JP5293348B2 - 導電性組成物及びそれを用いた太陽電池の製造方法並びに太陽電池 - Google Patents
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Description
Zi:陽イオンの価数,酸素イオンは2
Ri:陽イオンのイオン半径(Å),酸素イオンは1.40Å
このAiの逆数Bi(1/Ai)を単成分酸化物MiOの酸素供与能力とする。
このBiをBCaO=1、BSiO2=0と規格化すると、各単成分酸化物のBi−指標が与えられる。この各成分のBi−指標を陽イオン分率により多成分系へ拡張すると、任意の組成のガラス酸化物の融体のB−指標(=塩基度)が算出できる。B=Σni・Bi
ni:陽イオン分率
このようにして規定された塩基度は上記のように酸素供与能力をあらわし、値が大きいほど酸素を供与し易く、他の金属酸化物との酸素の授受が起こり易い。」
上記記載から明らかなように、「塩基度」とはガラス融体中への溶解の程度を表すものということができ、上記式により得られるガラス粉末の塩基度が0.3以上であれば、焼成により太陽電池10における窒化ケイ素層11を確実に貫通させることができ、得られた電極の密着性を確保することができる。一方、ガラス粉末の塩基度が1.0以下であれば、焼成により得られた電極がn型半導体層12を越えて直接p型半導体基板と導通するような事態を回避して、得られた電極とn型半導体層12の十分な導電性を得ることができる。このような塩基度の範囲を要件とするのは、ガラス粉末がPbOを含有しないからである。なお、この塩基度は0.35以上0.95未満であることが好ましい。また、ガラス粉末のガラスの転移点は400℃〜550℃である。ガラスの転移点を400℃〜550℃とすることにより、焼成中にガラスが軟化して電極と基板界面に流動し、ガラスと窒化ケイ素層が反応することが可能となる。
導電性ペーストを下記のように作製した。
無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末として、組成が、B2O3:30モル%、ZnO:40モル%、CaO:30モル%であるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製し、更に、そのペーストを用いて実施例1と同様の手順により電極付き基板を作製した。このようして、塩基度が0.465であって、、ガラス転移点が510℃である無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末を含むペーストを用いた電極付き基板を実施例2とした。
無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末として、組成が、B2O3:50モル%、ZnO:30モル%、BaO:20モル%であるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製し、更に、そのペーストを用いて実施例1と同様の手順により電極付き基板を作製した。このようして、塩基度が0.370であって、ガラス転移点が450℃である無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末を含むペーストを用いた電極付き基板を実施例3とした。
無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末として、組成が、B2O3:30モル%、ZnO:50モル%、SrO:20モル%であるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製し、更に、そのペーストを用いて実施例1と同様の手順により電極付き基板を作製した。このようして、塩基度が0.485であって、ガラス転移点が470℃である無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末を含むペーストを用いた電極付き基板を実施例4とした。
無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末として、組成が、B2O3:30モル%、ZnO:10モル%、MgO:60モル%であるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製し、更に、そのペーストを用いて実施例1と同様の手順により電極付き基板を作製した。このようして、塩基度が0.363であって、ガラス転移点が630℃である無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末を含むペーストを用いた電極付き基板を比較例1とした。
無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末として、組成が、B2O3:30モル%、ZnO:10モル%、CaO:60モル%であるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製し、更に、そのペーストを用いて実施例1と同様の手順により電極付き基板を作製した。このようして、塩基度が0.529であって、ガラス転移点が555℃である無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末を含むペーストを用いた電極付き基板を比較例2とした。
