図面は一律の縮尺に従わずに描かれており、図全体を通じて図示のため、構造および機能の類似する構成要素には通常同一の参照符号が付されている。また、図面は単に本発明の好適な実施形態の説明を簡易化することを目的としている。図面は本発明のあらゆる側面を示しておらず、本発明の範囲を限定しない。
従来のデータ分析システムは、移動完了後にのみ、乗り物情報システムに蓄積された性能データをダウンロードおよび分析していたため、乗り物情報システムのテスト、必要な修理の開始、および、続く移動の出発がいずれも遅れていた。このような障害および欠点を解決する性能データ監視・分析システムは価値があるものと証明することができる。さらに、このようなシステムによれば、例えば自動車、飛行機、および他の種類の乗り物に搭載されて移動中に使用される乗客娯楽システムなど幅広い範囲でのシステムの利用の基礎を提供することができる。この結果は、本明細書に記載の1つの実施形態によって達成することができる。すなわち、図1に示す乗り物390のそれぞれに搭載される1つ以上の乗り物情報システム300と通信するデータ監視・分析システム1000を用いる。
図1を見ると、データ監視・分析システム1000は、乗り物情報システム300からダウンロードデータ1510を受け取るためのインターネットベースのオンラインメンテナンスツール(OMT)を提供する包括的データ分析信頼性追跡システムを備えても良い。この包括的データ分析信頼性追跡システムは、受け取ったダウンロードデータ1510に基づく少なくとも1つの性能報告や、乗り物情報システム300の信頼性の追跡や、稼動中の性能問題の追跡を行うことができる。ダウンロードデータ1510は、乗客の利用情報、乗り物情報システム300用の総合性能情報、あるいは乗り物情報システム300の中から選択された1つ以上のシステムコンポーネント用の性能情報を含んでも良い。このように、データ監視・分析システム1000は、全体的若しくは部分的に、性能報告や乗り物情報システム300の信頼性の追跡を行うことができる。言い換えれば、データ監視・分析システム1000は、全体的に若しくは乗り物情報システム300の中から選択したシステムコンポーネントにおいて、性能報告や乗り物情報システム300の信頼性を追跡することができる。
図1に示されるデータ監視・分析システム1000は、データベースシステム1100とロードスクリプトシステム1200とを備える。ロードスクリプトシステム1200は、1つ以上のハードウェアコンポーネントやソフトウェアコンポーネントを経由して提供しても良く、ある実施形態では、処理システムによって実行されるアプリケーションを備えている。ロードスクリプトシステム1200は、各乗り物情報システム300と通信する少なくとも1つの通信チャネル(若しくはデータパイプ)1500を確立することができ、さらには乗り物情報システム300に蓄積されたダウンロードデータ1510を受け取るために、通信チャネル1500を活用することもできる。ダウンロードデータ1510は、いかなる従来のデータ形式でもロードスクリプトシステム1200に提供することができ、好ましくは、乗り物情報システム300に蓄積されたダウンロードデータ1510と同一のデータ形式か、互換性のある予め選択されたデータ形式によって提供することである。
ロードスクリプトシステム1200は、各通信チャネル1500からのダウンロードデータ1510を認証することができる。認証されたダウンロードデータ1510は解析され、さらなる分析のためにデータベースシステム1100へ送られる。データベースシステム1100は、いかなる従来の方法でもダウンロードデータ1510を蓄積することができ、ある好ましい実施形態では、データ監視・分析システム1000に加えて他の1つ以上のアプリケーションも支援することができる。データベースシステム1100は、処理システムによって実行されるアプリケーションなど、従来のデータベースシステムを備えていることが好ましく、また、1つ以上のハードウェアコンポーネントやソフトウェアコンポーネントを経由して提供することができ、所望の場合には、少なくとも部分的にロードスクリプトシステム1200と一体的であっても良い。処理システムは、コンピューターを基礎とする1つ以上のサーバシステム群として提供しても良い。ある実施形態では、例えば、データベースシステム1100は、航空機地上情報システム(AGIS)コードデータベースシステムを備えても良い。
ロードスクリプトシステム1200は、自動的な手法、例えば予め選択された乗り物情報システム300との通信チャネル1500を構築したら自動的に、ダウンロードデータ1510を受信、認識、解析することが好ましい。所望の場合には、データ監視・分析システム1000は、(図6A−Gに示される)相互的なユーザーインターフェースシステム1400を備えても良い。ユーザーインターフェースシステム1400は、例えば、データ監視・分析システム1000のための少なくとも1つのシステム状況メッセージ(若しくは失敗のメッセージ)を表示することができ、必要に応じて操作者に対し、システム状況メッセージに応答する機会を与えることもできる。実例となるシステム状況メッセージには、選択されたダウンロードデータ1510が無効と識別されたことを示すメッセージや、ダウンロードデータ1510がデータベースシステム1100によってうまく受信(若しくは蓄積)されなかったことを示すメッセージが含まれても良い。
ある実施形態では、無効と識別されたにも関わらず、無効なダウンロードデータ1510を蓄積用としてデータベースシステム1100に提供する。データベースシステム1100は、無効なダウンロードデータ1510を無効であると識別することができる。続いて、無効なダウンロードデータ1510がデータベースシステム1100から回収され、有効なダウンロードデータ1510となるよう手動で修正される。修正されたダウンロードデータ1510は、蓄積のためにデータベースシステム1100に送られる。データベースシステム1100は、修正されたダウンロードデータ1510が有効なデータを有していることを識別できる。選択的に、無効なダウンロードデータ1510を、有効なダウンロードデータ1510が提供されたときにデータベースシステム1100から削除しても良い。所望の場合には、ダウンロードデータ1510を乗り物情報システム300からデータ監視・分析システム1000に移す方法を改善するために、無効なダウンロードデータ1510をさらに分析しても良い。
