以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の図形表示装置の実施形態に係るグラフ関数電卓10の外観構成を示す平面図である。
このグラフ関数電卓10は、その携帯性の必要からユーザが片手で十分把持し片手で操作可能な小型サイズからなり、この電卓10の本体正面にはキー入力部11およびタッチパネル式表示部15が設けられる。
キー入力部11には、数字,文字,算術記号を入力したり演算の実行を指示したりするための数字・文字・演算記号キー群12、各種の関数コマンドを入力するための関数機能キー群13、タッチパネル式表示部15に表示されたカーソル,ポインタの移動操作やデータ項目の選択操作などを行うためのカーソルキー14が備えられる。
前記数字・文字・演算記号キー群12としては、「0」〜「9」(数値)キー、「+」「−」「×」「÷」(算術記号)キー、「EXP」(指数関数)キー、「DEL」(削除)キー、「EXE」(実行)キー、「AC」(クリア)キーなどが配列される。
前記関数機能キー群13としては、動作モードをグラフモードに設定するための「GRAPH」(グラフ)キー13a、グラフモードにおいてキー入力された任意の関数式に対応するグラフを表示させるための「DRAW」(描画)キー13b、例えば三角関数のグラフを表示させるDeg(Degree)/Rad(Radian)/Gra(Gradient)の各モードにおいて、表示中の基本グリッドgmの位相(x軸)方向だけの単位を分割した補助グリッドgs(図9参照)を表示させる際に予め操作される「ANG−Div」(角度分割)キー13c、グラフモードにおけるグラフの表示画面と当該グラフに対応する式の表示画面とを切り替えるための「G−T」(グラフ/式)キー13dなどが配列される。
前記タッチパネル式表示部15は、ドットマトリクス型の液晶表示部15dに透明タッチパネル15tを重ねて構成される。
このグラフ関数電卓10は、グラフモードにおいて、任意の関数式に対応するグラフを予め設定されたレンジの座標上に表示するのに伴い、所定の配置間隔(例えば“1”)の基本グリッドgmを表示する機能を有する(図5(A)(B)参照)。
また、このグラフ関数電卓10は、前記基本グリッドgmの表示されたグラフ表示状態において、任意の数値キーの操作に応じて、前記基本グリッドgmの配置間隔をその数値で分割してなる補助グリッドgsを表示する機能を有する(図5(C)参照)。
また、このグラフ関数電卓10は、前記基本グリッドgmや補助グリッドgsが表示されている画面上のグラフを、タッチペンPやカーソルポインタ等のポインティングデバイスによる当該グラフの指定とその移動に応じて、表示中のグリッド単位で移動する機能を有する(図5(D)参照)。
そして、このグラフ関数電卓10は、前記タッチペンPやカーソルポインタ等によるグラフの移動の終了に伴い、前記補助グリッドgsを画面から消去する機能を有する(図5(E)参照)。
さらに、このグラフ関数電卓10は、前記グラフの移動の終了後に、当該グラフがポインティングデバイスによりにより再度指定されると、前記補助グリッドgsを画面に再度表示する機能を有する(図5(F)参照)。
図2は、前記グラフ関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図である。
このグラフ関数電卓10は、コンピュータ等からなる制御部(CPU)21を備えている。
制御部(CPU)21は、キー入力部11あるいはタッチパネル式表示部15から入力される入力データに応じて、フラッシュROMなどの記憶装置22に予め記憶されている計算機制御プログラム22aを起動させ、あるいは記憶媒体読み書き部24に装着される外部記憶媒体(メモリ・カードなど)25に予め記憶されている計算機制御プログラム22aを前記記憶装置22に読み込ませて起動させ、あるいは通信制御部26を介して通信ネットワークN上のWebサーバ27(この場合は、プログラムサーバ)から受信された計算機制御プログラム22aを前記記憶装置22に読み込ませて起動させ、RAM23を作業用記憶領域として回路各部の動作制御を行なうものである。
この制御部(CPU)21には、前記キー入力部11、記憶装置(ROM)22、RAM23、記憶媒体読み書き部24、通信制御部26が接続され、さらに、タッチパネル式表示部15が接続される。
前記記憶装置22には、本グラフ関数電卓10の電子回路における全体の処理を司るシステムプログラムが予め記憶されると共に、キー入力部11あるいはタッチパネル式表示部15からの入力に応じた数式演算処理やグラフ描画処理、グラフ移動処理などを実行するための数式演算・グラフ描画・グラフ移動プログラム、前記タッチパネル式表示部15の透明タッチパネル15tにおいてタッチ操作された位置(座標)を検出するためのタッチ位置検出プログラムなどが計算機制御プログラム22aとして記憶される。
