JP5285223B2 - 炭素クラスター分散液の製造方法及び装置 - Google Patents

炭素クラスター分散液の製造方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、フラーレンやカーボンナノチューブといったナノレベルサイズの炭素クラスターを溶媒中に均一に分散させる技術に関する発明である。
カーボンナノチューブ分散用の溶媒としては、水溶性溶媒や有機溶媒あるいはそれらの混合溶媒が利用できる。たとえば、水、酸性溶液、アルカリ性溶液、アルコール、エーテル、石油エーテル、ベンゼン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、エタノール、アセトン、トルエン等を使用することができる(特許文献1)。
しかし、未だ、十分にカーボンナチューブを溶媒に分散する方法は確立されていない。これはカーボンナノチューブ相互の凝集力(ファンデルワールス力)によって、束状及び縄状になってしまうためである。また、カーボンナノチューブの原子レベルでの滑らかな表面が溶媒に対する親和性を低下する要因となっている。したがって、カーボンナノチューブの特異で有用な性質にもかかわらず、これを均一に分散したポリマー系ナノコンポジットなどを製造することは極めて困難であり、カーボンナノチューブの各種用途への応用を事実上困難にしている(特許文献2)。
カーボンナノチューブの溶媒に対する分散性を改善する策として、超音波をかけながらカーボンナノチューブをアセトン中に分散させる方法が提案されている(特許文献3)。しかし、超音波を照射している間は分散できても照射が終了するとカーボンナノチューブの凝集が始まり、カーボンナチューブの濃度が高くなると凝集してしまうということが起きてしまう。
カーボンナノチューブに修飾を施すことによって分散させる方法も検討されている。その一例として、電子放出素子と表示装置に用いるカーボン薄膜の製造過程において、電気化学的に酸化および/または還元可能な界面活性剤によりカーボンナノチューブ粒子をミセル化して水性媒体中に分散または可溶化する方法を挙げることができる(特許文献4)。しかし、この方法には、操作が煩雑であったり、効果が充分ではなかったり、化学修飾することにより、カーボンナノチューブの導電性が損なわれたりするといった問題がある。
非イオン系界面活性剤であるTergitol(商標)NP7を用いて超音波処理することにより分散性を向上させる方法も提案されているが、カーボンナノチューブの配合量を増加させると、カーボンナノチューブが凝集してしまい、均一な分散が得られない旨報告されている(非特許文献1)。
また、単層ナノチューブを陰イオン性界面活性剤SDS水溶液中で超音波処理することにより、カーボンナノチューブ表面の疎水性と界面活性剤の疎水部を吸着させ、外側に親水部を形成して水溶液中に分散することも報告されている(非特許文献2)。しかし、水溶性溶媒であるため、たとえば、ポリマー系ナノコンポジットに応用する際、適用できる高分子は水溶性高分子に限られてしまい、応用範囲に限界がある。同様に、界面活性剤の替わりに水溶性高分子PVPの疎水部分をカーボンナノチューブの表面につける方法も提案されているが、やはり水溶性高分子であって応用範囲は限られている(非特許文献3)。
特開2000−72422号公報 特開2005−75661号公報 特開2000−86219号公報 特開2001−48511号 S.Cui et al. Carbon 41,2003,797−809 Michael J. O'Connel et al. SCIENCE VOL297 26 July 2002,593−596 Michael J. O'Connel et al. CHEMICAL PHYSICS LETTERS,13 July 2001, 264−271。
本発明が解決しようとする課題は、炭素クラスターを一様に分散させた炭素クラスター分散液を炭素クラスターの特性を損なうことなく容易に製造することができる製造方法および装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では以下の特徴を有する技術的手段を採用した。
