JP4599973B2 - 合成樹脂製容器 - Google Patents
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Description
このため、容器を持ち上げたときに、この凹部を形成している上側の面に負荷がかかると、当該面がへこんでしまうなどして、指の引っ掛かりが不充分となり、把持したときの状態が不安定であった。
また、凹部を形成する下側の面は、容器を把持したときに、指とこの面とのフィット感が得られず、また、把持した指に作用する容器からの反発力が弱いため、容器を把持したときにホールド性が得られず、把持した感覚が不安定なものであった。
この場合、度重なる使用等により、折れ線が恒常的に形成されるようになるため、外観不良の問題や、容器を把持したときの変形に対する反発力が低下し、把持したときのホールド感が得られず、把持した状態が不安定となる問題があった。
前記上絞り部と前記最絞り部との接続部、及び前記下絞り部と前記最絞り部との接続部が、鞍馬状の閉曲線を形成しているとともに、
前記上絞り部と前記最絞り部との接続部が形成する前記閉曲線と、前記下絞り部と前記最絞り部との接続部が形成する前記閉曲線とを同一形状とし、その位相をずらした構成としてある。
また、ウェスト部を親指と人差し指とで挟んだときの、親指と、人差し指又は中指との間とのあたり具合を考慮すると、前記上絞り部及び前記下絞り部の縦断面形状は、同一の曲率半径の容器内方に凸となる曲線にて前記胴部に連続するように形成されているのが好ましく、このとき、前記上絞り部における前記曲線と、前記下絞り部における前記曲線とは、共通の中心を有しているのがより好ましい。
これらの場合、容器を把持したときのフィット感などを考慮すると、前記曲線の曲率半径は、20〜80mmであるのが好ましく、30〜60mmがより好適である。
これにより、ウェスト部の剛性が高まり、容器を把持する際に剛性の高い段部に指を引っ掛けて容器を把持することができ、容器の把持性が向上するとともに、ウェスト部を掴む指に力が入りすぎても、容器の変形を防止することができる。
前記接続部の両方を鞍馬状の閉曲線に形成するにあたり、ウェスト部の剛性や、指のあたり具合などを考慮すると、前記上絞り部と前記最絞り部との接続部が形成する前記閉曲線と、前記下絞り部と前記最絞り部との接続部が形成する前記閉曲線との位相が、0〜180度ずれているのが好ましく、30〜60度がより好適である。
図1は、本発明に係る合成樹脂製容器の一実施形態の概略を示す正面図である。また、図2(a)は、図1のA−A横端面図、図2(b)は、同B−B横端面図、図2(c)は、同C−C横端面図である。なお、作図上、図2では、容器1の肉厚を誇張している。
ここで、高さ方向とは、口部2を上にして容器1を水平面に置いたときに、水平面に直交する方向に沿った方向をいうものとする。
そして、これらの稜線311の間には、容器1の内圧が減少したときに、容器1の内方に緩やかに湾曲して圧力の減少を吸収する減圧吸収面312が十二面形成されており、上側胴部31の横断面形状は、正十二角形状に形成されている(図2(a)参照)。
また、他の部位の剛性や、デザイン上のバランスなどを考慮しつつ、ウェスト部5の延伸量を抑えて肉厚を確保して、ウェスト部5の剛性を得るためには、胴部3の最大径φMAXに対するウェスト部5の最小径φdの比(φd/φMAX)が、0.5〜0.8となるような範囲でウェスト部5を絞り込むのが好ましく、特に好ましくは0.6〜0.7である。
なお、特に図示しないが、上絞り部51と下絞り部52の横断面形状も、最絞り部53と同様に、円形状になっている。
また、下絞り部52の径φfを絞り込むにあたり、下絞り部52の最大径φfMAXに対する最小径φfMINの比(φfMIN/φfMAX)は、0.7〜0.95であるのが好ましく、特に好ましくは0.8〜0.9であり、同最大径φfMAXに対するウェスト部5の最小径φdの比(φd/φfMAX)は、0.6〜0.85であるのが好ましい。
そして、上側胴部31の上絞り部51と連続する部分は、その断面形状が容器1の外方に凸となる曲率半径50mmの曲線を形成するような曲面にて形成されており、下側胴部32の下絞り部52と連続する部分は、その断面形状が容器1の外方に凸となる曲率半径120mmの曲線を形成するような曲面にて形成されている(図3参照)。
なお、図3は、ウェスト部5の近傍の概略を示す要部拡大縦断面図である。
このとき、正立状態で容器1を把持したときに手のひらがあたる下絞り部52が、上記したような容器1の内方に凸となる曲面にて形成されていれば、容器1を正立状態で把持したときのホールド感をよくすることができるが、容器1を倒立状態で把持したときのことを考慮すると、ウェスト部5は、図示するように、高さ方向上下でほぼ対称となるように形成するのが好ましい。
