JP5287860B2 - コマンド入力装置および携帯用情報機器とコマンド入力方法 - Google Patents

コマンド入力装置および携帯用情報機器とコマンド入力方法 Download PDF

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Description

本発明は、入力操作が行われた箇所に応じて入力処理の内容を認識することによってコマンド入力処理を行なうようにしたコマンド入力装置および携帯用情報機器とコマンド入力方法の改良に関する。
携帯電話,PDA(Personal Digital Assistants),ノートPCといった可搬性を重視する携帯用情報機器やディスプレイなどの表示部を重視する携帯用情報機器に利用されるコマンド入力装置において、機器上のコマンド入力部を小さくした装置が求められている。
機器上のコマンド入力部のキー配置スペースを小さくするための方法として、一つの入力に複数の機能を割り当てる機能が考えられる。この種のものとしては、例えば、特許文献1に開示されるように、機器上に上下左右の傾斜角度を検出するジョイスティックを配置し、その傾斜方向により文字の切り替えを行なう方法が提案されている。しかしながら、各々の入力をするためのジョイスティックの傾斜方向を調整する操作に慣れが必要となり、入力操作が複雑になることから、入力ミスの原因にもなる。
また、キーとは独立した複数の光学センサを入力部に配置し、光学センサの動作状態の組み合わせに応じて入力処理の機能を割り振るようにしたものが特許文献2として開示されているが、やはり、キーのコンビネーション操作を利用したものと同様、操作自体が煩雑化する不都合がある。
更に、検出部をディスプレイなどの表示部とは違う場所に配置する方法がある。この方法としては、特許文献3に開示されるように、参照端末の背面側に触覚入力用凸部を配置し、押圧により入力するものが知られている。しかしながら、入力している位置を確認するために、表示部内に表示スペースが必要となり、ディスプレイサイズを大きくする必要が生じ、装置自体の小型化に適さない。また、入力エリアのピッチが狭いため、入力の位置決めなどが難しい。
更に、検出部を機器とは切り離して独立的に配置する方法がある。このような方法としては例えば特許文献4,特許文献5,特許文献6に開示されるように、体に検出部を装着させて入力を行なう装置が提案されている。しかしながら、入力部を機器とは別に用意する必要があり、可搬性には優れていない。また、操作者に検出部を取り付ける煩わしさもある。
また、特に、振動を利用した入力手段としては、特許文献7に開示されるように、ユーザが行なうタッピング操作を検出し、タッピング操作の強弱や間隔に対応した所定の入力処理を自動的に行うようにしたものが知られている。しかし、タッピング操作の強弱や間隔を調整して所望する処理操作を選択する必要上、依然として、ユーザに一定の熟練が求められる不都合がある。
特開2005−301874号公報 特開平2−113317号公報 特開2003−162362号公報 特表2004−537802 特開平11−338597号公報 特開2007−128304号公報 特開2002−190857号公報
前述のとおり、第1の問題点は、小さい入力エリアでの選択や決定といった操作において、小さい入力エリアに複数の機能を割り当てることは、入力のための慣れが必要になる点である。なぜなら、小さい入力エリアに複数の機能を割り当てることにより操作体系の複雑な操作が要求されること、また、周知の携帯電話によく用いられるテンキーによる文字入力などとは異なった入力操作たとえばジョイスティックの操作などが要求されることから、入力のための慣れが必要になるためである。
また、第2の問題点は、小さい入力エリアでの選択や決定といった操作では、入力ミスが多くなる点である。入力エリアのピッチが狭いため、人手による入力のための位置決め精度が高く要求され、入力ミスが増える他、位置合わせに時間がかかる点でも不都合がある。
そして、第3の問題点は、入力への視覚による確認が難しい位置への入力操作において入力確認性が低いことである。その理由は、入力している指で入力エリアが隠れてしまう小さい入力エリアへの入力や、機器の表示面とは違う場所に入力エリアを配置することで、どこの位置への入力を行なっているのかの確認ができなくなるからである。
更に、第4の問題点は、検出部を操作者に取り付ける煩わしさにある。体に検出部を装着させることは、入力操作を行なわないときは邪魔であり、取り外しや装着自体の煩わしさがある。また、体に検出部を装着させた上で、体に対して入力操作をする入力では、入力部が機器とは別に必要であり、可搬性に優れない。
そこで、本発明の目的は、装置本体と独立した入力部を必要とせず、格別の熟練を要さず操作が簡単であって、しかも、コマンド入力装置自体に大面積の入力スペースを設けなくても十分な入力スペースが確保でき、正確な位置決め操作を行なわなくても、所望する入力操作を確実に選択することのできるコマンド入力装置および携帯用情報機器とコマンド入力方法を提供することにある。
本発明のコマンド入力装置は、入力操作が行われた箇所に応じて入力処理の内容を認識することによってコマンド入力処理を行なうようにしたコマンド入力装置であり、前記課題を達成するため、特に、
ユーザの体に対するタッピング操作によって生起され当該ユーザの体を介して伝達される振動を検出する第1,第2の検出手段をコマンド入力装置上の相異なる位置でユーザの体に接触するように配置したコマンド入力部と、
前記第1,第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データとユーザの体に対するタッピング操作の箇所との対応関係を予めデータベースとして記憶した判定データ記憶手段と、
前記第1,第2の検出手段によって振動が検出される度に該第1,第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析して解析データを得る振動解析手段と、
前記振動解析手段によって得られた解析データに基いて前記判定データ記憶手段のデータベースを検索することによりユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定し、当該タッピング操作の箇所を入力操作が行われた箇所として認識する操作箇所特定手段とを備えたことを特徴とする構成を有する。
本発明の携帯用情報機器は、前記と同様の課題を達成するため、
ユーザの体に対するタッピング操作によって生起され当該ユーザの体を介して伝達される振動を検出する第1,第2の検出手段をコマンド入力装置上の相異なる位置でユーザの体に接触するように配置したコマンド入力部と、
前記第1,第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データとユーザの体に対するタッピング操作の箇所との対応関係を予めデータベースとして記憶した判定データ記憶手段と、
前記第1,第2の検出手段によって振動が検出される度に該第1,第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析して解析データを得る振動解析手段と、
前記振動解析手段によって得られた解析データに基いて前記判定データ記憶手段のデータベースを検索することによりユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定し、当該タッピング操作の箇所を入力操作が行われた箇所として認識する操作箇所特定手段とを備えコマンド入力装置を実装したことを特徴とする構成を有する。
本発明のコマンド入力方法は、入力操作が行われた箇所に応じて入力処理の内容を認識することによってコマンド入力処理を行なうようにしたコマンド入力方法であり、前記と同様の課題を達成するため、
ユーザの体に対するタッピング操作によって生起され当該ユーザの体を介して伝達される振動をユーザの体上の第1の検出箇所と第2の検出箇所の各々で検出した後、
前記検出された各振動の関連とユーザの体に対するタッピング操作の箇所との既知の対応関係に基いてユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定し、当該タッピング操作の箇所を入力操作が行われた箇所として認識することを特徴とした構成を有する。
本発明のコマンド入力装置および携帯用情報機器とコマンド入力方法は、ユーザの体に対するタッピング操作によって生起されて当該ユーザの体を介して伝達される振動を検出し、振動の関連を解析して得られる解析データとユーザの体に対するタッピング操作の箇所との既知の対応関係に基いてユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定し、当該タッピング操作の箇所を入力操作が行われた箇所として認識するようにしているので、ユーザの体をコマンド入力のためのスペースとして利用することができる。
このため、コマンド入力装置自体に大面積の入力スペースを設けなくても十分な入力スペースを確保することができ、この結果、複雑な操作体系の組み合わせやジョイスティック等の操作によって一つの入力エリアに複数の機能を割り当てなければならないといった不都合が解消されるので、入力操作に関わる熟練が不要となり、選択や決定といった操作が理解し易くなり、かつ、容易に実行できるようになる。
また、十分な入力スペースを確保することができるので、各々の機能を大きい入力エリアに割り当てることが可能となり、操作がし易くなる。従って、入力エリアのピッチが狭いために生じていた不都合、即ち、入力操作のために高い位置決め精度がユーザの側に要求されるといった不都合や入力操作のための位置決めに時間がかかるといった不都合が解消され、入力ミスの発生が未然に防止されると共に、入力に必要とされる所要時間も短縮される。
そして、入力操作をしている指が邪魔をして機器の表示画面等が隠されることがなく、しかも、ユーザ自らが自分の体に対して行なうタッピング操作によって入力処理が行われるため、触感によって入力操作を極めて容易に確認でき、同時に、どの位置への入力を行っているのかについても、操作部を見ることなく的確に把握することができる。
更に、体に検出部を装着する必要がないので、検出部が邪魔になったり、検出部の着脱作業が煩わしくなるといった不都合も完全に解消される。また、機器と独立した格別な検出部を持ち歩く必要もないので、可搬性に優れる。
しかも、単純なタッピング操作のみで入力操作を行うことができるので、操作の強弱や操作の時間間隔等を調整して入力操作を選択するといった必要がなく、ユーザが格別の練習を行わなくても所望する入力操作を簡単に実施することができる。
本発明を適用した一実施形態のコマンド入力装置の構成を示した機能ブロック図である。 可搬性を重視する携帯用情報機器のうち、特に、PDA(Personal Digital Assistants)にコマンド入力装置を実装した場合の構成について具体化して示したブロック図である。 同実施形態のPDAを背面側から示した斜視図である。 ユーザの体に対するタッピング操作の箇所として第1の検出手段に接触する指の先端と第2の検出手段に接触する掌底部とを連絡する体の領域を割り振った場合の一例について示した概念図である。 第1の検出手段で検出される振動と第2の検出手段で検出される振動の検出タイミングの時間差に基いてユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定する場合の作用原理について人差指を例にして示した模式図である。 人差指の第1エリア,人差指の第2エリア,人差指の第3エリアをタッピングした場合に生じる検出時間差の理論値について示したテーブルである。 人差指の第1エリア,人差指の第2エリア,人差指の第3エリアをタッピングした場合に生じる検出時間差のばらつきを示した線図である。 タッピングされたエリアを判定するための上限値と下限値の設定例を示した概念図である。 第1の検出手段の各々に対応してタッピング操作が行なわれたエリアを判定するために必要とされる上限値と下限値の対応関係の設定例を示したテーブルである。 振動解析手段および操作箇所特定手段として機能するマイクロプロセッサの処理動作の概略を示したフローチャートである。 振動解析手段および操作箇所特定手段として機能するマイクロプロセッサの処理動作の概略を示したフローチャートの続きである。 振動解析手段および操作箇所特定手段として機能するマイクロプロセッサの処理動作の概略を示したフローチャートの続きである。 第1,第2の検出手段の取り付け状態の一例を示した断面図である。 第1,第2の検出手段の取り付け状態の他の一例を示した断面図である。 第1,第2の検出手段から出力される信号をサンプリングするためのサンプリングデータ記憶テーブルの一例を示した概念図である。 第1の検出手段からの出力と第2の検出手段からの出力とサンプリング周期との関係を例示した線図であり、図16(a)は第1の検出手段からの出力について、図16(b)は第2の検出手段からの出力について、また、図16(c)はサンプリング周期について示している。 振動の立下りの発生時点を特徴点として利用することによって第1の検出手段と第2の検出手段との間の検出タイミングの時間差を算出する場合の作用原理について示した線図である。 