[炭素クラスター分散液の製造方法]
本発明の炭素クラスター分散液の製造方法は、炭素クラスターと溶媒とを混在させた状態で液体吐出口から吐出させつつその流れを当該液体吐出口の周囲に配置された気体噴射口から噴射させた気流により破砕し、且つ破砕直後に再凝集させることにより、炭素クラスターを分散させた溶液を製造することを特徴としている。
本発明の炭素クラスター分散液の製造方法において、前記気流は特定元素の気流であることが望ましい。前記特定元素は水素又は酸素であることが望ましい。
[炭素クラスター分散液の製造装置]
本発明の炭素クラスター分散液の製造装置は、炭素クラスターと溶媒とを混在させた状態で液体吐出口から吐出させつつその流れを当該液体吐出口の周囲に配置された気体噴射口から噴射させた気流により破砕し、且つ破砕直後に再凝集させることにより、炭素クラスターを分散させた溶液を製造することを特徴としている。
本発明の炭素クラスター分散液の製造装置において、前記液体吐出口に対向させて流れ阻止体が設けられ、前記液体吐出口から吐出され前記気体噴射口から噴射させた気流により破砕された直後の流れを、当該流れ阻止体に衝突させることにより再凝集させるように構成されていることが望ましい。
本発明の炭素クラスター分散液の製造装置において、前記気流として特定元素の気流を用いることが望ましい。前記特定元素は水素又は酸素であることが望ましい。
[特定元素吸蔵液の製造方法]
本発明の特定元素吸蔵液の製造方法は、炭素クラスターと溶媒とを混在させた状態で液体吐出口から吐出させつつその流れを当該液体吐出口の周囲に配置された気体噴射口から噴射させた特定元素の気流により破砕し、且つ破砕直後に再凝集させることにより、当該特定元素を内包した状態の炭素クラスターを分散させた溶液を製造することを特徴としている。
本発明の炭素クラスター分散液の製造方法において、前記特定元素は水素又は酸素であることが望ましい。
[特定元素吸蔵液の製造装置]
本発明の特定元素吸蔵液の製造装置は、炭素クラスターと溶媒とを混在させた状態で液体吐出口から吐出させつつその流れを当該液体吐出口の周囲に配置された気体噴射口から噴射させた特定元素の気流により破砕し、且つ破砕直後に再凝集させることにより、当該特定元素を内包した状態の炭素クラスターを分散させた溶液を製造することを特徴としている。
本発明の特定元素吸蔵液の製造装置において、前記液体吐出口に対向させて流れ阻止体が設けられ、前記液体吐出口から吐出され前記気体噴射口から噴射させた気流により破砕された直後の流れを、当該流れ阻止体に衝突させることにより再凝集させるように構成されていることが望ましい。
本発明の特定元素吸蔵液の製造装置において、前記特定元素は水素又は酸素であることが望ましい。
本発明によれば、炭素クラスターと溶媒とを混在させた状態で液体吐出口から吐出させつつその流れを当該液体吐出口の周囲に配置された気体噴射口から噴射させた気流により破砕し、且つ破砕直後に再凝集させることにより、炭素クラスターを分散させた溶液を製造するので、炭素クラスターを一様に分散させた炭素クラスター分散液を炭素クラスターの特性を損なうことなく容易に製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明にかかる炭素クラスター分散液の製造方法を実施するための製造装置の形態例を示すブロック図である。
製造装置100は、原料供給系110と二流体ノズル160と流れ阻止体(バッフルボード)190を備えている。
原料供給系110は、原料槽111を備えている。原料槽111は、密閉可能な耐圧容器であり、炭素クラスター(カーボンナノチューブ及び/又はフラーレン)と溶媒とを所定の割合で混在させた原料液112を注入した後に密閉される。原料槽111内の底部には、原料液112を撹拌する回転翼を備えた撹拌装置113が設けられている。
原料槽111には、その側壁を貫通して原料給送管121が接続されている。原料給送管121の入口121iは原料槽111の内底面付近に配置されている。原料給送管121の入口121iにはストレーナ122が取付けられている。
