以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。なお、この実施の形態では、遊技領域に設けられた入賞領域(各入賞口)に遊技球が入賞したことにもとづいて賞球を払い出す遊技機に適用する場合を示しているが、このような遊技機に限らず、例えば、遊技球の入賞にもとづいて得点や景品を付与する遊技機に適用することも可能である。この場合、例えば、遊技機内部に封入された遊技球を繰り返し発射して遊技領域に打ち込むことにより遊技が行われ、入賞領域に遊技球が入賞した場合に賞球の代わりに得点や景品を付与する封入式遊技機に適用することも可能である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左中右図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、例えば、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示する保留記憶表示部が設けられるようにしてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下の「○」と「×」のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側の「○」のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態(若しくは入賞しやすい状態))に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。ただし、この実施の形態では、後述するように、第1保留記憶と第2保留記憶との両方が溜まっている場合には、第1特別図柄の変動表示より先に第2特別図柄の変動表示が優先実行される。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合を示しているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを実行するようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図8参照)も送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。なお、大当り図柄の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、左中右のうちのいずれか1つの停止図柄として特別な図柄(例えば、通常の変動表示中に変動表示される図柄とは、異なる色や形、モチーフをあしらった図柄)が停止表示されたときに大当り図柄としてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態(高確率状態)から低確率状態に移行したり低確率状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、突然確変大当りや小当りにおける大入賞口の開放パターンは、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや確変大当りと同数(例えば、15回)とし、大入賞口の開放時間が極めて短い(例えば、0.1秒)開放パターンとしてもよい。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム3(MR3):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム4(MR4):ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(3)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2)または初期値用乱数(ランダム4)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、非確変状態(低確率状態ともいう)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図7(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図7(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図7(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図7(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「確変大当り」に対して18個の判定値が割り当てられている(40分の18の割合で確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「確変大当り」と決定される割合が高い。
この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させない大当りである。「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生すると確変状態を終了する。
「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や、「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生すると確変状態を終了する。なお、突然確変大当りや小当りにおける大入賞口の開放パターンは、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、大入賞口の開放回数は通常大当りや確変大当りと同数(例えば、15回)とし、大入賞口の開放時間が極めて短い(例えば、0.1秒)開放パターンとしてもよい。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
なお、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、「通常大当り」にもとづく大当り遊技状態の終了後には、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の可変表示が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了し、「確変大当り」にもとづく大当り遊技状態の終了後には、可変表示結果が「大当り」となることという条件が成立したときに終了する。さらに、この実施の形態では、時短状態に制御されてから特別図柄の変動回数が30回を超えた場合に、超時短状態に制御され、特別図柄の可変表示における特別図柄の変動時間がさらに短縮される。超時短状態と時短状態とは、いずれも遊技状態が確変状態または非確変状態に制御されている状態であって、通常状態に比べて特別図柄の可変表示の変動時間が短縮されている状態(つまり遊技状態に差異はない状態)であるが、超時短状態は、特別図柄の変動時間として極端に短い変動パターン(時短状態で選択される変動パターンよりも変動時間が短い変動パターン)が選択される状態である。なお、遊技状態が確変状態である場合にのみ超時短状態に制御されるように構成されていてもよいし、遊技状態が非確変状態である場合にのみ超時短状態に制御されるように構成されていてもよい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図8および図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8および図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、後述する図10に示す使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」や、「確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A20A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」や、「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。なお、この実施の形態において、高ベース状態とは普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が低ベース状態よりも高められたり、可変入賞球装置15の状態が入賞可能な状態となる時間が低ベース状態よりも延長されている状態(本例では時短状態または超時短状態に制御されている状態)をいい、低ベース状態とは高ベース状態でない状態をいう。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、同じ第1保留記憶数を指定する場合であれば、MODEデータを共通として、EXTデータを異ならせることによって、第1保留記憶数の加算または減算を指定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、共通のMODEデータ「C0(H)」を用い、第1保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC000(H)を送信するようにし、第1保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC001(H)を送信するようにしてもよい。さらに、第2保留記憶数を指定する場合にはMODEデータを異ならせて、第2保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC100(H)を送信するようにし、第2保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC101(H)を送信するようにしてもよい。
