JP5283895B2 - ジニトロトルエンの接触水素化によるトルエンジアミンの製造方法 - Google Patents

ジニトロトルエンの接触水素化によるトルエンジアミンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トルエンジアミン(TDA)の製造方法において、ジニトロトルエン(DNT)を水素と触媒の存在下に反応させ、その際、使用されるジニトロトルエンが、物理的に溶解された形でもしくは化学的に結合された形で、使用されるジニトロトルエンのモル量に対して、0.175モル%以下の二酸化炭素含有率を有する方法に関する。
本特許出願は、2006年12月19日に出願されたドイツ国特許出願第10 2006 060572.1号について、米国特許法第119条(a)から(d)に規定された優先権を主張する。
トルエンジアミンは、トルエンジイソシアネート(TDI)の製造のために中間体であり、それらは、ポリウレタンの製造のための、大規模に製造される重要な予備生成物である。ジニトロトルエン(DNT)の接触水素化によるそれらの製造は公知であり、そして屡々記載されている(例えばウールマンの工業化学事典、第4版、第7号、第393頁以降、1973年、Chemie出版、ヴァインハイム/ニューヨーク(Ullmann’s Enzyklopadie der technischen Chemie,4th Edition,Volume 7、page 393ff、1973,Verlag Chemie Weinheim/New York)を参照)。トルエンジアミンの工業的製造は、主に、トルエンと硝酸とのニトロ化により得られる異性体のジニトロトルエンの混合物の反応によって実施される。異性体のジニトロトルエンの商業的混合物は、主に、粗製DNTの形態で2段階の等温ニトロ化法において硝酸を触媒としての硫酸の存在下で使用して製造され、その際、相応のモノニトロトルエンが中間体として形成される。それらは、引き続き反応の下流に設けられた段階において、主に洗浄段階において後処理され、こうして大部分の溶解された硫酸及び硝酸が除去され、また反応段階で形成される、二次成分、例えばクレゾール及びそれらの分解生成物が除去される。
一般的な商業的なDNT生成物は、DNT生成物混合物の全質量に対して、98.5質量%より高いDNT含有率と、0.1質量%未満のモノニトロトルエンと、0.1質量%未満のトリニトロトルエンと、0.1質量%未満の他の二次成分と、少ない残留量のトルエンを有し、その際、DNT収率は、98%より高く、そしてトルエン転化率は、99.9%より高い。また重要なのは、2,4−DNT異性体及び2,6−DNT異性体の全量と、2,3−DNT異性体、3,4−DNT異性体、2,5−DNT異性体及び3,5−DNT異性体の全量との質量比である。産業上の仕様によれば、粗製DNT中の2,4−DNT異性体及び2,6−DNT異性体の全体の含有率は、粗製DNTの全質量に対して95質量%より高い。2,4−DNTの含有率は、2,4−DNT及び2,6−DNTの質量の合計に対して、79.0〜81.0質量%であることが好ましい。従って、2,6−DNTの含有率は、2,4−DNT及び2,6−DNTの質量の合計に対して、19.0〜21.0質量%である。
これらの商業的なDNT生成物の接触水素化は、不活性溶剤を用いるか又は溶剤を用いずに実施することができ、次いで、該混合物は、水素化の実施前に溶融される。通常の反応器を用いて断続的にも、連続的にも実施することができる。連続的な反応手順に加えて、該方法を使用して達成できる反応の選択性と、使用される触媒の能力及び作業寿命は、特に、使用される方法の経済的成果には重要である。
米国特許第3,356,728号は、芳香族アミンを、芳香族ポリニトロ芳香族化合物をスラッジ相反応器(sludge phase reactor)中で接触水素化させることによって製造する改善された連続的方法を開示しており、そこでは、該方法は、ジニトロトルエンの反応の例を用いて説明されている。米国特許第3,356,728号の教示によれば、この反応系におけるジニトロトルエンの接触水素化は、選択性、触媒作業寿命及びスループットの点で非常に効果的に実施できるが、それは以下の場合である:
・ 反応帯域が、常に、反応の間中、水素で飽和されている場合、
・ 芳香族ポリニトロ化合物が、該反応系に存在する触媒に対する質量比(すなわち"触媒負荷(catalyst loading)")を維持しつつ、該系に添加される場合、及び
・ 反応帯域に添加される芳香族ポリニトロ化合物の濃度が、所定の限界値を超過しない場合。
米国特許第3,356,728号は、いわゆる触媒負荷(すなわち、"ニトロ基のkg当量において1時間当たりに添加される芳香族ポリニトロ化合物の量と、反応器に存在する触媒のkg量との比率")について、0.15未満の作業範囲、有利には0.01〜0.11の作業範囲をクレームしている。また、反応混合物中で維持されるべき芳香族ニトロ化合物の最大濃度が、反応混合物の質量に対して、0.1質量%であり、有利には0.015質量%未満であることを開示している。
米国特許第3,356,728号の教示によれば、クレームされた触媒負荷は、該反応系において活性触媒の高い濃度をもたらし、そうして供給される芳香族ポリニトロ化合物は、該混合物に入った後に直ちに反応して、所望のアミンとなり、そして反応系中の未反応のニトロ化合物の濃度は、全ての時間で0.005質量%未満に保持される。米国特許第3,356,728号に開示されるように、この低い濃度は、迅速に触媒が毒化されることを妨げ、加えて、より高い収率及び改善された生成物純度が、芳香族ポリニトロ化合物の反応において実質的に低減された費用で得られる。
