JP5289727B2 - ボレート系化合物およびその製造方法 - Google Patents
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上記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、2.0モル〜2.4モルの範囲内で添加し反応させることにより、下記一般式(1)で表されるボレート系化合物を合成する合成工程を有することを特徴とするボレート系化合物の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記ボレート系化合物合成用原料と、上記BF3錯体とを所定の割合で添加し反応させることにより、耐酸化性に優れた、上記一般式(1)で表されるボレート系化合物を得ることができる。
上記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、0.4モル〜0.6モルの範囲内で添加し反応させることにより、下記一般式(2)で表されるボレート系化合物を合成する合成工程を有することを特徴とするボレート系化合物の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記ボレート系化合物合成用原料と、上記BF3錯体とを所定の割合で添加し反応させることにより、耐酸化性に優れた、上記一般式(2)で表されるボレート系化合物を得ることができる。
上記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、上記BF3錯体を3.0モル〜6.0モルの範囲内で添加し反応させることにより、下記一般式(3)で表されるボレート系化合物を合成する合成工程を有することを特徴とするボレート系化合物の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記ボレート系化合物合成用原料と、上記BF3錯体とを所定の割合で添加し反応させることにより、耐酸化性に優れた、上記一般式(3)で表されるボレート系化合物を得ることができる。
まず、本発明のボレート系化合物について説明する。本発明のリチウム塩は、一般式(1)で表されるボレート系化合物(第一実施態様)と、一般式(2)で表されるボレート系化合物(第二実施態様)と、一般式(3)で表されるボレート系化合物(第三実施態様)と、に大別することができる。以下、本発明のボレート系化合物について、実施態様ごとに説明する。
まず、本発明のボレート系化合物の第一実施態様について説明する。本実施態様のボレート系化合物は、上述した一般式(1)で表されることを特徴とするものである。
本実施態様のボレート系化合物の構造について説明する。一般式(1)において、pは、通常1〜5の整数であり、中でも2〜4の整数であることが好ましい。特に、本実施態様においては、p=2またはp=3であることが好ましい。mは、通常1〜15の整数であり、中でも1〜6の整数であることが好ましい。特に、本実施態様においては、m=1であることが好ましい。nは、通常1〜3の整数であり、中でも1〜2の整数であることが好ましい。特に、本実施態様においては、n=1であることが好ましい。下記に本実施態様のボレート系化合物を例示する。
次に、本実施態様のボレート系化合物の用途について説明する。本実施態様のボレート系化合物は通常液体であり、一般的なリチウム二次電池等に用いられるリチウム塩(支持塩)を溶解させることができる。そのため、例えば、電気化学デバイス用電解液の溶媒または添加剤として有用である。すなわち、本実施態様においては、一般式(1)で表されることを特徴とする電気化学デバイス用電解液の溶媒を提供することができる。
次に、本発明のボレート系化合物の第二実施態様について説明する。本実施態様のボレート系化合物は、上述した一般式(2)で表されることを特徴とするものである。
本実施態様のボレート系化合物の構造について説明する。一般式(2)において、pは、通常1〜5の整数であり、中でも2〜4の整数であることが好ましい。特に、本実施態様においては、p=2またはp=3であることが好ましい。mは、通常1〜15の整数であり、中でも1〜6の整数であることが好ましい。特に、本実施態様においては、m=1であることが好ましい。nは、通常1〜3の整数であり、中でも1〜2の整数であることが好ましい。特に、本実施態様においては、n=1であることが好ましい。下記に本実施態様のボレート系化合物を例示する。
