JP5291073B2 - 爆破処理方法および爆破処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軍事用の弾薬等の被処理物を爆破処理するための爆破処理方法に関する。
前記軍事用の弾薬(砲弾、爆弾、地雷、機雷等)の構成としては、鋼製の弾殻の内部に炸薬や化学剤が設けられたものが知られている。
そして、前記弾薬を処理するための方法としては、爆破用爆薬を用いて、この爆破用爆薬の爆発エネルギーを前記弾薬に供給することにより前記弾殻を破壊しつつ前記炸薬を爆発させるあるいは前記化学剤を無害化する処理方法が知られている。この爆破による処理方法は、解体作業を要しないことから、保存状態が良好な前記兵器等のみならず、経年劣化や変形などにより解体が困難になったものの処理にも適用することができる。さらに人体に有害な化学剤を有する爆弾を処理する場合には、爆破用爆薬の爆発に基づく超高温場および超高圧場の実現によって化学剤のほとんど全てを分解できるという利点がある。
このような爆破処理として、例えば特許文献1に次のような方法が開示されている。すなわち、特許文献1には、所定の容器内に被処理物を設置する工程と、前記容器の内側面と被処理物との間にANFO爆薬を充填するとともに前記容器の周囲にこのANFO爆薬よりも高爆速のシート状爆薬を巻きつける工程と、このシート状爆薬の所定の端部を起爆して、このシート状爆薬を所定の方向に順次爆轟させて、このシート状爆薬の爆轟に伴って前記ANFO爆薬を所定の方向に順次爆轟させる工程とを含み、前記ANFO爆薬の爆轟エネルギーを前記被処理物に供給することで前記炸薬を爆轟させつつこの被処理物を爆破処理する方法が開示されている。この方法によれば、被処理物の周囲でANFO爆薬がほぼ同時に爆轟してこの爆轟エネルギーが前記弾殻の内部の炸薬に集中するため、炸薬の爆発により外側に飛散する弾殻の破片の速度を低減しつつ爆薬を処理することができる。
特開2005−291514号公報
しかしながら、前記従来の爆破処理方法は弾薬のみを処理するための方法である。そのため、この方法を、化学剤を含有するとともにこの化学剤の漏洩を防止するために外側容器に収容された弾薬に適用する場合には、この弾薬を前記外側容器から取り出さねばならず、この取り出し時等に前記化学剤が外部へ漏洩する可能性がある。
ここで、前記弾薬と外側容器とを被処理物として前記従来の方法を適用し、この外側容器の周囲に前記ANFO爆薬および前記シート状爆薬を配置してこれらの爆発エネルギーにより外側容器ごと弾薬を爆破処理することが考えられる。しかしながら、この場合においても前記弾薬の外側容器内の収容状態によっては前記弾薬を十分に処理できない場合がある。具体的には、前記弾薬の中心軸と外側容器の中心軸とが略平行に延びる一方これらの中心軸がこれら中心軸と直交する方向に変位した状態で前記弾薬が前記外側容器内に収容されている場合において、前記従来の方法を用いて前記外側容器の周囲に配置した前記ANFO爆薬をこの外側容器の周囲で同時に爆轟させた場合には、外側容器の周囲の各位置に配置されたANFO爆薬と弾薬との距離が均一でないために前記弾薬にこのANFO爆薬の爆轟エネルギーが均等に付与されず、弾薬が十分に処理されないおそれがある。
本発明は前記の点に鑑みてなされたものであり、外側容器に収容された被処理物をより確実に処理することのできる爆破処理方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、特定の方向に沿って延びるよう形成された被処理爆薬と、所定の方向に延びる中心軸を有する弾殻であって前記被処理爆薬がその内側にその中心軸に沿って延びる姿勢で収容された弾殻と、前記弾殻の内側に前記被処理爆薬を囲むように充填された化学剤とを備えるとともに、所定の軸方向に沿って延びる外側容器の内側に当該外側容器の中心軸と前記弾殻の中心軸とが略平行に延び、かつ、これら中心軸どうしがこれら中心軸と略直交する方向に変位した姿勢で収容された、被処理物を爆破処理するための方法であって、前記被処理物を爆破するための複数の爆破用爆薬を、前記外側容器の外側面上となる位置に、各爆破用爆薬が前記外側容器の中心軸を囲む方向に互いに離間し、かつ、各爆破用爆薬がそれぞれ当該外側容器の中心軸と略平行に延びるように配置する爆破用爆薬配置工程と、密閉可能なチャンバ内に前記被処理物が収容された外側容器を収容する収容工程と、前記密閉されたチャンバ内にて前記複数の爆破用爆薬を起爆させて、当該各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより前記被処理物を爆破処理する爆破工程とを含み、前記爆破工程では、前記各爆破用爆薬を、各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより各爆破用爆薬の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器の破片または衝撃波が前記複数の爆破用爆薬が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻に衝突するような起爆タイミングで、それぞれ起爆させることを特徴とする爆破処理方法を提供する(請求項1)。
この方法によれば、密閉可能なチャンバ内において各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより前記被処理物が爆破処理されるため、化学剤を含有する前記被処理物を外側容器から取り出す必要がなく、また、被処理物の爆破時に化学剤が外部に拡散するのが抑制されて、この被処理物をより安全に処理することができる。
しかも、この方法によれば、複数の爆破用爆薬を外側容器の外側面上となる位置に配置しつつ、外側容器内にこの外側容器と中心軸がずれた状態で収容された被処理物をより確実に処理することができる。すなわち、この方法では、複数の爆破用爆薬の爆発に伴い前記弾殻の中心軸を囲む方向の複数の位置で生成された前記外側容器の破片あるいは衝撃波が当該弾殻にほぼ同時に衝突し、これにより、前記被処理物にその周囲から各爆破用爆薬の爆発エネルギーがより均等に付与されるので、前記弾殻の破片が外側に飛散するのが抑制されるとともに、各爆破用爆薬の爆発エネルギーが効果的に被処理物に集中して当該被処理物がより確実に処理される。特に、この爆破用爆薬の爆発エネルギーが集中することで、前記化学剤の周囲がより確実に高温高圧とされるため、この化学剤をより確実に分解処理することができる。
ここで、前記弾殻その中心軸周りに延びる円筒状の外周面をもつ中空状を有し、前記外側容器がその中心軸周りに延びる円筒状の外周面をもつ中空状を有する場合には、各爆破用爆薬を前記外側容器の外周面に配置すると、前記外側容器の中心軸と被処理物の中心軸とがずれているために、前記各爆破用爆薬と前記被処理物との距離は不均一となる。そのため、この場合には、前記被処理物に各爆破用爆薬の爆発エネルギーが被処理物に均等に付与されない可能性が高い。これに対して、本発明を用いれば、これら爆破用爆薬の起爆タイミングが適切に調整されることで各爆破用爆薬の爆発エネルギーが被処理物により均等に付与されるため、前記被処理物をより確実に処理することができる。従って、本発明を前記弾殻がその中心軸周りに延びる円筒状の外周面をもつ中空状を有し、前記外側容器がその中心軸周りに延びる円筒状の外周面をもつ中空状を有するものに適用すれば、特に有用である(請求項2)。
本発明において、前記爆破用爆薬配置工程は、前記各爆破用爆薬に導爆線をそれぞれ接続するとともに、これら導爆線を共通の起爆装置に接続する工程を含み、前記爆破工程では、前記起爆装置により前記各導爆線を同時に起爆させて、当該導爆線の爆発により前記各爆破用爆薬を起爆させ、前記爆破用爆薬配置工程では、前記各導爆線の前記起爆装置と前記各爆破用爆薬との間の長さ寸法を、当該各導爆線が前記各爆破用爆薬を当該各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより各爆破用爆薬の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器の破片または衝撃波が前記複数の爆破用爆薬が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻に衝突するような起爆タイミングで起爆させる長さ寸法とするのが好ましい(請求項3)。
このようにすれば、爆破用爆薬の起爆タイミングに合わせて長さが調整された導爆線を共通の起爆装置に接続するという簡単な手順で、起爆装置の数を少なく抑えつつ各爆破用爆薬をその爆発エネルギーが被処理物により均等に付与されるタイミングで起爆させることができる。
また、本発明において、前記爆破用爆薬配置工程は、前記爆破用爆薬よりも大きな爆速を有する起爆用爆薬を複数用い、各起爆用爆薬をそれぞれ前記各爆破用爆薬の外側であって前記外側容器と反対側となる位置に配置する工程とを含み、前記爆破工程は、前記各起爆用爆薬を起爆させるとともに、当該起爆用爆薬から放出される爆轟エネルギーにより前記爆破用爆薬を起爆させる工程を含むのが好ましい(請求項4)。
このようにすれば、前記起爆用爆薬が先ず爆轟することにより前記爆破用爆薬がその爆轟ベクトルが内向きの状態で爆轟するので、この爆破用爆薬の爆轟エネルギーを前記外側容器および前記被処理物により効率よく伝播させて被処理物をより確実に処理することができる。しかも、この方法では、前記爆破用爆薬の爆轟ベクトルが内向きとなることで、前記弾殻の破片や化学剤の外部への飛散がより確実に抑制される。
ここで、前記起爆用爆薬を用いて、この起爆用爆薬の爆轟エネルギーにより前記爆破用爆薬を起爆させる場合には、前記爆破用爆薬配置工程は、前記各起爆用爆薬に導爆線をそれぞれ接続するとともに、これら導爆線を共通の起爆装置に接続する工程を含み、前記爆破工程では、前記起爆装置により前記各導爆線を同時に起爆させて、当該導爆線の爆発により前記各起爆用爆薬を起爆させ、前記爆破用爆薬配置工程では、前記各導爆線の前記起爆装置と前記各起爆用爆薬との間の長さ寸法を、当該各導爆線の爆発により起爆した前記各起爆用爆薬が前記各爆破用爆薬を当該各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより各爆破用爆薬の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器の破片または衝撃波が前記複数の爆破用爆薬が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻に衝突するような起爆タイミングで起爆させる長さ寸法とすればよい(請求項5)。