芳香族ポリニトロ化合物の接触水素化の反応混合物における、許容できないほど高い未還元のニトロ化合物の濃度を避けることは、また米国特許第3,499,034号の発明主題である。米国特許第3,499,034号は、未還元の芳香族ニトロ化合物の最大濃度として、反応混合物の質量に対して0.5質量%を維持すべきであることを開示している。米国特許第3,499,034号の教示によれば、未還元のニトロ化合物のこれらの低い濃度は、特に、低い濃度のアゾキシ化合物、アゾ化合物及びヒドラゾ化合物をもたらし、それらは公知のように、ニトロ化合物の接触水素化においても形成され、そして米国特許第3,499,034号に記載されるように、タール状化合物を構成し、それが困難をもってのみ、かつ芳香族のポリニトロ化合物の所望の接触水素化の顕著な減速を伴ってのみ還元することができるに過ぎない。
EP0171052号B1の教示によれば、芳香族ニトロ化合物の接触水素化におけるタール状中間体の形成は、未還元のニトロ化合物の濃度にのみ依存するだけでなく、ニトロ化合物それ自体にも依存する。EP0171052号B1に開示されるように、芳香族ニトロ化合物の接触水素化は、特に、少なくとも25質量%のモノニトロ−非アミノ芳香族化合物と少なくとも25質量%のジニトロ−もしくはモノニトロ−アミノ芳香族化合物との混合物が芳香族ニトロ化合物として使用される場合に特に効果的である。開示される反応法の利点は、しかしながら、水素化生成物を引き続き蒸留により分離する必要があるという経費の点で制限される。このように、大規模での芳香族ポリニトロ化合物の接触水素化は、通常は、米国特許第3,356,728号及び米国特許第3,499,034号において例示される原理に従って実施される。
英国特許第832,153号の教示によれば、ニトロ化合物の所望の接触水素化は、未還元の芳香族ニトロ化合物及びその中間体のアゾキシ化合物、アゾ化合物及びヒドラゾ化合物によるだけでなく、水素化されるべきニトロ化合物中に含まれる夾雑物によっても大きな影響を受けることがある。英国特許第832,153号に開示されるように、通常、商業的なジニトロトルエン異性体混合物中に少量で存在するニトロフェノール及びニトロクレゾールは、分解促進剤並びに強力な触媒毒であるので、それらの濃度は、プロセス安全性の観点と、ニトロ化合物を相応のアミンへと所望の接触水素化をさせる効率の点で決定的であると見なされるべきである。英国特許第832,153号の教示によれば、接触水素化で使用されるニトロ化合物は、500ppm未満の"ニトロフェノール"、有利には20ppm未満の"ニトロフェノール"を含有するべきであり、その際、用語"ニトロフェノール"は、英国特許第832,153号によれば、ニトロフェノール様化合物とニトロクレゾール様化合物の合計として理解されるべきである。
EP0019454号B1は、また、ニトロフェノール様夾雑物の影響についても扱っている。EP0019454号B1の教示によれば、ニトロフェノール様夾雑物の除去は、主に不必要であるが、商業的なジニトロトルエンの接触水素化においては、触媒毒化と形成されるアミンの分解を回避するために、HNO3として表現されるそれらの酸含有率を、ジニトロトルエンの質量に対して6000ppm未満に低減させるために重要である。EP0019454号B1は、粗製ジニトロトルエンを、水でのみ洗浄し、アルカリ性水溶液を、ニトロフェノール様の夾雑物の分離には使用しない方法を開示している。
米国特許第4,482,769号においては、より差別化された規定がなされている。そこでの教示によれば、商業的なジニトロトルエン混合物のアルカリ性水溶液での洗浄は好ましいが、その洗浄は、水相が5.8〜6.4の範囲のpH値を有するように実施すべきである。米国特許第4,482,769号に開示されるように、洗浄における係るpH値の結果は、全ての酸性成分の大部分がジニトロトルエンから分離され、その際、僅かな生分解性が不十分な2,4−ジニトロオルトクレゾールだけしか有さないことであるが、それはジニトロトルエン中に二次成分として残留する。米国特許第4,482,769号の教示によれば、一方で、酸性成分の影響は、有利には、そのクレームされた方法によって抑えられ、そして他方では、2,4−ジニトロオルトクレゾールの低い含有率は、こうして製造されたジニトロトルエンの後続の水素化に影響を及ぼさない。
米国特許第3,356,728号 米国特許第3,499,034号 EP0171052号B1 英国特許第832,153号 EP0019454号B1 米国特許第4,482,769号 ウールマンの工業化学事典、第4版、第7号、第393頁以降、1973年、Chemie出版、ヴァインハイム/ニューヨーク
本発明の課題は、背景技術にある上述の欠点を回避したトルエンジアミンの製造方法を提供することであった。
驚くべきことに、ここで、ジニトロトルエンと水素とを触媒の存在下で反応させるトルエンジアミンの製造において、所望の反応は、従来技術により公知のパラメータによって影響されず、該反応で使用されるジニトロトルエンの二酸化炭素含有率によって影響されることが判明した。殊に、ジニトロトルエンの二酸化炭素含有率が低い場合に、実質的により良い触媒作業寿命が得られ、一方で、反応の選択性が高まる。