前記RAM23には、入力バッファメモリ23a、グラフ式メモリ23b、グラフレンジメモリ23c、グラフ画面メモリ23d、タッチ座標メモリ23e、演算データメモリ23f、基本グリッド(Xm)メモリ23g、基本グリッド(Ym)メモリ23h、補助グリッド(Xs)メモリ23i、補助グリッド(Ys)メモリ23jなどが確保される。
入力バッファメモリ23aには、キー入力部11により入力された数値や関数式、各種コマンドなどのキー入力データが逐次記憶される。
グラフ式メモリ23bには、前記タッチパネル式表示部15にグラフ化して表示すべき関数式[Y=f(x)]のデータが記憶される。
グラフレンジメモリ23cには、前記タッチパネル式表示部15にグラフを描画表示するためのx軸,y軸の座標レンジが設定記憶される。
グラフ画面メモリ23dには、前記グラフ式メモリ23bに記憶された関数式(グラフ式)に対応して前記タッチパネル式表示部15の画面上に表示させるグラフの描画データが、前記グラフレンジメモリ23cに記憶された座標レンジに基づき計算されて記憶される。
タッチ座標メモリ23eには、タッチパネル15tに対するタッチ操作に伴い前記タッチ位置検出プログラムに従い検出されるタッチ位置の座標がその始点座標から終点座標まで連続的に一時記憶される。
演算データメモリ23fには、前記本グラフ関数電卓10における各種の求解演算処理に伴う演算過程のデータや演算結果のデータなどが逐次記憶される。
基本グリッド(Xm)メモリ23gには、座標の設定された画面上に表示する基本グリッドgmのx軸方向の配置間隔xmが、例えば“1”に予め設定されて記憶される。
基本グリッド(Ym)メモリ23hには、座標の設定された画面上に表示する基本グリッドgmのy軸方向の配置間隔ymが、例えば“1”に予め設定されて記憶される。
補助グリッド(Xs)メモリ23iには、前記基本グリッドgmの相互間に追加で表示する補助グリッドgsのx軸方向の配置間隔xsが、前記基本グリッドgmのx軸方向の配置間隔xmに基づいたユーザの数値キー操作に応じて設定され記憶される。
補助グリッド(Ys)メモリ23jには、前記基本グリッドgmの相互間に追加で表示する補助グリッドgsのy軸方向の配置間隔ysが、前記基本グリッドgmのy軸方向の配置間隔ymに基づいたユーザの数値キー操作に応じて設定され記憶される。
なお、前記RAM23には、各種の幾何図形を描画・表示するための式データや画面描画データ等の各種作業データも前記グラフを描画・表示するための各種作業データと同様に記憶される。
次に、前記構成によるグラフ関数電卓10の動作について説明する。
図3は、前記グラフ関数電卓10によるグラフ・図形メイン処理を示すフローチャートである。
図4は、前記グラフ関数電卓10のグラフ・図形メイン処理に伴うグラフ・図形移動処理を示すフローチャートである。
(具体例1)
図5は、前記グラフ関数電卓10のグラフ・図形メイン処理およびグラフ・図形移動処理に伴うグラフ表示の具体例(その1)を示す図である。
「GRAPH」(グラフ)キー13aが入力されると、グラフモードに設定され、図5(A)に示すように、グラフ式の入力画面がタッチパネル式表示部15に表示される。
このグラフ式の入力画面において、ユーザ操作に応じたグラフ式(例えば「Y1=X2」)が入力されると、入力されたグラフ式「Y1=X2」がグラフ式メモリ23bに記憶される。そして、基本グリッド“ON”のフラグがセットされ、基本グリッド(Xm)メモリ23gおよび基本グリッド(Ym)メモリ23hに予め設定された基本グリッドgmのx軸およびy軸方向の配置間隔(xm,ym)に従い、基本グリッドgmを表示するモードに設定される(ステップS1)。
すると、前記基本グリッド(Xm)メモリ23gおよび基本グリッド(Ym)メモリ23hに予め設定された基本グリッドgmのx軸およびy軸方向の配置間隔(xm,ym)(例えば“1”)が、それぞれ補助グリッドgsのx軸およびy軸方向の配置間隔(xsm,ys)として、補助グリッド(Xs)メモリ23iおよび補助グリッド(Ys)メモリ23jに初期設定されて記憶される(ステップS2)。
そして、図5(B)に示すように、「DRAW」(描画)キー13bが入力されると、前記グラフ式メモリ23bに記憶されたグラフ式「Y1=X2」に対応するグラフY1が、グラフレンジメモリ23cに設定された座標レンジに従い、グラフ画面メモリ23dに描画され、タッチパネル式表示部15に表示される。この際、前記基本グリッド(Xm)メモリ23gおよび基本グリッド(Ym)メモリ23hに予め設定されたグリッド配置間隔(xm=1,ym=1)に対応する位置に基本グリッドgm…が表示される(ステップS3)。