また、本発明において、前記爆破用爆薬配置工程は、所定の方向に延びる金属板と当該金属板に沿って延びて当該金属板を衝突させて所定の方向に超高圧状態の金属噴流を発生させるための爆薬とが一体に成形された成形爆薬を、前記外側容器の外側となる位置に、この外側容器の中心軸と略平行に延び、かつ、前記金属噴流が当該外側容器の中心軸に向かって発生する姿勢で配置する工程を含み、前記爆破工程は、前記成形爆薬を起爆させて当該起爆した成形爆薬により前記外側容器および前記弾殻を切断して当該弾殻の内側を露呈させる工程を含むのが好ましい(請求項6)。
このようにすれば、前記成形爆薬により前記外側容器および前記弾殻が切断されることで、前記弾殻の内側に収容された爆薬および化学剤が比較的容易に露呈するため、この露呈した化学剤に前記爆破用爆薬の爆発エネルギーが効率よく付与されてこの化学剤がより確実に処理される。特に、本方法では、この化学剤を露呈させるという処理とこの化学剤を含む被処理物を爆破用爆薬により爆破するという処理が同じチャンバ内にて行われるため、化学剤等が外部に拡散するのをより確実に抑制してより安全に化学剤を含む被処理物を処理することができる。
前記方法において、前記爆破用爆薬配置工程は、前記成形爆薬を前記複数の爆破用爆薬から前記外側容器の中心軸を囲む方向に離間した位置に配置する工程を含み、前記爆破工程は、前記成形爆薬を前記複数の爆破用爆薬のうち当該成形爆薬に隣接する爆破用爆薬よりも早いタイミングで起爆させる工程を含むのが好ましい(請求項7)。
このようにすれば、前記成形爆薬により切断される外側容器および弾殻の切断部が成形爆薬により切断される前にこの成形爆薬に隣接する爆破用爆薬の爆発エネルギーにより変形するのが抑制されるので、前記外側容器および弾殻をより適切に切断して前記化学剤をより確実に露呈させることができる。
また、前記方法において、前記爆破用爆薬配置工程は、前記成形爆薬を当該成形爆薬と前記外側容器の中心軸との距離よりも当該成形爆薬と前記弾殻の中心軸との距離の方が短くなる位置に配置する工程を含むのが好ましい(請求項8)。
このようにすれば、前記成形爆薬と弾殻との距離がより短くなるので、成形爆薬の金属噴流をより効率よく前記弾殻に付与することができる。
ここで、本発明は、前記被処理物が、所定の方向に延びる中心軸を有する内側容器の内側に前記弾殻が当該内側容器と略同軸となる位置で収容された状態で、前記外側容器の内側に収容されたものにも適用可能である。この場合には、前記爆破工程において、前記各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより生成された前記外側容器の破片または衝撃波を前記内側容器に衝突させて、この衝突により生成された内側容器の破片または衝撃波を前記被処理物の弾殻に衝突させつつ前記被処理物を爆破処理すればよい(請求項9)。また、前記成形爆薬が前記外側容器の外側に配置される場合には、前記爆破工程において、前記起爆した成形爆薬により前記外側容器に加えて前記内側容器および前記弾殻を切断して当該弾殻の内側を露呈させるとともに、前記各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより生成された前記外側容器の破片または衝撃波を前記内側容器に衝突させて、この衝突により生成された内側容器の破片または衝撃波を前記被処理物の弾殻に衝突させつつ前記被処理物を爆破処理すればよい(請求項10)。
また、本発明において、前記爆破工程の前に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記弾殻との距離および前記外側容器と前記弾殻との間に充填されている充填物の種類とに基づいて、前記複数の爆破用爆薬の起爆タイミングを設定する起爆タイミング設定工程を含むのが好ましい(請求項11)。
各爆破用爆薬の爆発に伴い生成された外側容器の破片または衝撃波が爆破用爆薬が爆発してから弾殻に到達するまでの時間は、各爆破用爆薬と弾殻との距離と外側容器内の充填物の種類とに応じて異なることが分かっている。従って、各爆破用爆薬と弾殻との距離と前記充填物の種類に応じて各爆破用爆薬の起爆タイミングが設定されれば、より確実に各爆破用爆薬のエネルギーが被処理物に均等に付与される。
具体的には、前記充填物が気体の場合は、この気体中を前記外側容器の破片が飛翔して前記弾殻に衝突し、前記各爆破用爆薬と前記弾殻との距離と前記爆破用爆薬の爆発エネルギーにより生成される前記外側容器の破片の速度とに基づいて前記起爆タイミングを設定し、前記充填物が液体あるいは固体の場合は、前記破片は飛翔せず衝撃波のみが弾殻に衝突する、あるいは、前記破片よりも衝撃波の方が先に弾殻に衝突することが分かっている。従って、前記起爆タイミング設定工程において、前記充填物が気体であるかどうかを判定する工程と、前記充填物が気体と判定された場合に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記弾殻との距離と前記爆破用爆薬の爆発エネルギーにより生成される前記外側容器の破片の速度とに基づいて前記起爆タイミングを設定する工程と、前記充填物が液体あるいは固体と判定された場合に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記弾殻との距離と前記爆破用爆薬の爆発により生じた衝撃波が前記充填物中を伝播する速度とに基づいて前記起爆タイミングを設定する工程と、が実施されれば、より確実に各爆破用爆薬のエネルギーが被処理物に均等に付与される(請求項12)。
ここで、前記被処理物が前記内側容器の内側に収容された状態で前記外側容器の内側に収容されている場合には、まず各爆破用爆薬の爆発に伴い生成された外側容器の破片または衝撃波が前記内側容器に衝突し、その後、この外側容器の破片または衝撃波に加えて前記内側容器との衝突により生成された内側容器の破片または衝撃波が前記弾殻に衝突する。従って、前記弾殻を含む前記被処理物にその周囲から各爆破用爆薬の爆発エネルギーすなわち各容器の破片、衝撃波をより均等に付与するためには、まず、前記外側容器の破片または衝撃波を前記内側容器に均等に付与する必要がある。そこで、このように、被処理物が内側容器の内側に収容されている場合には、爆破工程の前に実施される起爆タイミング設定工程として、前記各爆破用爆薬と前記内側容器との距離および前記外側容器と前記内側容器との間に充填されている充填物の種類とに基づいて、前記複数の爆破用爆薬の起爆タイミングを設定する工程が実施されるのが好ましい(請求項13)。そして、前記起爆タイミング設定工程において、前記充填物が気体であるかどうかを判定する工程と、前記充填物が気体と判定された場合に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記内側容器との距離と前記爆破用爆薬の爆発エネルギーにより生成される前記外側容器の破片の速度とに基づいて前記起爆タイミングを設定する工程と、前記充填物が液体あるいは固体と判定された場合に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記内側容器との距離と前記爆破用爆薬の爆発により生じた衝撃波が前記充填物中を伝播する速度とに基づいて前記起爆タイミングを設定する工程と、が実施されるのが好ましい(請求項14)。
また、本発明は、前記被処理物を爆破処理するための複数の爆破用爆薬と、前記外側容器と前記爆破用爆薬とを内側に収容した状態で密閉可能なチャンバと、前記爆破用爆薬をそれぞれ起爆するための起爆手段とを備え、前記複数の爆破用爆薬は、前記外側容器の外側面上となる位置に、各爆破用爆薬が前記外側容器の中心軸を囲む方向に互いに離間した位置でそれぞれ当該外側容器の中心軸と略平行に延びるように配置され、前記起爆手段は、前記各爆破用爆薬を、各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより各爆破用爆薬の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器の破片が前記複数の爆破用爆薬が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻に衝突するような起爆タイミングで、それぞれ起爆させることを特徴とする爆破処理装置を含む(請求項15)。
この装置によれば、各爆破用爆薬の爆発に伴い前記弾殻の軸を囲む方向の複数の位置で生成された前記外側容器の破片あるいは衝撃波が当該弾殻にほぼ同時に衝突して、前記被処理物にその周囲から各爆破用爆薬の爆発エネルギーがより均等に付与されるので、前記弾殻の破片が外側に飛散するのが抑制されるとともに、各爆破用爆薬の爆発エネルギーが効果的に被処理物に集中して当該被処理物がより確実に処理される。特に、この爆破用爆薬の爆発エネルギーが集中することで、前記化学剤およびその周囲がより確実に超高圧とされるため、この化学剤をより確実に分解処理することができる。また、前記爆破処理が前記密閉可能なチャンバ内で行われるため、前記化学剤が外部に拡散するのがより確実に抑制される。
この装置において、所定の方向に延びる金属板と当該金属板に沿って延びて当該金属板を衝突させて所定の方向に超高圧状態の金属噴流を発生させるための爆薬とが一体に成形された成形爆薬を備え、前記成形爆薬は、前記外側容器の外側となる位置であって、前記起爆装置によって起爆されることで前記外側容器を切断可能な位置に、前記外側容器の軸と略平行に延び、かつ、前記金属噴流が当該外側容器の軸に向かって発生する姿勢で配置されるのが好ましい(請求項16)。
この構成によれば、前記成形爆薬により前記外側容器および前記弾殻が切断されることで、前記弾殻の内側に収容された爆薬および化学剤が比較的容易に露呈するため、この露呈した化学剤等に前記爆破用爆薬の爆発エネルギーが効率よく付与されてこの化学剤等がより確実に処理される。