本発明は、ジニトロトルエンを水素と触媒の存在下に反応させるトルエンジアミンの製造方法において、使用されるジニトロトルエンが、物理的に溶解された形でもしくは化学的に結合された形で、使用されるジニトロトルエンのモル量に対して、0.175モル%未満の二酸化炭素含有率を有することを特徴とする方法を提供する。
本発明による方法の範囲内で使用できる、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の含有率を測定するための好適な分析法は、詳細に、以下の"実施例"の項目において、"ジニトロトルエンにおける物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の定量的測定のための分析法の説明"という表題で開示及び記載されている。本発明の範囲内では、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の含有率は、物理的に溶解された形で及び/又は化学的に結合された形で存在できる、二酸化炭素の全含有率を意味するものと解されるべきである。
本発明の好ましい一実施態様においては、トルエンジアミンの製造方法は、
a)トルエンと混酸とを反応させて、モノニトロトルエンを含有する反応混合物を形成させる工程、
b)モノニトロトルエンを含有する反応混合物を、モノニトロトルエンを含有する有機相と、硫酸を含有する水相とに分離する工程、
c)モノニトロトルエンを含有する有機相と混酸とを反応させて、ジニトロトルエンを含有する反応混合物(すなわちジニトロトルエンの異性体混合物)を得る工程、
d)ジニトロトルエンを含有する反応混合物を、ジニトロトルエンを含有する有機相と、硫酸を含有する水相とに分離する工程、
e)ジニトロトルエンを含有する有機相を水によって、各段階が混合と相分離を含む多段階の抽出において精製して、ジニトロトルエンの異性体混合物であって、(i)74〜81質量%の2,4−DNTと、(ii)17〜21質量%の2,6−DNTと、(iii)5.5質量%未満の2,3−DNT、2,5−DNT、3,4−DNT及び3,5−DNTの組み合わせとを含有し、(i)、(ii)及び(iii)の合計が、全体でジニトロトルエンの100質量%となるものを得る工程、
f)得られたジニトロトルエンの異性体混合物と水素とを触媒の存在下で反応させて、トルエンジアミンを得る工程
を含み、その際、
(1)工程e)における多段階抽出の各段階における混合のための滞在時間(滞留時間)が、少なくとも4分間であって、60分間以下であり、かつ
(2)不活性ガスが、付加的に、少なくとも工程e)における抽出の最後の段階で、ジニトロトルエン及び水を含有する有機相の混合物中に導入し、その際、不活性ガスとジニトロトルエンとの質量比が、得られる精製されたジニトロトルエンが、ジニトロトルエンのモル量に対して、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の全含有率0.175モル%未満、有利には0.125モル%未満、最も有利には0.075モル%未満を有するものである。
本発明による方法において、特にその好ましい実施態様(すなわち前記の工程a)〜g))においては、工程a)におけるモノニトロトルエンの製造における反応及び工程c)におけるジニトロトルエンの製造における反応は、断熱的にもしくは等温的に実施することができる。好ましくは、等温的に、反応混合物が連続的に流過する冷却された撹拌槽カスケード、又は例えばEP0903336号B1(米国特許第5,902,910号に相当すると思われる)又はDE10 2004 005913号A1(これらは、参照をもって開示されたものとする)に記載される直列に接続された冷却されたループ型反応器を用いて実施される。静的分離器及び動的分離器は、工程b)及びd)における相分離において使用することができる。例えばEP0903336号B1(米国特許第5,902,910号に相当すると思われる)に記載される静的分離器の使用が好ましい。前記文献は、参照をもって開示されたものとする。
本発明の好ましい方法においては、工程d)において得られる有機相の工程e)における多段階抽出は、有機相中に含まれる硝酸及び/又は硫酸の主要量の回収を伴って実施することができる。その回収は、一段階もしくは多段階の方法によって、個々の段階において少量の未投入の水を用いて、又は多段階法によって、向流的に、各段階を通じて循環されるより多量の水を用いて、実施することができる。好適な方法は、例えばEP0279312号B1もしくはEP0736514号B1(それらは米国特許第5,001,286号と同第5,756,867号とにそれぞれ相当すると思われる)に記載されている。それらの文献は、参照をもって開示されたものとする。
酸を回収しないことが好ましい。次いで、本発明による方法において、工程d)で得られるジニトロトルエンを含有する有機相を、工程e)において水を用いて、各段階に混合と相分離を含む多段階抽出において洗浄する。特に好ましい一実施態様においては、ジニトロトルエン(すなわちジニトロトルエンの異性体混合物)の多段階抽出に使用される水は、種々の段階において異なるpH値を有してよい。次いで、工程e)においてジニトロトルエンの抽出のために、少なくとも1段階でアルカリ性の水を使用し、そして少なくとも1段階で中性の水を使用することが好ましい。2段階より多くの段階を含む抽出の場合には、少なくとも1段階においてアルカリ性の水を使用し、少なくとも1段階において酸性の水を使用し、そして少なくとも1段階において中性の水を使用することが好ましい。前記の好ましい実施態様において、複数段階における抽出は、"液/液"抽出として行われる。これは、使用されるジニトロトルエン及び抽出剤として使用される水相の温度の好適な選択によって保証される。