データ監視・分析システム1000および乗り物情報システム300は、データ監視・分析システム1000が各乗り物情報システム300の地理的位置や移動状態にかかわらずほとんどリアルタイムでダウンロードデータ1510を受信できるいかなる従来の方法によって通信することができる。例えば、図2A−Bには、乗り物情報システム300が、所定の地理的位置に配置される乗り物に搭載された状態で示される。所定の地理的位置には、選択された乗り物390を収容するのに適したいかなる地理的位置が含まれる。(図3Aに示されるように、)選択された乗り物390が自動車390Aを備える場合、所定の地理的位置には、駐車場や立体駐車場などの自動車駐車施設が含まれても良い。同様に、選択された乗り物390が飛行機390B(図3B)、バス、電車、クルーズ船など大量輸送用の乗り物390を備える場合には、所定の地理的位置は、乗客用輸送ターミナルであってもよい。所定の地理的位置は、一般的に、選択された乗り物390の移動出発地、目的地、中継地(あるいはその他の場所)を含むが、これらに限られない。
選択された乗り物390は所定の地理的位置に配置されるが、関連する乗り物情報システム300が、有線通信や無線通信を含む従来のいなかる方法によってもデータ監視・分析システム1000とリアルタイムで通信できることが好ましい。図2Aに示されるように、乗り物情報システム300は、中間通信システム(あるいはパイプハンドラーシステム)370を経由してデータ監視・分析システム1000と無線通信できる。通信システム370は、広域帯衛星通信システム370A、セルラー方式通信システム370B、航空機地上情報システム(AGIS)通信システムなどのいかなる従来のタイプの無線通信システムを備えても良いが、これらに制限されない。好ましい実施形態では、データ監視・分析システム1000および乗り物情報システム300は、ARINC社の提供するACARS(ARINC Communications Addressing & Reporting System)によって通信することができる。
選択された乗り物390が所定の地理的位置に接近(あるいは到着)したら自動的に、ロードスクリプトシステム1200は乗り物情報システム300と通信するための通信チャネル1500を確立できることが好ましく、こうすることで、図1との関連で上述した方法によりダウンロードデータ1510を受信することができる。同様に、通信チャネル1500が確立されたときに、手動・自動でダウンロードデータ1510の移動を開始することもできる。所望の場合には、ロードスクリプトシステム1200は、選択された乗り物390が所定の地理的位置に配置されているときには通信チャネル1500をメンテナンスし、選択された乗り物390が所定の地理的位置から出発するときには通信チャネル1500を終了させることができる。ロードスクリプトシステム1200が、選択された乗り物390が所定の地理的位置に配置されているときでも通信チャネル1500を終了させるようにしても良い。例えば、ダウンロードデータ1510の移動が完了するときに通信チャネル1500を終了させても良い。受信したダウンロードデータ1510をロードスクリプトシステム1200で処理し、上述の方法により、データベースシステム1100に提供することもできる。
有線通信が所望される場合には、データ監視・分析システム1000および乗り物情報システム300の間に通信ケーブル組立品(図示せず)を配置しても良い。通信ケーブル組立品はいかなる従来の方法でも提供することができ、ロードスクリプトシステム1200は、乗り物情報システム300に連結されたら自動的に乗り物情報システム300と通信するための通信チャネル1500を確立することもできる。同様に、通信チャネル1500が確立されたときに、手動・自動でダウンロードデータ1510の移動を開始することもできる。このようにして、ロードスクリプトシステム1200は、上述の方法により、通信ケーブル組立品を経由してダウンロードデータ1510を受信することができ、また、それはリアルタイムで行われることが好ましい。受信したダウンロードデータ1510をロードスクリプトシステム1200で処理し、上述の方法により、データベースシステム1100に提供することもできる。
ダウンロードデータ1510は、乗り物情報システム300から手動でダウンロードすることもできる。言い換えれば、乗り物情報システム300は、リムーバブル・メディア(図示せず)にダウンロードデータ1510を保存することもできる。リムーバブル・メディアには、従来のハードディスク、フロッピーディスク、光ディスク、CD、フラッシュメディアなどがあるが、これらに制限されない。リムーバブル・メディアは、移動完了後に技術者によって乗り物情報システム300から取り外すことができ、データ監視・分析システム1000へ物理的に(手動で)運搬することができる。このように、通信チャネル1500にはリムーバブル・メディアの物理的(手動)運搬が含まれても良い。技術者は、乗り物情報システム300が次の移動中に追加のダウンロードデータ1510を蓄積することができるように別のリムーバブル・メディアを搭載することが好ましい。
図2Bに示すように、データ監視・分析システム1000は、リムーバブル・メディアの物理的な運搬を経由したダウンロードデータ1510の受信を促進するためのファイルアップロードシステム1300を備える。図示されるファイルアップロードシステム1300は、ロードスクリプトシステム1200と乗り物情報システム300との間に配置されており、手動でオフロードされたダウンロードデータ1510をシステムオペレーター(図示せず)がデータベースシステム1100へ移動させることを可能にする。ファイルアップロードシステム1300は、リムーバブル・メディアと接続しているときにリムーバブル・メディアからダウンロードデータ1510を受信し、それをロードスクリプトシステム1200へ提供することができる。このように、ロードスクリプトシステム1200は、図1との関連で上述した方法によりダウンロードデータ1510を受信することができる。ファイルアップロードシステム1300は、ダウンロードデータ1510のうち、選択された部分若しくはその全体をロードスクリプトシステム1200へ提供することができる。受信したダウンロードデータ1510は、ロードスクリプトシステム1200によって処理し、上述の方法によりデータベースシステム1100へ提供することができる。