すると、ユーザ操作に応じて前記グラフY1を移動・表示させるための図4におけるグラフ・図形移動処理へ移行される(ステップS4→SA)。
前記図5(B)で示した基本グリッドgmの表示されたグラフY1の表示画面において、当該基本グリッドgmの配置間隔“1”の2分の1の配置間隔“0.5”で補助グリッドgsを表示させるために、図5(C)に示すように、数値キー「2」が入力されると(ステップA1(Yes))、基本グリッド(Xm)メモリ23gおよび基本グリッド(Ym)メモリ23hに予め設定された配置間隔(xm=1,ym=1)が読み出されると共に、キー入力された数値「2」が入力バッファ23aから読み出される(ステップA2)。
すると、前記基本グリッド(Xm,Ym)メモリ23g,23hから読み出された配置間隔(xm=1,ym=1)が、前記キー入力された数値「2」で除算され、補助グリッドgsの配置間隔(xs=0.5,ys=0.5)として設定される(ステップA3)。または、補助グリッド(Xs,Ys)メモリ23i,23jに初期設定されている補助グリッドgsの配置間隔(xs=1,ys=1)が、前記キー入力された数値「2」で除算され、同補助グリッドgsの配置間隔(xs=0.5,ys=0.5)として再設定される(ステップA3)。
そして、前記補助グリッド(Xs)メモリ23iおよび補助グリッド(Ys)メモリ23jに設定された配置間隔(xs=0.5,ys=0.5)に対応する位置に、補助グリッドgs…が表示される(ステップA4)。この際、補助グリッドgs…は、基本グリッドgm…と異なる色や異なる形状で表示してもよい。
すると、前記グラフ式「Y1=X2」の特徴点(ここでは極小点)の座標が計算され(図形表示の場合は頂点、円の中心などの座標が読み出され)(ステップA5)、前記補助グリッドgs…の何れかの位置と一致するか否か判断される(ステップA6)。
ここでは、前記グラフ式「Y1=X2」の特徴点(極小点)は、前記補助グリッドgs…の何れの位置とも一致しないと判断される(ステップA6(No))。
そして、前記数値キー「2」の操作が終了していると判断されると(ステップA8(Yes))、前記図5(C)で示したグラフY1および基本グリッドgmおよび補助グリッドgs…の表示画面のまま、ユーザ操作に応じた入力待ちの状態に復帰する(ステップA1/A9/A20)。
この後、表示中のグラフY1がタッチペンPによりタッチされたと判断されると(ステップA9(Yes))、補助グリッドgs…の表示中であるか否か判断される(ステップA10)。
そして、補助グリッドgs…の表示中であると判断されると(ステップA10(Yes))、前記グラフ式「Y1=X2」の特徴点(ここでは極小点)の座標が計算され(図形表示の場合は頂点、円の中心などの座標が読み出され)(ステップA12)、前記タッチペンPによりタッチされたグラフY1上の位置の近傍(予め設定された座標範囲内)であるか否か判断される(ステップA13)。
ここで、前記グラフ式「Y1=X2」の特徴点(極小点)は、前記タッチペンPによりタッチされたグラフY1上の位置の近傍ではないと判断された場合には(ステップA13(No))、前記タッチペンPによりタッチされているグラフY1上の位置が、当該グラフY1を移動させる基準の位置に設定される(ステップA15)。
そして、図5(D)に示すように、前記タッチペンPによるタッチ位置の移動が検出されることで、前記グラフY1の移動操作があると判断されると(ステップA16(Yes))、当該移動操作に応じて、前記基準位置に設定されたグラフY1上の位置が、前記基本グリッドgm…および補助グリッドgs…の単位で移動され、その移動位置に対応したグラフY1が表示される(ステップA17)。
この後、図5(E)に示すように、グラフY1の移動操作の終了に伴い、当該グラフY1上からタッチペンPが離され、そのタッチ位置が検出されなくなったと判断されると(ステップA18(Yes))、前記補助グリッドgs…が消去され、基本グリッドgm…だけ表示される(ステップA19)。
この後、前記図5(E)で示した位置に移動されたグラフY1をさらに移動させるために、図5(F)に示すように、表示中のグラフY1が再度タッチペンPによりタッチされたと判断されると(ステップA9(Yes))、このときには補助グリッドgs…の表示中でないと判断されるので(ステップA10(No))、前記補助グリッド(Xs)メモリ23iおよび補助グリッド(Ys)メモリ23jに設定された現在の配置間隔(xs=0.5,ys=0.5)に対応する位置に、補助グリッドgs…が再表示される(ステップA11)。この際も補助グリッドgs…は、前記ステップA4での初期表示のときと同様に、基本グリッドgm…と異なる色や異なる形状で表示してもよい。
