JP5285104B2 - 磁気記録素子及び不揮発性記憶装置 - Google Patents

磁気記録素子及び不揮発性記憶装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、磁気記録素子及び不揮発性記憶装置に関する。
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetic Random Access Memory)において、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magneto Resistive)効果を示す強磁性トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)素子をデータ記憶部に用いる構成がある。この構成は、高速・大容量の不揮発メモリとして注目を集めている。MTJ素子の記録層への書き込みは、例えば、スピントルク書き込み方式により行われる。この方式においては、例えば、MTJ素子に直接通電させ、MTJ素子の基準層から注入されるスピントルクで記録層の磁化を反転させる。メモリの高速動作を実現するためには、MTJ素子への書き込み時における磁化反転がより高速に起こることが必要である。
特開2009−21352号公報
本発明の実施形態は、書き込み時における磁化反転がより高速に起こる磁気記録素子及び不揮発性記憶装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、積層体を備えた磁気記録素子が提供される。前記積層体は、第1積層部と、第2積層部と、を含む。前記第1積層部は、膜面に対して垂直な成分を有する第1の方向に磁化が固定された第1の強磁性層と、磁化の方向が膜面に対して垂直な方向に可変である第2の強磁性層と、前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層との間に設けられた第1の非磁性層と、を含む。前記第2積層部は、前記第1の強磁性層、前記第2の強磁性層及び前記第1の非磁性層が積層される積層軸に沿って前記第1積層部と積層される。前記第2積層部は、磁化の方向が膜面に対して平行な方向に可変である第3の強磁性層と、前記第3の強磁性層と前記積層軸に沿って積層され、膜面に対して垂直な成分を有する第2の方向に磁化が固定された第4の強磁性層と、前記第3の強磁性層と前記第4の強磁性層との間に設けられた第2の非磁性層と、を含む。前記積層軸を法線とする平面における前記第4の強磁性層の外縁は、前記法線における前記第1積層部の外縁よりも外側の部分を有する。前記積層軸に沿って前記積層体に電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第2の強磁性層に作用させ、且つ、前記第3の強磁性層の磁化を歳差運動させることにより発生する磁場を前記第2の強磁性層に作用させることにより、前記第2の強磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定可能である。
図1(a)〜図1(c)は、第1の実施形態に係る磁気記録素子を示す模式図である。 図2(a)及び図2(b)は、磁化を示す模式図である。 図3(a)〜図3(d)は、実施形態に係る磁気記録素子の動作を示す模式図である。 図4(a)及び図4(b)は、実施形態に係る磁気記録素子の動作を示す模式図である。 図5(a)及び図5(b)は、第2の実施形態に係る磁気記録素子を示す模式的断面図である。 図6(a)及び図6(b)は、第2の実施形態に係る磁気記録素子を示す模式的断面図である。 図7(a)及び図7(b)は、第3の実施形態に係る磁気記録素子を示す模式的断面図である。 図8(a)及び図8(b)は、第4の実施形態に係る磁気記録素子を示す模式的断面図である。 図9(a)及び図9(b)は、第5の実施形態に係る磁気記録素子を示す模式的断面図である。 図10(a)及び図10(b)は、第6の実施形態に係る磁気記録素子のを示す模式的断面図である。 磁気記録素子の特性を示すグラフ図である。 図12(a)及び図12(b)は、磁気記録素子の特性を示すグラフ図である。 磁気記録素子の特性を示すグラフ図である。 磁気記録素子の特性を示すグラフ図である。 実施形態に係る磁気記録素子の特性を示すグラフ図である。 実施形態に係る磁気記録素子の特性を示すグラフ図である。 実施形態に係る磁気記録素子の特性を示すグラフ図である。 実施形態に係る磁気記録素子の特性を示すグラフ図である。 磁気記録素子の特性を示すグラフ図である。 図20(a)〜図20(c)は、実施形態に係る磁気記録素子を示す模式図である。 図21(a)〜図21(c)は、実施形態に係る磁気記録素子を示す模式図である。 実施形態に係る不揮発性記憶装置の構成を例示する模式図である。
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1(a)〜図1(c)は、第1の実施形態に係る磁気記録素子の構成を例示する模式図である。
図1(a)は、模式的斜視図である。図1(b)は、図1(a)のA1−A2線断面図である。図1(c)は、模式的平面図である。
図1(a)〜図1(c)に表したように、実施形態に係る磁気記録素子110は、積層体SB0を備える。積層体SB0は、第1積層部SB1と、第2積層部SB2と、を含む。
第1積層部SB1は、第1の強磁性層10と、第2の強磁性層20と、第1の非磁性層10nと、を含む。
第1の強磁性層10においては、膜面に対して垂直な成分を有する第1の方向に磁化(第1の強磁性層10の磁化)が固定されている。第2の強磁性層20においては、磁化(第2の強磁性層20の磁化)の方向が膜面に対して垂直な方向に可変である。第1の非磁性層10nは、第1の強磁性層10と第2の強磁性層20との間に設けられる。「膜面」は、層の主面に対して平行な面であり、「層面」に対応する。
すなわち、第1の強磁性層10、第2の強磁性層20及び第1の非磁性層10nは、積層される。第1の強磁性層10、第2の強磁性層20及び第1の非磁性層10nが重ねられる軸を積層軸SD1とする。積層軸SD1は、例えば、第1の強磁性層10の膜面に対して垂直な軸である。
説明の便宜上、積層軸SD1をZ軸とする。Z軸に対して垂直な1つの軸をX軸とする。Z軸とX軸とに対して垂直な軸をY軸とする。
本願明細書において、「積層」は、複数の層が互いに接して重ねられる場合に加え、間に別の要素が挿入されて複数の層が重ねられる場合を含む。
第2積層部SB2は、積層軸SD1に沿って第1積層部SB1と積層される。第2積層部SB2は、第3の強磁性層30と、第4の強磁性層40と、第2の非磁性層20nと、を含む。第3の強磁性層30においては、磁化(第3の強磁性層30の磁化)の方向が膜面に対して平行な方向に可変である。第4の強磁性層40は、第3の強磁性層30と積層軸SD1に沿って積層される。第4の強磁性層40においては、膜面に対して垂直な成分を有する第2の方向に磁化(第4の強磁性層40の磁化)が固定されている。第2の非磁性層20nは、第3の強磁性層30と第4の強磁性層40との間に設けられる。
すなわち、第3の強磁性層30、第4の強磁性層40及び第2の非磁性層20nは、積層軸SD1に沿って、第1の強磁性層10、第2の強磁性層20及び第1の非磁性層10nと積層される。後述するように、各層の順序は、種々の変形が可能である。
積層軸SD1を法線とする平面における第4の強磁性層40の外縁は、その平面における第1積層部SB1の外縁よりも外側の部分を有する。この例では、第3の強磁性層30、第2の非磁性層20n及び第4の強磁性層40の大きさ(幅)は、互いに同じである。従って、積層軸SD1を法線とする平面における第4の強磁性層40の外縁の位置は、積層軸SD1を法線とする平面における第2積層部SB2の外縁の位置と同じである。
一方、第1の強磁性層10、第1の非磁性層10n及び第2の強磁性層20の大きさ(幅)は、互いに同じである。従って、積層軸SD1を法線とする平面における第1の強磁性層10の外縁の位置、第1の非磁性層20nの外縁の位置及び第2の強磁性層20の外縁の位置は、積層軸SD1を法線とする平面における第1積層部SB1の外縁の位置と同じである。
後述するように、第2積層部SB2において、例えば、第3の強磁性層30の大きさ(幅)が、第4の強磁性層40の大きさ(幅)と異なっていても良い。この場合も、実施形態においては、第4の強磁性層40の外縁は、第1積層部SB1の外縁よりも外側の部分を有する。以下では、説明を簡単にするために、第3の強磁性層30、第2の非磁性層20n及び第4の強磁性層40の大きさ(幅)が互いに同じ場合について説明する。そして、第4の強磁性層40の外縁として、第2積層部SB2の外縁について説明する。
この例では、積層軸SD1に沿ってみたときに、第4の強磁性層40の外縁、すなわち、第2積層部SB2の外縁(第2外縁SBP2)は、第1積層部SB1の外縁(第1外縁SBP1)よりも外側の部分を有する。すなわち、平面視において、第2積層部SB2の第2外縁SBP2は、第1積層部SB1の第1外縁SBP1よりも外側の部分を有する。
この例では、第2積層部SB2の外縁(第2外縁SBP2)は、第1積層部SB1の外縁(第1外縁SBP1)よりも外側である。具体的には、第2積層部SB2の第2外縁SBP2の全てが、第1積層部SB1の第1外縁SBP1よりも外側である。すなわち、積層軸SD1に沿ってみたときの第2積層部SB2の第2外縁SBP2は、積層軸SD1に沿ってみたときの第1積層部SB1の第1外縁SBP1よりも外側である。
例えば、第2積層部SB2の第2外縁SBP2と、第1積層部SB1の第1外縁SBP1と、の距離は、距離Ddである。距離Ddは、例えばX−Y平面内の任意の軸に沿った距離であり、例えば、X軸に沿った距離またはY軸に沿った距離である。なお、距離Ddは、第4の強磁性層40の外縁と、第1積層部SB1の第1外縁SBP1と、の距離である。
例えば、X軸に沿った第2積層部SB2の幅は、X軸に沿った第1積層部SB1の幅よりも大きい。例えば、Y軸に沿った第2積層部SB2の幅は、Y軸に沿った第1積層部SB1の幅よりも大きい。
例えば、第2積層部SB2をX−Y平面で切断したときの断面積は、第積層部SB1をX−Y平面で切断したときの断面積よりも大きい。