データ監視・分析システム1000についてのある実施形態では、ファイルアップロードシステム1300も同様に、システムオペレーターによるリムーバブル・メディアからのダウンロードデータ1510の移動を補助するための相互ユーザーインターフェースシステム1400(図6A−G)を提供することができる。例えば、ユーザーインターフェースシステム1400は、システムオペレーターがリムーバブル・メディアから移動させるために1つ以上のダウンロードデータ1510のファイルを選択することを可能にする。所望の場合には、データ監視・分析システム1000内においてダウンロードデータ1510の移動・保存中にエラーが発生した場合に、ユーザーインターフェースシステム1400がシステムオペレーターに対して適切なメッセージを表示することもできる。言い換えれば、ファイルアップロードシステム1300は、システムオペレーターに対してダウンロードデータ1510に関するエラーのフィードバックを提供することや、ロードスクリプトシステム1200からファイルアップロードシステム1300を通過したデータベースシステム1100内のデータベース母集団に関するエラーのフィードバックを提供することや、ATP(Acceptance Test Procedure)や他のシステムの補助も可能である。このように、システムオペレーターは容易にエラーの修正を試みることができる。
図2Cに示されるデータ監視・分析システム1000は、選択された乗り物情報システム300との移動中における通信を補助するように設計されている。ロードスクリプトシステム1200は、直接的な方法や中間の通信システム370を経由した間接的な方法(図2C)を含む、従来の方法により、選択された乗り物情報システム300と通信することができる。説明のために衛星通信システム370Aが示されているが、通信システム370は、通信システム370(図2A)との関連で上述した方法によって提供することができるとともに、ロードスクリプトシステム1200と選択された乗り物情報システム300との間の従来の無線通信を補助することができる。このように、ロードスクリプトシステム1200は、乗り物情報システム300と通信するための通信チャネル1500を確立し、図1との関連で上述した方法によりダウンロードデータ1510を受信することができる。受信したダウンロードデータ1510は、ロードスクリプトシステム1200によって処理し、上述の方法によりデータベースシステム1100へ提供することができる。
ダウンロードデータ1510をリアルタイムでデータ監視・分析システム1000に提供できるように、通信システム370によって、ロードスクリプトシステム1200が移動中も継続的に乗り物情報システム300とともに通信チャネル1500をメンテナンスすることが可能となることが好ましい。しかしながら、所望の場合には、通信チャネル1500を所定の基準に従って断続的に確立しても良い。例えば、ロードスクリプトシステム1200が、所定の間隔をもって周期的に通信チャネル1500を確立するとともに、乗り物情報システム300は、乗り物情報システム300のシステムコンポーネントの不具合といった所定の条件が乗り物390に発生した場合に通信チャネル1500を起動することも可能である。このように、乗り物情報システム300は、移動中においてダウンロードデータ1510をロードスクリプトシステム1200へ提供することができる。
このように、データ監視・分析システム1000は、乗り物390の所有者や操作者が移動の前後および移動中を含むいかなるときでも乗り物情報システム300の性能値をリアルタイムで監視できるようにするための解決策を提供できる。例えば、乗り物390は、乗り物390の集団(以降、フリート)で構成されても良い。乗り物390のフリートには、タクシー会社やレンタカー会社が運転する自動車390Aのフリート(図3A)、バス会社が運転するバスのフリート、航空会社が運転する飛行機390Bのフリート(図3B)、船旅会社が運転する旅客船が含まれても良いが、これらに制限されない。データ監視・分析システム1000は乗り物情報システム300によって蓄積されたダウンロードデータ1510を受信できるため、ロードスクリプトシステム1200は、受信したダウンロードデータ1510をリアルタイムで認証・解析し、結果として得られるダウンロードデータ1510を標準化されたデータベースシステム1100へ提供することができる。このように、ダウンロードデータ1510の大部分は、必要に応じて、1つ以上の表示システムに表示されるハイコンテントリソルーショングラフといった有用な手法によって表示することができる。
航空会社が運転する飛行機390Bのフリートについて言えば、フリートのそれぞれを、選択された機体の種類、選択された機体の種類におけるシート形状、選択された乗り物情報システムの種類、あるいは選択された乗り物情報システムの種類におけるソフトウェアのバージョンなどの関数として定めることができる。なお、航空会社は、飛行機390Bについて1つ以上のフリートを操作することができる。このように、データ監視・分析システム1000のオンラインメンテナンスツールは、メンテナンス管理者やメンテナンス技術者に対応できるように設計しても良く、また、飛行機390Bに搭載された乗り物情報システム300からのダウンロードデータ1510を点検できるように設計しても良い。点検したダウンロードデータ1510は、BITE(バイト:Built In Test Equipment)のデータとして利用することに限らないことが好ましい。なお、BITEによれば、急な旋回に起因する傾きをほとんどなくすことができる。例えば、ある実施形態では、航空会社、飛行機390Bおよびそのフリートの全てについて、少なくとも1つの標準化された測定基準を用いて比較することが可能である。
特定の接触期間がダウンロードデータ1510の分析に影響しうるような拘束された性能分析に限らずに、オンラインメンテナンスツールも同様に、1つ以上の比較を行うためにBITEのデータを活用しても良い。例えば、オンラインメンテナンスツールは、ある航空会社から選択された1つのフリートにおける飛行機390Bの比較や、選択された航空会社における飛行機のフリートの比較や、2つ以上の航空会社の飛行機のフリートの比較を行うことができる。オンラインメンテナンスツールも同様に、選択された航空会社の中から選択される少なくとも1つの列線交換ユニット(LRU)の性能の比較や、選択されたLRUの性能についての世界規模での比較を行うことができる。選択されたLRUやMMNからのBITEメッセージを比較することもできる。オンラインメンテナンスツールは、飛行機390BのテイルナンバーによってBITEの対象とすることもできる。
