JP5291012B2 - プロピレン系重合体、遷移金属化合物及び触媒、該重合体からなる樹脂組成物並びに成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、プロピレン系重合体、触媒及び遷移金属化合物、該重合体からなる樹脂組成物並びに成形体に関し、さらに詳しくは、べたつきが少なく、軟質性及び透明性に優れた成形体を与えるプロピレン系重合体、及び該重合体を与える触媒、並びに該触媒成分として好適な遷移金属化合物、該重合体からなる樹脂組成物並びに成形体に関するものである。
従来、軟質樹脂として塩化ビニル樹脂が広く用いられているが、塩化ビニル樹脂は、その燃焼過程において有害な物質を発生させることが知られており、代替品の開発が強く望まれている。軟質塩化ビニル樹脂の代替品としてプロピレン系重合体がある。プロピレン系重合体は各種触媒の存在下に製造されるが、従来の触媒系を用いて製造されたプロピレン系重合体は、軟質(すなわち弾性率の低いもの)にしようとすると、べたつき成分が多くなってしまうという欠点がある。べたつき成分の原因であるアタクチックポリプロピレン(APP)成分が増加するので、得られる成形体の表面特性が悪化する。また、シートやフィルム等の形態の成形体を食品、医療用途等へ展開する場合、様々な問題が生じる恐れがある。そこで、弾性率の低さとべたつき成分の量とのバランスが改善されたプロピレン系重合体が望まれている。
本発明は、べたつきが少なく、軟質性及び透明性に優れた成形体を与えるプロピレン系重合体、及び該重合体を与える触媒、該触媒成分として好適な遷移金属化合物、該重合体からなる樹脂組成物並びに成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ラセミペンタッド分率(rrrr)、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により測定した分子量分布および重量平均分子量(Mw)が特定範囲にあるプロピレン系重合体が、べたつき成分の量と弾性率の低さと透明性のバランスに優れており、特定の二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物を含有する触媒を用いることにより該プロピレン系重合体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のプロピレン系重合体、遷移金属化合物及び触媒、該重合体からなる樹脂組成物並びに成形体を提供するものでる。
1.(1)ラセミペンタッド分率(rrrr)が20〜80モル%、(2)ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が4以下、(3)重量平均分子量(Mw)が100000〜1000000であることを特徴とするプロピレン系重合体。
2.下記一般式(I)で表される遷移金属化合物。
Figure 0005291012
(式中、Mは、周期律表第3〜10族又は、ランタノイド系列の金属元素、Xは、Mと結合するσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよいし、又はYと架橋していてもよい。Yはルイス酸を示しYが複数ある場合、複数のYは同じでも異なってもよいし、R1〜R5、又はXと架橋していてもよい。Aは骨格が周期律表第IV族の元素からなる置換基を示し、pは1〜20の整数、qは1〜5の整数で、[(Mの原子価)−2]を示し、rは0〜3の整数を示す。R1、R2、R4、R5はハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、又はヘテロ原子含有基を示す。R3は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、又はヘテロ原子値含有基を示す。また、R1〜R5は互いに同じでも異なってもよく、また隣接する基と環を形成してもよい。)
3.一般式(I)におけるAが、R6 2C又はR6 2Si(R6は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基)である上記2に記載の遷移金属化合物。
4.一般式(I)におけるAが、CH2、(CH32C、CH2CH2、(CH32C(CH32C、(CH32Si、(C652Siから選ばれた少なくとも一種の置換基である上記2に記載の遷移金属化合物。
5.(A)上記2〜4の何れかに記載の遷移金属化合物および、(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物と(B−2)アルミノキサンから選ばれた成分からなる触媒成分を担持してなるプロピレン系重合体製造用触媒。
6.担体に(A)上記2〜4の何れかに記載の遷移金属化合物、(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物と(B−2)アルミノキサンから選ばれた成分および(C)有機アルミニウム化合物からなる触媒成分を含有する上記5に記載のプロピレン系重合体製造用触媒。
7.(B−1)が下記一般式(III)および/または下記一般式(IV)で表される化合物である上記5または6に記載のプロピレン系重合体製造用触媒。
(〔L1−R10k+a (〔Z〕-b ・・・(III)
(〔L2k+a(〔Z〕-b ・・・(IV)
〔(III),(IV)式中、L1はルイス塩基、L2はM2、R11123、R13 3C又はR143である。〔Z〕-は、非配位性アニオン〔Z1-及び〔Z2-、ここで〔Z1-は複数の基が元素に結合したアニオンすなわち〔M112・・・Gf-(ここで、M1は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素を示す。G1〜Gfはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のアルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G1〜Gfのうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは〔(中心金属M1の原子価)+1〕の整数を示す。)、〔Z2-は、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩基を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。また、R10は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R11及びR12はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R13は炭素数1〜20のアルキル基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。R14はテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニン等の大環状配位子を示す。kは〔L1−R10〕,〔L2〕のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。M2は、周期律表第1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M3は、周期律表第7〜12族元素を示す。〕
8.(B−2)アルミノキサンが下記一般式(V)で表される鎖状アルミノキサンおよび/または下記一般式(VI)で表される環状アルミノキサンである上記5または6に記載のプロピレン系重合体製造用触媒。
Figure 0005291012
Figure 0005291012
(式中、R15は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基などの炭化水素基あるいはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、2〜50の整数である。なお、各R15は同じでも異なっていてもよい。)
9.(C)有機アルミニウム化合物が下記一般式(VII)で表される化合物である上記8に記載のプロピレン系重合体製造用触媒。
16 vAlJ3-v ・・・(VII)
〔式中、R16は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である〕
10.上記1に記載のプロピレン系重合体とポリオレフィン類から得られる樹脂組成物。
11.上記1に記載のプロピレン系重合体または上記10に記載の樹脂組成物より得られる成形体。
本発明のプロピレン系重合体、及び該重合体からなる樹脂組成物、並びに成形体は、べたつきが少なく、軟質性及び透明性に優れ、フィルム、シート、容器、自動車内装材、家電製品のハウジング材等に用いられる。
特に本発明のプロピレン系重合体、及び該重合体からなる樹脂組成物は、弾性率の低さとべたつき成分の量とのバランスが改善されており、食品、医療用途等に好適である。
以下、本発明の[1]プロピレン系重合体、[2]プロピレン系重合体製造用触媒の成分として好適な遷移金属化合物、[3]プロピレン系重合体製造用触媒、[4]プロピレン系重合体からなる樹脂組成物、[5]成形体について詳しく説明する。