次に、本実施態様のボレート系化合物の用途について説明する。本実施態様のボレート系化合物は通常液体であり、一般的なリチウム二次電池等に用いられるリチウム塩(支持塩)を溶解させることができる。そのため、例えば、電気化学デバイス用電解液の溶媒または添加剤として有用である。すなわち、本実施態様においては、一般式(2)で表されることを特徴とする電気化学デバイス用電解液の溶媒を提供することができる。また、本実施態様においては、一般式(2)で表されるボレート系化合物と、支持塩とを含有する電気化学デバイス用電解液を提供することができる。さらに、本実施態様においては、正極活物質を含有する正極層と、負極活物質を含有する負極層と、上記正極層および上記負極層の間に設置されたセパレータと、少なくとも上記セパレータに含浸された電解液とを有するリチウム二次電池であって、上記電解液が、上記の電気化学デバイス用電解液であることを特徴とするリチウム二次電池を提供することができる。これらの詳細については、上記「1.第一実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本発明のボレート系化合物の第三実施態様について説明する。本実施態様のボレート系化合物は、上述した一般式(3)で表されることを特徴とするものである。
本実施態様のボレート系化合物の構造について説明する。一般式(3)において、pは、通常1〜5の整数であり、中でも2〜4の整数であることが好ましい。特に、本実施態様においては、p=2またはp=3であることが好ましい。mは、通常1〜15の整数であり、中でも1〜6の整数であることが好ましい。特に、本実施態様においては、m=1であることが好ましい。nは、通常1〜3の整数であり、中でも1〜2の整数であることが好ましい。特に、本実施態様においては、n=1であることが好ましい。下記に本実施態様のボレート系化合物を例示する。
次に、本実施態様のボレート系化合物の用途について説明する。本実施態様のボレート系化合物は通常液体であり、一般的なリチウム二次電池等に用いられるリチウム塩(支持塩)を溶解させることができる。そのため、例えば、電気化学デバイス用電解液の溶媒または添加剤として有用である。すなわち、本実施態様においては、一般式(3)で表されることを特徴とする電気化学デバイス用電解液の溶媒を提供することができる。また、本実施態様においては、一般式(3)で表されるボレート系化合物と、支持塩とを含有する電気化学デバイス用電解液を提供することができる。さらに、本実施態様においては、正極活物質を含有する正極層と、負極活物質を含有する負極層と、上記正極層および上記負極層の間に設置されたセパレータと、少なくとも上記セパレータに含浸された電解液とを有するリチウム二次電池であって、上記電解液が、上記の電気化学デバイス用電解液であることを特徴とするリチウム二次電池を提供することができる。これらの詳細については、上記「1.第一実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本発明のボレート系化合物の製造方法について説明する。本発明のボレート系化合物の製造方法は、一般式(1)で表されるボレート系化合物を製造する態様(第四実施態様)と、一般式(2)で表されるボレート系化合物を製造する態様(第五実施態様)と、一般式(3)で表されるボレート系化合物を製造する態様(第六実施態様)とに大別することができる。以下、本発明のボレート系化合物の製造方法について、実施態様ごとに説明する。
まず、本発明のボレート系化合物の製造方法の第四実施態様について説明する。本実施態様のボレート系化合物の製造方法は、上述した一般式(4)で表されるボレート系化合物合成用原料と、上述した一般式(5)で表されるBF3錯体とを用意し、上記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、2.0モル〜2.4モルの範囲内で添加し反応させることにより、上述した一般式(1)で表されるボレート系化合物を合成する合成工程を有することを特徴とするものである。
以下、本実施態様のボレート系化合物の製造方法について、工程ごとに説明する。
まず、本実施態様における合成工程について説明する。本実施態様における合成工程は、上述した一般式(4)で表されるボレート系化合物合成用原料と、上述した一般式(5)で表されるBF3錯体とを用意し、上記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、上記BF3錯体を2.0モル〜2.4モルの範囲内で添加し反応させることにより、上述した一般式(1)で表されるボレート系化合物を合成する工程である。
次に、本発明のボレート系化合物の製造方法の第五実施態様について説明する。本実施態様のボレート系化合物の製造方法は、上述した一般式(4)で表されるボレート系化合物合成用原料と、上述した一般式(5)で表されるBF3錯体とを用意し、上記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、0.4モル〜0.6モルの範囲内で添加し反応させることにより、上述した一般式(2)で表されるボレート系化合物を合成する合成工程を有することを特徴とするものである。
以下、本実施態様のボレート系化合物の製造方法について、工程ごとに説明する。
