ルータ等のネットワーク装置、サーバ、大型コンピュータを含む様々な情報/信号処理装置において、情報/信号処理の大規模化、高速化が進んでいる。これらの装置においては、例えば、回路基板(ボード)におけるCPUおよびメモリ相互間、配線基板相互間、装置(ラック)相互間等における信号伝送は、一般に、電気配線により行われてきた。しかし、伝送速度、伝送容量、消費電力、伝送路からの輻射、伝送路に対する電磁波の干渉等の観点における優位性から、上述の電気配線に代えて、光ファイバ等を伝送路として光により信号を伝送する、いわゆる、光インタコネクションが、実際に導入されはじめている。
そのような光インタコネクションにおいては、複数の伝送チャネル(複数本の光ファイバ)で並行して光信号を伝送する場合も多い。
光インタコネクションにおいては、電気信号を光信号に変換して光信号を送信する光送信モジュール、および、光信号を受信し電気信号に変換する光受信モジュール、あるいは、それらの両方の機能を有する光モジュール(以下、光送受信モジュールともいう)が、光インタコネクションにおける主要な光部品である。
従って、複数の伝送チャネルにおいては、光送受信モジュールは、並行して光信号の送信/受信を行うべく、上述のような複数の伝送チャネル(多チャンネル)の光送受信モジュールには、複数本の光ファイバが接続される。
光送受信モジュールを回路基板(ボード)に実装する作業や光ファイバ配線の敷設作業を考慮するならば、光送受信モジュールと光ファイバとの接続形態は、永久接続よりもコネクタ接続であることが望ましい。ここでの、永久接続とは、光送受信モジュールをボード実装する際、既に光送受信モジュールに光ファイバが接続されていることをいう。コネクタ接続とは、光ファイバと回路基板とが、光コネクタを介して手作業で簡単に接続可能な接続をいう。これに関しては、光送受信モジュールだけでなく、光インタコネクションに用いられる他の光部品についても同様である。
そのようなコネクタ接続に関しては、例えば、特許文献1および特許文献2にも示されるように、複数個の光半導体素子(半導体レーザまたはフォトダイオード)と複数本の光ファイバとが、レセプタクルおよびプラグからなる光コネクタを介して接続される方法が提案されている。
光コネクタは、例えば、特許文献1または図11(A)および(B)にも示されるように、光ファイバ6ai(i=1〜n,nは正の整数)の一端に接続されるプラグ2と、プラグ2のハウジング2A、および、光ファイバ6aiの素線6bが接続されるレセプタクル4とを含んで構成されている。なお、図11(A)および(B)においては、プラグ2をレセプタクル4に対して保持するロック機構の図示が省略されている。そのようなロック機構は、特許文献2に開示されている。
プラグ2のハウジング2Aは、片持ちばりのように支持される光ファイバ6aiの素線6bが一列状に互いに平行に配置されるファイバ収容部2aを有している。図11(A)に示されるように、接続される以前において、光ファイバ6aiの素線6bの長さは、その自由端の位置がハウジング2Aの開口端の端面と共通の平面上にあるような長さに設定されている。
レセプタクル4は、プラグ2のハウジング2Aの外周部が内周部4aに嵌合されるハウジング4Aと、ハウジング4A内に配されるガイド部材10とを含んで構成されている。
光送受信モジュール8のレセプタクル4が構成される部分は、光半導体素子8ai(i=1〜n,nは正の整数)と、その上方位置に光半導体素子8aiに対応した位置に複数個のマイクロレンズを有するガラス板12とを有する。ガラス板12の平坦面は、光送受信モジュール8の端面8Eと共通の平面上に配置されている。また、光送受信モジュール8の端面8Eには、後述するガイド部材10の端面10Eが、図12に拡大されて示されるように、所定位置に位置決めされた後、接着剤14により接着されている。
ガイド部材10は、上述の光ファイバ6aiの素線6bが挿入されるガイド孔10ai(i=1〜n,nは正の整数)を有している。ガイド孔10aiは、光半導体素子8aiに対向している。ガイド孔10aiの内径(ガイド孔の断面形状が円形でない場合、その内壁の内接円の径)は、光ファイバ6aiの素線6bの外径(一般には、125μm程度)より僅かに大きい値に設定されている。ガイド孔10ai同士のピッチ(間隔)は、例えば、光半導体素子8ai同士のピッチと一致している。ガイド孔10aiの中心軸線は、光半導体素子8aiの光軸と一致している。言い換えれば、それぞれのガイド孔10aiの中心軸線と光半導体素子8aiの光軸とが一致するようにガイド部材10は光送受信モジュール8の端面8Eにおける所定位置に位置決めされ、光送受信モジュール8の端面8Eに接着されている。
斯かる構成において、プラグ2に支持される光ファイバ6aiがレセプタクル4の光送受信モジュール8に接続される場合、図11(B)に示されるように、プラグ2のハウジング2Aの外周部がレセプタクル4のハウジング4Aの内周部4aに嵌合される。
その際、各光ファイバ6aiの素線6bが、ガイド部材10における対応するガイド孔10aiに挿入されることにより、光ファイバ6aiの中心軸線と光半導体素子8aiの光軸が一致するように、調心(位置決め)される。光ファイバ6aiの素線6bの先端の軸線方向についての位置は、ハウジング2Aの端面が光送受信モジュール8の端面8Eに突き当たる位置で調整されることとなる。
また、光ファイバ6aiの素線6bの先端と光送受信モジュール8の端面8Eとの間のギャップを消滅させるべく、例えば、特許文献1および図13(A)および(B)にも示されるように、プラグ2のハウジング2Aのファイバ収容部2a内に配される光ファイバ6´ai(i=1〜n,nは正の整数)の素線6´bの長さが、接続される以前において、その自由端の位置がハウジング2Aの開口端の端面から所定の長さΔLだけ突出した位置となるように設定されているものが提案されている。なお、図13(A)および(B)に示される例においては、図11(A)および(B)に示される例における同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
斯かる構成により、プラグ2に支持される光ファイバ6´aiがレセプタクル4を有する光送受信モジュール8に接続される場合、図示が省略されるロック機構により、ハウジング2Aの端面が光送受信モジュール8の端面8Eに突き当たるようにプラグ2がレセプタクル4に保持される。
これにより、光ファイバ6´aiは、素線6´bの先端が所定の長さΔLの分だけ後退せしめられ、ハウジング2A内であって、かつ、ガイド部材10の上方の空間において、座屈するように撓むこととなる。その結果、光ファイバ6´aiが元の長さに伸びようとする弾性力(座屈力)により、光ファイバ6´aiの素線6´bの先端はガラス板12に突き当たる。従って、フィジカルコンタクトが実現されるように、光ファイバ6´aiの素線6´bの先端とガラス板12とのギャップが消滅するのでギャップによるフレネル反射を防止することができるという効果を奏する。
さらに、図11(A)および図13(A)に示される光コネクタは、光ファイバを0.25mmといった小さなピッチで配置することが可能である。例えば、光送受信モジュール8の光入出力チャネル数が8ch、12ch、16chなどのように多い場合、言い換えれば、光ファイバの接続心数が8心、12心、16心などのように多い場合でも、光コネクタのサイズを小さくすることができる。また、図13(A)に示される光コネクタのように、光ファイバの素線の先端において、フィジカルコンタクトが利用される場合、光ファイバ自体の弾性力を用いているのでハウジング2Aの先端と端面8Eとの接触を維持すべく、プラグ2をレセプタクル4に固定するための力も比較的小さくできる。これにより、プラグ2のハウジング2Aやレセプタクル4のハウジング4A等の肉厚が、比較的薄くできるので光コネクタのサイズを小さくできる要因となる。
上述した光コネクタにおいては、ガイド部材10の端面10Eが、図12に拡大されて示されるように、光送受信モジュール8の端面8Eに対し位置決めされた後、接着剤14により端面8Eに接着される。ガイド部材10の光送受信モジュール8への装着工程は、光送受信モジュール8、および、光コネクタのレセプタクル4の作製における重要な工程である。このような装着工程に用いられる装着装置においては、以下の3つの事項を達成することが要求される。
第1は、光送受信モジュール8の光半導体素子8aiの位置に対応してガイド部材10を高精度に位置決め(調心)し、光送受信モジュール8の端面8Eに固定することである。これは、光半導体素子8aiと光コネクタの光ファイバとの高効率な光結合を達成するために不可欠である。
第2は、ガイド部材10の光送受信モジュール8に接着される側の端面(以下、端面10Eともいう)と光送受信モジュール8におけるガイド部材10が接着される端面(以下、端面8Eともいう)とを高精度に互いに平行にすることである。すなわち、端面10Eと端面8Eとの間のギャップ(以下、単にギャップともいう)言い換えれば、接着剤14の厚さを均一にすることである。これは、特に、製造された光送受信モジュール8が実際に使用されている期間中、ガイド部材10が端面8Eに対し位置ずれ、または、剥離する可能性を極力小さくするという耐久特性に関する信頼性の観点で重要である。
また、もし、端面10E、端面8E相互の平行度の精度が低く、端面10Eのガイド孔10ai付近で、ギャップが大きくなる場合、接着剤14がガイド孔10aiに侵入してしまう可能性もある。実際のガイド部材10においては、ガイド孔10aiの中心軸線に対し直交する端面10Eの角度は、規定の角度(通常は、90°)に対して、多少の誤差を有している。また、光送受信モジュール8を所定の装着装置にセットした際、ガイド部材10側から見た端面8Eの角度は、個々の光送受信モジュール8により、多少変動する。従って、ガイド部材10と光学素子ユニット部材8とをその装着装置にセットしただけでは、端面10Eと端面8Eとが、高精度に互い平行になっていない場合が多い。
