JP2011027023A - 内燃機関 - Google Patents

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隆行 坂本
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Abstract

【課題】排気通路に設けられた燃料噴射弁におけるデポジットの発生を抑制する。
【解決手段】本発明に係る内燃機関1は、排気通路12内に燃料を噴射する燃料噴射弁21と、排気通路内において燃料噴射弁の上流側から燃料噴射弁に向かう排気ガスの流れに対して燃料噴射弁を遮蔽する遮蔽部材24とを備える。燃料噴射弁の上流側から燃料噴射弁に向かう排気ガスが燃料噴射弁に直接当たることを抑制でき、排気ガスによる燃料噴射弁の加熱、ひいてはこの加熱に起因するデポジット発生を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関に係り、特に、排気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁を備えた内燃機関に関する。
例えば、ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気通路には、吸蔵還元型NOx触媒等の排気浄化要素が設けられている。そしてこの排気浄化要素を定期的に再生するため、排気通路に設けられた燃料噴射弁から排気通路内に燃料を噴射供給することが行われている(例えば特許文献1参照)。
特開2008−121455号公報
この場合、燃料噴射弁の先端の噴口部が排気通路内に露出し、噴口部の内部に残留した燃料が高温の排気ガスで加熱されて炭化し、固形炭化物すなわちデポジットが生じることがある。このデポジットは、噴口を詰まらせたり針弁等の動きを妨げるなどして、燃料噴射を阻害する原因となり得る。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、排気通路に設けられた燃料噴射弁におけるデポジットの発生を抑制することができる内燃機関を提供することにある。
本発明の一形態によれば、
排気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記排気通路内において前記燃料噴射弁の上流側から前記燃料噴射弁に向かう排気ガスの流れに対して前記燃料噴射弁を遮蔽する遮蔽部材と、
を備えることを特徴とする内燃機関が提供される。
これによれば、燃料噴射弁の上流側から燃料噴射弁に向かう排気ガスが燃料噴射弁に直接当たることを抑制でき、排気ガスによる燃料噴射弁の加熱、ひいてはこの加熱に起因するデポジット発生を抑制することができる。
好ましくは、前記遮蔽部材が、前記燃料噴射弁の上流側から前記燃料噴射弁に向かう前記排気ガスの流れを遮断する第1位置と、前記燃料噴射弁の上流側から前記燃料噴射弁に向かう前記排気ガスの流れを許容する第2位置とに移動可能である。
こうすると、遮蔽部材が第1位置にあるときには上記の如く排気ガスの燃料噴射弁への直接衝突を防止できる一方、遮蔽部材が第2位置にあるときには排気ガスの燃料噴射弁への直接衝突を許容して、燃料噴射弁からの噴射燃料をこの排気ガスの流れに乗せて円滑に下流側に送ることができる。
好ましくは、前記内燃機関が、前記燃料噴射弁の下流側の前記排気通路に設けられた排気浄化要素と、前記排気浄化要素を再生すべく前記燃料噴射弁から燃料を噴射するときに前記遮蔽部材を前記第2位置に制御する遮蔽部材制御手段と、をさらに備える。
これにより、燃料噴射弁からの噴射燃料を排気ガスの流れに乗せて円滑に下流側の排気浄化要素に供給することができる。
好ましくは、前記燃料噴射弁と前記遮蔽部材とが、前記排気通路に形成された曲がり部に設けられる。
好ましくは、前記内燃機関が、前記排気通路内に露出された前記燃料噴射弁の噴口部に空気を噴き付けるエアノズルをさらに備える。
これにより、燃料噴射弁の噴口部が空気により洗浄されると共に冷却され、デポジット発生をさらに抑制することができる。