また、前記装置において、前記起爆手段は、前記各爆破用爆薬にそれぞれ接続されて爆発することで当該各爆破用爆薬をそれぞれ起爆する導爆線と、当該各導爆線に共通して接続されてこれら導爆線を起爆させるための起爆装置とを備え、前記各導爆線の前記起爆装置と前記各爆破用爆薬との間の長さ寸法は、当該各導爆線が前記各爆破用爆薬を当該各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより各爆破用爆薬の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器の破片または衝撃波が前記複数の爆破用爆薬が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻に衝突するような起爆タイミングで起爆させる長さ寸法に設定されているのが好ましい(請求項17)。
この構成によれば、爆破用爆薬の起爆タイミングに合わせて長さが調整された導爆線を前記各起爆用爆薬に接続するとともにこれら導爆線を共通の起爆装置に接続するという簡単な手順で、起爆装置の数を少なく抑えつつ各爆破用爆薬をその爆発エネルギーが被処理物により均等に付与されるタイミングで起爆させることができる。
以上のように、本発明によれば、外側容器に収容された被処理物をより安全にかつより確実に処理することができる。
本発明に係る爆破処理方法により爆破処理される被処理物が内側容器および外側容器に収容された状態を示す縦断面図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の実施形態に係る爆破処理装置の縦断面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図4の一部を拡大して示す図である。 被処理物に導爆線を配索した状態を示す側面図である。 成形爆薬の作用を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る爆破処理装置に用いられる索状爆発体の断面図である。 本発明の実施形態に係る爆破処理装置に用いられる成形爆薬の斜視図である。 爆破用爆発体の起爆タイミングを設定する手順を示したフローチャートである。 実施例2に係る被処理物に各爆薬が配置された状態を示す横断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る爆破処理方法の実施形態について説明する。図1は、本爆破処理方法により爆破処理される被処理物である化学弾10の一例であってこの化学弾10が内側容器40および外側容器60内に収容された状態を示した縦断面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。
前記化学弾10は、所定の方向に延びる中空の弾殻11と、この弾殻11の内側に収容された鋼製の炸薬筒13aと炸薬13と、この弾殻11の内側に収容された有害物質である化学剤12と、弾殻11の長手方向前端に固定された信管15とを有する。前記弾殻11は、所定の方向に延びる軸C1を中心軸とする円筒状の外周面をもつ中空状を有する。図1に示す例では、この弾殻11の外周面は、その前端からその長手方向略中央部分まで後方に向かうに従って径方向外側に広がり、その後、後端まで中心軸C1と平行に延びる。前記炸薬13は、前記中心軸C1に沿って延びる姿勢で前記弾殻11の内側に収容されている。前記化学剤12は、前記弾殻11の内側面と鋼製炸薬筒13aとの間に充填されており、鋼製炸薬筒13aと炸薬13を囲んでいる。
前記化学剤12は人体等に悪影響をおよぼす可能性が高い。そのため、この化学剤12の外部への漏洩を防止するために、前記化学弾10は外側容器60内に密閉された状態で収容されている。特に、図1に示す例では、この化学剤12の漏洩をより確実に防止するべく、化学弾10は内側容器40内に密閉された状態で収容されており、この内側容器40が外側容器60内に密閉された状態で収容されている。
前記内側容器40は、その中心軸C1周りに延びる円筒状の外周面をもつ中空状を有する。前記化学弾10は、その中心軸C1がこの内側容器40の中心軸に沿って延びる姿勢、すなわち、内側容器40と同軸となる姿勢で収容されている。図1に示す例では、前記化学弾10は、その外側がポリエチレンシート等のクッション材42で覆われた状態で内側容器40内に収容されている。また、この例では、内側容器40の外側であってその軸方向の互いに離間した位置に3つのフランジ62が付いている。
前記外側容器60は、中心軸C2周りに延びる円筒状の外周面をもつ中空状を有する。前記化学弾10を収容した内側容器40は、その中心軸C1と外側容器60の中心軸C2とが平行に延びる姿勢で前記外側容器60の内側に収容されている。図1に示す例では、前記内側容器40は、外側容器60の内側面との間に空気が存在する状態で外側容器60内に収容されている。また、内側容器40は、内側容器40および外側容器60が各中心軸C1,C2が鉛直方向に延びる姿勢とされた状態で、これら中心軸C1,C2が様々な位置で外側容器60内に収容されている。なお、図1では、これら中心軸C1,C2が同一直線状にある例を示している。以下、化学弾10、内側容器40および外側容器60が各中心軸C1,C2が鉛直方向に延びる姿勢にあることを縦置きといい、化学弾10、内側容器40および外側容器60が各中心軸C1,C2が水平方向に延びる姿勢であることを横置きという場合がある。
次に、本爆破処理方法にて使用する爆破処理装置1の構成について説明する。図3は、後述する実施例1に対応した爆破処理装置1を示した概略縦断面図である。図4は、図3のIV−IV線断面図である。図5は、図3のIV−IV線で切った面から見た図である。この爆破処理装置1は、成形爆薬70と、複数の爆破用爆発体20と、複数の索状爆発体30と、複数本の導爆線50と、電気雷管(起爆装置)54と、チャンバ90とを有する。
前記各爆破用爆発体20は、爆轟して前記化学弾10を爆破するための爆破用爆薬がそれぞれ所定の方向に延びる形状に成形されたものである。例えば、これら爆破用爆発体20は、所定の方向に延びる袋体の内側に、流動性を有する爆破用爆薬が流し込まれることで成形されている。本実施形態では、各爆破用爆発体20は、円柱状を有する。
前記各爆破用爆発体20は、後述する爆破用爆薬配置工程において、前記外側容器60の外周面上の周方向に互いに離間した位置に、この外側容器60の中心軸C2と平行な方向に延びる姿勢で配置される。これら爆破用爆発体20は、後述する爆破工程において、外側容器60の外周面上で爆轟して前記化学弾10にその周囲から爆轟エネルギーを付与することで外側容器60および内側容器40とともに化学弾10を爆破する。
前記爆破用爆薬は、後述する起爆用爆薬34よりも爆速の小さいものであればどのような爆薬でもよいが、粉体や流動体のように流動性を有するもの、例えば、スラリー爆薬やエマルジョン爆薬を用いるのがよい。エマルジョン爆薬やスラリー爆薬の爆速は5km/s程度である。特にエマルジョン爆薬は比較的安価で性能もよいので、このエマルジョン爆薬を用いれば爆破処理全体のコストを低減することができる。
前記各成形爆薬70は、前記外側容器60、内側容器40、および弾殻11を切断して弾殻11の内側を露呈させるためのものである。前記成形爆薬70は、図9に示すように、略V型の断面を有し所定の方向に延びる金属ライナー(金属板)72と、この金属ライナー72の突出する側の側面に沿って設けられた炸薬(爆薬)71とを有する。前記金属ライナー72は例えば銅等からなり、前記炸薬71は例えばコンポジションB等からなる。この成形爆薬70は、前記炸薬71が起爆すると、その爆発エネルギーによって前記金属ライナー72同士が衝突して、この金属ライナー72側の前方に高速の金属噴流(メタルジェット)を発生させる。
前記各成形爆薬70は、後述する爆破用爆薬配置工程において、前記外側容器60の外周面上に、この外側容器60の中心軸C2と平行な方向に延びるとともに、金属ライナー72側が外側容器60側を向くように配置される。これら成形爆薬70は、後述する爆破工程で外側容器60の外周面上で爆轟してメタルジェットを発生させ、このメタルジェットにより前記内側容器40、外側容器60および弾殻11を切断する。本実施形態では、複数の成形爆薬70が用いられ、各成形爆薬70は、外側容器60の周方向に互いに離間した位置に配置される。
前記各索状爆発体30は、前記各爆破用爆発体20をそれぞれ起爆するためのものである。この索状爆発体30は、その爆轟エネルギーにより各爆破用爆発体20に含まれる爆破用爆薬20を起爆可能な起爆用爆薬34を含む。この索状爆発体30は、例えば、図8に示すように、一方向に延びるプラスティック等からなる外筒32と、この外筒32の内側に収容されたPETNからなる起爆用爆薬34とを備えたひも状の爆発体からなる。ここで、この起爆用爆薬34の爆速は6km/s程度であり、前記爆破用爆薬20として使用されるエマルジョン爆薬の爆速に比べて十分に大きい。
前記各導爆線50は、前記各索状爆発体30および成形爆薬70を起爆させるためのものである。これら導爆線50は、その爆轟エネルギーにより各索状爆発体30および成形爆薬70を起爆可能な爆薬を含む。本実施形態では、導爆線50として、前記索状爆発体30と同様のもの、すなわち、外筒32の内側に収容されたPETNからなる起爆用爆薬34とを備えたひも状の爆発体が用いられる。
前記電気雷管54は、前記各導爆線50を起爆するためのものである。前述のように、これら導爆線50が起爆すると、その爆轟エネルギーを受けて前記成形爆薬70および前記各索状爆発体30ひいては各爆破用爆薬20が起爆する。本実施形態では、1つの電気雷管54で複数の索状爆発体30を起爆する。
前記チャンバ90は、その内側で化学弾10を前記外側容器60および内側容器40ごと爆破するためのものである。このチャンバ90は、外側に開口するチャンバ本体90bとこのチャンバ本体90bの開口部分を開閉可能に覆うチャンバ蓋部90aとを有している。このチャンバ90は、チャンバ蓋部90aが閉じられることによりその内部が密閉される。このチャンバ90は、鋼等により形成された防爆構造を有し、化学弾10の爆破時に発生する爆圧に耐えられるように、また、密閉状態において爆破時に発生する有害物質等が外部に漏れないように、堅固に構成されている。
