以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図24は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。前枠4上には、例えば上部に2個、下部に1個の計3個のスピーカ8が配置されている。
また、前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿9が上部側に配置され、またその上皿9の下側には、例えば上皿9が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿10が左側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル11が右側に夫々設けられている。
また前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤12が着脱自在に装着されている。遊技盤12の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール13が環状に装着されると共に、そのガイドレール13の内側の遊技領域14に、センターケース15、普通図柄始動手段16、特別図柄始動手段17、大入賞手段18、普通入賞手段19等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース15には、液晶式等の画像表示手段21、普通図柄表示手段22、第1,第2特別図柄表示手段23a,23b、普通保留個数表示手段24等の各種表示手段の他、LED25、可動体26等の演出手段が設けられ、更に下部側にはステージ27が設けられている。ステージ27は、画像表示手段21の下部前側に左右方向に配置されており、センターケース15の側部、例えば左側に設けられたワープ入口28に流入した遊技球を自由に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部29a又はその左右両側の側部落下部29bから前側に落下させるようになっている。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段16が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段16による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段16が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段17は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの第1,第2特別図柄始動口(第1,第2図柄始動手段)17a,17bと、下側の第2特別図柄始動口17bを開閉する開閉手段31とを備え、例えばセンターケース15の下側に配置されている。
第1特別図柄始動口17aは、開閉手段等を有しない非開閉式入球手段で、例えばセンターケース15の中央落下部29aの真下に上向き開口状に配置されている。また、第2特別図柄始動口17bは、開閉手段31により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り替え可能な開閉式入球手段で、例えば第1特別図柄始動口17aの下側で左右両側に向けて開口しており、左右一対の開閉手段31が、例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って揺動することにより開閉するように構成されている。
本実施形態における第2特別図柄始動口17bの開閉パターンとしては、図3に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開状態の時間が長くなるように、即ち開放回数及び/又は開放1回当たりの開放時間が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類が設けられている。
第1,第2特別図柄表示手段(第1,第2図柄表示手段)23a,23bは、夫々1個又は複数個、例えば各1個の第1,第2特別図柄(第1,第2図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段23aは第1特別図柄始動口17a、第2特別図柄表示手段23bは第2特別図柄始動口17bに遊技球が入賞することを条件に第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら第1,第2特別図柄始動口17a,17bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には一又は複数種類の大当たり態様の何れかで、小当たり判定値と一致する場合には一又は複数種類の小当たり態様の何れかで、それ以外の場合には一又は複数種類の外れ態様の何れかで停止するようになっている。
本実施形態では、図4に示すように第1特別図柄表示手段23aの大当たり態様として第1〜第5大当たり態様の5種類が、第2特別図柄表示手段23bの大当たり態様として第6〜第9大当たり態様の4種類が設けられている。また、小当たり態様は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23b共に1種類となっている。なお、第1,第2特別図柄は、例えば「0」〜「9」の数字図柄のように複数種類存在し且つそれらが互いに異なっていればよく、また必ずしも数字図柄のような遊技者が容易に判別できるものである必要はない。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する第1,第2特別利益状態中に第1,第2特別図柄始動口17a,17bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、例えば画像表示手段21上に第1,第2特別図柄表示手段23a,23bに関する大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、第1,第2特別保留個数という)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
本実施形態では、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bは互いに並行して変動表示可能であるが、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方が大当たり態様又は小当たり態様となる変動中に他方の図柄変動を開始する場合にはその他方の図柄変動は強制的に外れ態様とし、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方が大当たり態様又は小当たり態様となって第1,第2大当たり状態又は第1,第2小当たり状態が開始される際に他方が変動中であった場合には、その他方の特別図柄表示手段は、予め定められた変動時間の計測を中断した上で図柄を停止させず、また第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方に関する第1,第2大当たり状態中、第1,第2小当たり状態中は他方の特別図柄表示手段による新たな変動を開始しないように制御されるものとする。
なお、第1,第2大当たり状態又は第1,第2小当たり状態が開始される際に他方の特別図柄表示手段が変動中であった場合、その他方の特別図柄表示手段は例えばその時点で強制的に外れ態様で停止し且つそのままの状態で表示を継続するように制御してもよい。また、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方が大当たり態様又は小当たり態様となる変動中に他方の図柄変動を開始する場合であってもその他方の図柄変動結果については通常通り抽選によって決定し、その後にその一方の図柄が大当たり態様又は小当たり態様となった場合には、その第1,第2大当たり状態中又は第1,第2小当たり状態中はその他方の図柄については予め定められた変動時間の計測を中断した上で図柄を停止させないように制御してもよい。第1,第2大当たり状態、第1,第2小当たり状態については後述する。
また、画像表示手段21上では、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動表示と同期して第1,第2演出図柄33a,33bによる変動表示が行われるようになっている。第1,第2演出図柄33a,33bは、それぞれ1個又は複数個、例えば左、右、中の3個の図柄で構成されており、第1,第2特別図柄始動口17a,17bに遊技球が入賞することを条件に例えば第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。
なお本実施形態では、第1,第2特別図柄が大当たり態様、小当たり態様、外れ態様で停止する場合には、第1,第2演出図柄33a,33bもそれに対応して大当たり態様、小当たり態様、外れ態様で停止するものとする。ここで、例えば第1演出図柄33aの停止図柄態様については、第3,第4大当たり態様及び小当たり態様は複数(3つ)の図柄のうちの少なくとも1つが他と異なる「非ぞろ目」の停止図柄態様、第1,第2,第5大当たり態様は複数(3つ)の図柄が全て同じ図柄で揃った「ぞろ目」の停止図柄態様、外れ態様は「非ぞろ目」の停止図柄態様のうち、第3,第4大当たり態様及び小当たり態様以外の停止図柄態様で構成され、また第2演出図柄33bの停止図柄態様については、第8大当たり態様及び小当たり態様は「非ぞろ目」の停止図柄態様、第6,第7及び第9大当たり態様は「ぞろ目」の停止図柄態様、外れ態様は「非ぞろ目」の停止図柄態様のうち、第8大当たり態様及び小当たり態様以外の停止図柄態様で構成されているものとする。