好ましくは、前記内燃機関が、前記燃料噴射弁の噴口部の温度を検出するための温度センサと、前記温度センサにより検出された温度に基づき前記エアノズルを制御するエアノズル制御手段とをさらに備える。
かかるエアノズル制御により、燃料噴射弁の噴口部がデポジットを発生し得るほどの高温になることを未然に防止でき、デポジット発生をより一層抑制することができる。
本発明は、排気通路に設けられた燃料噴射弁におけるデポジットの発生を抑制することができるという、優れた効果を発揮する。
本発明の実施形態に係る内燃機関を示す概略図である。 内燃機関の要部を示す概略図である。 第1位置にある遮蔽板を示す概略図である。 第2位置にある遮蔽板を示す概略図である。 本実施形態の制御の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る内燃機関(エンジン)を示す。本実施形態のエンジン1は、自動車用且つ多気筒の圧縮着火式内燃機関、即ちディーゼルエンジンである。エンジン1はコモンレール式燃料噴射装置を備える。すなわち、燃料タンク2に貯留された燃料が、フィードポンプ3および供給ポンプ4によって高圧ポンプ5に送られ、高圧ポンプ5はその送られてきた燃料を高圧にまで加圧し、コモンレール6に圧送する。供給ポンプ4及び高圧ポンプ5はベルト等の動力伝達部材7を介してエンジン1のクランクシャフト8により駆動される。
コモンレール6内に貯留された高圧燃料は、燃料噴射弁即ちインジェクタ9の開弁時、インジェクタ9から燃焼室10内に直接噴射供給される。
燃料タンクは、添加剤ポンプを備える添加剤供給管を介して添加剤タンクに連通されている。添加剤ポンプは、不図示のコントローラにより制御され、燃料量に応じて適量の燃料添加剤を燃料タンクへ供給するように構成されている。燃焼室10から排出された排気ガスは、ターボチャージャ11のタービン11tを通過した後、その下流側の排気通路12を流通し、後述のように浄化処理された後、大気に排出される。エンジン1はEGR装置13をも含む。EGR装置は、排気通路12内(特にタービン上流側の排気マニホールド内)の排気ガスを吸気通路14に還流させるためのEGR通路15と、EGR通路15を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ16と、EGRガスの流量を調節するEGR弁17とを備える。
排気通路12には、排気ガス中の未燃成分(炭化水素HC及び一酸化炭素CO)を酸化して浄化する酸化触媒18と、排気ガス中の窒素酸化物NOxを浄化する吸蔵還元型NOx触媒19と、排気ガス中の微粒子PMを捕集焼却するパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)20とが上流側から順に直列に設けられている。これら酸化触媒18、NOx触媒19およびDPF20は、それぞれ第1、第2および第3の排気浄化要素をなす。
また、排気通路12には、主にNOx触媒19およびDPF20の再生を行うべく、燃料を排気通路12内に噴射する燃料噴射弁21が設けられている。以下、この燃料噴射弁21を排気インジェクタと称する。排気インジェクタ21は、酸化触媒18の上流側で且つタービン11tの下流側の排気通路12に配置されている。排気インジェクタ21の先端部には、燃料の出口となる一乃至複数の噴口(図示せず)を備えた噴口部21A(図2参照)が形成され、この噴口部21Aが排気通路12内に配置され、排気通路12内で露出されている。排気インジェクタ21には、燃料配管22を通じて供給ポンプ4から燃料が供給される。
また、エンジン1には制御手段としての電子制御ユニット(以下、ECUと称す)50が設けられる。ECU50はいずれも図示しないCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含む。前述のインジェクタ9、高圧ポンプ5、EGR弁17および排気インジェクタ21はECU50によって制御される。またECU50には、図示しないアクセル開度センサ、エンジン回転速度センサおよび空気量センサから、それぞれアクセル開度、エンジン回転速度および吸入空気量の検出信号が入力される。