磁気記録素子110においては、積層軸SD1に沿って積層体SB0に電流を流すことによりスピン偏極した電子を第2の強磁性層20に作用させ、且つ、第3の強磁性層30の磁化を歳差運動させることにより発生する磁場を第2の強磁性層20に作用させることにより、第2の強磁性層20の磁化の方向を電流の向きに応じた方向に決定可能とする。上記の電流は、積層体SB0の各層の膜面に対して略垂直な方向に流れる。
磁気記録素子110において、第2積層部SB2は、磁界発生源として機能する。第1積層部SB1は、磁気記録部として機能する。以下、第2積層部SB2を、適宜、磁界発生源と言い、第1積層部SB1を、適宜、磁気記録部と言う。
第1の強磁性層10は、例えば、第1の磁化固定層である。第2の強磁性層20においては、磁化容易軸が膜面に対して略垂直方向である。第2の強磁性層20は、磁気記録層として機能する。第1の非磁性層10nは、第1のスペーサ層として機能する。第1の強磁性層10と、第1の非磁性層10nと、第2の強磁性層20と、を含む第1積層部SB1は、例えば、MTJ(Magnetic Tunnel Junction)の構造を有する。
第3の強磁性層30は、磁化回転層として機能する。第4の強磁性層40は、磁化が膜面に対して略垂直方向に固定された第2の磁化固定層として機能する。第2の非磁性層20nは、第2のスペーサ層として機能する。
このような構成を有する磁気記録素子110においては、書き込み時における磁化反転がより高速に起こる。磁気記録素子110の特性に関しては、後述する。
図1(c)に例示したように、この例では、Z軸に沿ってみたときの第1積層部SB1及び第2積層部SB2の形状は、円形(扁平円を含む)である。ただし、実施形態において、Z軸に沿ってみたときの第1積層部SB1及び第2積層部SB2の形状は、任意である。
磁気記録素子110においては、積層体SB0は、第3の非磁性層30nをさらに含む。第3の非磁性層30nは、第1積層部SB1と第2積層部SB2との間に設けられる。すなわち、第3の非磁性層30nは、第2の強磁性層20と第3の強磁性層30との間に設けられる。第3の非磁性層30nは、必要に応じて設けられ、場合によっては省略可能である。
第1の強磁性層10、第2の強磁性層20及び第4の強磁性層40には、例えば、垂直磁化膜が用いられる。第3の強磁性層には、例えば、面内磁化膜が用いられる。
図2(a)及び図2(b)は、磁化を例示する模式図である。
図2(a)は、垂直磁化膜における磁化を例示している。図2(b)は、面内磁化膜における磁化を例示している。
図2(a)及び図2(b)に表したように、積層軸SD1に対して垂直な1つの軸を面内軸SD2とする。面内軸SD2は、X−Y平面内の軸である。磁化72は、膜面に対して垂直な方向の磁化斜影成分(積層軸SD1に対して平行な磁化成分72a)と、膜面に対して平行な方向の磁化斜影成分(面内軸SD2に対して平行な磁化成分72b)と、を有する。
図2(a)に表したように、垂直磁化膜は、膜面に対して垂直な磁化成分72aが、膜面に対して平行な磁化成分72bよりも大きい磁化状態を有する。垂直磁化膜において、磁化の方向が膜面に対して略垂直であることが動作特性上望ましい。
図2(b)に表したように、面内磁化膜は、膜面に対して平行な磁化成分72bが、膜面に対して垂直な磁化成分72aよりも大きい磁化状態を有する。面内磁化膜において、磁化の方向が膜面に対して略平行であることが動作特性上望ましい。
説明の便宜上、第1積層部SB1から第2積層部SB2に向かう方向を「下」または「下向き」と言う。第2積層部SB2から第1積層部SB1に向かう方向を「上」または「上向き」と言う。
既に説明したように、第1の強磁性層10の磁化は、第1の方向に実質的に固定される。第4の強磁性層40の磁化は、第2の方向に実質的に固定されている。
図1(b)に例示したように、磁気記録素子110においては、第1の方向は上向きであり、第2の方向も上向きである。ただし、後述するように、第1の方向及び第2の方向は種々の変形が可能である。
磁気記録素子110において、例えば、積層体SB0を挟む一対の電極(図示しない)により、積層体SB0に電子電流を流すことができる。電子電流は電子の流れである。上向きに電流が流れるときには、電子電流は下向きに流れる。
第2の強磁性層20は、データを記録する役割をもつ。第2の強磁性層20の磁化は、比較的容易に反転可能である。第3の強磁性層30は、書き込み時に高周波磁場を発生させる役割をもつ。
膜面に対して垂直な方向に電子電流を流すと、磁界発生源の第3の強磁性層30における磁化が歳差運動する。これにより、回転磁界(高周波磁界)が発生する。高周波磁界の周波数は、例えば約1GHz〜60GHz程度である。高周波磁界は、第2の強磁性層20の磁化に対して垂直方向の成分(第2の強磁性層20の磁化困難軸の方向の成分)を有する。したがって、第3の強磁性層30から発生した高周波磁界の少なくとも一部は、第2の強磁性層20の磁化困難軸の方向に印加される。第3の強磁性層30から発生した高周波磁界が、第2の強磁性層20の磁化困難軸の方向に印加されると、第2の強磁性層の磁化は非常に反転し易くなる。
磁気記録素子110においては、電子電流を積層体SB0に流すことによって、第2の強磁性層20の磁化の方向を制御することができる。具体的には、電子電流の流れる向き(極性)を変えることで第2の強磁性層20の磁化の向きを反転させることができる。情報を記録させる場合において、例えば、第2の強磁性層20の磁化の方向に応じて、「0」と「1」とがそれぞれ割り当てられる。
磁気記録素子110における動作の具体例として、まず「書き込み」動作について説明する。
図3(a)〜図3(d)は、実施形態に係る磁気記録素子の動作を例示する模式図である。
これらの図は、磁気記録素子110における「書き込み」動作の際の第1積層部SB1の状態を例示している。これらの図では、第2積層部SB2及び第3の非磁性層30nは省略されている。
図3(a)は、第1の強磁性層10から第2の強磁性層20に向かって電子電流60を流し始めた状態を例示している。図3(b)は、第1の強磁性層10から第2の強磁性層20に向かって電子電流60を流し終えた状態(磁化が反転した状態)を例示している。図3(c)は、第2の強磁性層20から第1の強磁性層10に向かって電子電流60を流し始めた状態を例示している。図3(d)は、第2の強磁性層20から第1の強磁性層10に向かって電子電流60を流し終えた状態(磁化が反転した状態)を例示している。図3(c)及び図3(d)は、図3(a)及び図3(b)に示した場合に対して、電子電流60の向きを反転させた場合に相当する。
書き込み動作においては、第1の強磁性層10の膜面及び第2の強磁性層20の膜面を横切るように電子電流60を流して、第2の強磁性層20に対して書き込み動作が実施される。ここでは、第1の非磁性層10nを介した磁気抵抗効果が、ノーマルタイプである場合について説明する。
「ノーマルタイプ」の磁気抵抗効果においては、非磁性層の両側の磁性層の磁化どうしが互いに平行である時の電気抵抗は、反平行である時の電気抵抗よりも低い。ノーマルタイプの場合、第1の非磁性層10nを介した第1の強磁性層10と第2の強磁性層20との間の電気抵抗は、第1の強磁性層10の磁化が第2の強磁性層20の磁化に対して平行である時には、反平行である時よりも低い。
図3(a)に表したように、膜面に対して略垂直方向の磁化12aを有する第1の強磁性層10を通過した電子は、第1の強磁性層10の磁化と同じ方向のスピンをもつようになる。この電子が、第2の強磁性層20へ流れると、このスピンのもつ角運動量が第2の強磁性層20へ伝達され、第2の強磁性層20の磁化32に作用する。すなわち、いわゆるスピントランスファトルクが働く。
これにより、図3(b)に表したように、第2の強磁性層20の磁化32は、第1の強磁性層10の磁化12aと同じ向きになる。この向きは、図3(b)において上向きであり、例えば積層軸SD1に対して平行な1つの方向である。この向き(図3(b)において上向き)の磁化32を有する第2の強磁性層20の状態に、例えば「0」を割り当てる。
図3(c)に表したように、第1の非磁性層10nを通過した電子のうちで、第1の強磁性層10の磁化12aと同じ向き(図3(c)において上向き)のスピンをもった電子は、第1の強磁性層10を通過する。一方、第1の強磁性層10の磁化12aに対して逆向き(図3(c)において下向き)のスピンをもった電子は、第1の強磁性層10と第1の非磁性層10nとの界面において反射される。この反射された電子のスピンの角運動量が第2の強磁性層20へ伝達され、第2の強磁性層20の磁化32に作用する。
これにより、図3(d)に表したように、第2の強磁性層20の磁化32は、第1の強磁性層10の磁化12aに対して逆向き(図3(d)において下向き)になる。すなわち、スピントランスファトルクが働く。この向き(図3(d)おいて下向き)の磁化32を有する第2の強磁性層20の状態に、例えば「1」を割り当てる。
このような作用に基づいて、第2の強磁性層20の異なる状態に、「0」または「1」が適宜割り当てられる。これにより、磁気記録素子110における「書き込み」が実施される。
一方、磁気抵抗効果が「リバースタイプ」の場合は、第1の非磁性層10nを介した第1の強磁性層10と第2の強磁性層20との間の電気抵抗は、第1の強磁性層10の磁化が第2の強磁性層20の磁化に対して平行である時には、反平行である時よりも高い。リバースタイプにおける「書き込み」動作は、ノーマルタイプの場合と同様である。
次に、「読み出し」動作について説明する。
磁気記録素子110における第2の強磁性層20の磁化の方向の検出は、例えば、磁気抵抗効果を利用して実施される。磁気抵抗効果においては、各層の磁化の相対的な向きにより電気抵抗が変わる。磁気抵抗効果を利用する場合、第1の強磁性層10と第2の強磁性層20との間にセンス電流を流し、磁気抵抗が測定される。センス電流の電流値は、記録時に流す電子電流60に対応する電流値よりも小さい。
図4(a)及び図4(b)は、実施形態に係る磁気記録素子の動作を例示する模式図である。
これらの図は、磁気記録素子110における「読み出し」動作の際の第1積層部SB1の状態を例示している。これらの図では、第2積層部SB2及び第3の非磁性層30nは省略されている。
