JP5291908B2 - 光線路試験システムおよび光線路試験方法 - Google Patents

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Description

この発明は、光ファイバなどの光線路の特性を試験する技術に関する。
近年では、ユーザ宅と局舎との間の光加入者ネットワークを光分岐線路(PDS)システムで構築するのが一般的である。光分岐線路システムの線路構成は、1本の光ファイバを局舎で複数本に分岐し、その複数本の光ファイバの各々を屋外で更に複数本に分岐するという形態である。これにより1台の所内装置に複数の所外装置を集約でき、伝送装置の設備費を削減するとともに光線路設備もまた共用することができる。つまり少ない光線路で多くのユーザ装置に信号光を分配することが可能で、よって通信設備全体のコストを大幅に低減させることができる。
光分岐線路システムでは複数の光分岐部を用いてダブルスター型のトポロジが形成される。ユーザ側に近いほうの光分岐部(光スプリッタ)を受動光部品のみで構成することでシステムの信頼性を高められる。この形態の光分岐線路システムは、PON(Passive Optical Network)と称されることもある。
ところで、光ファイバなどの光線路を使用する光通信システムでは、光線路の破断を検出し、破断位置を標定するために、光パルス線路監視装置が用いられる。光パルス線路監視装置は、光が光線路内を伝播するに伴い、その光と同じ波長の後方散乱光が生じて逆方向に伝搬することを利用する。すなわち、光線路に光パルス(試験光)を入射するとこの光パルスが破断点に到達するまで後方散乱光が発生し続け、試験光と同じ波長の戻り光が入力端面から出射される。この後方散乱光の継続時間を測定することにより光線路の破断点を標定することができる。この原理に基づく測定装置では、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)が代表的である。
しかしながら、PDS型の光分岐線路システムを光パルス線路監視装置により試験・監視するにあたり、光スプリッタからユーザ装置側の分岐ファイバ、あるいは装置の状態を個別に識別することは困難である。すなわち、局舎から延びる幹線ファイバが光スプリッタにより複数の分岐ファイバに分岐されるので、試験光も光スプリッタから各心線に一様に分配される。そして各心線からの戻り光は入射端に戻る際に光スプリッタで重なり合ってしまい、このため入射端で観測されるOTDR波形からは、どの分岐ファイバに破断が生じているかを識別できなくなる。このように既存の技術では、光パルス線路監視装置は基本的に1本の光線路に対してのみ有効であり、光分岐線路システムにそのまま適用することはできない。
非特許文献1、および特許文献1に上記を解決しようとする技術が提案されている。非特許文献1の提案は、試験光を高く反射する光フィルタをターミネーションフィルタとしてユーザ装置の手前に設置し、各ユーザからの反射光の強度を高分解能なOTDR装置により測定するというものである。同文献ではこの手法により、光スプリッタより下流の分岐ファイバにおける距離分解能として2mの精度を得られることが報告されている。しかしながらこの精度では故障位置を特定するはできない。この文献の技術では故障線番の特定と、装置か光線路のどちらが故障しているかといった故障切り分けとが可能であるにとどまる。
特許文献1では、光スプリッタとして、光の多光束干渉を利用するアレイ導波路回折格子型波長合分波器を用い、波長可変光源により試験光の波長を切り替えて被試験光線路を選択するという提案がなされている。波長可変光源の波長を掃引し、反射光の波長を光反射処理部で検出し、その波長を基準に試験光の波長を設定することで、試験光の波長に対応付けて各光線路の個別監視を実現することができる。
しかしながらアレイ導波路回折格子型波長合分波器に代表される、波長ルーティング機能を持つ光分岐装置は一般に高価であり、多くの加入者を収容するアクセス系光システムに用いることはコスト面で難しい。さらにこのような光部品は温度依存性が大きく、温度調整機能を付加する必要もある。このためシステム全体のコストが跳ね上がることは避けられない。
