JP5294053B2 - 合成樹脂製丸型壜体 - Google Patents
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Description
この中でたとえば2〜3ガスボリューム(注)程度の微炭酸ガス成分を含む果汁炭酸飲料向け用途に使用される壜体では、60〜70℃程度の温水シャワーで壜体を加熱して熱殺菌処理をするので内部が相当の加圧状態となる。
(注)清涼飲料業界では、標準状態(1気圧,0℃)において、飲料に溶けている炭酸ガスの体積の飲料の体積に対しての比を表したものを、ガスボリュ−ムと呼んでおり、飲料中の炭酸ガスの含有量を表す単位としている。
平断面の基本的な形状が円形の胴部を有し、内部が加圧状態になる用途に使用される合成樹脂製の丸型壜体において、
胴径を上方及び下方からテーパー状に縮径させて胴部の中央高さ位置近傍にウエスト部を形成し、
このウエスト部の下端部の所定高さ位置を頂点とした円弧状線分を多数、周期的に周方向に並列状に連結して波状の基線を形成し、
この基線を基端とし、基線に沿って波状に、また下方に向かって拡径テーパー状に形成される段差部を介してウエスト部の下端部から下方に向けて、所定の高さ範囲に膨出状に凸部を形成し、
前記所定の高さ範囲で胴壁が周方向に周期的な凹凸形状を有する構成とし、
この周方向に周期的な凹凸形状を有する所定の高さ範囲における平断面形状のうち、凸部の平断面形状を、段差部による一対の傾斜側辺とこの一対の傾斜側辺を連結し胴部の中心軸を中心とした所定の径の仮想円に重なる円弧線分により等脚台形状に形成する、と云うものである。
ウエスト部の下端部の所定高さ位置を頂点とした円弧状線分を多数、周期的に周方向に並列状に連結した波状の基線を基端としウエスト部の下端部から下方に向けて、所定の高さ範囲に膨出状に凸部を形成する構成とすることにより、ウエスト部の下方において、胴壁を、上端が波状に変化し、周方向に周期的な凹凸を有する特徴的な形状とすることができる。
なお、上記構成において基線を構成する円弧状線分の曲率半径等の形状、並列させる個数、段差部の高さや傾斜角度等の形状、凹凸形状を形成する高さ範囲等は壜体の外観(意匠性)やウエスト部の径の膨出状のクリープ変形量等を考慮して決めることができる。
すなわち、周期的に周方向に並列状に連結した波状の基線を基端としウエスト部の下端部から下方に向けて、所定の高さ範囲に膨出状に凸部を形成する構成とすることにより、ウエスト部の下方において、胴壁を、上端が波状に変化し周方向に周期的な凹凸を有する特徴的な形状とすることができ、
そして凸部を、基線に沿って波状に形成される段差部を介して膨出状に凸部を形成する構成とすることにより、この波状に形成される段差部の、胴壁を屈曲状に折り曲げた形状の補強リブ的な作用効果により、60〜70℃程度の温水シャワーによる熱殺菌処理工程における内圧の上昇に起因する膨張状のクリープ変形を効果的に抑制することができ、膨張状のクリープ変形に伴なう、ウエストラインのシャープさが損なわれる等の外観の毀損や、内容積の増加に伴なう入り味線の低下による違和感を効果的に抑制することができる。
図1〜図3は本発明の合成樹脂製丸型壜体の一実施例を示すものである。図1は正面図、図2は底面図、図3(a)、(b)はそれぞれ図1中のA−A線、B−B線に沿って示す平断面図である。
この壜体1はPET樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であり、口筒部2、肩部3、胴部4、底部5から成り、全高さが206mm、通称容量500mlで、胴部4の中央やや上の高さ位置に、幅広周溝状にウエスト部7が形成されている。
口筒部2は熱結晶化処理により白化しており、底部5は5つの脚片5fを突出形成したペタロイド状の形状としている。
なお本実施例では高さ範囲h1の寸法は25mmであり、この高さ範囲h1の下方では、隣接する円弧状線分11cの両端部を接触させて縦方向に谷間を形成するようにしており、この谷間に沿って段差部12も同様に谷間が形成されている。
この比較例の壜体1は、高さ範囲h2に周方向に形成される凹凸形状が相違している点を除いて図1に示される実施例の壜体と同様の形状をしている。