図4(a)は、第1の強磁性層10の磁化の方向が、第2の強磁性層20の磁化の方向と同じ場合を例示している。図4(b)は、第1の強磁性層10の磁化の方向が、第2の強磁性層20の磁化の方と反平行(逆向き)である場合を例示している。
図4(a)及び図4(b)に表したように、第1積層部SB1にセンス電流61を流し、電気抵抗を検出する。
ノーマルタイプの磁気抵抗効果においては、図4(a)の状態の抵抗は、図4(b)の状態の抵抗よりも低い。リバースタイプの磁気抵抗効果においては、図4(a)の状態の抵抗は、図4(b)の状態の抵抗よりも高い。
これらの抵抗が互いに異なる状態に、それぞれ「0」と「1」とを対応づけることにより、2値データの記録の読み出しが可能となる。なお、センス電流61の向きは、図4(a)及び図4(b)に例示した方向に対して逆向きでも良い。
第1の強磁性層10及び第2の強磁性層20には、例えば、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む金属材料を用いることが好ましい。さらに、上記の群から選択された少なくともいずれかと、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)及びロジウム(Rh)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素と、の組み合わせによる合金を用いることができる。
第1の強磁性層10及び第2の強磁性層20において、含まれる磁性材料の組成や熱処理により特性を調整することができる。また、第1の強磁性層10及び第2の強磁性層20には、TbFeCo及びGdFeCoなどの希土類−遷移金属のアモルファス合金を用いることができる。第1の強磁性層10及び第2の強磁性層20には、Co/Pt、Co/Pd及びCo/Niなどの積層構造を用いることができる。Co/Ru、Fe/Au、Ni/Cu等は、下地層との組み合わせで垂直磁化膜となる。膜の結晶配向方向を制御することで、Co/Ru、Fe/Au、Ni/Cu等を、第1の強磁性層10及び第2の強磁性層20に用いることができる。
第1の非磁性層10nには、非磁性トンネルバリア層として機能する絶縁材料を用いることができる。具体的には、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)、マグネシウム(Mg)及び鉄(Fe)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む、酸化物、窒化物又は弗化物を用いることができる。
第1の非磁性層10nには、例えば、Al、SiO、MgO、AlN、Ta−O、Al−Zr−O、Bi、MgF、CaF、SrTiO、AlLaO、Al−N−O、Si−N−O等を用いることができる。第1の非磁性層10nには、例えば、非磁性半導体(ZnO、InMn、GaN、GaAs、TiO、Zn、Te、または、それらに遷移金属がドープされたもの)などを用いることができる。
第1の非磁性層10nの厚さは、約0.2ナノメートル(nm)以上2.0nm程度の範囲の値とすることが望ましい。これにより、例えば、絶縁膜の均一性を確保しつつ、抵抗が過度に高くなることが抑制される。
第2の非磁性層20nには、例えば、非磁性トンネルバリア層及び非磁性金属層のうちのいずれかを用いることができる。
非磁性トンネルバリア層には、例えば、絶縁材料が用いられる。具体的には、非磁性トンネルバリア層には、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)、マグネシウム(Mg)及び鉄(Fe)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む、酸化物、窒化物又は弗化物を用いることができる。非磁性トンネルバリア層としては、例えば、Al、SiO、MgO、AlN、Ta−O、Al−Zr−O、Bi、MgF、CaF、SrTiO、AlLaO、Al−N−O、及び、Si−N−Oなどを用いることができる。
非磁性トンネルバリア層として、非磁性半導体(ZnO、InMn、GaN、GaAs、TiO、Zn、Te、または、それらに遷移金属がドープされたもの)などを用いることができる。
第2の非磁性層20nとして、非磁性トンネルバリア層が用いられる場合、第2の非磁性層20nの厚さは、約0.2nm以上2.0nm程度の範囲の値とすることが望ましい。
第2の非磁性層20nに用いられる非磁性金属層には、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)及びビスマス(Bi)よりなる群から選択されたいずれかの非磁性金属、または、上記の群から選択された少なくともいずれか2つ以上の元素を含む合金を用いることができる。第2の非磁性層20nの厚さは、1.5nm以上、20nm以下とすることが望ましい。これにより、磁性層間で層間結合せず、かつ、伝導電子のスピン偏極状態が非磁性金属層を通過する際に失われることが抑制される。
第4の強磁性層40には、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む金属材料を用いることが好ましい。さらに、これらと、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)及びロジウム(Rh)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素と、の組み合わせによる合金を用いることができる。
第4の強磁性層40において、含まれる磁性材料の組成や熱処理により特性を調整することができる。第4の強磁性層40には、TbFeCo、GdFeCoなどの希土類−遷移金属のアモルファス合金を用いることができる。第4の強磁性層40には、Co/Pt、Co/Pd及びCo/Niなどの積層構造を用いることができる。Co/Ru、Fe/Au、Ni/Cu等は、下地層との組み合わせで垂直磁化膜となる。膜の結晶配向方向を制御することで、Co/Ru、Fe/Au及びNi/Cu等を第4の強磁性層40に用いることができる。
第3の非磁性層30nには、非磁性金属層が用いられる。
第3の非磁性層30nに用いられる非磁性金属層には、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、ビスマス(Bi)、イリジウム(Ir)及びオスミウム(Os)よりなる群から選択された少なくともいずれかの非磁性金属、または、上記の群から選択された2つ以上の元素を含む合金を用いることができる。
第3の非磁性層30nには、銅(Cu)などのスピン拡散長が長い材料、または、ルテニウム(Ru)などのスピン拡散長が短い材料を用いることができる。スピン偏極した電子が挿入される効果を消去したい場合には、ルテニウム(Ru)などのスピン拡散長が短い材料を、第3の非磁性層30nに用いることが望ましい。
既に説明したように、磁気記録素子110において、積層体SB0に電子電流を流すための一対の電極が設けられる。
電極には、導電性の磁性材料または導電性の非磁性材料が用いられる。導電性の磁性材料の例としては、第3の強磁性層30及び第4の強磁性層40に用いられる材料と同様の材料を挙げることができる。
導電性の非磁性材料の具体例としては、金(Au)、銅(Cu)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、ビスマス(Bi)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選択されたいずれかの金属、または、上記の群から選択された2つ以上を含む合金を用いることができる。
さらに、電極に用いられる導電性の非磁性材料として、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤ及びグラフェン等の材料が挙げられる。
電極に付与される導電性の保護膜には、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む合金、または、グラフェンなどの材料を用いることができる。エレクトロマグレーション耐性及び低抵抗であることを考慮すると、保護膜には、銅(Cu)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選択されたいずれかの元素、または、これらを含む合金を用いることが望ましい。
既に説明したように、Z軸に沿ってみたときの第1積層部SB1及び第2積層部SB2の形状は任意である。例えば、Z軸に沿ってみたときの第1積層部SB1及び第2積層部SB2の形状(膜面に対して平行な面で切断した形状)は、円形、楕円形、扁平円、並びに、四角形及六角形などの3つ以上の角を有する多角形の形状を有することができる。
Z軸に対して平行な平面で切断したときの第1積層部SB1及び第2積層部SB2の形状は任意である。Z軸に対して平行な平面で切断したときの第1積層部SB1及び第2積層部SB2の形状(膜面に対して垂直な面で切断した形状)は、例えば、テーパ形状または逆テーパ形状を有することができる。
以下、実施形態に係る磁気記録素子の構成の種々の例について、第2〜第6の実施形態として説明する。以下において、説明されない構成、及び、各要素の材料などは、磁気記録素子110に関して説明した構造及び各要素の材料と同様である。
(第2の実施の形態)
図5(a)及び図5(b)は、第2の実施形態に係る磁気記録素子の構成を例示する模式的断面図である。
図5(a)及び図5(b)に表したように実施形態に係る磁気記録素子110a及び110bにおいては、第2の強磁性層20、第1の非磁性層10n、第1の強磁性層10、第3の非磁性層30n、第4の強磁性層40、第2の非磁性層20n及び第3の強磁性層30がこの順に積層される。
磁気記録素子110a及び110bにおいては、第1の方向に固定された磁化(第1の強磁性層10の磁化)の垂直斜影成分の向きは、第2の方向に固定された磁化(第4の強磁性層0の磁化)の垂直斜影成分の向きに対して逆向きである。また、第3の強磁性層30において発生する回転磁界の向きと、第2の強磁性層20の磁化が歳差運動する向きと、は、一致する。第3の強磁性層30において発生した回転磁界は、第2の強磁性層20に、より効果的に作用する。第2の強磁性層20の磁化反転を、より効率的にアシストすることができる。これにより、第2の強磁性層20への書き込みに必要な電流を、より低減させることができる。