このように、任意のグラフ式に対応するグラフY1が、予め設定された座標レンジの画面上に、基本グリッドgm…と共に表示された状態で、数値キー「2」を入力すると、当該入力された数値“2”に応じて基本グリッドgm…の配置間隔“1”が単純に2分割された配置間隔“0.5”の補助グリッドgs…が表示され、前記グラフY1の各グリッドgm…gs…単位での移動が行える。このため、1キー操作で非常に簡単に数値的に解析し易い位置の補助グリッドgs…を表示させ、グラフY1を移動して解析できる。
しかも、前記補助グリッドgs…を表示させた状態でのグラフY1の移動操作が終了すると、当該補助グリッドgs…は直ちに消去されるので、当該補助グリッドgs…の表示によって移動後のグラフY1の表示画面が見辛くなるのを防止できる。
さらに、前記グラフY1の移動操作の終了に伴い補助グリッドgs…が消去された後に、当該グラフY1が再度ペンタッチされると、同補助グリッドgs…が直ちに再表示されるので、必要に応じて繰り返し且つ簡単に数値的に解析し易い位置の補助グリッドgs…を表示させ、グラフY1を移動して解析できる。
図6は、前記グラフ関数電卓10のグラフ・図形移動処理における他の実施形態の具体例を示す図である。
前記図4におけるステップA1〜A4に従い、数値キー「2」の入力に応じて、前記図5(C)で示したようにグラフY1の表示画面上に補助グリッドgs…を表示させたときには、図6に示すように、当該補助グリッドgs…の配置間隔(xs=0.5,ys=0.5)を「X-Grid:0.5」「Y-Grid:0.5」として画面右上に表示させてもよい(ステップA4′)。この場合、表示された補助グリッドgs…の配置間隔「X-Grid:0.5」「Y-Grid:0.5」は、前記数値キー「2」の入力が終了したと判断された場合に消去される(ステップA8(Yes)→A8′)。
これにより、数値キーの操作に応じて補助グリッドgs…を表示させた状態でのグリッドの幅を、ユーザが明確に把握できるようになる。
(具体例2)
図7は、前記グラフ関数電卓10のグラフ・図形メイン処理およびグラフ・図形移動処理に伴うグラフ表示の具体例(その2)を示す図である。
図7(A)に示すように、グラフモードに設定されたグラフ式の入力画面において、ユーザ操作に応じた2つのグラフ式(例えば「Y1=−(X−1)2+2/3」「Y2=−1」)が入力されると、入力された各グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」「Y2=−1」がグラフ式メモリ23bに記憶される。そして、基本グリッドgmを表示するモードに設定される(ステップS1)。
すると、前記具体例1と同様に、基本グリッドgmの配置間隔(xm,ym)(例えば“1”)が、補助グリッドgsの配置間隔(xsm,ys)として初期設定される(ステップS2)。
そして、図7(B)に示すように、「DRAW」(描画)キー13bが入力されると、前記グラフ式メモリ23bに記憶された各グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」「Y2=−1」に対応するグラフY1,Y2が、グラフレンジメモリ23cに設定された座標レンジに従い、グラフ画面メモリ23dに描画され、タッチパネル式表示部15に表示される。この際、前記基本グリッド(Xm,Ym)メモリ23g,23hに予め設定されたグリッド配置間隔(xm=1,ym=1)に対応する位置に基本グリッドgm…が表示される(ステップS3)。
すると、ユーザ操作に応じて前記グラフY1,Y2を移動・表示させるための図4におけるグラフ・図形移動処理へ移行される(ステップS4→SA)。
前記図7(B)で示した基本グリッドgmの表示されたグラフY1,Y2の表示画面において、当該基本グリッドgmの配置間隔“1”の2分の1の配置間隔“0.5”で補助グリッドgsを表示させるために、図7(C)に示すように、数値キー「2」が入力されると(ステップA1(Yes))、基本グリッド(Xm,Ym)メモリ23g,23hに予め設定された配置間隔(xm=1,ym=1)が読み出されると共に、キー入力された数値「2」が入力バッファ23aから読み出される(ステップA2)。