原料給送管121の出口121oは、二流体ノズル160の液体供給口151に接続されている。原料給送管121の中間部には、流量調節のための電磁可変絞り弁123が介設されている。
また、原料槽111には、その天井壁を貫通して圧力配管131が接続されている。圧力配管131の出口131oは、原料槽111の天井面付近に配置されている。
圧力配管131は、原料槽111の内部の上部空間(原料液112の上方に存在する空間)に圧縮気体を導入するための配管である。圧力配管131の最上流端は、分岐管132を介してコンプレッサ133の圧縮気体排出口に接続されている。圧力配管131の途中には電磁弁134が介設されるととともに、原料槽111の上部空間の内部の気圧を検出するための気圧センサ135が設けられている。
二流体ノズル160の気体供給口152には気体供給間136が接続されている。気体供給間136の最上流端は分岐管132を介してコンプレッサ133の排気口に接続されている。すなわち、分岐管132は出口が2つに分岐しており、分岐管132の一方の出口に圧力配管131が、もう一方の出口に気体供給間136が、それぞれ接続されている。気体供給間136の途中には、上流側から下流側に向って順に、電磁弁137、気圧センサ138、圧縮気体リザーバ139および圧力調節弁140が設けられている。気圧センサ138は、圧縮気体リザーバ139内の気圧を検出するためのセンサである。
コンプレッサ133は圧縮気体を発生させるためのものである。コンプレッサ133から吐出された圧縮気体は、分岐管132を経て圧力配管131および気体供給間136に分配される。気体供給間136は二流体ノズル160に圧縮気体を導入するための配管である。気体供給間136に供給された圧縮気体は、圧縮気体リザーバ139に蓄えられ、所定の圧力に調整されて二流体ノズル160に導入される。
二流体ノズル160の先端部分には液体供給口151に連通している液体吐出口161と、気体供給口152に連通している気体噴射口162とが設けられている。気体噴射口162は液体吐出口161の周囲に形成されている。
二流体ノズル160の下方近傍には、ステンレス鋼製の流れ阻止体190が設けられている。流れ阻止体190は、上方に縮径した円錐形状の部材であり、その先端(上端)が二流体ノズル160の液体吐出口161に対向している。二流体ノズル160と流れ阻止体190は、図示しない直円筒体内に共に収容され、その直円筒体の内壁に連結されて保持されている。
二流体ノズル160の液体供給口151に供給された原料液112は、炭素クラスターと溶媒とが未だ均一に混合されてない混在状態にて液体吐出口161から吐出されるが、二流体ノズル160の前方(図においては下方)には気体噴出口162から噴出された空気の高速渦流が形成されていて、混在状態で吐出された原料液112はこの高速渦流によって微粒子状(霧状)に破砕される。そして、破砕された直後の流れが流れ阻止体190に衝突する。その結果、破砕された流れが破砕直後に再凝集し、炭素クラスターと溶媒とが均一に混ざり合った状態の溶液124が生成される。そして、流れ阻止体190上で再凝集した溶液124が流れ阻止体190の表面を伝って流下し、流れ阻止体190の下端から流れ落ちた溶液124が製品容器125内に溜まる。
つぎに、図2および図3を参照して二流体ノズル160の構造について説明する。図2(a)はノズルの平面図、図2(b)はノズルの断面図、図3はノズルの正面図である。
二流体ノズル160は、略円筒状の中空のケーシング160Aの内部に略円筒状の中子160Bを挿入してねじ込んだ構造になっている。ケーシング160Aはステンレス鋼や黄銅などの金属材料を機械加工して作製されており、その先端には二流体ノズル160の中心軸線Aと中心が一致した横断面が円形である開口孔163が形成されていて気体噴射口162の外側輪郭を形成している。ケーシング160Aの側面には二流体ノズル160の中心軸線Aに対して垂直な軸線を有するようにして気体供給口152が穿設されている。気体供給口152の内周面には雌ネジ溝が切られていて気体供給間147を螺入して結合できるようになっている。ケーシング160Aの内面における基端部には雌ネジ溝166が形成され、そのさらに基端方向の部分にはやや内径の大きくなった段差部167が形成されている。またケーシング160Aの先端部における外面には雄ネジ溝168が形成されていて、二流体ノズル160を取付けるための固定ナット169を螺着できるようになっている。