また、第1,第2演出図柄33a,33bの変動パターンには、大きく分けて大当たり態様に対応する大当たり変動パターンと、小当たり態様に対応する小当たり変動パターンと、外れ態様に対応する外れ変動パターンとが存在する。また、大当たり変動パターンには、「ぞろ目」の大当たり態様に対応する通常大当たり変動パターンと、「非ぞろ目」の大当たり態様に対応する隠れ大当たり変動パターンとが含まれる。
第1,第2演出図柄33a,33bの変動パターンの選択に用いられる変動パターン選択テーブルは複数種類設けられており、遊技状態に応じてそれら複数種類の変動パターン選択テーブルのうちの何れかが用いられる。本実施形態では、図5に示すように、通常,高確A,高確B,時短の4種類の変動パターン選択テーブルグループが、第1,第2特別図柄のそれぞれに対して設けられ(計8種類)、それら各変動パターン選択テーブルグループはそれぞれ1又は複数種類の変動パターン選択テーブルで構成されており、例えば通常遊技状態中及び潜確状態中は通常変動パターン選択テーブルグループの中から1の通常変動パターン選択テーブルが、高確A状態中は高確A変動パターン選択テーブルグループの中から1の高確A変動パターンテーブルが、高確B状態中は高確B変動パターン選択テーブルグループの中から1の高確B変動パターンテーブルが、時短状態中は時短変動パターン選択テーブルグループの中から1の時短変動パターンテーブルが、それぞれ用いられるようになっている。潜確状態、高確A状態、高確B状態、時短状態等の特別遊技状態の詳細については後述する。なお、通常遊技状態中と潜確状態中とで異なる変動パターン選択テーブルグループを用いてもよい。
また、高確A変動パターン選択テーブルグループと高確B変動パターン選択テーブルグループとでは、第1演出図柄(及び第1特別図柄)についての外れ態様となる変動パターンの平均変動時間(以下、第1外れ平均変動時間という)と、第2演出図柄(及び第2特別図柄)についての外れ態様となる変動パターンの平均変動時間(以下、第2外れ平均変動時間という)との差が大きく異なっており、しかもそれら第1外れ平均変動時間と第2外れ平均変動時間との大小関係が逆になっている。
即ち、図6に示すように、高確A変動パターン選択テーブルグループでは、第1外れ平均変動時間が60秒、第2外れ平均変動時間が6秒に設定されており、前者の方が後者よりも長くその差は54秒であるのに対し、高確B変動パターン選択テーブルグループでは、第1外れ平均変動時間が9秒、第2外れ平均変動時間が12秒に設定されており、逆に前者よりも後者の方が長くその差は3秒となっている。
また、第1外れ平均変動時間については、高確B変動パターン選択テーブルグループ(9秒)よりも高確A変動パターン選択テーブルグループ(60秒)の方が大であるのに対し、第2外れ平均変動時間については、高確A変動パターン選択テーブルグループ(6秒)よりも高確B変動パターン選択テーブルグループ(12秒)の方が大となっている。
ここで、第1外れ平均変動時間と第2外れ平均変動時間とに差があれば、その値が小さい図柄の方が大きい図柄よりも一定時間当たりの変動回数が多くなるため、第1特別図柄(及び第2演出図柄)の変動と第2特別図柄(及び第2演出図柄)の変動との一方が他方に比べて遊技者に有利な設定の場合、第1外れ平均変動時間と第2外れ平均変動時間との少なくとも一方(特に遊技者に有利な図柄側の外れ平均変動時間)が異なれば遊技者にとっての有利/不利の状況も異なってくる。
図7は、高確A状態(a)と高確B状態(b)とにおいて、第1,第2特別図柄の各変動をそれぞれ第1,第2外れ平均変動時間で均一化した場合の第1,第2特別図柄の変動状況の一例を示したものである。なおこの図7においては、第1,第2特別図柄の各変動を、変動時間に対応する長さの帯で表しており、連続変動の場合の隙間時間は無視している。本実施形態の場合、後述するように第2特別図柄の変動の方が第1特別図柄の変動に比べて遊技者に有利な設定であるため、高確A変動パターン選択テーブルグループと高確B変動パターン選択テーブルグループとでは、図7に示すように、第2外れ平均変動時間がより短い高確A変動パターン選択テーブルグループの方が遊技者にとって有利であると言える。即ち、変動パターンの選択に用いる変動パターン選択テーブルの取得先を、第1外れ平均変動時間と第2外れ平均変動時間との少なくとも一方が異なる高確A変動パターン選択テーブルグループと高確B変動パターン選択テーブルグループとの間で切り替えることで、遊技者にとっての有利/不利の状況を変化させることが可能である。
また本実施形態では、図6,図7に示すように時短変動パターン選択テーブルグループについても、高確B変動パターン選択テーブルグループと同じく、第1外れ平均変動時間が6秒、第2外れ平均変動時間が10秒に設定されているものとする。もちろん、時短変動パターン選択テーブルグループと高確B変動パターン選択テーブルグループとは、第1,第2外れ平均変動時間が同じでもそれらに含まれる変動パターン選択テーブル、或いはそれら変動パターン選択テーブルの選択対象となる変動パターンの種類や各変動パターンの選択率の設定内容等は異なっていてもよいし、全く同じ設定内容、即ち共通の変動パターン選択テーブルグループであってもよい。
なお、高確A,高確B,時短の各変動パターン選択テーブルグループにおいては、大当たり態様、小当たり態様となる変動パターンの平均変動時間については任意に設定可能である。また、通常変動パターン選択テーブルグループについては、全ての変動パターンの変動時間を任意に設定可能である。
図8(A1),(A2)は、高確A変動パターン選択テーブルグループに含まれる第1,第2大当たり変動パターン選択テーブルの一例、図8(B)は、高確B/時短変動パターン選択テーブルグループに含まれる第1/第2大当たり変動パターン選択テーブルの一例、図8(C1),(C2)は、通常変動パターン選択テーブルグループに含まれる第1,第2大当たり変動パターン選択テーブルの一例、図8(a1),(a2)は、高確A変動パターン選択テーブルグループに含まれる第1,第2外れ変動パターン選択テーブルの一例、図8(b1),(b2)は、高確B/時短変動パターン選択テーブルグループに含まれる第1,第2外れ変動パターン選択テーブルの一例、図8(c1)は、通常変動パターン選択テーブルグループのうち、第1特別保留個数が1〜3個の場合に使用される第1外れ変動パターン選択テーブルの一例、図8(c2)は、通常変動パターン選択テーブルグループのうち、第1特別保留個数が4個の場合に使用される第1外れ変動パターン選択テーブルの一例、図8(c3)は、通常変動パターン選択テーブルグループに含まれる第2外れ変動パターン選択テーブルの一例を示している。
ここで、第1,第2大当たり変動パターン選択テーブルはそれぞれ第1,第2特別図柄に対応する1又は複数の大当たり変動パターンで構成され、第1,第2外れ変動パターン選択テーブルはそれぞれ第1,第2特別図柄に対応する1又は複数の外れ変動パターンで構成される。なお、図8に示したものは各変動パターン選択テーブルグループに含まれる変動パターン選択テーブルの一部であり、例えば第1,第2特別図柄に対応する複数の小当たり変動パターンで構成される第1,第2小当たり変動パターン選択テーブル等の例については省略している。
また本実施形態では、高確B状態及び時短状態で用いられる高確B/時短変動パターン選択テーブルグループについては、それらに含まれる全ての外れ変動パターンが、それらに含まれる大当たり変動パターン(特定変動パターンの一例)のうち最も変動時間の短い変動パターン(最短特定変動パターン)よりも短い変動時間に設定されている。図8の例では、図8(b1)及び(b2)の第1,第2外れ変動パターン選択テーブルに含まれる全ての外れ変動パターンが、図8(B)に示す大当たり変動パターンのうち最も変動時間の短い「eリーチ大当たり変動パターン」及び「fリーチ大当たり変動パターン」(共に変動時間50秒)よりも短い変動時間(最長で40秒)に設定されている。
なお、大当たり変動パターン(通常大当たり変動パターン及び隠れ大当たり変動パターン)だけでなく小当たり変動パターンも特定変動パターンに含めてもよい。即ち、高確B/時短変動パターン選択テーブルグループについて、それらに含まれる全ての外れ変動パターンが、それらに含まれる大当たり、小当たり変動パターンのうち最も変動時間の短い変動パターン(最短特定変動パターン)よりも短い変動時間に設定してもよい。
また画像表示手段21には、上述した第1,第2演出図柄33a,33bの他、図1に示すように第1,第2演出図柄33a,33bの変動と同期して表示される第1,第2演出画像34a,34b、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留表示画像35a,35b、いわゆる第4図柄と呼ばれる第1,第2副演出図柄36a,36b等の各種演出画像が遊技状態に応じて表示されるようになっている。