すると、前記基本グリッド(Xm,Ym)メモリ23g,23hから読み出された配置間隔(xm=1,ym=1)が、前記キー入力された数値「2」で除算され、補助グリッドgsの配置間隔(xs=0.5,ys=0.5)として設定される(ステップA3)。
そして、前記補助グリッド(Xs,Ys)メモリ23i,23jに設定された配置間隔(xs=0.5,ys=0.5)に対応する位置に、補助グリッドgs…が表示される(ステップA4)。
すると、前記グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」「Y2=−1」の特徴点(ここではY1の極大点)の座標が計算され(ステップA5)、前記補助グリッドgs…の何れかの位置と一致するか否か判断される(ステップA6)。
ここでは、前記グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」の特徴点(極大点)は、前記配置間隔0.5の補助グリッドgs…の何れの位置とも一致しないと判断される(ステップA6(No))。
このため、前記数値キー「2」の操作を終了し(ステップA8(Yes))、続けて前記基本グリッドgmの配置間隔“1”の3分の1の配置間隔“0.33…”で補助グリッドgsを表示させるために、図7(D)に示すように、数値キー「3」が入力されると(ステップA1(Yes))、基本グリッドgmの配置間隔(xm=1,ym=1)が、前記キー入力された数値「3」で除算され、補助グリッドgsの配置間隔(xs=0.33…,ys=0.33…)として設定される(ステップA2,A3)。
そして、前記補助グリッド(Xs,Ys)メモリ23i,23jに設定された配置間隔(xs=0.33…,ys=0.33…)に対応する位置に、補助グリッドgs…が表示される(ステップA4)。
すると、前記グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」の特徴点(極大点)が計算され(ステップA5)、前記配置間隔0.33…の補助グリッドgs…の位置と一致したと判断されるので(ステップA6(Yes))、当該グラフ式Y1の特徴点(極大点)と一致した補助グリッドgsが☆マークHで表示される(ステップA7)。
これにより、グラフY1の特徴点(極大点)となるグリッドの位置が明確となり、グラフY2をその位置まで移動させて解析する操作が容易になる。
そして、表示中のグラフY2がタッチペンPによりタッチされたと判断されると(ステップA9(Yes))、補助グリッドgs…の表示中であるか否か判断される(ステップA10)。
そして、補助グリッドgs…の表示中であると判断されると(ステップA10(Yes))、前記グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」「Y2=−1」の特徴点(ここではY1の極大点)の座標が計算され(ステップA12)、前記タッチペンPによりタッチされたグラフY2上の位置の近傍(予め設定された座標範囲内)であるか否か判断される(ステップA13)。
ここで、前記グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」の特徴点(極大点)は、前記タッチペンPによりタッチされたグラフY2上の位置の近傍ではないと判断されるので(ステップA13(No))、前記タッチペンPによりタッチされているグラフY2上の位置が、当該グラフY2を移動させる基準の位置に設定される(ステップA15)。
そして、図7(E)に示すように、前記タッチペンPによるタッチ位置の移動が検出されることで、前記グラフY2の移動操作があると判断されると(ステップA16(Yes))、当該移動操作に応じて、前記基準位置に設定されたグラフY2上の位置が、前記基本グリッドgm…および補助グリッドgs…の単位で移動され、その移動位置に対応したグラフY2が表示される(ステップA17)。
これにより、グラフY1の特徴点(極大点)となるグリッドの位置まで、グラフY2を簡単に移動させることができる。
この後、図7(F)に示すように、グラフY2の移動操作の終了に伴い、当該グラフY2上からタッチペンPが離され、そのタッチ位置が検出されなくなったと判断されると(ステップA18(Yes))、前記補助グリッドgs…が消去され、基本グリッドgm…だけ表示される(ステップA19)。
