JP5293215B2 - コモンレールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コモンレールの製造方法に関し、例えば内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に用いられ、燃料を蓄圧すると共に、各気筒に燃料を分配するコモンレールの製造方法に適用して好適なものである。
従来、コモンレールとしては、内部に燃料を蓄える中空部を有するレール本体と、レール本体の長手方向に対し直交する直交方向に中空部に開口する交差穴部を有する配管接続部を備えたものが知られている。そして、交差穴部を有する配管接続部は、気筒ごとに燃料を分配するように、レール本体の長手方向の複数箇所に配置されている。
この種のコモンレールでは、製品完成前の製造段階において、交差穴部及び中空部の内壁を塑性変形させることで、内壁に圧縮残留応力を発生させるようにするものがある(特許文献1参照)。
このようなコモンレールの製造方法の一種として特許文献1に開示の製造方法では、上記交差穴部及び中空部の内壁を、加圧したオイルなどの流体に発生する内圧力で押圧することで、内壁、特に交差穴部における中空部側の開口部周辺の内壁部分に圧縮残留応力を付与するようにしている。
特開平10−318081号公報
特許文献1による従来技術では、レール本体の長手方向の複数箇所に配置される配管接続部、言い換えると中空部の長手方向の直交方向に横並びして配置される複数の交差穴部は、概ね同じ側の直交方向に配置されている。しかしながら、このような配置のコモンレールの場合では、製造段階で内壁に圧縮残留応力が付与されるものの、内壁に付与される圧縮残留応力が不均一になるという懸念があるのである。
即ち、中空部の長手方向に横並びする交差穴部の内壁が内圧力を受けて塑性変形することによる長手方向の変形を拡大視的にみると、上記交差穴部及び中空部の内壁のうち、横並びする交差穴部側の内壁部分と、反交差穴部側の内壁部分との比較において、交差穴部側の内壁部分の長手方向の変形が大きくなるおそれがある。
このように内壁に付与される不均一な圧縮残留応力作用により、交差穴部の開口部周辺の圧縮残留応力が過度に小さくなる場合には、応力集中し易い交差穴部の開口部周辺の耐久性低下を招くおそれがある。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、レール本体の中空部の長手方向に対し複数の交差穴部が概ね同じ側の直交方向に配置される場合であったとしても、長手方向の変形を抑制するとともに、交差穴部の開口部周辺の内壁部分に係わる耐久性向上が図れるコモンレールの製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
即ち、請求項1に記載の発明では、中空部を有するレール本体と、レール本体の長手方向に対し直交する直交方向に中空部に開口する交差穴部を有し、中空部とは反対側の端部に燃料配管が接続される配管接続部とを備えるコモンレールの製造方法であって、中空部及び交差穴部に液体を導入し、液体の内圧力を中空部及び交差穴部の内壁に負荷することにより、内壁のうち、少なくとも交差穴部の中空部側の開口部周辺の内壁部分を塑性変形させるコモンレールの製造方法において、
配管接続部の交差穴部に封止冶具を取付けることにより、少なくとも交差穴部の交差穴空間に液体を封止する封止工程であって、封止冶具を、端部側から交差穴部内に挿入すると共に、交差穴部における内壁のうち、開口部周辺の内壁部分に対し間隔を置いたシール部に押し当てる封止工程と、封止工程の前に配管接続部に前記交差穴部を形成する形成工程であって、交差穴部の内壁に縮径するテーパ部を複数段形成し、テーパ部のうち、最小径となるテーパ部をシール部とし、シール部とは別のテーパ部を燃料配管が押し当てられる座面部とする形成工程と、を備えることを特徴とする。
これによると、内壁に内圧力を負荷する液体、つまり加圧された液体を交差穴部の交差穴空間に封止する封止工程において封止冶具を配管接続部の交差穴部に取付ける際に、封止冶具を、中空部とは反対側の端部から交差穴部に挿入する。封止冶具がシール部に到達すると、封止冶具をシール部に押し当てることにより、交差穴空間が封止される。