本実施形態では、後述する収容工程において、化学弾10および内側容器40を収容した外側容器60は、横置き状態すなわち化学弾10、内側容器40の中心軸C1および外側容器60の中心軸C2が水平方向に延びる姿勢でチャンバ90内に収容されて、この姿勢で爆破される。
ここで、前述のように、前記各爆破用爆発体20は前記外側容器60の外周面上に配置され、この配置に伴い各爆破用爆発体20と外側容器60の中心軸C2との距離は同一となる。そのため、前記外側容器60の中心軸C2と化学弾10の中心軸C1とが同一直線上にある場合は、前記化学弾10の外周面と各爆破用爆薬20との距離は同一となる。従って、この場合は、これら爆破用爆発体20を単に同時に起爆させるだけで、化学弾10にその周囲から複数の爆破用爆薬20の爆轟エネルギーを均一に付与して効率よく化学弾10を処理することができる。
しかしながら、前記外側容器60の中心軸C2と化学弾10の中心軸C1とが同一直線上になく、これら中心軸C1,C2と直交する方向にずれている場合には、化学弾10と各爆破用爆発体20との距離が不均一となる結果、これら爆破用爆発体20を単に同時に起爆させただけでは、化学弾10に各爆破用爆発体20の爆轟エネルギーを均一に付与することができない。
例えば、図1等に示した前記例のように前記外側容器60と前記内側容器40との間に空気が存在している場合には、図3等に示すように、縦置き状態において外側容器60と化学弾10の各中心軸C1,C2とが一致していても、前記外側容器60が前記チャンバ90内に収容される際に縦置き状態から横置き状態とされると化学弾10および内側容器40がその自重により下方に移動して化学弾10の中心軸C1が外側容器60の中心軸C2よりも下方にずれる。また、前記化学弾10が外側容器60内にその中心軸C1が外側容器60の中心軸C2とずれた状態で予め収容されている場合がある。
本爆破処理方法は、このように前記化学弾10の中心軸C1と外側容器60の中心軸C2とがこれら中心軸と直交する方向にずれている場合においてこの化学弾10を処理するための方法である。なお、ここでは、前記のように内側容器40と化学弾10との間にクッション材42が充填されており、このクッション材42が変形せずに化学弾10はその姿勢によらず内側容器40と同軸に維持される場合について説明する。
前記爆破処理方法は、次の各工程を含む。
1)X線観察工程
この工程は、前記化学弾10および内側容器40が収容された前記外側容器60の断面をX線を用いて観察する工程である。
この工程では、まず、前記化学弾10等が収容された前記外側容器60を、前記横置きの姿勢とする。次に、この外側容器60にX線を照射して、この横置きの姿勢における外側容器60内の断面画像すなわち外側容器60の中心軸C2と直交する断面の画像を撮影する。
2)爆薬位置決定工程
この工程は、前記外側容器60内のX線断面画像に基づき、前記爆破用爆薬20および成形爆薬70の配置を決定する工程である。
この工程では、前記複数の成形爆薬70および爆破用爆発体20が外側容器60の外周面上に周方向に互いに等間隔となるように、かつ、前記成形爆薬70が前記外側容器60の中心軸C2よりも化学弾10の中心軸C1により近い位置となるように、これら爆薬の配置を決定する。本実施形態では、成形爆薬70の1つが化学弾10に最も近接するように前記配置を決定する。
例えば、後述する実施例1のように、内側容器40と化学弾10の中心軸C1が外側容器60の中心軸C2よりも鉛直方向下方においてこの中心軸C2と平行に延びており、内側容器40の周囲に配置された前記フランジ62の下端部が外側容器60の内周面の下端部と当接している外側容器60に対して、12個の爆破用爆発体20と3つの成形爆薬70とを用いる場合には、図4に示すように、外側容器60の外周面を周方向に15等分した位置P1〜P15が各爆薬の配置位置に決定するとともに、外側容器60の下端部と対応する位置P8を1つの成形爆薬70の配置位置とし、残りの2つの成形爆薬70の配置位置を各成形爆薬70間にそれぞれ1つの爆破用爆発体20が配置される位置P6,P10とし、その他の位置P1〜P5,P7,P9,P11〜P15を爆破用爆発体20の配置位置に決定する。
なお、前記X線観察工程において、外側容器60を縦置きの姿勢としてこの縦置きの姿勢の外側容器60の断面を撮影してもよい。この場合には、爆破処理される際の姿勢(本実施形態では横置き姿勢)における外側容器60の断面を外側容器60内の充填物、収容物等に応じて推測し、この推測した断面に基づき前記爆薬位置決定工程において前記爆破用爆薬20および成形爆薬70の配置を決定すればよい。
3)爆破用爆薬の起爆タイミング設定工程
この工程は、前記複数の爆破用爆発体20に含まれる爆破用爆薬の起爆タイミングを設定する工程である。
この工程では、前記各爆破用爆発体20が、その爆発エネルギーが前記内側容器40ひいては化学弾10にこれらの周囲から均一に付与されるタイミングで、起爆されるように、各爆破用爆発体20の起爆タイミングを算出する。より詳細には、外側容器60の中心軸C2と直交する断面において内側容器40ひいては化学弾10にその周囲から各爆破用爆薬20の爆発エネルギーが前記内側容器40ひいては化学弾10に均一に付与される起爆タイミングを算出する。
この起爆タイミングの算出手順を図10のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS1にて、前記X線観察工程で得られた外側容器60内のX線断面画像に基づき、起爆タイミングの算出に用いる、前記爆薬位置決定工程で決定された各爆破用爆発体20と前記内側容器40との距離を測定する。本実施形態では、より正確に起爆タイミングを算出するべく、前記爆薬位置決定工程で決定された各爆破用爆発体20の配置位置における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離を測定する。具体的には、各爆破用爆発体20が各配置位置に配置された際にこれら爆破用爆発体20が外側容器60の外周面と接する各位置と前記外側容器60の中心軸C2とをそれぞれ結んだ線のうち前記外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との間の部分の距離を測定する。
図4に示すように前記実施例1の場合では、各爆破用爆発体20の配置位置P1〜P5,P7,P9,P11〜P15における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離であって、図5のd1〜d5,d7で示される距離を測定する。ここで、この例では、位置P1〜P5、P7と位置P9、P11〜P15の各位置は内側容器40および外側容器80の中心軸C1,C2を通る鉛直線に対して左右対称に配置されており、位置P1〜P5,P7についてのみ、外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離d1〜d5,d7を測定する。
次に、ステップS2〜ステップS6で、前記測定された各爆破用爆発体20の配置位置における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離と、爆破用爆発体20の爆轟エネルギーの伝播速度とに基づき、これら爆轟エネルギーが内側容器40に付与される時間を算出する。
ここで、前記外側容器80と内側容器40との間に充填されている充填物が気体の場合は、前記爆破用爆発体20の爆発により外側容器60が破壊されてこの外側容器60の破片が前記内側容器40および化学弾10側に飛翔してこれらに衝突する。すなわち、この破片の衝突に伴い爆破用爆発体20の爆轟エネルギーが内側容器40および化学弾10に付与される。一方、前記充填物が液体あるいは固体の場合は、前記外側容器60の破片は飛翔せず、前記爆破用爆発体20の爆発により発生した衝撃波のみが充填物中を伝播して内側容器40および化学弾10に衝突し、この衝撃波の伝播に伴い爆破用爆発体20の爆轟エネルギーが内側容器40および化学弾10に付与される。
そこで、まず、ステップS2にて、外側容器60と内側容器40との間に充填されている充填物が気体であるかどうかを判定する。この判定は、外側容器60内のX線断面画像および作業記録等に基づいて行われる。
前記ステップS2で前記充填物が気体であると判定された場合には、ステップS3に進む。ステップS3では、爆破用爆発体20に含まれる爆破用爆薬の種類および外側容器60の厚みに基づき、この爆破用爆薬の爆轟により生成される外側容器60の破片の移動速度を算出する。具体的には、実験または数値解析等により外側容器60の厚みおよび爆破用爆薬の種類に応じた前記破片の移動速度が予め測定されており、この測定結果に基づいて前記破片の移動速度を決定する。例えば、前記爆破用爆薬がエマルジョン爆薬であって外側容器60の厚みが3.4mmの場合は、前記破片の移動速度は2km/s程度である。
ステップS3で破片の移動速度が算出された後は、ステップS4に進む。ステップS4では、前記破片の移動速度と、前記ステップS1で測定された各爆破用爆発体20の配置位置における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離とに基づき、各爆破用爆発体20が起爆されてからこれら爆破用爆発体20の爆轟により生成された外側容器60の破片が内側容器40の外周面に衝突するまでの時間を算出する。具体的には、この衝突時間は衝突時間=前記測定された爆破用爆発体20の配置位置における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離/破片の移動速度で算出される。ステップS4の後はステップS7に進む。