大入賞手段18は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り替え可能な開閉板32を備えた開閉式入球手段で、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様(第1特定態様)又は小当たり態様(第2特定態様)となることに基づいて第1,第2特別利益状態、即ち第1,第2大当たり状態(第1特別利益状態)又は第1,第2小当たり状態(第2特別利益状態)が発生したときに、開閉板32が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
本実施形態では、図4に示すように、大入賞手段18の開放パターンとして、15R第1〜第3開放パターン、2R開放パターン及び1R開放パターンの5種類が設けられており、第1特別図柄の変動後の停止図柄が第1〜第3大当たり態様となった場合にはそれぞれ15R第1〜第3開放パターンが、第4大当たり態様となった場合には2R開放パターンが、第5大当たり態様となった場合には15R第2開放パターンが選択され、第2特別図柄の変動後の停止図柄が第6,第7大当たり態様となった場合には15R第1開放パターンが、第8大当たり態様となった場合には2R開放パターンが、第9大当たり態様となった場合には15R第2開放パターンが選択され、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が小当たり態様となった場合には1R開放パターンが選択されるようになっている。
15R第1開放パターンは、大入賞手段18を、開放してから所定時間(例えば30秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作(以下、長時間開放動作という)を15ラウンド行うように設定されており、遊技者にとって最も有利な開放パターンである。
15R第2開放パターンは、長時間開放動作を10ラウンドと、大入賞手段18を0.2秒開放する動作(以下、短時間開放動作という)を5ラウンドの計15ラウンドの開放動作を行うように設定されている。ここで、短時間開放動作は1回の開放時間が0.2秒と僅かであるため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。従って、この15R第2開放パターンは、実質10ラウンドの開放パターンであり、遊技者にとっては15R第1開放パターンに続いて有利な開放パターンである。
また、15R第3開放パターンは短時間開放動作を15ラウンド、2R開放パターンは短時間開放動作を2ラウンド行うように設定されており、これらは遊技者にとって出玉を期待できない不利な開放パターンである。1R開放パターンは、大入賞手段18を0.2秒×2回開放する動作を1ラウンド行うように設定されており、外見上は2R開放パターンと同じである。
ここで、図4において大当たり状態に対応する各開放パターンの選択率を第1特別図柄と第2特別図柄とで比較すると、第1特別図柄側の第4大当たり態様と第2特別図柄側の第8大当たり態様とは共に2R開放パターンに対応し、選択率は共に11%であり、また第1特別図柄側の第5大当たり態様と第2特別図柄側の第9大当たり態様とは共に15R第2開放パターンに対応し、選択率は共に29%となっている。一方、第2特別図柄側については、その他の第6,第7大当たり態様は共に遊技者にとって最も有利な15R第1開放パターンに対応し、その選択率は60%であるのに対し、第1特別図柄側については、その他の第1〜第3大当たり態様のうち、15R第1開放パターンに対応するのは第1大当たり態様のみであり、その選択率は13%となっている。
以上より、第1特別図柄が大当たり態様となった場合に発生する第1大当たり状態よりも第2特別図柄が大当たり態様となった場合に発生する第2大当たり状態の方が遊技者が得られる平均利益が大きいことは明らかであり、また大当たり態様となる確率は第1特別図柄と第2特別図柄とで同じであるため、第1特別図柄よりも第2特別図柄をより多く変動させた方が遊技者に有利であると言える。
また、第1,第2大当たり状態の終了後には、例えば高確率状態と開放延長状態との組み合わせよりなる特別遊技状態が所定期間発生するようになっている。高確率状態中は、それ以外の低確率状態中よりも大当たり判定値の数を多くすることにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率を通常確率(例えば1/380)よりも高い高確率(例えば1/40)に設定するようになっている。
また開放延長状態中は、第2特別図柄始動口17bの開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)に切り替えられるが(図3)、それ以外にも、第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り替えられ、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)に、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)に、夫々切り替えられる(図3)ようになっている。
本実施形態では、基本的な特別遊技状態として、図5に示すように、高確率状態が発生し開放延長状態が発生しない「潜確状態」、高確率状態と開放延長状態とが共に発生する「高確状態」、高確率状態が発生せず、開放延長状態が発生する「時短状態」の3種類が設けられているものとする。また「高確状態」としては、変動パターン選択処理で用いられる変動パターン選択テーブルが属する変動パターン選択テーブルグループの種類に応じて「高確A」、「高確B」の2種類が設けられており、高確A状態中は高確A変動パターン選択テーブルグループから選択される高確A変動パターン選択テーブルが、高確B状態中は高確B変動パターン選択テーブルグループから選択される高確B変動パターン選択テーブルがそれぞれ用いられるようになっている。更に本実施形態では、以上の基本的特別遊技状態が直列に接続されて順次変更される可変遊技状態が設けられている。
また本実施形態では、第1,第2大当たり状態の終了後に発生する特別遊技状態の種類は、その第1,第2大当たり状態の発生に係る大当たり変動時、即ち例えば第1,第2特別図柄が大当たり態様となる図柄変動の開始時における遊技状態とその大当たり態様の種類とに応じて決定されるようになっている。
図4の例では、第1特別図柄が第1大当たり態様となった場合と、第2特別図柄が第6大当たり態様又は第8大当たり態様となった場合には、その図柄変動開始時の遊技状態に拘わらず高確A状態が発生するようになっている。この場合の高確A状態は、例えば次の大当たり状態が発生するまで継続するものとするが、例えば次の大当たり状態が発生するまでに第1,第2特別図柄の変動回数の合計値が所定値に達した場合にはその時点で終了するようにしてもよい。
また、第1特別図柄が第5大当たり態様となった場合と、第2特別図柄が第9大当たり態様となった場合には、その図柄変動開始時の遊技状態に拘わらず、時短状態が発生するようになっている。この時短状態の継続期間は、例えば第1,第2特別図柄の変動回数の合計値によって規定されており、本実施形態では、例えば次の大当たり状態が発生するか、それまでに第1,第2特別図柄の変動回数の合計値が所定の上限回数(ここでは100回)に達することに基づいて終了するものとする。
また、第1特別図柄が第2大当たり態様となった場合と、第2特別図柄が第7大当たり態様となった場合には、その図柄変動開始時の遊技状態に拘わらず、高確A→高確B→高確Aの順序で切り替えられる可変遊技状態が発生するようになっている。またこの可変遊技状態では、各特別遊技状態毎に継続期間が予め設定されており、本実施形態では、最初の高確A状態は、その開始後における第1,第2特別図柄の変動回数の合計値が40回に達するまで、次の高確B状態は、その開始後における第1,第2特別図柄の変動回数の合計値が60回に達するまでそれぞれ継続され、最後の高確A状態については次の大当たり状態が発生するまで継続されるようになっている。もちろん、最初の高確A状態、又は次の高確B状態中に大当たり状態が発生した場合にはその時点で高確状態は終了する。
また、第1特別図柄が第3大当たり状態又は第4大当たり状態となった場合には、その図柄変動開始時の遊技状態に応じた特別遊技状態が発生するようになっている。即ち、通常遊技状態中(低確率状態中で且つ開放延長状態中以外)の場合には潜確状態が、時短状態中(低確率状態中で且つ開放延長状態中)の場合には高確A状態が、潜確状態中(高確率状態中で且つ開放延長状態中以外)の場合には可変遊技状態が、高確状態中(高確率状態中で且つ開放延長状態中)の場合には高確A状態がそれぞれ発生するように設定されている。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤12に装着されたセンターケース15、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤12を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板41は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通図柄処理手段51、普通図柄表示制御手段52、普通利益状態発生手段53、特別図柄処理手段54、特別図柄表示制御手段55、特別利益状態発生手段56、特別遊技状態発生手段57、制御コマンド送信手段58等を備えている。