[1]プロピレン系重合体
本発明のプロピレン系重合体には、プロピレンを単独重合して得られたプロピレン単独重合体と、プロピレンとエチレンや炭素数4〜20のα−オレフィンを共重合して得られたプロピレン系共重合体があり、プロピレン単独重合体が好適に用いられる。
プロピレン系共重合体を構成するプロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、これらのうち一種又は二種以上を用いることができる。
本発明におけるプロピレン系共重合体としてはランダム共重合体が好ましい。また、プロピレンから得られる構造単位が90%モル以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上である。プロピレンから得られる構造単位が90モル%未満の場合には、成形体表面のべたつきや透明性の低下が生じる可能性がある。
本発明のプロピレン系重合体は、下記の(1)〜(2)を要件とする重合体である。
(1)ラセミペンタッド分率(rrrr)が20〜80モル%、好ましくは20〜60モル%。
(2)ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が4以下、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下。
(3)重量平均分子量(Mw)が100000〜1000000、好ましくは100000〜500000。
本発明で用いられるプロピレン系重合体におけるラセミペンタッド分率(rrrr)とは、ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのラセミ分率である。このラセミペンタッド分率(rrrr)はV.Busicoらにより報告された「Macromol.Chem.Phys.,198,1257(1997)」で提案された方法に準拠し、13C核磁気共鳴スペクトルのメチン基のシグナルにより測定される。
本発明で用いられるプロピレン系重合体のラセミペンタッド分率(rrrr)が20モル%未満では、べたつきの原因となる。80モル%を超えると弾性率が高くなり好ましくない。
なお、13C核磁気共鳴スペクトルの測定は、V.Busicoらにより報告された「Macromol.Chem.Phys.,198,1257(1997)」で提案されたピークの帰属に従い,下記の装置及び条件にて行う。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400型13C−NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:230mg/ミリリットル
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
本発明でのプロピレン系重合体は、上記の要件の他にGPC法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が4以下であり、好ましくは3.5以下、特に好ましくは3.0以下である。分子量分布(Mw/Mn)が4を超えるとべたつきが発生することがある。
また、本発明でのプロピレン系重合体は、上記の要件の他にGPC法により測定した重量平均分子量が、100,000〜1,000,000、好適には100,000〜500,000である。Mwが100,000未満では、べたつきが発生することがある。また1,000,000を超えると、流動性が低下するため成形性が不良となることがある。
なお、上記の分子量分布(Mw/Mn)は、GPC法により、下記の装置及び条件で測定した質量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnより算出した値である。
GPC測定装置
カラム :TOSO GMHHR−H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
測定条件
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0ミリリットル/分
試料濃度 :2.2mg/ミリリットル
注入量 :160マイクロリットル
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
本発明でのプロピレン系重合体は、上記要件の他に、引張弾性率が100MPa以下であることが好ましく、より好ましくは70〜5MPaである。
本発明におけるプロピレン系重合体の製造方法としては、メタロセン触媒と呼ばれる触媒系を用いてプロピレンを単独重合する方法又はプロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンを共重合する方法が挙げられる。メタロセン系触媒としては、特開昭58−19309号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−300887号公報、特開平4−211694号公報、特表平1−502036号公報等に記載されるようなシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基等を1又は2個配位子とする遷移金属化合物、及び該配位子が幾何学的に制御された遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られる触媒が挙げられる。
[2]プロピレン系重合体製造用触媒の成分として好適な遷移金属化合物
本発明のプロピレン重合体の製造方法においては、メタロセン触媒のなかでも、配位子が架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物からなる触媒が好ましく、なかでも、2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られるメタロセン触媒を用いてプロピレンを重合する方法がさらに好ましい。次に本発明のプロピレン重合体の製造に用いられる遷移金属化合物について説明する。
本発明の遷移金属化合物は下記一般式(I)で表される新規な二重架橋型メタロセン錯体である。
Figure 0005291012
上記一般式(I)において、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、具体例としてはチタン,ジルコニウム,ハフニウム,イットリウム,バナジウム,クロム,マンガン,ニッケル,コバルト,パラジウム及びランタノイド系金属などが挙げられるが、これらの中ではオレフィン重合活性などの点からチタン,ジルコニウム及びハフニウムが好適である。
また、Xはσ結合性の配位子を示し、Yはルイス塩基を示す。qは1〜5の整数で[(Mの原子価)−2]を示し、rは0〜3の整数を示す。
Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX又はYと架橋していてもよい。該Xの具体例としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20の珪素含有基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20のスルフィド基,炭素数1〜20のアシル基などが挙げられる。一方、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のYやシクロペンタジエニル基またはXと架橋していてもよい。該Yのルイス塩基の具体例としては、アミン類,エーテル類,ホスフィン類,チオエーテル類などを挙げることができる。
前記一般式(I)において、R1、R2、R4、R5は、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、又はヘテロ原子含有基を示す。R3は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、又はヘテロ原子値含有基を示す。また、R1〜R5は互いに同じでも異なってもよく、また隣接する基と環を形成してもよい。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などのアルキル基や、ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、フェナントニル基などのアリール基が挙げられる。
炭素数1〜20の珪素含有基としてはメチルシリノ基、フェニルシリル基などのモノ炭化水素置換シリル基;ジメチルシリル基、ジフェニルシリル基などのジ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリル基;トリエチルシリル基;トリプロピルシリル基;ジメチル(t−ブチル)シリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリナフチルシリル基などのトリ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテル基などの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチル基などのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニル基などのケイ素置換アリール基などやジメチルヒドロシリル基、メチルジヒドロシリル基等が挙げられる。なかでもトリメチルシリルメチル基、フェニルジメチルシリルエチル基などが好ましい。