ガイド孔10aiの中心軸線に対し直交する端面10Eの角度が誤差を含む場合、端面10Eと端面8Eとの間の平行度を高めるとき、光半導体素子8aiの光軸方向とガイド孔10aiの中心軸線方向がずれることになるが、一般的に、それによる光半導体素子8aiと光ファイバとの光結合率の劣化は無視できる程度である。言い換えれば、そのようになるように、端面8Eの角度誤差や端面10Eの角度誤差の許容値が規定されることとなる。
そこで、そのような装着装置は、端面10Eと端面8Eと互いに平行にするための機構、例えば、特許文献3にも示されるような、調心ステージと、ジンバル機構を有する基板ステージとを備えていることが好適である。
第3は、上述した端面10Eと端面8Eとの間において、所定の平行度が保たれた状態で、互いに平行な端面10Eと端面8Eとのギャップ、換言すれば、接着剤14の厚さを適切な値になるように制御することである。これは、上述したような信頼性の観点で重要であり、また、ガイド孔10ai内に接着剤14を侵入させないためにも要求される。
上述した3つの事項を満たすような、ガイド部材10を光送受信モジュール8に対し位置決めし装着する装着装置は、例えば、図8に示されるような装置が特許文献3に提案されている。図8に示される装置は、上述したガイド部材10をクランプ20CLにより保持する調心ステージ20と、上述した光送受信モジュール8をクランプ22CLにより保持するジンバル機構付きステージ22とを含んで構成されている。
調心ステージ20は、ジンバル機構付きステージ22に対して近接または離隔可能に配されている。調心ステージ20は、2本のモニタ用ファイバ26を把持するファイバステージ28を備えている。ファイバステージ28は、作動状態のとき、2本のモニタ用ファイバ26をガイド部材10のガイド孔10aiに挿入またはガイド孔10aiから引き抜くものとされる。
ジンバル機構付きステージ22は、ジンバル機構部24を基台22STに備えている。ジンバル機構部24は、調心ステージ20に保持されるガイド部材10に対して光送受信モジュール8が互いに直交する二つの座標軸の回りに自在に回転できる状態と固定される状態を作ることができる。光送受信モジュール8が自在に回転できる状態において、ガイド部材10の端面10Eを光送受信モジュール8の端面8Eに押し当て、端面10Eと端面8Eとを合わせたら、ジンバル機構部24は、固定した状態にされる。
斯かる構成を有する本装置によるガイド部材10の端面10Eの光送受信モジュール8の端面8Eに対する装着工程は、概ね、以下の7段階の工程からなる。
(1)光送受信モジュール8およびガイド部材10が、クランプ22Lおよびクランプ20CLによりジンバル機構付きステージ22、調心ステージ20にセットされる。(2)端面10Eおよび端面8E相互間の平行度を所定の値に設定する。(3)端面10Eおよび端面8E相互間のギャップを検出する。(4)モニタ用ファイバ26をガイド部材10に挿入し、モニタ用ファイバ26の先端位置を検出する。(5)端面10Eおよび端面8E相互間のギャップを適量にして、アクティブアライメント法により、ガイド部材10の光送受信モジュール8に対する位置決めを行う。(6)端面10Eおよび端面8E相互間に接着剤14を浸透させた後、硬化させ、ガイド部材10を光送受信モジュール8に固定する。(7)モニタ用ファイバ26をガイド部材10から引き抜く。
上述の第3の工程において、端面10Eおよび端面8E相互間のギャップの制御は、以下のようにして行われる。
先ず、調心ステージ20が、端面10Eと端面8Eとが接触するまでジンバル機構付きステージ22に向けて近接(ガイド部材10が光送受信モジュール8に近づく方向)せしめられる。その際、端面10Eおよび端面8E相互間の接触荷重が、調心ステージ20またはジンバル機構付きステージ22に搭載した荷重計(不図示)により検出される。その荷重計(不図示)をモニタすることにより、端面10Eと端面8Eとが接触する、すなわち、端面10Eおよび8E相互間のギャップがゼロとなる調心ステージ20の位置が検知されることとなる。
次に、その位置から調心ステージ20をどれだけ後退させたかで、そのギャップを把握することができる。従って、第6の工程において、接着剤14は、そのギャップに対応した空間内に塗布されることとなる。
上述の第5の工程において、ガイド部材10の端面10Eの光送受信モジュール8の端面8Eに対する位置決めは、例えば、特許文献3にも記載される「アクティブアライメント法」が用いられる。「アクティブアライメント法」は、光結合効率をモニタしながら、光結合効率が最大になるようにガイド部材10の端面10Eを光送受信モジュール8の端面8Eに対し高精度に位置決めする方法である。
即ち、そのような光結合効率のモニタは、具体的には、例えば、光送受信モジュール8が光送信モジュールの場合、同モジュールから光を出力させ、これをモニタ用ファイバ26に入射させることにより行われる。次に、モニタ用ファイバ26からの光出力が、モニタ用ファイバ26に接続される所定の光パワーメータで検知される。これにより、光パワーメータの検出値が最大となるようにガイド部材10の端面10Eが光送受信モジュール8の端面8Eに位置決めされる。
あるいは、光送受信モジュール8が光受信モジュールの場合、光結合効率のモニタは、モニタ用ファイバ26から同モジュールに対して光を出力し、同モジュールからの電気出力が測定される。これにより、その測定値が、最大となるようにガイド部材10の端面10Eが光送受信モジュール8の端面8Eに対し位置決めされる。その結果、端面10Eと端面8Eとの間の平行度が所定の値に設定され、かつ、ガイド部材10の端面10Eが光送受信モジュール8の端面8Eに対し高精度に位置決めされることとなる。
なお、上述の第4の工程において、モニタ用ファイバ26の先端位置は、調心ステージ20に搭載した荷重計により、先端が端面8Eに接触する位置を検出することにより、上記と同様に制御することができる。また、モニタ用ファイバ26の先端位置を制御する手段として、特許文献3に開示されるように、モニタ用ファイバ26が、ファイバステージ28に対して、軸方向について弱く保持されている場合、モニタ用ファイバ26の先端が端面8Eに突き当たるとき、モニタ用ファイバ26はファイバステージ28に対して滑って後退する。このとき、モニタ用ファイバ26の先端と端面8Eとのギャップがゼロの状態になる。次に、調心ステージ20が後退した距離が、そのギャップとなる。
上述のような装置を用いれば、ガイド部材10を光送受信モジュール8に対して高い位置精度で固定できるだけでなく、端面10Eと端面8Eとを接着するための接着剤14の厚さを均一な厚さ、かつ、最適な厚さに設定することができる。そして、ガイド部材10の固定に関して、上述した耐久特性に関する信頼性を良好に得ることができる。すなわち、光送受信モジュール8に光ファイバ6aiを接続している際、ガイド部材10が光送受信モジュール8に対して位置ずれ、または、離脱する可能性を低くすることができる。
図1は、本発明に係る光ファイバのガイド部材を装着する方法の一例が適用された装着装置の第1実施例の要部を概略的に示す。
図1に示される装着装置は、例えば、光部品の一部を構成するガイド部材38および光部品40相互間の組付け工程において利用される。互いに接着されたガイド部材38および光部品40は、光コネクタにおけるレセプタクル(不図示)内に配置される。そのような光コネクタは、複数本のシングルモード(SM)またはマルチモード(MM)光ファイバを光部品40に接続するものとされる。
光部品40は、光半導体素子40ai(i=1〜n,n=6)として、面発光形半導体レーザが搭載され、電気信号を光信号に変換し、光ファイバで伝送すべく、その光信号を出力する光送信モジュール、または、フォトダイオード(PD)が搭載され、光ファイバで伝送され、入力された光信号を電気信号に変換し、出力する光受信モジュールである。これらのモジュールには、前記面発光形半導体レーザまたはフォトダイオード(PD)の光半導体素子を駆動するための電子素子(図示省略)なども搭載される。
略直方体のガイド部材38は、例えば、紫外線を透過するようなガラスで作られ、図2に拡大されて示されるように、所定の光ファイバの一端を形成する素線が挿入されるガイド孔38ai(i=1〜n,n=6)を有している。ガイド孔38aiは、ガイド部材38の略中央位置に、その長辺に沿って所定の均等の間隔で一列に形成されている。ガイド孔38aiは、その中心軸線が互いに平行となるようにその厚さ方向に貫通している。ガイド孔38aiの一方の開口端部は、後述するプランジャ32Pにより押圧される被押圧面に開口している。被押圧面は、平坦面とされる。ガイド孔38aiの一方の開口端部の周縁には、光ファイバの素線の挿入を容易にするために所定の面取りが施されている。
また、ガイド孔38aiの他方の開口端部は、図2に示されるように、後述する接着剤ADが塗布される被接着面38BS(以下、単に、端面38BSともいう)に開口している。被接着面38BSと上述の被押圧面とは、互いに平行となるように形成されている。被接着面38BSは、ガイド孔38aiの中心軸線に対し垂直となるように形成されている。被接着面38BSとガイド孔38aiの中心軸線とがなす90°は、角度誤差を有し、その許容値が、1°以下に設定されている。
ガイド孔38aiが形成されていない被接着面38BSの両端の部分には、それぞれ、被接着面38BSに対し所定の高さΔdだけ突出した帯状の凸部38Pがガイド部材38と一体に形成されている。その2箇所の凸部38Pの高さΔdは、等しく、端面38BSにおいて凸部38Pが形成される領域の面積は、端面38BS全体の面積に比べて十分小さい。