振動の極小値の発生時点を特徴点として利用することによって第1の検出手段と第2の検出手段との間の検出タイミングの時間差を算出する場合の作用原理について示した線図である。 振動が予め設定された閾値を外れた時点を特徴点として利用することによって第1の検出手段と第2の検出手段との間の検出タイミングの時間差を算出する場合の作用原理について示した線図である。 本発明を適用した他の一実施形態のコマンド入力装置の構成を示した機能ブロック図である。 同実施形態のコマンド入力装置を実装したPDA(PersonalDigital Assistants)の構成について具体化して示したブロック図である。 同実施形態のPDAを正面側から示した斜視図である。 タッピングの箇所として親指に定義されたエリアについて示した概念図である。 第1の検出手段と親指に定義されたエリアとのコンビネーションに対応する選択肢について示した模式図である。 親指を第1の検出手段に接触させた状態で親指のエリアがタッピング操作されたものと仮定して第1の検出手段からの出力および第2の検出手段からの出力と第3の検出手段からの出力の対応関係について示した作用原理図であり、図25(a)は第1の検出手段からの出力について、図25(b)は第2の検出手段からの出力について、また、図25(c)は第3の検出手段からの出力について、更に、図25(d)は第2の検出手段の出力から第3の検出手段の出力を減じた波形について示している。 体の内部で振動を伝達する人体側振動伝達経路X1と筐体の内部で振動を伝達する筐体側振動伝達経路X2との関連を示した概念図である。 振動解析手段および操作箇所特定手段として機能するマイクロプロセッサの処理動作の概略を示したフローチャートである。 振動解析手段および操作箇所特定手段として機能するマイクロプロセッサの処理動作の概略を示したフローチャートの続きである。 第1の検出手段と第2の検出手段が筐体の左右の側面等で対向するようにして配置された携帯用情報機器に対して同実施形態のコマンド入力装置を実装した例について簡略化して示した図である。 本発明を適用した更に別の一実施形態のコマンド入力装置の構成を示した機能ブロック図である。 同実施形態のコマンド入力装置を実装したPDA(PersonalDigital Assistants)の構成について具体化して示したブロック図である。 同実施形態におけるPDAの外観とPDA上における第1,第2の検出手の配設状態について示した図であり、図32(a)ではPDAを折り畳んだ状態について、図32(b)ではPDAを使用状態に展開した状態について、図32(c)ではPDA上における第1,第2の検出手の配設状態について具体的に示している。 第1の検出手段によって検出される振動と第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データの組み合わせとエリアとの対応関係を記憶したテーブルの一例を示した概念図である。 振動解析手段および操作箇所特定手段として機能するマイクロプロセッサの処理動作の概略を示したフローチャートである。 振動解析手段および操作箇所特定手段として機能するマイクロプロセッサの処理動作の概略を示したフローチャートの続きである。 振動解析手段および操作箇所特定手段として機能するマイクロプロセッサの処理動作の概略を示したフローチャートの続きである。
次に、本発明を実施するための最良の形態について幾つかの例を挙げ、図面を参照して具体的に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明を適用した一実施形態のコマンド入力装置1の構成を示した機能ブロック図である。
この実施形態のコマンド入力装置1は、ユーザの体に対するタッピング操作によって生起され当該ユーザの体を介して伝達される振動を検出する複数個の第1の検出手段A1〜A4と第2の検出手段B1とを備えたコマンド入力部Cと、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データとユーザの体に対するタッピング操作の箇所との対応関係を予めデータベースDとして記憶した判定データ記憶手段Eと、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1によって振動が検出される度に第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1によって検出される振動の関連を解析して解析データを得る振動解析手段Fと、振動解析手段Fによって得られた解析データに基いて判定データ記憶手段EのデータベースDを検索することによりユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定し、当該タッピング操作の箇所を入力操作が行われた箇所として認識する操作箇所特定手段Gとを備える。
このうち、コマンド入力部Cにおける第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1は、コマンド入力装置1上の相異なる位置でユーザの体に接触するようにして配置されている。
図2は可搬性を重視する携帯用情報機器のうち、特に、PDA(Personal
Digital Assistants)にコマンド入力装置1を実装した場合の構成について具体化して示したブロック図である。
図2に示される通り、PDA2は、演算処理用のマイクロプロセッサ3と、該マイクロプロセッサ3の制御プログラムを格納したROM4と、演算データ等の一時記憶に利用されるRAM5と、各種のユーザプログラムおよびユーザ用のデータ等を記憶するフラッシュメモリ等によって構成される不揮発性メモリ6を備える。また、マイクロプロセッサ3の入出力回路7には、液晶表示板等からなるディスプレイ8と、選択操作用の十字キー等によって構成される簡単な構造のコマンドキー9、もしくは、タッチパネル10が、マン・マシン・インターフェイスとして接続されている。
この実施形態では、更に、加速度センサ等によって構成される複数個の第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1がマイクロプロセッサ3の入出力回路7に接続され、第1の検出手段A1〜A4から出力される信号a1〜a4および第2の検出手段B1から出力される信号b1が振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3によって読み込まれるようになっている。
また、ROM4には、PDA2の通常の機能を実現するために必要とされる公知の制御プログラムの他、PDA2のマイクロプロセッサ3を振動解析手段Fおよび操作箇所特定手段Gとして機能させるために必要とされる本実施形態に固有の制御プログラム(図10〜図12参照)が格納されている。
図3はコマンド入力装置1を実装したPDA2を背面側から示した斜視図である。図3に示されるように、コマンド入力装置1の筐体を兼ねるPDA2の筐体の背面側には、ユーザの体から分岐した末端部の各々、つまり、この実施形態にあっては、手の人差指,中指,薬指,小指の各々の先端に対応する位置に第1の検出手段A1〜A4が配置され、また、ユーザの体から分岐した末端部である人差指,中指,薬指,小指の基部に連絡したユーザの体の部分、すなわち、手の掌底部に対応する位置に、第2の検出手段B1が配置されている。
従って、この場合、ユーザの体上における第1の検出箇所は人差指,中指,薬指,小指の4指、また、ユーザの体上における第2の検出箇所は掌底部ということになる。
第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1を構成する加速度センサは、図13に示されるようにしてPDA2の配線基板11の裏面側に取り付けられ、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1の表側に、コマンド入力装置1の筐体を兼ねるPDA2の筐体から裏面に向けて露出するキートップ12が固着されている。更には、図14に示されるように、外乱となる振動の伝達を軽減するためのウレタンフォーム等の低反発素材からなる防振部材13aを挟んで配線基板12に第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1を取り付けるようにしてもよいし、あわせて、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1が筐体の開口部と干渉して振動することを防止するための矩形枠状の防振部材13bによって第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1の周囲を包囲するようにしてもよい。これらの構成により、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1に作用する無用な外乱を除去し、ユーザの指先や掌底部から伝達される振動のみを第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1に適切に伝達することが可能となる。
この実施形態では、ユーザの体に対するタッピング操作の箇所として、第1の検出手段A1〜A4に接触する体の各々の部分つまり人差指,中指,薬指,小指の各々の先端と第2の検出手段B1に接触する体の部分すなわち掌底部とを連絡する体の領域に対応して、より具体的には、各指に沿って各指毎に3つのエリアを設定している。
具体的には、図4に示されるように、人差指の先端から第1関節までの区間が人差指の第1エリア,人差指の第1関節から第2関節までの区間が人差指の第2エリア,人差指の第2関節から第3関節までの区間が人差指の第3エリアであり、同様に、中指の先端から第1関節までの区間が中指の第1エリア,中指の第1関節から第2関節までの区間が中指の第2エリア,中指の第2関節から第3関節までの区間が中指の第3エリア、そして、薬指の先端から第1関節までの区間が薬指の第1エリア,薬指の第1関節から第2関節までの区間が薬指の第2エリア,薬指の第2関節から第3関節までの区間が薬指の第3エリアであり、更に、小指の先端から第1関節までの区間が小指の第1エリア,小指の第1関節から第2関節までの区間が小指の第2エリア,小指の第2関節から第3関節までの区間が小指の第3エリアである。
図5は何れかの指に設定されたタッピング操作の箇所つまり何れかの指の第1エリア,第2エリアもしくは第3エリアにタッピング操作が行われた際に第1の検出手段A1〜A4で検出される振動と第2の検出手段B1で検出される振動の検出タイミングの時間差に基いてユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定する場合の作用原理について人差指を例にして示した模式図である。
図5では人差指の先端から第1関節に至る区間の長さをl1,人差指の第1関節から第2関節に至る区間の長さをl2,人差指の第2関節から第3関節に至る区間の長さをl3としている。ここで、仮に、人差指の第1エリアつまり人差指の先端から第1関節に至る区間でタッピング操作が行なわれたとする。第1エリアの中央部でタッピング操作が行なわれたものとすれば、タッピング操作によって生起された振動は、第1エリアの中央部から指先までの経路をへて第1の検出手段A1によって検出されるので、その経路長はl1/2となり、また、同じ振動が第1エリアの中央部から掌底までの経路をへて第2の検出手段B1によって検出されるので、その経路長はl1/2+l2+l3となる。振動の伝達速度は骨,筋肉,腱,関節,皮膚,血液などにより構成される粘弾性体からなる人差指の全長に亘って概ね均一であるから、振動の伝達速度を一定の値Vとすれば、人差指の第1エリアの中央部に対するタッピング操作によって生起された振動が第1の検出手段A1によって検出されるまでの所要時間はl1/2V、また、人差指の第1エリアの中央部に対するタッピング操作によって生起された振動が第2の検出手段B1によって検出されるまでの所要時間はl1/2V+l2/V+l3/Vとなり、検出タイミングの時間差は結果的に(−l2−l3)/Vとなる。この場合、経路長においては明らかにl1/2<l1/2+l2+l3であるから、第1の検出手段A1が第2の検出手段B1に先行して振動を検出することになる。
同様に、人差指の第2エリアの中央部でタッピング操作が行なわれたものとすれば、タッピング操作によって生起された振動は、第2エリアの中央部から第1関節および第1関節から指先までの経路をへて第1の検出手段A1によって検出されるので、その経路長はl2/2+l1となり、また、同じ振動が第2エリアの中央部から掌底までの経路をへて第2の検出手段B1によって検出されるので、その経路長はl2/2+l3となるため、結果的に、検出タイミングの時間差は(l1−l3)/Vとなる。この場合、全体としては人差指の中央部がタッピングされることになるので、第1の検出手段A1と第2の検出手段B1が殆ど同時に振動を検出することになる。
同様に、人差指の第3エリアの中央部でタッピング操作が行なわれたものとすれば、タッピング操作によって生起された振動は、第3エリアの中央部から第2関節および第2関節から第1関節ならびに第1関節から指先までの経路をへて第1の検出手段A1によって検出されるので、その経路長はl3/2+l2+l1となり、また、同じ振動が第3エリアの中央部から掌底までの経路をへて第2の検出手段B1によって検出されるので、その経路長はl3/2となるため、結果的に、検出タイミングの時間差は(l1+l2)/Vとなる。この場合、経路長においては明らかにl3/2+l2+l1>l3/2であるから、第2の検出手段B1が第1の検出手段A1に先行して振動を検出することになる。