これによれば、交差穴部内において封止冶具をシール部まで挿入した分だけ、交差穴空間を減じることが可能となる。言い換えると、上記交差穴空間は、交差穴部の端部側からシール部までの内壁を除く限定された空間に減じることが可能となる。
これにより、交差穴部の端部側からシール部までの内壁には、液体の内圧力が負荷されることはない。それ故に、液体の内圧力を内壁に負荷することにより上記内壁部分を塑性変形させる際に、交差穴部側の内壁部分の長手方向の変形を抑制することができる。
また、シール部の設置位置は、液体の内圧力負荷により塑性変形させる上記内壁部分、即ち中空部側の開口部周辺の内壁部分とは間隔を置いているので、中空部側の開口部周辺の内壁部分を確実に塑性変形させることができると共に、内壁に付与される不均一な圧縮残留応力の発生を誘発するおそれのある、交差穴部側の内壁部分における長手方向の塑性変形と反交差穴部側の内壁部分における長手方向の塑性変形の差を縮小することができる。
したがって、内壁に付与される不均一な圧縮残留応力作用により、交差穴部の中空部側の開口部周辺の圧縮残留応力が過度に小さくなることを防止することができるので、交差穴部の中空部側の開口部周辺の内壁部分の耐久性向上をなし得るのである。
さらに、かかる発明では、封止冶具を交差穴部の内壁を挿入し、内壁内の奥まった内壁部分に封止冶具を押し当てることになる。請求項に記載の発明よれば、配管接続部に交差穴部を形成する形成工程では、交差穴部の内壁に縮径するテーパ部を複数段形成し、テーパ部のうち、最小径となるテーパ部をシール部とするので、封止冶具に対し当該内壁部分のシール部は、液圧負荷時における高いシール性を確保し得る。
また、請求項に記載の発明では、封止冶具は、円錐面部及び球面部のいずれかからなる押し当て部を有し、封止工程において封止冶具は、押し当て部をシール部に押し当てることを特徴とする。
かかる発明では、封止冶具を、交差穴部の内壁に挿入し、内壁内の奥まった内壁部分のシール部に押し当てることになる。封止冶具が交差穴部に対し軸ずれして挿入される場合があると、液圧負荷時におけるシール性の低下を招くおそれがある。
これに対し、請求項に記載の発明よれば、封止工程において封止冶具は、円錐面部及び球面部のいずれかからなる押し当て部をシール部に押し当てるので、内壁内の奥まった内壁部分のシール部に対し押し当て部を挿入する際に、押し当て部の円錐面部または球面部により軸ずれを吸収することができ、ひいては液圧負荷時における高いシール性を確保し得る。
また、請求項に記載の発明では、配管接続部は、レール本体の長手方向に対し直交方向外側に突出し、かつ同じ側の直交方向外側に横並びして複数箇所に設けられていることを特徴とする。
かかる発明では、「内壁に付与される不均一な圧縮残留応力の発生を誘発する、交差穴部側の内壁部分の長手方向の塑性変形と、反交差穴部側の内壁部分の長手方向の塑性変形の差」が拡大し易い配管接続部の配列となる。しかし、請求項1または請求項に記載の発明によるコモンレールの製造方法によれば、こうした配管接続部の配列であっても、長手方向の変形が抑制されるので、交差穴部側の内壁部分の長手方向の塑性変形と反交差穴部側の内壁部分の長手方向の塑性変形の差を縮小することができる。
本発明の第1実施形態による製造方法を適用するコモンレールを示す概観図である。 図1中のII−II線断面図である。 コモンレールを搭載する蓄圧式燃料噴射装置の構成を示す模式図である。 第1実施形態によるコモンレールの製造方法の一例を示す模式図である。 図4中のV−V線断面図である。 第2実施形態に係わるコモンレールの製造方法の一例を示す部分断面図である。 図6中のVII枠内の拡大図である。 比較例のコモンレールの製造方法を示す断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符合を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1〜3は、本発明の実施形態によるコモンレールの製造方法を適用するコモンレールを示している。図4及び図5は、コモンレールの製造方法の一例を示すものである。