例えば、紫外線(UV)硬化型接着剤とされる接着剤ADは、凸部38P相互間に形成される被接着面38BSにおけるガイド孔38aiを除く領域、即ち、図2おける斜線で示される領域に所定量、塗布されることとなる。
従って、この凸部38Pは、後述のように、ガイド部材38を光部品40に接着する際、光部品40の一部を構成するガラス板42における接着面42BSと端面38BSとの間のギャップCL(接着剤ADの厚さ)を決めるためのものである。但し、接着剤ADは、後述するように、ガイド部材38が位置決めされ、プランジャ32Pにより押圧された後、浸透されるが、しかし、そのギャップがガイド孔38aiの直径に比して小に設定されるので接着剤ADがガイド孔38aiに侵入する虞がない。
なお、図2においては、ガイド孔38aiは、ガイド部材38の略中央位置に、その長辺に沿って所定の均等の間隔で一列に形成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、隣接するガイド孔38aiの相互間隔距離が、均等ではなく、異なってもよい。
光部品40は、例えば、上述のガイド孔38aiに対応して形成されるマイクロレンズを有する透明板42と、透明板42の下方に配列される光半導体素子40ai(i=1〜n,n=6)とを主な要素として含んで構成される。
透明板42は、ガイド部材38に向かい合う一方の端面に設けられている。透明板42は、例えば、平坦面を有するガラス板で作られ、複数個のマイクロレンズは、所定の間隔で、例えば、平坦なガラス板にイオンを拡散して形成される。
また、透明板42の平坦面には、上述のガイド部材38の被接着面38BSを接着する接着面42BS(以下、端面42BSともいう)が形成されている。なお、光部品40が光受信モジュールの場合、上述の光半導体素子40aiは、面発光型半導体レーザである。光受信モジュールの場合、フォトダイオード(PD)である。
図1において、装着装置は、光部品40が固定される平坦な搭載面を有する光部品用ステージ36と、光部品用ステージ36に対し上方に対向して移動可能に配される調心用ステージ30とを主な要素として含んで構成されている。
光部品用ステージ36においては、例えば、図示が省略されるクランプによる機械的把持、真空吸着、仮固定接着剤などの手段により、光部品40の下端面がその搭載面に当接するように光部品40が強固に固定される。
調心用ステージ30は、図示が省略される回転台上に配されるX軸ステージ,Y軸ステージ、Z軸ステージからなるステージユニットにより駆動される。そのステージユニットにおいて、X軸ステージ,Y軸ステージは、Z軸ステージを介して回転台上に配されている。X軸ステージ,Y軸ステージは、それぞれ、図1に示される直交座標におけるX座標軸、Y座標軸に沿って移動可能とされる。また、Z軸ステージは、その回転台に対し昇降動可能とされる。X軸ステージ,Y軸ステージ、Z軸ステージ、回転台は、例えば、駆動源としてのパルスモータ、または油圧モーターの出力軸に連結されるものであってもよい。また、X軸ステージ,Y軸ステージ、Z軸ステージ、回転台が、それぞれ、ピエゾ素子により駆動されてもよい。
調心用ステージ30の一端は、例えば、X軸ステージに連結されている。そのステージユニットは、後述する制御ユニットにより制御される。これにより、調心用ステージ30は、光部品用ステージ36に対し近接または離隔可能に配置されることとなる。
なお、X座標軸は、光部品用ステージ36に固定された光部品40の光半導体素子40aiの配列方向に沿って設定されており、また、Z座標軸は、端面42BSに対し垂直な方向、即ち、光半導体素子40aiの光軸に沿って設定されている。図1において、θx、θy、θzは、それぞれX、Y、Z座標軸を回転軸とした回転座標をあらわす。
調心用ステージ30は、所定の間隔をもって一対のモニタ用光ファイバ34の一部を片持ちばりとなるように支持している。一対のモニタ用光ファイバ34は、後述するアクティブアライメント法に従うガイド部材38の光部品40に対する位置決めに利用される。モニタ用光ファイバ34は、その素線34aが調心用ステージ30の端面に対し垂直に突出するように保持されている。また、通常は、光コネクタとして光部品40に接続する光ファイバと同様の光ファイバがモニタ用光ファイバ34として用いられる。
調心用ステージ30に支持される2本のモニタ用光ファイバ34の相互間隔距離は、それらの先端が挿入される上述のガイド孔38aiの間隔と一致させるように設定される。
2本のモニタ用ファイバ34の素線34aの先端の位置は、上述のZ座標軸方向について同一位置となるように調心用ステージ30に支持されている。モニタ用ファイバ34の中心軸線の方向が、光半導体素子40aiの光軸と平行となるように、換言すれば、端面42BSに対し垂直となるように設定されている。従って、モニタ用ファイバ34の素線34aの中心軸線の方向(Z座標軸方向)が重力の方向になるように、かつ、モニタ用ファイバ34の素線34aの先端が下方に向くようにモニタ用ファイバ34が支持されている。
一対のモニタ用光ファイバ34は、後述するように、ガイド部材38を光部品40に対し位置決めする工程において、ガイド部材38と調心用ステージ30とを連結状態とするだけでなく、光部品40の光半導体素子40aiとモニタ用光ファイバ34との光結合率をモニタするためにも用いられる。2本のモニタ用光ファイバ34の素線34aが挿入されるガイド部材38のガイド孔38aiは、それらの両端に位置するものとされる。
素線34aにおける調心用ステージ30の下端面から突出した長さは、ガイド部材38におけるガイド孔38aiの中心軸線に沿った長さよりも所定の長さdfだけ突出する長さに設定されている。
ガイド部材38は、例えば、一辺の長さが数mmの場合、そのサイズが小さく、重量も小さいので端面42BSとガイド部材38の凸部38Pとの摩擦も小さく、X座標軸、および、Y座標軸方向、Z座標軸まわり回転方向(θz)については、ガイド部材38の動きは、調心用ステージ30の動きとほぼ等しくなる。長さdf、すなわち、モニタ用ファイバ34の素線34aが撓んで湾曲できる領域の長さを長くするならば、その撓みにより、ガイド部材38は調心用ステージ30に動きに対する追従性が低下する。一方、長さdfを短くしすぎたならば、後述するプランジャ32Pによりガイド部材38が押圧されても端面38BSが十分にその方向を変更することができず、端面42BSに対し平行とならない可能性がある。そこで、長さdfは、例えば、せいぜい2mm以上5mm以下の範囲に設定される。
なお、端面42BSや端面38BSの角度誤差が小さい場合、すなわち、ガイド部材38を押圧する前でも、端面42BSおよび端面38BSが互いに平行に近い場合は、押圧したときの端面38BSの回転角度は小さいので、長さdfを短くして、ガイド部材38を位置決めする際、調心ステージ30の動きに対するガイド部材38の追従性を高くすることができる。あるいは、調心ステージ30に固定され、ガイド部材38のガイド孔38aiに挿入されるモニタ用光ファイバ34の本数を増やしても、後述するようなガイド部材38の追従性を高めることができる。そのため、本実施例では、2本のモニタ用光ファイバ34の他に、さらにガイド部材38のガイド孔38aiに挿入される2本のダミーファイバ35が線形部材として調心ステージ30に加えられている。
調心用ステージ30における一対のモニタ用光ファイバ34相互間の略中央部には、移動可能なプランジャ32Pを有するシリンダ32が設けられている。シリンダ32におけるプランジャ32Pは、例えば、空気圧により、上述のモニタ用ファイバ34の素線34aの中心軸線方向(上下方向)に沿って移動可能とされる。シリンダ32は、調心用ステージに固定されているが必ずしもそうである必要はない。また、プランジャ32Pを駆動するための手段としては、斯かる例に限られることなく、例えば、油圧、電磁力、重力(おもりの利用)などが挙げられる。
シリンダ32におけるプランジャ32Pは、後述する制御ユニットおよびシリンダ制御部により制御されるシリンダ駆動部により駆動される。プランジャ32Pが下降せしめられる場合、プランジャ32Pの先端によりガイド部材38の略中央部が光部品40に対し押圧される。プランジャ32Pは、より具体的には、ガイド部材38の光ファイバが挿入される側(上側)の端面の中央部分を押圧する。ガイド部材38が押圧されるとき、ガイド部材38の凸部38Pが端面42BSに当接することにより、端面38BSと端面42BSが互いに平行になる。ガイド部材38およびガイド孔38aiの中心軸線は、若干(約1°以下)方向を変えることになるが、モニタ用ファイバ34およびダミーファイバ35が撓んで湾曲することより、それを許容することができる。その際、端面38BS(厳密に言えば、凸部38Pがない領域)と端面42BSとの間のギャップCLの間隔は、凸部38Pの高さΔdとほぼ等しくなる。また、プランジャ32Pが上昇せしめられる場合、プランジャ32Pの先端がガイド部材38の被押圧面から離れることにより、その押圧力が解除されることとなる。