中子160Bは、前述のケーシング160Aと同一の又は異なる金属材料を機械加工して作製されており、その中心軸線Aに沿って内部がくり抜かれて中空になっている。また、その外径はケーシング160Aの中空の孔にぴったりと嵌入するような寸法になっていて、長手方向の略中央部付近の外径はやや細く形成されて、ケーシング160Aの内面との間において円環筒状の空間170が残されるようになっている。この空間170はケーシング160Aに設けられた気体供給口152に連通している。中子160Bの基端部よりもやや手前の外周には雄ネジ溝171が切られていて前述の雌ネジ溝166と螺合して中子160Bをケーシング160Aの内部に固定する。また同ネジ溝171よりもさらに基端側の部分はやや大径になっていて、前述の段差部177との間にてO−リングシール172を挟持して前述の空間170の気密性を確保している。中子160Bの基端部には液体供給口151が形成されている。液体供給口151の内周部には雌ネジ溝が切られており、合流管135の先端部が螺入して結合されている。中子160Bの先端部には、液体供給口151から内部の中空空間を通って連通した液体吐出口161が開口していて、その周囲の略円錐形状の膨大部分はスパイラル形成体176を成している。そして、スパイラル形成体176の先端面とケーシング160Aの先端の内面との間には渦流室177が形成されている。渦流室177を構成している中子162の先端端面178は、前述のケーシング160Aの開口孔163との間に隙間を有していて、これが気体噴射口162を構成する。
図3に示す二流体ノズル160の正面図を参照すると、中心に円形の液体吐出口161が配置され、その周囲に環状の気体噴射口162が配置されている。この気体噴射口162は、ケーシング160Aの内部に配置されてなるスパイラル形成体176の円錐面に形成された渦巻状に延在する複数本の旋回溝179に連通している。
気体供給口164から供給された圧縮気体は、空間170を通過して、スパイラル形成体176に形成されている断面積の小さい旋回溝179を通り抜ける際に圧縮されて高速気流となる。この高速気流は渦流室177の内部で渦状の旋回気流となって、絞られた円環状の気体噴射口162から噴射されて二流体ノズル160の前方に気体の高速渦流を形成する。この渦流はケーシング160Aの先端に近接した前方位置を焦点とするような先細りの円錐形に形成される。
原料槽111から送出された未混合の原料液112は、原料供給管121を通して液体供給口151に供給される。液体供給口151に供給された未混合の原料液112は、中子160Bの中空部分を通って液体吐出口161から吐出される。そして、気体噴射口162から噴射された気体の高速渦流によって微粒子に破砕され、渦流の回転に伴って強制的に混合されて、均一に混合された微粒子の混合物として二流体ノズル160の前方へ向けて噴霧状に放出される。なお、図示の例では液体吐出口161の内径を中子160Bの中ぐり孔の内径よりも若干小径としているが、目詰まりの虞がある場合には液体吐出口161の内径を中ぐり孔の内径と同一の径とすることが望ましい。
製造装置100は、図4に示す制御装置180により制御される。制御装置180は、MPU181と、ROM182と、RAM183と、インタフェースユニット184と、A/Dコンバータ185と、駆動ユニット186とを内蔵していて、これらはバスライン187を介して相互に接続されている。ROM182にはMPU181が実行するプログラムが格納されている。RAM183はMPU181がプログラムを実行する際の作業領域等に使用される。インタフェースユニット184の出力ポートにはCRTなどの表示装置188が接続されており、入力ポートにはキーボードなどの入力装置189が接続されている。
A/Dコンバータ185の入力には、製造装置100の気圧センサ135、138が接続されていて、これらのセンサにより検出された空気圧のアナログ値をデジタル値に変換する。そして、デジタル値に変換された空気圧の値はバスライン187を経由してMPU181によって読み取られる。