一方、前記ステップS2で前記充填物が液体あるいは固体であると判定された場合には、ステップS5に進む。ステップS5では、爆破用爆発体20に含まれる爆破用爆薬の種類と外側容器60の厚みと外側容器60と内側容器40との間の充填物の種類とに基づき、この爆破用爆薬の爆轟により生成される衝撃波の前記充填物中の伝播速度を算出する。具体的には、実験または数値解析等により外側容器60の厚み、爆破用爆薬の種類および前記充填物に応じた衝撃波の伝播速度が予め測定されており、この測定結果に基づいて前記衝撃波の伝播速度を決定する。例えば、前記爆破用爆薬がエマルジョン爆薬であって外側容器60の厚みが3.4mm、かつ、前記充填物が水の場合は、前記衝撃波の伝播速度は5km/s程度である。
ステップS5で衝撃波の伝播速度が算出された後は、ステップS6に進む。ステップS6では、前記衝撃波の伝播速度と、前記ステップS1で測定された各爆破用爆発体20の配置位置における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離とに基づき、各爆破用爆発体20が起爆されてからこれら爆破用爆発体20の爆轟により生成された衝撃波が内側容器40の外周面に衝突する時間を算出する。具体的には、この衝突時間は衝突時間=前記測定された爆破用爆発体20の配置位置における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離/衝撃波の伝播速度で算出される。ステップS6の後はステップS7に進む。
ステップS7では、ステップS4あるいはステップS6で算出された外側容器60の破片あるいは衝撃波の内側容器40の外周面への衝突時間に基づいて各爆破用爆発体20に含まれる爆破用爆薬の起爆タイミングを設定する。このステップS7では、各爆破用爆発体20の起爆タイミングの差が、前記外側容器60の破片あるいは衝撃波の内側容器40の外周面に衝突する衝突時間の差とほぼ一致するように、各爆破用爆発体20の起爆タイミングを設定する。すなわち、前記衝突時間の最も長い爆破用爆発体20の起爆タイミングを基準時刻t0として、その他の爆破用爆発体20の起爆タイミングは、前記基準時刻t0にその前記衝突時間と前記最も長い衝突時間との差を足した時刻とほぼ一致する時刻に設定される。
ここで、ステップS7の後、予め構築した爆破用爆薬の爆轟に伴う内側容器40および化学弾10の周囲の圧力を演算可能な数値シミュレーションを用いて、ステップS7で設定した起爆タイミングが適切であるかどうかを確認するのが好ましい。具体的には、この数値シミュレーションを用いて、ステップS7で算出した起爆タイミングで各爆破用爆発体20の爆破用爆薬を起爆させた際の各時刻における内側容器40および化学弾10の周囲の圧力を算出し、各時刻における内側容器40および化学弾10の周囲の圧力が周方向に均等となるかどうかを検証する。そして、この圧力が均等でない場合には、この数値シミュレーションの結果に基づきステップS7で算出した起爆タイミングを補正するのが好ましい。
4)成形爆薬の起爆タイミング設定工程
この工程は、前記各成形爆薬70の起爆タイミングを設定する工程である。
この工程では、前記複数の成形爆薬70の起爆タイミングを全て、これら成形爆薬70に隣接する爆破用爆発体20の起爆タイミングよりも早いタイミングであって、爆破用爆発体20の爆轟エネルギーが成形爆薬70のメタルジェットの生成および威力に悪影響がでない程度のタイミングに設定する。
5)爆薬配置工程
5−1)成形爆薬配置工程
この工程は、前記成形爆薬70を前記爆薬配置決定工程で決定された外側容器60の外周面上の位置に、外側容器60の中心軸C2と平行な方向に延びる姿勢で配置する工程である。すなわち、前記図4に示す例では、位置P6、P8、10に各成形爆薬70が配置される。このとき、各成形爆薬80は、その金属ライナー72側が前記外側容器60側を向くように、かつ、各金属ライナー72のV字の頂点と外側容器60とが所定量離間するように固定される。前記メタルジェットは前記金属ライナー72から所定量離間した位置で特に集中するので、このように金属ライナー72と外側容器60とを所定量離間させておけば、メタルジェットを効果的に外側容器60に加えることができる。
5−2)爆破用爆薬配置工程
この工程では、前記爆破用爆発体20が前記爆薬配置決定工程で決定された外側容器60の外周面上の位置に、外側容器60の中心軸C2と平行な方向に延びる姿勢で配置される。すなわち、前記図4等に示す例では、位置P1〜P5,P7,P9,P11〜P15に爆破用爆発体20が配置される。
ここで、図3に示す例では、前記爆破用爆発体20および成形爆薬70は、前記外側容器60の外周面のうち前記内側容器40を囲む部分にその全体にわたって配置されているが、これら爆破用爆発体20および成形爆薬70は外側容器60の軸方向全体にわたって配置されてもよい。また、この爆破用爆薬配置工程は、前記成形爆薬配置工程の前に行なってもよい。
5−3)索状爆発体配置工程
この工程は、前記各爆破用爆発体20にそれぞれ前記索状爆発体30を配索する工程である。
この工程では、前記各索状爆発体30を、前記爆破用爆発体20の外周面上であって前記外側容器60と反対側の部分に前記外側容器60の中心軸C2と平行に配索する。本実施形態では、各索状爆発体30を爆破用爆発体20の長手方向全体にわたって配索する。
5−4)導爆線配置工程
この工程は、前記各爆破用爆発体20にそれぞれ配索された前記各索状爆発体30および前記成形爆薬70に導爆線50を接続する工程である。
この工程では、予め準備しておいた長尺なひも状の導爆線を、所定の長さに切断して複数本の導爆線50を形成する。このとき、各導爆線50の長さの差が、接続される成形爆薬70および接続される前記索状爆発体30により起爆される前記爆破用爆発体20の起爆タイミングの差と、この導爆線50に含まれる前記PETNからなる起爆用爆薬34の爆速との積と、一致するようにする。そして、各導爆線50の一端を前記索状爆発体30の長手方向一端および成形爆薬70の長手方向一端に接続して、各導爆線50の他端をまとめて共通の電気雷管54に接続する。
ここで、前述のように、導爆線50と索状爆発体30とは同一の構成を有する爆発体である。従って、前記爆破用爆発体20に配索される索状爆発体30とこの索状爆発体30に接続される導爆線50とは、一本の導爆線50(索状爆発体30)により構成されてもよい。
6)収容工程
この工程は、前記化学弾10および内側容器40が収容された外側容器60を前記チャンバ90内に収容する工程である。
この工程では、図3に示すように、前記外側容器60を、その周囲に前記成形爆薬70、前記爆破用爆薬20および前記索状爆発体30が配置された状態で、チャンバ90の上部よりその中心部に吊下げる。このとき、前述のように、外側容器60は、その中心軸C2が水平方向に延びる横置き状態で設置される。
この収容工程は、前記爆破用爆薬配置工程の前あるいは前記成形爆薬配置工程および前記爆破用爆薬配置工程の前に行なってもよい。すなわち、前記チャンバ90内に前記外側容器60を収容した状態で、前記成形爆薬配置工程や前記爆破用爆薬配置工程を行なってもよい。
7)爆破工程
この工程は、前記成形爆薬70を起爆させてこれら成形爆薬70により前記外側容器60および前記内側容器40を切断して前記化学弾10を露呈させつつ、前記爆破用爆発体20の爆破用爆薬を起爆させてこの爆破用爆薬の爆轟エネルギーにより、前記露呈した化学弾10を爆破処理する工程である。
まず、前記電気雷管54から延びる発破母線56を図示しない発破器に接続する。
次に、前記発破器を操作して、前記電気雷管54により前記各導爆線50に含まれる起爆用爆薬34を全て同時に起爆する。
前述のように、各導爆線50の各長の差は、各索状爆発体30により起爆される爆破用爆発体20および成形爆薬70についてそれぞれ設定された前記起爆タイミングの差と前記起爆用爆薬34の爆速との積と一致している。従って、各導爆線50の起爆用爆薬34の爆轟エネルギーは、それぞれ、索状爆発体30および成形爆薬70に前記起爆タイミングの差だけずれたタイミングで伝播し、索状爆発体30および成形爆薬70はそれぞれ前記設定された起爆タイミングの差だけずれたタイミングで起爆する。
前記索状爆発体30が起爆すると、この索状爆発体30の爆轟エネルギーを受けて前記爆破用爆発体20が起爆する。この索状爆発体30と爆破用爆発体20の起爆タイミングはほぼ同時であり、各爆破用爆発体20は前記設定された起爆タイミングで起爆する。前記索状爆発体30は、前記電気雷管54側の端部から外側容器60の中心軸C2と平行な方向に沿って他方の端部に向かって順次爆轟し、これに応じて各爆破用爆発体20はこの方向に沿って順次起爆する。
各爆破用爆発体20が起爆すると、その爆轟エネルギーにより、各爆破用爆薬20近傍において、前記外側容器60が破壊されて外側容器60の破片が生成される、あるいは、この爆破用爆薬20の近傍において衝撃波が生成されて外側容器60に伝播する。この外側容器60の破片あるいは外側容器60に伝播した衝撃波は、前記内側容器40に向かって飛翔あるいは媒体中を伝播し、内側容器40の外周面に衝突または伝播する。この衝突により内側容器40周辺に衝撃波が発生し、超高圧状態が生成するとともに内側容器40も破壊され、前記外側容器60の破片あるいは外側容器60側から伝播した衝撃波とこの内側容器40周辺に生成した衝撃波と内側容器40の破片とが化学弾10の外周面に衝突する。そして、この衝突により化学弾10の弾殻11に衝撃波が伝播し、弾殻11の周囲が超高圧状態となり、化学弾10に含まれる前記炸薬11が爆発しつつ前記化学剤12が超高圧下で分解処理される。
前述のように、各爆破用爆発体20の起爆タイミングの差は、各爆破用爆発体20近傍で生成された前記外側容器60の破片あるいは衝撃波が内側容器40の外周面に衝突または伝播する衝突時間の差とほぼ一致するよう設定されている。そのため、各爆破用爆発体20はそれぞれ設定された前記起爆タイミングで順次起爆するが、前記外側容器60の破片あるいは衝撃波は前記内側容器40ひいては前記化学弾10にそれぞれその周囲からほぼ同時に衝突する。すなわち、内側容器40および化学弾10に前記爆破用爆発体20の爆轟エネルギーが集中する。その結果、内側容器40および化学弾10の周囲は超高圧となり、この超高圧場に晒されることで前記化学剤12が効率よく分解処理される。
