床が過熱されることが無くなる。その結果、一般に室温が13℃〜15℃のときが一番寝易いと言われているので、春秋期でこの条件に適合させた電気毛布の使用が可能になる。この連続モードにおいても、就眠期IIに室温が低下することがあるので、そこで、室温が所定の最低基準値以下に低下したときに、制御装置8により、ヒータ3への通電を開始してヒータ温度の補正を行うようにする。この補正制御は、制御装置8の補正制御手段により実行される。
この春秋モードは、また、切タイマーモードと組み合わせて使用することができる。その制御は、連続制御モードと殆ど同じになるので、その説明を省略する。
図1は本発明の実施例に係る電気毛布の使用概要図である。 図2は図1のコントローラを示し、図2Aは図1のコントローラの斜視図、図2Bは図2AのIIB部の拡大図である。 図3は制御装置の構成を示すブロック図である。 図4は、冬期モード及び春秋モード制御のフローチャート図である。 図5は、冬期モード及び春秋モード制御における温度特性図である。 図6は、最低基準温度値と補正値との関係を説明する説明図である。 図7は連続モード制御における温度特性図である。 図8はヒータ温度の補正量との関係を説明する説明図である。 図9は従来技術の温度特性図である。
符号の説明
1 電気毛布
2 毛布
3 ヒータ
4 コントローラ
6A スタートキー
6B モード選択キー
61 連続モードキー
62 切タイマモードキー
63 春秋モードキー
64 冬期モードキー
6C 時刻設定キー
6D 速熱キー
7 表示パネル
8 制御装置
9A 室温検知センサ
9B ヒータ温度検知センサ

Claims (10)

  1. ヒータが埋め込まれた毛布と、室温を検知する室温検知手段と、使用モードを設定する入力手段と、前記室温検知手段の出力を入力し前記入力手段のモード設定に基づいて前記ヒータを制御する制御装置とを備えた電気毛布において、
    前記制御装置は、前記入力手段で春秋プログラムモードが選択されたときに、就眠期に前記ヒータへの通電を停止した制御を行い、該就眠期で室温が最低の設定基準値以下に低下したときに前記ヒータへの通電を実行してヒータ温度を補正することを特徴とする電気毛布。
  2. 前記入力手段において、前記春秋プログラムモードは、入眠から起床までを区分して支援するモード、連続運転の連続モード又は設定所定時間後に運転が切れる切タイマーモードのいずれかのモードと組み合せて選択されることを特徴とする請求項1に記載の電気毛布。
  3. 前記基準値と前記ヒータ温度を補正する補正量との関係は、設定する前記基準値を低くするときに前記補正が大きく、逆に前記基準値を高くするときに前記補正が小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電気毛布。
  4. 前記就眠期前に予熱期を設けて、前記制御装置は、前記予熱期に前記ヒータへの通電を行う予熱制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の電気毛布。
  5. ヒータが埋め込まれた毛布と、室温を検知する室温検知手段と、使用モードを設定する入力手段と、前記室温検知手段の出力を入力し前記入力手段のモード設定に基づいて前記ヒータを制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、入眠から起床までの睡眠プロセスを少なくとも就眠期及び起床期に区分して制御するようにした電気毛布において、
    前記入力手段に、季節に対応した季節モード選択部を設けて、
    前記制御装置は、前記季節モード選択部で春秋プログラムモードが選択されたときに、就眠プロセスの就眠期に前記ヒータへの通電を停止した制御を行い、該就眠期で室温が最低の設定基準値以下に低下したときに前記ヒータへの通電を実行してヒータ温度を補正す
    ることを特徴とする電気毛布。
  6. 前記基準値と前記ヒータ温度を補正する補正量との関係は、設定する前記基準値を低くするときに前記補正が大きく、逆に前記基準値を高くするときに前記補正が小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の電気毛布。
  7. 前記睡眠プロセスには、前記就眠期前に予熱期を設けて、前記制御装置は、前記予熱期に前記ヒータへの通電を行う予熱制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の電気毛布。
  8. 前記季節モードは、前記春秋プログラムモードと冬期プログラムモードからなり、前記制御装置は、前記春秋プログラムモードにおける睡眠プロセスの温度を前記冬期プログラムモードの睡眠プロセス温度より高く設定して、前記ヒータを制御することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の電気毛布。
  9. 前記ヒータ温度を検知するヒータ温度検知手段を設けて、前記ヒータ温度検出手段の出力を前記制御装置に入力して、
    前記制御装置は、前記就眠期にヒータ温度が設定最高基準値以下で、前記ヒータへの通電を停止し、前記最高基準値は、前記冬期プログラムモードの就眠期のヒータ温度以下に設定されていることを特徴とする請求項8に記載の電気毛布。
  10. 前記制御装置は、起床時刻の所定時間前から前記ヒータへの通電を開始して、ヒータ温度を徐々に上昇させることを特徴とする請求項5に記載の電気毛布。
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