一対のモニタ用光ファイバ34の相互間であって、シリンダ32と各モニタ用光ファイバ34との間には、それぞれ、所定の間隔、例えば、隣接するガイド孔38aiの中心軸線の相互間隔をもってダミーファイバ35が配されている。線形部材としての各ダミーファイバ35は、その先端部が片持ちばりとなるように調心用ステージ30に支持されている。各ダミーファイバ35は、各モニタ用光ファイバ34に対し平行に配されている。各ダミーファイバ35は、光ファイバとされ、被覆されていない素線であり、モニタ用光ファイバ34の直径と同一の直径を有している。各ダミーファイバ35における調心用ステージ30の端部から光部品用ステージ36に向けて突出する長さは、モニタ用光ファイバ34において対応する長さに比して小に設定されている。2本のダミーファイバ35は、光を通すことが目的で用いられているのではなく、後述するように、モニタ用光ファイバ34の素線34aがガイド孔38aiに挿入された状態でガイド部材38が調心用ステージ30の移動に連動して移動せしめられるとき、ガイド部材38の応答性、およぴ、上述の追従性を高めるために設けられている。これにより、2本のモニタ用光ファイバ34の素線34a、および、2本のダミーファイバ35の先端部が、それぞれ、ガイド部材38のガイド孔38aiの挿入されるとき、ガイド部品38は、調心用ステージ30に連結される状態となり、接着される以前において、調心用ステージ30に連動して光部品40の端面42BSに対して移動可能とされる。
本発明に係る光ファイバのガイド部材を装着する装着装置の一例においては、上述の構成に加えて、図3に示されるように、調心用ステージ30を支持するステージユニット、および、シリンダ32の動作制御を行う制御ユニット50を備えている。
制御ユニット50には、ステージユニットにおけるステージ位置検出部52からのX軸ステージ,Y軸ステージ、およびZ軸ステージにおけるホームポジション(原点位置)、および、回転台における角度位置をそれぞれ、あらわす検出出力信号Sa,Sb,Sc,および、Sd、モニタ用ファイバ34からの光出力を検出する光パワーメータ54からの検出出力信号Se、図示が省略される紫外線照射装置からの紫外線照射終了信号Sf、ガイド部材38が光部品40の端面42BSにセット完了したことをあらわす信号Sgが供給される。
制御ユニット50は、X軸ステージ,Y軸ステージ、およびZ軸ステージにおけるホームポジションからの移動距離のデータ、モニタ用ファイバ34の素線34aの先端が設置された光部品40の端面42BSに対し当接したとき(端面38BSおよび端面42BS相互間のギャップが零と仮定できる状態)、Z軸ステージの移動後の位置をあらわすデータ、シリンダ32のプランジャ32Pのストロークおよび押圧力の設定値をあらわすデータ、および、X軸ステージ,Y軸ステージ、およびZ軸ステージの動作制御用プログラム等のデータを格納するデータ記憶部50Mを備えている。
上述のZ軸ステージの移動後の位置をあらわすデータを得るにあたっては、例えば、光部品40が光部品用ステージ36にセットされた後、ガイド部材38が光部品40上にセットされる前、モニタ用ファイバ34の素線34aの先端と端面42BSとをあらわす顕微鏡の映像をモニタしながらモニタ用ファイバ34の素線34aの先端が端面42BSに接触する状態まで調心用ステージ30が上述のZ座標軸方向に動かされる。このとき、モニタ用ファイバ34の素線34aの先端と端面42BSとの間に隙間が形成されないのでステージ位置検出部52により検出された調心用ステージ30(Z軸ステージ)のZ座標軸方向の位置データを記憶することにより、そのデータが、得られる。
これにより、それを調心用ステージ30(Z軸ステージ)の基準位置にすれば、モニタ用ファイバ34の素線34aがガイド孔38aiに挿入されるとき、顕微鏡で見てその先端位置が不明瞭であっても、モニタ用ファイバ34の素線34aの先端の位置(あるいは、端面42BSとの相互間隔距離)が、調心用ステージ30における基準位置からのZ座標軸方向の相対的位置(移動距離)および素線34aの突出長さに基づいて知り得ることとなる。従って、調心用ステージ30の移動距離を制御することにより、モニタ用ファイバ34の素線34aの先端の位置を調整することができる。
先ず、ガイド部材38の光部品40の端面42BSに対する位置決めを行うにあたり、ガイド部材38が光部品40の端面42BSに載置される。その際、ガイド部材38は、その両端に位置するガイド孔38aiの真上の位置に、モニタ用ファイバ34の素線34aの先端が配されるとともに、それに隣接するガイド孔38aiの真上の位置にダミーファイバ35の先端が配されるように、光部品40の端面42BSに載置される。
ガイド部材38が光部品40の端面42BSにセット完了したとき、制御ユニット50は、信号Sgに基づいてモニタ用ファイバ34の素線34aの先端が、それぞれ、ガイド孔38aiに挿入された後、端面38BSと共通の平面に到達するまでZ軸ステージおよび調心用ステージ30を下降させるべく、調心用ステージ30における上述の基準位置をあらわすデータおよび所定の設定移動距離のデータに基づいて制御信号群CSを形成し、それらをステージ制御部56に供給する。ステージ制御部56は、制御信号群CSに基づいて駆動信号群DSを形成し、それらをステージ駆動部58に供給する。これにより、2本のモニタ用ファイバ34の素線34aの先端および2本のダミーファイバ35の先端がそれぞれ、各ガイド孔38aiに挿入された後、モニタ用ファイバ34の素線34aの先端が端面38BSと共通の平面に到達するまで調心用ステージ30が所定距離、光部品40の端面42BSに向かって下降せしめられる。
次に、ガイド孔38aiの中心軸線と光部品40における面型光半導体素子40aiの光軸とが高い精度で一致するように、ガイド部材38の光部品40の端面42BSに対する相対位置を決定すべく、アクティブアライメント法に従い、相対位置が決定される。相対位置を決定するにあたっては、プランジャ32Pがガイド部材38に当接していない状態において、4つのガイド孔38aiにそれぞれ光ファイバ34の素線34aおよびダミーファイバ35が挿入されたガイド部材38が、停止された光部品用ステージ36に固定された光部品40の端面42BSに対し調心用ステージ30に追従して目標相対位置まで摺動されるように調心用ステージ30の動作が制御される。
アクティブアライメント法は、基本的には、光部品40の光半導体素子40aiとモニタ用ファイバ34との光結合(効)率が最大になるように、ガイド部材38を位置決めするものである。
例えば、光部品40が光送信モジュールの場合、光半導体素子40aiが面発光半導体レーザのとき、少なくとも2本のモニタ用ファイバ34に対応する2つの光半導体素子40aiが発光され、その光ビームがモニタ用ファイバ34に入射される。これにより、モニタ用ファイバ34の反対側の端からの光出力が光パワーメータ54によりモニタされる。
制御ユニット50は、光パワーメータ54からの光出力をあらわす検出出力信号Seに基づいてX座標軸、Y座標軸により形成される平面においてθz軸方向に回転台を回転させ、各モニタ用ファイバ34からの光出力が最大となる目標相対位置を決定し、調心用ステージ30を所定の目標相対位置まで移動させるべく、制御信号群CSを形成し、それらをステージ制御部56に供給する。ステージ制御部56は、制御信号群CSに基づいて駆動信号群DSを形成し、それらをステージ駆動部58に供給する。これにより、モニタ用ファイバ34を伴う調心用ステージ30の移動に追従するガイド部材38の光部品40に対する位置決めが完了することとなる。
なお、斯かる例に限られることなく、例えば、光部品40が光送信モジュールの代わりに、光受信モジュールである場合、光半導体素子40aiがフォトダイオード(PD)(不図示)のとき、モニタ用ファイバ34からそのフォトダイオードに向けて光を出力させることにより、そのフォトダイオードからの電気出力値をモニタしながら、ガイド部材38の位置決めが行われてもよい。
続いて、図4(B)に示されるように、制御ユニット50は、データ記憶部50Mから読み出されたデータに基づいてプランジャ32Pにガイド部材38を光部品40に向けて所定量だけ押圧させるべく、制御信号CPを形成し、それをシリンダ制御部60に供給する。シリンダ制御部60は、制御信号CPに基づいて駆動信号DPを形成し、それをシリンダ駆動部62に供給する。これにより、ガイド部材38の凸部38Pが光部品40における端面42BSに対し当接した状態で、端面38BSと端面42BSとが、互いに平行となる。
斯かる例において、図4(A)に示されるように、端面38BSは、ガイド孔38aiの中心軸線に対し直角な理想的な端面に対しθy方向にΔθyだけ角度誤差があるものとする。なお、角度誤差Δθyは、1°以下である。その際、端面42BSは、モニタ用ファイバ34の中心軸線に対し直角な平面であるものとする。
例えば、端面38BSの角度誤差のために図4(A)において、端面38BSと端面42BSとの間では、平行ではなく、約Δθyの角度だけずれている。
そこで、図4(B)に示されるように、ガイド部材38が光部品40に向けて所定量だけ押圧され、端面38BSと端面42BSとが、互いに平行となる場合、モニタ用ファイバ34の素線34aおよびダミーファイバ35は、調心用ステージ30とガイド部材38との間の空間において、少し湾曲するのでガイド部材38の回転(約角度誤差Δθy程度、すなわち、1°以下)が可能とされる。従って、端面42BSと端面38BS(凸部38Pがない部分)とのギャップは、凸部38Pの厚さΔdとほぼ等しくなる。
続いて、接着剤ADが、端面42BSと端面38BS(凸部38Pがない部分)とのギャップに、所定量、滴下され浸透される。接着剤ADの塗布は、例えば、所定のディスペンサが用いられる。接着剤ADの塗布量の制御は、例えば、接着剤ADの容器に所定の圧力を所定の吐出時間だけ作用させることにより行われる。予備試験において、任意の吐出時間に対し端面42BSと端面38BS相互間の接着剤ADの浸透状況を検証することにより、接着剤ADの塗布量が適量となる吐出時間および圧力が設定される。また、接着剤ADを浸透させる時間(浸透時間)も把握される。
続いて、図示が省略される紫外線照射装置が、ガイド部材38に対し紫外線を所定期間だけ照射し、紫外線照射終了信号Sfを制御ユニット50に供給する。紫外線は、ガイド部材38を透過して、塗布された接着剤ADに照射される。