普通図柄処理手段51は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄始動手段16が遊技球を検出することに基づいて、当たり判定乱数値等よりなる乱数情報を取得すると共にその乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段51aに記憶させ、また普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段51aに1個以上の乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段51aから待ち行列の先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行い、また普通図柄の変動後の停止図柄及び変動時間を選択するように構成されている。
普通図柄表示制御手段52は、普通図柄処理手段51による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段51aに1個以上の乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段51で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段51で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通利益状態発生手段53は、普通図柄処理手段51によって当たりの判定結果が得られ、それに基づいて普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第2特別図柄始動口17bの開閉手段31を複数種類の開閉パターン(図3)の何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
特別図柄処理手段54は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1特別図柄の変動表示に関する第1特別図柄管理処理(図10)を実行する第1特別図柄管理処理手段61、第2特別図柄の変動表示に関する第2特別図柄管理処理(図10)を実行する第2特別図柄管理処理手段62等を備えている。これら第1,第2特別図柄管理処理(図10)は、所定時間毎(ここでは4ms毎)のタイマ割込み時に、例えば第1特別図柄管理処理→第2特別図柄管理処理の順に実行されるものとする。
なお図10には、第1特別図柄管理処理のフローチャートを示すと共に、その第1特別図柄管理処理に対する第2特別図柄管理処理の相違部分のみを括弧書きで示している。これは、図11以降のフローチャートについても同様である。また、図10より明らかなように、第1特別図柄管理処理と第2特別図柄管理処理とは基本的処理手順は全く同様であるため、ここでは第1特別図柄管理処理手段61による第1特別図柄管理処理のみについて説明する。
第1特別図柄管理処理(図10)では、まず第1特別始動口チェック処理が実行される(S1)。この第1特別始動口チェック処理(S1)では、図11に示すように、まず第1特別図柄始動口17aへの遊技球の入賞があったか否かが判定され(S11)、第1特別図柄始動口17aへの入賞がなかったと判定された場合(S11:No)にはここで第1特別始動口チェック処理は終了する。
第1特別図柄始動口17aへの入賞があったと判定された場合には(S11:Yes)、第1特別保留個数が上限保留個数(例えば4個)に達しているか否かが判定される(S12)。そして、S12において第1特別保留個数が上限保留個数に達していると判定された場合には、S13〜S16の処理がスキップされ、S17において、例えば第1特別保留個数等に基づいて作成した上位バイトと、オーバーフローを示す入賞コマンドデータ(下位バイト)とで第1保留加算コマンドが作成されると共に、その第1保留加算コマンドが演出制御基板42に送信され(S18)、第1特別始動口チェック処理は終了する。なお、オーバーフローの場合には第1保留加算コマンドを送信しないようにしてもよい。
S12において第1特別保留個数が上限保留個数(例えば4個)未満であると判定された場合には、第1特別保留個数に1が加算される(S13)と共に、大当たり判定乱数、大当たり図柄乱数、変動パターン選択乱数の各値が取得され、第1特別乱数記憶手段61a上の待ち行列の最後尾に格納される(S14)。
そして、先読み判定処理を行わない先読み禁止条件が満たされているか否かが判定され(S15)、先読み禁止条件が満たされていないと判定されることを条件に(S15:No)、S14で第1特別乱数記憶手段61aに格納された各乱数値に基づく先読み判定処理、即ち例えば第1大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値又は小当たり判定値と一致するか否かに応じた大当たり/小当たり/外れの判定、その他の判定処理が行われ、その判定結果に対応する入賞コマンドデータが作成される(S16)。
先読み判定結果に基づく入賞コマンドデータが作成されると(S16)、例えば第1特別保留個数等に基づいて作成される上位バイトと入賞コマンドデータにセットされている下位バイトとを結合して第1保留加算コマンドが作成される(S17)と共に、その第1保留加算コマンドが演出制御基板42に送信され(S18)、第1特別始動口チェック処理は終了する。
以上の第1特別始動口チェック処理(S1)に続いては、小当たり中フラグ及び大当たり中フラグの値が判定される(S2,S3)。ここで、小当たり中フラグは小当たり状態中(第1小当たり状態中又は第2小当たり状態中)であるか否かを示すもので、例えば小当たり状態中に“5AH”がセットされるようになっている。また、大当たり中フラグは大当たり状態中(第1大当たり状態中又は第2大当たり状態中)であるか否かを示すもので、例えば大当たり状態中に“5AH”がセットされるようになっている。
小当たり状態中フラグと大当たり状態中フラグとの何れかが5AHであると判定された場合(ここでは第2特別図柄に関する第2小当たり状態中又は第2大当たり状態中である場合)には、第1特別図柄の変動に関するS4〜S7の処理がスキップされ、第1特別図柄表示データが更新されて(S8)第1特別図柄管理処理は終了する。これにより、小当たり状態中又は大当たり状態中は第1,第2特別図柄の変動に関する処理は行われず、従って第1,第2特別図柄の新たな変動が開始されることはなく、また第1,第2特別図柄が既に変動中である場合には、その小当たり状態又は大当たり状態が終了するまで変動時間の計測が中断され、その図柄変動はそのまま停止することなく継続する。
小当たり状態中フラグと大当たり状態中フラグとが共に5AHでないと判定された場合、即ち小当たり状態中でも大当たり状態中でもない場合には、第1特別図柄の変動に関する状況を示す第1特別図柄動作ステータスの値が判定され(S4)、その値に応じた処理が実行される。本実施形態では、第1特別図柄動作ステータスが「変動待機中」に対応する“00H”又は“01H”である場合には第1特別図柄変動開始処理(S5)が、「変動中」に対応する“02H”である場合には第1特別図柄変動中処理(S6)が、「確認中」に対応する“03H”である場合には第1特別図柄確認時間中処理(S7)がそれぞれ実行されるようになっている。
第1特別図柄動作ステータスが「変動待機中」に対応する“00H”又は“01H”である場合に実行される第1特別図柄変動開始処理(S5)では、例えば図12に示すように、まず第1特別保留個数が0であるか否かが判定される(S21)。そして、第1特別保留個数が0であると判定された場合には、第1特別図柄動作ステータスが“00H”(変動待機中)であるか否かが判定され(S38)、第1特別図柄動作ステータスが“00H”(変動待機中)でないと判定されることを条件に(S38:No)、第1特別図柄動作ステータスに“00H”がセットされる(S39)と共に、第2特別図柄動作ステータスが00Hであれば(S40:Yes)、即ち第2特別保留個数が0で且つ第2特別図柄が変動待機中であれば演出制御基板42に対して客待ちコマンドが送信され(S41)、第1特別図柄変動開始処理は終了する。
一方、S21において第1特別保留個数が0でないと判定された場合には、第1特別保留個数が1減算される(S22)と共に、第1保留減算コマンドが演出制御基板42に送信され(S23)、乱数シフト処理(S24)が行われる。この乱数シフト処理(S24)では、第1特別乱数記憶手段61a上の待ち行列の先頭に記憶されている各乱数値が所定の変動用記憶領域に移されると共に、待ち行列の2番目以降の各乱数値が待ち行列の前側にシフトされる。
乱数シフト処理(S24)が終了すると、時短回数カウンタ及び特図変動回数カウンタに関する処理(S25〜S30)が実行される。ここで、時短回数カウンタは、時短状態中における第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計値をカウントするためのもので、例えば第1,第2特別図柄変動開始処理及び後述する第1,第2特別図柄確認時間中処理で共通に用いられ、時短状態の開始時に、その時短状態の上限回数(ここでは100回)に対応する値が初期値としてセットされるようになっている。
また、特図変動回数カウンタは、可変遊技状態の各特別遊技状態における第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計値をカウントするためのもので、例えば第1,第2特別図柄変動開始処理及び後述する第1,第2特別図柄確認時間中処理で共通に用いられ、可変遊技状態の開始時、及び可変遊技状態中における特別遊技状態の変更時に、その新たな特別遊技状態の上限回数(40回、60回等)に対応する値が初期値としてセットされるようになっている。