駆動ユニット186の出力は、製造装置100の電磁駆動弁123、134、137および140に接続されている。駆動ユニット186はMPU181からの指令に従ってこれらの電磁駆動のための電流を調節し、ON/OFF切替する。
製造装置100を作動させるに際して、オペレータは、原料槽111に炭素クラスターと溶媒とを入れて、原料槽111の蓋をしっかりと密閉する。その後、入力装置189から混合開始を指令する。この指令を受けると、MPU181は駆動ユニット186に指令を発して電磁弁134を開くと共に、気圧センサ135の出力をA/Dコンバータ185を介して監視して、コンプレッサ133からの圧縮気体が原料槽111の上部空間に充満して所定の圧力に達するまで待つ。この初期状態においては、製造装置100の他の電磁弁は閉鎖されている。原料槽111の気圧センサ135によって同タンク内部が所定の空気圧にまで昇圧したことが確認されると、MPU181は電磁弁134を閉鎖する。その後、電磁弁137を開く。これにより、圧縮気体リザーバ139内に圧縮気体が供給される。
圧縮気体リザーバ139の内部圧力が所定の圧力に昇圧したならば、MPU181は、製造開始(炭素クラスターと溶媒との混合開始)の条件が整ったと判断し、圧力調節弁140を開く。すると、圧縮気体リザーバ139から二流体ノズル160の気体供給口152へ圧縮気体が供給され、二流体ノズル160の先端の気体噴射口162から気体の高速渦流が噴射されるようになる。次に、MPU181は電磁可変絞り弁123を所定の開度になるように開く。すると、原料槽111に貯蔵されている原料液112が、原料給送管121を通して二流体ノズル160の液体供給口151に供給され、二流体ノズル160の先端の液体吐出口161から吐出される。二流体ノズル160から吐出された原料液112は、吐出方向に既に形成されている空気の高速渦流によって微粒子に破砕され、その渦流の流れに伴って、炭素クラスターと溶媒とが互いに完全に混ざり合った状態となって製品容器125内に放出される。
上述の処理が進行するにつれて、原料槽111内の原料液112の液面が低下するため、原料槽111内の上部の空間の体積が増加し、それに伴って気圧が低下する。この圧力は気圧センサ135によって常時検出され、その値がMPU181に送られる。MPU181は、気圧センサ135による検出値を常時監視し、その値が適正値を下回ると、原料槽111の電磁弁134を適当な時間だけ開状態に切換えて、原料槽111の内部の気圧を所定の適正値に維持する。同様に、圧縮気体リザーバ139の内部の圧縮気体の圧力も、MPU181が電磁弁137を制御することにより適正値に維持される。
以上の動作により、炭素クラスターと溶媒とが均一に混ざり合った状態の炭素クラスター分散液124が生成され製品容器125内に収容されることになる。この炭素クラスター分散液124は、炭素クラスターと溶媒とを混ぜ合わせた原料液112を二流体ノズル160の液体吐出口161から吐出させつつその液体吐出口161の周囲に配置された気体噴射口162から噴射させた高速気流により破砕し、破砕直後の流れを流れ阻止体190に衝突させて再凝集させることにより生成されるため、炭素クラスターが溶媒中に完全に均一に分散した状態なっており、その分散状態を長時間に亘って保ちうる。そして、この製造装置100によれば、炭素クラスターの分散性を向上させるために、炭素クラスターに化学修飾(疎水化、親水化)などの付加的な処理を施す必要がないので、炭素クラスターの特性(導電性など)を損なうことなく炭素クラスター分散液124を容易に製造することができる。
炭素クラスターを分散させる溶媒としては、水溶性溶媒や有機溶媒あるいはそれらの混合溶液を使用することができる。たとえば、水、酸性溶液、アルカリ性溶液、アルコール、エーテル、石油エーテル、ベンゼン、酢酸エチル、クロロホルム、イソプロピルアルコール、エタノール、アセトン、トルエン等を使用することができる。
気体噴射口162から噴射させる気体としては、用途に応じて、空気、水素、酸素、フッ素、窒素など種々の気体を使用することができる。また、複数種類の気体を混ぜ合わせた混合気体を使用することもできる。