Y. Enomoto et al., "Over 31.5 dB dynamic range optical fiber line testing system with optical fiber fault isolation function 32-branched PON", OFC2003 Technical Digest, paper ThAA3(2003),pp. 608-610. 特開平7−87017号公報
以上述べたようにPDS型光線路において、光スプリッタからユーザ装置側の分岐ファイバ、および装置を監視するにあたり個別標定が難しく、何らかの技術開発が待たれている。
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、光スプリッタ下流における分岐ファイバの状態を個別に測定可能な光線路試験システムおよび光線路試験方法を低コストで提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の一態様によれば、光ファイバをそれぞれユーザ端末を接続可能な第1乃至第nの分岐ファイバに分岐する光スプリッタを備える光分岐線路システムに用いられる光線路試験システムにおいて、互いに異なる波長λ1,λ2,…,λnの試験光を前記光ファイバに個別に入射して、前記試験光の後方散乱光の距離に対する強度分布波形を前記波長ごとに得る光線路試験装置と、前記第1乃至第nの分岐ファイバに個別に接続され、それぞれλm(m=1,2,…,n)の波長の光を個別に反射しそれ以外の波長の光を透過させる第1乃至第nの反射型光フィルタと、前記光線路試験装置から前記波長ごとの強度分布波形を取得する測定部とを具備し、この測定部は、第mの分岐ファイバにおける障害の有無を、波長λmの試験光を用いた強度分布波形における前記反射型光フィルタにより反射された試験光の後方散乱光を測定して得られる波形の状態に基づいて判定することを特徴とする光線路試験システムが提供される。
このような手段を講じることにより、試験光の波長がλ1であれば、この試験光は波長λ1のみを反射する反射型光フィルタにおいて反射される。その際この反射光の戻り光が生じ、強度分布波形においても観測される。一方、このλ1の反射型フィルタに接続される分岐ファイバが破断していると波長λ1の試験光は反射型光フィルタにより反射されず、従って強度分布波形において反射光の戻り光の発生も観測されない。すなわち、強度分布波形に反射光の戻り光の発生が現れない波長において、分岐ファイバの破断が生じていると結論付けることができる。その位置は破断によるフレネル反射を観測することで正確に求めることができる。このような手段により、分岐ファイバをそれぞれ個別に監視することが可能になる。
この発明によれば、光スプリッタ下流における分岐ファイバの状態を個別に測定可能な光線路試験システムおよび光線路試験方法を低コストで提供することができる。
図1は、この発明の適用される光分岐線路(PDS)システムの一例を示す図である。図1において、光信号送信局10の光信号送信部11は光分岐部12に接続される。光分岐部12からはN本(1≦N)の光線路13がスター状に延伸される。各光線路13には光スプリッタ14が接続され、その下流側に、さらにM本の分岐ファイバ15がスター状に延伸される。各分岐ファイバ15の終端にはユーザ端末16が接続される。このように、光信号送信部11から光分岐部12を介して光線路13に入射された通信光は、さらに光スプリッタ14および分岐ファイバ15を介して複数のユーザ端末16に達する。
以上の構成において、光スプリッタ14を受動光部品のみで構成したシステムを特にパッシブダブルスター型のPONと称する。図1には光スプリッタ14よりも下流の1系統のみを表示する。光分岐部12をN分岐、光スプリッタ14をM分岐とすれば、少ない光線路でN×M個のユーザ端末16に信号光を分配することができる。
図1のシステム形態では、各分岐ファイバ15からの戻り光が光スプリッタ14で重なり合ってしまうので、光信号送信局10で観測されるOTDR波形から障害の発生箇所を評定することが難しい。以下ではこの難点を簡易に解決することのできる技術につき、2つの実施形態を例として説明する。
[第1の実施形態]