以上の結果を纏めて、図6のテーブルに示す。中指,薬指,小指の場合についても、l1,l2,l3の寸法自体が人差し指と相違することを除けば、基本的な点に関しては全て上記と同様である。
しかし、実際には、各エリアの中央部に対して必ずしも正確にタッピング操作が行われるわけではなく、また、人差指の寸法や形状および構造にはユーザによる個体差もあるので、人差指の第1エリアをタッピングした場合の第1の検出手段A1と第2の検出手段B1の検出タイミングの時間差(−l2−l3)/Vや人差指の第2エリアをタッピングした場合の第1の検出手段A1と第2の検出手段B1の検出タイミングの時間差(l1−l3)/Vや人差指の第3エリアをタッピングした場合の第1の検出手段A1と第2の検出手段B1の検出タイミングの時間差(l1+l2)/Vには、図7の線図に示すような正規分布状のばらつきが生じる。このようなばらつきがある場合でも、ばらつきに対応した標準偏差を用いて隣接するエリア同士に重複が生じないように、例えば、図8に示されるようにして適切な上限値と下限値を用いて判定基準を設定すれば、人差し指のタッピング操作の度に生じる第1の検出手段A1と第2の検出手段B1の検出タイミングの時間差が第1エリアのタッピング操作によって生じたものであるのか、第2エリアのタッピング操作によって生じたものであるのか、第3エリアのタッピング操作によって生じたものであるのかを、適切に把握することが可能である。
中指,薬指,小指の場合についても上記と全く同様である。
第1の検出手段A1〜A4の各々、つまり、人差指,中指,薬指,小指の種別に対応してタッピング操作が行なわれたエリアを判定するために必要とされる上限値と下限値の対応関係の一例を図9のテーブルTB2に示す。前述した通り、上限値や下限値の符号がマイナスであれば第1の検出手段A1あるいはA2,A3,A4が第2の検出手段B1に先行して振動を検出していることを意味し、また、上限値や下限値の符号がプラスであれば第2の検出手段B1が第1の検出手段A1あるいはA2,A3,A4に先行して振動を検出していることを意味する。
第1の検出手段A1〜A4で検出される振動と第2の検出手段B1で検出される振動の検出タイミングの時間差に基いてユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定する場合には、第1の検出手段A1〜A4で検出される振動と第2の検出手段B1で検出される振動の検出タイミングの時間差それ自体が、第1の検出手段A1〜A4で検出される振動と第2の検出手段B1で検出される振動の関連を解析して得られる解析データである。
従って、第1の検出手段A1〜A4の各々、つまり、人差指,中指,薬指,小指の種別に応じて、各指のタッピング操作の箇所である第1エリア,第2エリア,第3エリアの上限値と下限値の対応関係を登録した図9のテーブルTB2を、解析データとタッピング操作の箇所(エリア)との対応関係を記憶したデータベースDとして、コマンド入力装置1の判定データ記憶手段Eとして機能するROM4に予め登録しておくようにする。
テーブルTB2は、検出された各振動の関連とユーザの体に対するタッピング操作の箇所との既知の対応関係を記憶したものである。
図9のテーブルTB2は、第1の検出手段A1〜A4の各々に対応させて解析データすなわち振動の検出タイミングの時間差とタッピング操作の箇所との対応関係を記憶したデータベースであり、同時に、第1の検出手段A1〜A4に接触する指先と第2の検出手段B1に接触する掌底部とを連絡する領域上の第1エリア,第2エリア,第3エリアをユーザの体に対するタッピング操作の箇所として記憶したデータベースでもある。
図10〜図12はコマンド入力装置1の振動解析手段Fおよび操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3の処理動作の概略を示したフローチャートである。
次に、図10〜図12を参照して振動解析手段Fおよび操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3の処理動作(以下、入力判定処理と称する)について具体的に説明する。
入力判定処理を開始したマイクロプロセッサ3は、まず、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1の何れかによって振動が検出されているか否かを判定する(ステップa1)。
ここで、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1の何れによっても振動が検出されていなければ、指に対するユーザのタッピング操作は行われていないことを意味するので、マイクロプロセッサ3は、従来と同様にしてPDA2の基本機能に関わる処理を実行して(ステップa17)、当該周期の入力判定処理を終了する。ユーザによるタッピング操作が検出されなければステップa1の判定処理とステップa17の処理のみが繰り返し実行されるので、PDA2は従来型のPDAと同様に機能する。
一方、ユーザが指に対するタッピング操作を実行し、PDA2を保持する人差指,中指,薬指,小指の何れかの指の第1エリア,第2エリア,第3エリアのうちの1つをPDA2を保持しない側の手で叩くと、第1の検出手段A1〜A4もしくは第2の検出手段B1の何れかによって最初の振動が検出される(ステップa1)。
前述した通り、第1の検出手段A1〜A4が第2の検出手段B1に先行して振動を検出する場合も、また、第2の検出手段B1が第1の検出手段A1〜A4に先行して振動を検出する場合もあるが、この実施形態では、最初の振動が検出された時点で第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1から出力される信号のサンプリング処理を開始するようにしているので、第1の検出手段A1〜A4と第2の検出手段B1との検出タイミングの時間差を確実に求めることが可能である。
なお、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1から出力される信号は振動の大きさに比例した電圧値である。
第1の検出手段A1〜A4もしくは第2の検出手段B1の何れかによって最初の振動が検出されたことを確認したマイクロプロセッサ3は、まず、人差し指に対応する第1の検出手段A1から出力される信号の最大値を記憶する最大値記憶レジスタa1max,中指に対応する第1の検出手段A2から出力される信号の最大値を記憶する最大値記憶レジスタa2max,薬指に対応する第1の検出手段A3から出力される信号の最大値を記憶する最大値記憶レジスタa3max,小指に対応する第1の検出手段A4から出力される信号の最大値を記憶する最大値記憶レジスタa4maxの値を全て0に初期化し(ステップa2)、サンプリングデータ記憶用にRAM5内に生成されたサンプリングデータ記憶テーブルTB1の列を特定する書き込み位置特定指標jに初期値1をセットする(ステップa3)。
次いで、マイクロプロセッサ3は、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1から出力されている信号の現在値a1〜a4,b1を全て読み込み、書き込み位置特定指標jの現在値に基いて、これらの値a1〜a4,b1を図15に示されるようなサンプリングデータ記憶テーブルTB1の第j列に書き込む(ステップa4)。
そして、マイクロプロセッサ3は、当該サンプリング周期において第1の検出手段A1〜A4によって検出された信号の現在値a1〜a4と最大値記憶レジスタa1max〜a4maxに記憶されている値との大小関係を各々比較し(ステップa5〜ステップa8)、振動の現在値が最大値記憶レジスタの現在値よりも大きい場合に限り、最大値記憶レジスタに信号の現在値を更新して設定する(ステップa13〜ステップa16)。
次いで、マイクロプロセッサ3は、書き込み位置特定指標jの現在値が予め設定されたサンプリング数mの範囲内にあるか否かを判定し(ステップa9)、書き込み位置特定指標jの現在値が予め設定されたサンプリング数mの範囲内にあれば、書き込み位置特定指標jの値を1インクリメントし(ステップa10)、サンプリングタイマにサンプリング周期Δtをセットしてスタートさせる(ステップa11)。
そして、マイクロプロセッサ3は、サンプリングタイマがサンプリング周期Δtを計時するまで待機し(ステップa12)、設定されたサンプリング周期Δtが経過したことが確認されると再びステップa4の処理に移行し、前記と同様にしてステップa4〜ステップa12の処理操作を繰り返し実行する。
従って、第1の検出手段A1〜A4もしくは第2の検出手段B1の何れかによって最初の振動が検出された時点で周期Δtのサンプリング処理が開始され、サンプリングデータ記憶テーブルTB1には、例えば、図15に示されるようにして、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1から出力される振動の信号が時系列でm個ずつ、即ち、時間にしてΔt・mのサンプリング期間に亘って記憶され、最大値記憶レジスタa1max〜a4maxの各々には、Δt・mのサンプリング期間において第1の検出手段A1〜A4で検出された検出信号の最大値が保存されることになる。
一例として、第1の検出手段A1に触れた人差指の第1エリアがタッピング操作されたものと仮定し、第1の検出手段A1〜A4のうち、第1の検出手段A1からの出力a1および第2の検出手段B1からの出力b1とサンプリング周期Δtとの対応関係を図16に示す。具体的には図16(a)が第1の検出手段A1からの出力a1、図16(b)が第2の検出手段B1からの出力b1、また、図16(c)のクロック波の間隔がサンプリング周期Δtを表している。
図16の例では人差し指の第1エリアがタッピングされているので第1の検出手段A1が第2の検出手段B1に先行して振動を検出しているが、これとは逆に、人差し指の第3エリアがタッピングされた場合にあっては、第2の検出手段B1が第1の検出手段A1に先行して振動を検出することになる。しかし、いずれにしても、この実施形態にあっては第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1のうちの何れかが最初の振動を検出した時点でサンプリング処理を開始するようにしているので、どの指のどのエリアがタッピングされた場合であっても、第1の検出手段A1〜A4と第2の検出手段B1との検出タイミングの時間差を求めるために必要とされるデータを確実にサンプリングデータ記憶テーブルTB1に収集することが可能である。
サンプリングを継続する期間Δt・mは、振動の伝達に要する所要時間や振動が減衰する時間等を考慮し、指へのタッピング操作で生成された振動に基いて第1の検出手段A1〜A4と第2の検出手段B1から出力される信号が完全に減衰するまでの期間に亘ってサンプリング処理を継続できるように設定することが望ましい。但し、この期間を余りに長く設定するとメモリの記憶容量が占有されてしまうので、振動の伝達に要する所要時間や振動が減衰する時間等をよく考慮する必要がある。また、サンプリング周期Δtは短いに越したことはないが、前記と同様、メモリの占有やデータ転送速度の問題もあるので、処理時間の冗長によって、タッピングを利用した入力操作それ自体に遅滞が生じない程度の値を設定するようにする。
この実施形態にあっては、第1の検出手段A1〜A4または第2の検出手段B1に最も近い位置へのタップ動作による入力を行ない、その際に振動伝達にかかる到達時間差と、あるタップ動作入力による振動波形が減衰により安定するまでの時間間隔との合計値をサンプリング期間として用いている。
そして、書き込み位置特定指標jの現在値が予め設定されたサンプリング数mに達したことがステップa9の判定処理で確認されると、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3は、各第1の検出手段A1〜A4で検出された信号の最大値を記憶した最大値記憶レジスタa1max〜a4maxのうち最も大きな最大値を記憶したレジスタを検索するための最大値検索指標iに初期値1をセットし(ステップa18)、最大値検索指標iの現在値に基いて仮最大値記憶レジスタamaxに最大値記憶レジスタaimaxの値を初期値としてセットし(ステップa19)、最も大きな振動を検出した第1の検出手段つまり実際にタッピング操作された指に対応する第1の検出手段を特定するための操作指特定指標Rfに、最大値検索指標iの現在値と同じ値を初期値としてセットする(ステップa20)。
次いで、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3は、最大値検索指標iの値を1インクリメントし(ステップa21)、該指標iの現在値が第1の検出手段の総数4を超えているか否かを判定する(ステップa22)。