したがって、データ監視・分析システム1000を利用することにより、結果として、乗り物390のフリートを操作するための所有コストを低減させることができる。データ監視・分析システム1000は、例えば、乗り物の操作者による問題の防止の補助や、迅速な問題の識別および修正や、技術的資源の有効な活用を行うことができる。データ監視・分析システム1000も同様に、顧客への影響よりも先に微妙な性能の傾向を積極的に識別すべくダウンロードデータ1510の利用を促進することができ、また、BITEデータの正確性やシステム全体の信頼性やシステムコンポーネントの信頼性を改善することができる。例えば、BITEデータの正確性は、BITEデータの質の改善やメッセージカウントの点検やメンテナンスメッセージごとの適切な欠陥の分類やLRUレベルのBITE設計の向上化によって、改善することができる。一方で、信頼性は、システム性能をライブで監視し、その傾向に対して応答することにより改善される。したがって、データ監視・分析システム1000は、航空会社や他の乗り物の操作者が複数のカテゴリーにおける乗り物情報システム300の性能を透過的に測定できるツールを備えても良い。
データ監視・分析システム1000は、幅広い範囲の顧客に対して、乗り物情報システムの操作に関する様々な種類の質問に答えることができる。例えば、データ監視・分析システム1000は、フリートにおける座席利用や、フリートにおける座席低下割合や、乗り物390の1つのフリートにおける乗り物情報システムの正常性や、異なる乗り物プラットフォーム間の性能比較や、フリート性能と乗客の満足度の相関関係について、報告を提供することができる。選択された乗り物情報システム300に生じた問題を識別および修正するためにこれらの報告をメンテナンス作業員に提供することができ、一方で、管理者もシステム性能の傾向を分析するために当該報告を利用することができる。責任者は、フリートの状況を把握するために当該報告を点検することができ、また、乗り物情報システムの製造者は、乗り物情報システムの性能についての監督を維持するために当該報告を利用することができる。
データ監視・分析システム1000は、ビルなどの固定位置に配置された情報システムの性能についてリアルタイムで監視することを補助するのに適しているが、ポータブルシステムアプリケーションに利用することが好ましい。図3A−Bには、例えば、幅広い種類の乗り物390への搭載に適した乗り物情報システム300の1つの実施形態が示されている。乗り物の代表的な種類には、自動車390A(図3A)、飛行機390B(図3B)、バス、娯楽用乗り物、ボート、電車、あるいはその他の乗り物が含まれるが、これらに制限されない。例えば、図3Bに示す飛行機390Bに搭載される場合には、乗り物情報システム300は、Panasonic Avionics社(以前はMatsushita Avionics System社)が製造したシリーズ2000、3000、eFX、eX2などの従来の乗客用飛行中娯楽システムを備えても良い。説明のために、飛行機390Bに搭載された乗り物情報システム300とともに使用するものとして上述したが、本明細書に記載されるデータ監視・分析システム1000は、あらゆる種類の従来の乗り物390に等しく応用することができ、これらに制限されることはない。
乗り物情報システム300は、米国における同時係属出願に記載された方法により提供することができる。その同時係属出願とは、2004年2月4日付けの出願:10/772,565号:発明の名称「ファイルダウンロードシステムおよびその方法」、2005年5月6日付けの出願:11/123,327号:発明の名称「モバイルプラットフォームでコンテンツを操作するシステムおよび方法」、2005年6月15日付けの出願:11/154,749号:発明の名称「移動中に鑑賞用コンテンツを表示するためのポータブルメディアデバイス」、2005年11月7日付けの出願:11/269,378号:発明の名称「国をまたぐ移動中にモバイルプラットフォームで放送コンテンツを受信するシステムおよび方法」、2008年9月15日付けの出願:12/210,624号:発明の名称「ポータブルメディアデバイスを乗り物情報システムとインターフェースさせるシステムおよび方法」、2008年9月15日付けの出願:12/210,636号:発明の名称「乗り物情報システムのためのメディアデバイスインターフェースシステムおよびその方法」、2008年9月15日付けの出願:12/210,652号:発明の名称「乗り物情報システムのためのメディアデバイスインターフェースシステムおよびその方法」、2008年9月15日付けの出願:12/210,689号:発明の名称「乗り物情報システムのためのポータブルおよびその方法」、2008年9月24日付けの出願:12/237,253号:発明の名称「移動中にモバイルプラットフォームで放送コンテンツを受信するシステムおよび方法」、2008年10月3日付けの出願:12/245,521号:発明の名称「移動中にモバイルプラットフォームで広告コンテンツを表示するシステムおよび方法」、がある。これらの出願は、本出願の指定代理人によって代理されており、それぞれの開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
図3A−Bに示すように、乗り物情報システム300は、少なくとも1つの従来のコンテンツ源310およびリアルタイムコンテンツ配信システム320を経由して通信を行う1つ以上のユーザー(乗客)インターフェースシステム360を備える。コンテンツ源310は、メディア(コンテンツ)サーバシステム310Aなど乗り物390に搭載される1つ以上の内部コンテンツ源や、乗り物390の外部に存在しうる少なくとも1つの遠隔(地上)コンテンツ源310Bを含んでも良い。メディア(コンテンツ)サーバシステム310Aは、乗り物情報システム300に対してシステム全体の制御機能を提供する情報システム制御器を備えても良く、さらに、プログラム化された鑑賞用コンテンツやダウンロードされた鑑賞用コンテンツ210Dといった選択・配信・表示用の鑑賞用コンテンツ210を備えても良い。鑑賞用コンテンツ210は、保存(時間差)鑑賞用コンテンツやライブ(リアルタイム)鑑賞用コンテンツなど、あらゆる種類の従来の音声・映像鑑賞用コンテンツを含んでも良いが、これらに制限されない。所望の場合には、メディア(コンテンツ)サーバシステム310Aも同様に、乗り物情報システム300のために解読やDRM(Digital Rights management)機能についての補助を行うことが可能である。