時短回数カウンタに関しては、S25においてその値が0であるか否かが判定され、時短回数カウンタの値が0でないと判定された場合にはその時短回数カウンタの値が1減算され(S27)、時短回数カウンタの値が0であると判定された場合には、時短状態を終了させるべく、開放延長状態中であるか否かに関する開放延長状態フラグに、開放延長状態中でないことを示す00Hがセットされる(S26)。ここで、この時短回数カウンタは第1特別図柄変動開始処理と第2特別図柄変動開始処理とで共通に用いられており、第1特別図柄の変動開始時だけでなく第2特別図柄の変動開始時にも1減算されるため(S27)、時短状態開始後における第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計値が上限回数(ここでは100回)に達した場合にこの時短回数カウンタの値が0となる。
このように本実施形態では、第1,第2特別図柄の変動開始時に、時短回数カウンタによる計数値が未だその時短状態における上限回数に達していない場合(時短回数カウンタの値が0でない場合)には時短回数カウンタの値が更新(ここでは減算)され(S27)、時短回数カウンタによる計数値が既にその時短状態における上限回数に達している場合にはその時短状態を終了させる(S26)ようになっている。即ち、第1,第2特別図柄の変動開始時に時短回数カウンタの値は更新されるが(S27)、その更新によって時短回数カウンタの値が0になった場合でも、その時点では時短状態の終了処理(S26)は実行されない。
また、特図変動回数カウンタに関しては、S28においてその値が0であるか否かが判定され、特図変動回数カウンタの値が0でないと判定された場合にはその特図変動回数カウンタの値が1減算され(S30)、特図変動回数カウンタの値が0であると判定された場合には、特別遊技状態の種類を変更するべく、変動パターン選択テーブルを選択するための変動パターン選択テーブルグループが、それまでの特別遊技状態(例えば高確A状態)に対応するものから新たな特別遊技状態(例えば高確B状態)に対応するものに切り替えられると共に、特図変動回数カウンタに、新たな特別遊技状態(例えば高確B状態)の上限回数(例えば60回)に対応する値が初期値としてセットされる(S29)。ここで、この特図変動回数カウンタは第1特別図柄変動開始処理と第2特別図柄変動開始処理とで共通に用いられており、第1特別図柄の変動開始時だけでなく第2特別図柄の変動開始時にも1減算されるため(S30)、特図変動回数カウンタの値が0であると判定される場合とは、即ちその時点の特別遊技状態(例えば高確A状態)の開始後における第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計値が上限回数(例えば40回)に達した場合である。
このように本実施形態では、第1,第2特別図柄の変動開始時に、特図変動回数カウンタによる計数値が未だその時点の特別遊技状態における上限回数に達していない場合(特図変動回数カウンタの値が0でない場合)には特図変動回数カウンタの値が更新(ここでは減算)され(S30)、特図変動回数カウンタによる計数値が既にその時点の特別遊技状態における上限回数に達している場合には特別遊技状態を変更する(S29)ようになっている。即ち、第1,第2特別図柄の変動開始時に特図変動回数カウンタの値も更新されるが(S30)、その更新によって特図変動回数カウンタの値が0になった場合でも、その時点では特別遊技状態の変更処理(S29)は実行されない。
時短回数カウンタ及び特図変動回数カウンタに関する処理(S25〜S30)に続いては、例えば大当たり判定処理(S31)が実行される。この大当たり判定処理(S31)では、例えば図13に示すように、他方の第2特別図柄に関する第2大当たり判定フラグ、第2小当たり判定フラグの値が判定される(S51,S52)。ここで、第2大当たり判定フラグは、第2特別図柄が大当たり態様となる変動中であるか否かを示すもので、第2特別図柄が大当たり態様となる変動中である場合には例えば5AHがセットされるようになっている。また第2小当たり判定フラグは、第2特別図柄が小当たり態様となる変動中であるか否かを示すもので、第2特別図柄が小当たり態様となる変動中である場合には例えば5AHがセットされるようになっている。
第2大当たり判定フラグ、第2小当たり判定フラグの何れも5AHでないと判定された場合、即ち第2特別図柄が大当たり態様となる変動中でも、小当たり態様となる変動中でもない場合には、大当たり判定乱数判定処理(S53)が実行される。この大当たり判定乱数判定処理では、S24において変動記憶領域に移された各乱数値のうちの大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値又は小当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たり/外れの判定が行われる。そして、大当たり又は小当たりの判定結果が得られた場合には第1大当たり判定フラグ又は第1小当たり判定フラグに5AHがセットされ(S54)、大当たり判定処理は終了する。
一方、S51,S52において第2大当たり判定フラグ、第2小当たり判定フラグの何れかが5AHであると判定された場合、即ち第2特別図柄が大当たり態様又は小当たり態様となる変動中である場合には、大当たり判定乱数判定処理(S53)は実行されず、第1特別図柄を強制的に外れ態様とするべく第1特別図柄強制外れフラグに例えば5AHがセットされ(S55)、大当たり判定処理は終了する。
以上の大当たり判定処理(S31)に続いては例えば特別停止図柄作成処理(S32)が実行される。この特別停止図柄作成処理(S32)では、例えば図14に示すように、第1特別図柄強制外れフラグの値が判定され(S61)、第1特別図柄強制外れフラグが5AHでないと判定された場合には、大当たり図柄乱数値等に基づいて第1特別図柄の停止図柄に対応する第1特別停止図柄番号が設定される(S62)。即ち、例えば大当たり判定乱数判定処理(S53)による判定結果が大当たりであった場合には、S24において変動記憶領域に移された各乱数値のうちの大当たり図柄乱数値に基づいて第1〜第5大当たり態様の何れかが選択され、大当たり判定乱数判定処理(S53)による判定結果が小当たりであった場合には小当たり態様が選択され、大当たり判定乱数判定処理(S53)による判定結果が外れであった場合には例えば1又は複数種類の外れ態様の何れかが抽選により選択される。
一方、S61において第1特別図柄強制外れフラグが5AHであると判定された場合には、第1特別停止図柄番号に、強制外れに係る外れ態様に対応する番号がセットされる(S63)。
以上の特別停止図柄作成処理(S32)が終了すると、例えば遊技状態移行準備処理(S33)が実行される。この遊技状態移行準備処理(S33)では、例えば図15に示すように、第1大当たり判定フラグの値が判定され(S71)、第1大当たり判定フラグの値が5AHであると判定されること、即ち当該第1特別図柄に関する大当たり判定乱数判定処理(S53)による判定結果が大当たりであったことを条件に、例えば図4に示すような遊技状態移行テーブルに基づいて、その時点、即ち大当たり態様となる当該第1特別図柄の変動開始時における遊技状態と、S62で選択された大当たり態様の種類とに対応する特別遊技状態の情報が状態移行バッファに格納される(S72)。
従って、S72の時点(大当たり態様となる第1特別図柄の変動開始時)での遊技状態が例えば時短状態(低確率状態中で且つ開放延長状態中)であり、S62において例えば第3大当たり態様が選択された場合には、高確A状態の情報が状態移行バッファに格納される。
S72の処理が実行された場合、その第1特別図柄が大当たり態様となって大当たり状態が発生し、その大当たり状態が終了した時点で、状態移行バッファに格納されている情報に基づいて特別遊技状態が開始される。このように本実施形態では、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(第1特定態様)となることに基づいて大当たり状態(第1特別利益状態)の終了後に発生する特別遊技状態の種類が、大当たり態様となった当該第1,第2特別図柄変動の開始時における遊技状態に応じて決定されるようになっている。
以上の遊技状態移行準備処理(S33)に続いては、例えば変動パターン選択処理(S34)が実行される。この変動パターン選択処理(S34)では、例えば図16に示すように、第1特別図柄強制外れフラグの値が判定され(S81)、第1特別図柄強制外れフラグが5AHでないと判定された場合には、その時点の遊技状態に対応する変動パターン選択テーブルグループ(図5)から選択される変動パターン選択テーブル、大当たり判定乱数判定処理(S53)による判定結果、S24において変動記憶領域に移された各乱数値のうちの変動パターン選択乱数値等に基づいて第1演出図柄の変動パターンが選択され、その変動パターンに対応する第1変動パターン指定コマンドが作成されると共に演出制御基板42に送信され、また第1特別図柄動作タイマにその変動パターンの変動時間に対応する値が初期値としてセットされる(S82)。
一方、S81において第1特別図柄強制外れフラグが5AHであると判定された場合には、例えば強制外れに対応する変動パターン選択テーブルに基づいて強制外れ専用の変動パターンが選択され、その強制外れに係る変動パターンに対応する第1変動パターン指定コマンドが作成されると共に演出制御基板42に送信され、また第1特別図柄動作タイマにその変動パターンの変動時間に対応する値が初期値としてセットされる(S83)。