図1、3に示すように、蓄圧式燃料噴射装置10は、コモンレール30、燃料噴射ポンプ11、および燃料噴射弁12を備えている。燃料噴射ポンプ11は、燃料タンク13から吸入通路14を経由して燃料を吸入する。燃料噴射ポンプ11は、吸入した燃料を所定の圧力まで加圧しコモンレール30に供給する。燃料噴射ポンプ11で余剰となった燃料は、排出通路15を経由して燃料タンク13に排出される。燃料噴射ポンプ11は、「供給通路」としての供給配管16を経由して加圧した燃料をコモンレール30に供給する。コモンレール30は、燃料噴射ポンプ11で加圧された燃料を所定の圧力で維持するように蓄えると共に、当該燃料を、図示しないエンジンの各気筒に搭載される燃料噴射弁12に分配する。
コモンレール30には、圧力センサ31が設けられている。圧力センサ31は、コモンレール30に蓄えられた燃料の圧力を検出する。圧力センサ31は、図示しない電子制御装置に接続されている。電子制御装置は、圧力センサ31で検出したコモンレール30内の燃料の圧力に基づいて燃料噴射ポンプ11から吐出される燃料の流量を調整する。また、コモンレール30には、圧力制御弁32が設けられている。圧力制御弁32は、コモンレール30に蓄えられた燃料の圧力が所定値より大きくなると開弁する。圧力制御弁32が開弁することによってコモンレール30から排出された燃料は、排出通路15を経由して燃料タンク13へ戻される。
なお、圧力センサ31並びに圧力制御弁32は、コモンレール30のレール本体40の両軸端部に、ねじ締結などの接合手段により取り付けられている。本実施形態では、圧力センサ31並びに圧力制御弁32に図示しない雄ねじ部が設けれ、コモンレール30の両軸端部に、雄ねじ部とねじ止め可能な雌ねじ部が設けられている。
コモンレール30は、図1、2に示すようにレール本体40と、配管接続部50とを有している。レール本体40は、中空の筒状に形成されている。図1に示すように、複数の配管接続部50は、レール本体40から径方向外側へ突出する。本実施形態では、配管接続部50が、容器本体40の長手方向(図中の左右方向)に沿って五個所設けられている。五つの配管接続部50のうち一つには、燃料噴射ポンプ11に接続する供給配管16が接続される。残る四つの配管接続部50には、燃料噴射弁12に接続する燃料配管60が接続される。
図2に示すように、筒状のレール本体40は、内部に中空部41が形成されている。中空部41は、レール本体40の長手方向に伸びている。配管接続部50は、レール本体40の長手方向に対し直交する直交方向の外側へ突出している。本実施形態では、配管接続部50は、レール本体40と一体に単一の部材で形成されている。配管接続部50は、中空部41とは反対側の端部に座面部59を有している。座面部59では、配管接続部50の内壁が中空部41側へかけて内径が小さくなる円錐台形状に形成されている。
配管接続部50は、内周側に配管接続部50を連通する交差穴部51を備えており、交差穴部51は、一方の開口部が中空部41に接続し、他方の開口部が配管接続部50のレール本体40とは反対側の端部の座面部59に開口している。言い換えると、交差穴部51は、配管接続部50及びレール本体40を貫いて中空部41に接続している。このような交差穴部51は、上記円錐台形状の座面部59を含んでいる。
交差穴部51は、中空部41側の端部から中空部41とは反対側の端部まで、配管接続部50の内壁52の内周を縮径するテーパ部を複数段(本実施例では、二段)形成されている。このテーパ部は、座面部59と、座面部59より中空部41側に位置し、円錐台状を呈する円錐台部54を備えている。なお、この円錐台部54については、コモンレール30の製造方法で後述する。
また、本実施形態では、図2に示すように交差穴部51の中心軸が、レール本体40及び中空部41の中心軸(図中の紙面に対し垂直方向)と一致するように配置されているが、交差穴部51の中心軸を中空部41の中心軸からずれるようにオフセット配置されるものであってよい。いずれの配置であっても、交差穴部51の中空部41側の開口部周辺の内壁部分が、上記蓄圧式燃料噴射装置10の運転時にコモンレール30に蓄えられる燃料の圧力によって応力集中し易い領域となる。