更なる好ましい一実施態様においては、多段階抽出は、少なくとも1段階において、互いに事実上不溶性である種々の比重の液体を混合及び分離するための装置を用いて実施される。それは、例えばDE−B−1135425号(それは米国特許第3,162,510号に相当すると思われる)に記載されており、該文献は、参照をもって開示されたものとする。
DE−B−1135425号(米国特許第3,162,510号に相当すると思われる。前記文献は、参照をもって開示されたものとする)に記載される装置の固有の特徴は、抽出塔又は洗浄塔の形態の混合帯域であって、該混合帯域周りに同心円状に配置された相分離用のチャンバを有する帯域であり、その際、該混合帯域を出て行く混合物は、そのチャンバへと、"カットオフ"洗浄塔を取り囲む中空ジャケットを有する溢流部を介して進入し、そして密度を基礎として二相に分離される。DE−B−1135425号(それは米国特許第3,162,510号に相当すると思われる。前記文献は、参照をもって開示されたものとする)において、その構造に関して第2欄/第35〜52行目及び第3欄/第1〜12行目に記載され、かつその機能に関して第3欄/第29〜47行目に記載される装置を、本発明による方法で好ましく使用するのを可能にするために、不活性ガスを混合帯域中に、例えば装置のその部分の底部領域にある付加的な開口部を通じて供給するための可能性は、その装置に付加的に提供されるべきである。
しかしながら、原則的に、工程e)における抽出のために、各段階において混合と相分離を含む任意の形態の多段階抽出法及び抽出装置を使用することが可能であるが、但し、工程e)内の抽出の各段階における混合のための滞在時間もしくは滞留時間(すなわち混合が行われる間の期間)は、少なくとも4分間であって、60分間以下であり(前記の好ましい方法における必要条件(1)を参照)、かつ不活性ガスは、追加的に、ジニトロトルエンを含有する有機相と水との混合物中に、工程e)内の抽出の最終段階で少なくとも導入される(前記の好ましい方法における必要条件(2)を参照)。不活性ガスとジニトロトルエンとの質量比は、得られる精製されたジニトロトルエンが、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素を、ジニトロトルエンのモル量に対して、0.175モル%未満の全含有率で有するようなものである。
不活性ガスとジニトロトルエンの所要量又は所要の質量比は、当業者によって簡単に決定することができる。この量又は比率は、簡単な実験によって、不活性ガスとジニトロトルエンの量又は質量比を、物理的に溶解されたもしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の所要含有率に達するまで増大させることによって容易に決定される。
ジニトロトルエン異性体混合物を、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素で負荷することは、精製工程e)内の多段階抽出後に達成できるが、それは、好ましくは、"ヘッドスペースGC"によるガスクロマトグラフィーによってモニタリングすることができる。本発明による方法の範囲内で使用できる、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の含有率を測定するための好適な分析法は、本願において、"ジニトロトルエンにおける物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の定量的測定のための分析法の説明"という表題が付けられた項目において開示されている。
こうして製造されたジニトロトルエン(ジニトロトルエン異性体混合物)は、好ましくは、受容器に回収され、そして該受容器から液体形で、連続的に行われることが好ましい水素化へと供給される。好ましくは受容器へと連続的に流れるジニトロトルエンは、それらが受容器に回収される前か、それらが受容器に入った後か、又はそれらが受容器から取り出された後かのいずれかで、更なるストリッピングガス処理もしくは異なる種類の二酸化炭素除去に供することができる。本発明による方法のために重要であるだけの要素は、トルエンジアミンの製造のための接触水素化で使用されるジニトロトルエンが、使用されるジニトロトルエンのモル量に対して、0.175モル%未満の物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素含有率を有することである。
こうして製造されるジニトロトルエンの接触水素化は、不活性溶剤を共用してもしくは溶剤を使用せずに実施することができる。好ましくは、溶剤を用いずに、水性触媒懸濁液を使用して実施される。通常の反応器を用いて断続的にも、連続的にも実施することができる。その例は、撹拌槽、泡鐘塔又はループ型反応器、例えばループ型ベンチュリ反応器又は内部回路と外部回路を有するジェットループ型反応器である。
本発明による方法の好ましい一実施態様においては、内部回路と外部回路を有するジェットループ型反応器が使用され、それは、例えばEP1137623号B1(それは米国特許第6,350,911号に相当すると思われる)に記載されており、前記文献は、参照をもって開示されたものとする。