図2は、この発明に係わる光線路試験システムの第1の実施形態を示すシステム図である。スプリッタ14の下流の分岐ファイバ15の数を4(M=4)とし、図2において図1と共通する箇所には同じ符号を付す。光信号送信局10において、光分岐部12からの光線路13のひとつに、光カプラ19を介して光線路監視試験装置(OTDR)18を接続する。OTDR18によれば、光ファイバ線路に入射した試験光の後方散乱光の、距離(伝播方向)に対する強度分布波形を得ることができる。またこのOTDR18は試験光の波長を切り替えることのできる機能を持つ。この実施形態ではλ1,λ2,…,λnの波長の試験光を出力可能とする。すなわちOTDR18は、mをインデックスとしてλm(m=1,2,…,n)の波長の試験光を出力可能である。
OTDR18にはLAN(Local Area Network)ケーブルなどを介して処理装置100が接続される。この処理装置100はパーソナルコンピュータなどに専用の処理ソフトウェアを搭載したもので、LANを介してOTDR18の測定データを取得する。取得したデータをもとに処理装置100は、スプリッタ14より下流側における分岐ファイバ15の状態を判定する。
図3に示すように、光スプリッタ14の下流側における各分岐ファイバ15の設置区間を、それぞれ区間A,B,C,Dとして区別する。各区間においては各分岐ファイバ14のそれぞれに、ユーザ端末16の直前にFBG(Fiber Bragg Grating)フィルタ20を設置する。
図4はFBGフィルタ20の特性を説明するための図である。FBGフィルタ20はそれぞれ固有の波長を反射するFBG21を備え、これによりFBGフィルタ20は特定の波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過させる。この実施形態では各FBGフィルタ20に、試験光波長λ1,λ2,…,λnを反射する特性を個別に持たせる。つまり1つのFBGフィルタ20は試験光波長λ1のみを反射し、別のFBGフィルタ20は試験光波長λ2のみを反射し、…というように、各FBGフィルタ20の特性を選ぶようにする。なお図中点線(符号22)は、FBGフィルタ20で反射された光の後方散乱光であり、この実施形態ではその反射特性が重要な意味を持つ。図4では波長λnの反射される様子が示される。
図5は図4のFBG21の光学特性の一例を示す図である。FBG21はOTDR装置18から出力される波長と同じ中心波長を有し、かつ、それぞれ−3dBでの反射波長幅が1.0nmとする。この実施形態ではN=4、すなわちn=4として4つの波長λ1〜λ4を用いる。λ1〜λ4としてそれぞれ1630,1640,1650,1660(nm)を例にとる。次に、上記構成における作用を説明する。
図6は、図2のシステムにおいてOTDR18による測定を実施した場合のOTDR測定波形の一例を示す図である。以下の処理は、主として処理装置100により実施される。図6には分岐ファイバ15に破断や曲げなどの障害のない状態を示す。また各区間の長さを、区間Aが500m、区間Bが800m、区間Cが1400m、区間Dが1900mとする。
図6には、OTDR18からの試験光波長がλ1である場合の結果が示される。区間Aに反射波長λ1のFBGフィルタを設けるとし、これに符号20′を付してターミネーションフィルタ20′と称する。分岐ファイバ15に破断が生じていなければ、OTDR波形にはターミネーションフィルタ20′を中心とする、区間Aと区間A′、および区間aと区間a′の波形が現れる。区間aおよびAでの波形は、OTDRから送出された光パルス(試験光)の後方散乱光、及びターミネーションフィルタ20′での反射が測定された波形である。
区間A′およびa′の測定波形は、ターミネーションフィルタ20′でいったん反射された試験光のレーリー後方散乱光が、再度ターミネーションフィルタ20′で反射されてOTDR18に達し、測定されたものである。この再反射光は時間軸上で、ちょうど区間Aの長さ分だけずれてOTDR18に到達するので、図6に示すように分岐ファイバ15の終端(FBGフィルタ20の接続端)で、ファイバを折り返したような波形が現れる。つまり測定波形上で区間AとA′の長さは同じになり、区間aとa′の長さも同じである。区間Aの長さが500mであるので、光スプリッタ14の位置をOTDR波形の基準にすれば、試験光λ1で、500mおよび1000m付近に受光強度のピークが示される。
