本発明の第1の実施形態に係る浄化装置を、図1〜4を用いて説明する。本実施形態では、排気浄化装置200が、ディーゼルエンジン10に連結される排気系30に組み込まれる構造を、また排気ガスへの添加剤として燃料を添加するものを一例に、説明する。なお、排気浄化装置200が組み込まれる排気系は、ディーゼルエンジン10に連結された排気系以外、また添加剤が燃料以外であってももちろん良い。
図1は、ディーゼルエンジン10と、ディーゼルエンジン10に連結される吸気系20と、ディーゼルエンジン10に連結される排気系30とを示す概略図である。ディーゼルエンジン10と、吸気系20と、排気系30とは、例えば自動車に設けられている。
ディーゼルエンジン10は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12となどを備えている。シリンダブロック11には、例えば複数のシリンダ13が形成されている。各シリンダ13内には、シリンダ13内を摺動可能なピストン14が収容されている。ピストン14は、クランクシャフト15にコネクティングロッド16を介して連結されている。
シリンダヘッド12は、シリンダブロック11のデッキ面上に固定されている。シリンダヘッド12においてシリンダ13と対向する部位は、シリンダ13と反対側に凹む凹部が形成されている。この凹部とシリンダ13とピストン14とによって規定される空間が燃焼室17となっている。
シリンダヘッド12には、燃焼室17に開口する吸気ポート18と排気ポート19とが形成されている。また、シリンダヘッド12には、燃焼室17に燃料を噴射するインジェクタ5が設けられている。
吸気系20は、燃焼室17に吸気する。吸気系20は、吸気ポート18に連結される吸気管やエアクリーナなどを備えている。
排気系30は、ディーゼルエンジン10が排出する排気ガスGを車外に導く。排気系30は、例えば、ターボーチャージャの排気タービン3と、排気浄化装置200とを備えている。排気タービン3は、排気ポート19の下流に配置されており、排気ポート19と連通している。なお、本発明で言う、上流と下流とは、図中矢印で示す排気ガスGの流れる方向に沿って定義される。
排気浄化装置200は、NOxトラップ触媒40と、パティキュレートフィルタ50と、酸化触媒60と、添加剤供給装置の一例として燃料添加用インジェクタ34と、開閉手段の一例として弁装置210と、制御装置90と、第1〜3の排気ガス温度センサ32,38,80と、第1,2の酸素濃度センサ33,81と、収容部101となどを備えている。
排気タービン3の下流には、パティキュレートフィルタ50が配置されている。パティキュレートフィルタ50は、排気タービン3と連通しており、排気タービン3を通過した排気ガスGがパティキュレートフィルタ50に流入する。パティキュレートフィルタ50は、本発明で言うフィルタの一例である。
パティキュレートフィルタ50の下流には、酸化触媒60が配置されている。パティキュレートフィルタ50と酸化触媒60とは、第1の管部材31で互いに連結されており、連通している。パティキュレートフィルタ50を通過した排気ガスGは、第1の管部材31を通過して酸化触媒60に流入する。
酸化触媒60は、ハウジング61と、当該ハウジング61内に収容される担体62とを備えている。酸化触媒60は、例えばハニカム構造の担体62に触媒活性成分の一例である白金やパラジウムが担持される構造である。酸化触媒60を通過した排気ガスは、酸化触媒60によって排気ガス中の未燃HCの酸化が促進され、それゆえ、温度が上昇する。酸化触媒60は、本発明で言う排気浄化触媒の一例である。
第1の管部材31には、第1の排気ガス温度センサ32と、第1の酸素濃度センサ33と、燃料添加用インジェクタ34と、弁装置210とが設けられている。具体的には、第1の排気ガス温度センサ32と、第1の酸素濃度センサ33とは、酸化触媒60の直前に配置されており、酸化触媒60に流入する直前の排気ガスGの温度と、排気ガスG中の酸素濃度を検出している。なお、第1の排気ガス温度センサ32は、パティキュレートフィルタ50の下流であって、かつ、後述される燃料添加用インジェクタ34より上流に配置されており、パティキュレートフィルタ50の下流であって、かつ、後述される燃料添加用インジェクタ34より上流の排気ガスGの温度を検出する。
燃料添加用インジェクタ34は、酸化触媒60に向かって燃料Fを添加可能である。燃料添加用インジェクタ34は、本発明で言う添加剤を供給する添加剤供給装置の一例である。燃料Fは、本発明で言う添加剤の一例である。燃料Fが添加されることによって、排気ガス中の未燃HCが増加する。この未燃HCは、酸化触媒60で酸化が促進される。
燃料添加用インジェクタ34と弁装置210とについて説明する。図2は、排気系30において、弁装置210と燃料添加用インジェクタ34との周囲を拡大して示す断面図である。なお、図2中では、第1の排気ガス温度センサ32と第1の酸素濃度センサ33とは、省略されている。
図2に示すように、第1の管部材31は、実際は、酸化触媒60のすぐ上流の位置で屈曲する屈曲部35を有している。屈曲部35は、一例として略90度屈曲している。