炭素数1〜20のホスフィド基としては、ジメチルホスフィド基、ジエチルホスフィド基、ジ(n−プロピル)ホスフィド基、ジイソブチルホスフィド基、ジ(sec−ブチル)ホスフィド基、ジ(t−ブチル)ホスフィド基、ジペンチルホスフィド基、ジヘキシルホスフィド基、ジオクチルホスフィド基、ジフェニルホスフィド基、ジベンジルホスフィド基、メチルエチルホスフィド基、(t−ブチル)トリメチルシリルホスフィド基、メチルトリメチルシリルホスフィド基、更には塩素、臭素、ヨウ素といったハロゲン原子を含むものであっても良い。
ヘテロ原子含有基としては、ヘテロ原子含有炭化水素基が挙げられる。ヘテロ原子含有炭化水素基としてはp−フルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等が挙げられる。
Xの具体例として挙げられる炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジブチルアミド基、ジシクロヘキシルアミド基、メチルエチルアミド基等のアルキルアミド基や、ジビニルアミド基、ジプロペニルアミド基、ジシクロヘキセニルアミド基などのアルケニルアミド基;ジベンジルアミド基、フェニルエチルアミド基、フェニルプロピルアミド基などのアリールアルキルアミド基;ジフェニルアミド基、ジナフチルアミド基などのアリールアミド基が挙げられる。
炭素数1〜20のスルフィド基としては、メチルスルフィド基、エチルスルフィド基、プロピルスルフィド基、ブチルスルフィド基、ヘキシルスルフィド基、シクロヘキシルスルフィド基、オクチルスルフィド基などのアルキルスルフィド基や、ビニルスルフィド基、プロペニルスルフィド基、シクロヘキセニルスルフィド基などのアルケニルスルフィド基;ベンジルスルフィド基、フェニルエチルスルフィド基、フェニルプロピルスルフィド基などのアリールアルキルスルフィド基;フェニルスルフィド基、トリルスルフィド基、ジメチルフェニルスルフィド基、トリメチルフェニルスルフィド基、エチルフェニルスルフィド基、プロピルフェニルスルフィド基、ビフェニルスルフィド基、ナフチルスルフィド基、メチルナフチルスルフィド基、アントラセニルスルフィド基、フェナントリルスルフィド基などのアリールスルフィド基が挙げられる。
炭素数1〜20のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、パルミドイル基、ステアロイル基、オレオイル基等のアルキルアシル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイル基、シンナモイル基、ナフトイル基、フタロイル基等のアリールアシル基、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸からそれぞれ誘導されるオキサリル基、マロニル基、スクシニル基等が挙げられる。
Xとしては、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基やフェニル基などのアリール基が好ましい。
Yのルイス塩基の具体例としては挙げられるアミン類としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアルキルアミンや、ビニルアミン、プロペニルアミン、シクロヘキセニルアミン、ジビニルアミン、ジプロペニルアミン、ジシクロヘキセニルアミンなどのアルケニルアミン;フェニルアミン、フェニルエチルアミン、フェニルプロピルアミンなどのアリールアルキルアミン;ジフェニルアミン、ジナフチルアミンなどのアリールアミン、又はアンモニア、アニリン、N−メチルアニリンジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、メチルジフエニルアミンピリジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリンなどが挙げられる。
エーテル類としては、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、n−アミルエーテル、イソアミルエーテル等の脂肪単一エーテル化合物;メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチル−n−アミルエーチル、メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチル−n−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテなどの脂肪族混成エーテル化合物;ビニルエーテル、アリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテル等の脂肪族不飽和エーテル化合物;アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、ベンジルエーテル、フェニルベンジルエーテル、α−ナフチルエーテル、β−ナフチルエーテル等の芳香族エーテル化合物、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化トリメチレン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環式エーテル化合物が挙げられる。エステル類としては、安息香酸エチル等が挙げられる。
ホスフィン類としては、メチルホスフィン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、ヘキシルホスフィン、シクロヘキシルホスフィン、オクチルホスフィンなどのモノ炭化水素置換ホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジプロピルホスフィン、ジブチルホスフィン、ジヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ジオクチルホスフィンなどのジ炭化水素置換ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィンなどのトリ炭化水素置換ホスフィン等のアルキルホスフィンや、ビニルホスフィン、プロペニルホスフィン、シクロヘキセニルホスフィンなどのモノアルケニルホスフィンやホスフィンの水素原子をアルケニルが2個置換したジアルケニルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルケニルが3個置換したトリアルケニルホスフィン;ベンジルホスフィン、フェニルエチルホスフィン、フェニルプロピルホスフィンなどのアリールアルキルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアリールまたはアルケニルが3個置換したジアリールアルキルホスフィンまたはアリールジアルキルホスフィン;フェニルホスフィン、トリルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリメチルフェニルホスフィン、エチルフェニルホスフィン、プロピルフェニルホスフィン、ビフェニルホスフィン、ナフチルホスフィン、メチルナフチルホスフィン、アントラセニルホスフィン、フェナントリルホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルキルアリールが2個置換したジ(アルキルアリール)ホスフィン;ホスフィンの水素原子をアルキルアリールが3個置換したトリ(アルキルアリール)ホスフィンなどのアリールホスフィン等が挙げられる。
チオエーテル類としては、前記のスルフィドが挙げられる。ニトリル類としてはアセトニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。
前記一般式(I)において、Aは骨格が周期律表第IV族の元素からなる置換基を示し、それらは互いに同じでも異なっていてもよい。pは1〜20の整数である。周期律表第IV族の元素としては、炭素、珪素、錫、ゲルマニウムが好ましい。骨格が周期律表第IV族の元素からなる置換基としては、例えば下記の一般式
Figure 0005291012
(Eは炭素、珪素、錫、ゲルマニウムを示し、R7及びR8は、それぞれ炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20の珪素含有基を示し、それらは互いに同一でも異なっていても良く、また互いに結合して環を形成していてもよい。eは1〜4の整数を示す。)
で表わされる基が挙げられる。
7及びR8の炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基および炭素数1〜20の珪素含有基としては、前記R1〜R5におけるものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチレン、エチレン、エチリデン、イソプロピリデン、シクロヘキシリデン、1,2−シクロヘキシレン、ジメチルシリレン、ジフェニルシリレン、テトラメチルジシリレン、ジメチルゲルミレン、ジメチルスタニレン、1,2−フェニレン、ビニレン、ビニリデン、エチニリデン(CH2=C=)、などがあり、これらの中でも、メチレン〔CH2〕、イソプロピリデン〔(CH32C〕、エチレン〔CH2CH2〕、エチリデン〔(CH32C(CH32C〕、ジメチルシリレン〔(CH32Si〕、ジフェニルシリレン〔(C652Si〕が、合成の容易さ、遷移金属化合物の収率の点でも好ましい。