本発明による更なる好ましい一形態においては、使用されるジニトロトルエンのモル量に対して、0.175モル%未満の物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の含有率を有するジニトロトルエンの接触水素化は、熱交換器が組み込まれたスラッジ相反応器中で実施される。前記反応器は、例えばWO−A−96/11052号(それは米国特許第5,779,995号に相当すると思われる)に記載されており、前記文献は、参照をもって開示されたものとする。前記反応器は、熱交換器として、底部と頂部で反応器中の反応物によって覆われた環状チャンバを有し、該環状チャンバは、反応物のための複数の流路を有し、そして冷媒は、その環状チャンバを通じて反応物のためのそれらの流路間を流れる。WO−A−96/11052号(それは米国特許第5,779,995号に相当すると思われる。前記文献は、参照をもって開示されたものとする)に開示されるように、前記反応器は、利用可能な蒸気の形でジニトロトルエン混合物の接触水素化の間に遊離する反応熱を分離するのに特に適している。本発明によるジニトロトルエンの接触水素化において、該反応器では、80〜200℃、有利には100〜180℃の作業温度と5〜100バール、有利には10〜50バールの圧力が維持される。
該系への水素の供給は、有利には、相応のアミン化合物に供給されるニトロ基当量の反応についての化学量論的な水素所要量が常に有効範囲であり、それに加えて、反応器の内容物が、常に、使用される触媒の表面積を特に考慮に入れて、水素で飽和されているようにして実施される。これは、好ましくは、脱気撹拌機(gassing stirrer)を使用するのが好ましいスラッジ相反応器を提供することによって達成され、それによって大部分が均質で、微細な分布の、反応混合物中に懸濁された触媒並びに水素が、反応混合物中に微分散された水素気泡の形で生成される。
米国公表特許出願第2004/0073066号A1の教示によれば、反応器中に存在する水素の純度を、水素化条件下で気体状の不活性化合物の添加によって、又は水素と一緒に反応器中に導入される気体状夾雑物の排出のために適したパージガス流を確立することによって、50〜97容量%、有利には70〜97容量%、最も有利には80〜95容量%にまで調整することが好ましい。米国公表特許出願第2004/007366号A1の教示によれば、非常に純粋な水素は、反応系において強く合体する傾向にあり、その結果として、微細な水素気泡は、分散帯域の下流で直ちに合され、小さい全表面積を有する大きな気泡を形成することとなる。米国公表特許出願2004/007366号A1に開示されるように、この合体は、比較的低い水素濃度では起こらず、その際、大きな表面積の利点は、非常に低い水素濃度で非常に低い物質移動によって排除される。
本方法の特に好ましい一形態において、脱気撹拌機が、特に気/液分散液のためのアキシャルコンベアの形で存在するスラッジ相反応器が使用され、それは、例えばEP0856665号B1(それは米国特許第6,627,174号に相当すると思われる)に開示され、前記文献は、参照をもって開示されたものとする。前記の混合要素の特定の選択によって、一方で、液相の非常に高い循環能力が達成され、そして他方で、反応混合物中に微分散された水素気泡の形での水素の所望の分配が、簡単な様式で得られる。
前記のように、局所的な超過濃度は、接触水素化のための反応器中にジニトロトルエンを計量する場合に回避されるべきである。その計量は、ランス、ノズル又は機械駆動型の混合装置を介して実施することができる。好ましい一形態においては、例えばEP1637220号A1(米国公表特許出願第2006/0038306号に相当すると思われる)に記載される撹拌装置を介して実施され、前記文献は、参照をもって開示されたものとする。前記撹拌装置は、少なくとも脱気撹拌機とブレード型ミキサ又は2つの液体ミキサからなり、それらは、1つの軸上に配置されており、かつそれぞれは1つの供給口と少なくとも1つの出口開口部を有し、前記の脱気撹拌機と1つ以上の液体ミキサの出口開口部は、互いに定義された間隔にある。該撹拌装置において、出口開口部の間の間隔"a"と脱気撹拌機もしくは液体ミキサの直径"d"との比率"a/d"は、0.025〜0.5、有利には0.05〜0.3の範囲であり、かつ外縁間の間隔"b"と脱気撹拌機もしくは液体ミキサの直径"d"との比率"b/d"は、0.01〜0.4、有利には0.02〜0.2の範囲である。前記の撹拌装置は、反応混合物中に気相と液相を同時に混合するために特に適しており、その際、それらの相の最適化された混合は、導入されるニトロ基当量の局所的な超過濃度を特定の程度にまで回避する。
触媒としては、芳香族ニトロ化合物の接触水素化に適していると知られている任意の水素化触媒を使用することができる。特に適した触媒は、元素の周期律表の第8副族の金属又はそれらの混合物であり、それらは、例えばカーボン又はマグネシウム、アルミニウム及び/又はケイ素の酸化物などの担持材料に適用されていてよい。好ましい触媒は、ラネー鉄、コバルト及び/又はニッケル、特にニッケル含有触媒、例えばラネーニッケル触媒並びに担持材料上のパラジウム含有触媒もしくは白金含有触媒を含む。係る触媒の製造と、芳香族ニトロ化合物、例えばニトロベンゼン、ニトロトルエン、ジニトロトルエン、塩素化ニトロ芳香族化合物などの水素化触媒としての係る触媒の使用は公知であり、既にたびたび説明されている。例えばEP0223035号B1、EP1066111号B1及びEP−A−1512459号(これらは、米国特許第4,792,626号、米国特許第6,395,934号及び米国公表特許出願第2005/0107251号にそれぞれ相当すると思われる)を参照のこと。前記文献は、参照をもって開示されたものとする。