燃料添加用インジェクタ34は、排気通路102に連通する収容部101内に設けられている。本発明で言う排気通路とは、排気系30によって構成されて内部を排気ガスGが流動する流路である。本実施形態では、例えば第1の管部材31と、後述される第2,3の管部材37,39と、パティキュレートフィルタ50と、酸化触媒60と、NOxトラップ触媒40となどによって形成される。
収容部101は、第1の管部材31の例えば屈曲部35に設けられるとともに、第1の管部材31において酸化触媒60と対向する位置に配置されている。また、収容部101は、排気通路102に対して凹状に凹む形状であり、排気通路102に対して外側に突出している。収容部101は、排気通路102においてパティキュレートフィルタ50の下流であって、かつ、酸化触媒60の上流の位置に連通している。また、収容部101は、第1の排気ガス温度センサ32より下流で、排気通路102に連通している。
収容部101において排気通路102と反対側の端部103は、閉塞している。燃料添加用インジェクタ34は、収容部101の端部103に設けられている。燃料添加用インジェクタ34は、燃料Fを噴射可能なノズル104を有している。ノズル104は、収容部101内に位置している。このため、燃料添加用インジェクタ34は、収容部101内に燃料Fを噴射可能である。
弁装置210は、収容部101と排気通路102とが互いに連通する連通部105に配置されている。連通部105は、収容部101と排気通路102との境界部である。または、言い換えると、連通部105は、収容部101の開口部である。弁装置210は、弁体211と、弁体211を回転可能に支持する回転支持軸212と、弁体211の位置を変位する駆動部213とを備えている。
弁体211は、収容部101と排気通路02との連通部105に配置されている。弁体211は、回転支持軸212によって連通部105に取り付けられている。弁体211は、回転支持軸212回りに回転可能である。
弁体211は、連通部105を閉塞する閉位置P1(図中実線で示す)と、連通部105を開放する開位置P2(図中2点鎖線で示す)との間で回転変位可能である。この点について、具体的に説明する。
回転支持軸212は、連通部105の内壁面の近傍に配置されている。弁体211は、当該弁体211が閉位置P1にある状態において、連通部105の内壁面に密接して収容部101を遮断する(気密に閉じる)形状である。それゆえ、弁体211が閉位置P1にある状態では、収容部101は、排気通路102に対して気密に閉塞されており、それゆえ、互いに連通しない。つまり、排気通路102中を流動する排気ガスGが収容部101内に流入することが抑制される。
開位置P2は、回転支持軸212回りに閉位置P1から排気通路102側に向かって回転した位置(全開位置)であって、弁体211の姿勢は、弁体211が排気通路102の内壁面に重なるように沿う姿勢となる。弁体211が開位置P2にある状態では、連通部105が開放される。言い換えると、収容部101と排気通路102とが互いに連通する。回転支持軸212が内壁面の近傍に配置されることによって、弁体211が開位置P2にある状態では、連通部105は、略全域開口するようになる。
なお、弁装置210の構造は、上記に限定されない。要するに、収容部101を気密に遮断できる機能を有していればよく、収容部101(連通部105)が、開放される状態と、排気ガスGが流入できないように遮断される状態を切り替えることができる構造であればよい。
また、本発明で言う開閉手段は、弁装置201に限定されない。要するに、開閉手段は、収容部101を気密に遮断できる機能を有していればよく、収容部101(連通部105)が、開放される状態と、排気ガスGが流入できないように遮断される状態を切り替えることができる構造であればよい。
駆動部213は、弁体211を回転支持軸212回りに回転駆動する。
図1に示すように、酸化触媒60の下流にNOxトラップ触媒40が配置されている。酸化触媒60とNOxトラップ触媒40とは、第2の管部材37で互いに連結され、連通している。酸化触媒60を通過した排気ガスGは、第2の管部材37を通ってNOxトラップ触媒40に流入する。
NOxトラップ触媒40は、排気ガス中のNOx(窒素化合物)を還元反応によって低減する機能を有している。また、NOxトラップ触媒40は、排気ガス中の窒素酸化物および硫黄成分を捕集する機能を有している。NOxトラップ触媒40は、当該NOxトラップ触媒40の周囲を還元雰囲気とした上で温度がある温度まで上昇すると、捕集した窒素酸化物および硫黄を還元し放出する。
第2の管部材37には、第2の排気温度センサ38が設けられている。具体的には、第2の排気温度センサ38は、NOxトラップ触媒40の直前に配置されており、NOxトラップ触媒40に流入する排気ガスの温度を検出する。
NOxトラップ触媒40の下流には、第3の管部材39が連結されている。NOxトラップ触媒40と第3の管部材39とは互いに連通しており、それゆえ、NOxトラップ触媒40を通過した排気ガスGは第3の管部材39内に流入する。