また、前記爆破用爆発体20は、その外周面上であって外側容器60の反対側に配索された索状爆発体30の爆轟エネルギーを受けて起爆するよう配置されている。そのため、爆破用爆発体20の起爆時においてこの爆破用爆発体20の外側容器60の反対側には起爆用爆薬34の爆轟によって高温超高圧場が形成されている。従って、爆破用爆発体20の爆轟に伴い生成された前記衝撃波は、外側容器60向きとなり、外側容器の破片または衝撃波は効率よく内側容器40に衝突または伝播する。
一方、前記起爆した成形爆薬70は爆轟伝播により前記金属ライナー72同士が衝突していく。衝突した金属ライナー72は高速のメタルジェットを形成し、図7に示すように、前記外側容器60、内側容器40および弾殻11の外周面を切断していく。これらの外周面が切断されると、前記化学弾10内の化学剤12が露呈する。
ここで、成形爆薬70の起爆タイミングは隣接する爆破用爆発体20の起爆タイミングよりも早く、爆破用爆発体20の爆轟エネルギーが成形爆薬70のジェット生成、威力に悪影響がでない程度のタイミングに設定されている。従って、前記メタルジェットにより切断される外側容器60、内側容器40および弾殻11の切断部がこの切断前に爆破用爆発体20の爆轟エネルギーを受けて変形することはなく、メタルジェットにより外側容器60等は適切に切断される。また、前記爆破用爆薬20の爆轟により生成された高温の爆破生成ガスと前記露呈した化学剤12の反応により効率よく分解処理される。
このようにして、本工程では、化学弾10、化学剤12、さらには化学剤12に汚染されている可能性の高い内側容器40および外側容器60が効率よく爆破用爆薬20の爆轟エネルギーによって分解処理され、無害化されていく。
以上のように、本爆破処理方法では、前記爆破用爆発体20の爆轟に伴い各爆破用爆発体20の近傍で生成された外側容器60の破片あるいは衝撃波が内側容器40ひいては弾殻11にそれぞれほぼ同時に衝突する。従って、前記弾殻11の破片が外側に飛散するのが抑制されつつ、各爆破用爆発体20の爆発エネルギーが効果的に内側容器40に集中して内側容器40ひいては化学弾10がより確実に処理される。特に、爆破用爆発体20の爆発エネルギーが集中することで前記化学剤13の周囲が超高圧となるため、この化学剤13がより確実に分解処理される。
ここで、前記起爆用爆薬34を含む索状爆発体30は省略してもよい。この場合には、前記電気雷管54と前記爆破用爆薬20とを導爆線50を介して接続すればよい。ただし、本実施形態のように前記爆破用爆薬20の外側に爆速の大きな起爆用爆薬34を配置し、この起爆用爆薬34によって爆破用爆薬20を起爆させれば、爆破用爆薬20の爆轟ベクトルを内向きとすることができ、前記外側容器60および化学弾10の弾殻11の破片や化学剤12の外側への飛散を抑制してチャンバ90の損傷を小さく維持しつつ、化学弾10および外側容器60により大きな爆轟エネルギーを加えることができる。すなわち、化学弾10等をより確実に無害化することができる。
また、前記起爆用爆薬34の具体的な構造は前記に限らない。例えば、前記索状爆発体30の代わりにシート状に成形された起爆用爆薬34を前記爆破用爆発体20の外側に巻きつけてもよい。さらに、索状爆発体30とSEP爆薬とを合わせて爆破用爆発体20の外側に配置してもよい。ただし、前記起爆用爆薬34を含み一方向に延びる形状を有する索状爆発体30を用いれば、この索状爆発体30を爆破用爆薬20の外側に配索するという簡単な方法で、前記起爆用爆薬34を爆破用爆薬20の周囲に容易に配置することが可能になり、爆破処理を効率よく行うことができる。
また、前記成形爆薬70は省略可能である。ただし、この成形爆薬70を前記外側容器60の外周面上に配置して前記メタルジェットにより外側容器60、内側容器および弾殻を切断して前記弾殻の内側を露呈させれば、各爆破用爆薬の爆発エネルギーを弾殻の内側に配置された化学剤12と効率よく反応させることができる。
また、前記成形爆薬70の位置は、外側容器60の外側であれば前記位置に限らない。ただし、成形爆薬70を前記のように内側容器40によい近い位置に配置すれば、前記メタルジェットを内側容器40および前記弾殻11により効率よく付与することができる。
また、前記成形爆薬70の起爆タイミングは、隣接する爆破用爆発体20の起爆タイミングによらず設定してもよい。ただし、成形爆薬70よりも先に隣接する爆破用爆発体20が起爆すると、この爆破用爆発体20の爆轟エネルギーにより成形爆薬70が変形してメタルジェット生成とその威力に悪影響が生ずるとともに、内側容器40および弾殻11が変形して、前記メタルジェットにより適切にこれら内側容器40等を切断できなくなるおそれもある。そのため、前記成形爆薬70の起爆タイミングは、前述のように、隣接する爆破用爆発体20の起爆タイミングよりも早くするのが好ましい。
また、前記爆破用爆発体20の具体的形状は前記に限らず、爆破用爆薬がシート状に成形されたものを用いてもよい。また、爆破用爆発体20の配置は、前記に限らず、外側容器60の外側面上となる位置に、外側容器60の中心軸C2を囲む方向に互いに離間し、かつ、それぞれこの中心軸C2と略平行に延びるように配置されていればよい。例えば、外側容器60の外側面上であって起爆タイミングが同一となる領域全体にわたってシート状の爆破用爆薬を配置して、このシート状の爆破用爆薬が各部位で同一のタイミングで起爆するように複数の導爆線をこの爆破用爆薬に取り付けてもよい。
また、前記内側容器は省略可能である。すなわち、本発明に係る爆破処理方法は、前記外側容器60に化学弾10が直接収容されたものにも適用可能である。この場合には、前記爆破用爆薬の起爆タイミング設定工程において、各爆破用爆発体20と化学弾10との間の充填物の種類および、各爆破用爆発体20の配置位置における外側容器の内周面と内側容器40の外周面との距離に代えて各爆破用爆発体20の配置位置における外側容器の内周面と化学弾10の弾殻11の外周面との距離、すなわち、各爆破用爆発体20が外側容器60の外周面と接する各位置と前記外側容器60の中心軸C2とをそれぞれ結んだ線のうち前記外側容器60の内周面と弾殻11の外周面との間の部分の距離を用いて、前記外側容器60の破片あるいは衝撃波の衝突時間または伝播時間を算出すればよい。
また、本発明に係る爆破処理方法は、前記化学弾10が弾殻11と内側容器40とが同軸でない姿勢で内側容器40内に収容されているものにも適用可能である。
また、前記実施形態では、前記導爆線50の長さを各爆破用爆発体20の起爆タイミングに応じて調整することでこれら爆破用爆発体20の起爆タイミングを調整する場合について説明したが、爆破用爆発体20の起爆タイミングの調整方法はこれに限らない。例えば、前記導爆線50の長さを全て同一にするとともにこれら導爆線50をそれぞれ個別に電気雷管54に接続して、この電気雷管54による導爆線50の起爆タイミングを変更することで、爆破用爆発体20を異なる起爆タイミングで起爆させてもよい。ただし、前記実施形態のように導爆線50の長さにより爆破用爆発体20の起爆タイミングを調整すれば、電気雷管54の数を少なく抑えて構成を簡素化することができるとともに、これら複数の導爆線50を電気雷管54に接続する手間を小さく抑えることができる。
また、本実施形態では、前記導爆線50を前記索状爆発体30の長手方向一端に接続して、この索状爆発体30および爆破用爆発体20の長手方向一端を前記設定した起爆タイミングで起爆させる場合について説明したが、この起爆タイミングで起爆させる爆破用爆発体20の位置はこの長手方向一端に限らない。例えば、成形爆薬がない場合、前記導爆線50を爆破用爆発体20の長手方向中央に接続する等して、各爆破用爆発体20の長手方向中央を前記起爆タイミングで起爆させてもよい。また、各爆破用爆発体20を複数の位置において前記起爆タイミングで起爆させてもよい。また、内側容器20の中心軸C1方向の位置によって、爆破用爆発体20と内側容器20の外周面との距離が異なる場合には、この位置ごとに前記距離に応じた起爆タイミングを設定し、この位置ごとに設定した起爆タイミングで各爆破用爆発体20を起爆させてもよい。
また、本発明は、各爆破用爆発体20を、各爆破用爆発体20の爆発エネルギーにより各爆破用爆発体20の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器60の破片または衝撃波がこれら複数の爆破用爆発体20が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻11に衝突するような起爆タイミングで、それぞれ起爆させることができれば、前記爆破用爆薬の起爆タイミングを設定する方法および起爆方法は前記に限らない。
次に、本爆破処理方法を前記のような弾薬10に適用した実験結果について説明する。
ここでは、図1および図2に示すような形状を有する弾薬10であって化学剤12の代わりにn−DBS(nブチルスルフィド)が充填されたものを用いた。また、この弾薬10がポリエチレンシート42で覆われた状態で内側容器40に収容され、このフランジ62付内側容器40と外側容器60との間に空気が存在する状態で外側容器60に収容されたものを用いた。実施例1では、外側容器60に直径が305mm、長さが1327mm、肉厚が3.4mmの鋼製の容器を用い、内側容器40に直径が175mm、肉厚1.4mmであってその外側に直径216mmのフランジ62が取り付けられた容器を用い、12個の爆破用爆発体20と3つの成形爆薬70とを用いた。実施例2では、外側容器として、直径が248mm、長さが1407mm、肉厚が3.4mmの鋼製の容器を用い、内側容器40として実施例1と同様の容器、すなわち直径が175mm、肉厚1.4mmであってその外側に直径216mmのフランジ62が取り付けられた容器を用い、10個の爆破用爆発体20と3つの成形爆薬70とを用いた。
まず、前記のように弾薬10、内側容器40が収容された外側容器60を横置き状態とし、この外側容器60の断面をX線撮影した。
この撮影により得られた外側容器60内のX線断面画像により、実施例1では、外側容器60が横置きとされた状態で、図3および図4に示すように、内側容器40と化学弾10の中心軸C1が外側容器60の中心軸C2よりも鉛直方向下方にずれてこの中心軸C2と平行に延びるとともに、内側容器40に取り付けられた前記フランジ62の下端部が外側容器60の内周面の下端部と当接していることが判明した。