この二重架橋型ビスシクロペンタジエニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物は、配位子が(1,2’)(2,1’)二重架橋型が好ましい。
一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体例としては、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジフェニルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピル−4−メチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、など、及びこれらの化合物におけるジルコニウムをチタンまたはハフニウムに置換したものを挙げることができるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
また、ジルコニウムを他の族の遷移金属に置換した上記と類似の遷移金属化合物又は、ジルコニウムをランタノイド系列の金属元素に置換した上記と類似の化合物であってもよい。
この遷移金属化合物は、例えば、「ジャーナル・オブ・オルガノメタリツクケミストリー(J.Organomet.Chem)」第369巻,359頁(1989年)に記載された方法により合成される。すなわち、対応する置換されたシクロアルケニル陰イオンと前記のMのハライドとの反応が好ましい。
[3]プロピレン系重合体製造用触媒
本発明のプロピレン系重合体製造用触媒は、(A)上記の遷移金属化合物および、(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物と(B−2)アルミノキサンから選ばれた成分からなる触媒成分を含有する触媒であり、担体に(A)上記の遷移金属化合物、(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物と(B−2)アルミノキサンから選ばれた成分および(C)有機アルミニウム化合物からなる触媒成分を担持してなる触媒が好適である。
この(B)成分のうちの(B−1)成分としては、上記(A)成分の遷移金属化合物と反応して、イオン性の錯体を形成しうる化合物であれば、いずれのものでも使用できるが、次の一般式(III)および一般式(IV)
(〔L1−R10k+a(〔Z〕-b ・・・(III)
(〔L2k+a(〔Z〕-b ・・・(IV)
(ただし、L2はM2、R11123、R13 3C又はR143である。)
〔(III),(IV)式中、L1はルイス塩基、〔Z〕-は、非配位性アニオン〔Z1-及び〔Z2-、ここで〔Z1-は複数の基が元素に結合したアニオンすなわち〔M112・・・Gf-(ここで、M1は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素を示す。G1〜Gfはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基、炭素数1〜20のアシルオキシ基、有機メタロイド基、又は炭素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G1〜Gfのうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは〔(中心金属M1の原子価)+1〕の整数を示す。)、〔Z2-は、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩基を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。また、R10は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R11及びR12はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R13は炭素数1〜20のアルキル基,アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。R14はテトラフェニルポルフィリン、フタロシアニン等の大環状配位子を示す。kは〔L1−R10〕、〔L2〕のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。M2は、周期律表第1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M3は、周期律表第7〜12族元素を示す。〕
で表されるものを好適に使用することができる。
ここで、L1の具体例としては、アンモニア、メチルアミン、アニリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、メチルジフェニルアミン、ピリジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィンなどのホスフィン類、テトラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、安息香酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類などを挙げることができる。
10の具体例としては水素,メチル基,エチル基,ベンジル基,トリチル基などを挙げることができ、R11,R12の具体例としては、シクロペンタジエニル基,メチルシクロペンタジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基などを挙げることができる。R13の具体例としては、フェニル基,p−トリル基,p−メトキシフェニル基などを挙げることができ、R14の具体例としてはテトラフェニルポルフィン,フタロシアニン,アリル,メタリルなどを挙げることができる。また、M2の具体例としては、Li,Na,K,Ag,Cu,Br,I,I3などを挙げることができ、M3の具体例としては、Mn,Fe,Co,Ni,Znなどを挙げることができる。
また、〔Z1-、すなわち〔M112・・・Gf〕において、M1の具体例としてはB,Al,Si,P,As,Sbなど、好ましくはB及びAlが挙げられる。また、G1,G2〜Gfの具体例としては、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基など、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基,フェノキシ基など、炭化水素基としてメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,n−オクチル基,n−エイコシル基,フェニル基,p−トリル基,ベンジル基,4−t−ブチルフェニル基,3,5−ジメチルフェニル基など、ハロゲン原子としてフッ素,塩素,臭素,ヨウ素,ヘテロ原子含有炭化水素基としてp−フルオロフェニル基,3,5−ジフルオロフェニル基,ペンタクロロフェニル基,3,4,5−トリフルオロフェニル基,ペンタフルオロフェニル基,3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基,ビス(トリメチルシリル)メチル基など、有機メタロイド基としてペンタメチルアンチモン基、トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニル硼素などが挙げられる。
また、非配位性のアニオンすなわちpKaが−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基〔Z2-の具体例としてはトリフルオロメタンスルホン酸アニオン(CF3SO3-,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)ベンジルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド,過塩素酸アニオン(ClO4-,トリフルオロ酢酸アニオン(CF3CO2-,ヘキサフルオロアンチモンアニオン(SbF6-,フルオロスルホン酸アニオン(FSO3-,クロロスルホン酸アニオン(ClSO3-,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化アンチモン(FSO3/SbF5-,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化砒素(FSO3/AsF5-,トリフルオロメタンスルホン酸/5−フッ化アンチモン(CF3SO3/SbF5-などを挙げることができる。