ここで、最大値検索指標iの現在値が第1の検出手段の総数4を超えていなければ、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3は、更新された最大値検索指標iの現在値に基いて次の最大値記憶レジスタaimaxの値を読み込み(ステップa23)、仮最大値記憶レジスタamaxと最大値記憶レジスタaimaxとの大小関係を比較し(ステップa24)、最大値記憶レジスタaimaxの値が仮最大値記憶レジスタamaxの現在値よりも大きい場合に限り、仮最大値記憶レジスタamaxに指標iで特定される最大値記憶レジスタaimaxの値を更新して設定し(ステップa25)、あわせて、操作指特定指標Rfに最大値検索指標iの現在値を更新して設定する(ステップa26)。
以下、最大値検索指標iの現在値が第1の検出手段の総数4を超えるまでの間、前記と同様にして、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3が、ステップa21〜ステップa24あるいはステップa21〜ステップa26に至る処理を繰り返し実行する。
従って、最終的には、最大値記憶レジスタa1max〜a4maxのうち最も大きな最大値を記憶した最大値記憶レジスタの値が仮最大値記憶レジスタamaxに記憶され、また、操作指特定指標Rfには、最も大きな最大値を記憶した最大値記憶レジスタaimax、つまり、タッピング操作された指に対応する第1の検出手段を特定するために必要とされる指標iの値が保存される。
よって、この実施形態では、ステップa18〜ステップa26に至る処理が、操作箇所特定手段Gにおける末端部別操作箇所特定機能、つまり、第1の検出手段A1〜A4で検出された振動の特性である振動の最大値に基づいてタッピング操作が行われた指と接触している第1の検出手段を特定するための処理の一部として機能していることになる。
このようにして、タッピング操作された指に対応する第1の検出手段を特定するために必要とされる指標iの値が操作指特定指標Rfに記憶され、ステップa22の判定結果が真となると、次に、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3が、図15に示されるようなサンプリングデータ記憶テーブルTB1の第Rf行のデータ列から、タッピング操作された指に対応する第1の検出手段ARfによって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータa(Rf,1)〜a(Rf,m)を読み込み(ステップa27)、データ列a(Rf,1)〜a(Rf,m)に対する微分処理を実行して振動の立下り時点に対応するサンプリング回数の値jを求め(ステップa28)、更に、サンプリング回数の値jにサンプリング周期Δtを乗じて最初の振動が検出された時点を起点とする振動の立下りの発生時刻を求め、この時刻を第1検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTaに記憶する(ステップa29)。
そして、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3は、図15に示されるようなサンプリングデータ記憶テーブルTB1から、第2の検出手段B1によって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータb(1,1)〜b(1,m)を読み込み(ステップa30)、データ列b(1,1)〜b(1,m)に対する微分処理を実行して振動の立下り時点に対応するサンプリング回数の値jを求め(ステップa31)、更に、サンプリング回数の値jにサンプリング周期Δtを乗じて最初の振動が検出された時点を起点とする振動の立下りの発生時刻を求め、この時刻を第2検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTbに記憶する(ステップa32)。
次いで、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3は、第1検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTaの値から第2検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTbの値を減じることによって実際にタッピング操作された指に対応する第1の検出手段ARfと第2の検出手段B1との間の検出タイミングの時間差を算出し、この値を第1の検出手段ARfと第2の検出手段B1によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データとして解析データ記憶レジスタtに記憶する(ステップa33)。
実際にタッピング操作された指に対応する第1の検出手段ARfと第2の検出手段B1との間の検出タイミングの時間差の一例を図17の線図に示す。なお、図17(a)に示す線図が第1の検出手段ARfによって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータa(Rf,1)〜a(Rf,m)に相当する線図、また、図17(b)に示す線図が第2の検出手段B1によって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータb(1,1)〜b(1,m)に相当する線図であり、図17の例では第1の検出手段ARfが第2の検出手段B1に先行して振動を検出している。より望ましくは、ステップa28,ステップa31の処理では、振動がまだ到達していない波形が安定しているデータの接線と振動の立下りが最も大きく表れる点での接線との交点を最初の振動が検出された時点を起点とする振動の立下りの発生時刻として抽出するようにする。
ここでは、一例として、振動の立下りの発生時点を特徴点として検出することによって第1の検出手段ARfと第2の検出手段B1との間の検出タイミングの時間差tを算出する例について述べたが、例えば、図18に示されるようにして振動の極小値の発生時点を特徴点として検出することによって第1の検出手段ARfと第2の検出手段B1との間の検出タイミングの時間差tを算出してもよいし、あるいは、図19に示されるようにして振動が予め設定された閾値を外れた時点を特徴点として検出することによって第1の検出手段ARfと第2の検出手段B1との間の検出タイミングの時間差tを算出するようにしてもよい。これらの検出方法ではノイズ等の値に左右されることも多いが、特徴点となる時刻を抽出することが簡単となるメリットがあり、結果として、処理速度も速くなる。
加速度センサ等からなる第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1の構造や特性によっては信号の立下りに代えて立上りを検出することで振動の到達を検知する場合もあるが検出対象が立下りであっても立上りであっても技術的な意味合いは同等である。
次いで、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3が、実際にタッピング操作されたエリアを特定するためのエリア特定指標kに初期値1をセットし(ステップa34)、エリアを判定するために必要とされる上限値と下限値の対応関係を記憶したデータベースとして機能する図9のようなテーブルTB2から指標kの現在値に基づいて第Rf行のデータ列つまり実際にタッピング操作された指に対応する第1の検出手段ARfに対応するデータ列から第kエリアの上限値と下限値の値を読み込み(ステップa35)、ステップa33の処理で算出された第1の検出手段ARfと第2の検出手段B1との間の検出タイミングの時間差tが第kエリアの上限値と下限値の間に含まれるか否かを判定する(ステップa36)。
ここで、解析データとなる検出タイミングの時間差tが第kエリアの上限値と下限値の間に含まれていなければ、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3は、指標kの現在値が指1本分のエリアの総数である3の範囲内にあるか否かを判定する(ステップa37)。そして、指標kの現在値が指1本分のエリアの総数である3の範囲内にあれば、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3は、指標kの値を改めて1インクリメントし(ステップa38)、更新された指標kの現在値に基づいて図9のようなテーブルTB2の第Rf行のデータ列から改めて第kエリアの上限値と下限値の値を読み込み(ステップa35)、検出タイミングの時間差tが第kエリアの上限値と下限値の間に含まれるか否かを改めて判定する(ステップa36)。
ステップa35〜ステップa38に至る処理を繰り返し実行する間に検出タイミングの時間差tを挟む上限値と下限値を有するエリアkが検出されてステップa36の判定結果が真となった場合には、第1の検出手段ARfに触れている指の第kエリアに対してタッピング操作が行われたことを意味するので、操作箇所特定手段Gにおける末端部別操作箇所特定機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3は、第1の検出手段ARfに触れている指に対してタッピング操作が行われ、かつ、この指の第kエリアに対してタッピング操作が行われたものと特定し、第1の検出手段あるいは指と、タッピング操作の箇所であるエリアとの組み合わせを表す配列(Rf,k)に対応するコマンド入力の選択肢をPDA2のディスプレイ8上に表示する(ステップa40)。
例えば、ステップa21〜ステップa24あるいはステップa21〜ステップa26に至る繰り返し処理が終了してステップa22の判定結果が真となった時点での操作指特定指標Rfの値が3、かつ、ステップa35〜ステップa38に至る繰り返し処理が終了してステップa36の判定結果が真となった時点でのエリア特定指標kの値が2であって(Rf,k)=(3,2)となったとすれば、第1の検出手段A3に触れている薬指の第2エリア(第1間接と第2間接の間)に対してタッピング操作が行われたことを意味する。
この実施形態では、図9のテーブルTB2に示されるように、(Rf,k)=(3,2)に対応する選択肢は“や”行の平仮名であるから、PDA2のディスプレイ8上には平仮名の“や”,“ゆ”,“よ”が入力可能な平仮名として表示されることになる。
当然、(Rf,k)=(1,1)であれば“さ”行の平仮名である“さ”,“し”,“す”,“せ”,“そ”が入力可能な平仮名として表示され、また、(Rf,k)=(2,1)であれば“は”行の平仮名である“は”,“ひ”,“ふ”,“へ”,“ほ”が入力可能な平仮名としてPDA2のディスプレイ8上に表示されることになる。なお、図4においては、タッピング操作の箇所となるエリアを(Rf,k)=(1,3)の“あ”,(Rf,k)=(1,2)の“か”,(Rf,k)=(1,1)の“さ”,(Rf,k)=(2,3)の“た”,(Rf,k)=(2,2)の“な”,(Rf,k)=(2,1)の“は”,(Rf,k)=(3,3)の“ま”,(Rf,k)=(3,2)の“や”,(Rf,k)=(3,1)の“ら”,(Rf,k)=(4,3)の“*”,(Rf,k)=(4,2)の“わ”,(Rf,k)=(4,1)の“#”と丸囲みによって表現しているが、この標記はタッピング操作の箇所となるエリアを視覚的に示すためのものに過ぎず、ユーザの指に実際に文字が書き込まれているわけではない。
ここでは、一例として、平仮名を選択肢とした場合について具体的に示したが、“A”〜“Z”といった英字や“0”〜“9”といった数字を選択肢としてもよく、更には、何らかのファンション、例えば、“編集”(貼り付け,検索,置換等の代表),“表示”(印刷レイアウト,下書き,アウトライン等の代表),“書式”(フォント,段落,段組の代表)といったものを各エリアに割り当て、“編集”のエリアがタッピングされたときに“貼り付け”,“検索”,“置換”等の何れかの機能を選択するように構成することもできる。
更に、親指が接触する第1の検出手段A5(図示せず)といったものを追加して配備すれば、クリアキーや決定キーに相当するタッピング操作の箇所となるエリアを確保することも可能である。
また、この実施形態では、左手の手または指の甲にタッピング操作の箇所となるエリアを設定したが、タッピング操作の箇所となるエリアは手や指に限定するものではなく、体の各部を必要に応じてタッピング操作の箇所となるエリアとして利用することができる。
例えば、人が機器の上に立ち、左右の足裏に伝達される振動を第1,第2の検出手段で検出するような構成を適用する場合にあっては、左右の足の膝や脛あるいは腿などにタッピング操作の箇所となるエリアを設定することが可能である。この場合、第1,第2の検出手段は各1個ずつでよい。
更に、手または指の甲にタッピング操作の箇所となるエリアを設定する場合、その対象は必ずしも生体の手でなくともよく、義手などを利用することも可能である。
また、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1からの出力信号を平滑化フィルタに通したり、あるいは、タップ操作の衝撃として利用する周波数帯以外をカットするバンドパスフィルタに通したりすることによってノイズを除去してもよい。第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1の配置位置は体と指が接しているところであればどこでもよい。また、この実施形態にあっては第2の検出手段B1を全ての指に対して共通に利用しているが、各指毎に専用の第2の検出手段B1〜B4(図示せず)を配備するようにしてもよい。