制御ユニット50は、紫外線照射装置からの紫外線照射終了信号Sfに基づいて押圧力を解除するようにプランジャ32Pを初期位置に戻すべく、制御信号CPのシリンダ制御部60への供給を停止する。これにより、プランジャ32Pの先端がガイド部材38から離隔され、初期位置に戻される。
なお、例えば、ガイド部材38が最適位置から所定量だけずれた場合、光結合率がどれだけ低下するかを予め検証することができ、しかも、上述のアクティブアライメント法により、上述のように調心するとき、光結合率の最大値を予め知ることができる。従って、ガイド部材38が接着された後でも、ガイド部材38に挿入されたモニタ用ファイバ34により光半導体素子40aiとの光結合率がモニタされているので、その光結合率と光結合率の最大値とを比較することによって、ガイド部材38の固定位置の誤差が許容値に収まっているか否かを確認することができる。
そして、制御ユニット50は、モニタ用ファイバ34の素線34aおよびダミーファイバ35をガイド部材38のガイド孔38aiから引き抜くように、調心用ステージ30をガイド部材38に対し離隔するように上昇させ初期位置まで戻すべく、制御信号群CSを形成し、それらをステージ制御部56に供給する。その後、ガイド部材38が接着された光部品40が、光部品用ステージ36から取り外されることにより、装着が完了したガイド部材38および光部品40が得られる。
なお、上述の例においては、調心用ステージ30がステージユニットにより駆動されるものとされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、ロボットアームにより駆動されてもよい。
上述の例においては、位置決めの際は、調心用ステージ30がX座標軸、Y座標軸、Z座標軸、θz軸方向に動くとしたが、光部品用ステージ36に対して調心用ステージ30が相対的にX座標軸、Y座標軸、Z座標軸、θz軸方向に動けばよいので、例えば、調心用ステージ30は動かず、光部品用ステージ36が、上述のように、動いたり、調心用ステージ30がX座標軸、Y座標軸、Z座標軸方向に動き、光部品用ステージ36が、θz方向に回転するといった構成でもよい。
また、上述の例においては、端面38BSのみに角度誤差があるとしていたが、端面42BSにも角度誤差がある場合(具体的には、光部品用ステージ36に光部品40を固定するときの光部品用ステージ36の基準面に対する端面42BSの角度が、個々の光部品40によって多少変動する場合)でも有効である。
もし、光部品40が光部品用ステージ36に対して強固に固定できない場合、または、光部品40自体の剛性がそれ程高くない場合、プランジャ32Pでガイド部材38を押圧し、端面38BS(凸部38P)が端面42BSに突き当たると、端面42BSが多少変位することもある。
しかし、端面38BSと端面42BSとの摩擦により、また、モニタ用ファイバ34の素線34aおよびダミーファイバ35が撓むことにより、端面38BSと端面42BSとは相対的位置を維持できるだけでなく、端面38BSと端面42BSとの多少の絶対的な位置変動や角度変動が許容され、端面38BSおよび端面42BS相互間の平行状態を維持できる。逆に言えば、それを許容できるように、モニタ用ファイバ34の素線34aおよびダミーファイバ35が撓む空間の長さdfを調整する。
プランジャ32Pでガイド部材38を押圧する際に、ガイド部材38の位置ずれが懸念されるが、端面38BSの回転は,約1°以下と小さく、位置ずれも小さい。モニタ用ファイバ34と光半導体素子40aiとの光結合率をモニタしているので、もし、押圧した際にガイド部材38の位置誤差が許容値を超えても、光結合効率の劣化によりそれを検知し、その押圧を解除して、ガイド部材38の位置決めをやり直すことができる。
ガイド部材38を押圧した後は、端面42BSと凸部38Pとの摩擦により、接着剤ADを浸透させたり、硬化させる際に、ガイド部材38が位置ずれする可能性は低くなる。以上を換言すれば、ガイド部材38が位置誤差の許容範囲を越えて光部品40に装着される可能性は低くなる。
以上のように、ガイド部材38は、端面の一部に所定の高さの凸部38Pを一体に形成したものとし、本装着装置を用いれば、ガイド部材38を端面42BSに所定の位置精度で装着できるだけでなく、その際に、端面42BSと端面38BSとの間の平行度の適正化、およびギャップの調整を容易に行うことができる。その結果、両端面42BS、38BS間の接着剤44の薄い層は、所定かつ均等の厚さとなり、従来通りの信頼性を得ることができる。また、本装置の構成は、先に述べた従来の装着装置と比較して、簡単であり、装置の製造コストを低くすることができる。
具体的に、特許文献3に記載されている従来のガイド部材の装着装置と本実施形態の装置とを比較した場合、ガイド部材38にモニタ用ファイバ34を挿入してアクティブアライメント法でガイド部材38の位置決めを行う手段は、類似している。
しかし、端面42BSと端面38BSとの間の平行度の適正化に関しては、従来装置はジンバル機構を用いた比較的複雑な手段を用いるのに対して、本装置はプランジャ32Pでガイド部材38を押圧する簡単な手段である。
また、端面38BSおよび端面42BS相互間のギャップの制御に関しては、従来装置は両端面の接触荷重を検出する比較的複雑な手段を用いるのに対して、本装置では、端面38BSに凸部38Pを付加したことによる簡単な手段である。凸部38Pをガイド部材38に付加することは、ガイド部材における製造コストの増加は小さい。本装置では、調心ステージ30に設けられるモニタ用ファイバ34をガイド部材38に対して挿抜するために従来装置に採用されているようなファイバステージも不要である。
以上の例においては、光部品40は、一例として光送信モジュールまたは光受信モジュールであった。光部品は、必ずしも光送信モジュールまたは光受信モジュールに限られることなく、例えば、入力した光信号を電気信号に変換する受信機能と電気信号を光信号に変換して出力する送信機能の両者を有する光送受信モジュールでもよい。また、光の強度や位相を時間的に変調する光変調器や、光の経路を切り換える空間型光スイッチや、光を波長ごとに分けたり、異なる波長の光を合わせたりする波長合/分波器といった光部品、あるいは、前記受信機能、前記送信機能、前記光変調機能、前記空間型光スイッチ機能、前記波長合/分波機能を複合した機能を持つ光部品でもよい。さらに、端面発光形半導体レーザ、バルク形光素子、光導波路形光素子、光導波路回路に半導体素子や光学フィルタを集積化した素子を有する光部品、あるいは、光導波路の端面や片端が半導体素子等に接続された光ファイバの端面を端面に含む光部品でもよい。本発明は、光ファイバの接続を必要とする光部品全般に適用可能である。
光部品40が、光送信モジュール、光受信モジュールでない場合、1本のモニタ用光ファイバから光部品に光を入力し別のモニタ用ファイバに光を出力させる形態やガイド部品を装着する端面とは別の箇所から光を入力または出力させる形態により、アクティブアライメント法を実行する場合もある。
例えば、光部品40が導波路形光素子から構成され、端面42BSに光入力/出力用の光導波路端面を含む場合、ガイド部材38は、所定の基準位置としての光導波路の光軸とガイド孔38aiの中心軸が一致するように、位置決めされる。
以上の説明から明らかなように、本発明の一例によれば、ガイド部材を光部品に所定の位置精度で接着、固定できるだけでなく、その際に、光部品の端面とガイド部材の端面との間の平行度の適正化、および、両端面のギャップの調整を比較的簡単な工程で行うことができる。
さらに、光部品の構造の剛性が低い、あるいは、光部品がその構造上、光部品用ステージに強固に保持できない(例えば、電気コネクタに接続することにより保持される)理由により、ガイド部材の端面と光部品の端面とを突き合わせて平行度を適正化あるいは両端面の接触位置を検出する従来の手段の適用が困難な場合にも、本装置および本方法は適用可能である。
さらに、上述の特許文献3を参照すれば、モニタ用光ファイバの先端と光部品端面との間隔を制御するための、以下のような手段も挙げられる。モニタ用光ファイバは、調心用ステージに対して、上述のXおよびY座標軸方向には拘束され、Z座標軸方向(モニタ用光ファイバの長手方向)については弱く拘束されるようにする。すなわち、モニタ用光ファイバにZ座標軸方向の力がかかるとき、それが弱い力であれば、モニタ用光ファイバは動かず、強い力であれば、調心用ステージに対して滑って移動するようにする。
そのような装置に光部品をセットした後、調心用ステージを下げ、モニタ用光ファイバを光部品の端面に接触させ、さらに少しだけ調心用ステージを下げる。
このとき、モニタ用光ファイバは、それ以上は下がらないので、光部品の端面に押されて、調心用ステージに対してZ座標軸方向に滑る。この状態は、モニタ用光ファイバの先端と光部品の端面とのギャップがゼロの状態となる。ここから、調心ステージが上昇した距離が、上述のギャップとほぼ等しくなる。この手段では、画像をモニタして判断する手段に比べて、自動化に向いている。
第1実施例では、プランジャ32Pでガイド部材38を押圧したとき、モニタ用光ファイバおよびダミーファイバの先端の撓みによりガイド部材38の回転を許容させたが、斯かる例に限られることなく、例えば、モニタ用光ファイバおよびダミーファイバの代わりに、調心用ステージに固定され、かつガイド部材の周囲を把持し、撓むことが可能な部品が、用いられてもよい。但し、上述のモニタ用ファイバやダミーファイバを用いる場合の方が、その構成がシンプルであり、より実用的である。