図6(a)及び図6(b)は、第2の実施形態に係る磁気記録素子の構成を例示する模式的断面図である。
図6(a)及び図6(b)に表したように実施形態に係る磁気記録素子110c及び110dにおいては、第1の強磁性層10の磁化の向き及び第4の強磁性層40の磁化の向きが膜面に対して斜めである。この場合も、第1の方向に固定された磁化(第1の強磁性層10の磁化)の垂直斜影成分の向きは、第2の方向に固定された磁化(第4の強磁性層40の磁化)の垂直斜影成分の向きに対して逆向きである。
第1の方向に固定された磁化の垂直斜影成分の向きが、第2の方向に固定された磁化の垂直斜影成分の向きに対して逆向きである場合には、第2の強磁性層20の位置において膜面に対して垂直な方向にかかる漏洩磁界を低減させることができる。すなわち、第2の強磁性層20の位置において膜面に対して垂直な方向にかかる漏洩磁界を打ち消すことができる。一方、第3の強磁性層30の位置において膜面に対して垂直な方向にかかる漏洩磁界を残留させ、作用させることができる。
これにより、第3の強磁性層30において発生する回転磁界の向きは、第2の強磁性層20の磁化が歳差運動する向きと一致する。第3の強磁性層30において発生した回転磁界により、第2の強磁性層20の磁化反転を効率的にアシストすることができる。その結果、第2の強磁性層20への情報の記録(書き込み)に必要な電流を低減させることができる。
磁気記録素子110a〜110dにおいて、第1の強磁性層10と第4の強磁性層40とは、第3の非磁性層30nを介して反強磁性結合していても良い。このように、非磁性層を介して互いの磁化の方向が反強磁性結合し反平行となる構造は、シンセティックアンチフェロ(SAF:Synthetic Anti-Ferromagnet)構造と呼ばれる。この例では、「第1の磁性層(例えば第1の強磁性層10)/非磁性層(例えば第3の非磁性層30n)/第2の磁性層(例えば第4の強磁性層40)」の積層構造が、SAF構造に対応する。
SAF構造を用いることにより、互いの磁化固定力が増強され、外部磁界に対する耐性、及び、熱的な安定性を向上させることができる。この構造では、磁気記録層(例えば第2の強磁性層20)の位置において膜面に対して垂直な方向にかかる漏洩磁界をほぼゼロにすることができる。
SAF構造における非磁性層(中間層)には、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)やオスミウム(Os)などの金属材料が用いられる。非磁性層の厚さは、3nm以下に設定される。これにより、非磁性層を介して十分強い反強磁性結合が得られる。
すなわち、第3の非磁性層30nは、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、及び、イリジウム(Ir)よりなる群から選択されたいずれかの金属、または、前記群から選択された少なくとも2つ以上を含む合金を含み、第3の非磁性層30nの厚さは、3nm以下であることが望ましい。
なお、実施形態に係る磁気記録素子に含まれる各層の寸法(幅及び厚さなど)は、例えば電子顕微鏡写真像などにより求められる。
(第3の実施の形態)
図7(a)及び図7(b)は、第3の実施形態に係る磁気記録素子の構成を例示する模式的断面図である。
図7(a)及び図7(b)に表したように、実施形態に係る磁気記録素子110e及び110fにおいては、第1の強磁性層10、第1の非磁性層10n、第2の強磁性層20、第3の非磁性層30n、第3の強磁性層30、第2の非磁性層20n及び第4の強磁性層40が、この順に積層される。この場合も、第1の強磁性層10の磁化及び第4の強磁性層40の磁化の向きは、膜面に対して斜めでも良い。
磁気記録素子110e及び110fにおいて、第1の方向に固定された磁化の垂直斜影成分の向きと、第2の方向に固定された磁化の垂直斜影成分の向きと、は、互いに逆向きである。これにより、第3の強磁性層30において発生する回転磁界の向きと、第2の強磁性層20の磁化が歳差運動する向きと、を一致させることができる。
磁気記録素子110e及び110fにおいては、第2の強磁性層20と第3の強磁性層30との間の距離は、磁気記録素子110a及び110bにおける距離よりも短い。これにより、第3の強磁性層30において発生した回転磁界は、第2の強磁性層20に、より大きく作用し、第2の強磁性層20の磁化反転をより効率的にアシストすることができる。これにより、第2の強磁性層への書き込みに必要な電流を、より低減させることができる。
磁気記録素子110e及び110fにおいて、第3の非磁性層30nにおいてスピン情報が保たれると、第3の強磁性層30は、第2の強磁性層20からのスピントランスファトルクの影響を受ける。このため、第3の強磁性層30の磁化回転の制御性が低下する場合がある。
このとき、第3の非磁性層30nとして、例えばルテニウム(Ru)などのようなスピン拡散長の短い膜(スピン消失の機能を持つ材料)、または、スピン拡散長の短い構造を有する層を用いることが望ましい。これにより、第3の強磁性層30の磁化回転の制御性の低下を抑制できる。
すなわち、第3の強磁性層30の磁化が歳差運動をするためのスピントランスファトルクの大きさは、第4の強磁性層40でのスピン偏極で決まる。この構成においては、他の電子のスピンの影響(スピントランスファトルク)を受けることなく、第3の強磁性層30の磁化を独立に制御することが可能となる。
第3の非磁性層30nのための、このようなスピン消失効果が得られる材料としては、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)及びバナジウム(V)よりなる群から選択された金属、または、これらの群から選択された2つ以上を含む合金を挙げることができる。
第3の非磁性層30nの厚さは、第2の強磁性層20と第3の強磁性層30とが層間磁気結合しない値に設定されることが望ましい。具体的には、第3の非磁性層30nの厚さは、1.4nm以上に設定することが望ましい。
第3の非磁性層30nの厚さが1.4nm以上であると、第2の強磁性層20と第3の強磁性層30とが層間結合せず、かつ、第3の非磁性層30nにおいて、伝導電子が第3の非磁性層30nの内部及び界面を通過する際にスピン偏極度を消失させることができる。さらに、第2の強磁性層20の磁化の向きにより第3の強磁性層30の歳差運動が変化することを、第3の非磁性層30nにより防ぐことができる。
一方、第3の非磁性層30nの厚さが20nmを超えると、多層膜のピラー形成が困難となる。さらに、第3の強磁性層30から発生する回転磁界の強度が、第2の強磁性層20の位置で減衰する。そのため、第3の非磁性層30nの厚さは、20nm以下に設定されることが望ましい。
第3の非磁性層30nとして、前述した単層膜の他に、積層膜を用いることができる。この積層膜は、例えば、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)及びバナジウム(V)よりなる群から選択された金属、または、その群から選択された2つ以上を含む合金を含む層と、その層の少なくとも片側に積層された銅(Cu)層と、の積層構成を有することができる。
さらに、第3の非磁性層30nに用いられる積層膜は、例えば、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)及びバナジウム(V)よりなる群から選択された金属、または、その群から選択された2つ以上を含む合金を含む第1層と、第1層の少なくとも片側に積層され、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、タングステン(W)及びルテニウム(Ru)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物を含む第2層と、を含む積層構成を有することができる。
(第4の実施の形態)
図8(a)及び図8(b)は、第4の実施形態に係る磁気記録素子の構成を例示する模式的断面図である。
図8(a)及び図8(b)に表したように、実施形態に係る磁気記録素子110g及び110hにおいては、第2の強磁性層20、第1の非磁性層10n、第1の強磁性層10、第3の非磁性層30n、第3の強磁性層30、第2の非磁性層20n及び第4の強磁性層40が、この順で積層される。この場合も、第1の強磁性層10の磁化及び第4の強磁性層40の磁化の向きは、膜面に対して斜めでも良い。
磁気記録素子110g及び110hにおいては、第1の方向に固定された磁化の垂直斜影成分の向きと、第2の方向に固定された磁化の垂直斜影成分の向きと、は、互いに逆向きである。第4の強磁性層40の磁化の向きに対して逆向きの磁界を印加することにより、第3の強磁性層30において発生する回転磁界の向きと、第2の強磁性層20の磁化が歳差運動する向きと、を一致させることができる。
磁気記録素子110g及び110hにおいては、第2の強磁性層20と第3の強磁性層30との間の距離は、磁気記録素子110a及び110bにおける距離よりも短い。そのため、磁気記録素子110e及び110fに関して説明した特性と同様の特性が得られる。これにより、第2の強磁性層20への書き込みに必要な電流を、より低減させることができる。
磁気記録素子110g及び110hにおいては、第3の強磁性層30へ入射される電子のスピン偏極の向きが、第4の強磁性層40でのスピン偏極の向き、及び、第1の強磁性層10でのスピン偏極の向きと同じである。これにより、例えば、第3の強磁性層30において発生する回転磁界の発生効率が向上する。
第3の非磁性層30n及び第2の非磁性層20nには、金属導体、絶縁体及び半導体のいずれを用いても良い。第3の非磁性層30nと第2の非磁性層20nとにおいて、異なる材料に基づく層を用いても良い。
第3の非磁性層30nとして絶縁体または半導体を用いた場合には、抵抗値が上昇する。このため、この場合には、第2の非磁性層20nとして金属導体を用いることが好ましい。金属導体として、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)及び金(Au)などを用いることが好ましい。