第1,第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データとしては、振動の検出タイミングの時間差の他にも、第1の検出手段によって検出される振動の極小値(または極小値に代わる極大値)と第2の検出手段によって検出される振動の最小値(または極小値に代わる極大値)の比率等を利用することも可能であるが、最小値(または極小値に代わる極大値)を検出するためにはサンプリング期間を長めに設定する必要があり、コマンド入力に必要とされる前処理の時間が増長されて入力操作に遅れを生じる不都合がある。
本実施形態のように、振動の検出タイミングの時間差を解析データとして利用する構成、特に、振動到達の初期に発生する振動の立下り(または立下りに代わる立上り)を検知して振動の到達を検知して振動の検出タイミングの時間差を求める構成によれば、サンプリング期間が大幅に短縮されるため、コマンド入力に必要とされる前処理の時間を短縮して入力処理の遅れを改善することができる。
実際に入力する平仮名の選択操作はコマンドキー9やタッチパネル10を使用した指示選択操作によって行われるが、これらの点に関しては既に公知であるから具体的な説明は省略する(ステップa41)。
一方、ステップa35〜ステップa38に至る処理を繰り返し実行する間にエリア特定指標kの現在値が指1本分のエリアの総数である3の範囲を超えてステップa37の判定結果が真となってしまった場合には、k=1〜3の全てのエリアの上限値と下限値を検索しても解析データとなる検出タイミングの時間差tを含む上限値と下限値を有するエリアkが検出されなかったこと、つまり、タッピング操作が不適切であったことを意味するので、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3はPDA2のディスプレイ8にエラーメッセージを表示して入力判定処理を終え(ステップa39)、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1の何れかによって振動が検出されるのを待つ初期の待機状態に復帰し、タッピング操作のリトライ入力に備える。
〔第2の実施形態〕
図20は本発明を適用した他の一実施形態のコマンド入力装置1’の構成を示した機能ブロック図、また、図21はコマンド入力装置1’を実装したPDA(Personal Digital Assistants)2’の構成について具体化して示したブロック図である。
コマンド入力装置1’およびPDA2’のハードウェアに関わる主要部の構成に関しては前述した第1の実施形態におけるコマンド入力装置1およびPDA2と概ね同様であるが、この実施形態のコマンド入力装置1’は、コマンド入力装置1’の筐体を兼ねるPDA2’の内部を伝達する振動を検出するための第3の検出手段C1を備え、該第3の検出手段C1が、振動解析手段Fおよび操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3の入出力回路7に接続されている点で、前述した第1の実施形態におけるコマンド入力装置1およびPDA2と異なる。
第3の検出手段C1は第1の検出手段A1〜A4や第2の検出手段B1と同様に加速度センサ等によって構成され、第3の検出手段C1から出力される信号c1も、第1の検出手段A1〜A4から出力される信号a1〜a4および第2の検出手段B1から出力される信号b1と同様に、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3によって読み込まれるようになっている。
また、ROM4には、PDA2’の通常の機能を実現するために必要とされる公知の制御プログラムの他、PDA2’のマイクロプロセッサ3を振動解析手段Fおよび操作箇所特定手段Gとして機能させるために必要とされる本実施形態に固有の制御プログラム(図27〜図28参照)が格納されている。
図22はコマンド入力装置1’を実装したPDA2’を正面側から示した斜視図である。図22に示されるように、コマンド入力装置1’の筐体を兼ねるPDA2’の筐体の正面左側には、ユーザの体である親指によって選択的に接触可能なようにして第1の検出手段A1〜A4が縦列的に配置され、また、PDA2’の筐体の裏面側には、残る4指のうちの何れか1つの指、例えば、人差指が触れるようにして、第2の検出手段B1が配置されている。第3の検出手段C1は、筐体の裏面側でユーザの指や体が触れない位置に配置されている。
従って、この場合、ユーザの体上における第1の検出箇所は親指、また、ユーザの体上における第2の検出箇所は人差指であり、親指を移動させて第1の検出手段A1〜A4の何れかと接触させることは、ユーザの体から分岐した末端部の何れかを選択して第1の検出箇所を設定することと同等である。
この実施形態では、図23に示されるように、第1の検出手段A1〜A4の何れかに選択的に接触する親指の先端から第1関節までの区間を第1エリア,親指の第1関節から第2関節までの区間を第2エリア,親指の第2関節から手首関節までの区間を第3エリアとして定義しており、他の4指にはタッピング対象となるエリアは定義していない。しかし、親指の位置を変えることによって第1の検出手段A1〜A4を自由に選択することが可能であるので、第1の検出手段とエリアのコンビネーションの数は、前述した第1の実施形態の場合と同様、依然として4×3=12である。
第1の検出手段A1〜A4と親指に定義された3つのエリアとのコンビネーションに対応する12の平仮名の選択肢を図24の模式図に示す。なお、図24に示されるテーブルの内容は選択肢を具体的に示したものに過ぎず、このようなテーブルを描いた注意書き等が実際にPDA2’に添付されているわけではない。図24で示される“あ”,“か”,“さ”/“た”,“な”,“は”/“ま”,“や”,“ら”/“*”,“わ”,“#”の並びを前述した第1の実施形態の図4の定義や図9のテーブルTB2における“さ”,“か”,“あ”/“は”,“な”,“た”/“#”,“わ”,“*”の並びを比較すると、一見、水平方向で左右に反転されているように見えるが、前述した第1の実施形態では手や指の甲つまりPDA2の裏面側を基準として平仮名の並びを示す一方、この実施形態では、PDA2’の表側を基準として平仮名の並びを示しているので、実際の平仮名の並び、すなわち、ユーザの視点からみた平仮名の並びは両者で同一である。つまり、この実施形態においても前述した第1の実施形態の図9に示されるようなテーブルTB2のデータを其のまま援用できるということである。なお、実際には、親指の骨,筋肉,腱,関節等の構造が他の4指と異なる点、また、第2の検出手段B1と接触してもう1つの振動伝達経路となる人差指の長さが長い点等で前述した第1の実施形態との差異があり、振動の伝達所要時間には前述した第1の実施形態の場合と比較して相違が生じるが、この点は本質的な相違ではなく、テーブルTB2に書き込む上限値と下限値を修正すれば済むことであるので、以降の説明では、データの内容に関わる細かな相違については無視するものとする。
図25は親指を第1の検出手段A1に接触させた状態で親指の第1エリアがタッピング操作されたものと仮定して、第1の検出手段A1からの出力a1および第2の検出手段B1からの出力b1と第3の検出手段C1からの出力c1の対応関係について示した作用原理図であり、具体的には図25(a)が第1の検出手段A1からの出力a1、図25(b)が第2の検出手段B1からの出力b1、また、図25(c)が第3の検出手段C1からの出力c1を表している。
この実施形態では、図26に示すように、第1の検出手段A1〜A4と第2の検出手段B1が同軸方向への振動を検出するため、体の内部で振動を伝達する人体側振動伝達経路X1の他、筐体の内部で振動を伝達する筐体側振動伝達経路X2が存在することになる。この結果、第2の検出手段B1では2つの振動伝達経路X1,X2による振動が合成された振動が検出され、振動の到達時間を特定するための波形を適切に得ることができない。そこで、この実施形態では、振動解析手段Fが有する外乱除去機能を利用し、第2の検出手段B1で検出される振動のデータから第3の検出手段C1で検出される振動のデータつまり人体側振動伝達経路X1の影響を含まない筐体側振動伝達経路X2のみに関連したデータを減算することによって、第2の検出手段B1で検出される振動から筐体側振動伝達経路X2の振動による影響を除去し、体の内部で振動を伝達する人体側振動伝達経路X1からの振動に相当する振動データ、要するに、第2の検出手段B1が本来的に抽出すべきデータを計算によって求め、求められたデータと第1の検出手段A1〜A4(実際には何れか1つ)によって検出された振動データa1〜a4(実際には何れか1つ)の振動データとの関連を解析することで、解析データとなる検出タイミングの時間差を算出するようにしている。
図27〜図28はコマンド入力装置1’の振動解析手段Fおよび操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3の処理動作の概略を示したフローチャートである。
次に、図27〜図28を参照して振動解析手段Fおよび操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3の処理動作(以下、入力判定処理と称する)について具体的に説明する。
図10〜図12に示した第1の実施形態の処理と共通する部分も多いので、図27〜図28では専ら前述した第1の実施形態と相違する処理操作についてのみ詳細に説明するものとする。
入力判定処理を開始したマイクロプロセッサ3は、まず、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1または第3の検出手段C1の何れかによって振動が検出されているか否かを判定する(ステップb1)。
ここで、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1または第3の検出手段C1の何れによっても振動が検出されていなければ、親指に対するユーザのタッピング操作は行われていないことを意味するので、マイクロプロセッサ3は、従来と同様にしてPDA2’の基本機能に関わる処理を実行して(ステップb9)、当該周期の入力判定処理を終了する。ユーザによるタッピング操作が検出されなければステップb1の判定処理とステップb9の処理のみが繰り返し実行されるので、PDA2’は従来型のPDAと同様に機能する。
一方、ユーザが親指に対するタッピング操作を実行し、親指の第1エリア,第2エリア,第3エリアのうちの1つをPDA2’を保持しない側の手で叩くと、第1の検出手段A1〜A4もしくは第2の検出手段B1または第3の検出手段C1の何れかによって最初の振動が検出される(ステップb1)。
第1の検出手段A1〜A4もしくは第2の検出手段B1または第3の検出手段C1の何れかによって最初の振動が検出されたことが確認されると、操作箇所特定手段Gにおける検出手段別操作箇所特定機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3が、第1の検出手段A1〜A4からの信号の入力状態を参照し、A1〜A4のうち何れの検出手段から振動信号が入力されているのか、つまり、ユーザの親指が何れの第1の検出手段に接触しているのかを判定し、振動信号を入力している第1の検出手段に相当する値を第1検出手段特定指標Rfにセットする(ステップb2)。第1の検出手段A1からの振動信号が入力されていれば第1検出手段特定指標Rfにセットする値は1、第2の検出手段A2からの振動信号が入力されていれば第1検出手段特定指標Rfにセットする値は2、第1の検出手段A3からの振動信号が入力されていれば第1検出手段特定指標Rfにセットする値は3、第1の検出手段A4からの振動信号が入力されていれば第1検出手段特定指標Rfにセットする値は4である。
この実施形態にあっては、前述した第1の実施形態とは相違し、第1の検出手段A1〜A4のうち実際に親指に接触する第1の検出手段は1つのみであるから、第1の検出手段A1〜A4の振動信号の入力状態を監視するといった処理操作によって、実際に親指に接触している第1の検出手段を容易に特定することが可能である。
次いで、マイクロプロセッサ3は、サンプリングデータ記憶用にRAM5内に生成されたサンプリングデータ記憶テーブルTB1の列を特定する書き込み位置特定指標jに初期値1をセットし(ステップb3)、第1検出手段特定指標Rfで特定される第1の検出手段ARfつまり実際に親指が接触している第1の検出手段から出力されている信号の現在値aRfと第2の検出手段B1から出力されている信号の現在値b1と第3の検出手段C1から出力されている信号の現在値c1を読み込み、書き込み位置特定指標jの現在値に基いて、これらの値aRf,b1,c1を図15に示されるようなサンプリングデータ記憶テーブルTB1の第j列に書き込む(ステップb4)。なお、図15に示されるサンプリングデータ記憶テーブルTB1ではデータを5行に亘って並列的に記憶できるようになっているが、この実施形態で実際に必要とされるデータ記憶用の行は3行である。
次いで、マイクロプロセッサ3は、書き込み位置特定指標jの現在値が予め設定されたサンプリング数mの範囲内にあるか否かを判定し(ステップb5)、書き込み位置特定指標jの現在値が予め設定されたサンプリング数mの範囲内にあれば、書き込み位置特定指標jの値を1インクリメントし(ステップb6)、サンプリングタイマにサンプリング周期Δtをセットしてスタートさせる(ステップb7)。