図10は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図10において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様、報知演出をするか否かなど、各種の演出態様の違いおよび遊技状態に応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出および報知演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する演出表示装置9において実行される。なお、報知演出とは、現在の遊技状態や大当りとなるか否か等を報知する演出であるが、詳細は後述する。
ここで、「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチA」は、単純なリーチ態様を伴う変動パターンである。「ノーマルリーチB」は、「ノーマルリーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様(速度や回転方向等)の変動が行われたりキャラクタ等が現れたりすることをいう。「ノーマルリーチC」は、「ノーマルリーチA」および「ノーマルリーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。
「スーパーリーチA」は、「ノーマルリーチA」、「ノーマルリーチB」および「ノーマルリーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「スーパーリーチB」は、「スーパーリーチA」、「ノーマルリーチA」、「ノーマルリーチB」および「ノーマルリーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。例えば、各「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、各「スーパーリーチ」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。なお、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」、「ノーマルリーチA」、「ノーマルリーチB」および「ノーマルリーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
「長期間演出A」、「長期間演出B」および「長期間演出C」は、時短状態に制御されてから特別図柄の30回目の変動時に選択され、後述する報知演出を実行するための変動パターンであり、他の変動パターンよりも長期間に亘って特別図柄を変動させるための変動パターンである。後述する報知演出が実行される場合に「長期間演出A」、「長期間演出B」または「長期間演出C」が変動パターンに決定される。
「時短状態のときの通常変動」は、時短状態におけるはずれ時に、「通常変動」よりも短い時間変動するリーチ演出を伴わない変動パターンである。「時短状態のときのリーチ演出」では、時短状態におけるはずれ時に、「ノーマルリーチA」、「ノーマルリーチB」、「ノーマルリーチC」、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」よりも短い時間変動するリーチ演出を伴う変動パターンである。「時短状態のときの大当り用変動」では、時短状態における大当り時に、「ノーマルリーチA」、「ノーマルリーチB」、「ノーマルリーチC」、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」よりも短い時間変動するリーチ演出を伴う変動パターンである。なお、リーチ状態を発生させる場合に選択される変動パターンであるリーチ演出を伴う変動パターンや、大当りとすることに決定されている場合に選択される変動パターンは、通常状態と同等の変動時間の変動パターンであってもよい。つまり、そのような場合には、特別図柄の可変表示の変動時間が短縮されなくてもよい。
「超時短状態のときの通常変動」は、超時短状態におけるはずれ時に、「時短状態のときの通常変動」よりも短い時間変動するリーチ演出を伴わない変動パターンである。「超時短状態のときのリーチ演出」では、超時短状態におけるはずれ時に、「時短状態のときのリーチ演出」よりも短い時間変動するリーチ演出を伴う変動パターンである。「超時短状態のときの大当り用変動」では、超時短状態における大当り時に、「時短状態のときの大当り変動」よりも短い時間変動するリーチ演出を伴う変動パターンである。なお、「時短状態のときの大当り用変動」および「超時短状態のときの大当り変動」は、リーチ演出を伴わない変動パターンであってもよいし、リーチ演出を伴うか否かが乱数を用いて決定されてもよい。また、超時短状態ではリーチ演出が行われないように構成されていてもよい。具体的には、例えば、大当り時には、リーチ演出を行わずに大当り図柄を導出表示させるように構成されていてもよい。なお、超時短状態では、はずれ時にリーチ演出を行わないように構成されていてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される演出制御コマンドにもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が所定のタイミングで現在の遊技状態や大当りとなるか否か等を報知する演出である報知演出を実行するように構成されているが、このような構成に限られず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が報知判定用乱数にもとづいて報知演出を実行するか否か判定し、報知演出を実行すると判定したときに所定のタイミングで報知演出を実行するように構成されていてもよい。
図11および図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図13(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図13(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図13(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図14参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220A)。
なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および変動パターン判定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図14は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図14に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および変動パターン判定用乱数(ランダム2)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次に、図13(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ13bがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図14参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220B)。
なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、および変動パターン判定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。なお、RAM55に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづき、入賞順に「第1」または「第2」を示すデータがセットされる領域が用意され、CPU66が、当該領域にセットされているデータにもとづいて特別図柄ポインタに「第1」または「第2」を示すデータを設定するように構成されていてもよい。そのように構成された場合には、当該領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶され、対応する始動入賞口への遊技球の入賞順に第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを実行することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(低確率状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が低確率状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生した場合にリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図7(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS92)。なお、時短フラグは、時短状態に制御される場合にセットされるフラグである。CPU56は、時短フラグがセットされていない場合に(ステップS92のN)、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常時テーブルを選択する(ステップS93)。なお、通常時テーブルとは、図10に示す変動パターンのうち、変動パターン1〜6のそれぞれに判定値が設定されたテーブルをいう。そして、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS93の処理で選択した変動パターン1〜6のそれぞれに判定値が設定された通常時テーブルを参照することによって、変動パターンを変動パターン1〜6のうちのいずれかに決定し(ステップS94)、ステップS103の処理に移行する。なお、CPU56は、大当り種別を示すデータとして通常大当りまたは確変大当りを示すデータが設定されている場合に、変動パターン2〜6のうちのいずれかであって、リーチ演出を伴い大当り演出を行う変動パターンに決定し、突然確変大当りを示すデータが設定されていたり、小当りフラグがセットされていたりした場合に、変動パターン2〜6のうちのいずれかであって、リーチ演出を伴い大当り演出を行わない変動パターンに決定するように構成されていてもよい。