第1実施例において、2本のダミーファイバの代わりに、モニタ用光ファイバを用い、モニタ用光ファイバを合計4本としてもよい。アクティブアライメント法により、ガイド部材38を位置決めする際、4本のモニタ用光ファイバと光部品との光結合効率をそれぞれモニタする。これは、光半導体素子40aiの間隔とガイド孔38aiの間隔の相対的誤差が大きい場合等に適している。
図5は、本発明に係る光ファイバのガイド部材を装着する方法の一例が適用された装着装置の第2実施例の要部を概略的に示す。
図1に示される例においては、一対のモニタ用光ファイバ34相互間に、線形部材としての2本のダミーファイバ35が所定の間隔をもって調心用ステージ30に配置されているが、それに代えて、図5に示される例においては、一対のモニタ用光ファイバ34相互間に線形部材としての2本のガイドピン35´が所定の間隔をもって調心用ステージ30に配置されているものとされる。
また、図1に示される例においては、ガイド部材38は、所定の間隔をもって一体に形成される一対の凸部38Pを端面38BSに隣接して有しているが、その代わりに、ガイド部材38´は、所定の間隔をもって一対の薄膜44を有するものとされる。
なお、図5において、図1に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。また、図示が省略されるが、図5に示される例、および、後述する各実施例においても、図3に示される制御ユニットと同様な制御ユニットを備えるものとされる。
略直方体のガイド部材38´は、例えば、紫外線を透過するようなガラスで作られ、図6に拡大されて示されるように、所定の光ファイバの一端を形成する素線およびガイドピン35´が挿入されるガイド孔38´ai(i=1〜n,n=6)を有している。ガイド孔38aiは、ガイド部材38´の略中央位置に、その長辺に沿って所定の均等の間隔で一列に形成されている。ガイド孔38´aiは、その中心軸線が互いに平行となるようにその厚さ方向に貫通している。ガイド孔38´aiの一方の開口端部は、プランジャ32Pにより押圧される被押圧面に開口している。被押圧面は、平坦面とされる。ガイド孔38´aiの一方の開口端部の周縁には、光ファイバの素線の挿入を容易にするために所定の面取りが施されている。
また、ガイド孔38´aiの他方の開口端部は、図6に拡大されて示されるように、接着剤ADが塗布される被接着面38´BS(以下、単に、端面38´BSともいう)に開口している。被接着面38´BSと上述の被押圧面とは、互いに平行となるように形成されている。被接着面38´BSは、ガイド孔38´aiの中心軸線に対し垂直となるように形成されている。被接着面38´BSとガイド孔38´aiの中心軸線とがなす90°は、角度誤差を有し、その許容値が、0.5°以下に設定されている。なお、光部品40の端面42BSとガイド孔38´aiの中心軸線とがなす90°は、角度誤差がないものとする。但し、プランジャ32Pでガイド部材38´が押圧され、端面42BSと端面38´BSとの間の平行度を適性化する場合、ガイド部材38´は回転しづらくなる(プランジャ32Pの押圧力が同じでもその回転角度は小さくなる)が、回転角は、0.5°以下と小さく、2本のモニタ用光ファイバ34の素線34aが撓んで湾曲する度合いは小さいので端面38´BSと端面42BSとが平行となることは可能となる。
ガイド孔38´aiが形成されていない被接着面38´BSの両端の部分には、それぞれ、被接着面38´BSに対し所定の厚さΔdを有する帯状の薄膜44が形成されている。その2箇所の薄膜44の厚さΔdは、等しく、端面38´BSにおいて薄膜44が形成される領域の面積は、端面38´BS全体の面積に比べて十分小さい。
端面38´BSに薄膜44を付加する手段としては、加熱蒸着、スパッタなど真空装置を用いて薄膜を形成する手段、メッキを用いて薄膜を形成する手段、金属、ガラス、樹脂等の薄板を貼り付ける手段、樹脂等を塗布する手段などが挙げられる。真空装置を用いて薄膜44を形成する手段では、端面38´BSの特定の位置のみに薄膜44を形成するため端面38´BS上にマスクを設けて、成膜する。端面38´BSの一辺は数mmと小さく、真空装置内に多数個を設置することができ、一括して多数個を処理することができる。すなわち、薄膜44を付加するコストは、1個のガイド部材38´当たりについてコストが小さくなる。あるいは、薄膜44を形成する手段としては、端面38´BSの凸部以外を化学的エッチング、真空装置によるエッチング、砥石による研削といった方法で掘り下げる手段もある。但し、プランジャ32Pでガイド部材38´を押圧する際に、所定の厚さの薄板(ガイド部材等には装備されていない単体)を端面38´BSと端面42BSとの間に挟むことにより、端面38´BSと端面42BSとの間のギャップを制御することも考えられるが、薄板単体での取り扱いは容易ではない。
例えば、端面38´BSと端面42BSとの間のギャップCLに塗布される紫外線(UV)硬化型接着剤とされる接着剤(不図示)は、薄膜44相互間に形成される被接着面38´BSにおけるガイド孔38´aiを除く領域、即ち、図6おける斜線で示される領域に所定量、塗布されることとなる。
従って、この薄膜44は、ガイド部材38´を光部品40に接着する際、光部品40の一部を構成するガラス板42における接着面42BSと端面38´BSとの間のギャップCL(接着剤の厚さ)を決めるためのものである。但し、接着剤は、ガイド部材38´が位置決めされ、プランジャ32Pにより押圧された後、浸透されるが、しかし、そのギャップがガイド孔38´aiの直径に比して小に設定されるのでその接着剤がガイド孔38´aiに侵入する虞がない。
調心用ステージ30は、所定の間隔をもって一対のモニタ用光ファイバ34の一部を片持ちばりとなるように支持している。一対のモニタ用光ファイバ34は、アクティブアライメント法に従うガイド部材38´の光部品40に対する位置決めに利用される。モニタ用光ファイバ34は、シングルモード(SM)またはマルチモード(MM)の光ファイバとされ、その素線34aが調心用ステージ30の端面に対し垂直に突出するように保持されている。
素線34aにおける調心用ステージ30の下端面から突出した長さは、ガイド部材38´におけるガイド孔38´aiの中心軸線に沿った長さよりも所定の長さdfだけ突出する長さに設定されている。
一対のモニタ用光ファイバ34の相互間であって、シリンダ32と各モニタ用光ファイバ34との間には、それぞれ、所定の間隔、例えば、隣接するガイド孔38´aiの中心軸線の相互間隔をもってガイドピン35´が配されている。
2本のガイドピン35´は、例えば、超硬合金材料で作られている。各ガイドピン35´は、その先端部が片持ちばりとなるように調心用ステージ30に支持されている。各ガイドピン35´は、各モニタ用光ファイバ34に対し平行に配されている。各ガイドピン35´は、モニタ用光ファイバ34の直径と同一の直径を有している。各ガイドピン35´における調心用ステージ30の端部から光部品用ステージ36に向けて突出する長さは、モニタ用光ファイバ34において対応する長さに比して小に設定されている。モニタ用光ファイバ34の素線34aやガイドピン35´の先端は、図5に部分的に拡大されて示されるように、その先端部に外周縁に面取り35´C(34ac)を施すことにより、それらをガイド部材38´のガイド孔38´aiへの挿入をより容易にしている。
そのガイドピン35´におけるガイド孔38´aiに挿入される部分の外径は、ガイド孔38´aiの内径(ガイド孔の断面が円形でない場合は、内接円径)より僅かに小さく設定される。なお、2本のガイドピン35´は、斯かる例に限られることなく、例えば、1本以上のガラス製またはセラミック製の細棒からなるガイドピン、他の金属のガイドピンなどが挙げられる。
一般的に、モニタ用光ファイバ34の素線34aだけにより、ガイド部材38´と調心用ステージ30とが連結されるならば、端面38´BSと端面42BSとの間の摩擦、および、モニタ用光ファイバ34の素線34aの撓み等が原因で、ガイド部材38´の動きは、調心ステージ30の動き(例えば、X座標軸方向,Y座標軸方向)とは必ずしも等しくはならない。
従って、ガイドピン35´は光ファイバ(石英製)より剛性が高いのでモニタ用光ファイバ34の素線34aおよびガイドピン35´によってガイド部材38´を調心用ステージ30に連結された状態で、調心用ステージ30を駆動しガイド部材38´を動かすとき、調心用ステージ3の動作に対するガイド部材38´の動作の追従性が良くなる。
さらに、本実施例では、調心ステージ30に対するガイド部材38´の追従性が良くなるので上述のアクティブアライメント法でガイド部材38´を位置決めする際、位置決めに要される時間を短縮でき、また、その位置決め精度を向上させることができる。即ち、本装置は、光部品40に接続される光ファイバが、シングルモード(SM)の光ファイバで、ガイド部材38´の光部品40に対する高い位置決め精度が必要な場合に向いている。
なお、モニタ用光ファイバ34は、必ずしもガイド部材38´と調心用ステージ30とを連結させる役目を持たせる必要はなく、モニタ用光ファイバ34は、モニタ用光ファイバ34が調心用ステージ30に固定されない場合もあり得る。
図7は、本発明に係る光ファイバのガイド部材を装着する方法の一例が適用された装着装置の第3実施例の要部を概略的に示す。
図5に示される例においては、一対のモニタ用光ファイバ34相互間に一様な横断面積を有する2本のガイドピン35‘が所定の間隔をもって調心用ステージ30に配置されているが、その代わりに、図7に示される例においては、線形部材として異径断面を有する2本のガイドピン37が配置されるものとされる。