すなわち、図1の壜体1では波状の基線11を基端とし、この基線11に沿って波状に形成される段差部12を介してウエスト部7の下端部から下方に向けて、高さ範囲h1に胴壁を膨出状にして凸部13を形成しているのに対し、図4の比較例1の壜体1では基線11を基端として実施例における段差部12を介することなく直接、胴壁を膨出状にして凸部13を形成している。(図5(b)参照)
[試験条件]
上記実施例、比較例の壜体1に、水に市販の果汁炭酸飲料を想定して2.5ガスボリュームになるようにクエン酸と重曹を添加した溶液を充填し(ヘッドスペ−ス18ml)キャップで密封後、内容液の温度が最も低くなる底部5底面中央部の直上部分、所謂、コールドスポットにおける内容液の温度が63℃で10分間保持されるように壜体1の上方から高温の水を所定時間シャワー状にかけ、その後40℃以下の冷水シャワーにて冷却する試験を実施した。
また上記内容積の増加に起因する入り味線L(図1参照)の低下も抑制されものであり、使用者に違和感を与えない程度の範囲とすることができた。
そして、上記実施例と比較例の試験結果を比較することにより、実施例で基線11に沿って形成した段差部12の膨出変形に対する補強リブ的な作用効果が発揮され、これにより熱応力下におけるクリープ変形が効果的に抑制できることが確認された。
円弧状線分11cの曲率半径等の形状、並列させる個数、段差部12の高さや傾斜角度等の形状、凹凸形状を形成する高さ範囲h1等は壜体の外観(意匠性)やウエスト部7の径の膨出状のクリープ変形量等を考慮して決めることができる。
因みに、実施例の壜体1では高さ範囲h1を25mmとしたが、この高さ範囲h1を8mm、13.7mm、36mmとした壜体についても検討した結果、前述した試験における内容積の増加、特にウエスト部7のシャープさに係る外観評価、入り味線Lの低下について25mmの場合と大きな差異は見られなかった。
また、底部形状としてはペタロイド形状の他にもたとえば底面中央部を大きく壜体内部に向かって窪ませたシャンパンボトル状の形状等とすることもできる。
2 ;口筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
5 ;底部
5f;脚片
7 ;ウエスト部
11;基線
11c;円弧状線分
12;段差部
13;凸部
15;傾斜側辺
16;円弧線分
h1、h2;高さ範囲
L ;入り味線
101;壜体
102;口筒部
103;肩部
104;胴部
105;底部
105f;脚片
Claims (1)
- 平断面の基本的な形状が円形の胴部(4)を有し、内部が加圧状態になる用途に使用される丸型壜体であって、
胴径を上方及び下方からテーパー状に縮径させて胴部(4)の中央高さ位置近傍にウエスト部(7)を形成し、
該ウエスト部(7)の下端部の所定高さ位置を頂点とした円弧状線分を多数、周期的に周方向に並列状に連結して波状の基線(11)を形成し、
該基線(11)を基端とし、該基線(11)に沿って波状に、また下方に向かって拡径テーパー状に形成される段差部(12)を介して前記ウエスト部(7)の下端部から下方に向けて所定の高さ範囲(h1)に胴壁を膨出状にして凸部(13)を形成し、
前記所定の高さ範囲(h1)で胴壁が周方向に周期的な凹凸形状を有する構成とし、
前記高さ範囲(h1)における平断面形状のうち、凸部(13)の平断面形状を、段差部(12)による一対の傾斜側辺(15)と該一対の傾斜側辺(15)を連結し胴部(4)の中心軸を中心とした所定の径の仮想円(P)に重なる円弧線分(16)により等脚台形状に形成したことを特徴とする合成樹脂製丸型壜体。
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JP2008118005A JP5294053B2 (ja) | 2008-04-30 | 2008-04-30 | 合成樹脂製丸型壜体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008118005A JP5294053B2 (ja) | 2008-04-30 | 2008-04-30 | 合成樹脂製丸型壜体 |
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- 2008-04-30 JP JP2008118005A patent/JP5294053B2/ja active Active
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