配管接続部50の外壁には、燃料配管60及び供給配管16のうちのいずれかの配管に接続するための雄ねじ部53が形成されている。雄ねじ部53には、上記配管側の接続構成要素としての接続ナット(図示せず)が取り付けられる。接続ナットの内壁には、雄ねじ部53とねじ止め可能な雌ねじ部が形成されている。接続ナットは、上記配管の本体と係合しており、上記配管の本体は、内部に燃料通路を形成する筒状のパイプである。特定配管の本体は、コモンレール30側の端部の座面部59に押し当てる接続ヘッドを有している。
以上、コモンレール30の基本構成について説明した。以下、第1実施形態のコモンレールの製造方法について、図4、5に基づいて説明する。
(製造方法)
(形成工程)
形成工程では、いずれの要素40、50も金属製で形成する。レール本体40及び配管接続部50は、熱間鍛造などにより一体に形成する。そして、当該一体要素40、50内に、中空部41及び交差穴部51を区画形成する内壁42、52を、切削加工により形成する。
さらに、この工程では、交差穴部51の内壁52の内周を、「テーパ部」としての座面部59並びに円錐台部54において中空部41側に向かって縮径するように形成する。そのような円錐台部54の内径は、座面部59の内径より小さくなっている。ここで、円錐台部54は請求範囲に記載の封止冶具が押し当てらえるシール部に相当する。
(組付工程)
「封止工程」としての組付工程は、後述する液圧負荷工程を実施するための前工程である。そのため、ここでは、圧力センサ31及び圧力制御弁32をレール本体40の両軸端部に取付ける最終組付工程ではない。
この組付工程では、圧力センサ31、圧力制御弁32、並びに燃料配管の接続ヘッドを代用する冶具として、封止冶具81、82、83を使用する。
第1封止冶具81及び第2封止冶具82は、レール本体40の両軸端部側に配置され、中空部41の両端を封止する。具体的には、第1封止冶具81及び第2封止冶具82は、その先端部が、凸状を呈する円錐面部を有しており、円錐面部は、中空部41の両端側の内壁42の角部(エッジ)に、封止可能に押し当てる押当面として機能する。
第3封止冶具83は、交差穴部51の中空部41とは反対側の端部を封止する。具体的には、第3封止冶具83は、その先端部が、凸状を呈する円錐面部83aを有しており、円錐面部83aは、交差穴部51の円錐台部54の内周側の角部(エッジ)に、封止可能に押し当てる押当面として機能する。これにより、液圧負荷時における高いシール性を確保することができる。
ここで、第3封止冶具83が交差穴部51に対し軸ずれして挿入される場合があると、液圧負荷時におけるシール性の低下を招くおそれがある。しかし、本実施形態による第3封止冶具83では、交差穴部51における内壁52内の奥まった内壁部分にある円錐台部54に対し、押し当て部である円錐面部83aを挿入する際に、円錐面部83aにより軸ずれを吸収することができ、ひいては液圧負荷時における高いシール性が確保できる。
この工程では、第3封止冶具83を、配管接続部50の座面部59側から中空部41側に向かって交差穴部51内に挿入する。挿入する第3封止冶具83の先端部が、円錐台部54に到達すると、第3封止冶具83の先端部にある円錐面部83aが、円錐台部54に押し当てられるのである。このとき、後述の液圧負荷工程で液圧負荷対象となる、交差穴部51部分の中空空間aが、実使用の要素31、32に形成される交差穴部51の中空空間Aの容積量に比べて小さくすることができる。
言い換えると、上記交差穴空間aは、交差穴部51における座面部59側の端部側からシール部、即ち円錐台部54までの内壁を除く限定された空間に減じることができるのである。これにより、上記座面部59端部側から円錐台部54までの内壁52には、作動液の液圧による内圧力が負荷されることはない。