さらに、酸化触媒18の直前位置における排気通路12には排気温センサ23が設けられ、ECU50には排気温度の検出信号が排気温センサ23から入力される。
特に、酸化触媒18の上流側の排気通路12内には、排気インジェクタ21の上流側から排気インジェクタ21に向かう排気ガスの流れに対して排気インジェクタ21を遮蔽する遮蔽部材としての遮蔽板24が設けられている。図2にも詳しく示すが、排気通路12の途中には、車載レイアウトの都合等により曲げられた曲がり部としての曲管部12Aが形成されており、この曲管部12Aに排気インジェクタ21と遮蔽板24とが設けられている。遮蔽板24は曲管部12Aの中に配置されている。本実施形態では曲管部12Aの曲がり角は約90°とされているが、この曲がり角は任意に設定可能である。
曲管部12Aの下流側には直線部として直管部12Bが連なっており、この直管部12Bに酸化触媒18、NOx触媒19およびDPF20が設けられている。排気インジェクタ21は直管部12Bの中心軸にほぼ平行に、曲管部12Aの外側コーナー部に取り付けられ、排気インジェクタ21の先端の噴口部21Aを酸化触媒18に向けるように配置されている。そして排気インジェクタ21の噴口から噴射された燃料ができるだけ排気通路12の内壁に当たらずに酸化触媒18に到達できるようになっている。
遮蔽板24は可動である。すなわち、遮蔽板24は、曲管部12Aのほぼ中心部を貫通する回転軸25を有し、サーボモータ等のアクチュエータ26により回転移動されるバタフライ式である。そして遮蔽板24は、少なくとも、排気インジェクタ21の上流側から排気インジェクタ21に向かう排気ガスの流れを遮断する図1及び図3に示すような第1位置(閉位置)θ1と、排気インジェクタ21の上流側から排気インジェクタ21に向かう排気ガスの流れを許容する図2及び図4に示すような第2位置(開位置)とに移動可能である。
遮蔽板24が第1位置にあるとき、遮断された排気ガスが遮蔽板24を迂回できるよう、曲管部12Aの内側コーナー部には膨出部12Cが形成され、ほぼ2倍の排気通路断面積を確保するようになっている。また遮蔽板24が第1位置にあるとき遮蔽板24の外周端縁24Aのほぼ全長が排気通路内壁に密着するよう、遮蔽板24の外周端縁24Aは排気通路内壁に倣う円弧形状とされている。
これにより、遮蔽板24が第1位置に位置されると、排気インジェクタ21の上流側から排気インジェクタ21に向かう排気ガスの流れはほぼ全量遮断され、排気インジェクタ21への排気ガスの直接衝突が防止される。そして排気インジェクタ21はそのような排気ガスの流れに対してほぼ完全に遮蔽される。遮蔽板24により遮断された排気ガスは、向きを変えられ、遮蔽板24の内側コーナー部を通過するようになる。
他方、遮蔽板24が第2位置にあるとき、遮蔽板24は膨出部12Cに設けられた座部27に着座する。そして排気ガスは遮蔽板24の外側コーナー部を通過して排気インジェクタ21に直接当たるようになる。
このような遮蔽板24の角度位置制御はECU50およびアクチュエータ26により実行される。なおアクチュエータ26には、遮蔽板24の角度位置を検出しその角度位置をフィードバック制御するため、回転エンコーダ、磁気センサ或いは光学センサといった角度センサが設けられている。
加えて、曲管部12Aには、排気通路12内に露出された排気インジェクタ21の先端の噴口部21Aに、洗浄冷却用の空気を噴き付けるエアノズル28が設けられている。エアノズル28は、その先端の空気出口が排気インジェクタ21の噴口部21A、好ましくはその噴口に向けられている。またエアノズル28は、排気インジェクタ21の噴口部21Aの直下流側の位置に配置され、排気インジェクタ21の軸心方向に対し斜めに向けられている。エアノズル28は、エア配管29を介して、加圧空気供給源としてのエアタンク30から加圧エアを供給される。エアノズル28はECU50により制御される。