1つ以上の選択されたコンテンツ源310によって提供される鑑賞用コンテンツ210を配信・表示するように設計されているため、乗り物情報システム300は、有線・無線通信を経由する方法を含むあらゆる従来の方法によりリアルタイムでコンテンツ源310と通信することができる。乗り物情報システム300および地上コンテンツ源310Bは、例えば、直接的な方法あるいは通信システム370との関連で上述した中間通信システム370を経由する間接的な方法(図2A、2C)を含むあらゆる従来の無線方式により通信することができる。このように、乗り物情報システム300は、選択された地上コンテンツ源310Bからダウンロード鑑賞用コンテンツ210Dを受信するとともに、アップロード鑑賞用コンテンツ210Uを地上コンテンツ源310Bへ送信することができる。所望の場合には、地上コンテンツ源310Bは、他の地上コンテンツ源(図示せず)と通信するようにしても良い。図3Bには、地上コンテンツ源310Bはインターネット310Cへのアクセスを提供するものとして示されている。
図3Bに示されるように、乗り物情報システム300は、地上コンテンツ源310Bとの通信を促進するため、遠隔(地上)コンテンツ源310Bから鑑賞用コンテンツ210を受信するためのアンテナシステム330およびトランシーバーシステム340を備えても良い。アンテナシステム330は、飛行機390Bの機体392の適切な外側表面394といった乗り物390の外側に配置することが好ましい。アンテナシステム330は、地上コンテンツ源310Bから鑑賞用コンテンツ210を受信し、トランシーバーシステム340によって処理された鑑賞用コンテンツ210を乗り物情報システム300のコンピューターシステム350へ提供することができる。所望の場合、コンピューターシステム350は、受信した鑑賞用コンテンツ210をメディアサーバシステム310Aや1つ以上のユーザーインターフェース360へ提供するようにしても良い。コンピューターシステム350およびメディアサーバシステム310Aは、説明のためだけに分離したシステムとして記載しているが、所望の場合には少なくとも部分的に一体であっても良い。
図4は、乗り物情報システム300における例示的なコンテンツ配信システム320を示す。図4のコンテンツ配信システム320は、ヘッドエンドシステム310Hと複数のユーザーインターフェースシステム360の間を連結し、その間の通信を補助する。ヘッドエンドシステム310Hは、コンテンツ源310を含む。幾分か違うように記載しているが、コンテンツ源310およびユーザーインターフェースシステム360を含む乗り物情報システム300のコンポーネントは、コンテンツ配信システム320を経由して通信するように示される。図4のコンテンツ配信システム320は、2006年3月29日付けの米国同時係属出願:11/277,896号:発明の名称「データ配信ネットワークを経由した通信信号ルーティングシステムおよびその方法」、および米国特許第5,596,647号、5,617,331号、5,953,429号:発明の名称「商業用航空機およびその他の乗り物に使用する一体型映像・音声信号配信システムおよびその方法」に記載の方法により提供することができる。これらの米国特許は本出願の指定代理人によって代理されており、それぞれの開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
配信システム320は、2009年2月6日付けの米国同時係属出願:12/367,406号:発明の名称「移動中にモバイルプラットフォームにおいてコンテンツを配信する光学的通信システムおよびその方法」に記載の方法により提供しても良い。この出願は本出願の指定代理人によって代理されており、開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。同様に、所望の場合には、配信システム320は、2004年2月6日付けの米国同時係属出願:10/773,523号:発明の名称「ネットワークの信頼性を向上させるシステムおよび方法」、並びに2005年3月21日付けの米国同時係属出願:11/086,510号:発明の名称「ネットワークの信頼性を向上させるシステムおよび方法」に記載の方法により提供されるネットワークマネジメントシステム(図示せず)を備えても良い。これらの出願は本出願の指定代理人によって代理されており、それぞれの開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
図4に示すように、配信システム320は、複数のエリア配信ボックス(ADB)322、複数のフロア切断ボックス(FDB)323、複数のシート電子ボックス(SEB)(若しくは映像シート電子ボックス(VSEB))、あるいはプレミアムシート電子ボックス(PSEB)324として提供しても良い。これらは、複数の有線・無線通信接続325を経由してリアルタイムでの通信を行う。同様に、配信システム320は、配信システム320とヘッドエンドシステム310Hとの間を接続するためのスイッチングシステム321を備えても良い。スイッチングシステム321は、イーサネットスイッチングシステムのような従来のスイッチングシステムを備えても良く、ヘッドエンドシステム310Hをエリア配信ボックス322につなぐ。各エリア配信ボックス322は、スイッチングシステム321と接続して通信を行う。
一方で、各エリア配信ボックス322は、少なくとも1つのフロア切断ボックス323と接続して通信を行う。エリア配信ボックス322とそれに関連するフロア切断ボックス323はあらゆる従来の構成によって接続されても良いが、フロア切断ボックス323は、図4に示すようにエリア配信ボックス322についてスター形ネットワーク・トポロジーにより配置されることが好ましい。各フロア切断ボックス323は、シート電子ボックス324の複数のデイジーチェーンと接続し、これらに作用する。一方で、シート電子ボックス324は、ユーザーインターフェースシステム360と通信する。各シート電子ボックス324は、1つ以上のユーザーインターフェースシステム360を補助することができる。