また、図5に示される例においては、ガイド部材38´は、所定の間隔をもって一対の帯状の薄膜44を有するものとされるが、その代わりに、図7に示される例においては、ガイド部材48が略矩形状の薄膜45をその4隅に有するものとされる。また、シリンダ32´のプランジャ32´Pの先端には、所定の厚さのゴム板32´aが接合されている。これにより、プランジャ32´Pでガイド部材48を押圧したとき、ガイド部材48の表面に傷や欠け等が生じることが防止される。
なお、図7において、図1に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
略直方体のガイド部材48は、例えば、紫外線を透過するようなガラスで作られ、図8に拡大されて示されるように、所定の光ファイバの一端を形成する素線およびガイドピン37が挿入されるガイド孔48ai(i=1〜n,n=6)を有している。ガイド孔48aiは、ガイド部材48の略中央位置に、その長辺に沿って所定の均等の間隔で一列に形成されている。ガイド孔48aiは、その中心軸線が互いに平行となるようにその厚さ方向に貫通している。ガイド孔48aiの一方の開口端部は、プランジャ32´Pにより押圧される被押圧面に開口している。被押圧面は、平坦面とされる。ガイド孔48aiの一方の開口端部の周縁には、光ファイバの素線の挿入を容易にするために所定の面取りが施されている。
また、ガイド孔48aiの他方の開口端部は、図8に拡大されて示されるように、接着剤が塗布される被接着面48BS(以下、単に、端面48BSともいう)に開口している。被接着面48BSと上述の被押圧面とは、互いに平行となるように形成されている。被接着面48BSは、ガイド孔48aiの中心軸線に対し垂直となるように形成されている。被接着面48BSとガイド孔48aiの中心軸線とがなす90°は、角度誤差を有し、その許容値が、0.3°以下に設定されている。なお、光部品40の端面42BSとガイド孔48aiの中心軸線とがなす90°は、角度誤差がないものとする。但し、プランジャ32´Pでガイド部材48が押圧され、端面42BSと端面48BSとの間の平行度を適性化する場合、ガイド部材48は回転しづらくなる(プランジャ32´Pの押圧力が同じでもその回転角度は小さくなる)が、回転角は、0.3°以下と小さく、2本のモニタ用光ファイバ34の素線34aが撓んで湾曲する度合いは小さいので端面48BSと端面42BSとが平行となることは可能となる。
ガイド孔48aiが形成されていない被接着面48BSの両端の各隅部分には、それぞれ、被接着面48BSに対し所定の厚さΔdを有する矩形状の薄膜45が形成されている。その4箇所の薄膜45の厚さΔdは、等しく、端面48BSにおいて薄膜45が形成される領域の面積は、端面48BS全体の面積に比べて十分小さい。
端面48BSに薄膜45を付加する手段としては、加熱蒸着、スパッタなど真空装置を用いて薄膜を形成する手段、メッキを用いて薄膜を形成する手段、金属、ガラス、樹脂等の薄板を貼り付ける手段、樹脂等を塗布する手段などが挙げられる。真空装置を用いて薄膜45を形成する手段では、端面48BSの特定の位置のみに薄膜45を形成するため端面48BS上にマスクを設けて、成膜する。端面48BSの一辺は数mmと小さく、真空装置内に多数個を設置することができ、一括して多数個を処理することができる。すなわち、薄膜45を付加するコストは、1個のガイド部材48当たりについてコストが小さくなる。
例えば、端面48BSと端面42BSとの間のギャップCLに塗布される紫外線(UV)硬化型接着剤とされる接着剤(不図示)は、薄膜45相互間に形成される被接着面48BSにおけるガイド孔48aiを除く領域、即ち、図8おける斜線で示される領域に所定量、塗布されることとなる。
従って、この薄膜45は、ガイド部材48を光部品40に接着する際、光部品40の一部を構成するガラス板42における接着面42BSと端面48BSとの間のギャップCL(接着剤の厚さ)を決めるためのものである。但し、接着剤は、ガイド部材48が位置決めされ、プランジャ32´Pにより押圧された後、浸透されるが、しかし、そのギャップがガイド孔48aiの直径に比して小に設定されるのでその接着剤がガイド孔48aiに侵入する虞がない。
調心用ステージ30は、所定の間隔をもって一対のモニタ用光ファイバ34の一部を片持ちばりとなるように支持している。素線34aにおける調心用ステージ30の下端面から突出した長さは、ガイド部材48におけるガイド孔48aiの中心軸線に沿った長さよりも所定の長さdfだけ突出する長さに設定されている。
一対のモニタ用光ファイバ34の相互間であって、シリンダ32´と各モニタ用光ファイバ34との間には、それぞれ、所定の間隔、例えば、隣接するガイド孔48aiの中心軸線の相互間隔をもってガイドピン37が配されている。
2本のガイドピン37は、例えば、超硬合金材料で作られている。各ガイドピン37は、その先端部が片持ちばりとなるように調心用ステージ30に支持されている。各ガイドピン37は、各モニタ用光ファイバ34に対し平行に配されている。
各ガイドピン37は、モニタ用光ファイバ34の直径と同一の直径φBを有する下端部と、その下端部に連なり直径φBよりも大なる直径φAを有する基端部とを有している。その基端部の一端が調心用ステージ30に固定されている。各ガイドピン37における調心用ステージ30の端部から光部品用ステージ36に向けて突出する長さは、モニタ用光ファイバ34において対応する長さに比して小に設定されている。
そのガイドピン37におけるガイド孔48aiに挿入される下端部の外径は、ガイド孔48aiの内径より僅かに小さく設定される。一般的に、調心用ステージ30の動きに対するガイド部材48の動きの追従性を良くするためには、ガイドピン37の曲げ剛性を高くする(撓み難くする)ことが考えられる。そのための方法としては、ガイドピン37の撓み可能な部分の長さdf(調心用ステージ30の下端面とガイド部材48の上端面との間隔)を短くし、または、ガイドピンの本数を増やすこと、および、ガイドピンの材質を弾性係数の大きいものにする、ガイドピンの直径を太くするといったことが挙げられる。但し、曲げ剛性の大きさは、端面48BSと端面42BSとの角度ずれの程度で制限される場合がある。
なお、2本のガイドピン37は、斯かる例に限られることなく、例えば、ガラス製またはセラミック製の細棒からなるガイドピン、他の金属のガイドピンなどが挙げられる。
従って、本実施例においては、直径φAを有する基端部を有するガイドピン37が撓み難いので調心用ステージ30の動きに対するガイド部材48の動きの追従性はより良くなり、ガイド部材48の光部品40に対する位置決め精度はより高くなる。
また、ガイドピン37が撓み難いのでガイド孔48aiの数が少なく、調心用ステージ30において設けられるモニタ用光ファイバ34以外にガイドピン等の本数を多くできない場合、あるいは、装置構成の都合で調心ステージ30とガイド部材48との間隔を十分に短くできない場合において、上述した追従性を高めるためにも有効である。
本装置は、プランジャ32´Pで押圧する以前において、端面48BSと端面42BSとの相対的な角度差が小さい場合に有効である。
さらに、ガイド部材48については、端面48BSの四隅に凸部として薄膜45が付加されている。この構成の場合、UV硬化型接着剤を浸透させる際に、それを滴下する位置の自由度が増える。すなわち、上述した第1実施例および第2実施例の場合、その接着剤を滴下する位置が、その端面38BS(38´BS)の4辺の内、2辺であるが(その凸部がある辺から浸透させることは困難)、本実施例では、4辺のいずれからもその接着剤を浸透させることができる。
図9は、本発明に係る光ファイバのガイド部材を装着する方法の一例が適用された装着装置の第4実施例の要部を概略的に示す。
図1に示される例と同様に、一対のモニタ用光ファイバ34の相互間であって、シリンダ32と各モニタ用光ファイバ34との間には、それぞれ、所定の間隔、例えば、隣接するガイド孔38aiの中心軸線の相互間隔をもって線形部材としてダミーファイバ35が配されている。また、図1に示される例においては、ガイド部材38は、一対の凸部38Pを端面38BSに有するものとされるが、図9に示される例においては、ガイド部材68は、そのような凸部を有しないものとされる。さらに、光部品40の透明板42´が一対の凸部42´Pを有するものとされる。
なお、図9において、図1に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
略直方体のガイド部材68は、例えば、紫外線を透過するようなガラスで作られ、所定の光ファイバの一端を形成する素線が挿入されるガイド孔68ai(i=1〜n,n=6)を有している。ガイド孔68aiは、ガイド部材68の略中央位置に、その長辺に沿って所定の均等の間隔で一列に形成されている。ガイド孔68aiは、その中心軸線が互いに平行となるようにその厚さ方向に貫通している。ガイド孔68aiの一方の開口端部は、プランジャ32Pにより押圧される被押圧面に開口している。被押圧面は、平坦面とされる。ガイド孔68aiの一方の開口端部の周縁には、光ファイバの素線の挿入を容易にするために所定の面取りが施されている。
また、ガイド孔68aiの他方の開口端部は、接着剤が塗布される被接着面68BS(以下、単に、端面68BSともいう)に開口している。被接着面68BSと上述の被押圧面とは、互いに平行となるように形成されている。被接着面68BSは、ガイド孔68aiの中心軸線に対し垂直となるように形成されている。被接着面68BSとガイド孔68aiの中心軸線とがなす90°は、角度誤差を有し、その許容値が、1°以下に設定されている。
光部品40は、上述のガイド孔68aiに対応して形成されるマイクロレンズを有する透明板42´と、透明板42´の下方に配列される光半導体素子40ai(i=1〜n,n=6)とを主な要素として含んで構成される。