CPU56は、時短フラグがセットされている場合に(ステップS92のY)、変動回数カウンタの値が30を超えているか否かを判定する(ステップS95A)。なお、変動回数カウンタの値は、時短状態に制御されてから特別図柄の可変表示が行われた回数を示す値である。CPU56は、変動回数カウンタの値が30を超えていないと判定し(ステップS95AのN)、変動回数カウンタの値が30である場合に(ステップS95BのY)、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、長期間時テーブルを選択する(ステップS95C)。なお、長期間時テーブルとは、図10に示す変動パターンのうち、変動パターン7〜9のそれぞれに判定値が設定されたテーブルをいう。そして、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS95Cの処理で選択した変動パターン7〜9のそれぞれに判定値が設定された長期間時テーブルを参照することによって、変動パターンを変動パターン7〜9のうちのいずれかに決定し(ステップS95D)、ステップS103の処理に移行する。
CPU56は、ステップS95Bの処理で、変動回数カウンタの値が30でない場合に(ステップS95BのN)、大当りフラグがセットされていれば(ステップS96AのY)、時短時大当りの変動パターンに決定し(ステップS96B)、ステップS103の処理に移行する。なお、本例では、時短時大当り用に一の変動パターンのみが用意されているが、時短時にはずれと決定された場合に実行される処理であって、後述するように複数の変動パターンが用意され、ランダム2(変動パターン判定用乱数)を用いて時短時はずれテーブルから変動パターンを選択する処理と共通化するために、当該一の変動パターンに全ての判定値が設定されたテーブルとランダム2(変動パターン判定用乱数)とにもとづいて、時短時大当りの変動パターンを決定するように構成されていてもよい。また、大当りフラグがセットされていなければ(ステップS96AのN)、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短時はずれテーブルを選択する(ステップS96C)。なお、時短時はずれテーブルとは、図10に示す変動パターンのうち、変動パターン10,11のそれぞれに判定値が設定されたテーブルをいう。そして、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS96Cの処理で選択した変動パターン10,11のそれぞれに判定値が設定された時短時はずれテーブルを参照することによって、変動パターンを変動パターン10,11のうちのいずれかに決定し(ステップS96D)、ステップS103の処理に移行する。
CPU56は、潜伏回数カウンタの値が30を超えている場合に(ステップS95AのY)、小当りフラグがセットされていればステップS95Cの処理に移行し(ステップS96EのY)、大当りフラグがセットされて(ステップS96FのY)、大当り種別を示すデータとして突然確変大当りを示すデータが設定されていれば(ステップS96GのY)、ステップS95Cの処理に移行する。大当り種別を示すデータとして突然確変大当りを示すデータが設定されていなければ(ステップS96GのN)、超時短時大当りの変動パターンに決定し(ステップS96H)、ステップS103の処理に移行する。なお、本例では、超時短時大当り用に一の変動パターンのみが用意されているが、超時短時にはずれと決定された場合に実行される処理であって、後述するように複数の変動パターンが用意され、ランダム2(変動パターン判定用乱数)を用いて超時短時はずれテーブルから変動パターンを選択する処理と共通化するために、当該一の変動パターンに全ての判定値が設定されたテーブルとランダム2(変動パターン判定用乱数)とにもとづいて、超時短時大当りの変動パターンを決定するように構成されていてもよい。
また、CPU56は、大当りフラグがセットされていなければ(ステップS96FのN)、超時短時はずれテーブルを選択する(ステップS96I)。なお、超時短時はずれテーブルとは、図10に示す変動パターンのうち、変動パターン13,14のそれぞれに判定値が設定されたテーブルをいう。そして、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS96Iの処理で選択した変動パターン13,14のそれぞれに判定値が設定された超時短時はずれテーブルを参照することによって、変動パターンを変動パターン13,14のうちのいずれかに決定し(ステップS96J)、ステップS103の処理に移行する。
CPU56は、ステップS103の処理で、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、特別図柄の可変表示を開始させ(ステップS105)、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS107)。
なお、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
図19は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図8参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには(ステップS111のY)、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには(ステップS111のN,S113のY)、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば(ステップS116のY)、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。なお、CPU56が、変動時間タイマがタイムアウトしたときに、可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を演出制御基板80に送信し、演出制御基板80の演出制御用CPU101が、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。
CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS136A)。CPU56は、大当りフラグがセットされている場合に(ステップS136AのY)、大当り種別が突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS136B)。なお、「突然確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。大当り種別が突然確変大当りである場合に(ステップS136BのY)、時短フラグがセットされていれば(ステップS136C)、高ベース継続フラグをセットする(ステップS136D)。高ベース継続フラグは、大当り遊技状態に移行される前の遊技状態が時短状態であったことを示すフラグである。
そして、CPU56は、セットされていれば、確変フラグと時短フラグとをリセットする(ステップS137)。さらに、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンド又は小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS138)。具体的には、大当りの種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS139)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS140)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS141)。
CPU56は、ステップS136Aの処理で、大当りフラグがセットされていない場合に(ステップS136AのN)、ステップS142の処理に移行し、時短フラグがセットされていなければ(ステップS142のN)、ステップS144Aの処理に移行する。CPU56は、時短フラグがセットされていれば(ステップS142のY)、変動回数カウンタの値を1加算し(ステップS143A)、時短回数カウンタの値を1減算する(ステップS143B)。そして、時短回数カウンタの値が0であれば(ステップS143CのY)、時短フラグをリセットし(ステップS143D)、通常状態指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS143E)、低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS143F)。
CPU56は、ステップS144Aの処理で、小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS144A)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS144B)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS144C)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144D)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し(ステップS144E)、特別図柄停止処理を終了する。