図2に示すように、排気インジェクタ21には、その噴口部21Aの温度を検出するための温度センサ31が設けられている。そしてECU50は、詳しくは後述するが、温度センサ31により検出された噴口部温度に基づきエアノズル28を制御する。
さて、各排気浄化要素に関して、酸化触媒18は、基材表面上のコート材に白金等の貴金属を多数分散配置させてなり、排気中のHC及びCOを酸化して浄化する。もっともディーゼルエンジンの場合、排気ガスの空燃比A/Fは理論空燃比(例えば14.6)よりも著しくリーンであり、空気過剰率λは1より大きい。よって排気中に含まれるHC及びCOの量は比較的少ない。またディーゼルエンジンの場合、排気温度が比較的低温であり、メインとなるNOx触媒19やDPF20の触媒が活性化しづらい。よってHC及びCOの酸化熱で排気ガスを加熱し、この排気ガスでNOx触媒19及びDPF20を加熱し、両者の活性化を促進すべく、酸化触媒18が設けられている。
次に、吸蔵還元型NOx触媒(LNT: Lean NOx Trap)19は、アルミナAl23等の酸化物からなる基材表面に、白金Pt等の貴金属とNOx吸収成分とが担持されて構成されている。NOx吸収成分は、例えばカリウムK、ナトリウムNa,リチウムLi、セシウムCs等のアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCa等のアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムY等の希土類から選択された少なくとも一つからなる。
NOx触媒19はNOxの吸放出作用を有する。すなわち、触媒に供給される排気ガスの空燃比が理論空燃比よりリーンのとき(触媒が酸素過剰雰囲気にあって空気過剰率λが1より大きいとき)、触媒は排気ガス中のNOxを硝酸塩の形で吸蔵する。他方、触媒に供給される排気ガスの空燃比が理論空燃比又はこれよりリッチのとき(触媒が酸素不足雰囲気にあって空気過剰率λが1以下のとき)、触媒は吸蔵したNOxを放出する。この放出されたNOxは雰囲気ガスに含まれる還元剤(主にHC)と触媒内で反応し、N2に還元される。これによりNOxの大気への排出が防止される。
NOx触媒19は、飽和状態(満杯)までNOxを吸蔵するとそれ以上NOxを吸蔵できない。そのため、NOx触媒19のNOx吸蔵能を回復又は維持すべく、NOx触媒から吸蔵NOxを放出させるNOx再生が定期的に実行される。このとき、排気インジェクタ21から燃料を噴射して排気ガスの空燃比をリッチ化する(即ち、排気ガスの空燃比を理論空燃比より小さくする)リッチスパイクが実行される。
他方、燃料に含まれる硫黄(S)分に起因して、NOx触媒19が排気ガス中の硫黄成分をBaSO4などの硫酸塩として吸蔵し、被毒(S被毒)してしまうことがある。S被毒が生じるとNOx吸蔵能が低下してしまう。そこで硫酸塩をNOx触媒から脱離させるS被毒再生或いはSパージが実行される。このときにも、排気インジェクタ21から燃料を噴射して排気ガスの空燃比をリッチ化する。但し、硫酸塩は硝酸塩に比べて安定なため、排気空燃比をリッチ化しただけでは触媒から脱離されない。硫酸塩を脱離させるためには、NOx触媒を高温(例えば400℃以上)とした上でリッチ雰囲気におく必要がある。よってこの高温リッチ化を目的とするリッチスパイクを高温リッチスパイクと称する。なお脱離した硫酸塩は触媒内で硫黄酸化物(SOx)に分解される。NOx再生はS被毒再生よりも低温で可能なので(例えば200〜300℃程度)、S被毒再生を行うとNOx再生も同時に実行される。
次に、DPF20は、排気中に含まれる粒子状物質(PM)を捕集して除去するものであり、ハニカム形状の耐熱性基材の両端開口を互い違いに市松状に閉塞した所謂ウォールフロータイプのもの、あるいは網の目構造のフォーム形状のものなど、PMを物理的に捕集するあらゆるタイプのフィルタを用いることができる。本実施形態では、DPF内部にPt等の貴金属を担持させた所謂連続再生式の触媒付きDPFを用いている。この場合、DPFに供給された排気中のHCが触媒作用で酸化、燃焼し、このとき同時にDPF内部に堆積しているPMが燃焼除去される。