なお、λ1に割り当てられていない他の区間B〜Dに入射した試験光もFBGフィルタ20により若干反射されるが、図5に示すフィルタ特性から、その強度はターミネーションフィルタ20′から反射される光強度レベルに比べ十分小さい。よってOTDR波形においては無視できる。FBGフィルタ20のユーザ側終端状態が開放端であれば、終端に無反射終端器を設置するなどの措置をとることで、他のFBGを透過後発生する反射の影響をさらに少なくすることができる。
ところで、区間AのOTDR波形は各分岐ファイバ15の区間A,B,C,Dからの後方散乱光が多重されたものであり、個別の心線の評価が難しい。これに対しOTDR波形の区間A′は、波長λ1を高反射率で反射する、区間Aのターミネーションフィルタ20′でのみ生じた試験光の後方散乱光を示すものになる。これをもとに分岐ファイバを個別に特定することができ、区間Aの線路特性を正しく評価することができる。
つまりこの実施形態では、後方散乱光の折り返し波形を利用してそれぞれの分岐ファイバを特定する。他の波長λ2−λ4の試験光を用いた場合でも、それぞれ、800mおよび1600m付近、1400mおよび2800m付近、1900mおよび3800m付近にそれぞれ光受光強度のピークを示すOTDR波形が観測される。このようにOTDR測定結果における折り返し波形を観測することで、各波長を割り当てられた分岐ファイバの区間損失などの線路特性を評価することができる。以下に詳しく説明する。
図7は、破断障害を生じた場合のOTDR測定波形の一例を示す図である。仮に、区間A内において、スプリッタ14の下流300mの位置(点P)に破断が生じたとする。破断が生じると破断点においてフレネル反射およびフレネル損失が生じる。このフレネル反射および損失は全ての試験光λ1〜λ4に現れるので、各試験光波長に対するOTDR波形を比較すると受光ピークが重なり合ってしまう。従ってこのフレネル反射を観測して得られる情報だけでは、分岐線路15中の他の場所で生じる反射情報と分離することができず、区間A内の点Pに線路破断が生じていることは特定できない。つまり破断がどの分岐ファイバで生じているのかを特定できない。
そこでこの実施形態では、フレネル反射情報だけでなく、FBGフィルタ20で反射された光の後方散乱光22の反射特性を評価するようにする。すなわち破断により光は遮断されるので、破断を生じた区間においてのみ、どの波長の試験光もFBGフィルタ20に届かない。従ってFBGフィルタ20を軸とする折り返しがOTDR波形に現れない。
図7では点Pで光が遮断されるので、λ1の試験光パルスはターミネーションフィルタ20′に到達しない。よってターミネーションフィルタ20′でいったん反射された光の後方散乱光も生じず、OTDR波形は図7に示す形状になる。図6と比較して分かるように、図7の波形には、分岐ファイバの終端でファイバを折り返したような中心対称性を示す波形は現れない。
これに対しλ1以外の波長、すなわちλ2−λ4の試験光を用いた測定では、それぞれの試験光は各波長ごとのFBGフィルタ20で反射され、反射された光は後方散乱光を発生する。従って図6のような、中心対称性を有するOTDR波形が必ず観測される。
以上のことから、試験光波長を切り替えて各波長ごとにOTDR波形を測定し、その波形に中心対称性が観測されるか否かに対応付けて、破断の有無を判定できることが分かる。すなわちFBGフィルタ20で反射された試験光パルスのレーリー後方散乱光が、再度ターミネーションフィルタ20で反射されてOTDRで測定されるか否かにより、破断が生じているか否か分かる。つまり、中心対称性の無いOTDR波形を得た波長に対応する区間に、破断が生じていると結論できる。
さらに、破断箇所で発生するフレネル損失は約−14dBである。この値は、図5に示す他の波長における反射減衰量が−35dBのFBGフィルタ20で反射された光の光強度レベルに比べて大きい。従って、OTDR波形の受光レベルを比較することで、この破断点Pの位置、すなわちスプリッタ14から300mの位置に破断が生じていることを特定することができる。次に、破断とは別の、障害の他の例として曲げ障害の観測について説明する。