第3の管部材39には、第3の排気ガス温度センサ80と、第2の酸素濃度センサ81とが設けられている。第3の排気ガス温度センサ80は、NOxトラップ触媒40を通過した排気ガスGの温度を検出する。第2の酸素濃度センサ81は、NOxトラップ触媒40を通過した排気ガスG中の酸素濃度を検出する。
第1〜3の排気ガス温度センサ32,38,80と、第1,2の酸素濃度センサ33,81と、燃料添加用インジェクタ34とは、制御装置90に接続されている。制御装置90は、第1〜3の排気ガス温度センサ32,38,80の検出結果と、第1,2の酸素濃度センサ33,81の検出結果とに基づいて排気ガスGの状態を検出する。また、制御装置90は、第1,2の酸素濃度センサ33,81の検出結果に基づいて、各所の排気ガスの状態(リーン状態であるか、または、リッチ状態であるか)を算出する。
また、駆動部213は、制御装置90に連結されている。制御装置90は、駆動部213の動作を制御する。言い換えると、制御装置90は、弁体211の位置を制御する。また、制御装置90は、インジェクタ5の動作を制御する。インジェクタ5は、制御装置90の制御によって、噴射する燃料の量が制御される。それゆえ、燃焼室17で燃焼される混合気の空燃比は、制御装置90によって制御可能となる。なお、図1中、第1〜3の排気ガス温度センサ32,38,80、第1,2の酸素濃度センサ33,81、燃料添加用インジェクタ34と、インジェクタ5と制御装置90との接続を示す線は、一部が省略されている。
つぎに、排気浄化装置200の動作を説明する。図1に示すように、ディーゼルエンジン10から排出される排気ガスGは、パティキュレートフィルタ50と酸化触媒60とNOxトラップ触媒40とを通過して、車外に排出される。なお、NOxトラップ触媒40の下流に更にパティキュレートフィルタなどを設けてももちろん良い。具体的には、排気ガスGは、パティキュレートフィルタ50を通過する際に、当該パティキュレートフィルタ50の粒子状物質が捕集される。このため、粒子状物質が除去された後の排気ガスGが、酸化触媒60とNOxトラップ触媒40とを通過する。
まず、排気浄化装置200の動作のうち、パティキュレートフィルタ50が捕集した粒子状物質を焼却する動作を説明する。パティキュレートフィルタ50は、捕集した粒子状物質を捕集すると、粒子状物質の捕集機能が低下する。このため、例えば定期的にパティキュレートフィルタ50が捕集した粒子状物質を焼却する必要がある。
このため、ディーゼルエンジン10では、パティキュレートフィルタ50で捕集された粒子状物質を焼却すべく、パティキュレートフィルタ50に流入する排気ガスGの温度を上昇するために、燃焼室17内で生成される排気ガスGの温度を上昇する。具体的には、インジェクタ5より噴射される燃料の量を制御して燃焼される混合気をリーン状態にするなどして、排気ガスの温度を、粒子状物質を焼却できる温度まで上昇する。
図3は、粒子状物質を焼却する動作を示すフローチャートである。図3に示される排気浄化装置200の動作は、例えば、自動車のイグニッションキーがオンされて、ディーゼルエンジン10が駆動を開始すると、実行される。
図3に示すように、制御装置90は、ステップST11において、筒内再生制御開始条件が成立したか否かを判定する。ここで言う筒内再生制御とは、パティキュレートフィルタ50で捕集された粒子状物質を焼却すべく燃焼室17内で生成される排気ガスGの温度を上昇する制御である。
上記したように、本実施形態では、パティキュレートフィルタ50に捕集された粒子状物質は、定期的に焼却される。このため、筒内再生制御開始条件とは焼却制御を行うべき時期になることを示し、焼却制御を行う時期になると条件が成立したと判定される。言い換えると、前回行われた焼却制御から所定時間が経過すると、条件が成立したと判定される。なお、上記開始条件は、一例である。
ついで、ステップST12に進む。ステップST12では、制御装置90は、駆動部213を制御して、弁体211を閉位置P1に位置決めし、収容部101を気密に閉塞する。このため、収容部101内に排気ガスGが流入しなくなる。
ついで、制御装置90は、排気ガスGの温度を上昇すべくインジェクタ5より噴射される燃料の量を制御する。なお、インジェクタ5は、制御装置90に制御されることに限定されない。他の制御装置などによって動作が制御されてもよい。要するに、筒内再生制御開始条件が成立した際に、パティキュレートフィルタ50に到達する排気ガスGの温度が粒子状物質を焼却可能な温度まで上昇されればよい。
ついで、ステップST13に進む。ステップST13では、制御装置90は、第1の排気ガス温度センサ32によって検出されるパティキュレートフィルタ50の下流であってかつ燃料添加用インジェクタ34の上流の排気ガスGの温度と、予め設定される所定温度とを比較し、当該排気ガスGの温度が所定温度以下であるかもしくは否かを判定する。パティキュレートフィルタ50の下流であってかつ燃料添加用インジェクタ34の上流の排気ガスは、収容部101内に流入する直前の排気ガスである。言い換えると、燃料添加用インジェクタ34に到達する直前の排気ガスGとなる。このため、パティキュレートフィルタ50の下流であってかつ燃料添加用インジェクタ34の排気ガスの温度を比較に用いる。