気体噴射口162から噴射させる気体として、水素、酸素、フッ素といった特定元素の気体を使用することにより、当該特定元素を内包した状態の炭素クラスターを均一に分散させた炭素クラスター分散液124を容易に製造することができる。たとえば、当該気体として水素を使用すれば、水素を内包した状態の炭素クラスターを均一に分散させた炭素クラスター分散液(水素吸蔵液)124を容易に製造することができる。このようにして製造した水素吸蔵液は、燃料電池の材料として使用することができる。
また、炭素クラスター分散液124を基板上に塗布し、焼結、乾燥等の適切な処理を行うことにより、当該基板上に炭素クラスターが均一に分散した炭素薄膜を形成することができる。この種の炭素薄膜、たとえば均一に分散したカーボンナノチューブからなる薄膜は、表示装置等の電子放出素子に好適である。また、この種の炭素薄膜を積層形成したものは、燃料電池の燃料イオン吸蔵体として用いることができる。
本発明にかかる炭素クラスター分散液の製造方法を実施するための製造装置の形態例を示す装置構成図 (a)二流体ノズルの形態例を示す平面図、(b)二流体ノズルの形態例を示す断面図 二流体ノズルの形態例を示す正面図 制御装置の構成例を示すブロック図
符号の説明
100 製造装置
110 原料供給系
111 原料槽
112 原料液
124 塗布剤
151 液体供給口
152 気体供給口
160 二流体ノズル
161 液体吐出口
162 気体噴射口
180 制御装置
190 流れ阻止体

Claims (10)

  1. 炭素クラスターと溶媒とを混在させた状態で液体吐出口から吐出させつつその流れを当該液体吐出口の周囲に配置された気体噴射口から噴射させた気流により破砕し、且つ、破砕された直後の流れを前記液体吐出口に対向させて設けられた流れ阻止体に衝突させて再凝集させることにより、炭素クラスターを分散させた溶液を製造することを特徴とする炭素クラスター分散液の製造方法。
  2. 前記気流が特定元素の気流であることを特徴とする請求項1記載の炭素クラスター分散液の製造方法。
  3. 前記特定元素が水素又は酸素であることを特徴とする請求項2記載の炭素クラスター分散液の製造方法。
  4. 炭素クラスターと溶媒とを混在させた状態で液体吐出口から吐出させつつその流れを当該液体吐出口の周囲に配置された気体噴射口から噴射させた気流により破砕し、且つ、破砕された直後の流れを前記液体吐出口に対向させて設けられた流れ阻止体に衝突させて再凝集させることにより、炭素クラスターを分散させた溶液を製造することを特徴とする炭素クラスター分散液の製造装置。
  5. 前記気流として特定元素の気流を用いることを特徴とする請求項記載の炭素クラスター分散液の製造装置。
  6. 前記特定元素が水素又は酸素であることを特徴とする請求項記載の炭素クラスター分散液の製造装置。
  7. 炭素クラスターと溶媒とを混在させた状態で液体吐出口から吐出させつつその流れを当該液体吐出口の周囲に配置された気体噴射口から噴射させた特定元素の気流により破砕し、且つ、破砕された直後の流れを前記液体吐出口に対向させて設けられた流れ阻止体に衝突させて再凝集させることにより、当該特定元素を内包した状態の炭素クラスターを分散させた溶液を製造することを特徴とする特定元素吸蔵液の製造方法。
  8. 前記特定元素が水素又は酸素であることを特徴とする請求項の炭素クラスター分散液の製造方法。
  9. 炭素クラスターと溶媒とを混在させた状態で液体吐出口から吐出させつつその流れを当該液体吐出口の周囲に配置された気体噴射口から噴射させた特定元素の気流により破砕し、且つ、破砕された直後の流れを前記液体吐出口に対向させて設けられた流れ阻止体に衝突させて再凝集させることにより、当該特定元素を内包した状態の炭素クラスターを分散させた溶液を製造することを特徴とする特定元素吸蔵液の製造装置。
  10. 前記特定元素が水素又は酸素であることを特徴とする請求項の特定元素吸蔵液の製造装置。
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