このような前記(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成するイオン性化合物、すなわち(B−1)成分化合物の具体例としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸メチルピリジニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウム,テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−n−ブチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル(メチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチル(4−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム,テトラキス〔ビス(3,5−ジトリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼酸銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジメチルフェロセニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テオラフェニルポルフィリンマンガン,テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオロ燐酸銀,ヘキサフルオロ砒素酸銀,過塩素酸銀,トリフルオロ酢酸銀,トリフルオロメタンスルホン酸銀などを挙げることができる。
(B−1)は一種用いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。 一方、(B−2)成分のアルミノキサンとしては、一般式(V)
Figure 0005291012
(式中、R15は炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基などの炭化水素基あるいはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好ましくは2〜40の整数である。なお、各R15は同じでも異なっていてもよい。)
で示される鎖状アルミノキサン、及び一般式(VI)
Figure 0005291012
(式中、R15及びwは前記一般式(V)におけるものと同じである。)
で示される環状アルミノキサンを挙げることができる。
アルミノキサンとしては、メチルアルミノキサン、エメチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、t−ブチルアルミノキサンなどが挙げられる。これらは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記アルミノキサンの製造法としては、アルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方法が挙げられるが、その手段については特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば、(1)有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触させる方法、(2)重合時に当初有機アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、(3)金属塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、(4)テトラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応させ、さらに水を反応させる方法などがある。なお、アルミノキサンとしては、トルエン不溶性のものであってもよい。
本発明のプロピレン系重合体製造用触媒における(A)触媒成分と(B)触媒成分との使用割合は、(B)触媒成分として(B−1)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは10:1〜1:100、より好ましくは2:1〜1:10の範囲である。この範囲を逸脱する場合は、単位質量ポリマーあたりの触媒コストが高くなり、実用的でない。また(B−2)化合物を用いた場合には、モル比で好ましくは1:1〜1:1000000、より好ましくは1:10〜1:10000の範囲が望ましい。この範囲を逸脱する場合は単位質量ポリマーあたりの触媒コストが高くなり、実用的でない。
また、触媒成分(B)としては(B−1),(B−2)を単独または二種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明の重合用触媒は、上記(A)成分及び(B)成分に加えて(C)成分として有機アルミニウム化合物を用いることが好ましい。
ここで、(C)成分の有機アルミニウム化合物としては、一般式(VII)
16 vAlJ3-v ・・・(VII)
〔式中、R16は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である〕
で示される化合物が用いられる。
前記一般式(VII)で示される化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムヒドリド,エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
これらの有機アルミニウム化合物は一種用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
本発明の重合用触媒の製造においては、上述した(A)成分、(B)成分及び(C)成分を用いて予備接触を行なうことが好ましい。予備接触は(A)成分に、例えば(B)成分を接触させることにより行なえるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。これら予備接触は、触媒活性の向上や、助触媒である(B)使用割合の低減など、触媒コストの低減に効果的である。また、さらに、(A)成分と(B−2)成分を接触させることにより、上記効果と共に、分子量向上効果も見られる。予備接触温度は、通常−20℃〜200℃、好ましくは−10℃〜150℃、より好ましくは、0℃〜80℃である。予備接触においては、溶媒として不活性炭化水素、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等を用いることができる。これらの中で特に好ましいものは脂肪族炭化水素である。
前記(A)触媒成分と(C)触媒成分との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:10000、より好ましくは1:5〜1:2000、さらに好ましくは1:10〜1:1000の範囲が望ましい。該(C)触媒成分を用いることにより、遷移金属当たりの重合活性を向上させることができるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が無駄になるとともに、重合体中に多量に残存し、好ましくない。
本発明の触媒においては、触媒成分の少なくとも一種を適当な担体に担持して用いることが好ましい。該担体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いることができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ以外の無機担体が好適である。
無機酸化物担体としては、具体的には、SiO2,Al23,MgO,ZrO2,TiO2,Fe23,B23,CaO,ZnO,BaO,ThO2やこれらの混合物、例えばシリカアルミナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバーなどが挙げられる。これらの中では、特にSiO2,Al23が好ましい。なお、上記無機酸化物担体は、少量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩などを含有してもよい。
また、有機担体としては、ポリスチレン,スチレン−ジビニルベンゼン共重合体,ポリエチレン,ポリプロピレン,置換ポリスチレン,ポリアリレートなどの重合体やスターチ,カーボンなどを挙げることができる。
上記以外の担体として、MgCl2,Mg(OC252などで代表される一般式MgR17 x1 yで表されるマグネシウム化合物やその錯塩などを挙げることができる。ここで、R17は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基、X1はハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、xは0〜2、yは0〜2でり、かつx+y=2である。各R17及び各X1はそれぞれ同一でもよく、また異なってもいてもよい。
本発明の触媒における担体としては、MgCl2,MgCl(OC25),Mg(OC252,SiO2,Al23などが好ましい。
担体の性状は、その種類及び製法により異なるが、平均粒径は通常1〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。粒径が小さいと重合体中の微粉が増大し、粒径が大きいと重合体中の粗大粒子が増大し嵩密度の低下やホッパーの詰まりの原因になる。