小当りフラグがセットされていなければ(ステップS144AのN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新し(ステップS145)、特別図柄停止処理を終了する。
図23は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154の処理に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、通常大当りまたは確変大当りであった場合には演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り終了指定コマンドを送信する制御を行い、突然確変大当りであった場合には演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
CPU56は、ステップS154の処理で、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS154)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS155のY)、CPU56は、大当りの種別が通常大当りであるか否かを確認する(ステップS156)。なお、通常大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば(ステップS156のY)、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS157)、時短回数カウンタに100をセットして(ステップS163A)、ステップS164の処理に移行する。
通常大当りでなければ(ステップS156のN)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させ(ステップS158)、演出制御用マイクロコンピュータ100に確変状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS159)。そして、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りでなければ(ステップS160のN)、すなわち確変大当りであれば、ステップS163Bの処理に移行し、突然確変大当りであり(ステップS160のY)、高ベース継続フラグがセットされていれば高ベース継続フラグをリセットしてステップS163Bの処理に移行し(ステップS161,S162)、高ベース継続フラグがセットされていなければステップS167の処理に移行する(ステップS161のN)。後述するように、ステップS165の処理で時短フラグがセットされて時短状態に制御される。ここで、大当り種別が突然確変大当りである場合に、高ベース継続フラグがセットされていないとき、すなわち、突然確変大当りの発生前の遊技状態が時短状態でなかった場合に、ステップS167の処理に移行されるので大当り遊技終了後に時短状態に制御されない。
CPU56は、ステップS163Bの処理で、時短回数カウンタに10000をセットし(ステップS163B)、ステップS164の処理に移行する。従って、次回の大当り時まで時短状態が継続することが期待される。なお、確変フラグがセットされている場合に、ステップS163A,S163Bの処理で時短回数カウンタに0をセットし、確変フラグがセットされている場合には、ステップS143Bの処理で時短回数カウンタの値を減算しないように構成されていてもよい。そして、ステップS142の処理で、時短回数カウンタの値が0であるか否かを判断するように構成されていてもよい。
CPU56は、ステップS164の処理で、演出制御用マイクロコンピュータ100に高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS164)、時短フラグをセットし(ステップS165)、変動回数カウンタに1を設定する(ステップS166)。そして、CPU56は、ステップS167の処理で、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS167)。
図24は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS180)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS184に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(ステップS181)、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する制御を行う(ステップS182)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS183)、処理を終了する。
ステップS184では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS185)。経過していなければ処理を終了する。
CPU56は、小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS185のY)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS186)。このように、小当り終了表示時間を経過し小当り遊技を終了する場合には、遊技状態の変更を行うことなく、そのまま特別図柄通常処理に移行する。従って、小当りが発生した場合には、小当り遊技終了後に小当り発生前の遊技状態がそのまま維持される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図25は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702の処理に移行する。
図26は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図8および図9参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図27〜図30は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301(H))であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS658)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS659)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS661)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(ステップS664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数および第2留記憶数保存領域に格納する第2留記憶数をクリアする(ステップS665)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、第1保留記憶数および第2保留記憶数のいずれもが0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する保留記憶数をリセットする。ステップS665の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS667)。受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS668)、確変状態フラグがセットされていれば確変状態フラグをリセットする(ステップS669)。受信した演出制御コマンドが高ベース状態指定コマンドであれば(ステップS670)、高ベース状態フラグをセットする(ステップS671)。受信した演出制御コマンドが低ベース状態指定コマンドであれば(ステップS672)、高ベース状態フラグがセットされていれば高ベース状態フラグをリセットする(ステップS673)。受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS674)。そして、ステップS611の処理に移行する。
図31は、図25に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図32は、図25に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図32に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図33は、図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図34は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図34に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」または「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、大当り図柄の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、左中右のうちのいずれか1つの停止図柄として特別な図柄(例えば、通常の変動表示中に変動表示される図柄とは、異なる色や形、モチーフをあしらった図柄)が停止表示されたときに大当り図柄としてもよい。なお、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドであるのかに応じて、異なる割合で大当り図柄を決定するように構成されていてもよい。