まず、本実施態様における合成工程について説明する。本実施態様における合成工程は、上述した一般式(4)で表されるボレート系化合物合成用原料と、上述した一般式(5)で表されるBF3錯体とを用意し、上記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、上記BF3錯体を0.4モル〜0.6モルの範囲内で添加し反応させることにより、上述した一般式(2)で表されるボレート系化合物を合成する工程である。
次に、本発明のボレート系化合物の製造方法の第六実施態様について説明する。本実施態様のボレート系化合物の製造方法は、上述した一般式(4)で表されるボレート系化合物合成用原料と、上述した一般式(5)で表されるBF3錯体とを用意し、上記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、上記BF3錯体を3.0モル〜6.0モルの範囲内で添加し反応させることにより、上述した一般式(3)で表されるボレート系化合物を合成する合成工程を有することを特徴とするものである。
以下、本実施態様のボレート系化合物の製造方法について、工程ごとに説明する。
まず、本実施態様における合成工程について説明する。本実施態様における合成工程は、上述した一般式(4)で表されるボレート系化合物合成用原料と、上述した一般式(5)で表されるBF3錯体とを用意し、上記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、上記BF3錯体を3.0モル〜6.0モルの範囲内で添加し反応させることにより、上述した一般式(3)で表されるボレート系化合物を合成する工程である。
上述した反応スキームAに従って、液状のボレート系化合物(1-1-1a)を合成した。
(反応1)
ホウ酸4.9g(8.0×10−2mol)、メトキシエタノール20.0g(2.6×10−1mol)を70℃で反応させて無色透明液体を得た。トルエンを数回に分けて加え、共沸により水を取り除いた。この溶液にモルキュラーシーブ3A(関東化学社製)を入れて一晩乾燥させた。その後、減圧蒸留を行いB(OCH2CH2OCH3)3(b.p.69℃/0.15mmHg)を得た(収率56%)。
B(OCH2CH2OCH3)3を18.3g(7.7×10−2mol)、BF3−Et2Oを22.1g(1.6×10−1mol)混合し、窒素フロー下、室温で40時間撹拌して無色透明液体を得た。反応中にEt2O等の蒸発による質量減少が観測された(実験値:10.8g、理論値:11.5g)。減圧蒸留により粘度の高い無色透明の液体18.4g(b.p.70℃/5.0mmHg)を得た(収率64%)。得られた液体は、空気中で安定であった。
上述した反応スキームBに従って、液状のボレート系化合物(2-1-1a)を合成した。
(反応1)
実施例1と同様の方法により、B(OCH2CH2OCH3)3を得た。
(反応3)
B(OCH2CH2OCH3)3を17.6g(7.5×10−2mol)、BF3−Et2Oを5.4g(3.8×10−2mol)混合し、窒素フロー下、室温で19時間撹拌して無色透明液体を得た。反応中にEt2O等の蒸発による質量減少が観測された(実験値:2.8g、理論値:2.8g)。減圧蒸留により無色透明の液体12.9g(b.p.72℃/3.0mmHg)を得た(収率63%、密度1.13g ml−1、25℃)。得られた液体は、空気中で安定であった。
本比較例においては、BF2(OCH2CH2CH3)の構造を有するボレート系化合物を合成した。このボレート系化合物は、エーテル基を有しておらず、本発明のボレート系化合物とは構造が異なる。
本比較例においては、BF(OCH2CH2CH3)2の構造を有するボレート系化合物を合成した。このボレート系化合物は、エーテル基を有しておらず、本発明のボレート系化合物とは構造が異なる。
実施例1で得られた液状のボレート系化合物(BF2(OCH2CH2OCH3))および実施例2で得られた液状のボレート系化合物(BF(OCH2CH2OCH3)2)を用いて、イオン伝導度を測定した。まず、支持塩としてLiPF6およびLiTFSIを用意し、得られた液状のボレート系化合物に対して、それぞれ0.5mol/kgで溶解させ電解液とした。次に、SUS電極を用いて、この電解液のイオン伝導度を交流インピーダンス法により測定した。各温度におけるイオン伝導度をアレニウスプロットしたグラフを図5および図6に示す。図5は実施例1で得られた液状のボレート系化合物の結果であり、図6は実施例2で得られた液状のボレート系化合物の結果である。
上述した反応スキームAに準じて、液状のボレート系化合物(1-1-2a)を合成した。
まず、ホウ酸4.9g(8.0×10−2mol)、メトキシプロパノール24.0g(2.6×10−1mol)を70℃で反応させて無色透明液体を得た。トルエンを数回に分けて加え、共沸により水を取り除いた。この溶液にモルキュラーシーブ3A(関東化学社製)を入れて一晩乾燥させた。その後、減圧蒸留を行いB(OCH2CH2CH2OCH3)3(b.p.105℃/0.7mmHg)を得た(収率79%)。