また、担体の比表面積は、通常1〜1000m2/g、好ましくは50〜500m2/g、細孔容積は通常0.1〜5cm3/g、好ましくは0.3〜3cm3/gである。比表面積又は細孔容積の何れかが上記範囲を逸脱すると触媒活性が低下することがある。
なお、比表面積及び細孔容積は、例えばBET法に従って吸着された窒素ガスの体積から求めることができる。
上記担体が無機物である場合には、通常150〜1000℃、好ましくは200〜800℃で焼成して用いることが望ましい。
また、触媒成分の少なくとも一種を前記担体に担持させる場合、(A)触媒成分及び(B)触媒成分の少なくとも一方を、好ましくは(A)触媒成分及び(B)触媒成分の両方を担持させるのが望ましい。
該担体に、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方を担持させる方法については、特に制限されないが、例えば(1)(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とを混合する方法、(2)担体を有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物で処理したのち、不活性溶媒中で(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と混合する方法、(3)担体と(A)成分及び/又は(B)成分と有機アルミニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物とを反応させる方法、(4)(A)成分又は(B)成分を担体に担持させたのち、(B)成分又は(A)成分と混合する方法、(5)(A)成分と(B)成分との接触反応物を担体と混合する方法、(6)(A)成分と(B)成分との接触反応に際して、担体を共存させる方法などを用いることができる。
なお、上記(4)、(5)及び(6)の方法において、(C)成分の有機アルミニウム化合物を添加することもできる。
本発明の触媒の製造においては、前記(A),(B),(C)を接触させる際に、弾性波を照射させて触媒を調製してもよい。弾性波としては、通常音波、特に好ましくは超音波が挙げられる。具体的には、周波数が1〜1000kHzの超音波、好ましくは10〜500kHzの超音波が挙げられる。
このようにして得られた触媒は、いったん溶媒留去を行って固体として取り出してから重合に用いてもよいし、そのまま重合に用いてもよい。
また、本発明の触媒の製造においては、(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方の担体への担持操作を重合系内で行うことにより触媒を生成させることができる。例えば(A)成分及び(B)成分の少なくとも一方と担体とさらに必要により前記(C)成分の有機アルミニウム化合物を加え、エチレンなどのオレフィンを常圧〜2MPa(gauge)加えて、−20〜200℃で1分〜2時間程度予備重合を行い触媒粒子を生成させる方法を用いることができる。
本発明の触媒における(B−1)成分と担体との使用割合は、質量比で好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましく、(B−2)成分と担体との使用割合は、質量比で好ましくは1:0.5〜1:1000、より好ましくは1:1〜1:50とするのが望ましい。(B)成分として二種以上を混合して用いる場合は、各(B)成分と担体との使用割合が質量比で上記範囲内にあることが望ましい。また、(A)成分と担体との使用割合は、質量比で、好ましくは1:5〜1:10000、より好ましくは1:10〜1:500とするのが望ましい。
(B)成分〔(B−1)成分又は(B−2)成分〕と担体との使用割合、又は(A)成分と担体との使用割合が上記範囲を逸脱すると、活性が低下することがある。このようにして調製された本発明の重合用触媒の平均粒径は、通常2〜200μm、好ましくは10〜150μm、特に好ましくは20〜100μmであり、比表面積は、通常20〜1000m2/g、好ましくは50〜500m2/gである。平均粒径が2μm未満であると重合体中の微粉が増大することがあり、200μmを超えると重合体中の粗大粒子が増大することがある。比表面積が20m2/g未満であると活性が低下することがあり、1000m2/gを超えると重合体の嵩密度が低下することがある。また、本発明の触媒において、担体100g中の遷移金属量は、通常0.05〜10g、特に0.1〜2gであることが好ましい。遷移金属量が上記範囲外であると、活性が低くなることがある。
このように担体に担持した触媒を用いることによって工業的に有利な高い嵩密度と優れた粒径分布を有する重合体を得ることができる。
本発明のプロピレン系重合体は、上述した重合用触媒を用いて、プロピレンを単独重合、またはプロピレン並びにエチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンとを共重合させることにより好適に製造される。
この場合、重合方法は特に制限されず、スラリー重合法,気相重合法,塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法などのいずれの方法を用いてもよいが、スラリー重合法,気相重合法が特に好ましい。
重合条件については、重合温度は通常−100〜250℃、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜130℃である。また、反応原料に対する触媒の使用割合は、原料モノマー/上記(A)成分(モル比)が好ましくは1〜108であり、特に100〜105とすることが好ましい。(なお、この原料モノマーは、プロピレン、或いは更にエチレンや炭素数4〜20のα−オレフィン加えたものである。)さらに、重合時間は通常5分〜10時間、反応圧力は好ましくは常圧〜20MPa(gauge)さらに好ましくは常圧〜10MPa(gauge)である。
重合体の分子量の調節方法としては、各触媒成分の種類,使用量,重合温度の選択、さらには水素存在下での重合などがある。
重合溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素などを用いることができる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上のものを組み合わせてもよい。また、α−オレフィンなどのモノマーを溶媒として用いてもよい。なお、重合方法によっては無溶媒で行うことができる。
重合に際しては、前記重合用触媒を用いて予備重合を行うことができる。予備重合は、固体触媒成分に、例えば、少量のオレフィンを接触させることにより行うことができるが、その方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。予備重合に用いるオレフィンについては特に制限はなく、前記に例示したものと同様のもの、例えばエチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、あるいはこれらの混合物などを挙げることができるが、該重合において用いるオレフィンと同じオレフィンを用いることが有利である。
また、予備重合温度は、通常−20〜200℃、好ましくは−10〜130℃、より好ましくは0〜80℃である。予備重合においては、溶媒として、不活性炭化水素,脂肪族炭化水素,芳香族炭化水素,モノマーなどを用いることができる。これらの中で特に好ましいのは脂肪族炭化水素である。また、予備重合は無溶媒で行ってもよい。
予備重合においては、予備重合生成物の極限粘度〔η〕(135℃デカリン中で測定)が0.2デシリットル/g以上、特に0.5デシリットル/g以上、触媒中の遷移金属成分1ミリモル当たりに対する予備重合生成物の量が1〜10000g、特に10〜1000gとなるように条件を調整することが望ましい。
[4]プロピレン系重合体からなる樹脂組成物
本発明のプロピレン系重合体からなる樹脂組成物は、前記のプロピレン系重合体とポリオレフィン類から得られる。
樹脂組成物に用いられるポリオレフィン類には、ポリエチレン、ポリプロピレン、炭素数4以上のα−オレフィンからなるポリα−オレフィン、ポリビニルシクロアルカン、シンジオクタチックポリスチレンおよびポリアルケニルシランが挙げられる。
ポリプロピレンとしては、プロピレンのみの重合体であるホモポリプロピレン、例えばプロピレン−エチレンのランダムポリプロピレン、例えばプロピレン/プロピレン−エチレンのブロックポリプロピレン等があり、ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、例えばエチレン−ブテン−1、エチレン−ヘキセン−1、エチレン−オクテン−1のような直鎖状低密度ポリエチレン等がある。また、ポリα−オレフィンとしては、ポリブテン−1、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ(3−メチルペンテン−1)、ポリ(3−メチルブテン−1)等がある。ポリビニルシクロアルカンとしては、好ましくはポリビニルシクロヘキサン、ポリビニルシクロペンタン等がある。またポリアルケニルシランとしては、アルケニル基の炭素数が2〜20のもの、具体的にはビニルシラン、ブテニルシラン、アリルシランなどがある。