透明板42´は、ガイド部材68に向かい合う一方の端面に設けられている。透明板42´は、例えば、平坦面を有するガラス板で作られ、マイクロレンズは、例えば、平坦なガラス板にイオンを拡散して形成される。
また、透明板42´の平坦面には、上述のガイド部材68の被接着面68BSを接着する接着面42´BS(以下、端面42´BSともいう)が形成されている。接着面42´BSの周囲には、端面68BSと端面42´BSとの間のギャップCLを調整するための凸部42´Pが相対向して2箇所に形成されている。すべての凸部42´Pの高さは、互いに同一の高さに設定されている。接着面42´BSに凸部42´Pを付加する手段としては、加熱蒸着、スパッタなど真空装置を用いて薄膜を形成する手段、メッキを用いて薄膜を形成する手段、金属、ガラス、樹脂等の薄板を貼り付ける手段、樹脂等を塗布する手段などが挙げられる。また、ドライエッチング法やウエットエッチング法により、凸部42´Pの周辺をエッチングする方法も挙げられる。
なお、光入出力チャンネルが2チャンネル以上、すなわち、複数本の光ファイバ接続を必要とする光部品では、ガイド部材を位置決めする際、X座標軸、Y座標軸方向に加えてθz方向の位置決めが必要なのでモニタ用光ファイバは、少なくとも2本、必要とされる。上述の実施例1乃至実施例4においては、モニタ用光ファイバは2本としているが、斯かる例に限られることなく、例えば、3本以上のモニタ用光ファイバが設けられてもよい。また、上述の実施例1乃至実施例4においては、ガイド部材38,38´、48.68のガイド孔の個数を6個としているが、必ずしもこのようにされる必要がなく、例えば、ガイド孔の個数が7個以上あってもよい。
図10は、本発明に係る光ファイバのガイド部材を装着する方法の一例が適用された装着装置の第5実施例の要部を概略的に示す。
図1に示される例において、上述したように、光入出力チャンネルが2チャンネル以上、すなわち、複数本の光ファイバ接続を必要とする光部品では、モニタ用光ファイバ34は2本とされているが、その代わりに、図10に示される例においては、光入/出力チャンネルが1チャンネルであり、モニタ用光ファイバ34は、1本とされる。また、図1に示される例においては、ガイド部材38は、6個のガイド孔38aiを有するものとされるが、その代わりに、図10に示される例においては、ガイド部材78は、1個のガイド孔78aを中央に有するものとされる。また、光部品70は、1個の光半導体素子70aを有するものとされる。さらに、装着装置は、調心用ステージ38に1本のダミーファイバ(不図示)を有し、ガイド部材78は、1個のガイド孔78aに加え、前記ダミーファイバが挿入されるダミー孔(不図示)を有するものとされる。前記ダミーファイバおよびダミー孔は、モニタ用光ファイバ34およびガイド孔78aに対して、紙面における奥側に存在し、そのために図示されない。
なお、図10において、図1に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
略直方体のガイド部材78は、例えば、紫外線を透過するようなガラスで作られる。ガイド孔78aは、その中心軸線がその厚さ方向に貫通している。ガイド孔78aの一方の開口端部は、後述するプランジャ82により押圧される被押圧面に開口している。ガイド孔78aの一方の開口端部の周縁には、光ファイバの素線の挿入を容易にするために所定の面取りが施されている。
また、ガイド孔78aの他方の開口端部は、接着剤が塗布される被接着面78BS(以下、単に、端面78BSともいう)に開口している。被接着面78BSと上述の被押圧面とは、互いに平行となるように形成されている。被接着面78BSは、ガイド孔78aの中心軸線に対し垂直となるように形成されている。被接着面78BSとガイド孔78aの中心軸線とがなす90°は、角度誤差を有し、その許容値が、1°以下に設定されている。
ガイド孔78aが形成されていない被接着面78BSの両端の部分には、それぞれ、被接着面78BSに対し所定の高さΔdだけ突出した帯状の凸部74が形成されている。その2箇所の凸部74の高さΔdは、等しく、端面78BSにおいて凸部74が形成される領域の面積は、端面78BS全体の面積に比べて十分小さい。
例えば、紫外線(UV)硬化型接着剤とされる接着剤は、凸部74相互間に形成される被接着面78BSにおけるガイド孔78aを除く領域に所定量、塗布されることとなる。
従って、この凸部74は、ガイド部材78を後述する光部品70に接着する際、光部品70の一部を構成するガラス板72における接着面72BSと端面78BSとの間のギャップCL(接着剤の厚さ)を決めるためのものである。但し、接着剤は、ガイド部材78が光部品70に対し位置決めされ、プランジャ82により押圧された後、浸透されるが、しかし、そのギャップCLがガイド孔78aの直径に比して小に設定されるので接着剤がガイド孔78aに侵入する虞がない。
光部品70は、上述のガイド孔78aに対応して形成されるマイクロレンズを有する透明板72と、透明板72の下方に配列される光半導体素子70aとを主な要素として含んで構成される。
透明板72は、ガイド部材78に向かい合う一方の端面に設けられている。透明板72は、例えば、平坦面を有するガラス板で作られ、マイクロレンズは、例えば、イオンを拡散して形成される。
また、透明板72の平坦面には、上述のガイド部材78の被接着面78BSを接着する接着面72BS(以下、端面72BSともいう)が形成されている。
調心用ステージ30´において、プランジャ80を有するシリンダ80とモニタ用光ファイバ34とは、別の位置に設けられている。(モニタ用光ファイバ34は、シリンダ80に対し紙面における手前側に設けられる)。プランジャ80は、ゴム板84をそれぞれ有する二股状のアーム82aを有している。アーム82aは、左右均等にガイド部材78を光部品70に向けて押圧するものとされる。図10においては、アーム82aがガイド部材78を押圧する状態を示す。
斯かる構成において、プランジャ80のアーム82aがガイド部材78を押圧していない場合、ガイド部材78の光部品70に対する位置決めは、モニタ用光ファイバ34の素線34aがガイド孔78aに、またダミーファイバがダミー孔に挿入された状態で、調心用ステージ30´がX座標軸およびY座標軸方向に移動させることにより行われる。ガイド部材38の向き(θz方向の位置)は、モニタ用光ファイバ34とダミーファイバ(不図示)が挿入されることにより決められ、ガイド部材38をX軸およびY軸方向について位置決めする際も、その向きに維持される。ダミーファイバを用いることにより、調心用ステージ30´を駆動してガイド部材38を調心する際に、調心用ステージ30´の動きに対するガイド部材38の動きの追従性は、良好になる。
なお、本実施例では、モニタ用光ファイバをガイド部材に挿入して、アクティブアライメント法によりガイド部材を光部品端面の所定の位置に位置決めしたが、画像モニタ法を用いることも考えられる。ここでの画像モニタ法は、例えば、光部品端面にガイド部材を位置決めするためのマーカが形成されており、マイクロスコープによる画像モニタにより、そのマーカとガイド部材の外郭とを一致させるように位置決めすることである。この場合、基本的には、モニタ用光ファイバは不要であるが、ガイド部材が正しい位置に位置決めされたかを確認したり、ガイド部材の位置を修正することができる。
従って、上述の本発明における各実施例によれば、ガイド部材を本体に所定の位置精度で接着、固定できるだけでなく、その際に、光部品の端面とガイド部材の端面との間の平行度の適正化、および、その両端面のギャップの調整を比較的簡単な工程で行うことができる。
その結果、ガイド部材の光部品に対する固定に関して従来通りの信頼性を得ることができる。
また、本発明に従う各実施例における装置の構成は、先に述べた従来の装着装置と比較して、簡単であり、装置の製造コストを低くすることができる。
具体的には、上述の特許文献3に記載されている従来のガイド部材の装着装置と本実施例における装置とを比較したならば、ガイド部材にモニタ用光ファイバを挿入してアクティブアライメント法でガイド部材の光部品に対する位置決めを行う手段は、類似している。
しかしながら、従来の装置は、光部品の端面とガイド部材の端面との間の平行度の適正化は、ジンバル機構を用いた比較的複雑な手段を用いるものであるのに対して、本装置はプランジャでガイド部材を押圧する簡単な手段である。
本装置において、プランジャでガイド部材を押圧して、ガイド部材の端面を光部品の端面に接触させ、ガイド部材を若干回転させ、光部品の端面とガイド部材の端面とを平行にする仕組みは、ジンバル機構の一種とも言えるが、本装置では、ガイド部材自体が回転するのに対して、従来の装置では、ガイド部材と共にガイド部材を把持するステージ部分も回転するので、装置が複雑になる原因になる。
さらに、従来の装置は、その両端面のギャップの制御は、両端面の接触荷重を検出する比較的複雑な手段を用いるものであるのに対して、本装置では、ガイド部材の端面に凸部(例えば、薄膜)を付加したことによる簡単な手段である。例えば、上述の薄膜をガイド部材の端面に付加することは、真空蒸着法などを用いれば容易に行うことができ、それによるガイド部材の製造コストの増加は小さい。
本装置では、調心用ステージに設けられるモニタ用光ファイバをガイド部材に対して挿抜するために従来装置において採用されているような、ファイバステージも不要である。
そして、光部品の構造の剛性が低い、あるいは、光部品がその構造上、光部品用ステージ(部品ステージ)に強固に保持できない(例えば、電気コネクタに接続することにより保持される)理由により、ガイド部材の端面と光部品の端面とを突き合わせて上述の平行度を適正化し、あるいは、両端面の接触位置を検出する従来の手段の適用が困難な場合にも、本発明の各実施例における装置は、適用可能である。