スイッチングシステム321、エリア配信ボックス322、フロア切断ボックス323、シート電子ボックス324、アンテナシステム330、トランシーバーシステム340、コンテンツ源310、メディアサーバシステム310A、ヘッドエンドシステム310H、映像インターフェースシステム362(図5A−B)、音声インターフェースシステム364(図5A−B)、ユーザー入力システム366(図5A−B)、および乗り物情報システム300のその他のリソース(あるいはコンポーネント)は、列線交換ユニット(LRU)326として提供されることが好ましい。列線交換ユニット326を用いることにより、欠陥のある列線交換ユニット326を単純に乗り物情報システム300から取り除き、新しい(若しくは異なる)列線交換ユニット326と取り替えることができるため、乗り物情報システム300のメンテナンスが促進される。その後、欠陥のある列線交換ユニット326について、さらなる搭載のために修理を行うことができる。また、列線交換ユニット326を用いれば、コンテンツ配信システム320のシステムリソースの数、配置、構成を即座に修正することが可能となるため、コンテンツ配信システム320の設計にかかる柔軟性を促進することができる。同様に、陳腐化した列線交換ユニット326を新しい列線交換ユニット326に取り替えることにより、コンテンツ配信システム320を容易にアップロードすることができる。
所望の場合には、フロア切断ボックス323は、ルーティングシステムとして提供しても良く、また、2006年3月29日付けの米国同時係属出願:11/277,896号:発明の名称「データ配信ネットワークを経由した通信信号ルーティングシステムおよびその方法」に記載の方法により内部接続しても良い。コンテンツ配信システム320は、少なくとも1つのFDB内部ポートバイパス接続325Aや少なくとも1つのSEBループバック接続325Bを備えても良い。各FDB内部ポートバイパス接続325Aは、異なるエリア配信ボックス322に関連するフロア切断ボックス323が直接的に通信することを可能にする通信接続325である。各SEBループバック接続325Bは、図4に示すように、選択されたフロア切断ボックス323におけるシート電子ボックス324のデイジーチェーン内の最後部のシート電子ボックス324を直接的に接続する通信接続325である。したがって、各SEBループバック接続325Bは、関連するフロア切断ボックス323に接続されたデイジーチェーン式のシート電子ボックス324間においてループバック経路を形成する。
図5Aは、乗り物情報システム300が搭載された、自動車390A(図3A)や飛行機390B(図3B)といった乗り物390の例示的な客室380を示す。客室380は複数のシート382を備えるものとして示されており、各シート382は選択されたユーザーインターフェースシステム360と関連付けられる。各ユーザーインターフェースシステム360は、映像インターフェースシステム362や音声インターフェースシステム364を備えても良い。例示的な映像インターフェースシステム362は、集中制御される頭上表示システム362A、それぞれが個別に制御されるシートバック表示システム362B若しくは肘掛け表示システム(図示せず)、乗務員用表示パネル、ハンドヘルド映像表示システムを備えても良い。
ユーザーインターフェースシステム360の音声インターフェースシステム364は、あらゆる従来の方法によって提供しても良く、頭上スピーカーシステム364A、ハンドヘルド音声提供システム、シート382の肘掛け388などに置かれた音声プラグに連結されるヘッドホンを備えても良い。同様に、1つ以上のスピーカーシステムを、シート382の土台384Bの内部に配置されるスピーカーシステム364Bやシート382のヘッドレスト384Cの内部に配置されるスピーカーシステム364Cなどのように、シート382と関連付けても良い。好ましい実施形態では、音声インターフェースシステム364は、音声インターフェースシステム364が生み出す音声の質をさらに向上させるための選択的なノイズ消去システムを備えても良い。
同様に、図5Aに示されるように、ユーザーインターフェースシステム360は、ユーザー(若しくは乗客)が乗り物情報システム300と通信することを可能にする入力システム366を備えても良い。入力システム366は、あらゆる従来の方法によって提供しても良く、通常は、キーボードやキーパッドなど1つ以上のスイッチ(若しくは押しボタン)あるいはマウス、トラックボール、タッチペンなどの指示装置を備える。所望の場合には、入力システム366は、関連する映像インターフェースシステム362や音声インターフェースシステム364と少なくとも部分的に一体であっても良く、それらと分離していても良い。例えば、音声インターフェースシステム362および入力システム366は、タッチスクリーン表示システムとして提供しても良い。同様に、入力システム366は、フルサイズのコンピュータキーボード、外部マウス、ゲームパッドのような周辺入力装置(図示せず)を乗り物情報システム300に結合させるための1つ以上の周辺通信コネクタ366Pを備えても良い。
少なくとも1つのユーザーインターフェースシステム360は、従来のCOMポート(若しくはコネクタ)など、個人電子(メディア)デバイス(図5B)を乗り物情報システム300に結合させる有線・無線のアクセスポイント368を備えても良い。こうすることにより、乗り物390に乗って移動する乗客(図示せず)は、移動中に、自分で選択した鑑賞用コンテンツを楽しむことができる。アクセスポイント368は、関連するシート382の近傍に配置されるが、シートバック386、壁396、天井、隔壁など客室のあらゆる表面に置くことが可能である。