本発明による方法の最も特に好ましい一実施態様においては、例えばEP−A−1512459号(それは米国公表特許出願第2005/0107251号に相当すると思われる)に記載されるラネーニッケル触媒が触媒として使用される。前記文献は、参照をもって開示されたものとする。そこに開示されるように、これらの好ましい触媒の製造は、
1)アルミニウム50〜95質量%、ニッケル10〜50質量%、鉄0〜20質量%、セリウム、セリウム混合金属、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンもしくはマンガン0〜15質量%、場合によりまた更なるガラス形成性元素の合金の溶融物を、冷却速度>104K/sで、それを回転冷却ホイール上でもしくは反対方向に回転している2つの冷却ホイール間の間隙中に加圧することによって、又は溶融抽出によって冷却すること、及び
2)迅速に固化した合金を、次いで、有機もしくは無機の塩基での処理に供すること
を含む。
慣用のラネーニッケル触媒と比較して、これらの好ましい触媒は、特に反応温度>120℃で、顕著に高められた生成物選択性及び触媒作業寿命の点で卓越している。従って、これらが使用される場合には、ジニトロトルエンの水素化で遊離される反応熱は、好ましくは、加熱媒体として使用するための蒸気の生成に使用することができる。
該反応混合物は、該反応系から取り出されるが、それは、好ましくは、ジニトロトルエンの接触水素化のために複数のフィードによって連続的に作業され、有利には該系中に触媒を保持しつつ連続的に作業される。その取り出しは、特に好ましくは、クロスフロー濾過を使用して実施され、その濾過は、原理において、例えばEP0634391号B1(それは米国特許第5,563,296号に相当すると思われる。前記文献は参照をもって開示されたものとする)において、又は特定の実施態様においては、EP1137623号B1(それは米国特許第6,350,911号に相当すると思われる。前記文献は参照をもって開示されたものとする)において記載されている。この生成物排出の場合に、部分流は反応器から取り出され、そしてクロスフロー濾過を通過するが、その際、部分量が、触媒を保持しつつ生成物流から取り出され、そして最終的に、その触媒含有率に関して"濃縮"された低減された部分流が反応器に再び返送される。
濾過された生成物は高い純度を有するため、更なる化学的後処理なくして処理され、そうして先行技術に記載されるように、最終生成物のトルエンジアミンを形成することができる。
全体として、本発明によるトルエンジアミンの製造方法であって、ジニトロトルエンと水素とを少なくとも1つの触媒の存在下で反応させる方法は、従来技術の方法と比較して極めて改善された経済性の点で卓越している。使用されるジニトロトルエンのモル量に対して0.175モル%未満の物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の含有率を有するジニトロトルエンを使用することによって、高められた触媒選択性と、実質的に改善された触媒作業寿命が得られる。
本発明による方法を、以下に好ましい実施態様によってより詳細に説明する。
以下の実施例は、本発明の方法について更に詳説するものである。前記の開示にある本発明は、これらの実施例によって趣旨又は範囲のどちらにおいても制限されるものではない。当業者は、以下の手順の条件の公知の変更を用いることができると容易に理解するはずである。特に記載されない限り、全ての温度は摂氏温度であり、かつ全てのパーセンテージは質量に対するパーセンテージである。
ジニトロトルエンにおける物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の定量的測定のための分析法の説明:
ジニトロトルエン(DNT)における物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の定量的測定のために、規定のDNTサンプル量を、隔壁によって気密封止されていてよい巻縁型ガラスジャーに入れ、規定の硫酸量を添加し、そして次いでガスチャンバ中に存在する二酸化炭素量を、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(すなわち、ガスクロマトグラフィーによるヘッドスペース分析)によって、熱伝導性の検出により外部標準による較正をして測定する。
以下の装置を、該分析法で使用する:
熱伝導性デテクタを有するHP5890型のガスクロマトグラフ(ヒューレット・パッカード社製)
HP19395A型のヘッドスペースサンプラ(ヒューレット・パッカード社製)
分離条件:
固定相: シリカゲル#12、充填カラム(10フィート×1/8インチ)
キャリヤガス: ヘリウム(流速12.5ml/分)
カラムオーブン温度: 200℃
注入ブロック温度: 200℃
デテクタ温度: 250℃
ヘッドスペースセル: 45℃
インキュベート時間: 3.0分
注入容量: 1ml
定量的分析の実施:
該分析のために、1.0g±0.1mgのDNTサンプルを、巻縁型ガラスジャーに秤量した。そのガラスジャーを封止した後に、0.50mlの硫酸(w=0.330g/kg)を、隔壁を通じてシリンジによって注入し、該巻縁型ガラスジャーの内容物を、軽く振り混ぜ、次いでその巻縁型ガラスジャーを、ヘッドスペースサンプラ中に入れ、そして熱処理後に、ヘッドスペースGCによって分析した。
定量的評価は、外部標準によって行った。DNTサンプルの分析と同様にして、0.5g(NaHCO3)/kg(溶液)の含有率wを有する炭酸水素ナトリウム水溶液の規定量を、容器に入れ、硫酸を添加し、そして分析をガスクロマトグラフィーによって実施した。
実施例1:
物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の含有率0.19モル%を有するジニトロトルエンの水素化(本発明によるものではない):
研究室用の水素化装置を、連続的に運転することができる。水素化装置は:
− 窒素の層で覆われた加熱されたDNT量と、
− 加熱された供給導管及び排出導管を有するDNT計量ポンプと、
− 加熱/冷却ジャケット、内部冷却コイル及び接続された加熱/冷却システム、脱気撹拌機、浸漬計量ランス及び接続された排出ラインを有する細孔フリットを備えた1リットル容量の水素化反応器と、
− 圧力保持、水準測定及び生成物取り出しのための加熱された排出ラインを有する相分離用の加熱された分離器と
を含んで成っていた。
混合物100質量%に対して、62質量%のトルエンジアミン及び38質量%の水を含有する混合物800gを、窒素で覆いつつ、50℃にまで予熱された反応器中に導入し、次いで50gの水と、出発合金の質量に対して15質量%の鉄含有率を有する水湿したラネーニッケル/鉄触媒7gを添加した。その装置を閉じ、99.9容量%より高い純度を有する水素で30バール(絶対圧)にまで加圧し、そして該反応器を、脱気撹拌機を作動させつつ140℃にまで加熱し、そして所望の温度を2時間にわたり維持して、触媒を活性化させ、水素化装置の雰囲気から、圧力維持領域において、30リットル(標準)/時間のパージ速度で導入された不活性化合物を除去した。
受容器中に75℃で貯蔵された、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素含有率0.19モル%を有するジニトロトルエン125g/hを、前記のように準備された装置中に計量供給した。該系中の圧力を、30リットル(標準)/hのパージ速度を維持することによって、99.9容量%より高い純度を有する水素での供給によって、反応器中の水準を所望の水準でフリットによって維持しつつ保持し、そして排出し、触媒不含の反応混合物を下流の分離器で回収し、そして定期的にそこから取り出して、サンプルを採取した。
反応の質を、高圧液体クロマトグラフィーによってモニタリングした。76時間の作動時間後に、完全な変換は、もはや観察されなかった。この時点で、そのクロマトグラムは、ニトロ−アミノ芳香族化合物の漏出を示し、そして試験を止めた。
実施例2:
物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の含有率0.045モル%を有するジニトロトルエンの水素化(本発明によるものである):
実施例1に記載されるのと同様にして、試験を準備し、実施した。しかしながら、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素含有率0.045モル%を有するジニトロトルエンを使用した。
反応の質を、高圧液体クロマトグラフィーによってモニタリングした。たった162時間の作業時間後に、ニトロ−アミノ芳香族化合物の漏出を示すクロマトグラムによって説明されるように、完全な変換はもはや観察されなかった。こうして、試験は、その時点で止めた。
実施例3:
物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の含有率0.18モル%を有するジニトロトルエンの水素化(本発明によるものではない):
窒素で不活性とした撹拌槽中に、連続的に、触媒の質量に対して約30質量%の鉄含有率を有するラネーニッケル/鉄触媒704kg/h(懸濁液の質量に対して約12質量%)及びm−TDA27.1質量%、o−TDA0.9質量%、イソプロパノール37質量%、水23質量%を含有する触媒懸濁液5860kg/h(質量%は、それぞれの場合に懸濁液の全質量に対するものである)を供給した。これを、連続的に混合容器中で、混合物の質量に対して99.4質量%のジニトロトルエン(使用されるジニトロトルエンの量に対して0.18モル%の物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素含有率)を含有する商業用ジニトロトルエン5876kgと、製造された溶剤の全質量に対して87質量%のイソプロパノール及び13質量%の水を含有する製造された溶剤5870kgと一緒に、混合容器の作業温度を75℃に保ちつつ混合した。
前記のように製造された混合物を、連続的に混合容器から取り出し、そして高圧水素化装置に供給するが、そこでは、水素と150℃及び100バールで、循環水素に関しては直列的に作業され、かつ使用されるジニトロトルエン混合物に関しては並列に作業される、冷却された反応器カスケード中で反応させた。該反応混合物は、平均滞在時間21分後に反応器カスケードを出て行き、それを75℃にまで冷却し、次いで相分離器に供給するが、そこで、気相と液相とに分離された。