このような段部55を形成することで、ウェスト部5の剛性を高めることができる。これに加え、容器1を把持する際に、剛性の高い段部55に指を引っ掛けて容器1を把持することで容器1の把持性が向上するとともに、ウェスト部5を掴む指に力が入りすぎても、容器1の変形を防止することができる。
なお、段部55は、必要に応じて接続部511,521の一方に形成するようにしてもよい。
また、アクリロニトリル樹脂,ポリプロピレン,プロピレン−エチレン共重合体,ポリエチレン等も使用することができる。
これらの樹脂には、成形品の品質を損なわない範囲内で種々の添加剤、例えば、着色剤,紫外線吸収剤,離型剤,滑剤,核剤,酸化防止剤,帯電防止剤等を配合することができる。
エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が耐圧性,耐熱性,耐熱圧性等の点で特に優れているが、エチレンテレフタレート単位以外にイソフタル酸やナフタレンジカルボン酸等の二塩基酸とプロピレングリコール等のジオールからなるエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用することができる。
このようにバリヤー層,酸素吸収層を備えることにより、容器内への外部からの酸素の透過を抑制し、容器内の内容物の外部からの酸素による変質を防止することができる。
ここで、酸素吸収層としては、酸素を吸収して酸素の透過を防ぐものであれば任意のものを使用することができるが、酸化可能有機成分及び遷移金属触媒の組合せ、あるいは実質的に酸化しないガスバリヤー性樹脂,酸化可能有機成分及び遷移金属触媒の組み合わせを使用することが好適である。
また、前述した実施形態にあっては、上側胴部31の横断面形状は正十二角形状、下側胴部32は正十六角形状としたが、上側胴部31及び下側胴部32の具体的形状も特に限定されず、その断面形状は、その他の多角形状、又は円形状とすることもできる。
また、上絞り部51と下絞り部52の横断面形状も特に限定されず、例えば、上側胴部31又は下側胴部32の横断面形状から、最絞り部53の横断面形状へと、徐々に変化していくようにしてもよい。
2 口部
3 胴部
31 上側胴部
32 下側胴部
4 底部
5 ウェスト部
51 上絞り部
52 下絞り部
53 最絞り部
Claims (10)
- 口部、胴部及び底部を備えた合成樹脂製容器であって、
前記胴部が、前記胴部の高さ方向ほぼ中央に設けられたウェスト部により、上側胴部と下側胴部とに分けられており、
前記ウェスト部が、前記上側胴部に連続する上絞り部と、前記下側胴部に連続する下絞り部と、前記上絞り部と前記下絞り部とを接続する最絞り部とからなり、
前記上絞り部と前記最絞り部との接続部、及び前記下絞り部と前記最絞り部との接続部が、鞍馬状の閉曲線を形成しているとともに、
前記上絞り部と前記最絞り部との接続部が形成する前記閉曲線と、前記下絞り部と前記最絞り部との接続部が形成する前記閉曲線とを同一形状とし、その位相をずらしたことを特徴とする合成樹脂製容器。 - 前記胴部の最大径に対するウェスト部の最小径の比が、0.5〜0.8である請求項1に記載の合成樹脂製容器。
- 前記上絞り部の最大径に対する最小径の比が、0.6〜0.9である請求項1又は2に記載の合成樹脂製容器。
- 前記下絞り部の最大径に対する最小径の比が、0.7〜0.95である請求項1、2又は3に記載の合成樹脂製容器。
- 前記上絞り部及び前記下絞り部のうち、少なくとも前記下絞り部の縦断面形状が、容器内方に凸となる曲線にて前記胴部に連続するように形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂製容器。
- 前記上絞り部及び前記下絞り部の縦断面形状が、同一の曲率半径の容器内方に凸となる曲線にて前記胴部に連続するように形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹脂製容器。
- 前記上絞り部における前記曲線と、前記下絞り部における前記曲線とが、共通の中心を有する請求項6に記載の合成樹脂製容器。
- 前記曲線の曲率半径が、20〜80mmである請求項5、6又は7に記載の合成樹脂製容器。
- 前記上絞り部と前記最絞り部との接続部、及び/又は前記下絞り部と前記最絞り部との接続部が、段部を形成している請求項1〜8のいずれかに記載の合成樹脂製容器。
- 前記上絞り部と前記最絞り部との接続部が形成する前記閉曲線と、前記下絞り部と前記最絞り部との接続部が形成する前記閉曲線との位相が、30〜60度ずれている請求項1〜9のいずれかに記載の合成樹脂製容器。
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