具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合に(つまり、通常大当りである場合に)、3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せのうち「777」以外の組合せを大当り図柄に決定し、受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合に(つまり、確変大当りである場合に)、3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せのいずれかを大当り図柄に決定し、受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合には、受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合よりも高い割合で「555」を大当り図柄に決定する。従って、3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せのうち「777」以外の組合せが大当り図柄として決定された場合には、遊技者は、通常大当りが発生したのか、または確変大当りが発生したのかを明確に認識することができず、大当り遊技後の遊技状態を明確に認識することができない。従って、演出図柄の変動表示中には、遊技者による「777」が停止表示されることへの期待感を煽ることができる。また、「555」が停止表示された場合には、遊技者による「777」が停止表示されなかったことによる落胆と確変大当りへの期待感とを煽ることができる。そこで、演出制御用CPU101は、3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せのうち「777」以外の組合せを大当り図柄として決定した場合に、後述する大当り終了演出処理で潜伏フラグをセットして、潜伏演出を実行するように構成されていてもよい。
受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ。左中右のいずれか1つが特別な図柄となったものでもよい。)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。なお、この実施の形態では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合と「確変大当り」を示している場合とで(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合と表示結果3指定コマンドである場合とで)、同じ図柄の組み合わせ(例えば、「555」)が停止表示される。従って、遊技者は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄から、通常大当りが発生したのか、または確変大当りが発生したのかを認識することができず、大当り遊技の終了後に確変状態に制御されているか否かを認識することができない。よって、遊技者は、確変状態に制御されていることの期待感を抱きながら大当り遊技終了後の遊技を楽しみ、遊技興趣を向上させることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、潜伏フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8003A)。潜伏フラグは、通常大当りまたは確変大当りにもとづく大当り遊技の終了時、および高ベース状態フラグがセットされていない状態における突然確変大当りにもとづく大当り遊技の終了時にセットされるフラグであり(ステップS890)、遊技者が確変状態であるか否かを認識困難な演出である潜伏演出が実行されているときにセットされているフラグである。演出制御用CPU101は、潜伏カウンタの値が100になったときに、当該潜伏カウンタの値および潜伏フラグをリセットするとともに、確変状態であれば、つまり確変状態フラグがセットされていれば、確変状態であることを報知する演出状態に制御するように構成されていてもよい。なお、演出制御用CPU101は、潜伏演出が開始されてから30回目の演出図柄の変動が終了したときに、潜伏カウンタの値および潜伏フラグをリセットするように構成されていてもよい。
演出制御用CPU101は、潜伏フラグがセットされていなければ(ステップS8003AのN)、変動パターンや、表示結果指定コマンド等に応じた通常演出(報知演出を行わずに、演出図柄の可変表示および表示結果の導出表示が行われる演出)用のプロセステーブルを選択する(ステップS8003B)。具体的には、演出図柄が変動開始してから変動パターンに応じた変動時間が経過するまでの間に、演出図柄の可変表示、変動パターンに応じたリーチ演出等、および表示結果指定コマンドに応じた大当り図柄等の導出表示を行うためのプロセステーブルを選択する。演出制御用CPU101は、潜伏フラグがセットされていれば(ステップS8003AのY)、潜伏カウンタの値を1加算し(ステップS8003C)、潜伏カウンタの値が30であるか否かを判定する(ステップS3003D)。なお、潜伏カウンタの値は、潜伏演出が開始されてから特別図柄の可変表示が実行された回数を示す値である。
演出制御用CPU101は、潜伏カウンタの値が30であれば(ステップS8003DのY)、ステップS8003Gの処理に移行し、潜伏カウンタの値が30でなく(ステップS8003DのN)、30を超えていなければ(ステップS8003EのN)、つまり、潜伏カウンタの値が30未満であれば、ステップS8003Bの処理に移行する。また、潜伏カウンタの値が30を超えていても(ステップS8003EのY)、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」および「小当り」を示していない場合には(ステップS8003FのN)、ステップS8003Bの処理に移行する。潜伏カウンタの値が30を超えており(ステップS8003EのY)、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」または「小当り」を示している場合には(ステップS8003FのY)、ステップS8003Gの処理に移行する。なお、受信した表示結果指定コマンドが「小当り」を示している場合には、ステップS8003Bの処理に移行してもよい。
演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、確変状態フラグがセットされているか否か、および潜伏カウンタの値に応じた潜伏演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS8003G)。つまり、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、確変状態フラグがセットされているか否か、および潜伏カウンタの値に応じて、複数のプロセステーブル(例えば、後述する図40に示す「報知演出A」を実行するためのプロセステーブル、後述する図41に示す「報知演出B」を実行するためのプロセステーブル、および後述する図42に示す「報知演出C」を実行するためのプロセステーブル)のうちの一のプロセステーブルを選択する。従って、演出制御用CPU101は、長期間演出Aの変動パターンコマンドを受信した場合に、ステップS8003Gの処理で、「報知演出A」を実行するためのプロセステーブルを選択するときと、「報知演出B」を実行するためのプロセステーブルを選択するときと、「報知演出C」を実行するためのプロセステーブルを選択するときとがあり、長期間演出Bの変動パターンコマンドを受信した場合に、ステップS8003Gの処理で、「報知演出A」を実行するためのプロセステーブルを選択するときと、「報知演出B」を実行するためのプロセステーブルを選択するときと、「報知演出C」を実行するためのプロセステーブルを選択するときとがあり、長期間演出Cの変動パターンコマンドを受信した場合に、ステップS8003Gの処理で、「報知演出A」を実行するためのプロセステーブルを選択するときと、「報知演出B」を実行するためのプロセステーブルを選択するときと、「報知演出C」を実行するためのプロセステーブルを選択するときとがある。具体的には、演出制御用CPU101は、潜伏カウンタの値が30を超えていて表示結果指定コマンドによって「小当り」が示されている場合、または潜伏カウンタの値が30であって確変状態フラグがセットされておらず表示結果指定コマンドによって「はずれ」あるいは「小当り」が示されている場合に、変動パターンコマンドによって示される時間に応じた演出時間で、後述する図40に示す「報知演出A」を実行するためのプロセステーブルを選択する。
また、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドによって「突然確変大当り」が示されている場合、または潜伏カウンタの値が30であって確変状態フラグがセットされ表示結果指定コマンドによって「はずれ」あるいは「小当り」が示されている場合に、変動パターンコマンドによって示される時間に応じた演出時間で、後述する図41に示す「報知演出B」を実行するためのプロセステーブルを選択する。従って、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドによって「突然確変大当り」が示されている場合には、確変状態フラグがセットされていない場合であっても、つまり確変状態でない場合であっても、「報知演出B」を実行するための変動パターンを選択する。
演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドによって「通常大当り」または「確変大当り」が示されている場合に、変動パターンコマンドによって示される時間に応じた演出時間で、後述する図42に示す「報知演出C」を実行するためのプロセステーブルを選択する。
従って、ステップS8003Gの処理では、はずれ時には、確変状態フラグがセットされている場合に「報知演出B」を実行するためのプロセステーブルが選択され、確変状態フラグがセットされていない場合に「報知演出A」を実行するためのプロセステーブルが選択される。また、突然確変大当り時には、「報知演出B」を実行するためのプロセステーブルが選択される。通常大当り時または確変大当り時には、「報知演出C」を実行するためのプロセステーブルが選択される。