ここで言う所定温度とは、本実施形態では、例えば、燃料添加用インジェクタ34の耐熱温度である。ここで言う耐熱温度とは、当該耐熱温度をこえて温度が上昇すると燃料添加用インジェクタ34の動作に不具合が生じる温度である。
ステップST13において検出された排気ガスGの温度が所定温度以下である場合は、ステップST14に進む。ステップST14では、制御装置90は、駆動部213を制御して、弁体211を開位置P2に位置決める。そして、制御装置90は、パティキュレートフィルタ50に捕集された粒子状物質を焼却すべく、燃焼室17で生成される排気ガスGの温度を上昇するよう、インジェクタ5を制御する。
これは、パティキュレートフィルタ50の下流であって、かつ、燃料添加用インジェクタ34の上流の排気ガスGの温度が所定温度以下である場合は、燃料添加用インジェクタ34が排気ガスGにさらされても、燃料添加用インジェクタ34は排気ガスGの熱による不具合を生じないためである。
ステップST13において、検出された排気ガスGの温度が所定温度より大きいと判定されると、ステップST15に進む。ステップST15では、制御装置90は、弁体211が閉位置P1にある状態を保持する。そして、制御装置90は、パティキュレートフィルタ50に捕集された粒子状物質を焼却すべく、燃焼室17で生成される排気ガスGの温度を上昇するよう、インジェクタ5を制御する。
ステップST14,ST15を経て、ステップST16に進む。ステップST16では、制御装置90は、筒内再生制御終了の条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、一例として、筒内再生制御が開始されてから一定の時間(予め設定された時間)が経過すると、筒内再生制御終了の条件が成立したと判定する。この一定の時間は、例えば、捕集された粒子状物質を焼却するのに充分な時間が確保されている。
なお、筒内再生制御終了の条件は、上記に限定されない。例えば、排気浄化装置200が、パティキュレートフィルタ50のすぐ下流の位置の排気ガスGの圧力を検出する圧力センサを備え、当該圧力センサの検出結果にもとづいて粒子状物質が焼却状態(どの程度焼却されたかなど)を判定し、その焼却状態に基づいて筒内再生制御が終了したと判定してもよい。
ステップST16において、筒内再生制御が終了したと判定されない間は、ステップST13〜16の動作が繰り返される。
ステップST16において、筒内再生制御が終了したと判定されると、ステップST17に進む。ステップST17では、パティキュレートフィルタ50における粒子状物質の焼却動作が終了される。このため、パティキュレートフィルタ50に到達する排気ガスGの温度を上昇するために行われたインジェクタ5の動作の制御も終了する。
ついで、排気浄化装置200の動作のうち、NOxトラップ触媒40が捕集した窒素酸化物および硫黄成分を放出する動作を説明する。図4は、NOxトラップ触媒40が捕集した窒素酸化物および硫黄成分を排出する動作を示すフローチャートである。図4に示すように、本実施形態では、排気浄化装置200は、燃料添加用インジェクタ34が燃料Fを噴射することによって、排気ガスの空燃比を低下させて還元雰囲気とし、同時に酸化触媒60より下流の排気ガスGの温度をNOxトラップ触媒40において還元反応が生じ窒素酸化物および硫黄成分が放出される温度まで上昇する。図4に示される排気浄化装置200の動作は、例えば、自動車のイグニッションキーがオンされて、ディーゼルエンジン10が駆動を開始してから実行される。
図4に示すように、制御装置90は、ステップST21において、再生制御開始条件が成立したか否かを判定する。ここで言う再生制御とは、NOxトラップ触媒40が捕集した窒素酸化物および硫黄成分を放出する制御を示す。本実施形態では、例えば、予め設定された所定時間ごとに、NOxトラップ触媒40で捕集された窒素酸化物および硫黄成分を放出する制御が行われる。ここで言う所定時間は、パティキュレートフィルタ50の再生制御を行う周期の間隔とは異なっており、NOxトラップ触媒40に対して適切な時間である。なお、パティキュレートフィルタ50の再生周期と同じであってもよい。
このため、ステップST21では、制御装置90は、NOxトラップ触媒40において窒素酸化物および硫黄成分を放出すべき時期に達したか否かを判定する。言い換えると、前回NOxトラップ触媒40の再生制御を行ってから、予め設定された所定時間が経過したか否かを判定する。
ステップST21において、NOxトラップ触媒40において、捕集された窒素酸化物および硫黄成分を放出すべき時期であると判定されると、ステップST22に進む。ステップST22では、パティキュレートフィルタ50の下流であって、かつ、燃料添加用インジェクタ34より上流の排気ガスGの温度、つまり、第1の排気ガス温度センサ32が検出した排気ガスGの温度が所定温度以下であるか否かを判定する。ここで言う所定温度とは、上記されたパティキュレートフィルタ50の再生制御で説明された値と同じであり、本実施形態では燃料添加用インジェクタ34の耐熱温度である。