図8は、曲げ障害を生じた場合のOTDR測定波形の一例を示す図である。図8の区間Aにおける位置Pに、曲げによる線路障害が発生しているとする。この曲げによる損失は3dBとする。OTDR波形の区間Aにおいては全ての波長が多重されるので、たとえ曲げによる損失が3dBであっても、後方散乱光レベルの変動は高々0.58dB程度しか変化しない。よってノイズが多い場合などにはこの位置に障害が発生していることを判定することは困難である。さらに、スプリッタ14下部の分岐ファイバの数が不明であれば、区間A内のOTDR波形から点Pにおける正確な損失値を算出することはできない。
しかしながら破断のケースと同じく、折返し区間A′の状態に基づいて、曲げ障害の生じた分岐ファイバを区別し、障害の位置を特定することは可能である。すなわち折り返し区間A′の位置P′では、終端のFBGフィルタ20で反射された試験光パルスの後方散乱光のみによるOTDR波形が得られる。図8に示すように、区間A′における損失の程度が目立って大きい波長において、損失が生じているとみなすことができる。曲げによる損失の無い波長λ2〜λ4においてはこのような段差を持つOTDR波形は現れず、従って特有の波形形状を示す波長に対応付けて、曲げ障害の生じた分岐ファイバを特定することが可能になる。
なお曲げの生じた場所によっては、曲げ損失の値を観測することも可能である。例えば点Pの位置がスプリッタ14から300mとする。そうするとOTDR波形上において、区間Aが500mであることから、スプリッタ14からP′点までの距離は700mとなる。このP′点の位置は、区間Bの長さ800m、区間Cの長さ1400m、区間Dの長さ1900mのいずれよりも近い位置であるので、区間B、C、Dにおける後方散乱光が重畳されてしまう。このようなケースでは損失の正確な値をOTDR波形のピーク値から読み取ることは難しい。
これに対し、例えば区間Dのいずれかの位置において曲げ障害が生じたとする。これに対し波長λ4で実施したOTDRによる波形上の折り返し領域では、他の区間A〜Cのいずれよりも遠い位置になる。従って区間A,B,Cからの後方散乱光が重畳されることは無く、OTDR波形のピーク値から損失の正確な値を読み取ることが可能になる。このようにOTDR波形上の区間Aの評価で障害判定が困難な場合でも、折返し区間A′において損失変動を正確に測定することが可能となり、この損失変動を評価するごとにより、障害位置Pを判定することが可能になる。
このことを利用して、実地の作業現場では以下のような手順を考えることができる。すなわちスプリッタ14下流の区間A〜Dを敷設するにあたり、分岐ファイバの長さの短い区間から順に工事を行うようにする。つまり最も短い区間Aを最初に敷設し、この区間に対しOTDRによる試験を行って曲げ損失の無いことを確認してから、次に短い区間Bを敷設する…といった手順を踏むようにする。このようにすると曲げによる損失の値を常に正確に把握したうえでシステムを敷設することができる。
以上述べたようにこの実施形態では、光線路13を複数(例えば4系統)に分岐する光スプリッタ14を備える光分岐線路(PDS)システムにおいて、各分岐ファイバ15にFBGフィルタ20を接続する。FBGフィルタ20は固有の波長の光を反射するもので、その反射波長をλ1〜λ4とする。また光線路13にOTDR18を接続し、波長λ1〜λ4の試験光パルスにより個別にOTDR波形を得る。そして、このOTDR波形において、FBGフィルタ20により反射された試験光の後方散乱光を示す波形が、特有の形状を示す波長を特定する。
例えば、OTDR波形に、FBGフィルタ20により反射された試験光の後方散乱光を示す波形が無ければ、対応する波長を反射するFBGフィルタ20の接続された分岐ファイバ15が破断していると結論付けるようにした。このように、試験光波長に対するOTDR波形の中心対称性、および受光レベルを解析することにより、スプリッタ14の下流での線路障害点を識別することが可能になる。従って第1の実施形態によれば、被試験光線路における光スプリッタ下流の分岐ファイバの障害箇所を、光ファイバの片端からのみの光パルス試験で個別に識別することが可能となる。しかも上記構成では、アレイ導波路回折格子型波長合分波器のような高価な光デバイスを必要としない。これらのことから、光スプリッタ下流における分岐ファイバの状態を個別に測定可能な光線路試験方法および光線路試験システムを低コストで提供することが可能となる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、OTDR18から入射される試験光パルスは、FBGフィルタ20で反射された以外の波長が全てユーザ端末16に到達する。よって通信に不要な光がユーザ端末16に混入するので、光線路監視試験中は通信サービスを停止せざるを得ない。これを解消するため第2の実施形態では、情報伝送に用いられる帯域の光を透過させるとともに試験光波長域の全域にわたり遮断特性を有する広帯域光フィルタを、少なくともFBGフィルタ20とユーザ端末16との間に接続する。