また、ステップS8003Gの処理では、小当り時であって、潜伏カウンタの値が30である場合には、確変状態フラグがセットされている場合に「報知演出B」を実行するためのプロセステーブルが選択され、確変状態フラグがセットされていない場合に「報知演出A」を実行するためのプロセステーブルが選択される。小当り時であって、潜伏カウンタの値が30を超えている場合には、「報知演出A」を実行するためのプロセステーブルが選択される。なお、小当り時には、潜伏カウンタの値に関わらず、確変状態フラグがセットされている場合に「報知演出B」を実行するためのプロセステーブルが選択され、確変状態フラグがセットされていない場合に「報知演出A」を実行するためのプロセステーブルが選択されるように構成されていてもよい。
なお、CPU56が、はずれ時には、確変フラグがセットされている場合に「報知演出B」を実行するためのプロセステーブルに応じた変動パターンコマンドを選択し、確変状態フラグがセットされていない場合に「報知演出A」を実行するためのプロセステーブルに応じた変動パターンコマンドを選択するように構成されていてもよい。また、突然確変大当り時には、「報知演出B」を実行するためのプロセステーブルに応じた変動パターンコマンドを選択するように構成されていてもよい。通常大当り時または確変大当り時には、「報知演出C」を実行するためのプロセステーブルに応じた変動パターンコマンドを選択するように構成されていてもよい。そして、演出制御用CPU101が、受信した変動パターンコマンドに応じたプロセステーブルを選択するように構成されていてもよい。
「報知演出A」は、遊技状態が確変状態に制御されていないことを報知するための演出である。例えば、変動中に登場させた一方のキャラクタがバトルの結果、他方のキャラクタに敗北することにより非確変状態であることを遊技者に報知する。また、「報知演出B」は、遊技状態が確変状態に制御されていることを報知するための演出である。例えば、変動中に登場させた一方のキャラクタがバトルの結果、他方のキャラクタに勝利することにより確変状態であることを遊技者に報知する。「報知演出C」は、大当りであることを報知するための演出である。例えば、変動中に登場させた一方のキャラクタがバトルの結果、他方のキャラクタに敗北する演出を行った後に、大当りであることを遊技者に報知し、遊技者を一旦落胆させた後に喜ばせ、遊技興趣を向上させる。
なお、この実施の形態によれば、確変状態に制御されていない場合であっても、潜伏演出が開始されてから30回目の特別図柄の可変表示の表示結果として突然確変大当りを導出表示する場合に、確変状態に制御されていることを示す報知演出Bが行われるので、遊技状態の変更の契機となる可変表示を有効に活用して、確変状態である旨の報知を行うことができる。また、この実施の形態によれば、潜伏演出が開始されてから30回目の特別図柄の可変表示時に行われる報知演出が行われた後であっても、100回目の特別図柄の可変表示が行われる前であれば、小当りまたは突然確変大当りが発生した場合に再度報知演出が行われるように構成されているので、遊技興趣を向上させることができる。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8004)。
図35は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図35に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8005)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8006)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8007)。
図36は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8106)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8107)。
図37は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305の処理に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305の処理に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311の処理に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS8306)。
次いで、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8309)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音および番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
演出制御用CPU101は、大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、高ベース状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8311)。演出制御用CPU101は、高ベース状態フラグがセットされていない場合に(ステップS8312のN)、演出表示装置9に通常演出時(つまり、潜伏演出が行われていないとき)の背景画像を表示させる(ステップS8312)。通常演出時の背景画像は、例えば、青色の表示色の背景画像である。そして、演出制御用CPU101は、通常演出時の背景画像を潜伏演出時の背景画像に切り替えられるまで継続して演出表示装置9に表示させる。
そして、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8313)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグ、表示結果指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8314)。
図38は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LED25,28等)の制御を実行する(ステップS1903)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS1907)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1908)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1910)。
なお、大当り表示用のプロセス処理とは別に小当り表示用のプロセス処理を設けられ、小当りである場合には、例えば、所定期間(大入賞口が0.1秒間2回開放するのに十分な時間。例えば0.5秒間)、突然確変大当り時と同様の態様の演出が行われるように構成されていてもよい。
図39は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマを1減算する(ステップS880)。そして、減算後の演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS881)。なお、演出期間計測タイマは、例えば、ラウンド中処理(ステップS805参照)において、エンディングコマンドの受信を確認したことにもとづいてセットされる。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS881のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS882)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1および音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS883)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示したりする演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS884のN)、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS884のY)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS885)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS886)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS881のY)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」または「確変大当り」を示しているか否かを確認する(ステップS887)。受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」または「確変大当り」を示している場合に(ステップS887のY)、ステップS889の処理に移行する。受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」または「確変大当り」を示していない場合に(ステップS887のN)、つまり、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」または「小当り」を示している場合に、高ベース状態フラグがセットされていれば(ステップS888のY)、ステップS892の処理に移行し、高ベース状態フラグがセットされていなければ(ステップS888のN)、ステップS889の処理に移行する。高ベース状態フラグがセットされている場合には、既に潜伏演出の実行中であるからである。