なお、ここで、図8の比較例の第3封止冶具983は、上記実使用要素31、32を構成する燃料配管の接続ヘッドが押し当てられる座面部59に配置され、座面部59に押し当てられることにより交差穴部51の中空空間Aを封止するものである。
(液圧負荷工程)
液圧負荷工程では、液圧負荷対象となる交差穴部51部分の中空空間a及び中空部41に作動液を導入し、作動液の液圧による内圧力を、中空空間aに対応する内壁52の内壁部分、及び中空部41に対応する内壁42(以下、単に「内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分」という)に押し付ける工程であり、この工程では、その内圧力で、内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分を塑性変形させる。作動液は請求範囲に記載の液体に相当する。
液圧負荷工程では、「作動液圧発生源」としての高圧発生源90を使用する。高圧発生源90は、作動液を、交差穴部51部分の中空空間a及び中空部41に供給すると共に、封止された内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分の空間容積を減縮し、作動液を増圧する増圧ピストン(図示せず)を備えている。
高圧発生源90と第2封止冶具82との間は、作動液供給通路91で接続されており、作動液供給通路91の容積は内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分の空間容積に含まれる。このため、作動液供給通路91は、作動液供給通路91の通路断面積並びに通路長を小さくすることにより、上記容積量を抑制することが好ましい。
上記作動液は、オイルなどの作動油を使用する。このような作動油は、作動油を加圧すると、流動性が低下し流動しにくくなる。流動性が過度に低下すると、高圧発生源90側で発生する作動液圧と、内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分の空間内で実際に発生する実作動液圧とが過度にずれるという懸念がある。そのため、作動液は、上記のような作動油のうち、目標内圧力(目標液圧負荷)を形成するための液圧範囲において流動性が過度に低下しない程度の特定作動油を使用することが好ましい。
本実施形態では、詳しくは、液圧負荷工程は、作動液充填工程、作動液加圧工程、および解除工程を備えている。
作動液充填工程では、高圧発生源90から交差穴部51部分の中空空間a及び中空部41に作動液を送油することにより、内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分の空間内のエア抜きを行なうと共に、作動液の充填を行なう。具体的には、例えば複数の第3封止冶具83のうちのいずれか一つの特定第3封止冶具の、交差穴部51の円錐台部54への押し当て力を比較的低く設定することにより、特定第3封止冶具周辺から作動液を流出させることができる。その結果、作動液の流出と共にエア抜きが容易に実施できる。
作動液充填工程では、エア抜きにより作動液の充填が完了すると、特定第3封止冶具による上記押し当て力を、増大させることにより、目標内圧力を形成するための設定値を確保するようにする。
作動液加圧工程では、高圧発生源90の増圧ピストンを作動させることにより、内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分の空間内の作動液圧を、目標内圧力となる目標作動液圧に増圧させる。これにより、内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分が、液圧負荷により塑性変形する。故に、内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分は、液圧負荷の解除後も、塑性変形層が存在するようになるのである。
ここで、液圧負荷時において内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分は、全領域が塑性変形しなくとも、一部の領域に塑性変形層が存在する程度であってもよいのである。これにより、液圧負荷解除後において、復元しようとする弾性変形層の収縮作用により、塑性変形層に圧縮残留応力を発生し得るのである。