上述した反応スキームBに準じて、液状のボレート系化合物(2-1-2a)を合成した。まず、実施例3と同様の方法により、B(OCH2CH2CH2OCH3)3を得た。
次に、B(OCH2CH2CH2OCH3)3を7.2g(2.6×10−2mol)、BF3−Et2Oを1.9g(1.3×10−2mol)混合し、窒素フロー下、室温で24時間撹拌して無色透明液体を得た。反応中にEt2O等の蒸発による質量減少が観測された(実験値:1.0g、理論値:1.0g)。減圧蒸留により無色透明の液体3.9g(b.p.53℃/0.1mmHg)を得た(収率48%)。得られた液体は、空気中で安定であった。
上述した反応スキームCに準じて、液状のボレート系化合物(3-1-2a)を合成した。まず、実施例3と同様の方法により、B(OCH2CH2CH2OCH3)3を得た。
次に、B(OCH2CH2CH2OCH3)3を5.0g(1.8×10−2mol)、BF3−Et2Oを12.8g(9.0×10−2mol)混合し、窒素フロー下、室温で40時間撹拌して無色透明液体を得た。反応中にEt2O等の蒸発による質量減少が観測された(実験値:5.1g、理論値:6.7g)。減圧蒸留により無色透明の液体5.0g(b.p.54℃/10mmHg)を得た(収率45%)。得られた液体は、空気中で安定であった。
実施例3で得られた液状のボレート系化合物(BF2(OCH2CH2CH2OCH3))、実施例4で得られた液状のボレート系化合物(BF(OCH2CH2CH2OCH3)2)、および実施例5で得られた液状のボレート系化合物(BF2(OCH2CH2CH2OCH3)(BF3))を用いて、イオン伝導度を測定した。まず、支持塩としてLiTFSIを用意し、得られた液状のボレート系化合物に対して、0.5mol/kgで溶解させ電解液とした。次に、SUS電極を用いて、この電解液のイオン伝導度を交流インピーダンス法により測定した。各温度におけるイオン伝導度をアレニウスプロットしたグラフを図12に示す。図12から明らかなように、いずれも良好なイオン伝導性を示した。
Claims (17)
- 請求項11または請求項12に記載のボレート系化合物と、支持塩とを含有することを特徴とする電気化学デバイス用電解液。
- 正極活物質を含有する正極層と、負極活物質を含有する負極層と、前記正極層および前記負極層の間に設置されたセパレータと、少なくとも前記セパレータに含浸された電解液とを有するリチウム二次電池であって、
前記電解液が、請求項1〜10、13のいずれかの請求項に記載の電気化学デバイス用電解液であることを特徴とするリチウム二次電池。 - 下記一般式(4)で表されるボレート系化合物合成用原料と、下記一般式(5)で表されるBF3錯体とを用意し、
(一般式(4)中、pは1〜5の整数であり、mは1〜15の整数であり、nは1〜3の整数である。)
(一般式(5)中、Lはホウ素に配位可能な非共有電子対を有する分子である。)
前記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、前記BF3錯体を2.0モル〜2.4モルの範囲内で添加し反応させることにより、下記一般式(1)で表されるボレート系化合物を合成する合成工程を有することを特徴とするボレート系化合物の製造方法。
(一般式(1)中、pは1〜5の整数であり、mは1〜15の整数であり、nは1〜3の整数である。) - 下記一般式(4)で表されるボレート系化合物合成用原料と、下記一般式(5)で表されるBF3錯体とを用意し、
(一般式(4)中、pは1〜5の整数であり、mは1〜15の整数であり、nは1〜3の整数である。)
(一般式(5)中、Lはホウ素に配位可能な非共有電子対を有する分子である。)
前記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、前記BF3錯体を0.4モル〜0.6モルの範囲内で添加し反応させることにより、下記一般式(2)で表されるボレート系化合物を合成する合成工程を有することを特徴とするボレート系化合物の製造方法。
(一般式(2)中、pは1〜5の整数であり、mは1〜15の整数であり、nは1〜3の整数である。) - 下記一般式(4)で表されるボレート系化合物合成用原料と、下記一般式(5)で表されるBF3錯体とを用意し、
(一般式(4)中、pは1〜5の整数であり、mは1〜15の整数であり、nは1〜3の整数である。)
(一般式(5)中、Lはホウ素に配位可能な非共有電子対を有する分子である。)
前記ボレート系化合物合成用原料1モルに対して、前記BF3錯体を3.0モル〜6.0モルの範囲内で添加し反応させることにより、下記一般式(3)で表されるボレート系化合物を合成する合成工程を有することを特徴とするボレート系化合物の製造方法。
(一般式(3)中、pは1〜5の整数であり、mは1〜15の整数であり、nは1〜3の整数である。)
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