演出制御用CPU101は、ステップS889の処理で、演出表示装置9に、潜伏演出時の背景画像を表示させる(ステップS889)。潜伏演出時の背景画像は、遊技者に確変状態である可能性があることを報知するとともに、確変状態であるか否かを認識不能にする潜伏演出用の背景画像(例えば、緑色の表示色の背景画像)である。そして、演出制御用CPU101は、潜伏演出時の背景画像を通常演出時の背景画像に切り替えられるまで継続して演出表示装置9に表示させる。なお、演出制御用CPU101は、潜伏演出を実行してから確変状態であることの報知演出(例えば、図41に示す報知演出B)を実行した場合に、背景画像を、潜伏演出用の背景画像および通常演出用の背景画像とは異なる確変状態報知演出用の背景画像(例えば、赤色の表示色の背景画像)に切り替えるように構成されていてもよい。また、潜伏演出は、背景画像を異ならせる演出でなくてもよく、通常演出とは異なるキャラクタを登場させる演出であったり、演出図柄の変動方向を異ならせる演出であったりしてもよい。また、演出表示装置9の表示画面上に、左図柄、中図柄および右図柄が連なって大当り表示態様やリーチ態様が形成されうる表示ラインとして、横方向に上中下の3ラインと、左上から右下にかけて斜めに形成される表示ラインと、左下から右上にかけて斜めに形成される表示ラインとの合計5つの表示ラインが用意されている場合に、演出図柄の停止図柄として有効な表示ラインである有効ラインを通常演出中と潜伏演出中とで異ならせてもよい。具体的には、例えば、通常演出中の有効ラインが横方向に上中下の3ラインであるとし、潜伏演出中の有効ラインが当該3ラインと左下から右上にかけて斜めに形成される表示ラインとの合計5つの表示ラインであるとしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、潜伏フラグをセットし(ステップS890)、潜伏カウンタの値に0を設定して(ステップS891)、ステップS892の処理に移行する。演出制御用CPU101は、ステップS892の処理で、所定のフラグをリセットする(ステップS892)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグ、表示結果指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS893)。
次に、演出表示装置9において実行される演出の態様について説明する。図40は、演出表示装置9において実行される報知演出Aの表示例を示す説明図である。図40において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。本例では、通常大当りの発生を契機に潜伏演出が開始されたとする。
演出制御用CPU101は、変動パターン2(リーチを伴う変動パターン)を指定する変動パターンコマンドを受信した場合に、図40(1)に示すように、演出表示装置9の表示画面において、左中右の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用CPU101は、変動表示の開始時に停止図柄の組み合わせも決定する(図33に示すステップS8002)。図40に示す例では、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(本例では、表示結果2指定コマンド)に応じて、停止図柄の組み合わせとして「555」を決定した(すなわち通常大当りにもとづいて、大当り図柄に決定した)とする。
そして、演出制御用CPU101は、図40(2)に示すように、まず左の演出図柄「5」を停止表示させた後、図40(3)に示すように、右の演出図柄「5」を停止表示させ、リーチ状態となる。そして、図40(4)に示すように、中の演出図柄「5」を停止表示させる。つまり、演出表示装置9の表示画面において、左中右の演出図柄の停止図柄の組み合わせとして、「555」が導出表示される。図34に示すように、左中右停止図柄「555」は、大当り図柄である。よって、遊技者は、大当りが発生したことは認識できるが、通常大当りが発生したのか、または確変大当りが発生したのかを認識することができない。そして、通常大当りにもとづく大当り遊技終了後には時短状態に制御されるとともに、潜伏演出が開始される。具体的には、演出制御用CPU101が、図39のステップS889の処理で、背景画像を潜伏演出用の背景画像(例えば、緑色の表示色の背景画像)に変更する(図40(5))。潜伏演出用の背景画像は、通常状態で用いられる背景画像(例えば、青色の表示色の背景画像)とは異なるので、遊技者は、確変状態であるのか否かを背景画像から判別することができず、確変状態に制御されていることへの遊技者の期待感を煽ることができる。
その後、演出図柄の変動表示が開始されるときに潜伏カウンタの値が1加算され(図33に示すステップS8003C)、潜伏カウンタの値が30になった場合に(図22に示すステップS8003DのY)、つまり、潜伏演出用の背景画像が表示されてから30回目の演出図柄の変動表示が開始されるときに、報知演出が行われる。本例では、30回目の演出図柄の変動表示結果として、演出制御用CPU101が「はずれ」を示す表示結果指定コマンドを受信したとし、潜伏演出の契機が通常大当りの発生であり、確変状態フラグがセットされていないので(図30に示すステップS667)、「報知演出A」の演出を実行するためのプロセステーブルが選択される(図33に示すステップS8003G)。そして、図40(6)〜(8)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中に登場させた一方のキャラクタがバトルの結果、他方のキャラクタに敗北することにより非確変状態であることを遊技者に報知し、図40(9)に示すように、停止図柄としてはずれ図柄を表示する。
なお、「報知演出A」の演出が終了した後には、特別図柄の変動パターンには超時短状態の変動パターンが選択されるので、遊技者は、非確変状態を報知された後の期待感の低い遊技を短時間に行うことができる。
図41は、演出表示装置において実行される報知演出Bの表示例を示す説明図である。図41において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。本例では、確変大当りの発生を契機に潜伏演出が開始されたとする。
演出制御用CPU101は、変動パターン2(リーチを伴う変動パターン)を指定する変動パターンコマンドを受信した場合に、図41(1)に示すように、演出表示装置9の表示画面において、左中右の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用CPU101は、変動表示の開始時に停止図柄の組み合わせも決定する(図33に示すステップS8002)。図41に示す例では、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(本例では、表示結果3指定コマンド)に応じて、停止図柄の組み合わせとして「555」を決定した(すなわち、確変大当りにもとづいて、大当り図柄に決定した)とする。
そして、演出制御用CPU101は、図41(2)に示すように、まず左の演出図柄「5」を停止表示させた後、図41(3)に示すように、右の演出図柄「5」を停止表示させ、リーチ状態となる。そして、図41(4)に示すように、中の演出図柄「5」を停止表示させる。つまり、演出表示装置9の表示画面において、左中右の演出図柄の停止図柄の組み合わせとして、「555」が導出表示される。図34に示すように、左中右停止図柄「555」は、大当り図柄である。よって、遊技者は、大当りが発生したことは認識できるが、通常大当りが発生したのか、または確変大当りが発生したのかを認識することができない。そして、通常大当りにもとづく大当り遊技終了後には時短状態に制御されるとともに、潜伏演出が開始される。具体的には、演出制御用CPU101が、図39のステップS889の処理で、背景画像を潜伏演出用の背景画像(例えば、緑色の表示色の背景画像)に変更する(図41(5))。潜伏演出用の背景画像は、通常状態で用いられる背景画像(例えば、青色の表示色の背景画像)とは異なるので、遊技者は、確変状態であるのか否かを背景画像から判別することができず、確変状態に制御されていることへの遊技者の期待感を煽ることができる。
その後、演出図柄の変動表示が開始されるときに潜伏カウンタの値が1加算され(図33に示すステップS8003C)、潜伏カウンタの値が30になった場合に(図22に示すステップS8003DのY)、つまり、潜伏演出用の背景画像が表示されてから30回目の演出図柄の変動表示が開始されるときに、報知演出が行われる。本例では、30回目の演出図柄の変動表示結果として、演出制御用CPU101が「はずれ」を示す表示結果指定コマンドを受信したとし、潜伏演出の契機が確変大当りの発生であり、確変状態フラグがセットされているので(図30に示すステップS667)、「報知演出B」の演出を実行するためのプロセステーブルが選択される(図33に示すステップS8003G)。そして、図41(6)〜(8)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中に登場させた一方のキャラクタがバトルの結果、他方のキャラクタに勝利することにより確変状態であることを遊技者に報知し、図41(9)に示すように、停止図柄としてはずれ図柄を表示する。
なお、報知演出Bの終了後、特別図柄の変動パターンには超時短状態の変動パターンが選択されるので、遊技者は短時間で大当り遊技状態に制御されることへの期待感を持つことができる。
図42は、演出表示装置において実行される報知演出Cの表示例を示す説明図である。図42において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。本例では、通常大当りの発生を契機に潜伏演出が開始されたとする。