これらの中で相溶性の観点からポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリα−オレフィンが好ましく,耐熱性と柔軟性の観点からポリプロピレンが更に好ましい。本発明におけるポリオレフィン類の重量平均分子量は,実用性の観点から10,000〜1,000,000である。
本発明のプロピレン系重合体からなる樹脂組成物の製造方法としては、前記のプロピレン系重合体とポリオレフィン類、及び所望に応じて用いられる各種添加剤とをヘンシェルミキサー等を用いてドライブレンドしたものであってもよい。又は、単軸又は2軸押出機、バンバリーミキサー等を用いて、溶融混練したものであってもよい。或いは、造核剤として高融点ポリマーを用いる場合は、プロピレン系重合体製造時に、リアクター内で高融点ポリマーを同時又は逐次的に添加して製造したものであってもよい。所望に応じて用いられる各種添加剤としては、酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、又は帯電防止剤等が挙げられる。
[4]成形体
本発明の成形体は、前記のプロピレン系重合体または前記の樹脂組成物より得られる成形体である。本発明の成形体は、軟質性(柔軟性とも言う)があり、弾性回復率(引っ張っても元に戻る性質)が高く、軟質性がある即ち弾性率が低くかつ透明性に優れているという特徴がある。
本発明の成形体としては、フィルム、シート、容器、自動車内装材、架電製品のハウジング材等が挙げられる。フィルムとしては、食品包装用フィルムや農業用フィルム(ビニールハウスの例)等が挙げられる。容器としては、透明性に優れているので、透明ケース、透明ボックス、化粧箱等が挙げられる。
成形体の成形方法としては、射出成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、押出成形法、ブロー成形法等が挙げられる。
成形条件については、樹脂が溶融流動する温度条件であれば特に制限はなく、通常、樹脂温度50℃〜300℃、金型温度60℃以下で行うことができる。本発明の成形体として、フィルムを製膜する場合は、一般的な圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、キャスト成形法等により行うことができる。
次に実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
以下の実施例および比較例において重合体の樹脂特性の測定及び物性の評価を次のように行なった。
(1)重合体の樹脂特性
ラセミペンタッド分率(rrrr)、分子量分布(Mw/Mn)および重量平均分子量(Mw)は、明細書本文中に記載した方法により測定した。
(2)引張弾性率
プロピレン系重合体をプレス成形して試験片を作成し、JIS K−7113に準拠した引張試験により測定した。
・試験片(2号ダンベル) 厚み:1mm
・クロスヘッド速度:50mm/min
・ロードセル:100kg
(3)内部ヘイズ
プロピレン系重合体をプレス成形して試験片を作成し、JIS K−7105に準拠した試験により測定した。この値が小さいほど透明性が優れる。
・試験片:15cm×15cm×1mm(試験片厚み=1mm)
製造例〔遷移金属化合物の製造〕
以下の方法により本発明の遷移金属化合物である(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドを合成した。
(1)6,6−ジメチルフルベンの製造
1L三つロフラスコにメタノール300mLとシクロペンタジエン70mL(852mmo1),アセトン63mL(859mmo1)を加え、これに室温でピロリジン85mL(1018.3mmol)を滴下ロートを用いてゆっくり滴下した。滴下終了後1時間攪拌し、酢酸84mLで中和した。水とエーテル各200mLで希釈し分液ロートで分液し、有機相を食塩水および水各200mLで洗浄後、無水塩化マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、減圧蒸留することにより6,6−ジメチルフルベンを66.55g(627mmo1)得た。(収率74%)
(2)イソプロピルシクロペンタジエンの製造
水素化リチウムアルミニウム24.8g(653mmo1)にエーテル200mLを加え、これに滴下ロートを用いて6,6−ジメチルフルベン66.55g(627mmo1)をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で1時間攪拌した。0℃で加水分解を行いてエーテル抽出し、無水塩化マグネシウムで乾燥後溶媒を留去した。減圧蒸留することによりイソプロピルシクロペンタジエン36,61g(338.4mmo1)を得た。(収率39%)
(3)3−イソプロピル−6,6−ジメチルフルベンの製造
メタノール200mLにイソプロピルシクロペンタジエン36.61g(338.4mmol),アセトン27.3mL(372mmo1)を加え、滴下漏斗を用いてピロリジン36mL(431mmo1)を滴下した。室温で1時間撹件後、酢酸で中和し水、エーテル各200mLで希釈した。有機相を分液後、溶媒を留去し、得られた黄色油状物を減圧蒸留することにより3−イソプロピル−6,6−ジメチルフルペンを36.81g(248mmo1)得た。(収率73%)
(4)1,3−ジイソプロピルシクロペンタジエンの製造
エーテル200mLに水素化リチウムアルミニウム9.4g(248mmo1)を加え、これに3−イソプロピル−6,6−ジメチルフルベン35.26g(237.8mmol)をゆっくり滴下した。滴下後、室温で1時間攪拌し、0℃で加水分解を行い、エーテルで抽出した。有機相を無水塩化マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、減圧蒸留により1,3−ジイソプロピルシクロペンタジエン27.58g(183.5mmo1)得た。(収率74%)
(5)3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニルジメチルクロロシランの製造
1,3−ジイソプロピルシクロペンタジエン9.6g(63.4mmo1)にトルエン100mL,ヘキサン50mLを加え、−78℃でn−BuLi(1.55M,ヘキサン溶液)を45mL滴下した。室温で8時間攪拌後、白色沈殿を濾別し、減圧下で乾燥した。得られた白色固体を−78℃でTHF80mLに溶解し、ここヘジメチルジクロロシラン10.8mL(89mmo1)を滴下した。室温に戻し、2時間攪拌した。溶媒を留去後ヘキサン100mLで抽出した。溶媒を留去することにより3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニルジメチルクロロシランを14.4g(59mmo1)得た。(収率93%)
(6)(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(2,4−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジメチルシランの製造
3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニルジメチルクロロシラン14.4g(59mmo1)にTHF50mLを加え、これを別に合成しておいた1,2−ジメチルシクロペンタジエニルリチウム(59mmo1)のTHF溶液に滴下した。終夜攪拌後、溶媒を留去し、ヘキサン100mLで抽出した。溶媒を留去することにより(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(2,4−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン7.55g(25.1mmo1)を得た。(収率43%)
(7)(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエン)の製造
(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(2,4−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジメチルシラン7.55g(25・1mmo1)にエーテル100mLを加え、−78℃でn−BuLi(ヘキサン溶液、1.61M)31.2mLを加えた。室温で8時間攪拌した後、溶媒を留去し、ヘキサン100mLで洗浄した後,減圧乾燥した。これにTHF80mLを加え、0℃でジメチルジクロロシラン3.0mL(24.7mmo1)を加えて、室温で20時間攪拌した。得られた黄白濁溶液の溶媒を留去してヘキサン80mLで抽出した。抽出液の溶媒を留去すると黄色油状物が得られた。これをクーゲル蒸留(0.06torr,160℃)を行うと粘稠な淡黄色油状物として(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエン)が得られた。
(8)(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの製造