DPFは比較的低温下でも作動し得るが、堆積PM量が所定量を超えたときには、そのPMを強制的に燃焼除去してPM捕集能を回復させるフィルタ再生を行う必要がある。このフィルタ再生を行う際にも、排気インジェクタ21から燃料を噴射して排気ガスの空燃比をリッチ化する。なおDPF20に堆積したPM量は、図1に示した差圧センサ32の検出値に基づき、ECU50により推定される。
これらNOx再生、S被毒再生およびフィルタ再生の少なくとも一つを実行する際、遮蔽板24は図4に示すような第2位置に制御される。すると排気ガスは、排気インジェクタ21を通過してその下流側に流れる。このとき同時に排気インジェクタ21から燃料が噴射され、噴射された燃料は排気ガスの流れに乗って酸化触媒18、NOx触媒19及びDPF20に円滑に供給される。
NOx再生時には排気インジェクタ21から比較的短時間(例えば10数秒程度)の間、燃料が噴射される。他方、S被毒再生時には排気インジェクタ21から比較的長時間(例えば10数分程度)の間、間欠的または連続的に燃料が噴射される。すると排気中のHCの一部が先ず酸化触媒18で酸化、燃焼され、残部のHCを含むリッチな高温排気ガスが酸化触媒18から排出される。このリッチな高温排気ガスによりNOx触媒19が加熱され、高温となり、NOx触媒19に吸蔵されていた硫酸塩がHCにより脱離分解される。
フィルタ再生時にもS被毒再生時と同様の原理でDPF20が加熱され、DPF20に供給されたHCがDPF20内で燃焼するのと同時に堆積PMが燃焼させられる。但し、このときには堆積PMの燃焼に十分な酸素が必要なので、排気インジェクタ21から間欠的に燃料を噴射するのが好ましい。こうすれば燃料未噴射時に、必要な酸素をDPF20に供給できるからである。
ところで、これら再生時以外にも排気ガスを排気インジェクタ21に当ててしまうと、排気インジェクタ21の噴口部21Aの内部或いはその外壁に残留した燃料が、高温の排気ガスで加熱されて炭化し、固形炭化物すなわちデポジットとなる可能性がある。このデポジットは、噴口を詰まらせたり針弁等の動きを妨げるなどして、燃料噴射を阻害する原因となり得る。
そこで、これら再生時以外には、遮蔽板24は図3に示すような第1位置に制御される。すると排気ガスは、遮蔽板24によって遮断されると同時に向きを変えられ、排気インジェクタ21を迂回するようになる。これによって、排気インジェクタ21の上流側からくる排気ガスの排気インジェクタ21への直接衝突を防止し、排気インジェクタ21の噴口部21Aの排気ガスによる加熱、ひいては残留燃料のデポジット化を防止或いは抑制することができる。
なお、このような加熱およびデポジット化をさらに抑制するため、排気インジェクタ21に水冷機構を設けるのが好ましい。
加えて、再生終了直後或いは排気インジェクタ21からの燃料噴射直後、エアノズル28が作動され、排気インジェクタ21の噴口部21Aにはエアノズル28から加圧エアが噴射供給される。すると、この加圧エアにより、噴口部21Aに付着した燃料が吹き飛ばされると共に、噴口部21Aが冷却される。これにより噴口部21Aの加熱およびデポジット生成をさらに抑制することができる。
特に、排気インジェクタ21の噴口部21Aに埋設された温度センサ31により所定値以上の温度が検出されたとき、ECU50がエアノズル28を作動させる。これにより排気インジェクタ21の噴口部21Aを常に所定値未満の温度に制御でき、噴口部21Aの加熱およびデポジット生成を確実に抑制することができる。
以下、図5を参照しつつ、本実施形態における制御の手順を説明する。本制御はECU50により実行される。
本制御は、エンジン始動と同時に開始される。最初のステップS10では、遮蔽板24が第1位置に制御される。これにより通常時、排気ガスが排気インジェクタ21に直接当たることが防止され、排気インジェクタ21が排気ガスの熱から保護される。
ステップS12では、排気温センサ23の検出値に基づきECU50により推定されたいずれかの排気浄化要素(例えばNOx触媒19)の温度Teが所定温度Tesを超えているか否かが判断される。所定温度Tesは、酸化触媒18、NOx触媒19及びDPF20の全てが活性化するような温度のうちの最低温度付近に設定されている。Te≦Tesの場合、ステップS10に戻り、Te>Tesの場合、ステップS14に進む。