さらに好ましくは、同じ特性を持つ広帯域光フィルタを図2の光分岐部12と光カプラ19との間、あるいは光分岐部12と光信号送信部11との間にも設けるようにする。すなわち送信側においては、光カプラ19から光信号送信部11へと至る光の伝播経路に広帯域光フィルタを接続する。その接続の形態は、伝播経路と直列になる。
広帯域光フィルタとしては例えば誘電体多層膜を使用できる。誘電体多層膜は屈折率の異なる薄い膜を数十〜数百層も石英ガラスなどに積層した多層膜構造を有する。これを光ファイバ、光導波路、あるいは光コネクタ部分に特定の角度で挿入することにより、特定の波長のみをクラッドに反射させ、透過・遮断波長帯域や遮断波長の反射量を調節することができる。
図9は、第2の実施形態で用いる誘電体多層膜フィルタの光学特性を示す図である。試験光波長λ1〜λ4の帯域設定は図5と同じとし、情報伝送に用いられる通信光の波長を1.49μmとする。図9に示すように、1.26μm〜1.58μmの帯域における透過損失は1.0dB以下とし、ここから1.58〜1.61μmの帯域にかけて徐々に透過損失を増加させ、波長1.625μm以上の試験光に対しては約40dBの遮断量を持たせるようにする。なお試験光の反射減衰量は、誘電体多層膜フィルタの挿入角度の調整により40dB以上にすることも可能である。
広帯域光フィルタにこのような特性を持たせるようにすれば、ユーザ端末16への通信波長以外の不要試験光の入力を遮断することができ、通信光による情報伝送を正常に行っている状態でOTDR試験を正しく実行することができる。すなわち、第1の実施形態で示したような分岐ファイバ15の識別、破断箇所の特定、および曲げ損失の標定をインサービスで実施することが可能になる。
以上説明したように第2の実施形態では、ユーザ端末16とFBGフィルタ20との間に広帯域光フィルタを付加し、全ての試験光を遮断することでユーザ端末16への不要光成分の入射を防止するようにしている。従って通信に影響を与えることなく、光スプリッタ14の下流の分岐ファイバの障害箇所を、光ファイバの片端からのみの光パルス試験で個別に識別することが可能となる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば光スプリッタ14における分岐数は4に限らない。このほか広帯域フィルタの形式、ターミネーションフィルタの形式など、この明細書の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
この発明の適用される光分岐線路(PDS)システムの一例を示す図。 この発明に係わる光線路試験システムの第1の実施形態を示すシステム図。 光スプリッタ14の下流側の区間A,B,C,Dを示す図。 FBGフィルタ20の特性を説明するための図。 図4のFBG21の光学特性の一例を示す図。 図2のシステムにおいてOTDR18による測定を実施した場合のOTDR測定波形の一例を示す図。 破断障害を生じた場合のOTDR測定波形の一例を示す図。 曲げ障害を生じた場合のOTDR測定波形の一例を示す図。 この発明の第2の実施形態に用いられる誘電体多層膜フィルタの光学特性を示す図。
符号の説明
10…光信号送信局、11…光信号送信部、12…光分岐部、13…光線路、14…光スプリッタ、15…分岐ファイバ、16…ユーザ端末、18…光線路監視試験装置(OTDR)、19…光カプラ、20…FBGフィルタ、21…FBG、22…FBGフィルタ20で反射された光の後方散乱光、100…処理装置

Claims (4)

  1. 光ファイバをそれぞれユーザ端末を接続可能な第1乃至第nの分岐ファイバに分岐する光スプリッタを備える光分岐線路システムに用いられる光線路試験システムにおいて、