そして、マイクロプロセッサ3は、サンプリングタイマがサンプリング周期Δtを計時するまで待機し(ステップb8)、設定されたサンプリング周期Δtが経過したことが確認されると再びステップb4の処理に移行し、前記と同様にしてステップb4〜ステップb8の処理操作を繰り返し実行する。
従って、第1の検出手段A1〜A4もしくは第2の検出手段B1または第3の検出手段C1の何れかによって最初の振動が検出された時点で周期Δtのサンプリング処理が開始され、サンプリングデータ記憶テーブルTB1には、実際に親指が接触している第1の検出手段ARfおよび第2の検出手段B1ならびに第3の検出手段C1から出力される振動の信号が時系列でm個ずつ、即ち、時間にしてΔt・mのサンプリング期間に亘って記憶されることになる。これを時系列のグラフとして表せば例えば図25(a),(b),(c)と同等の線図が得られる。図25(a)では第1検出手段特定指標Rfの値が1であると仮定しているが、第1検出手段特定指標Rfの値が2であって親指が第1の検出手段A2に接触していれば図25(a)に示される振動データは第1の検出手段A2からの出力a2となり、また、第1検出手段特定指標Rfの値が3であって親指が第1の検出手段A3に接触していれば図25(a)に示される振動データは第1の検出手段A3からの出力a3であって、あるいは、第1検出手段特定指標Rfの値が4で親指が第1の検出手段A4に接触していれば図25(a)に示される振動データは第1の検出手段A4からの出力a4となる。
そして、書き込み位置特定指標jの現在値が予め設定されたサンプリング数mに達したことがステップb5の判定処理で確認されると、振動解析手段Fにおける外乱除去機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3は、第2の検出手段B1によって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータb(1,1)〜b(1,m)および第3の検出手段C1によって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータc(1,1)〜c(1,m)を全て読み込み、対応するサンプリング周期j毎に(但し、j=1〜m)、サンプリングデータb(1,j)の値からサンプリングデータc(1,j)の値を減算し、第2の検出手段B1が本来的に抽出すべき振動データの値d(1,j)を求め、d(1,j)の値によってサンプリングデータb(1,j)の値を更新する(ステップb10)。
この処理操作は図25(b)に示される第2の検出手段B1の出力b1から図25(c)に示される第3の検出手段C1の出力c1を減算する処理と同等であり、この処理操作によって、前述した筐体側振動伝達経路X2からの振動の影響を除去し、体の内部で振動を伝達する人体側振動伝達経路X1からの振動に相当する振動データつまり第2の検出手段B1が本来的に抽出すべきデータd(1,j)を適切に求めることが可能となる。つまり、i=1〜mに亘ってサンプリング周期Δtでd(1,j)のデータをプロットすれば図25(d)に示されるような線図が得られるということである。
この実施形態では、メモリを節約するためにd(1,j)の値をサンプリングデータb(1,j)の値に上書きするようにしているが、メモリの制約がなければ、第2の検出手段B1が本来的に抽出すべきデータd(1,j)と共にサンプリングデータb(1,j)を残しても構わない。
次いで、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3は、データd(1,j)の値をj=1の側つまりサンプリング処理開始直後の時点から順にサーチして最初の極小値の検出時点に対応するサンプリング回数の値jを求め(ステップb11)、更に、サンプリング回数の値jにサンプリング周期Δtを乗じて最初の振動が検出された時点を起点とする最初の極小値の発生時刻を求め、この時刻を第2検出手段用極小値発生時刻記憶レジスタTbに記憶する(ステップb12)。
また、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3は、タッピング操作された親指と接触していた第1の検出手段ARfによって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータa(Rf,1)〜a(Rf,m)を全て読み込み、a(Rf,j)の値をj=1の側からサーチして最初の極小値の検出時点に対応するサンプリング回数の値jを求め(ステップb13)、更に、サンプリング回数の値jにサンプリング周期Δtを乗じて最初の振動が検出された時点を起点とする最初の極小値の発生時刻を求め、この時刻を第1検出手段用極小値発生時刻記憶レジスタTaに記憶する(ステップb14)。
次いで、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3は、第1検出手段用極小値発生時刻記憶レジスタTaの値から第2検出手段用極小値発生時刻記憶レジスタTbの値を減じることによって、実際に親指が接触していた第1の検出手段ARfによる振動検出時刻と第2の検出手段B1が本来的に抽出すべきデータであるd(1,j)上における振動検出時刻との間の検出タイミングの時間差を算出し、この値を第1の検出手段ARfと第2の検出手段B1によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データとして解析データ記憶レジスタtに記憶する(ステップb15)。検出タイミングの時間差tの一例を図25の線図に示す。
なお、前述した第1の実施形態の場合と同様、極小値の代わりとなる振動の立下りや閾値を基準として検出タイミングの時間差tを求めることも可能である。
次いで、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3が、実際にタッピング操作されたエリアを特定するためのエリア特定指標kに初期値1をセットし(ステップb16)、エリアを判定するために必要とされる上限値と下限値の対応関係を記憶したデータベースとして機能する図9のようなテーブルTB2から指標kの現在値に基づいて第Rf行のデータ列つまり実際に親指に接触していた第1の検出手段ARfに対応するデータ列から第kエリアの上限値と下限値の値を読み込み(ステップb17)、ステップb15の処理で求められた検出タイミングの時間差tつまり解析データの値が、第kエリアの上限値と下限値の間に含まれるか否かを判定する(ステップb18)。
ここで、解析データとなる検出タイミングの時間差tが第kエリアの上限値と下限値の間に含まれていなければ、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3は、指標kの現在値が親指1本分のエリアの総数である3の範囲内にあるか否かを判定する(ステップb19)。そして、指標kの現在値が親指1本分のエリアの総数である3の範囲内にあれば、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3は、指標kの値を改めて1インクリメントし(ステップb20)、更新された指標kの現在値に基づいて図9のようなテーブルTB2の第Rf行のデータ列から改めて第kエリアの上限値と下限値の値を読み込み(ステップb17)、検出タイミングの時間差tが第kエリアの上限値と下限値の間に含まれるか否かを改めて判定する(ステップb18)。
ステップb17〜ステップb20に至る処理を繰り返し実行する間に検出タイミングの時間差tを挟む上限値と下限値を有するエリアkが検出されてステップb18の判定結果が真となっ場合には、第1の検出手段ARfに触れている親指の第kエリアに対してタッピング操作が行われたことを意味するので、操作箇所特定手段Gにおける検出手段別操作箇所特定機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3は、親指が第1の検出手段ARfに触れており、かつ、この親指の第kエリアに対してタッピング操作が行われたものと特定し、第1の検出手段とタッピング操作の箇所であるエリアとの組み合わせを表す配列(Rf,k)に対応するコマンド入力の選択肢をPDA2’のディスプレイ8上に表示する(ステップb22)。
ステップb22〜ステップb23の処理は前述した第1の実施形態のステップa40〜ステップa41の処理と同様であるので説明を省略する。
一方、ステップb17〜ステップb20に至る処理を繰り返し実行する間にエリア特定指標kの現在値が親指1本分のエリアの総数である3の範囲を超えてステップb19の判定結果が真となってしまった場合には、k=1〜3の全てのエリアの上限値と下限値を検索しても解析データとなる検出タイミングの時間差tを含む上限値と下限値を有するエリアkが検出されなかったこと、つまり、タッピング操作が不適切であったことを意味するので、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3はPDA2’のディスプレイ8にエラーメッセージを表示して入力判定処理を終え(ステップb21)、第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1もしくは第3の検出手段C1の何れかによって振動が検出されるのを待つ初期の待機状態に復帰し、タッピング操作のリトライ入力に備えることになる。
この実施形態ではPDA2’をはじめとするカードサイズ型の端末にコマンド入力装置1’を実装した例について示したが、端末形状はカード型に限ったものではない。
この実施形態が特徴とする第3の検出手段C1を利用した外乱除去機能は、図29に示されるようなPDA2、つまり、第1の検出手段A1〜A4と第2の検出手段B4が筐体の左右の側面等で対向するようにして配置された携帯用情報機器に対しても転用することも可能である。図29に示される構成にあっても第1の検出手段A1〜A4と第2の検出手段B1が同軸方向への振動を検出することになるので、前記と同様、第2の検出手段B1の近傍であって且つ筐体を保持する体の一部が接触しない位置に第3の検出手段C1を配置して前記と同様の処理操作を行なうことで、筐体内部を通る振動を減算し、身体的振動特性のみを抽出することが可能である。
また、図14における配線基板の防振部材13aなど第1,第2の検出手段A1〜A4,B1を構成する加速度センサを筐体に固定する部分に防振材料を利用することで、図26に示されるような筐体側振動伝達経路X2を通る振動をパッシブに減衰させる方法との組み合わせにより利用しても良い。
〔第3の実施形態〕
図30は本発明を適用した更に別の一実施形態のコマンド入力装置1”の構成を示した機能ブロック図、また、図31はコマンド入力装置1”を実装したPDA(Personal Digital Assistants)2”の構成について具体化して示したブロック図、図32はコマンド入力装置1”を実装したPDA2”の外観とPDA2”における第1の検出手段A1〜A4および第2の検出手段B1の配設状態について示した図である。
コマンド入力装置1”およびPDA2”のハードウェアに関わる主要部の構成に関しては、第1の検出手段の個数を3個とした点を除いて、前述した第1の実施形態におけるコマンド入力装置1およびPDA2と概ね同様であるが、この実施形態のコマンド入力装置1”とPDA2”にあっては、PDA2”の筐体の構成と第1の検出手段A1〜A3および第2の検出手段B1の配設状態が、前述した第1,第2の実施形態と大きく相違している。
PDA2”はスライド式のPDAであり、ディスプレイ8を備えた本体部14と、この本体部14を内嵌した枠部15とで構成されている。PDA2”を折り畳んだ状態を図32(a)に示し、PDA2”を開いた状態については図32(b)に示す。
枠部15はPDA2”の本体部14から図32(b)に示すようにして引き出すことができ、加速度センサ等によって構成される第1の検出手段A1〜A3は、ユーザの体から分岐した末端部の各々、具体的には、PDA2”を保持する手の中指,人差指,小指に接触するようにして枠部15の右側面に縦列的に配置され、また、加速度センサ等によって構成される第2の検出手段B1は、これらの末端部の基部に連絡したユーザの体の部分、具体的には、PDA2”を保持する手の掌底部に接触するようにして枠部15の左側面に配置されている。
従って、この場合、ユーザの体上における第1の検出箇所は中指,人差指,小指の3指、また、ユーザの体上における第2の検出箇所は掌底部ということになる。
また、ROM4には、PDA2”の通常の機能を実現するために必要とされる公知の制御プログラムの他、PDA2”のマイクロプロセッサ3を振動解析手段Fおよび操作箇所特定手段Gとして機能させるために必要とされる本実施形態に固有の制御プログラム(図34〜図36参照)が格納されている。
この実施形態では、図32(c)に示されるように、第1の検出手段A1〜A3に接触する中指,人差指,小指や第2の検出手段B1に接触する掌底部とは無関係に、手の甲の10箇所にタッピング対象となるエリアが定義されている。ここでは、前述した第1,第2の実施形態に倣い、平仮名入力を前提として“あ”,“か”,“さ”/“た”,“な”,“は”/“ま”,“や”/“ら”,“わ”の並びで10箇のエリアを定義している。