次に、前記爆破用爆発体20と成形爆薬70の位置を決定した。この実施例1では、前述のように、図4に示す位置P6、P8、P10を成形爆薬70の配置位置に決定するとともに、位置P1〜P5,P7,P9,P11〜P15を爆破用爆発体20の配置位置に決定した。
次に、前記X線断面画像に基づき、各爆破用爆発体20の配置位置と外側容器60の中心軸C1との距離を測定した。そして、この測定結果に基づき各爆破用爆発体20の爆轟エネルギーの内側容器40への衝突時間を算出した。前述のように、前記外側容器60と内側容器40との間は空気である。従って、ここでは、前記測定結果と前記外側容器60の破片速度(2km/s)を用いて前記衝突時間を算出した。また、この衝突時間の差を算出した。
次に、前記衝突時間の差から各爆破用爆発体20の起爆タイミングを決定した。ここでは、位置P1〜P3,P13〜P15の爆破用爆発体20の起爆タイミングをt0として、位置P4、P5,P7、P9、P11、P12の爆破用爆発体20の起爆タイミングをt0+20μsとした。また、各成形爆薬70の起爆タイミングを隣接する爆破用爆発体20の起爆タイミングt0+20μsよりも早いt0+10μsとした。
前記測定あるいは算出した各爆破用爆発体20の配置位置における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離、各爆破用爆発体20の衝突時間、衝突時間の差および起爆タイミングを表1に示す。ここで、表1には、衝突時間の差として、前記各衝突時間のうち最も長い衝突時間との差を示し、起爆タイミングとして最も早い起爆タイミングを0とした値を示している。
Figure 0005291073
そして、前記起爆タイミングに対応した長さの導爆線50を準備し、外側容器60の外周面の各位置に爆破用爆発体20および成形爆薬70を配置するとともに、前記索状爆発体30を爆破用爆発体20に配索し、さらに前記導爆線50をそれぞれ索状爆発体30および成形爆薬70に接続して、これら爆薬等が配置された外側容器60をチャンバ90内に収容した。ここで、この実施例1では、前記外側容器60の外周面のうち、前記内側容器40を囲む部分にのみ爆破用爆発体20および成形爆薬70を配置した。その後、前記導爆線50に電気雷管54を接続して、前記外側容器60を爆破した。
以上のようにして本爆破処理方法を用いて前記外側容器60等を爆破した結果、前記爆破用爆発体20および成形爆薬80が配置された外側容器60の外周部分と、内側容器および弾殻11は破壊されて微細な破片に分解され、前記炸薬およびn−DBSはそれぞれ爆破および分解された。具体的には、チャンバ90内の爆破生成ガスと残渣中のn−DBSの濃度を測定したところ、分解率は99.99995%であることが確認された。
ここで、この実施例1の変形例として前記外側容器60と内側容器40との間が水の場合は、例えば、各爆破用爆発体20の衝突時間、衝突時間の差および起爆タイミングは、衝撃波の伝播速度(5km/s)を用いて表2のように設定される。
Figure 0005291073
まず、前記実施例1と同様に、外側容器60を横置き状態とし、この外側容器60の断面をX線撮影した。
この撮影により得られた外側容器60内のX線断面画像により、実施例2では、外側容器60が横置きとされた状態で、図11に示すように、内側容器40と化学弾10の中心軸C1が外側容器60の中心軸C2よりも鉛直方向下方にずれてこの中心軸C2と平行に延びるとともに、内側容器40に付随した前記フランジ62の下端部が外側容器60の内周面の下端部と当接していることが判明した。
次に、前記爆破用爆発体20と成形爆薬70の位置を決定した。具体的には、図11に示す位置P24、P26、P28を成形爆薬70の配置位置に決定するとともに、位置P20〜P23,P25,P27,P29〜P31を爆破用爆発体20の配置位置に決定し、爆破用爆発体20の配置位置を中心軸C1を通る鉛直線に対して左右対称とした。
次に、前記X線断面画像に基づき、各爆破用爆発体20の配置位置における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離(d20、d21、d22、d23)を測定した。なお、爆破用爆発体20の各位置は前述のように中心軸C1を通る鉛直線に対して左右対象であり、前記距離として、爆破用爆発体20の配置位置P20〜P23,P25における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離のみ測定した。そして、この測定結果に基づき各爆破用爆発体20の爆轟エネルギーの内側容器40への衝突時間を算出した。前述のように、前記外側容器60と内側容器40との間は空気である。従って、この実施例2においても、実施例1と同様に、前記測定結果と前記外側容器60の破片速度を用いて前記衝突時間を算出した。また、この衝突時間の差を算出した。
次に、前記衝突時間の差から各爆破用爆発体20の起爆タイミングを決定した。ここでは、位置P20〜P22、P30、P31の爆破用爆発体20の起爆タイミングをt0μs、位置P23、P25、P27、P29の爆破用爆発体20の起爆タイミングをt0+14μsとした。また、各成形爆薬70の起爆タイミングを隣接する爆破用爆発体20(位置P23、25、27、29)の起爆タイミングt0+14μsよりも早いt0+7μsとした。
前記測定あるいは算出した前記各爆破用爆発体20の配置位置における外側容器60の内周面と内側容器40の外周面との距離、各爆破用爆発体20の衝突時間、衝突時間の差および起爆タイミングを表3に示す。
Figure 0005291073
そして、前記起爆タイミングに対応した長さの導爆線50を準備し、爆破用爆発体20、成形爆薬70、索状爆発体30および導爆線50をそれぞれ所定の位置に配策した。ここで、この実施例2においても、実施例1と同様に、前記外側容器60の外周面のうち、前記内側容器40を囲む部分にのみ爆破用爆発体20および成形爆薬70を配置した。その後、前記導爆線50に電気雷管54を接続して、前記外側容器60を爆破した。
以上のようにして本爆破処理方法を用いて前記外側容器60等を爆破した結果、前記実施例1と同様に、前記爆破用爆発体20および成形爆薬80が配置された外側容器60の外周部分と、内側容器および弾殻11は破壊されて微細な破片に分解され、前記炸薬は爆破され、爆破後のチャンバ90内の爆破生成ガスと残渣中のn−DBSの濃度を測定したところ、分解率は99.99998%であることが確認された。
ここで、この実施例2の変形例として前記外側容器60と内側容器40との間は水の場合は、例えば、各爆破用爆発体20の衝突時間、衝突時間の差および起爆タイミングは、衝撃波の伝播速度(5km/s)を用いて表4のように設定される。
Figure 0005291073
1 爆破処理装置
10 化学弾(被処理物)
11 弾殻
12 化学剤
13 炸薬
13a 炸薬筒
20 爆破用爆発体(爆破用爆薬)
30 索状爆発体
34 起爆用爆薬
40 内側容器
50 導爆線
54 電気雷管(起爆装置)
60 外側容器
70 成形爆薬
71 爆薬
72 金属板
90 チャンバ

Claims (17)

  1. 特定の方向に沿って延びるよう形成された被処理爆薬と、所定の方向に延びる中心軸を有する弾殻であって前記被処理爆薬がその内側にその中心軸に沿って延びる姿勢で収容された弾殻と、前記弾殻の内側に前記被処理爆薬を囲むように充填された化学剤とを備えるとともに、所定の軸方向に沿って延びる外側容器の内側に当該外側容器の中心軸と前記弾殻の中心軸とが略平行に延び、かつ、これら中心軸どうしがこれら中心軸と略直交する方向に変位した姿勢で収容された、被処理物を爆破処理するための方法であって、
    前記被処理物を爆破するための複数の爆破用爆薬を、前記外側容器の外側面上となる位置に、各爆破用爆薬が前記外側容器の中心軸を囲む方向に互いに離間し、かつ、各爆破用爆薬がそれぞれ当該外側容器の中心軸と略平行に延びるように配置する爆破用爆薬配置工程と、
    密閉可能なチャンバ内に前記被処理物が収容された外側容器を収容する収容工程と、
    前記密閉されたチャンバ内にて前記複数の爆破用爆薬を起爆させて、当該各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより前記被処理物を爆破処理する爆破工程とを含み、
    前記爆破工程では、前記各爆破用爆薬を、各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより各爆破用爆薬の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器の破片または衝撃波が前記複数の爆破用爆薬が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻に衝突するような起爆タイミングで、それぞれ起爆させることを特徴とする爆破処理方法。
  2. 請求項1に記載の爆破処理方法であって、
    前記弾殻は、その中心軸周りに延びる円筒状の外周面をもつ中空状を有し、
    前記外側容器は、その中心軸周りに延びる円筒状の外周面をもつ中空状を有し、
    前記爆破用爆薬配置工程では、前記複数の爆破用爆薬を前記外側容器の外周面に沿う位置に配置することを特徴とする爆破処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の爆破処理方法において、
    前記爆破用爆薬配置工程は、前記各爆破用爆薬に導爆線をそれぞれ接続するとともに、これら導爆線を共通の起爆装置に接続する工程を含み、
    前記爆破工程では、前記起爆装置により前記各導爆線を同時に起爆させて、当該導爆線の爆発により前記各爆破用爆薬を起爆させ、
    前記爆破用爆薬配置工程では、前記各導爆線の前記起爆装置と前記各爆破用爆薬との間の長さ寸法を、当該各導爆線が前記各爆破用爆薬を当該各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより各爆破用爆薬の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器の破片または衝撃波が前記複数の爆破用爆薬が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻に衝突するような起爆タイミングで起爆させる長さ寸法とすることを特徴とする爆破処理方法。