第1の排気ガス温度センサが検出した排気ガスGの温度が所定温度より大きい場合は、ステップST23に進む。ステップST23では、排気ガスGの温度を下げるべく制御が行われる。この制御は、具体的には、燃焼室17で生成される排気ガスGの温度が低くなるように、例えば制御装置90によって、インジェクタ5から噴射される燃料の量が調整されるなどする。
ステップST22において排気ガスGの温度が所定温度以下であると判定されると、ステップST24に進む。ステップST24では、制御装置90は、駆動部213を制御して、弁体211を開位置P2に位置決める。このことによって、収容部101と排気通路102とは、互いに連通する。さらに、連通部105は、略全開状態となる。
ついで、制御装置90は、酸化触媒60より下流の排気ガスGの温度を上昇すべく、燃料添加用インジェクタ34を駆動し、燃料Fを噴射する(本実施形態で言う再生制御)。
ついで、ステップST25に進む。ステップST25では、制御装置90は、再生制御が終了する条件が成立したか否かを判定する。本実施形態では、再生制御が開始されてから予め設定された所定時間が経過すると、再生制御が完了したと判断する。このため、再生制御が開始されてから予め設定された所定時間が経過しない間は、再生制御が終了したと判定されない。ここで言う所定時間とは、パティキュレートフィルタ50の再生制御の際に用いられた所定時間とは異なる。所定時間は、NOxトラップ触媒40に適切に設定される時間である。なお、パティキュレートフィルタ50の再生制御に用いられた所定時間と同じであってもよい。
再生制御が終了したと判定されない間は、ステップST22〜ST25を繰り返す。なお、本実施形態のNOxトラップ触媒40が捕集した窒素酸化物および硫黄成分を放出する再生制御では、インジェクタ5の燃料噴射によって排気ガスGの温度を上昇する制御は行われない。このため、ステップST21においてステップST22で排気ガス温度が所定温度以下であると判定されると、それ以降においても排気ガスの温度が所定温度より大きくなることは生じにくくなる。
ステップST25において再生制御の終了条件が成立したと判定されると、ステップST26に進む。ステップST26では、制御装置90は、燃料添加用インジェクタ34の動作を終了する。
このように構成される排気浄化装置200では、収容部101と排気通路102との連通部105に弁装置210が設けられることによって、収容部101を気密に閉塞する状態と、収容部101を開放して収容部101と排気通路102とが互いに連通する状態を形成することができる。
このため、収容部101内に流入する排気ガスGの温度が、燃料添加用インジェクタ34の耐熱温度をこえる場合(つまり所定温度より大きい場合)、弁体211を閉位置P1に位置決めて収容部101を遮断することによって、燃料添加用インジェクタ34が排気ガス中にさらされることが抑制される。
また、パティキュレートフィルタ50の再生制御の際に、弁体211を閉位置P1に位置決めて収容部101を気密に閉塞することによって、燃料添加用インジェクタ34が排気ガスGにさらされなくなる。このため、燃料添加用インジェクタ34が、当該燃料添加用インジェクタ34の耐熱温度をこえる排気ガスG中にさらされることが抑制される。
つぎに、本発明の第2の実施形態にかかる排気浄化装置200を、図5を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、排気浄化装置200の動作が第1の実施形態と異なる。排気浄化装置200の構成と、ディーゼルエンジン10の構成と、吸気系20の構成と、排気系30の構成となど、全ての構成は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる点について、具体的に説明する。
本実施形態では、第1の実施形態で用いられた閾値である所定温度にかえて、第1の所定温度と第2の所定温度とが用いられる。本実施形態では、排気浄化装置200の動作は、第1の状態と、第2の状態とを備えている。第1の状態は、酸化触媒60より下流の排気ガスGの空燃比の低下や温度を上げる必要がない状態である。言い換えると、通常の運転状態である。
第2の状態は、酸化触媒60より下流の排気ガスGの空燃比の低下や温度を上昇する必要がある状態である。一例としては、NOxトラップ触媒40に捕集された窒素酸化物および硫黄成分を放出するためにNOxトラップ触媒40に流入する排気ガスの空燃比を下げ、同時に温度を上昇する場合である。第1,2の状態は、制御装置90によって判定される。また、本実施形態では、パティキュレートフィルタ50の再生制御(粒子状物質の焼却)またはNOxトラップ触媒40の再生制御(窒素酸化物および硫黄成分の放出)が必要ない場合では、制御装置90は、定期的に燃料添加用インジェクタ34にクリーニング噴射を行わせる。
クリーニング噴射とは、酸化触媒60の下流の排気ガスGの温度の上昇を目的とした噴射ではなく、燃料添加用インジェクタ34に、燃料の燃え残った煤などが詰まることを防止するために定期的に行われる噴射である。一度のクリーニング噴射で噴射される燃料の量は、少量でもよく、酸化触媒60の下流の排気ガスGの温度が大きく変化しない量である。