    互いに異なる波長λ1,λ2,…,λnの試験光を前記光ファイバに個別に入射して、前記試験光の後方散乱光の距離に対する強度分布波形を前記波長ごとに得る光線路試験装置と、
    前記第1乃至第nの分岐ファイバに個別に接続され、それぞれλm(m=1,2,…,n)の波長の光を個別に反射しそれ以外の波長の光を透過させる第1乃至第nの反射型光フィルタと、
    前記光線路試験装置から前記波長ごとの強度分布波形を取得する測定部とを具備し、
    この測定部は、
    波長λmの試験光を用いた強度分布波形に前記反射型光フィルタに対応するピークを軸とする中心対称性を示す波形が表れない場合に、第mの分岐ファイバに破断が生じたと判定し、
    当該強度分布波形において、前記波長λmとは異なる波長の前記反射型光フィルタに対応するピークと比較してレベルの大きいピークをフレネル反射に対応するピークとして特定し、
    前記第mの分岐ファイバにおける前記破断の位置を、前記特定されたピークの位置に基づいて測定し、
    波長λmの試験光を用いた強度分布波形における前記反射型光フィルタにより反射された試験光の後方散乱光を示す区間に損失を生じた場合に、第mの分岐ファイバに曲げ障害が生じたと判定し、
    前記第1乃至第nの分岐ファイバはその長さの短い順に、敷設された状態で前記損失の無いことを確認されてから順次敷設されることを特徴とする光線路試験システム。
  2. 情報伝送に用いられる通信光を前記光ファイバに入射する光信号送信部を前記光分岐線路システムが備える場合に、
    前記試験光が前記光ファイバへの入射端から前記光信号送信部へと至る伝播経路に接続される第1の光フィルタと、
    前記反射型光フィルタと前記ユーザ端末との間に接続される第2の光フィルタとをさらに具備し、
    前記第1および第2の光フィルタは、前記通信光を透過させ、λm(m=1,2,…,n)の波長の全域にわたり遮断特性を有することを特徴とする請求項1に記載の光線路試験システム。
  3. 光ファイバをそれぞれユーザ端末を接続可能な第1乃至第nの分岐ファイバに分岐する光スプリッタを備える光分岐線路システムに用いられる光線路試験方法において、
    互いに異なる波長λ1,λ2,…,λnの光を個別に反射しそれ以外の波長の光を透過させる第1乃至第nの反射型光フィルタを前記第1乃至第nの分岐ファイバに個別に接続し、
    λm(m=1,2,…,n)の波長の試験光を前記光ファイバに個別に入射して、前記試験光の後方散乱光の距離に対する強度分布波形を前記波長ごとに測定し、
    波長λmの試験光を用いた強度分布波形に前記反射型光フィルタに対応するピークを軸とする中心対称性を示す波形が表れない場合に、第mの分岐ファイバに破断が生じたと判定し、
    当該強度分布波形において、前記波長λmとは異なる波長の前記反射型光フィルタに対応するピークと比較してレベルの大きいピークをフレネル反射に対応するピークとして特定し、
    前記第mの分岐ファイバにおける前記破断の位置を、前記特定されたピークの位置に基づいて測定し、
    波長λmの試験光を用いた強度分布波形における前記反射型光フィルタにより反射された試験光の後方散乱光を示す区間に損失を生じた場合に、第mの分岐ファイバに曲げ障害が生じたと判定し、
    前記第1乃至第nの分岐ファイバはその長さの短い順に、敷設された状態で前記損失の無いことを確認されてから順次敷設されることを特徴とする光線路試験方法。
  4. 情報伝送に用いられる通信光を前記光ファイバに入射する光信号送信部を前記光分岐線路システムが備える場合に、
    前記通信光を透過させλm(m=1,2,…,n)の波長の全域にわたり遮断特性を有する第1の光フィルタを、前記試験光が前記光ファイバへの入射端から前記光信号送信部へと至る伝播経路に接続し、
    前記通信光を透過させλm(m=1,2,…,n)の波長の全域にわたり遮断特性を有する第2の光フィルタを、前記反射型光フィルタと前記ユーザ端末との間に接続することを特徴とする請求項3に記載の光線路試験方法。
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