このように、任意の2つのグラフ式に対応するグラフY1,Y2が、予め設定された座標レンジの画面上に、基本グリッドgm…と共に表示された状態で、数値キー「2」を入力すると、当該入力された数値“2”に応じて基本グリッドgm…の配置間隔“1”が単純に2分割された配置間隔“0.5”の補助グリッドgs…が表示される。続けて数値キー「3」と入力すると、当該入力された数値“3”に応じて基本グリッドgm…の配置間隔“1”が単純に3分割された配置間隔“0.33…”の補助グリッドgs…が表示される。そしてその都度、各グラフY1,Y2の特徴点が計算されて補助グリッドgs…の位置との一致が判断され、一致した補助グリッドgsは☆マークHで表示される。このため、1キー操作で非常に簡単に数値的に解析し易い位置の補助グリッドgs…を順次更新させながら表示させることができ、しかも、グラフYnの特徴点と一致した補助グリッドgsの位置を☆マークHにより明確にして、他のグラフYn′をそのグリッドgsの位置まで簡単に移動して解析できる。
(具体例3)
図8は、前記グラフ関数電卓10のグラフ・図形メイン処理およびグラフ・図形移動処理に伴うグラフ表示の具体例(その3)を示す図である。
図8(A)に示すように、グラフモードに設定されたグラフ式の入力画面において、ユーザ操作に応じたグラフ式(例えば「Y1=−(X−1)2+2/3」)が入力されると、入力されたグラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」がグラフ式メモリ23bに記憶される。そして、基本グリッドgmを表示するモードに設定される(ステップS1)。
すると、前記具体例1と同様に、基本グリッドgmの配置間隔(xm,ym)(例えば“1”)が、補助グリッドgsの配置間隔(xsm,ys)として初期設定される(ステップS2)。
そして、図8(B)に示すように、「DRAW」(描画)キー13bが入力されると、前記グラフ式メモリ23bに記憶されたグラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」に対応するグラフY1が、グラフレンジメモリ23cに設定された座標レンジに従い、グラフ画面メモリ23dに描画され、タッチパネル式表示部15に表示される。この際、前記基本グリッド(Xm,Ym)メモリ23g,23hに予め設定されたグリッド配置間隔(xm=1,ym=1)に対応する位置に基本グリッドgm…が表示される(ステップS3)。
すると、ユーザ操作に応じて前記グラフY1を移動・表示させるための図4におけるグラフ・図形移動処理へ移行される(ステップS4→SA)。
前記図8(B)で示した基本グリッドgmの表示されたグラフY1,Y2の表示画面において、当該基本グリッドgmの配置間隔“1”の2分の1の配置間隔“0.5”で補助グリッドgsを表示させるために、図8(C)に示すように、数値キー「2」が入力されると(ステップA1(Yes))、基本グリッド(Xm,Ym)メモリ23g,23hに予め設定された配置間隔(xm=1,ym=1)が読み出されると共に、キー入力された数値「2」が入力バッファ23aから読み出される(ステップA2)。
すると、前記基本グリッド(Xm,Ym)メモリ23g,23hから読み出された配置間隔(xm=1,ym=1)が、前記キー入力された数値「2」で除算され、補助グリッドgsの配置間隔(xs=0.5,ys=0.5)として設定される(ステップA3)。
そして、前記補助グリッド(Xs,Ys)メモリ23i,23jに設定された配置間隔(xs=0.5,ys=0.5)に対応する位置に、補助グリッドgs…が表示される(ステップA4)。
すると、前記グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」の特徴点(極大点)の座標が計算され(ステップA5)、前記補助グリッドgs…の何れかの位置と一致するか否か判断される(ステップA6)。
ここでは、前記グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」の特徴点(極大点)は、前記配置間隔0.5の補助グリッドgs…の何れの位置とも一致しないと判断される(ステップA6(No))。
この後、図8(D)に示すように、表示中のグラフY1がタッチペンPによりタッチされたと判断されると(ステップA9(Yes))、補助グリッドgs…の表示中であるか否か判断される(ステップA10)。
そして、補助グリッドgs…の表示中であると判断されると(ステップA10(Yes))、前記グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」の特徴点(極大点)の座標が計算され(ステップA12)、前記タッチペンPによりタッチされたグラフY1上の位置の近傍(予め設定された座標範囲内)であるか否か判断される(ステップA13)。