図5は、本実施形態の排気浄化装置200の動作の一例を示すフローチャートである。つぎに、排気浄化装置200の動作を説明する。まず、パティキュレートフィルタ50とNOxトラップ触媒40との再生制御が必要ない場合を説明する。なお、図5に示される排気浄化装置200の動作は、例えば、自動車のイグニッションキーがオンされてエンジン10が駆動を開始すると、実行される。
図5に示すように、ステップST31において、制御装置90は、再生制御の開始条件が成立したか否かを判定する。ここで言う再生制御とは、パティキュレートフィルタ50の再生制御(粒子状物質の焼却)またはNOxトラップ触媒40の再生制御(窒素酸化物および硫黄成分の放出)である。ステップST31では、どちらか一方、または両方の再生制御の開始条件が成立したか否かが判定される。パティキュレートフィルタ50の再生制御開始条件の成立と、NOxトラップ触媒40の再生制御の開始条件の成立とは、第1の実施形態と同様であってよい。
ステップST31で、再生制御の開始条件が成立していないと判定されると、ステップST32に進む。ステップST32では、排気ガスGの温度が第1の所定温度以下であるか否かが判定される。ステップST31において再生制御の開始条件が成立していないと判定されることは、排気浄化装置200が第1の状態であることを示す。
ここでいう排気ガスGの温度は、パティキュレートフィルタ50の下流であって、かつ、燃料添加用インジェクタ34の上流の排気ガスGの温度である。つまり、第1の排気ガス温度センサ32によって検出される排気ガスGの温度である。第1の所定温度は、例えば燃料添加用インジェクタ34の耐熱温度(第1の実施形態で説明された耐熱温度)である。
ステップST32において排気ガスGの温度が第1の所定温度より大きいと判定されると、ステップST37に進む。ステップST37では、制御装置90は、駆動部213を制御して弁体211を閉位置P1に位置決めすることによって、収容部101を遮断する。
ステップST32において排気ガスGの温度が第1の所定温度以下であると判定されると、ステップST33に進む。ステップST33では、制御装置90が備える例えば時間計測部において時間の計測が開始される。
ついで、ステップST34に進む。ステップST34では、ステップST33で時間の計測が開始されてから予め設定された時間経過したか否か(経過時間tが、あらかじめ設定された時間t1以上となったか否か)が判定される。ここで言う予め設定される時間とは、クリーニング噴射の間隔である。
ステップST34で所定時間が計測されたと判定されると、ついで、ステップST35に進む。ステップST35では、クリーニング噴射を行う。このため、制御装置90は、燃料添加用インジェクタ34を駆動して、クリーニング噴射を行う。
クリーニング噴射が終了すると、ついで、ステップST36に進む。ステップST36では、カウントされたタイム(時間t)がクリアされる。
つぎに、再生制御の開始条件が成立した場合を説明する。ステップST31において、再生制御の開始条件が成立したと判定されると、ステップST38に進む。ステップS38では、制御装置90は、パティキュレートフィルタ50の再生制御か否かを判定する。パティキュレートフィルタ50の再生制御である場合は、ステップST39に進む。パティキュレートフィルタ50の再生制御の場合は、第1の状態である。
ステップST39では、制御装置90は、駆動部213を駆動して、弁体211を閉位置P1に位置決める。このことによって、弁体211によって収容部101が遮断されて、それゆえ、収容部101が気密に閉塞される。このため、収容部101内に排気ガスGが流入することが抑制される。
ついで、ステップST40に進む。ステップST40では、パティキュレートフィルタ50の温度を、粒子状物質を焼却可能な温度まで上昇すべく、排気ガスGの温度を上昇するように筒内再生制御を開始する。筒内再生制御として、例えばインジェクタ5の動作を制御して、燃焼室17で生成される排気ガスGの温度を上昇する。
ついで、ステップST41に進む。ステップST41では、制御装置90は、パティキュレートフィルタ50の下流であって、かつ、燃料添加用インジェクタ34の上流の排気ガスGの温度を検出するとともに、当該温度が第1の所定温度以下であるか否かを判定する。第1の所定温度はステップST32で説明された温度(燃料添加用インジェクタ34の耐熱温度)である。
ステップST41において、排気ガスGの温度が第1の所定温度以下であると判定されると、ステップST42に進む。ステップST42では、制御装置90は、駆動部231を制御して弁体211を駆動し、当該弁体211を開位置P2に位置決める。このことによって、連通部105(収容部101)が略全開状態となる。そして、パティキュレートフィルタ50の再生制御が行われる。
ステップST41において排気ガスGの温度が第1の所定温度より大きいと判定される。ステップST43に進む。ステップST43では、弁体211が閉位置P1にある状態が保たれたまま、再生制御が行われる。
ついで、ステップST42,ST43を経て、ステップST44に進む。ステップST44では、制御装置90は、筒内再生制御の終了条件が成立したか否かを判定する。パティキュレートフィルタ50の再生制御の終了条件は、第1の実施形態と同様であってよい。