(第5の実施の形態)
図9(a)及び図9(b)は、第5の実施形態に係る磁気記録素子の構成を例示する模式的断面図である。
図9(a)及び図9(b)に表したように、実施形態に係る磁気記録素子110i及び110jにおいては、第1の強磁性層10、第1の非磁性層10n、第2の強磁性層20、第3の非磁性層30n、第4の強磁性層40、第2の非磁性層20n及び第3の強磁性層30が、この順で積層される。この場合も、第1の強磁性層10の磁化及び第4の強磁性層40の磁化の向きは、膜面に対して斜めでも良い。
磁気記録素子110i及び110jにおいては、第1の方向に固定された磁化の垂直斜影成分の向きは、第2の方向に固定された磁化の垂直斜影成分の向きに対して逆向きである。第4の強磁性層40の磁化の向きに対して逆向きの磁界を印加することにより、第3の強磁性層30において発生する回転磁界の向きと、第2の強磁性層20の磁化が歳差運動する向きと、を一致させることができる。
磁気記録素子110i及び110jにおいては、第2の強磁性層20と第3の強磁性層30との間の距離は、磁気記録素子110a及び110bにおける距離よりも短い。そのため、磁気記録素子110e及び110fに関して説明した特性と同様の特性が得られる。これにより、第2の強磁性層20への書き込みに必要な電流を、より低減させることができる。
磁気記録素子110i及び110jにおいては、第3の強磁性層30へ入射される電子のスピン偏極の向きが、第4の強磁性層40でのスピン偏極の向き、及び、第1の強磁性層10でのスピン偏極の向きと同じである。これにより、磁気記録素子110g及び110hに関して説明した特性と同様の特性が得られる。
磁気記録素子110i及び110jにおいて、第3の非磁性層30n及び第2の非磁性層20nとして、磁気記録素子110g及び110hに関して説明した材料と同様の材料を用いることができる。
(第6の実施の形態)
図10(a)及び図10(b)は、第6の実施形態に係る磁気記録素子の構成を例示する模式的断面図である。
図10(a)及び図10(b)に表したように、実施形態に係る磁気記録素子110k及び110lにおいては、第1積層部SB1の側面に対向する磁気シールド51が設けられる。磁気記録素子110lにおいては、磁気シールド51は、さらに、第2積層部SB2の側面、及び、第3の非磁性層30nの側面に対向している。
すなわち、磁気記録素子110k及び110lは、積層体SB0の側面の少なくとも一部に対向する磁気シールド51をさらに備える。磁気シールド51は、積層体SB0の側面の上記の少なくとも一部を覆う。
さらに、磁気記録素子110k及び110lは、積層体SB0の側面の上記の少なくとも一部と、磁気シールド51との間に設けられた保護層52をさらに備える。
磁気記録素子110kにおいては、磁気シールド51は、第1積層部SB1の側面を覆う。磁気記録素子110lにおいては、磁気シールド51は、第1積層部SB1の側面、第2積層部SB2の側面、及び、第3の非磁性層30nの側面を覆う。
例えば、第1積層部SB1の側面及び第2積層部SB2の側面は、例えばSiNやAlなどの保護層を介してパーマロイ(Py)などの磁気シールド51により覆われる。
これにより、複数の磁気記録素子が並べられた場合において、隣の磁気記録素子からの漏洩磁界が、第1積層部SB1及び第2積層部SB2の動作に影響を与えることが抑制される。これにより、回転磁界を発生させるために必要となる電流注入量を抑えることができる。また、第1積層部SB1及び第2積層部SB2からの漏洩磁界が、隣の磁気記録素子に作用することを抑制することができる。その結果、複数の磁気記録素子どうしを近接して配置することができ、集積度を向上することができる。
保護層52には、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)、マグネシウム(Mg)及び鉄(Fe)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む、酸化物、窒化物または弗化物を用いることができる。
磁気シールド51には、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びクロム(Cr)よりなる群から選択されたいずれかの元素、または、この群から選択された2つ以上を含む合金を用いることができる。
磁気シールド51には、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素と、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)及びロジウム(Rh)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素と、の組み合わせによる合金を用いることができる。
磁気シールド51に含まれる磁性材料の組成や熱処理により、磁気シールド51の特性を調整することができる。また、磁気シールド51には、TbFeCo及びGdFeCoなどの希土類−遷移金属のアモルファス合金を用いることができる。また、磁気シールド51には、Co/Pt、Co/Pd及びCo/Niなどの積層構造を用いることができる。
上記の磁気シールド51(及び保護層52)は、実施形態に係る磁気記録素子110、110a〜110j及びそれらの変形の磁気記録素子においても設けることができる。
実施形態に係る磁気記録素子の製造方法の例について説明する。以下の製造方法は、実施形態に係る磁気記録素子110、110a〜110j及びそれらの変形の磁気記録素子などに適用される。
以下の説明において、「材料A\材料B」は、材料Aの上に材料Bが積層されていることを指す。
ウェーハ上に下部電極(図示せず)を形成した後、そのウェーハを超高真空スパッタ装置内に配置する。下部電極上に、Ta\Ru層(電極とのコンタクト層、兼ストッパー層)、FePt\CoFeB\Cu\Py層(磁界発生源)、及び、Ta(ストッパー層)をこの順に積層する。これにより、加工体が形成される。
次に、EB(electron beam:電子線)レジストを塗布してEB露光を行い、直径100nmのレジストマスクを形成する。加工体のうちで、レジストで被覆されていない部分を、ストッパ層のTa層が露出するまで、イオンミリングによって削る。
この後、埋め込み絶縁層となるSiO膜を成膜した後、レジストをリフトオフする。
続いて、Ta\Cu(第3の非磁性層30n)、CoFeB\FePt層(第1の強磁性層10)、MgO(第1の非磁性層10n)、FePd\CoFeB層(第2の強磁性層20)、及び、その上にTa(電極とのコンタクト層)の層を、この順に積層させる。ここで、磁場中でアニールすることによって、FePd\CoFeB層とCoFeB\FePt層との膜面垂直方向の磁気異方性の強さを調節することもできる。
次に、EB(electron beam:電子線)レジストを塗布してEB露光を行い、直径20nmのレジストマスクを形成する。加工体のうちで、レジストで被覆されていない部分を、ストッパ層のTa層が露出するまで、イオンミリングによって削る。次に、埋め込み絶縁層となるSiO膜を成膜した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等で平坦化した後、RIE(Reactive Ion Etching)等で全面をエッチングすることで電極とのコンタクト層を露出させる。
さらに全面にレジストを塗布し、レジストの開口部が上部電極の位置に対応するように、ステッパ露光装置を用いてレジストをパターニングする。上部電極に対応する開口を埋め込むように、Cu膜を形成し、レジストを除去する。これにより、上部電極が形成される。上部電極に電気的に接続される配線(図示しない)が設けられる。
磁気記録素子110kの製造方法の例を説明する。
上記で説明した製造方法と同様に、下部電極上に、Ta\Ru層(電極とのコンタクト層、兼ストッパー層)、磁界発生源、及び、Ta(ストッパー層)をこの順に積層し、直径100nmのサイズに加工する。そして、第3の非磁性層30n、第1の強磁性層10、第1の非磁性層10n、第2の強磁性層20、及び、電極とのコンタクト層をこの順に積層し、直径20nmのサイズに加工する。そして、保護層52となるSiN層を形成した後、磁気シールド51となるPy層を形成する。エッチバックにより、Py層を積層体SB0の側壁に残す。さらに、埋め込み絶縁層となるSiO膜を形成し、加工し、上部電極を形成する。これにより、磁気記録素子110kが作製される。
上記において、保護層52となるSiN層及び磁気シールド51となるPy層の形成の順序を変えることで、磁気記録素子110lが作製できる。
既に説明したように、磁気記録素子110、110a〜110lにおいては、第2積層部SB2の第2外縁SBP2は、第1積層部SB1の第1外縁SBP1よりも外側に配置される。すなわち、第2積層部SB2の膜断面積は、第1積層部SB1の膜断面積よりも大きい。以下では、説明を簡単にするために、図1(b)及び図1(c)に例示したように、第1積層部SB1の平面形状及び第2積層部SB2の平面形状が略円形である場合として説明する。第2積層部SB2の径(第2径D2)は、第1積層部SB1の径(第1径D1)よりも大きい。
ここで、第1積層部SB1の側面がZ軸に対して傾斜している場合(テーパ形状の場合)は、第1積層部SB1の第1径D1は、第1の強磁性層10の径と第2の強磁性層20の径との平均値とする。同様に、第2積層部SB2の側面がZ軸に対して傾斜している場合(テーパ形状の場合)は、第2積層部SB2の第2径D2は、第3の強磁性層30の径と第4の強磁性層40の径との平均値とする。
例えば、上記の製造方法の例では、第2径D2は100nmであり、第1径D1は、20nmである。
第2積層部SB2(磁界発生源)の第2径D2が、第1積層部SB1(磁気記録部)の第1径D1よりも大きいため、磁気記録部は、磁界発生源の第3の強磁性層30の平衡時において磁化角度が均一な領域の上に配置されている。そのため、磁気記録部に対して磁界発生源の発振は初期角度が均一な状態から始まる。これにより、安定な発振に至るまでの時間が短縮し、高速な磁化反転が可能となる。すなわち、書き込み時における磁化反転がより高速に起こる。