図9は、S81で用いられる強制外れ変動パターン選択テーブルの一例を示したものである。なお、図9に示す強制外れ変動パターン選択テーブルは第1,第2特別図柄の変動で共通に用いられるものとするが、第1,第2特別図柄の変動でで異なるテーブルを設定してもよい。また、強制外れ変動パターン選択テーブルを複数の強制外れ変動パターンで構成してもよい。
また、本実施形態の強制外れ変動パターン選択テーブル(図9)は、これに含まれる全て(図9の例では1つ)の強制外れ変動パターンが、高確B状態及び時短状態(特定遊技状態)に対応する1又は複数種類の変動パターン選択テーブルに含まれる大当たり変動パターン(特定変動パターンの一例)のうち最も変動時間の長い最長特定変動パターン(図8(B)の例では「gリーチ大当たり変動パターン」及び「hリーチ大当たり変動パターン」)よりも長い変動時間(図9の例では61秒)に設定されている。これにより、変動開始時に他方が大当たり態様等の特定態様となる図柄変動中であることによって強制的に外れ態様とされる変動を極力少なくすることができる。
以上の変動パターン選択処理を実行する特別図柄処理手段54が、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動パターンを複数種類の中から選択する変動パターン選択手段を構成している。
以上の変動パターン選択処理(S34)が終了すると、特別停止図柄作成処理(S32)で選択された第1特別図柄の停止図柄態様に対応する第1停止図柄コマンドが作成され(S35)、演出制御基板42に送信される(S36)と共に、第1特別図柄動作ステータスに“02H”(変動中)がセットされて第1特別図柄の変動が開始され(S37)、第1特別図柄変動開始処理は終了する。
続いて、第1特別図柄動作ステータスが「変動中」に対応する“02H”である場合に実行される第1特別図柄変動中処理(S6)について説明する。この第1特別図柄変動中処理(S6)では、例えば図17に示すように、第1特別図柄動作タイマの値が0であるか否かが判定される(S91)。
そして、第1特別図柄動作タイマの値が0でないと判定された場合にはその第1特別図柄動作タイマの値が1減算され(S94)、また第1特別図柄動作タイマの値が0であると判定された場合、即ち第1特別図柄の変動開始から、S82,S83で選択された変動パターンに対応する変動時間が経過した場合には、演出制御基板42に対して第1変動停止コマンドが送信され(S92)、第1特別図柄動作タイマに、所定の確認時間(例えば500msec)に対応する値が新たな初期値としてセットされると共に、第1特別図柄動作ステータスに“03H”(確認中)がセットされ(S93)、第1特別図柄変動中処理は終了する。
なお、小当たり状態中又は大当たり状態中はこの第1(第2)特別図柄変動中処理(図17)は実行されないため(図10参照)、小当たり状態又は大当たり状態の開始時に既に変動している第1,第2特別図柄については、その小当たり状態又は大当たり状態が終了するまで変動時間の計測、即ち第1(第2)特別図柄動作タイマの減算が中断され、その図柄変動はそのまま停止することなく継続する。
続いて、第1特別図柄動作ステータスが「確認中」に対応する“03H”である場合に実行される第1特別図柄確認時間中処理(S7)について説明する。この第1特別図柄確認時間中処理(S7)では、例えば図18に示すように、第1特別図柄動作タイマの値が0であるか否かが判定される(S101)。そして、第1特別図柄動作タイマの値が0でないと判定された場合にはその第1特別図柄動作タイマの値が1減算され(S111)、ここで第1特別図柄確認時間中処理は終了する。
一方、S101において第1特別図柄動作タイマの値が0であると判定された場合、即ち第1特別図柄の変動停止から所定の確認時間(例えば500msec)が経過した場合には、第1特別図柄動作ステータスに“01H”(変動待機中)がセットされる(S102)と共に、第1大当たり判定フラグと第1小当たり判定フラグとに基づいて、当該第1特別図柄変動が大当たり態様となる図柄変動であるか、小当たり態様となる図柄変動であるか、外れ態様となる図柄変動であるかが判定される(S103,S105)。
そして、第1大当たり判定フラグの値が5AHである、即ち当該第1特別図柄変動が大当たり態様となる図柄変動であると判定された場合には、大当たり中フラグに大当たり状態中を示す“5AH”がセットされると共に、各種フラグ及びカウンタ、例えば第1大当たり判定フラグ、確率変動フラグ、開放延長状態フラグ、時短回数カウンタ、特図変動回数カウンタ等の値がクリアされ(S104)、第1特別図柄確認時間中処理は終了する。なお、確率変動フラグは、高確率状態中であるか否かを示すものである。
また、S103において第1大当たり判定フラグの値が5AHでない、即ち当該第1特別図柄変動が小当たり態様又は外れ態様となる図柄変動であると判定された場合については、まずS105において第1小当たり判定フラグの値が5AHである、即ち当該第1特別図柄変動が小当たり態様となる図柄変動であると判定されることを条件に、小当たり中フラグに小当たり状態中を示す“5AH”がセットされると共に、第1大当たり判定フラグの値がクリアされる(S106)。なお、小当たりの場合には遊技状態はそのまま継続されるため、確率変動フラグ、開放延長状態フラグ、時短回数カウンタ、特図変動回数カウンタ等の値についてはクリアされない。
そして、更に図柄変動開始時(図12)におけるS25,S26,S28,S29と同様の処理(S107〜S110)が実行される。即ち、時短回数カウンタの値が0であるか否かが判定され(S107)、時短回数カウンタの値が0である、即ち時短状態開始後における第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計値(第1合計変動回数)が既に上限回数(ここでは100回)に達したと判定されることを条件に、時短状態を終了させるべく、開放延長状態中であるか否かに関する開放延長状態フラグに、開放延長状態中以外であることを示す00Hがセットされる(S108)。
また、特図変動回数カウンタの値が0であるか否かが判定され(S109)、特図変動回数カウンタの値が0である、即ちその時点の特別遊技状態(例えば高確A状態)の開始後における第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計値(第2合計変動回数)が既に特定回数(例えば40回)に達したと判定されることを条件に、特別遊技状態の種類を変更するべく、変動パターン選択テーブルを選択するための変動パターン選択テーブルグループが、それまでの特別遊技状態(例えば高確A状態)に対応するものから新たな特別遊技状態(例えば高確B状態)に対応するものに切り替えられると共に、特図変動回数カウンタに、新たな特別遊技状態(例えば高確B状態)の特定回数(例えば60回)に対応する値が初期値としてセットされる(S110)。
本実施形態では、以上説明したように時短回数カウンタの値は第1,第2特別図柄の変動開始時に更新され(S27)、その更新によって時短回数カウンタの値が0になった後、第1,第2特別図柄の新たな変動開始(S26)と、第1,第2特別図柄の変動終了(S108)との何れか早い方のタイミングで時短状態を終了するように構成されているため、以下に例示するように時短状態中に遊技者が得られる図柄変動による利益を適正化することができる。
図19〜図21は、第1,第2特別図柄の変動状況の一例とそれに対応する時短状態(上限回数100回とする)の終了タイミングとを示したものである。それら各図では、図7と同様、第1,第2特別図柄の各変動を、変動時間に対応する長さの帯で表しており、連続変動の場合の隙間時間は無視している。また、各変動を表す帯の中央に付した数字は、各変動の開始時を基準とした時短状態開始後の通し番号であり、同じく各変動を表す帯の右肩に付した数字は、各変動の終了時を基準とした時短状態開始後の通し番号である。
本実施形態の場合、時短回数カウンタの値は第1,第2特別図柄の変動開始時に更新されるため(S27)、図19〜図21の場合の何れにおいても時短状態開始後の100回目の図柄変動開始時に時短回数カウンタの値が0となっている。
また本実施形態の場合、時短回数カウンタの値が0になった後、第1,第2特別図柄の新たな変動開始(S26)と、第1,第2特別図柄の変動終了(S108)との何れか早い方のタイミングで時短状態が終了するため、図19の場合には変動開始99回目の第1特別図柄の変動終了時に、図20の場合には変動開始100回目の第1特別図柄の変動終了時に、図21の場合には変動開始101回目の第2特別図柄の変動開始時に、それぞれ時短状態が終了する。
図19の場合、例えば時短回数カウンタを変動終了時に更新すると共にその更新によって時短回数カウンタの値が0になった時点で時短状態を終了させるとすると、一点鎖線で示すように変動開始101回目の第1特別図柄の変動終了時に時短回数カウンタの値が0になって時短状態が終了するため、時短状態中に規定の100回を超える図柄変動が実行されてしまうことになるが、本実施形態の場合には変動開始101回目の第1図柄変動の前に時短状態を終了させることができる。