前述した第1,第2の実施形態とは相違し、タッピング対象となるエリアが指に沿って配列されているわけではなく、その並びは変則的である。
従って、この実施形態では、タッピング操作が行なわれた指を特定した上で更に其の指についてタッピング操作が行なわれたエリアを特定するといった方法(第1の実施形態参照)や、親指が接触している第1の検出手段を特定した上で更に其の親指についてタッピング操作が行なわれたエリアを特定するといった方法(第2の実施形態参照)を適用してタッピング操作が行なわれたエリアを特定することは困難である。
そこで、この実施形態では、判定データ記憶手段DのデータベースE、より具体的には、PDA2”のROM4内に生成されたテーブルTB3に、第1の検出手段A1〜A3によって検出される振動と第2の検出手段B1によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データの組み合わせとエリアとの対応関係を記憶させ、タッピング操作の都度、第1の検出手段A1〜A3によって検出される振動と第2の検出手段B1によって検出される振動の関連を解析して解析データの組み合わせを求め、この解析データの組み合わせに基いてテーブルTB3を検索することによって、ユーザの体に対するタッピング操作の箇所つまりエリアを特定するようにしている。また、解析データの構成に関しては前述した第1,第2の実施形態と同様、第1の検出手段で検出される振動と第2の検出手段で検出される振動の検出タイミングの時間差を利用している。
図33にデータベースEを構成するテーブルTB3の具体例を示す。例えば、タッピング操作が行なわれた際に、第1の検出手段A1で検出される振動と第2の検出手段B1で検出される振動の検出タイミングの時間差t1(解析データ)の値が−0.025〜−0.20の範囲にあり、かつ、第1の検出手段A2で検出される振動と第2の検出手段B1で検出される振動の検出タイミングの時間差t2(解析データ)の値が−0.020〜−0.015の範囲にあり、かつ、第1の検出手段A3で検出される振動と第2の検出手段B1で検出される振動の検出タイミングの時間差t3(解析データ)の値が−0.013〜−0.009の範囲にあるとすれば、このときタッピングされたエリアは“さ”,“し”,“す”,“せ”,“そ”を選択肢とする平仮名の“さ”行のエリアであるということになる。また、仮に、タッピング操作が行なわれた際に、第1の検出手段A1で検出される振動と第2の検出手段B1で検出される振動の検出タイミングの時間差t1(解析データ)の値が0.010〜0.020の範囲にあり、かつ、第1の検出手段A2で検出される振動と第2の検出手段B1で検出される振動の検出タイミングの時間差t2(解析データ)の値が0.007〜0.013の範囲にあり、かつ、第1の検出手段A3で検出される振動と第2の検出手段B1で検出される振動の検出タイミングの時間差t3(解析データ)の値が0.010〜0.020の範囲にあるとすれば、このときタッピングされたエリアは“た”,“ち”,“つ”,“て”,“と”を選択肢とする平仮名の“た”行のエリアであるということになる。
テーブルTB3は、検出された各振動の関連とユーザの体に対するタッピング操作の箇所との既知の対応関係を記憶したものである。
図34〜図36はコマンド入力装置1”の振動解析手段Fおよび操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3の処理動作の概略を示したフローチャートである。
次に、図34〜図36を参照して振動解析手段Fおよび操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3の処理動作(以下、入力判定処理と称する)について具体的に説明する。
図10〜図12に示した第1の実施形態の処理や図27〜図28に示した第2の実施形態の処理と共通する部分も多いので、図34〜図36では専ら前述した第1,第2の実施形態と相違する処理操作についてのみ詳細に説明するものとする。
入力判定処理を開始したマイクロプロセッサ3は、まず、第1の検出手段A1〜A3および第2の検出手段B1の何れかによって振動が検出されているか否かを判定する(ステップc1)。
ここで、第1の検出手段A1〜A3および第2の検出手段B1の何れによっても振動が検出されていなければ、手の甲に対するユーザのタッピング操作は行われていないことを意味するので、マイクロプロセッサ3は、従来と同様にしてPDA2”の基本機能に関わる処理を実行して(ステップc8)、当該周期の入力判定処理を終了する。ユーザによるタッピング操作が検出されなければステップc1の判定処理とステップc8の処理のみが繰り返し実行されるので、PDA2”は従来型のPDAと同様に機能する。
一方、ユーザが手の甲に対するタッピング操作を実行し、“あ”,“か”,“さ”/“た”,“な”,“は”/“ま”,“や”/“ら”,“わ”のうちの何れかのエリアをPDA2”を保持しない側の手で叩くと、第1の検出手段A1〜A3もしくは第2の検出手段B1の何れかによって最初の振動が検出される(ステップc1)。
第1の検出手段A1〜A3もしくは第2の検出手段B1の何れかによって最初の振動が検出されたことを確認したマイクロプロセッサ3は、まず、サンプリングデータ記憶用にRAM5内に生成されたサンプリングデータ記憶テーブルTB1の列を特定する書き込み位置特定指標jに初期値1をセットする(ステップc2)。
次いで、マイクロプロセッサ3は、第1の検出手段A1〜A3および第2の検出手段B1から出力されている信号の現在値a1〜a3,b1を全て読み込み、書き込み位置特定指標jの現在値に基いて、これらの値a1〜a3,b1を図15に示されるようなサンプリングデータ記憶テーブルTB1の第j列に書き込む(ステップc3)。
そして、マイクロプロセッサ3は、書き込み位置特定指標jの現在値が予め設定されたサンプリング数mの範囲内にあるか否かを判定し(ステップc4)、書き込み位置特定指標jの現在値が予め設定されたサンプリング数mの範囲内にあれば、書き込み位置特定指標jの値を1インクリメントし(ステップc5)、サンプリングタイマにサンプリング周期Δtをセットしてスタートさせる(ステップc6)。
そして、マイクロプロセッサ3は、サンプリングタイマがサンプリング周期Δtを計時するまで待機し(ステップc7)、設定されたサンプリング周期Δtが経過したことが確認されると再びステップc3の処理に移行し、前記と同様にしてステップc3〜ステップc7の処理操作を繰り返し実行する。
従って、第1の検出手段A1〜A3もしくは第2の検出手段B1の何れかによって最初の振動が検出された時点で周期Δtのサンプリング処理が開始され、サンプリングデータ記憶テーブルTB1には、例えば、図15に示されるようにして、第1の検出手段A1〜A3および第2の検出手段B1から出力される振動の信号が時系列でm個ずつ、即ち、時間にしてΔt・mのサンプリング期間に亘って記憶されることになる。
そして、書き込み位置特定指標jの現在値が予め設定されたサンプリング数mに達したことがステップc4の判定処理で確認されると、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3が、図15に示されるようなサンプリングデータ記憶テーブルTB1から、第2の検出手段B1によって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータb(1,1)〜b(1,m)を読み込み(ステップc9)、データ列b(1,1)〜b(1,m)に対する微分処理を実行して振動の立下り時点に対応するサンプリング回数の値jを求め(ステップc10)、更に、サンプリング回数の値jにサンプリング周期Δtを乗じて最初の振動が検出された時点を起点とする振動の立下りの発生時刻を求め、この時刻を第2検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTbに記憶する(ステップc11)。
次いで、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3は、図15に示されるようなサンプリングデータ記憶テーブルTB1から、第1の検出手段A1によって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータa(1,1)〜a(1,m)を読み込み(ステップc12)、データ列a(1,1)〜a(1,m)に対する微分処理を実行して振動の立下り時点に対応するサンプリング回数の値jを求め(ステップc13)、更に、サンプリング回数の値jにサンプリング周期Δtを乗じて最初の振動が検出された時点を起点とする振動の立下りの発生時刻を求め、この時刻を第1検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTa1に記憶する(ステップc14)。
そして、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3は、第1の検出手段A2によって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータa(2,1)〜a(2,m)と第1の検出手段A3によって検出された振動に関わる一連のサンプリングデータa(3,1)〜a(3,m)を対象として前記と同等の処理を繰り返し実行することにより、第1の検出手段A2によって検出された振動の立下りの発生時刻を求めて第1検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTa2に記憶し、第1の検出手段A3によって検出された振動の立下りの発生時刻を求めて第1検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTa3に記憶する(ステップc15〜ステップc20)。
次いで、振動解析手段Fとして機能するマイクロプロセッサ3は、第1検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTa1の値から第2検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTbの値を減じることによって第1の検出手段A1と第2の検出手段B1との間の振動の検出タイミングの時間差t1を算出すると共に、第1検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTa2の値から第2検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTbの値を減じることによって第1の検出手段A2と第2の検出手段B1との間の振動の検出タイミングの時間差t2を算出し、同様に、第1検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTa3の値から第2検出手段用立下り発生時刻記憶レジスタTbの値を減じることによって第1の検出手段A3と第2の検出手段B1との間の振動の検出タイミングの時間差t3を算出し、これらの値を第1解析データ記憶レジスタt1,第2解析データ記憶レジスタt2,第3解析データ記憶レジスタt3に記憶する(ステップc21)。
次いで、操作箇所特定手段における領域別操作箇所特定機能として機能するマイクロプロセッサ3が、実際にタッピング操作されたエリアを特定するためのエリア特定指標iに初期値1をセットし(ステップc22)、エリアを判定するために必要とされる検出タイミングの時間差の上限値と下限値の対応関係を記憶したデータベースとして機能する図33のようなテーブルTB3から指標iの現在値に基づいて第i行のデータ列の上限値と下限値の組み合わせを読み込み(ステップc23)、ステップc21の処理で求められた解析データの組み合わせである検出タイミングの時間差t1,t2,t3の全てが対応する上限値と下限値の間に含まれているか否かを判定する(ステップc24)。
ここで、解析データとなる検出タイミングの時間差t1,t2,t3のうちの1つでも上限値と下限値の間に含まれていないものがあれば、操作箇所特定手段Gにおける領域別操作箇所特定機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3は、指標iの現在値が設定されたエリアの総数n(この実施形態ではn=10)の範囲内にあるか否かを判定する(ステップc25)。そして、指標iの現在値が設定されたエリアの総数nの範囲内にあれば、操作箇所特定手段Gとして機能するマイクロプロセッサ3は、指標iの値を改めて1インクリメントし(ステップc26)、更新された指標iの現在値に基づいて前記と同様にしてステップc23〜ステップc26の処理を繰り返し実行する。
ステップc23〜ステップc26に至る処理を繰り返し実行する間に検出タイミングの時間差t1,t2,t3を挟む上限値と下限値を有するエリアiが検出され、ステップc25の判定結果が真となった場合には、当該エリアiに対してタッピング操作が行われたことを意味するので、操作箇所特定手段Gにおける領域別操作箇所特定機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3は、当該エリアiに対応するコマンド入力の選択肢をPDA2”のディスプレイ8上に表示する(ステップc28)。