筒内再生制御の終了条件が成立しない間は、ステップST40〜ST44が繰り返えされる。筒内再生制御の終了条件が成立すると、ステップST45に進み、筒内再生制御が終了する。
ついで、再生制御のうち、NOxトラップ触媒40の再生制御(捕集された硫黄成分および窒素酸化物の放出を行う制御)について説明する。ステップST38において、パティキュレートフィルタ50の再生制御ではないと判定されると、つまり、NOxトラップ触媒40の再生制御であると判定されると、ステップST46に進む。NOxトラップ触媒40の再生制御の場合は、酸化触媒60より下流の排気ガスGの温度を上昇する必要があるので、第2の状態である。
ステップST46では、排気ガスの温度が第2の所定温度以下であるか否かが判定される。ここで言う排気ガスGの温度は、パティキュレートフィルタ50の下流であって、かつ、燃料添加用インジェクタ34より上流の排気ガスGの温度である。つまり、第1の排気ガス温度センサ32によって検出される排気ガスの温度である。
第2の所定温度は、第1の所定温度より大きく設定されている。言い換えると、第2の所定温度は、燃料添加用インジェクタ34の耐熱温度より大きい値に設定されている。また、第2の所定温度は、酸化触媒60より下流の排気ガスGの温度をNOxトラップ触媒40が窒素酸化物および硫黄成分を放出可能となる状態まで上昇すべく燃料Fを噴射した状態において、当該噴射された燃料Fによって収容部101に流入して燃料添加用インジェクタ34に到達する排気ガスGの温度が燃料添加用インジェクタ34の耐熱温度以下となるように考慮して設定された温度である。
ステップST46において排気ガスGの温度が第2の所定温度より大きいと判定されると、ステップST50に進む。ステップST50では、排気ガスGの温度が第2の所定温度以下となるように、制御装置90は、インジェクタ5より噴射される燃料の量を調整するなどする。
ステップST46において排気ガスの温度が第2の所定温度以下であると判定されると、ついで、ステップST47に進む。ステップST47では、制御装置90は、駆動部213を制御して弁体211を開位置P2に位置決めすることによって、収容部101(連通部105)を開放する。このことによって、収容部101(連通部105)は、略全開状態となる。
ついで、ステップST48に進む。ステップST48では、制御装置90は、NOxトラップ触媒40が窒素酸化物および硫黄成分を放出可能となる温度に達するように、燃料添加用インジェクタ34を駆動して燃料Fを噴射する。燃料Fを噴射することによって、排気ガスGは酸化触媒60での酸化反応が促進されるとともに、リッチ状態になる。
このとき、収容部101内には排気ガスGが流入するが、燃料添加用インジェクタ34が燃料Fを噴射することによって排気ガスGの温度が低下し、それゆえ、燃料添加用インジェクタ34に到達する排気ガスGの温度は、当該燃料添加用インジェクタ34の耐熱温度以下となる。
ついで、ステップST49に進む。ステップST49では、制御装置90は、NOxトラップ触媒40の再生制御の終了条件が成立したか否かを判定する。NOxトラップ触媒40の再生制御の終了条件は、第1の実施形態で説明された終了条件と同じであってよい。
ステップST49においてNOxトラップ触媒40の再生制御の終了条件が成立するまでの間は、ステップST46〜ST50の動作が繰り返される。ステップST49においてNOxトラップ触媒40の再生制御の終了条件が成立したと判定されると、ステップST51に進み、制御装置90は、燃料添加用インジェクタ34の燃料噴射を停止する。このことによって、再生制御が終了される。
本実施形態の排気浄化装置200では、パティキュレートフィルタ50とNOxトラップ触媒40とを効率よく再生することができる。この点について説明する。
パティキュレートフィルタ50が捕集した粒子状物質を焼却するために望まれる、パティキュレートフィルタ50に到達する排気ガスGの温度は、摂氏温度略650度ほどである。NOxトラップ触媒40において特に硫黄成分を放出するために必要な排気ガスGの温度は、摂氏温度略750〜800度ほどである。
このため、まず、パティキュレートフィルタ50が捕集した粒子状物質を焼却する制御を行う。この際、収容部101は、上記説明されたように第1の所定温度との比較に基づいて弁体211によって遮断される。排気ガスGの温度は、粒子状物質を焼却するために、摂氏温度略650度ほどである。
ついで、粒子状物質を焼却する制御のすぐ後に、NOxトラップ触媒40の再生制御を行う。この際、燃料添加用インジェクタ34より燃料Fを噴射するために、排気ガスGの温度を下げる必要があるが、第2の所定温度まで下げればよい。つまり、燃料添加用インジェクタ34の耐熱温度(第1の所定温度)まで下げる必要がないので、排気ガスGの高い温度を利用することができる。
このように、本実施形態では、収容部101を遮断する際の閾値として、第1の実施形態で説明された所定温度にかえて第1,2の所定温度を設定することによって、パティキュレートフィルタ50の再生制御のために温度が上昇した排気ガスGを利用することができるので、第1の実施形態の効果に加えて、効率よくパティキュレートフィルタ50とNOxトラップ触媒40との再生制御を行うことができるようになる。