以下、実施形態に係る磁気記録素子の特性について説明する。
図11は、磁気記録素子の特性を例示するグラフ図である。
図11は、磁気記録素子の磁界発生源の特性についてマイクロマグネティクスを用いたシミュレーションを実施した結果の例を表している。図11の横軸は、時間t(ナノ秒:ns)である。縦軸は、強磁性層30の膜面内方向(例えばX軸方向)の磁化Mxである。
このシミュレーションにおいては、磁気記録部は、直径20nmのピラー型形状とした。すなわち、第1径D1=20nmである。第4の強磁性層40(厚さ10nm)は、Ms(磁化)=1000emu/ccで、Ku=8Merg/cmの垂直磁化膜とした。第2の非磁性層20nは、Cu層(厚さ2nm)とした。第3の強磁性層30(厚さ2nm)は面内磁化膜であり、Ms(磁化)=1700emu/ccで、Ku=5000erg/cmとした。スピン偏極度は0.4とし、ダンピング定数は0.01とした。
この時、第4の強磁性層40で発生して第3の強磁性層30に印加される漏洩磁界の強度は、面内分布を持つ。このため、第3の強磁性層30の磁化は、外縁部で面内方向の磁界を受けて傾く。その結果、磁界発生源は、発振初期の挙動において磁化方向に分布があるために、安定した発振にいたるまでに時間を要することになる。
図11では、第3の強磁性層30の大きさ(例えば第2径D2)が100nmの場合と、20nmの場合と、における発振初期の挙動が例示されている。両方の場合において、第1積層部SB1の大きさ(例えば第1径D1)は、20nmである。
図11から分かるように、第3の強磁性層30の大きさが100nmである場合、20nmの場合に比べて、安定に発振するまでの時間tが短縮されている。これは、第3の強磁性層30の大きさが100nmである場合には、第4の強磁性層40からの漏洩磁界の分布が均一な領域内に、第1積層部SB1が位置するためであると考えられる。
このように、第4の強磁性層40からの漏洩磁界の分布が均一な領域において、第3の強磁性層30の磁化が歳差運動をするようにすることで、安定な発振に至るまで時間を短縮することができる。
例えば、第4の強磁性層40からの漏洩磁界の分布が均一な領域内に、磁気記録部が設けられる構成において、電流を通電すると磁気記録部と接する面に集中して電流が流れる。その結果、第3の強磁性層30の磁化が歳差運動する領域は、第4の強磁性層からの漏洩磁界の分布が均一な領域内に限られる。このため、第3の強磁性層30の発振が短縮する。これにより、磁気記録部の磁化反転をより効果的にアシストすることができる。
このように、第4の強磁性層40から発生した漏洩磁界の強度が均一となる位置(言い換えると、第3の強磁性層30の磁化の傾きが均一な領域)に磁気記録部を配置することで、磁気記録部の磁化反転が高速化できる。
図12(a)及び図12(b)は、磁気記録素子の特性を例示するグラフ図である。 これらの図は、第3の強磁性層30の磁化を面内方向へ傾ける漏洩磁界の分布をシミュレーションにより求めた結果を示している。これらの図の横軸は、積層体SB0のX−Y平面内の中心からの距離dxである。距離dxは、図1(b)に表したように、積層体SB0のX−Y平面内の中心からの、例えばX軸方向に沿った距離である。縦軸は、面内方向の磁界強度Hpである。
このシミュレーションにおいては、磁界発生源の直径(例えば第2径D2)をパラメータとして変えた。第4の強磁性層40(厚さ10nm)は、Ku=8Merg/cmの垂直磁化膜とした。第4の強磁性層40のMsは、800〜1700emu/ccの間でパラメータとして変えた。第2の非磁性層20nは、Cu層(厚さ2nm)とした。第3の強磁性層30(厚さ2nm)は、面内磁化膜であり、Ms=800emu/cc、Ku=5000erg/cmとした。
図12(a)及び図12(b)に表したように、磁界発生源の直径(第2径D2)が大きくなると、面内方向の磁界強度Hpがピークとなる距離dxは増大する。
第3の強磁性層30の磁化の傾きがほぼ均一となる領域の目安として、面内方向の磁界強度Hpがピーク値の半分となる位置に着目した。
図13は、磁気記録素子の特性を例示するグラフ図である。
図13は、第3の強磁性層30の直径(例えば第2径D2)を変えた時に、面内方向の磁界強度Hpが半分となる位置の外縁(外周)からの距離Δxを例示している。横軸は、第2径D2である。縦軸は、距離Δxである。
図13に例示した条件sp1〜条件sp3において、第4の強磁性層40の厚さは、10nmとされた。条件sp1、条件sp2及び、条件sp3は、強磁性層40のMsが、800emu/cc、1000emu/cc、及び、1700emu/ccの場合にそれぞれ相当する。
図13から分かるように、第4の強磁性層40のMsの大きさによらず、距離Δxが約7nmの位置で、面内方向の磁界強度Hpがピーク値の半分となることが分かった。
すなわち、第4の強磁性層40の外縁から7nmの位置で、面内方向の磁界強度Hpが半分となる。さらに、直径が200nm及び400nmである場合においても、外縁から7nmの位置で、面内方向の磁界強度Hpが半分となることが判明した。
この特性は、発明者の上記の検討により初めて見出された。
このことから、図1(b)及び図1(c)に表したように、Z軸に沿ってみたときの第4の強磁性層40の外縁(例えば第2積層部SB2の第2外縁SBP2)は、Z軸に沿ってみたときの第1積層部SB1の第1外縁SBP1よりも外側であり、第4の強磁性層40の外縁(例えば第2外縁SBP2)と第1外縁SBP1との間の距離Ddは、7nm以上に設定されることが望ましい。
すなわち、実施形態において、第4の強磁性層40の外縁(例えば第2積層部SB2の第2外縁SBP2)のうちの、Z軸に沿ってみたときに第1積層部SB1の第1外縁SBP1よりも外側の部分と、Z軸に沿ってみたときの第1積層部SB1の第1外縁SBP1と、の距離Ddは、7nm以上であることが望ましい。
さらに、第4の強磁性層40のMSを1000emu/ccとして、第4の強磁性層40の厚さを10nm〜20nmの範囲で変えた時の面内方向の磁界強度Hpがピーク値の半分となる位置の外縁からの距離Δxをシミュレーションにより求めた。
図14は、磁気記録素子の特性を例示するグラフ図である。
図14は、第4の強磁性層40の厚さを変えた時に、面内方向の磁界強度Hpが半分となる位置の外縁からの距離Δxのシミュレーション結果を例示している。横軸は、第2径D2である。縦軸は、距離Δxである。
図14に例示した条件sp4〜条件sp6は、第4の強磁性層40の厚さが10nm、15nm及び20nmの場合にそれぞれ相当する。
図14から分かるように、第4の強磁性層40の厚さが0nmで、第3の強磁性層30の直径(第2径D2)が100nmの場合、距離Δxは、9.5nmであった。さらに、直径を20nmよりも大きくした場合においても、距離Δxは、10nm未満であった。
以上から、第4の強磁性層40の厚さが20nm以下の場合は、磁気記録部は、第4の強磁性層40の外縁(例えば磁界発生源の外縁)から10nm以上内側に配置されるようにすれば良い。
実施形態において、第2の強磁性層20の位置において、第1の強磁性層10からの磁界と、第4の強磁性層40からの漏洩磁界とが、互いに打ち消すような構成にすることができる。これにより、第2の強磁性層20を磁化反転させる際に通電方向に対する非対称な応答性を改善することができる。以下に説明する構成は、これを達成する構造である。
漏洩磁界を打ち消すような構成の場合、第4の強磁性層0の厚さは、10nm程度とすることが望ましい。以下の例においては、磁気記録部の外縁は、第4の強磁性層40の外縁(例えば磁界発生源の外縁)から7nm以上内側に配置される。
第1の具体例に係る磁気記録素子121(図1(a)〜図1(c)参照)は、磁気記録素子110と同様の構成を有する。
磁気記録素子121においては、磁界発生源の直径(第2径D2)は100nmである。第4の強磁性層40(厚さ10nm)は、Ms=800emu/ccで、Ku=8Merg/cmの垂直磁化膜である。第2の非磁性層20nは、Cu層(厚さ2nm)である。第3の強磁性層30(厚さ2nm)は、面内磁化膜であり、Ms=1000emu/ccで、Ku=5000erg/cmである。
この磁界発生源の膜面中心と、磁気記録部の膜面中心が一致するように、磁気記録部が積層される。磁気記録部の直径(第1径D1)は20nmである。第1の強磁性層10(厚さ10nm)は、Ms=800emu/ccで、Ku=8Merg/cmの垂直磁化膜である。第1の非磁性層10nは、MgO層(厚さ1nm)である。第2の強磁性層20(厚さ2nm)は、垂直磁化膜であり、Ms=800emu/ccで、Ku=4Merg/cmである。第3の非磁性層30nは、Cu層(厚さ10nm)である。
磁気記録素子121において、第1の強磁性層10の磁化方向が、第2の強磁性層20の磁化方向に対して逆向きの状態において、磁界発生源から磁気記録部に向かう方向へ、14マイクロアンペア(μA)、すなわち、3.6MA/cmの電流を流した時、磁化は、3.4nsで反転する。
磁気記録部が直径100nm(第2の強磁性層20は、M=800emu/ccで、Ku=4.1Merg/cm)であり、磁気記録部の直径と磁界発生源の直径とが同じである参考例においては、280μA(3.6MA/cm)の電流を流した時、磁化は、4.4nsで反転する。
このように、第1積層部SB1の断面積を第2積層部SB2の断面積よりも小さく設定することで、高速な磁化反転が得られる。
第2〜第5の具体例に係る磁気記録素子122〜125(図5(a)、図7(a)、図8(a)及び図9(a)参照)は、それぞれ、磁気記録素子110a、110e、110g及び110iとそれぞれ同様の構成を有する。
磁気記録素子122〜125において、磁界発生源の直径、第4の強磁性層40の構成、第2の非磁性層20nの構成、第3の強磁性層30の構成、磁気記録部の直径、第1の強磁性層10の構成、第1の非磁性層10nの構成、及び、第2の強磁性層20の構成は、磁気記録素子121と同様である。
磁気記録素子122において、第3の強磁性層30から発生する磁界の、第2の強磁性層20の位置における強度は、第3の非磁性層30nの設計によって変化する。