ステップS14では、ECU50に予め設定ないしプログラムされている制御モードが、NOx触媒19及びDPF20の少なくともいずれか一方を再生するための再生モードに移行したか否かが判断される。この移行は、再生が必要となる所定条件が成立したときになされる。制御モードが再生モードに移行していなければ、ステップS10に戻り、制御モードが再生モードに移行したならば、ステップS16に進む。
ステップS16では、遮蔽板24が第2位置に制御される。これにより排気ガスが排気インジェクタ21に直接当たりつつその下流側へと流れるようになる。
ステップS18では、再生モードが実行される。すなわち、排気インジェクタ21から燃料が噴射され、NOx再生、S被毒再生およびフィルタ再生の少なくとも一つが実行される。
次いでステップS20では、再生モード開始時からECU50により計測されている経過時間tが所定時間ts以上となったか否かが判断される。経過時間tが所定時間ts以上となっていなければステップS16に戻る。他方、経過時間tが所定時間ts以上となっていればステップS22に進んで再生モードが終了される。これにより排気インジェクタ21からの燃料噴射が停止される。
その後ステップS24では、遮蔽板24が元の第1位置に制御され、再び排気インジェクタ21が遮蔽板24により遮熱される。
次いでステップS26では、温度センサ31により検出された排気インジェクタ21の噴口部21Aの温度Tiが、所定温度Tis以上となっているか否かが判断される。この所定温度Tisは、噴口部21Aにデポジットが生じる可能性のある最低温度付近に設定されている。
噴口部温度Tiが所定温度Tis以上となっている場合、ステップS28でエアノズル28が所定時間作動される。するとエアノズル28から噴射された加圧エアにより、噴口部21Aに付着した燃料が吹き飛ばされ、同時に噴口部21Aが冷却される。これにより噴口部21Aにおけるデポジットの生成を一層確実に抑制することができる。このエアノズル作動後、本制御は終了される。なおエアノズル28は連続的に作動させても、間欠的に作動させてもよい。
他方、噴口部温度Tiが所定温度Tis未満であるときには、エアノズル28が作動させられずに本制御が終了される。このときにはデポジット生成の可能性が低いからである。
なお、エアノズル作動開始と同時に噴口部21A温度Tiをモニタリングし、噴口部温度Tiが所定温度Tis未満に達したときにエアノズルを停止するようにしてもよい。また、通常時においても噴口部温度Tiをモニタリングし、噴口部温度Tiと所定温度Tisとの比較によりエアノズル28を作動または停止させるようにしてもよい。
このように、本実施形態によれば、遮蔽板24により、高温の排気ガスが排気インジェクタ21に直接当たることが防止され、排気インジェクタ21の噴口部21Aにおけるデポジット生成を確実に抑制することができる。
また、遮蔽板24が可動であり、第1位置と第2位置とに移動可能であるので、再生時等必要なときに排気インジェクタ21に排気ガスを直接供給でき、実用性および利便性を高められる。
そして排気インジェクタ21でのデポジット生成が抑制される結果、排気インジェクタ21からの燃料噴射量を狙い通りに正確に制御でき、再生の精度及び信頼性を向上することができる。例えば、燃料噴射量不足に起因する触媒の昇温不足やリッチ化不足、ひいてはこれらに起因する再生時間長期化および燃費悪化を未然に防止できる。また、燃料噴射量指示値から触媒温度を推定して燃料噴射量をフィードバック制御するようなシステムでは、燃料噴射量の指示値と実際値とのずれに基づく触媒温度の推定ずれを防止し、硫黄被毒再生時等に不十分な脱離処理となって硫黄被毒状態が継続するといった事態を回避できる。