無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末として、組成が、B2O3:30モル%、ZnO:10モル%、BaO:60モル%であるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製し、更に、そのペーストを用いて実施例1と同様の手順により電極付き基板を作製した。このようして、塩基度が0.788であって、ガラス転移点が555℃である無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末を含むペーストを用いた電極付き基板を比較例3とした。
無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末として、組成が、B2O3:30モル%、ZnO:10モル%、SrO:60モル%であるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製し、更に、そのペーストを用いて実施例1と同様の手順により電極付き基板を作製した。このようして、塩基度が0.653であって、ガラス転移点が630℃である無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末を含むペーストを用いた電極付き基板を比較例4とした。
無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末として、組成が、B2O3:70モル%、ZnO:30モル%、であるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性ペーストを作製し、更に、そのペーストを用いて実施例1と同様の手順により電極付き基板を作製した。このようして、塩基度が0.149であって、ガラス転移点が555℃である無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末を含むペーストを用いた電極付き基板を比較例5とした。
実施例1〜4、比較例1〜5における電極付き基板の表面電極と基板の裏面とをI・Vテスタにて接続し、直列抵抗値の測定を行った。評価については、測定により得られた直流抵抗値が基準値より低い場合を合格とし、高い場合を不合格とした。この評価結果をガラスの組成とともに表1に示す。
11 窒化ケイ素層
12 n型半導体層
13 電極
14 p型半導体基板
16 p+層
17 Alペースト
18 アルミニウム裏面電極
19 Al−Si合金層
Claims (6)
- 銀粉末と、B2O3,ZnO及びアルカリ土類金属酸化物を含んだ無鉛でかつ無ビスマスのガラス粉末と、有機物からなるビヒクルとを含み、窒化ケイ素層(11)を貫通して前記窒化ケイ素層(11)の下に形成されたn型半導体層(12)と導通する電極(13)を形成するための導電性組成物であって、
前記アルカリ土類金属酸化物の前記組成物中の比率が20モル%以上50モル%以下であり、前記ガラス粉末の塩基度が0.3以上1.0以下であって、ガラスの転移点が400℃〜550℃であることを特徴とする導電性組成物。 - B2O3の組成物中の比率が20モル%以上70モル%以下であり、ZnOの組成物中の比率が0.1モル%以上60モル%以下である請求項1記載の導電性組成物。
- アルカリ土類金属酸化物が、MgO、BaO、CaO及びSrOからなる群より選ばれた1又は2以上の酸化物を含む請求項1又は2記載の導電性組成物。
- ガラス粉末の微量成分としてFe2O3,TiO2,SiO2,Al2O3,ZrO2及びNiOからなる群より選ばれた1又は2以上の酸化物を5モル%以下含む請求項1ないし3いずれか1項に記載の導電性組成物。
- p型半導体基板(14)に酸又はアルカリによるエッチング処理を施して、前記p型半導体基板(14)のスライスダメージを除去する工程と、
前記p型半導体基板(14)にテクスチャエッチング処理を施して、前記p型半導体基板(14)の上面にテクスチャ構造を形成する工程と、
前記p型半導体基板(14)の上面にn型ドーパントを熱拡散させることにより、前記p型半導体基板(14)の上面にn型半導体層(12)を形成する工程と、
前記n型半導体層(12)上に窒化ケイ素層(11)を形成する工程と、
前記窒化ケイ素層(11)上に請求項1ないし4いずれか1項に記載の導電性組成物を直線状又は櫛歯状に印刷する工程と、
前記p型半導体基板(14)の下面に、Alペースト(17)を印刷する工程と、
前記印刷した導電性組成物及びAlペースト(17)を有するp型半導体基板(14)を焼成することにより、前記窒化ケイ素層(11)を貫通して前記n型半導体層(12)と導通する電極(13)を形成するとともに、p+層(16)、Al−Si合金層(19)、アルミニウム裏面電極(18)を形成する工程と
を含む太陽電池の製造方法。 - p型半導体基板(14)と、前記p型半導体基板(14)の上面に形成されたn型半導体層(12)と、前記n型半導体層(12)の上に形成された窒化ケイ素層(11)と、請求項1ないし4いずれか1項に記載の導電性組成物の焼き付けにより形成され前記窒化ケイ素層(11)を貫通して前記n型半導体層(12)と導通する直線状又は櫛歯状の電極(13)とを備える太陽電池。
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