特に上記内壁42及び内壁52のうち、交差穴部51の中空部41側の開口部周辺の内壁42及び内壁52の部分は、応力集中し易い。こうした応力集中し易い領域は耐久性低下を招くおそれがある。
これに対し、本実施形態では、液圧負荷工程において内壁52及び内壁42の液圧負荷対象部分に、塑性変形層を有するよう形成処理するので、応力集中し易い交差穴部51の中空部41側の開口部周辺の内壁42及び内壁52の部分に、圧縮残留応力を付与することができる。これにより、上記応力集中し易い交差穴部51の中空部41側の開口部周辺の内壁42及び内壁52の部分において実使用時に発生する最大応力が、予め付与した圧縮残留応力により減じられるので、レール本体40の耐久性の向上が図れる。
さらに、本実施形態では、交差穴部51部分の中空空間aを規定することとなる円錐台部54が、少なくとも内壁42に生じる塑性変形、つまり塑性変形層に対して所定間隔を置いては配置されているので、応力集中し易い交差穴部51の中空部41側の開口部周辺の内壁42及び内壁52の部分に、圧縮残留応力を付与することができる。
以上説明した本実施形態では、組付工程において第3封止冶具83を配管接続部50の交差穴部51に取付ける際に、第3封止冶具83を、中空部41とは反対側の端部から交差穴部51に挿入する。第3封止冶具83が、シール部に対応する円錐台部54に到達すると、第3封止冶具83を円錐台部54に押し当てることにより、交差穴部51の交差穴空間に相当する中空空間aが封止される。
これによれば、交差穴部51内において第3封止冶具83を円錐台部54まで挿入した分だけ、交差穴空間に関し、実使用時の中空空間Aに比べて容積量が減じられた中空空間aを形成できるのである。液圧負荷対象となる交差穴部51の内壁52部分の面積を減じることができる。
言い換えると、上記交差穴空間aは、交差穴部51における座面部59側の端部側から円錐台部54までの内壁を除く限定された空間に減じることができる。それ故に、上記座面部59端部側から円錐台部54までの内壁52には、作動液の液圧による内圧力が負荷されることはないのである。
ここで、液圧負荷時において、液圧負荷対象となる交差穴部51の内壁52による塑性変形と、同じく液圧負荷対象となる中空部41の内壁42による塑性変形とが同時に発生することになる。そのため、レール本体40において配管接続部50が存在する側と、配管接続部50が存在する側とでみると、以下のようになる。即ち、レール本体40の中空部41の内壁42のうち、交差穴部51側が存在する内壁42部分では、内壁52による塑性変形の影響を受けてその組合せにより、塑性変形が大きくなる。そのため、拡大視的にみると、レール本体40の長手方向の塑性変形に関し、交差穴部51側の交差穴空間が存在する内壁42部分の塑性変形量が、反交差穴部51側の内壁42部分の塑性変形量より大きくなるおそれがある場合がある。
特に、配管接続部50の配列が、レール本体40の長手方向に対し同じ側の直交方向外側に横並びして複数箇所に設けられる場合には、交差穴部51側の交差穴空間が存在する内壁42部分の塑性変形量と、反交差穴部51側の内壁42部分の塑性変形量の差が顕著になる可能性がある。このような差が生じると、内壁42に付与される不均一な圧縮残留応力を誘発する懸念がある。
これに対し、本実施形態では、交差穴空間に関し、実使用時の中空空間Aに比べて容積量が減じられた中空空間aを形成するので、上記差を縮小することができる。その結果、内壁42に付与される不均一な圧縮残留応力の発生を効果的に抑制することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態を図6、7に示す。第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態では、第3封止冶具83の押し当て部を、凸状の球面部183aとし、交差穴部51のシール部に対応する内壁部分を、凹状の球面部154とする一例を示すものである。図6、7は、コモンレールの製造方法の一例を示すものである。