気相を、反応器カスケードの起点に返送し、そして気相の水素含有率を、パージ流によって>90容量%の濃度に保持した。液相を連続的に分離器から取り出し、そして撹拌濾過受容器中に解放し、そこから濾過装置へと供給した。該濾過装置において該混合物を分離し、そうして、澄明な濾液の他に、12質量%のラネーニッケル/鉄触媒、27.1質量%のm−TDA、0.9質量%のo−TDA、37質量%のイソプロパノール及び23質量%の水を含有する触媒懸濁液を得た。分離除去された澄明な濾液を、蒸留によって処理し、そして生成した触媒懸濁液を、混合容器に返送した。
循環された触媒の触媒活性を、ガスクロマトグラフィーによってモニタリングし、そして使用された触媒の劣化挙動を、混合容器に添加された、水中の1質量%懸濁液の形の規定量の新たな触媒の連続的な供給によって考慮し、そして反応チャンバ中の触媒の所望の濃度を、濾過装置で生成された触媒懸濁液の定期的な排出によって維持した。触媒活性の維持のために必要な新たな触媒の、製造されたトルエンジアミンの量に対する量を、比触媒消費量と呼称した。
ジニトロトルエンの量に対して0.18モル%の物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素含有率を有するジニトロトルエンを使用した場合に、27g/100kg(TDA)の比触媒消費量が達成された。
実施例4:
物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の含有率0.045モル%を有するジニトロトルエンの水素化(本発明によるものである):
この実施例は、実施例3に記載されるのと同様にして実施した。しかしながら、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素含有率0.045モル%を有するジニトロトルエンを使用した。
ジニトロトルエンの量に対して0.046モル%の物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素含有率を有するジニトロトルエンを使用した場合に、6g/100kg(TDA)の比触媒消費量が達成された。
本発明を、説明を目的として前記において詳説したが、このような詳細は単にこの目的のためだけものであり、請求項により限定され得るものを除き、当業者によって本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく変法が作られることができると理解すべきである。

Claims (3)

  1. ジニトロトルエンと水素とを触媒の存在下で反応させることを含むトルエンジアミンの製造方法において、前記ジニトロトルエンが、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素で負荷されており、前記ジニトロトルエンのモル量に対して0.175モル%未満の物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素含有率を有する、トルエンジアミンの製造方法。
  2. トルエンジアミンの製造方法において:
    a)トルエンと混酸とを反応させて、モノニトロトルエンを含有する反応混合物を形成させる工程、
    b)モノニトロトルエンを含有する前記反応混合物を、モノニトロトルエンを含有する有機相と、硫酸を含有する水相とに分離する工程、
    c)モノニトロトルエンを含有する前記有機相と混酸とを反応させて、ジニトロトルエンの異性体混合物を含有する反応混合物を得る工程、
    d)ジニトロトルエンの異性体混合物を含有する前記反応混合物を、ジニトロトルエンを含有する有機相と、硫酸を含有する水相とに分離する工程、
    e)ジニトロトルエンを含有する前記有機相を水によって、各段階が混合と相分離を含む多段階の抽出において精製して、ジニトロトルエンの異性体混合物であって、(i)74〜81質量%の2,4−ジニトロトルエンと、(ii)17〜21質量%の2,6−ジニトロトルエンと、(iii)5.5質量%未満のジニトロトルエンの2,3−異性体、2,5−異性体、3,4−異性体及び3,5−異性体とを含有し、(i)、(ii)及び(iii)の合計が、全体でジニトロトルエンの100質量%となるものを得る工程、
    f)前記ジニトロトルエンの異性体混合物と水素とを触媒の存在下で反応させて、トルエンジアミンを得る工程
    を含み、その際、
    (1)工程e)における多段階抽出の各段階における混合のための滞在時間が、少なくとも4分間であって、60分間以下であり、かつ
    (2)不活性ガスを、付加的に、少なくとも工程e)における抽出の最後の段階で、ジニトロトルエンを含有する有機相及び水の混合物中に導入し、その際、不活性ガスとジニトロトルエンとの質量比は、得られる精製されたジニトロトルエンの異性体混合物が、ジニトロトルエンのモル量に対して、物理的に溶解された形もしくは化学的に結合された形の二酸化炭素の全含有率0.175モル%未満を有するものである、トルエンジアミンの製造方法。
  3. 精製工程e)において、前記多段階抽出のうち少なくとも1段階でアルカリ性の水が存在し、かつ前記多段階抽出のうち少なくとも1段階で中性の水が存在する請求項2に記載の製造方法。
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