ここで、前記グラフ式「Y1=−(X−1)2+2/3」の特徴点(極大点)は、前記タッチペンPによりタッチされたグラフY1上の位置の近傍であると判断されると(ステップA13(Yes))、当該グラフY1の特徴点(極大点)の位置に○マークTが表示される。そして、このグラフY1上の○マークTの位置が、当該グラフY1を移動させる基準の位置に設定される(ステップA14)。
そして、図8(E)に示すように、前記タッチペンPによるタッチ位置の移動が検出されることで、前記グラフY1の移動操作があると判断されると(ステップA16(Yes))、当該移動操作に応じて、前記基準位置に設定されたグラフY1上の○マークTの位置が、前記基本グリッドgm…および補助グリッドgs…の単位で移動され、その移動位置に対応したグラフY1が表示される(ステップA17)。
これにより、グラフY1上の特徴点(極大点)の近くをペンタッチするだけで、当該特徴点(極大点)の位置に○マークTを表示させ、この○マークTの位置を基準に、グラフY1を任意のグリッド位置まで容易に移動させて解析することができる。
この後、図8(F)に示すように、グラフY1の移動操作の終了に伴い、当該グラフY1上からタッチペンPが離され、そのタッチ位置が検出されなくなったと判断されると(ステップA18(Yes))、前記補助グリッドgs…が消去され、基本グリッドgm…だけ表示される(ステップA19)。
ここで、図8(G)に示すように、「G−T」(グラフ/式)キー13dが入力されると、移動後のグラフY1の座標に基づき、当該移動後のグラフY1のグラフ式「Y1=−(X−1)2−1」が計算され、グラフ式の表示画面に切り替えられる。
このように、任意のグラフ式に対応するグラフY1が、予め設定された座標レンジの画面上に、基本グリッドgm…と共に表示された状態で、数値キー「2」を入力すると、当該入力された数値“2”に応じて基本グリッドgm…の配置間隔“1”が単純に2分割された配置間隔“0.5”の補助グリッドgs…が表示される。そして、グラフY1をグリッド単位で移動させるために当該グラフY1上の特徴点付近をペンタッチすると、その特徴点が○マークTで表示されグラフ移動の基準位置に設定される。このため、1キー操作で非常に簡単に数値的に解析し易い位置の補助グリッドgs…を表示させることができ、しかも、グラフY1の特徴点を、○マークTにより明確にすると共にグラフ移動の基準位置に設定し、当該グラフY1を、任意のグリッドgm…,gs…の位置まで簡単に移動して解析できる。
(具体例4)
図9は、前記グラフ関数電卓10のグラフ・図形メイン処理およびグラフ・図形移動処理に伴うRadモードでのグラフ表示の具体例(その4)を示す図である。
Rad(Radian)モードにおいて、例えば三角関数のグラフ式「Y=sinx」が入力され、基本グリッドgmの配置間隔xm,ymおよび補助グリッドgsの配置間隔xs,ysが、それぞれ何れも“0.5”に設定された状態で、グラフY(=sinx)が表示されると、これに伴い、x軸方向およびY軸方向共に配置間隔0.5の基本グリッドgmが表示される(ステップS1〜S3)。
ここで、Rad(Radian)モードに応じた配置間隔のグリッドを表示させるため、図9(A)に示すように、「ANG−Div」(角度分割)キー13cが入力され、続いて数値キー「2」が入力されると(ステップA20(Yes))、キー入力された数値「2」が入力バッファ23aから読み出される(ステップA21)。
すると、Radモードでの基準値「π」を前記キー入力された数値「2」で除算した値「π/2」が、補助グリッドgsのx軸方向の配置間隔(xs=π/2)として設定されると共に、基本グリッド(Ym)メモリ23hに記憶されている基本グリッドgmのy軸方向の配置間隔(ym=0.5)が、そのまま補助グリッドgsのy軸方向の配置間隔(ys=0.5)として設定される(ステップA22)。
そして、補助グリッド(Xs,Ys)メモリ23i,23jに設定された配置間隔(xs=π/2,ys=0.5)に対応する位置に、図9(A)で示すように、補助グリッドgs…が表示される(ステップA4)。
この際、前記補助グリッドgs…の配置間隔(xs=π/2,ys=0.5)は、「X-Grid:(1/2)π」「Y-Grid:0.5」として画面右上に表示される(ステップA4′)。
また、図9(B)に示すように、「ANG−Div」(角度分割)キー13cが入力され、続いて数値キー「3」が入力されると(ステップA20(Yes))、キー入力された数値「3」が入力バッファ23aから読み出される(ステップA21)。