なお、本実施形態では、パティキュレートフィルタ50の再生制御中においてはクリーニング噴射を行っていない。しかしながら、パティキュレートフィルタ50の再生制御中においてもクリーニング噴射を行ってもよい。例えば、ステップST42において、収容部101が開放された状態で再生制御が行われるが、この際、制御装置90は、燃料添加用インジェクタ34を駆動して、クリーニング噴射を行ってもよい。
つぎに、本発明の第3の実施形態に係る浄化装置を、図6を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、弁装置210が第1の実施形態と異なる。他の構造は、第1の実施形態と同様であってよい。上記異なる点について具体的に説明する。
図6は、本実施形態の排気浄化装置200において、弁装置210の近傍を拡大して示す断面図である。図6に示すように、本実施形態では、開位置P2が、第1の実施形態と異なる。本実施形態の開位置P2では、弁体211は、収容部101内の壁面に重なるように沿う姿勢となる。つまり、本実施形態では、弁体211は、閉位置P1から開位置P2まで開く際には、収容部101内に向かって回転変位する。本実施形態の開位置P2であっても、弁体211が壁面に重なるように沿う姿勢となるので、収容部101と排気通路102との連通部105は、第1,2の実施形態と同様に、略全域開放される。このため、燃料Fの噴射は、邪魔されない。
また、制御装置90は、弁体211の位置を、開位置P2と閉位置P1との間で保持可能である。例えば、図中に2点鎖線で示されるように、制御装置90は、弁体211の位置を、当該弁体211が燃料添加用インジェクタ34から噴射された燃料Fとぶつかる位置P3に保持することができる。
NOxトラップ触媒40が捕集した窒素酸化物および硫黄成分を放出するために酸化触媒60の下流の排気ガスGの温度を上昇すべく燃料Fを噴射する場合、制御装置90は、弁体211の位置を燃料Fとぶつかる位置P3に位置決めることができる。
位置P3にある場合、噴射された燃料Fが弁体211と衝突することによって、より一層拡散されるとともに、燃料Fの流れに乱流が生じることによって燃料Fがより一層排気ガスGと混ざるようになる。このことによって、燃料添加用インジェクタ34より噴射された燃料Fが酸化触媒60において効率よく酸化反応が促進されるようになる。
このため、本実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、燃料添加用インジェクタ34より噴射された燃料Fの酸化反応が、より一層効率よく促進されるようになる。
なお、本実施形態の弁装置210は、第2の実施形態で説明された排気浄化装置200に用いられてもよい。この場合、第2の実施形態の効果に加えて、燃料添加用インジェクタ34より噴射された燃料Fの酸化反応がより一層促進される。
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
内燃機関の排気通路に備えられた排気浄化装置であって、
前記排気通路へ添加剤を供給する添加剤供給装置と、
前記排気通路に配置され、排気ガス中の粒子状物質を捕集可能なフィルタと、
前記フィルタの下流に配置される排気浄化触媒と、
前記フィルタの下流であってかつ前記排気浄化触媒の上流の前記排気通路壁面に一端が開口して該排気通路と連通し、他端に前記添加剤供給装置を備える収容部と、
前記収容部を前記排気通路に対して開閉可能な開閉手段と、
前記開閉手段の動作を制御可能な制御装置と
を具備することを特徴とする排気浄化装置。
[2]
前記制御装置は、前記フィルタより下流であってかつ前記添加剤供給装置より上流の排気ガス温度が、所定温度より大きい場合は、前記収容部を塞ぐべく前記開閉手段を駆動する
ことを特徴とする[1]に記載の排気浄化装置。
[3]
前記制御装置は、前記フィルタより下流であってかつ前記添加剤供給装置より上流の排気ガス温度が、前記所定温度以下である場合は、前記収容部と前記排気通路とを連通すべく前記開閉手段を駆動する
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の排気浄化装置。
[4]
前記制御装置は、前記排気浄化触媒より下流の温度を上げる必要のない第1の状態において、前記フィルタより下流であってかつ前記添加剤供給装置より上流の排気ガス温度が第1の所定温度より大きくなると、前記収容部を塞ぐべく前記開閉手段を駆動し、
前記制御装置は、前記排気浄化触媒より下流の温度を上げる必要のある第2の状態において、前記フィルタより下流であってかつ前記添加剤供給装置より上流の排気ガス温度が第2の所定温度以下となると、前記収容部と前記排気通路とを連通すべく前記開閉手段を駆動し、
前記第2の所定温度は、前記第1の所定温度より大きい
ことを特徴とする[1]に記載の排気浄化装置。
34…燃料添加用インジェクタ(添加剤供給装置)、50…パティキュレートフィルタ(フィルタ)、60…酸化触媒(排気浄化触媒)、90…制御装置、101…収容部、102…排気通路、200…浄化装置、210…弁装置(開閉手段)。