(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエン)2.04g(5・7mmo1)にTHF50mLを加え、0℃でn−BuLi(ヘキサン溶液、1.61M)を8.5mL(13.7mmo1)を滴下した。滴下終了後、室温で2.5時間攪拌した。溶媒留去後ヘキサン30mLで洗浄した。これを濾別し、減圧乾燥して白色粉末を得た。この粉末1.17g(3.2mmo1)をジクロロメタン50mLに懸濁させ−78℃に冷却した。ここへ四塩化ハフニウム1.0gのジクロロメタン30mL懸濁液を滴下し、室温で8時間攪拌した。溶媒を留去後トルエン40mLで抽出した。濾過後、溶液を濃縮して冷蔵すると(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドの無色の結晶が析出した。
実施例1
内容積10リットルのステンレス製オートクレーブにヘプタン6リットル、トリイソブチルアルミニウム5ミリモル、メチルアルミノキサン(アルベマール社製)20ミリモルと、製造例で得られた(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3,5−ジイソプロピルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドを20マイクロモルを投入した。ここで、全圧て7.8MPa−Gまでプロピレンガスを導入し、重合温度40℃で、60分間重合を行った。重合反応終了後、反応物を減圧下、乾燥することにより、プロピレン系重合体を160gを得た。プロピレン系重合体の樹脂特性は、ラセミペンタッド分率(rrrr)が22.3、分子量分布(Mw/Mn)が2.14、重量平均分子量(Mn)が100000であった。
得られたプロピレン系重合体を単軸押出機(塚田樹機製作所製:TLC35−20型)にて押出造粒してペレットを得た。これをプレス成形した試験片の引張強度は20MPa、内部ヘイズが5%であった。
実施例2
出光石油化学社製ポリプロピレンEl05GMに実施例1にて得られたポリプロピレン重合体を25重量%配合した。
得られた樹脂組成物から実施例1と同様の方法によりペレットを得た。これをプレス成形した試験片の引張強度は1100MPa、内部ヘイズが35%であった。
比較例1
出光石油化学社製ポリプロピレンEl05GMからに実施例1と同様の方法によりペレットを得た。これをプレス成形した試験片の引張強度は1500MPa、内部ヘイズが45%であった。

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)で表される遷移金属化合物。
    Figure 0005291012
    (式中、Mは、周期律表第3〜10族又は、ランタノイド系列の金属元素、Xは、Mと結合するσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよいし、又はYと架橋していてもよい。Yはルイス酸を示しYが複数ある場合、複数のYは同じでも異なってもよいし、R1〜R5、又はXと架橋していてもよい。Aは骨格が周期律表第IV族の元素からなる置換基を示し、pは1〜20の整数、qは1〜5の整数で[(Mの原子価)−2]を示し、rは0〜3の整数を示す。R1、R2、R4、R5 は、炭素数1〜の炭化水素基を示す。R3は水素原子を示す。また、 1 、R 2 、R 4 、R 5 は互いに同じでも異なってもよく、また隣接する基と環を形成してもよい。)
  2. 一般式(I)におけるAが、R6 2C又はR6 2Si(R6は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基)である請求項1に記載の遷移金属化合物。
  3. 一般式(I)におけるAが、CH2、(CH32C、CH2CH2、(CH32C(CH32C、(CH32Si、(C652Siから選ばれた少なくとも一種の置換基である請求項1に記載の遷移金属化合物。
  4. (A)請求項1〜3の何れか1項に記載の遷移金属化合物および、(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物と(B−2)アルミノキサンから選ばれた成分からなる触媒成分を含有するプロピレン系重合体製造用触媒。
  5. 担体に(A)請求項1〜3の何れか1項に記載の遷移金属化合物、(B)(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物と(B−2)アルミノキサンから選ばれた成分および(C)有機アルミニウム化合物からなる触媒成分を担持してなる請求項4に記載のプロピレン系重合体製造用触媒。
  6. (B−1)が下記一般式(III)および/または下記一般式(IV)で表される化合物である請求項4または請求項5に記載のプロピレン系重合体製造用触媒。
    (〔L1−R10k+a (〔Z〕-b ・・・(III)
    (〔L2k+a(〔Z〕-b ・・・(IV)
    〔(III),(IV)式中、L1はルイス塩基、L2はM2、R11123、R13 3C又はR143である。〔Z〕-は、非配位性アニオン〔Z1-及び〔Z2-、ここで〔Z1-は複数の基が元素に結合したアニオンすなわち〔M112・・・Gf-(ここで、M1は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期律表第13〜15族元素を示す。G1〜Gfはそれぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のアルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G1〜Gfのうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは〔(中心金属M1の原子価)+1〕の整数を示す。)、〔Z2-は、酸解離定数の逆数の対数(pKa)が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基、あるいは一般的に超強酸と定義される酸の共役塩基を示す。また、ルイス塩基が配位していてもよい。また、R10は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R11及びR12はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、R13は炭素数1〜20のアルキル基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。R14はテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニン等の大環状配位子を示す。kは〔L1−R10〕,〔L2〕のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=(k×a)である。M2は、周期律表第1〜3、11〜13、17族元素を含むものであり、M3は、周期律表第7〜12族元素を示す。〕
  7. (B−2)アルミノキサンが下記一般式(V)で表される鎖状アルミノキサンおよび/または下記一般式(VI)で表される環状アルミノキサンである請求項4または請求項5に記載のプロピレン系重合体製造用触媒。
    Figure 0005291012
    Figure 0005291012
    (式中、R15は炭素数1〜20のアルキル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基などの炭化水素基あるいはハロゲン原子を示し、wは平均重合度を示し、2〜50の整数である。なお、各R15は同じでも異なっていてもよい。)
  8. (C)有機アルミニウム化合物が下記一般式(VII)で表される化合物である請求項5に記載のプロピレン系重合体製造用触媒。
    16 vAlJ3-v ・・・(VII)
    〔式中、R16は炭素数1〜10のアルキル基、Jは水素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整数である〕
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載の遷移金属化合物を用いて、(1)ラセミペンタッド分率(rrrr)が20〜60モル%、(2)ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が4以下、(3)重量平均分子量(Mw)が100000〜1000000であるプロピレン系重合体を得ることを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法。
  10. 請求項4〜8のいずれかに記載のプロピレン系重合体製造用触媒を用いて、(1)ラセミペンタッド分率(rrrr)が20〜60モル%、(2)ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により測定した分子量分布(Mw/Mn)が4以下、(3)重量平均分子量(Mw)が100000〜1000000であるプロピレン系重合体を得ることを特徴とするプロピレン系重合体の製造方法。
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