すると、Radモードでの基準値「π」を前記キー入力された数値「3」で除算した値「π/3」が、補助グリッドgsのx軸方向の配置間隔(xs=π/3)として設定されると共に、基本グリッド(Ym)メモリ23hに記憶されている基本グリッドgmのy軸方向の配置間隔(ym=0.5)が、そのまま補助グリッドgsのy軸方向の配置間隔(ys=0.5)として設定される(ステップA22)。
そして、補助グリッド(Xs,Ys)メモリ23i,23jに設定された配置間隔(xs=π/3,ys=0.5)に対応する位置に、図9(B)で示すように、補助グリッドgs…が表示される(ステップA4)。
この際、前記補助グリッドgs…の配置間隔(xs=π/3,ys=0.5)は、「X-Grid:(1/3)π」「Y-Grid:0.5」として画面右上に表示される(ステップA4′)。
このように、Rad(Radian)・Deg(Degree)・Gra(Gradient)の各角度モードを設定して三角関数などの数式に対応するグラフを表示させ解析する場合には、「ANG−Div」(角度分割)キー13cを入力した後に数値キー「n」を入力するだけで、当該入力された数値“n”に応じて、各角度モードに応じた基準値を単純にn分割した配置間隔で補助グリッドgs…のx軸方向の配置間隔を設定できる。このため、各角度モードで表示させるグラフの解析も、前記各具体例と同様に、数値キーの1キー操作でその角度モードに応じた適切な幅の補助グリッドgs…を簡単に表示させて行うことができる。
なお、前記具体例4では、「ANG−Div」(角度分割)キー13cを入力した後に、任意の数値キーを入力することで、設定された角度モードに応じたx軸方向の基準値を入力された数値で分割し、この分割された値を補助グリッドgs…のx軸方向の配置間隔xsとして設定し、また、当該補助グリッドgs…のy軸方向の配置間隔ysについては、基本グリッドgmの配置間隔ymと同一に設定した。これに対し、三角関数のグラフ式が入力された場合には、前記「ANG−Div」(角度分割)キー13cを入力する必要なく、任意の数値キーを入力するだけで、自動的に、設定された角度モードに応じたx軸方向の基準値を入力された数値で分割し、この分割された値を補助グリッドgs…のx軸方向の配置間隔xsとして設定すると共に、当該補助グリッドgs…のy軸方向の配置間隔ysを、基本グリッドgmの配置間隔ymと同一に設定する構成としてもよい。
前記各実施形態では、主に、任意のグラフ式に応じたグラフ図形の表示に伴い、基本グリッドgm…および補助グリッドgs…の配置間隔を設定して表示する機能について説明したが、任意の幾何図形(三角形、四角形、円など)の表示に伴い、前記同様に、基本グリッドgm…および補助グリッドgs…の配置間隔を設定して表示することも勿論可能である。
また、前記各実施形態にて説明した基本グリッドgm…および補助グリッドgs…の配置間隔設定・表示機能は、表示画面上にグリッドを表示させる各種のアプリケーションソフトウエアにも勿論応用可能である。
さらに、前記各実施形態では、数値キーの1キー操作によって、基本グリッドgmの配置間隔(xm,ym)を入力された数値で単純分割し、これを補助グリッドgsの配置間隔(xs,ys)に設定する構成とした。これに対し、例えばカーソルキー等の特定のキーを1キー操作する毎に、基本グリッドgmの配置間隔(xm,ym)を、1/2→1/3…と順次単純分割し、これを補助グリッドgsの配置間隔(xs,ys)に設定する構成としてもよい。
なお、前記実施形態において記載したグラフ関数電卓10による動作手法、すなわち、図3のフローチャートに示すグラフ・図形メイン処理、図4のフローチャートに示す前記グラフ・図形メイン処理に伴うグラフ・図形移動処理などの各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体(25)に格納して配布することができる。そして、電子式計算機(10)のコンピュータ(21)は、この外部記憶媒体(25)に記憶されたプログラムを記憶装置(22)(23)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した基本グリッドgm…に対する1キー操作での補助グリッドgs…の配置間隔設定・表示機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(公衆回線)N上を伝送させることができ、この通信ネットワークNに接続された通信装置(26)によって前記プログラムデータを電子式計算機(10)のコンピュータ(21)に取り込み、前述した基本グリッドgm…に対する1キー操作での補助グリッドgs…の配置間隔設定・表示機能を実現することもできる。
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。