また図20の場合についても、例えば時短回数カウンタを変動終了時に更新すると共にその更新によって時短回数カウンタの値が0になった時点で時短状態を終了させるとすると、一点鎖線で示すように変動開始100回目の第1特別図柄変動の終了後もしばらく時短状態が継続されてしまうことになるが、本実施形態の場合には変動開始100回目の第1特別図柄変動の終了時点で時短状態を終了させることができる。
更に図21の場合についても、例えば時短回数カウンタを変動終了時に更新すると共にその更新によって時短回数カウンタの値が0になった時点で時短状態を終了させるとすると、一点鎖線で示すように変動開始101回目の第2特別図柄変動の開始後もしばらく時短状態が継続されてしまうことになるが、本実施形態の場合には変動開始101回目の第2特別図柄変動の開始時点で時短状態を終了させることができる。
なお、図19〜図21は時短回数カウンタによって管理される時短状態の終了タイミングの例であるが、特図変動回数カウンタによって管理される可変遊技状態中の特別遊技状態の変更タイミングについても全く同様のことが言える。
また本実施形態では、第1大当たり状態と第2大当たり状態とで遊技者が得られる平均利益が異なっており、また可変遊技状態中、変動パターン選択処理で用いられる変動パターン選択テーブルを所定の変更タイミングで変更するように構成し、その変更前後の変動パターン選択テーブルで、第1外れ平均変動時間と第2外れ平均変動時間との少なくとも一方(ここでは両方)を異ならせているため、可変遊技状態が開始されてから終了するまでの間で遊技者にとっての有利/不利の状況を変化させることが可能である。
また本実施形態では、遊技状態移行準備処理(S33)を、図柄変動開始時に実行される第1(第2)特別図柄変動開始処理(図12)において実行することにより、大当たり状態の終了後に発生する特別遊技状態の種類を、大当たり態様となった第1,第2特別図柄変動の開始時における遊技状態に応じて決定するように構成されているため、例えば図19における変動開始100回目の第2特別図柄変動、図20における変動開始99回目の第2特別図柄変動がそれぞれ大当たり変動であった場合、その変動終了後の大当たり状態開始時点では時短状態が終了しているにも拘わらず、何れの場合も通常遊技状態時ではなく時短状態時に対応する特別遊技状態を発生させることができる。なお本実施形態の場合、図4に示すように、大当たり状態終了後に発生する特別遊技状態の種類を時短状態中(低確率状態中で且つ開放延長状態中)と通常遊技状態中(低確率状態中で且つ開放延長状態中以外)とで比較すると、第1特別図柄が第3,第4大当たり態様となった場合、通常遊技状態中であれば潜確状態が発生するのに対し、時短状態中であれば高確A状態が発生するようになっており、全体として時短状態中の方が遊技者に有利な設定となっている。
特別図柄表示制御手段55は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの表示制御を行うもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動開始、変動停止等を制御するようになっている。
特別利益状態発生手段56は、第1,第2特別図柄が特定態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段54による第1,第2特別図柄に関する大当たり判定処理で大当たりの判定結果が得られ、それに基づいて第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄が大当たり態様(第1特定態様)で停止したときに第1,第2大当たり状態(第1特別利益状態)を発生させ、また大当たり判定処理で小当たりの判定結果が得られ、それに基づいて第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄が小当たり態様(第2特定態様)で停止したときに第1,第2小当たり状態(第2特別利益状態)を発生させるようになっている。
特別遊技状態発生手段57は、大当たり状態の終了後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、高確率状態を発生させる高確率状態発生手段57aと、開放延長状態を発生させる開放延長状態発生手段57bとを備え、状態移行バッファ(S72参照)の内容に基づいてこれら高確率状態発生手段57aと開放延長状態発生手段57bとの何れか又は両方を作動させることにより、図5に示す「潜確」、「高確」(本実施形態では「高確A」及び「高確B」)、「時短」の3種類の特別遊技状態の何れか、又はそれら基本的特別遊技状態が直列に接続されて順次変更される可変遊技状態を発生させるようになっている。
制御コマンド送信手段58は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板に送信して制御指令を与えるためのもので、例えば第1,第2特別図柄の変動に関しては、特別図柄処理手段54による第1,第2特別図柄管理処理に基づいて、第1,第2特別図柄始動口17a,17bへの遊技球入賞時に演出制御基板42に対して第1,第2保留加算コマンドを送信し、また第1,第2特別図柄の変動開始時に、第1,第2保留減算コマンド、第1,第2変動パターン指定コマンド、第1,第2停止図柄コマンドを演出制御基板42に送信すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止時に第1,第2変動停止コマンドを演出制御基板42に送信するようになっている。
演出制御基板42は、画像表示手段21、スピーカ8、LED25、可動体26等の各種演出手段を制御するもので、演出制御手段71、特別保留個数表示制御手段72、図柄演出制御手段73等を備えている。
演出制御手段71は、各演出手段を制御するもので、画像表示手段21による画像表示を制御する画像表示制御手段71a、スピーカ8からの音声出力を制御する音声制御手段71b、LED25等の発光を制御する発光制御手段71c、可動体26の駆動制御を行う可動体制御手段71d等を備えている。
特別保留個数表示制御手段72は、画像表示制御手段71aを介して画像表示手段21への第1,第2特別保留個数の表示制御を行うもので、第1,第2特別図柄始動口17a,17bに遊技球が入賞し、主制御基板41から第1,第2保留加算コマンドを受信したときに、その第1,第2保留加算コマンドに基づいて、画像表示手段21の表示画面21a上の所定位置、例えば下部に増加後の第1,第2特別保留個数分の第1,第2保留表示画像35a,35bを表示し、また第1,第2特別図柄の変動開始時に主制御基板41から第1,第2保留減算コマンドを受信することに基づいて、表示中の第1,第2保留表示画像35a,35bの数を1個減少させて前側にシフトさせるように構成されている。
なお、第1,第2保留加算コマンドより得られる先読み判定結果に基づいて例えば第1,第2保留表示画像35a,35bの表示態様を異ならせる等により先読み判定結果に基づく予告演出を行うようにしてもよい。
図柄演出制御手段(演出実行制御手段)73は、第1,第2特別図柄の変動に関する演出を制御するもので、例えば主制御基板41から第1,第2変動パターン指定コマンド及び第1,第2停止図柄コマンドを受信することに基づいて、第1,第2演出図柄の変動中に実行する予告演出を抽選する予告演出抽選処理、第1,第2演出図柄の停止図柄を選択する停止図柄抽選処理を実行した後、第1,第2変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づいて、所定の演出モードに従って、演出制御手段71を介して画像表示手段21上で第1,第2演出図柄33a,33b及び第1,第2副演出図柄36a,36bを変動させると共に、抽選により選択された予告演出シナリオに基づいて、第1,第2演出図柄の変動と同期して第1,第2演出画像34a,34bの表示等の予告演出を実行させるようになっている。
なお、第1,第2副演出図柄36a,36bはいわゆる第4図柄で、第1,第2特別図柄の変動中は常に表示画面21a上で変動表示され、画面上から消えたり可動体等によって遮蔽されることがないようになっている。
本実施形態では、図5に示すように低確モード、潜確モード、高確Aモード、高確Bモード、時短モードの5種類の演出モードが設けられており、遊技状態に応じて、例えば通常遊技状態中は低確モードと潜確モードとの何れかに設定され、潜確状態中、高確A状態中、高確B状態中、時短状態中はそれぞれ潜確モード、高確Aモード、高確Bモード、時短モードに設定されるようになっている。
低確モード及び潜確モードに設定される通常遊技状態中及び潜確状態中は、何れも開放延長状態が発生せず、従って第2特別図柄よりも第1特別図柄の変動が優勢となる。従って、低確モード及び潜確モードでは、第1,第2演出図柄33a,33bが共に変動する場合に、図22(a)に示すように第1,第2演出画像34a,34bのうちの第1演出画像34aのみを画面上に大きく表示したり、図22(b)に示すように第1演出図柄33aを画面上に拡大表示するなど、第1演出図柄33a側の演出を優先的に行うようになっている。
また、高確Aモードに設定される高確A状態中は開放延長状態が発生し、しかも第1外れ平均変動時間よりも第2外れ平均変動時間の方が大幅に短いため、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動が優勢となる。従って、高確Aモードでは、第1,第2演出図柄33a,33bが共に変動する場合に、図23(a)に示すように第1,第2演出画像34a,34bのうちの第2演出画像34bのみを大きく表示したり、図23(b)に示すように第2演出図柄33bを画面上に拡大表示するなど、第2演出図柄33b側の演出を優先的に行うようになっている。