演出制御用CPU101は、変動パターン2(リーチを伴う変動パターン)を指定する変動パターンコマンドを受信した場合に、図42(1)に示すように、演出表示装置9の表示画面において、左中右の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用CPU101は、変動表示の開始時に停止図柄の組み合わせも決定する(図33に示すステップS8002)。図42に示す例では、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(本例では、表示結果3指定コマンド)に応じて、停止図柄の組み合わせとして「555」を決定した(すなわち、確変大当りにもとづいて、大当り図柄に決定した)とする。
そして、演出制御用CPU101は、図42(2)に示すように、まず左の演出図柄「5」を停止表示させた後、図42(3)に示すように、右の演出図柄「5」を停止表示させ、リーチ状態となる。そして、図42(4)に示すように、中の演出図柄「5」を停止表示させる。つまり、演出表示装置9の表示画面において、左中右の演出図柄の停止図柄の組み合わせとして、「555」が導出表示される。図34に示すように、左中右停止図柄「555」は、大当り図柄である。よって、遊技者は、大当りが発生したことは認識できるが、通常大当りが発生したのか、または確変大当りが発生したのかを認識することができない。そして、確変大当りにもとづく大当り遊技終了後には時短状態に制御されるとともに、潜伏演出が開始される。具体的には、演出制御用CPU101が、図39のステップS889の処理で、背景画像を潜伏演出用の背景画像(例えば、緑色の表示色の背景画像)に変更する(図42(5))。潜伏演出用の背景画像は、通常状態で用いられる背景画像(例えば、青色の表示色の背景画像)とは異なるので、遊技者は、確変状態であるのか否かを背景画像から判別することができず、確変状態に制御されていることへの遊技者の期待感を煽ることができる。
その後、演出図柄の変動表示が開始されるときに潜伏カウンタの値が1加算され(図33に示すステップS8003C)、潜伏カウンタの値が30になった場合に(図22に示すステップS8003DのY)、つまり、潜伏演出用の背景画像が表示されてから30回目の演出図柄の変動表示が開始されるときに、報知演出が行われる。本例では、30回目の演出図柄の変動表示結果として、演出制御用CPU101が「確変大当り」を示す表示結果指定コマンドを受信したとし、潜伏演出の契機が確変大当りの発生であり、確変状態フラグがセットされているので(図30に示すステップS667)、「報知演出C」の演出を実行するためのプロセステーブルが選択される(図33に示すステップS8003G)。そして、図42(6)〜(8)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動中に登場させた一方のキャラクタがバトルの結果、他方のキャラクタに敗北することにより非確変状態であることを遊技者に報知し、一旦遊技者を落胆させた後、図42(9)に示すように、停止図柄として大当り図柄を表示する。非確変状態であることを遊技者に報知した後に、大当り図柄を表示する演出を実行するように構成されているので、演出によって大当り遊技状態に移行することを遊技者に早期に知られることを防ぐことができる。
なお、図40〜図42に示す例では、演出制御用CPU101は、報知演出で遊技状態が確変状態であるか否かを報知する演出を行っている。しかし、演出制御用CPU101は、例えば、乱数を用いて、他の内容を報知する報知演出を行うことに決定し、決定結果に応じた他の演出を行ってもよい。図43は、演出表示装置において潜伏演出用の背景画面が表示されてから30回目の演出図柄の変動表示がなされるときに、実行される他の演出の例を示す説明図である。図43において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン2(リーチを伴う変動パターン)を指定する変動パターンコマンドを受信した場合に、図43(1)に示すように、演出表示装置9の表示画面において、左中右の演出図柄の変動表示を開始する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示の開始時に停止図柄の組み合わせも決定する(図33に示すステップS8002)。図43に示す例では、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(本例では、表示結果2指定コマンド)に応じて、停止図柄の組み合わせとして「555」を決定した(すなわち、通常大当りにもとづいて、大当り図柄に決定した)とする。
そして、図43(2)に示すように、まず左の演出図柄「5」を停止表示させた後、図43(3)に示すように、右の演出図柄「5」を停止表示させて、リーチ状態とする。そして、図43(4)に示すように、報知演出で報知される内容の候補が表示される。本例では、「大当り」、「確変中」、「はずれ」、「低確率」のいずれかであることが報知されるとする。具体的には、演出表示装置9の表示画面に、「大当り」、「確変中」、「はずれ」、「低確率」のそれぞれに領域が設けられ、画面上部の矢印が各領域の上方を移動して表示される(図43(5))。
そして、本例では、図43(6)に示すように、演出表示装置9の表示画面で、矢印が「低確率」の上方で停止し、図43(7)に示すように、低確率状態であることが報知される。そして、通常大当り図柄が停止表示され(図43(8))、通常大当りであることが表示される(図43(9))。なお、本例では、上述したように、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(本例では、表示結果2指定コマンド)に応じて、停止図柄の組み合わせとして「555」を決定されているので、制御されている遊技状態に関わらず、図43(6)に示すように、演出表示装置9の表示画面で、矢印が「低確率」の上方で停止し、図43(7)に示すように、低確率状態であることが報知される演出が実行されているが、制御されている遊技状態を報知する場合には、制御されている遊技状態に応じた演出が行われる。具体的には、確変状態に制御されている場合には、演出表示装置9の表示画面で、矢印が「確変中」の上方で停止し、確変状態であることが報知される演出が実行され、確変状態に制御されていない場合には、図43(6),(7)に示す低確率状態であることを報知する演出が実行される。
なお、図43に示す例では、報知演出で報知される内容の候補が4つであったが、4つよりも多い種類の候補が用意されていてもよい。さらに、例えば、乱数を用いて、それぞれ判定値が設定された数多くの候補から報知演出で報知される内容の候補を決定するように構成されていてもよいし、候補の組み合わせに応じて、報知内容の信頼度が異なるように設定されていてもよい。そのような構成によれば、遊技が多様になり、遊技者の遊技興趣を向上させることができる。
また、演出表示装置において潜伏演出用の背景画面が表示されてから30回目の演出図柄の変動表示がなされるときに、常に図43に示すような演出が実行され、当該演出において確変状態であることの報知を行う場合には、図43(7)の演出に代えて確変状態であることを報知する演出(「確変中」の旗が選択される演出)を含む演出を図41〜図42に示す演出に代えて実行するように構成されていてもよい。また、図41〜図42に示す演出と、図43に示す演出とのいずれを実行するのかを乱数値等にもとづいて決定するように構成されていてもよい。
演出制御用CPU101が、ステップS8003Gの処理で、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって送信されたコマンド等にもとづいて、いずれの演出を実行するのかを決定するように構成されていたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560がいずれの演出を実行するのかを決定し、決定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されていてもよい。
なお、この実施の形態では、報知演出において、確変状態に制御されている場合には確変状態であることを報知するように構成されているが、確変状態に制御されている場合であっても非確変状態であることを報知するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技者は、非確変状態であると認識しているにもかかわらず大当り遊技状態に制御される割合が高く感じられ、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、変動回数カウンタが計数した値にもとづいて変動パターンを決定するように構成されているが(例えば、ステップS95Aの処理で潜伏演出の実行開始から30回目を超えた特別図柄の変動後であるか否かを判断し、ステップS95Bの処理で潜伏演出の実行開始から30回目の特別図柄の変動であるか否かを判断し、それぞれの判断結果に応じて変動パターンを決定するように構成されている)、時短回数カウンタが計数した値にもとづいて変動パターンを決定するように構成されていてもよい。そのように構成された場合には、必要とされるデータ容量を減少させることができる。
また、低ベース状態であって確変状態でない場合に、突然確変大当りまたは小当りが発生したときに、潜伏演出を開始するように構成されていてもよい。そして、当該潜伏演出は、通常大当りまたは確変大当りの発生後の潜伏演出と同じ演出であってもよいし異なる演出であってもよい。
また、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技用価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、可変表示の開始を許容する開始条件の成立にもとづいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示装置を備え、該可変表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。