例えば、指標iの値が2であれば図33のテーブルからも明らかなように“た”行のエリアに対してタッピング操作が行われたことを意味するので、PDA2”のディスプレイ8上には平仮名の“た”,“ち”,“つ”,“て”,“と”が入力可能な平仮名として表示されることになる。
当然、iの値が1であれば“さ”行の平仮名である“さ”,“し”,“す”,“せ”,“そ”が入力可能な平仮名として表示され、また、iの値が3であれば“な”行の平仮名である“な”,“に”,“ぬ”,“ね”,“の”が入力可能な平仮名としてPDA2”のディスプレイ8上に表示されることになる。
実際に入力する平仮名の選択操作はコマンドキー9やタッチパネル10を使用した指示選択操作によって行われるが、これらの点に関しては既に公知であるから具体的な説明は省略する(ステップc29)。
一方、ステップc23〜ステップc26に至る処理を繰り返し実行する間にエリア特定指標iの現在値がエリアの総数であるnの範囲を超えてステップc25の判定結果が真となってしまった場合には、i=1〜nの全てのエリアの上限値と下限値を検索しても解析データの組み合わせである検出タイミングの時間差t1,t2,t3を含む上限値と下限値を有するエリアiが検出されなかったこと、つまり、タッピング操作が不適切であったことを意味するので、操作箇所特定手段Gにおけるる領域別操作箇所特定機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ3はPDA2”のディスプレイ8にエラーメッセージを表示して入力判定処理を終え(ステップc27)、第1の検出手段A1〜A3および第2の検出手段B1の何れかによって振動が検出されるのを待つ初期の待機状態に復帰し、タッピング操作のリトライ入力に備えることになる。
前述した第2の実施形態における外乱除去の機能を利用するため、第2の検出手段B1の近傍でPDA2”を保持する体が接触しない位置に第3の検出手段C1を配置し、第2の実施形態の場合と同様にして筐体を伝達する振動を除去するようにしてもよい。
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は2008年8月29日に出願された日本出願特願2008−222932を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、携帯電話,PDA(Personal Digital Assistants),ノートPCといった可搬性を重視する携帯用情報機器やディスプレイなどの表示部を重視する携帯用情報機器に利用されるコマンド入力装置として用いることができるものである。
1 コマンド入力装置
1’ コマンド入力装置
1” コマンド入力装置
2 PDA(Personal Digital Assistants)
2’ PDA(Personal Digital Assistants)
2” PDA(Personal Digital Assistants)
3 マイクロプロセッサ(振動解析手段,操作箇所特定手段)
4 ROM(判定データ記憶手段)
5 RAM
6 不揮発性メモリ
7 入出力回路
8 ディスプレイ
9 コマンドキー
10 タッチパネル
11 配線基板
12 キートップ
13a,13b 防振部材
14 本体部
15 枠部
A1〜A4 第1の検出手段(加速度センサ)
B1 第2の検出手段(加速度センサ)
C1 第3の検出手段(加速度センサ)
C コマンド入力部
D データベース
E 判定データ記憶手段
F 振動解析手段
G 操作箇所特定手段
X1 人体側振動伝達経路
X2 端末伝達経路

Claims (18)

  1. 入力操作が行われた箇所に応じて入力処理の内容を認識することによってコマンド入力処理を行なうようにしたコマンド入力装置であって、
    ユーザの体に対するタッピング操作によって生起され当該ユーザの体を介して伝達される振動を検出する第1,第2の検出手段をコマンド入力装置上の相異なる位置でユーザの体に接触するように配置したコマンド入力部と、
    前記第1,第2の検出手段によって検出される振動に基づき,タッピング操作の箇所を判定するタップ位置判定手段と
    を備えたことを特徴とするコマンド入力装置。
  2. 前記タップ位置判定手段は,前記第1、第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データとユーザの体に対するタッピング操作の箇所との対応関係を予めデータベースとして記憶した判定データ記憶手段と、
    前記第1,第2の検出手段によって振動が検出される度に該第1,第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析して解析データを得る振動解析手段と、
    前記振動解析手段によって得られた解析データに基いて前記判定データ記憶手段のデータベースを検索することによりユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定し、当該タッピング操作の箇所を入力操作が行われた箇所として認識する操作箇所特定手段と
    により構成されていることを特徴とした請求項1記載のコマンド入力装置。
  3. 前記判定データ記憶手段には、ユーザの体に対するタッピング操作の箇所として、前記第1,第2の検出手段と接触する体の部分を連絡する体の領域に対応して設定されたタッピング操作の箇所が記憶されていることを特徴とする請求項2記載のコマンド入力装置。
  4. 前記第1の検出手段は、ユーザの体から分岐した末端部の各々に対応してコマンド入力装置上の複数箇所に配置される一方、前記第2の検出手段は、前記末端部の基部に連絡したユーザの体の部分と接触する箇所に配置され、
    前記判定データ記憶手段のデータベースには、前記第1の検出手段の各々に対応させて解析データとタッピング操作の箇所との対応関係が記憶され、
    前記操作箇所特定手段には、前記各第1の検出手段によって検出された振動の特性に基づいてタッピング操作が行われた末端部と接触している第1の検出手段を特定すると共に、該特定された第1の検出手段と当該第1の検出手段に対応する前記データベースを検索して得られたタッピング操作の箇所とに基いてタッピング操作の箇所を特定する末端部別操作箇所特定機能が設けられていることを特徴とした請求項2に記載のコマンド入力装置。
  5. 前記第1の検出手段は、ユーザの体によって選択的に接触可能なようにコマンド入力装置上の複数箇所に配置され、
    前記判定データ記憶手段のデータベースには、前記第1の検出手段の各々に対応させて解析データとタッピング操作の箇所との対応関係が記憶され、
    前記操作箇所特定手段には、前記各第1の検出手段によって検出される振動の有無に基づいてタッピング操作が行われた第1の検出手段を特定すると共に、該特定された第1の検出手段と当該第1の検出手段に対応する前記データベースを検索して得られたタッピング操作の箇所とに基いてタッピング操作の箇所を特定する検出手段別操作箇所特定機能が設けられていることを特徴とした請求項2に記載のコマンド入力装置。
  6. 前記第1の検出手段は、ユーザの体から分岐した末端部の各々に対応してコマンド入力装置上の複数箇所に配置される一方、前記第2の検出手段は、前記末端部の基部に連絡したユーザの体の部分と接触する箇所に配置され、
    前記判定データ記憶手段のデータベースには、前記各第1の検出手段によって検出される振動と前記第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データの組み合わせとユーザの体に対するタッピング操作の箇所との対応関係が記憶され、
    前記操作箇所特定手段には、前記各第1の検出手段によって検出される振動と前記第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析して得られる解析データの組み合わせに基いて前記判定データ記憶手段のデータベースを検索することによりユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定する領域別操作箇所特定機能が設けられていることを特徴とした請求項2に記載のコマンド入力装置。
  7. 前記第1,第2の検出手段が、1方向成分以上の振動を検出する加速度センサによって構成されていることを特徴とした請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5または請求項6のうち何れか一項に記載のコマンド入力装置。
  8. 前記解析データが、前記第1の検出手段で検出される振動と前記第2の検出手段で検出される振動の検出タイミングの時間差であることを特徴とした請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5または請求項7のうち何れか一項に記載のコマンド入力装置。
  9. 前記第1,第2の検出手段には、外乱となる振動の伝達を軽減するための防振部材が併設されていることを特徴とした請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項6,請求項7または請求項8のうち何れか一項に記載のコマンド入力装置。
  10. 前記コマンド入力部には、更に、前記コマンド入力装置の内部を伝達する振動を検出するための第3の検出手段がユーザの体と接触しない位置に設けられ、
    前記振動解析手段には、前記第2の検出手段で検出される振動から前記第3の検出手段で検出される振動の影響を除去して前記第1,第2の検出手段によって検出される振動の関連を解析する外乱除去機能が設けられていることを特徴とした請求項2に記載のコマンド入力装置。
  11. 請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項6,請求項7,請求項8,請求項9または請求項10のうち何れか一項に記載のコマンド入力装置を実装した携帯用情報機器。
  12. 入力操作が行われた箇所に応じて入力処理の内容を認識することによってコマンド入力処理を行なうようにしたコマンド入力方法において、
    ユーザの体に対するタッピング操作によって生起され当該ユーザの体を介して伝達される振動をユーザの体上の第1の検出箇所と第2の検出箇所の各々で検出した後、
    前記検出された各振動の関連とユーザの体に対するタッピング操作の箇所との既知の対応関係に基いてユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定し、当該タッピング操作の箇所を入力操作が行われた箇所として認識することを特徴としたコマンド入力方法。
  13. 前記第1の検出箇所と前記第2の検出箇所を連絡する体の領域に対応してユーザの体に対するタッピング操作の箇所が設定されていることを特徴とした請求項12記載のコマンド入力方法。
  14. ユーザの体から分岐した末端部の各々に前記第1の検出箇所を設定する一方、前記末端部の基部に連絡したユーザの体の部分に前記第2の検出箇所を設定し、
    前記各第1の検出箇所で検出された各振動の特性に基づいてタッピング操作が行われた末端部を特定すると共に、
    タッピング操作が行われた末端部の前記第1の検出箇所で検出された振動と前記第2の検出箇所で検出された振動との関連と当該末端部に対するタッピング操作の箇所との既知の対応関係に基いてユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定することを特徴とした請求項12または請求項13のうち何れか一項に記載のコマンド入力方法。
  15. ユーザの体から分岐した末端部の何れかを選択して前記第1の検出箇所を設定する一方、前記末端部の基部に連絡したユーザの体の部分に前記第2の検出箇所を設定し、
    タッピング操作が行われた末端部の前記第1の検出箇所で検出された振動と前記第2の検出箇所で検出された振動との関連と当該末端部に対するタッピング操作の箇所との既知の対応関係に基いてユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定することを特徴とした請求項12または請求項13のうち何れか一項に記載のコマンド入力方法。
  16. ユーザの体から分岐した末端部の各々に前記第1の検出箇所を設定する一方、前記末端部の基部に連絡したユーザの体の部分に前記第2の検出箇所を設定し、
    前記各第1の検出箇所で検出された振動と前記第2の検出箇所で検出された振動の関連の組み合わせとタッピング操作の箇所との既知の対応関係に基いてユーザの体に対するタッピング操作の箇所を特定することを特徴とした請求項12または請求項13のうち何れか一項に記載のコマンド入力方法。
  17. ユーザの体を介して伝達される振動を、ユーザの体表に生じる歪もしくはユーザの体表に作用する力の変化によって検出することを特徴とした請求項12,請求項13,請求項14,請求項15または請求項16のうち何れか一項に記載のコマンド入力方法。
  18. 前記関連が、前記第1の検出箇所で検出される振動と前記第2の検出箇所で検出される振動の検出タイミングの時間差であることを特徴とした請求項12,請求項13,請求項14,請求項15,請求項16または請求項17のうち何れか一項に記載のコマンド入力方法。
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