磁界発生源から発生した磁界によって磁気記録部の磁化反転が効果的にアシストされるためには、第2の強磁性層20の異方性磁界の数%程度の磁界が必要である。磁界が大きいほどアシスト効果が向上する。
図15は、実施形態に係る磁気記録素子の特性を例示するグラフ図である。
同図は、磁気記録素子122の構成において、第3の非磁性層30nの厚さt30n(図1(b)参照)を変えた時の、第2の強磁性層20の位置における磁界強度H20をシミュレーションにより求めた結果を例示している。同図には、磁界発生源のMsが800emu/ccの場合と、1000emu/ccの場合と、の結果が例示されている。
図15から分かるように、第3の強磁性層30のMsが1000emu/ccの時、異方性磁界の1%の強度を得るために、第3の非磁性層30nの厚さは1nmとされる。
この結果から、磁気記録素子122においては、第3の非磁性層30nは、Cu層(厚さ1nm)とされる。
磁気記録素子122において、第1の強磁性層10の磁化方向が第2の強磁性層の磁化方向に対して逆向きの状態において、磁界発生源から磁気記録部に向かう方向へ14μA(3.6MA/cm)の電流を流した時、磁化は3.4nsで反転する。
磁気記録素子122においては、発生した磁界の回転方向と、磁気記録部の磁化の歳差運動の方向と、が一致するため、磁化反転がさらに高速に生じる。
図16は、実施形態に係る磁気記録素子の特性を例示するグラフ図である。
同図は、磁気記録素子123の構成において、第3の非磁性層30nの厚さt30nを変えた時の、第2の強磁性層20の位置における磁界強度H20をシミュレーションにより求めた結果を例示している。
図16から分かるように、第3の強磁性層30のMsが1000emu/ccの時、第3の非磁性層30nの厚さt30nが10nmにおいて、異方性磁界の5%の強度が得られる。磁気記録素子123においては、第2の強磁性層20と第3の強磁性層30との間の距離は、第2の具体例(磁気記録素子122)と比較して短い。このため、磁気記録素子123においては、アシスト効果を得るための磁界強度が低減する。
磁気記録素子123においては、第2の強磁性層20と第3の強磁性層30との間でスピントルクの受け渡しが無い方が望ましい。
以上の結果から、第3の非磁性層30nは、Ru層(厚さ10nm)とされる。
磁気記録素子123において、第1の強磁性層10の磁化方向が第2の強磁性層20の磁化方向に対して逆向きの状態において、磁界発生源から磁気記録部に向かう方向へ、14μA(3.6MA/cm)の電流を流した時、磁化は、2.1nsで反転する。
磁気記録素子123においては、発生した磁界の回転方向と、磁気記録部の磁化の歳差運動の方向と、が一致することに加え、異方性磁界の5%もの大きな磁界強度が得られるため、磁化反転がさらに高速に生じる。
図17は、実施形態に係る磁気記録素子の特性を例示するグラフ図である。
同図は、磁気記録素子124の構成において、第3の非磁性層30nの厚さt30nを変えた時の、第2の強磁性層20の位置における磁界強度H20をシミュレーションにより求めた結果を例示している。
図17から分かるように、第3の強磁性層30のMsが1000emu/ccの時、第3の非磁性層30nの厚さt30nが5nmにおいて、異方性磁界の3%の強度が得られる。この場合も、第2の強磁性層20と第3の強磁性層30との間の距離は、第2の具体例(磁気記録素子122)と比較して短い。このため、磁気記録素子124においても、アシスト効果を得るための磁界強度が低くすむ。
この結果に基づき、磁気記録素子124においては、第3の非磁性層30nは、Cu層(厚さ5nm)とされる。
磁気記録素子124においては、発生する磁界の回転方向と、第2の強磁性層20の磁化の歳差運動の向きと、を一致させるために、磁気記録部から磁界発生源に向かう方向へ5kOeの磁界が印加される。
磁気記録素子124において、第1の強磁性層10の磁化方向が第2の強磁性層の磁化方向の向きに対して逆向きの状態において、磁界発生源から磁気記録部に向かう方向へ14μA(3.6MA/cm)の電流を流した時、磁化は2.8nsで反転する。
磁気記録素子124においても、発生した磁界の回転方向と、磁気記録部の磁化の歳差運動の方向と、が一致するため、磁化反転がさらに高速に生じる。
図18は、実施形態に係る磁気記録素子の特性を例示するグラフ図である。
同図は、磁気記録素子125の構成において、第3の非磁性層30nの厚さt30nを変えた時の、第2の強磁性層20の位置における磁界強度H20をシミュレーションにより求めた結果を例示している。
図18から分かるように、第3の強磁性層30のMsが1000emu/ccの時、第3の非磁性層30nの厚さt30nが2nmにおいて、異方性磁界の2%の強度が得られる。この場合も、第2の強磁性層20と第3の強磁性層30との間の距離は、第2の具体例(磁気記録素子122)と比較して短い。このため、磁気記録素子125においても、アシスト効果を得るための磁界強度が低い。
この結果に基づき、磁気記録素子125においては、第3の非磁性層30nは、Cu層(厚さ2nm)とされる。
また、磁気記録素子125において、発生する磁界の回転方向と、第2の強磁性層20の磁化の歳差運動の向きと、を一致させるため、磁気記録部から磁界発生源に向かう方向へ5kOeの磁界が印加される。
磁気記録素子125において、第1の強磁性層10の磁化方向が第2の強磁性層20の磁化方向に対して逆向きの状態において、磁界発生源から磁気記録部に向かう方向へ、14μA(3.6MA/cm)の電流を流した時、磁化は3.1nsで反転する。
磁気記録素子125においても、発生した磁界の回転方向と、磁気記録部の磁化の歳差運動の方向と、が一致するため、磁化反転が、さらに高速に生じる。
図19は、磁気記録素子の特性を示すグラフ図である。
すなわち、同図には、上記の具体例の磁気記録素子121、122、123、124及び125における磁化反転に要する時間trが示されている。そして、同図には、磁気記録部の直径が磁界発生源の直径と同じである参考例の磁気記録素子119(D1=D2=20nm)における磁化反転に要する時間trが示されている。
図19に表したように、参考例の磁気記録素子119においては、磁化反転に要する時間trは、4.4nであるのに対して、実施形態に係る磁気記録素子121〜125においては、時間trは2.1n〜3.4nである。このように、実施形態によれば、磁化反転が高速に生じる。
第1〜第5の具体例(磁気記録素子121〜125)において、磁気記録部の膜面中心が磁界発生源の膜面中心と一致する例を説明したが、相互の位置の関係は、任意である。例えば、実施形態においては、第4の強磁性層40の外縁(例えば、磁界発生源である第2積層部SB2の外縁SBP2)よりも、磁気記録部の外縁(第1積層部SB1の外縁SBP1)が内側であり、外縁どうしの距離(距離Dd)が7nm以上であるように配置される。これにより、同様に、高速の磁化反転が得られる。
上記の例では、第3の強磁性層30及び第2の非磁性層の大きさ(幅)が、第4の強磁性層40の大きさ(幅)と同じである。すなわち、上記の例では、積層軸SD1を法線とする平面における第3の強磁性層30及び第2の非磁性層20nの外縁は、その平面における第1積層部SB1の外縁よりも外側の部分を有する。例えば、第3の強磁性層30及び第2の非磁性層20nの加工は、第4の強磁性層40の加工と一緒に一括して実施される。これにより、用いる材料やプロセスに応じて、高い生産性が得られる。
図20(a)〜図20(c)は、実施形態に係る磁気記録素子の構成を例示する模式図である。
図20(a)及び図20(b)に表したように、実施形態に係る磁気記録素子131及び132においては、1つの磁界発生源(第2積層部SB2)に対して、複数の磁気記録部(第1積層部SB1)が設けられる。また、磁気記録部の一端に第1の配線81(例えばビット線BL)が接続される。磁界発生源の一端に第2の配線82が接続される。この例では、磁界発生源と第2の配線との間にトランジスタ(例えば選択トランジスタ)が設けられる。この場合も、複数の磁気記録部の外縁は、磁界発生源の外縁から7nm以上内側に入った位置に配置される。
図20(c)に表したように、実施形態に係る磁気記録素子133においては、1つの第4の強磁性層40に対して、複数の第3強磁性層30、第2の非磁性層20n、第2の強磁性層20、第1の非磁性層10n及び第1の強磁性層10の積層体が設けられる。この例では、第3の強磁性層30の大きさ(幅)が、第4の強磁性層40の大きさ(幅)と異なる。ただし、この例においても、第4の強磁性層40の外縁は、第1積層部SB1の外縁よりも外側の部分を有する。これにより、高速の磁化反転が得られる。
この例では、第3の強磁性層30の外縁の位置及び第2の非磁性層20nの外縁の位置は、第1積層部SB1の外縁の位置と同じである。例えば、第3の強磁性層30及び第2の非磁性層20nの加工は、第1積層部SB1の加工と一緒に一括して実施される。これにより、用いる材料やプロセスに応じて、高い生産性が得られる。
図21(a)〜図21(c)は、実施形態に係る磁気記録素子の構成を例示する模式図である。
図21(a)及び図21(b)に表したように、実施形態に係る磁気記録素子134及び135においては、1つの磁界発生源(第2積層部SB2)に対して、複数の磁気記録部(第1積層部SB1)が設けられる。また、磁界発生源の一端に第1の配線81(例えばビット線BL)が接続される。磁気記録部の一端に第2の配線82が接続される。この例では、磁気記録部と第2の配線82との間にトランジスタ(例えば選択トランジスタ)が設けられる。この場合も、複数の磁気記録部の外縁は、磁界発生源の外縁から7nm以上内側に入った位置に配置される。
図21(c)に表したように、実施形態に係る磁気記録素子136においては、1つの第4の強磁性層40に対して、複数の第3強磁性層30、第2の非磁性層20n、第2の強磁性層20、第1の非磁性層10n及び第1の強磁性層10の積層体が設けられる。この例でも、第3の強磁性層30の大きさ(幅)が、第4の強磁性層40の大きさ(幅)と異なるが、第4の強磁性層40の外縁は、第1積層部SB1の外縁よりも外側の部分を有する。これにより、高速の磁化反転が得られる。
磁気記録素子131〜136は、不揮発性記憶装置である。不揮発性記憶装置は、磁気記録素子を含む。不揮発性記憶装置は、磁気記録素子のアレイを含む。