本実施形態の如く、排気インジェクタ21と遮蔽板24とを曲管部12Aに設けた場合には次の利点がある。すなわち、排気通路に排気インジェクタ21及び遮蔽板24のような複数の別部品を取り付ける場合、その取付部は剛性及び取付精度確保等の観点から鋳鉄製とするのが好ましい。このとき取付部を直管部とすると取付部自体が大きく重くなってコスト上も不利である。しかし、取付部を曲管部とすれば、取付部を小型化、軽量化でき、コスト上も有利である。従って排気インジェクタ21と遮蔽板24は、曲管部12Aに設けるのが好ましい。なお、本実施形態ではエアノズル28も曲管部12Aに設けているので当該利点をさらに増長できる。
ところで、エアノズル28については上記以外の作動及び制御も可能である。例えば、硫黄被毒再生およびフィルタ再生の少なくとも一方の実行時、排気インジェクタ21からの燃料噴射に加えてエアノズル28からエア供給を実行してもよい。こうすると供給エアを利用して酸化触媒18およびDPF20での酸化反応を促進でき、当該再生に有利となる可能性がある。また、噴射燃料と供給エアとの混合攪拌も期待でき、これも当該再生に有利となる可能性がある。
上記制御では遮蔽板24を第1位置に復帰移動させた後にエアノズル28を作動させている。このため、供給エアを遮蔽板24で跳ね返らせて排気インジェクタ21にぶつけると共に、遮蔽板24からエアノズル28までの半閉空間にエアを供給できる。よって、加圧エアを効率的に使用することができ、冷却効率および洗浄効率を向上することができる。
以上、本発明の実施形態を詳細に述べたが、本発明は他の実施形態を採用することも可能である。例えば、内燃機関は火花点火式内燃機関、とりわけ直噴リーンバーンガソリンエンジンであってもよい。遮蔽部材は固定式であってもよく、また板形状以外のもの(例えばブロック状のもの)であってもよい。遮蔽部材を可動式とする場合、これは排気通路内に出没可能なシャッターの如き構成であっても構わない。
1 内燃機関
12 排気通路
12A 曲管部
18 酸化触媒
19 NOx触媒
20 パティキュレートフィルタ(DPF)
21 燃料噴射弁(排気インジェクタ)
21A 噴口部
24 遮蔽板
28 エアノズル
31 温度センサ
50 電子制御ユニット(ECU)

Claims (6)

  1. 排気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記排気通路内において前記燃料噴射弁の上流側から前記燃料噴射弁に向かう排気ガスの流れに対して前記燃料噴射弁を遮蔽する遮蔽部材と、
    を備えることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記遮蔽部材が、前記燃料噴射弁の上流側から前記燃料噴射弁に向かう前記排気ガスの流れを遮断する第1位置と、前記燃料噴射弁の上流側から前記燃料噴射弁に向かう前記排気ガスの流れを許容する第2位置とに移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記燃料噴射弁の下流側の前記排気通路に設けられた排気浄化要素と、
    前記排気浄化要素を再生すべく前記燃料噴射弁から燃料を噴射するときに前記遮蔽部材を前記第2位置に制御する遮蔽部材制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記燃料噴射弁と前記遮蔽部材とが、前記排気通路に形成された曲がり部に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関。
  5. 前記排気通路内に露出された前記燃料噴射弁の噴口部に空気を噴き付けるエアノズルをさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関。
  6. 前記燃料噴射弁の噴口部の温度を検出するための温度センサと、前記温度センサにより検出された温度に基づき前記エアノズルを制御するエアノズル制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
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