図5Bには、乗り物情報システム300が、1つ以上の個人電子デバイス200と接続するものとして示されている。各個人電子デバイス200は、音声・映像鑑賞用コンテンツ210を保存できるとともに、ラップトップコンピューター、パームトップコンピューター、携帯端末(PDA)、携帯電話、iPod、iPhone、MP3デバイスであっても良い。例示的な個人電子デバイス200は、上述した文献(2004年2月4日付けの出願:10/772,565号:発明の名称「ファイルダウンロードシステムおよびその方法」、2005年6月15日付けの出願:11/154,749号:発明の名称「移動中に鑑賞用コンテンツを表示するためのポータブルメディアデバイス」、2005年11月7日付けの出願:11/269,378号:発明の名称「国をまたぐ移動中にモバイルプラットフォームで放送コンテンツを受信するシステムおよび方法」、2008年9月15日付けの出願:12/210,624号:発明の名称「ポータブルメディアデバイスを乗り物情報システムとインターフェースさせるシステムおよび方法」、2008年9月15日付けの出願:12/210,636号:発明の名称「乗り物情報システムのためのメディアデバイスインターフェースシステムおよびその方法」、2008年9月15日付けの出願:12/210,652号:発明の名称「乗り物情報システムのためのメディアデバイスインターフェースシステムおよびその方法」、2008年9月15日付けの出願:12/210,689号:発明の名称「乗り物情報システムのためのポータブルおよびその方法」)に記載されている。
図5Bに示される個人電子デバイス200は、鑑賞用コンテンツ210を視覚的に表示する映像表示システム240や鑑賞用コンテンツ210を聴覚的に聞こえるように出力する音声出力システム250を備える。同様に、各個人電子デバイス200はユーザー操作システム260を備えても良く、ユーザー操作システム260は、あらゆる従来の方法により提供しても良く、通常は、キーボードやキーパッドなど1つ以上のスイッチ(若しくは押しボタン)あるいはマウス、トラックボール、タッチペンなどの指示装置を備える。このように、個人電子デバイス200は、所望の鑑賞用コンテンツ210を選択するとともに、選択した鑑賞用コンテンツ210を受信・表示する方法を制御することができる。
同様に、各個人電子デバイス200は、少なくとも1つのCOMポート(若しくはコネクタ)270を備えていても良い。COMポート270によれば、個人電子デバイス200は、それぞれのユーザーインターフェースシステム360のアクセスポイント368を経由して、乗り物情報システム300と通信することが可能となる。例えば個人電子デバイス200Aについて示されているように、選択したCOMポート270およびアクセスポイント368は、有線通信を補助することができる。一方で、通信ケーブル組立品387は、別に選択したCOMポート270と個人電子デバイス200Bに関連するアクセスポイント368との間の有線通信を補助する。個人電子デバイス200Bにおけるアクセスポイント368とCOMポート270との間の有線通信には、個人電子デバイス200Bに対して電源220を提供する工程が含まれていることが好ましい。
言い換えれば、各個人電子デバイス200は、関連するアクセスポイント368によって提供される従来の電源コンセントなどのシステム電源コネクタ(若しくはポート)368Pに結合されうるデバイス電源コネクタ(若しくはポート)270Pを備えても良い。システム電源コネクタ368Pは、関連するシート382の近傍に配置することが可能であり、通信ケーブル組立品387を経由してデバイス電源コネクタ270Pに結合されたときに乗り物情報システム300から個人電子デバイス200へ電源220を提供することができる。所望の場合には、鑑賞用コンテンツ210および電源220は、分離した通信ケーブル組立品387を経由して個人電子デバイス200へ提供しても良い。COMポート270とアクセスポイント368が通信するとき、乗り物情報システム300は、ユーザーフレンドリーな通信インターフェースを利用して、関連する個人電子デバイス200が乗り物情報システム300と統合できるようにするための単純方法を補助する。
使用をやめるときや、個人電子デバイス200と直接の物理的な接触が必要なくなったときには、個人電子デバイス200をシステム電源コネクタ368Pから取り外してシート382に保管することができる。シート382は、個人電子デバイス200を保管するための収納用仕切り389を備えても良い。シート382Bとともに示されるように、個人電子デバイス200は、シート382Bの肘掛け388に設けられた収納ポケット389Bの中に入れることができる。同様に、収納用仕切り389は、シート382のシートバック386やヘッドレスト384の上に配置しても良い。所望の場合には、収納用仕切り389には、頭上収納用仕切り、扉収納用仕切り、シート382の下部に設けられる収納用仕切りや、グローブボックス、トランク、クローゼットのような乗り物390内で利用可能なあらゆる従来の収納用仕切りが含まれても良い。
図1に示すように乗り物390に飛行機390B(図3B)が含まれる場合には、データ監視・分析システム1000は、例えば、乗り物情報システム300からシステム性能データを受け取るためのオンラインメンテナンスツールを提供する包括的データ分析信頼性追跡システムを備えても良い。包括的データ分析信頼性追跡システムは、少なくとも1つの性能報告や、乗り物情報システム300の信頼性の追跡や、上述した方法による稼動中の性能問題の追跡を行うことができる。オンラインメンテナンスツールは、データ監視・分析システム1000(図1)との関連で上述した方法により提供しても良く、その方法では、ダウンロードデータ1510には乗り物情報システム300からのシステム性能データが含まれていても良い。システム性能データには、BITEデータ、修理店データ、OEM(original equipment manufacturer)飛行時間のような従来の種類の性能データが含まれても良いが、これらに制限されない。同様に、所望の場合には、システム性能データには、観測されたシステム障害・調整や外部ウェブサイトから提供される飛行情報を含む他の種類の性能データが含まれても良い。