また、高確Bモードに設定される高確B状態中は開放延長状態が発生するが、第2外れ平均変動時間よりも第1外れ平均変動時間の方が短いため、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの変動が優勢となるかは状況に応じて変化する。これは時短モードに設定される時短状態中についても同様である。従って、高確Bモード及び時短モードは、第1,第2演出図柄33a,33bが共に変動する場合に、第1,第2演出画像34a,34bの一方を選択して画面上に大きく表示するなど(例えば図22(a)又は図23(a))、第1,第2演出図柄33a,33bのうちの一方側の演出を優先的に行うようになっている。
但し、どの演出モード中においても、強制的に外れ態様とされる強制外れ変動中については、他方の大当たり変動に関する演出を優先すべく、当該変動に関する演出は実行しないようになっている。
図24は、特別遊技状態中における第1,第2演出図柄の変動状況及び大当たり状態の発生状況の一例を示したものである。この図24では、各変動を表す帯上に、各変動の開始時を基準とした時短状態開始後の通し番号を示す数字が付されている。
図24の例では、時短状態中における8回目の第2特別図柄変動が大当たり変動であり、その変動パターンは、時短状態に対応する大当たり変動パターン選択テーブル(図8(B))に含まれる大当たり変動パターンのうち最も変動時間の短いeリーチ大当たり変動パターン(変動時間50秒)となっている。また、その大当たり変動が開始される直前に、第1演出図柄による外れ変動が開始されており、その変動パターンは、時短状態に対応する外れ変動パターン選択テーブル(図8(b1))に含まれる外れ変動パターンのうち最も変動時間の長いgリーチ外れ変動パターン(変動時間40秒)となっている。
ここで、大当たり変動よりも前に開始される外れ変動(図24における7回目の第1演出図柄変動)中は、その後に大当たり変動(図24における8回目の第2演出図柄変動)が開始されることを知らない状態で選択された演出が実行されるため、その演出内容は並行して実行される大当たり変動と整合しない可能性がある。しかしながら本実施形態の場合、時短状態で用いられる時短変動パターン選択テーブルグループについては、それらに含まれる全ての外れ変動パターンが、それらに含まれる大当たり変動パターンのうち最も変動時間の短い変動パターンよりも短い変動時間に設定されているため、時短状態(特定遊技状態)中については、大当たり変動(図24における8回目の第2演出図柄変動)の開始前に開始される外れ変動(図24における7回目の第1演出図柄変動)は、必ず大当たり変動の終了前に終了する。そして、その大当たり変動中に開始される次の図柄変動(図24における9回目の第1演出図柄変動)は強制外れ変動となり、当該変動に関する演出は実行されない。
従って、時短状態中における大当たり変動中に、他方の図柄変動に関する演出に邪魔されることなく当該大当たり変動に関する演出を行うことができる大当たり演出期間(所定期間)を、その変動終了前に一定時間以上(ここでは10秒以上)確保することができる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、時短状態及び高確B状態(特定遊技状態)に対応する1又は複数種類の変動パターン選択テーブルは、それらに含まれる全ての外れ変動パターンが、それらに含まれる大当たり変動パターン(特定変動パターン)のうち最も変動時間の短い最短特定変動パターンよりも短い変動時間に設定されているため、例えば時短状態(特定遊技状態)中については、大当たり変動の開始前に開始される外れ変動は必ず大当たり変動の終了前に終了する。これにより、時短状態中における大当たり変動中に、他方の図柄変動に関する演出に邪魔されることなく当該大当たり変動に関する演出を行うことができる大当たり演出期間(所定期間)を、その変動終了前に一定時間以上確保することができるため、2つの図柄の一方の変動結果と他方の図柄に関する演出との不整合による演出効果の低下、遊技者の混乱を防止できる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、特定遊技状態は、「高確B」、「時短」に限られるものではなく、その他の遊技状態を特定遊技状態としてもよい。また全ての遊技状態において、それぞれの遊技状態に対応する1又は複数種類の変動パターン選択テーブルを、それらに含まれる全ての外れ変動パターンが、同じくそれらに含まれる特定変動パターンのうち最も変動時間の短い最短特定変動パターンよりも短い変動時間となるように設定してもよい。
実施形態では強制外れ専用の変動パターン及び変動パターン選択テーブルを設けた例を示したが、強制外れとする場合であっても変動パターンについては通常の外れの場合と同様の選択を行うようにしてもよい。即ち、例えば図16に示す変動パターン選択処理においてS81及びS83を省略してもよい。
実施形態では、可変遊技状態中における変更前後の変動パターン選択テーブルグループで、第1外れ平均変動時間と第2外れ平均変動時間との少なくとも一方だけでなく、第1外れ平均変動時間と第2外れ平均変動時間との差、第1外れ平均変動時間と第2外れ平均変動時間との大小関係についても異ならせた例を示したが、例えば第1外れ平均変動時間と第2外れ平均変動時間との差、或いは第1外れ平均変動時間と第2外れ平均変動時間との大小関係については、可変遊技状態中における変更前後の変動パターン選択テーブルグループで同じに設定してもよい。
実施形態では、平均変動時間の対象とする所定変動パターンを、外れ態様となる場合に選択される外れ変動パターンとしたが、これに限られるものではなく、例えば外れ態様となる場合に選択される変動パターンと小当たり態様となる場合に選択される変動パターンとを合わせて所定変動パターンとしてもよい。
実施形態では、可変遊技状態における次の変更タイミングまでの期間を第1,第2特別図柄の変動回数の合計値により設定した例を示したが、例えば第1,第2特別図柄のうちの何れか一方の変動回数、経過時間、所定入賞口への入賞個数等により設定してもよい。
本実施形態では、遊技状態移行準備処理(S33)を、第1(第2)特別図柄変動開始処理(図12)における時短回数カウンタの更新処理(S27)及び時短状態の終了処理(S26)よりも後に実行するように構成したが、例えば図12のS25〜S30をその第1(第2)特別図柄変動開始処理におけるS33よりも後ろに移動することにより、遊技状態移行準備処理(S33)を、第1(第2)特別図柄変動開始処理(図12)における時短回数カウンタの更新処理(S27)及び時短状態の終了処理(S26)よりも前に実行するように構成してもよい。この場合には、例えば図21における変動開始101回目の第2特別図柄変動が大当たり変動であった場合、時短状態時に対応する特別遊技状態を発生させることができる。
例えば遊技状態移行準備処理(S33)を、図柄変動終了時に実行される第1(第2)特別図柄確認時間中処理(図18)において実行することにより、変動後の停止図柄が大当たり態様(第1特定態様)となる第1,第2図柄変動の終了時の遊技状態に応じて、その後に発生する特別遊技状態の種類を決定するように構成してもよい。但しこの場合、例えば図19における変動開始100回目の第2特別図柄変動、図20における変動開始99回目の第2特別図柄変動がそれぞれ大当たり変動であるとすると、いずれも通常遊技状態時に対応する特別遊技状態が発生する。
例えば図18におけるS107〜S110を省略することにより、時短状態の開始後における上限回数+1回目の第1,第2特別図柄変動が開始された時点で時短状態を終了させ、また可変遊技状態における所定の特別遊技状態の開始後における特定回数+1回目の第1,第2特別図柄変動が開始された時点で次の特別遊技状態に変更させるように構成してもよい。
また、例えば第1(第2)特別図柄確認時間中処理(図18)において、当該図柄変動が大当たり態様(第1特定態様)となる変動である場合には時短状態を終了させ、当該図柄変動が大当たり態様(第1特定態様)となる変動でない場合には時短回数カウンタの値が上限回数に達していない場合には時短回数カウンタの値を更新すると共にその更新後の時短回数カウンタの値が上限回数に達している場合には時短状態を終了させることにより、時短状態の開始後における上限回数目の第1,第2特別図柄変動の終了時に時短状態を終了させるように構成してもよい。同様に、例えば第1(第2)特別図柄確認時間中処理(図18)において、当該図柄変動が大当たり態様(第1特定態様)となる変動である場合には可変遊技状態を終了させ、当該図柄変動が大当たり態様(第1特定態様)となる変動でない場合には特図変動回数カウンタの値が特定回数に達していない場合には特図変動回数カウンタの値を更新すると共にその更新後の特図変動回数カウンタの値が特定回数に達している場合には当該可変遊技状態における次の特別遊技状態に変更させることにより、可変遊技状態中の所定の特別遊技状態の開始後における特定回数目の第1,第2特別図柄変動の終了時に次の特別遊技状態に変更させるように構成してもよい。
実施形態では、高確状態、時短状態等の特別遊技状態は大当たり状態の終了後に開始されることとしたが、大当たり状態の開始後の所定のタイミングで開始されるものとしてもよい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機において同様に実施することが可能である。