液圧負荷工程の前工程である組付工程において、第3封止冶具83を、配管接続部50の座面部59側から中空部41側に向かって交差穴部51内に挿入する。挿入する第3封止冶具83の先端側部が、球面部154に到達すると、第3封止冶具83の先端部、即ち、凸状の球面部183aが、凹状の球面部154の内周側の角に押し当てられる。これにより、液圧負荷時における高いシール性を確保することができる。
ここで、第3封止冶具83が交差穴部51に対し軸ずれして挿入される場合があると、液圧負荷時におけるシール性の低下を招くおそれがある。しかし、本実施形態による第3封止冶具83では、交差穴部51における内壁52内の奥まった内壁部分にある球面部154に対し、押し当て部である球面部183aを挿入する際に、球面部183aにより軸ずれを吸収することができ、ひいては液圧負荷時における高いシール性が確保できる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
(1)以上説明した本実施形態では、液圧負荷工程で使用する作動液を、オイルなどの作動油としたが、これに限らず、設定する液圧負荷範囲において流動性を有する液体であればいずれの液体であってもよい。
(2)以上説明した本実施形態では、交差穴部51内壁52には、その内周を縮径する「テーパ部」として、円錐台部54、または球面部154を設けるようにした。これに限らず、内壁52の内周を縮径するものであればいずれの構成要素であってもよい。
10 蓄圧式燃料噴射装置
12 燃料噴射弁
16 供給配管(供給通路)
30 コモンレール
31 圧力センサ
32 圧力制御弁
40 レール本体
41 中空部
42 内壁
50 配管接続部
51 交差穴部
52 内壁
53 雄ねじ部
54 円錐台部(テーパ部)
59 座面部(テーパ部)
60 燃料配管
70 ブッシュ(内側筒部)
71 内壁空間
72 内壁
81 第1封止冶具(封止冶具)
82 第2封止冶具(封止冶具)
83 第3封止冶具(封止冶具)
83a 円錐面部
90 高圧発生源(内圧力発生源)
91 作動液供給通路

Claims (3)

  1. 中空部を有するレール本体と、前記レール本体の長手方向に対し直交する直交方向に前記中空部に開口する交差穴部を有し、前記中空部とは反対側の端部に燃料配管が接続される配管接続部とを備えるコモンレールの製造方法であって、
    前記中空部及び前記交差穴部に液体を導入し、前記液体の内圧力を前記中空部及び前記交差穴部の内壁に負荷することにより、前記内壁のうち、少なくとも前記交差穴部の前記中空部側の開口部周辺の内壁部分を塑性変形させるコモンレールの製造方法において、
    前記配管接続部の前記交差穴部に封止冶具を取付けることにより、少なくとも前記交差穴部の交差穴空間に前記液体を封止する封止工程であって、前記封止冶具を、前記端部側から前記交差穴部内に挿入すると共に、前記交差穴部における前記内壁のうち、前記開口部周辺の前記内壁部分に対し間隔を置いたシール部に押し当てる封止工程と、
    前記封止工程の前に前記配管接続部に前記交差穴部を形成する形成工程であって、前記交差穴部の前記内壁に縮径するテーパ部を複数段形成し、前記テーパ部のうち、最小径となるテーパ部を前記シール部とし、前記シール部とは別のテーパ部を前記燃料配管が押し当てられる座面部とする形成工程と、
    を備えることを特徴とするコモンレールの製造方法。
  2. 前記封止冶具は、円錐面部及び球面部のいずれかからなる押し当て部を有し、
    前記封止工程において前記封止冶具は、前記押し当て部を前記シール部に押し当てることを特徴とする請求項1に記載のコモンレールの製造方法。
  3. 前記配管接続部は、前記レール本体の長手方向に対し直交方向外側に突出し、かつ同じ側の直交方向外側に横並びして複数箇所に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコモンレールの製造方法。
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