  4. 請求項1または2に記載の爆破処理方法において、
    前記爆破用爆薬配置工程は、前記爆破用爆薬よりも大きな爆速を有する起爆用爆薬を複数用い、各起爆用爆薬をそれぞれ前記各爆破用爆薬の外側であって前記外側容器と反対側となる位置に配置する工程とを含み、
    前記爆破工程は、前記各起爆用爆薬を起爆させるとともに、当該起爆用爆薬から放出される爆轟エネルギーにより前記爆破用爆薬を起爆させる工程を含むことを特徴とする爆破処理方法。
  5. 請求項4に記載の爆破処理方法において、
    前記爆破用爆薬配置工程は、前記各起爆用爆薬に導爆線をそれぞれ接続するとともに、これら導爆線を共通の起爆装置に接続する工程を含み、
    前記爆破工程では、前記起爆装置により前記各導爆線を同時に起爆させて、当該導爆線の爆発により前記各起爆用爆薬を起爆させ、
    前記爆破用爆薬配置工程では、前記各導爆線の前記起爆装置と前記各起爆用爆薬との間の長さ寸法を、当該各導爆線の爆発により起爆した前記各起爆用爆薬が前記各爆破用爆薬を当該各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより各爆破用爆薬の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器の破片または衝撃波が前記複数の爆破用爆薬が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻に衝突するような起爆タイミングで起爆させる長さ寸法とすることを特徴とする爆破処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の爆破用処理方法であって、
    前記爆破用爆薬配置工程は、所定の方向に延びる金属板と当該金属板に沿って延びて当該金属板を衝突させて所定の方向に超高圧状態の金属噴流を発生させるための爆薬とが一体に成形された成形爆薬を、前記外側容器の外側となる位置に、この外側容器の中心軸と略平行に延び、かつ、前記金属噴流が当該外側容器の中心軸に向かって発生する姿勢で配置する工程を含み、
    前記爆破工程は、前記成形爆薬を起爆させて当該起爆した成形爆薬により前記外側容器および前記弾殻を切断して当該弾殻の内側を露呈させる工程を含むことを特徴とする爆破処理方法。
  7. 請求項6に記載の爆破用処理方法であって、
    前記爆破用爆薬配置工程は、前記成形爆薬を前記複数の爆破用爆薬から前記外側容器の中心軸を囲む方向に離間した位置に配置する工程を含み、
    前記爆破工程は、前記成形爆薬を前記複数の爆破用爆薬のうち当該成形爆薬に隣接する爆破用爆薬よりも早いタイミングで起爆させる工程を含むことを特徴とする爆破処理方法。
  8. 請求項6または7に記載の爆破処理方法において、
    前記爆破用爆薬配置工程は、前記成形爆薬を当該成形爆薬と前記外側容器の中心軸との距離よりも当該成形爆薬と前記弾殻の中心軸との距離の方が短くなる位置に配置する工程を含むことを特徴とする爆破処理方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の爆破処理方法であって、
    前記被処理物は、所定の方向に延びる中心軸を有する内側容器の内側に前記弾殻が当該内側容器と略同軸となる位置で収容された状態で、前記外側容器の内側に収容されており、
    前記爆破工程では、前記各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより生成された前記外側容器の破片または衝撃波を前記内側容器に衝突させて、この衝突により生成された内側容器の破片または衝撃波を前記被処理物の弾殻に衝突させつつ前記被処理物を爆破処理することを特徴とする爆破処理方法。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載の爆破処理方法であって、
    前記被処理物は、所定の方向に延びる中心軸を有する内側容器の内側に前記弾殻が当該内側容器と略同軸となる位置で収容された状態で、前記外側容器の内側に収容されており、
    前記爆破工程では、前記起爆した成形爆薬により前記外側容器に加えて前記内側容器および前記弾殻を切断して当該弾殻の内側を露呈させるとともに、前記各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより生成された前記外側容器の破片または衝撃波を前記内側容器に衝突させて、この衝突により生成された内側容器の破片または衝撃波を前記被処理物の弾殻に衝突させつつ前記被処理物を爆破処理することを特徴とする爆破処理方法。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の爆破処理方法であって、
    前記爆破工程の前に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記弾殻との距離および前記外側容器と前記弾殻との間に充填されている充填物の種類とに基づいて、前記複数の爆破用爆薬の起爆タイミングを設定する起爆タイミング設定工程を含むことを特徴とする爆破処理方法。
  12. 請求項11に記載の爆破処理方法であって、
    前記起爆タイミング設定工程は、前記充填物が気体であるかどうかを判定する工程と、前記充填物が気体と判定された場合に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記弾殻との距離と前記爆破用爆薬の爆発エネルギーにより生成される前記外側容器の破片の速度とに基づいて前記起爆タイミングを設定する工程と、前記充填物が液体あるいは固体と判定された場合に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記弾殻との距離と前記爆破用爆薬の爆発により生じた衝撃波が前記充填物中を伝播する速度とに基づいて前記起爆タイミングを設定する工程と、を含むことを特徴とする爆破処理方法。
  13. 請求項9または10に記載の爆破処理方法であって、
    前記爆破工程の前に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記内側容器との距離および前記外側容器と前記内側容器との間に充填されている充填物の種類とに基づいて、前記複数の爆破用爆薬の起爆タイミングを設定する起爆タイミング設定工程を含むことを特徴とする爆破処理方法。
  14. 請求項13に記載の爆破処理方法であって、
    前記起爆タイミング設定工程は、前記充填物が気体であるかどうかを判定する工程と、前記充填物が気体と判定された場合に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記内側容器との距離と前記爆破用爆薬の爆発エネルギーにより生成される前記外側容器の破片の速度とに基づいて前記起爆タイミングを設定する工程と、前記充填物が液体あるいは固体と判定された場合に実施されて、前記各爆破用爆薬と前記内側容器との距離と前記爆破用爆薬の爆発により生じた衝撃波が前記充填物中を伝播する速度とに基づいて前記起爆タイミングを設定する工程と、を含むことを特徴とする爆破処理方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の爆破処理方法を用いて前記被処理物を爆破処理するための爆破処理装置であって、
    前記被処理物を爆破処理するための複数の爆破用爆薬と、
    前記外側容器と前記爆破用爆薬とを内側に収容した状態で密閉可能なチャンバと、
    前記爆破用爆薬をそれぞれ起爆するための起爆手段とを備え、
    前記複数の爆破用爆薬は、前記外側容器の外側面上となる位置に、各爆破用爆薬が前記外側容器の中心軸を囲む方向に互いに離間した位置でそれぞれ当該外側容器の中心軸と略平行に延びるように配置され、
    前記起爆手段は、前記各爆破用爆薬を、各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより各爆破用爆薬の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器の破片が前記複数の爆破用爆薬が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻に衝突するような起爆タイミングで、それぞれ起爆させることを特徴とする爆破処理装置。
  16. 請求項15に記載の爆破処理装置であって、
    所定の方向に延びる金属板と当該金属板に沿って延びて当該金属板を衝突させて所定の方向に超高圧状態の金属噴流を発生させるための爆薬とが一体に成形された成形爆薬を備え、
    前記成形爆薬は、前記外側容器の外側となる位置であって、前記起爆装置によって起爆されることで前記外側容器を切断可能な位置に、前記外側容器の軸と略平行に延び、かつ、前記金属噴流が当該外側容器の軸に向かって発生する姿勢で配置されることを特徴とする爆破処理装置。
  17. 請求項15または16に記載の爆破処理装置であって、
    前記起爆手段は、前記各爆破用爆薬にそれぞれ接続されて爆発することで当該各爆破用爆薬をそれぞれ起爆する導爆線と、当該各導爆線に共通して接続されてこれら導爆線を起爆させるための起爆装置とを備え、
    前記各導爆線の前記起爆装置と前記各爆破用爆薬との間の長さ寸法は、当該各導爆線が前記各爆破用爆薬を当該各爆破用爆薬の爆発エネルギーにより各爆破用爆薬の近傍でそれぞれ生成された前記外側容器の破片または衝撃波が前記複数の爆破用爆薬が同時に起爆した場合に比べてより少ない時間差で前記弾殻に衝突するような起爆タイミングで起爆させる長さ寸法に設定されていることを特徴とする爆破処理装置。
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