実施形態に係る不揮発性記憶装置は、実施形態に係る磁気記録素子と、磁気記録素子の一端に接続された第1の配線81と、磁気記録素子の他端に接続された第2の配線82と、を備える。
実施形態に係る不揮発性記憶装置は、磁気記録素子と第1の配線81との間、及び、磁気記録素子と第2の配線82の間の少なくともいずれかの間に設けられた選択トランジスタをさらに備えることができる。
図22は、実施形態に係る不揮発性記憶装置の構成を例示する模式図である。
図22に表したように、実施形態に係る不揮発性記憶装置140は、メモリセルアレイMCAを備える。メモリセルアレイMCAは、マトリクス状に配列された複数のメモリセルMCを有する。
各メモリセルMCは、実施形態に係る磁気記録素子のいずれかを、MTJ素子として有する。
メモリセルアレイMCAには、それぞれが列(カラム)方向に延在するように、複数のビット線対(ビット線BL及びビット線/BL)が配置されている。メモリセルアレイMCAには、それぞれが行(ロウ)方向に延在するように、複数のワード線WLが配置されている。
ビット線BLとワード線WLとの交差部分に、メモリセルMCが配置される。各メモリセルMCは、MTJ素子と選択トランジスタTRとを有する。MTJ素子の一端は、ビット線BLに接続されている。MTJ素子の他端は、選択トランジスタTRのドレイン端子に接続されている。選択トランジスタTRのゲート端子は、ワード線WLに接続されている。選択トランジスタTRのソース端子は、ビット線/BLに接続されている。
ワード線WLには、ロウデコーダ141が接続されている。ビット線対(ビット線BL及びビット線/BL)には、書き込み回路142a及び読み出し回路142bが接続されている。書き込み回路142a及び読み出し回路142bには、カラムデコーダ143が接続されている。
各メモリセルMCは、ロウデコーダ141及びカラムデコーダ143により選択される。メモリセルMCへのデータ書き込みの例は、以下である。まず、データ書き込みを行うメモリセルMCを選択するために、このメモリセルMCに接続されたワード線WLが活性化される。これにより、選択トランジスタTRがオンする。
ここで、MTJ素子には、双方向の書き込み電流が供給される。具体的には、MTJ素子に左から右へ書き込み電流を供給する場合、書き込み回路142aは、ビット線BLに正の電位を印加し、ビット線/BLに接地電位を印加する。また、MTJ素子に右から左へ書き込み電流を供給する場合、書き込み回路142aは、ビット線/BLに正の電位を印加し、ビット線BLに接地電位を印加する。このようにして、メモリセルMCに、データ「0」、または、データ「1」を書き込むことができる。
メモリセルMCからのデータ読み出しの例は、以下である。まず、メモリセルMCが選択される。読み出し回路142bは、MTJ素子に、例えば右から左へ流れる読み出し電流を供給する。そして、読み出し回路142bは、この読み出し電流に基づいて、MTJ素子の抵抗値を検出する。このようにして、MTJ素子に記憶された情報を読み出すことができる。
実施形態によれば、書き込み時における磁化反転がより高速に起こる磁気記録素子及び不揮発性記憶装置が提供される。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気記録素子に含まれる強磁性層、非磁性層、電極など、並びに、不揮発性記憶装置に含まれる配線及びトランジスタなどの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気記録素子及び不揮発性記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気記録素子及び不揮発性記憶装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…第1の強磁性層、 10n…第1の非磁性層、 12a…磁化、 20…第2の強磁性層、 20n…第2の非磁性層、 30…第3の強磁性層、 30n…第3の非磁性層、 32…磁化、 40…第4の強磁性層、 51…磁気シールド、 52…保護層、 60…電子電流、 61…センス電流、 72…磁化、 72a、72b…磁化成分、 81…第1の配線、 82…第2の配線、 110、110a〜110l、119、121〜125、131〜136…磁気記録素子、 140…不揮発性記憶装置、 141…ロウデコーダ、 142a…書き込み回路、 142b…読み出し回路、 143…カラムデコーダ、 Δx…距離、 /BL…ビット線、 BL…ビット線、 D1…第1径、 D2…第2径、 Dd…距離、 H20…磁界強度、 Hp…磁界強度、 MC…メモリセル、 MCA…メモリセルアレイ、 SB0…積層体、 SB1…第1積層部、 SB2…第2積層部、 SBP1…第1外縁、 SBP2…第2外縁、 SD1…積層軸、 SD2…面内軸、 TR…選択トランジスタ、 WL…ワード線、 dx…距離、 sp1〜sp6…条件、 t…時間、 tr…時間反転に要する時間、 t30…厚さ

Claims (11)

  1. 膜面に対して垂直な成分を有する第1の方向に磁化が固定された第1の強磁性層と、
    磁化の方向が膜面に対して垂直な方向に可変である第2の強磁性層と、
    前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層との間に設けられた第1の非磁性層と、
    を含む第1積層部と、
    前記第1の強磁性層、前記第2の強磁性層及び前記第1の非磁性層が積層される積層軸に沿って前記第1積層部と積層され、
    磁化の方向が膜面に対して平行な方向に可変である第3の強磁性層と、
    前記第3の強磁性層と前記積層軸に沿って積層され、膜面に対して垂直な成分を有する第2の方向に磁化が固定された第4の強磁性層と、
    前記第3の強磁性層と前記第4の強磁性層との間に設けられた第2の非磁性層と、
    を含む第2積層部と、
    を含む積層体を備え、
    前記積層軸を法線とする平面における前記第4の強磁性層の外縁は、前記平面における前記第1積層部の外縁よりも外側の部分を有し、
    前記積層軸に沿って前記積層体に電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第2の強磁性層に作用させ、且つ、前記第3の強磁性層の磁化を歳差運動させることにより発生する磁場を前記第2の強磁性層に作用させることにより、前記第2の強磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定可能としたことを特徴とする磁気記録素子。
  2. 前記平面における前記第3の強磁性層及び前記第2の非磁性層の外縁は、前記平面における前記第1積層部の前記外縁よりも外側の部分を有することを特徴とする請求項1記載の磁気記録素子。
  3. 前記第1の方向は、前記第2の方向に対して逆向きであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録素子。
  4. 前記積層体は、前記第1積層部と前記第2積層部との間に設けられた第3の非磁性層をさらに含み、
    前記第3の非磁性層は、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、ビスマス(Bi)、イリジウム(Ir)及びオスミウム(Os)よりなる群から選択された少なくともいずれかの非磁性金属、または、前記群から選択された2つ以上を含む合金を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気記録素子。
  5. 前記積層体は、前記第1積層部と前記第2積層部との間に設けられた第3の非磁性層をさらに含み、
    前記第3の非磁性層は、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、及び、バナジウム(V)よりなる群から選択されたいずれかの金属、または、前記群から選択された少なくとも2つ以上を含む合金を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気記録素子。
  6. 前記積層体は、前記第1積層部と前記第2積層部との間に設けられた第3の非磁性層をさらに含み、
    前記第3の非磁性層は、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、及び、イリジウム(Ir)よりなる群から選択されたいずれかの金属、または、前記群から選択された少なくとも2つ以上を含む合金を含み、
    前記第3の非磁性層の厚さは、3ナノメートル以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気記録素子。
  7. 前記第4の強磁性層の前記外縁は、前記第1積層部の前記外縁よりも外側であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の磁気記録素子。
  8. 前記第4の強磁性層の前記外縁のうち前記第1積層部の前記外縁よりも外側の部分と前記第1積層部の前記外縁との距離は、7ナノメートル以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の磁気記録素子。
  9. 前記積層体の少なくとも一部の側面に対向する磁気シールドをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の磁気記録素子。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の磁気記録素子と、
    前記磁気記録素子の一端に接続された第1の配線と、
    前記磁気記録素子の他端に接続された第2の配線と、
    を備えたことを特徴とする不揮発性記憶装置。
  11. 前記磁気記録素子と前記第1の配線との間、及び、前記磁気記録素子と前記第2の配線の間の少なくともいずれかの間に設けられた選択トランジスタをさらに備えたことを特徴とする請求項10記載の不揮発性記憶装置。
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