データ監視・分析システム1000は、乗り物情報システム300の信頼性あるいは平均故障間隔(MTBF)や不定期取卸平均間隔(MTBUR)の信頼性を追跡することができる。同様に、データ監視・分析システム1000は、稼動中の性能問題を追跡する追跡装置を備えても良いし、システムの監視・分析結果を示す性能報告を行うこともできる。代表的な性能報告には、システムBITE利用報告、システムBITE低下報告、再起動報告、コマンド報告、Eメール利用報告、ショートメッセージサービス(SMS)報告、シート利用報告、シート低下測定報告が含まれても良いが、これらに制限されない。シート利用報告やシート低下報告は、観測された障害に基づく報告を選択的に含んでも良い。所望の場合には、データ監視・分析システム1000は、関連する性能データの電子機内日誌(若しくはファイル)1600(図12A−E)を提供することもできる。電子機内日誌1600は障害データを保存することができ、さらに、保存した障害データをダウンロードしたBITEデータと関連付けることにより、飛行機の適当な所有者(若しくは操作者)に提供しうる性能報告が可能となる。
このように、データ監視・分析システム1000は、移動の前後および最中を含め、いつどのフライトにおいても飛行機390Bの所有者・操作者が乗り物情報システム300の性能をリアルタイムで監視できる手法を提供する。また、ロードスクリプトシステム1200は、図2A−Cとの関連で上述した方法により乗り物情報システム300によって生成されたBITEデータや他の性能データを含むダウンロードデータ1510をオフロードすることができる。上述のように、ロードスクリプトシステム1200は、オフロードされたダウンロードデータ1510を認証・解析し、その結果として得られたダウンロードデータ1510を標準化されたデータベースシステム1100へ送ることができる。よって、ダウンロードデータ1510の大部分は、必要に応じて、1つ以上の表示システムに表示されるハイコンテントリソルーショングラフといった有用な手法によって表示することができる。
データ監視・分析システム1000は、MMNによるBITEデータの自動分析、LRUの種類、および設計によってBITEの正確性を向上させることができる。積極的なメンテナンスおよび技術的アプローチを取り入れるとともに、顧客への影響よりも先に傾向を識別することにより、データ監視・分析システム1000は、LRUなど乗り物情報システム300における選択されたシステム要素の性能だけでなく、乗り物情報システム300の全体システム性能についても個別/総合的に向上させることができる。同様に、データ監視・分析システム1000は、乗り物の操作者に対して概要から最下位レベルの詳細に至るまでの性能データを提供することができる。すなわち、航空会社は、乗り物情報システムの性能に関する根本的原因を理解するために、データ監視・分析システム1000を利用して、飛行機390Bの1フリートにおけるBITEデータの集まりの観察、1つ以上の変数によるBITEデータの分類、BITEデータのサブセットまで掘り下げを行うことができる。
データ監視・分析システム1000は、BITEデータなどの選択されたダウンロードデータ1510を様々な形式にて表示することができる。例えば、データ監視・分析システム1000は、飛行機のプラットフォームデータや、飛行区間に関する配置データ、障害データ、および再起動データを表示することができる。同様に、ダウンロードデータ1510を図示することもできる。ダウンロードデータ1510の代表的な図示には、BITEフリート性能グラフ、再起動コマンドグラフ、電子機内日誌フリート性能BITEシステム性能グラフが含まれても良い。所望の場合には、データ監視・分析システム1000は、BITEカバレッジカレンダ(BITE coverage calendar)報告、障害カウント報告、1セットごとの1時間あたりの再起動コマンド報告、フリート性能比較報告などの報告について表示することができる。
図6A−Gには、データ監視・分析システム1000がユーザーインターフェースシステム1400を備えるものとして示されている。データ監視・分析システム1000は、映像表示システム(図示せず)を経由する方法を含むあらゆる従来の方法によりユーザーインターフェースシステム1400を表示することができる。図6Aおよび6Cに示すように、ユーザーインターフェースシステム1400は、表形式のBITEシート性能データを表示することができる。同様に、ユーザーインターフェースシステム1400は、BITEシート性能データを分析するためのコラムの分類やカラー(color)を補助することができる。例えば、BITEシート利用データを分析することにより、図6Bに示す飛行機390Bのフリート内においてメンテナンスの対象となる飛行機390Bを識別することができる。図6Dに示すユーザーインターフェースシステム1400は、1日以上の期間においてBITEデータが利用可能であったときの飛行回数を示すBITEカバレッジカレンダを備える。また、図6Eには、システム再起動のような乗り物情報システムの選択された事象を発生順に表示する飛行事象分析の代表的なものが示されている。同様に、ユーザーインターフェースシステム1400は、LRUやMMNによる情報に基づくBITEデータの全体調査などBITEデータの選択された調査を補助する他の内部ツールを、システム操作者が利用できるようにすることもできる。
データ監視・分析システム1000のユーザーインターフェースシステム1400は、ダウンロードデータ1510を所定のあらゆる詳細なレベルにより表示することができる。すなわち、ユーザーインターフェースシステム1400は、ダウンロードデータ1510の概要を表示したり、ダウンロードデータ1510内の選択された付加的な詳細について表示することができる。所望の場合には、ユーザーインターフェースシステム1400は、表形式や図形式を含むあらゆる適切な形式によりダウンロードデータ1510を表示することができる。図7Aに示すユーザーインターフェースシステム1400は、所定のダウンロードデータ1510を選択するための選択表示1410を有する図形的ユーザーインターフェースを備えるものとして示されている。図7Aに示すように、選択表示1410には、操作主である航空会社1410Aの名称、日付(若しくは期間)1410B、航空会社1410Aのフリートにおける特定の飛行機390B(図3B)の少なくとも1つのテイルサイン(tailsign)1410Cが含まれても良い。
図7Aには、選択表示1410を経由して識別されたダウンロードデータ1510が表形式で表示された状態で示されている。ユーザーインターフェースシステム1400は、選択されたテイルサイン1410Cごとに、選択された期間1410B内においてテイルサイン1410Cで識別される飛行機390Bによって蓄積されたダウンロードデータ1510に基づく詳細な性能情報1420を表示することができる。ユーザーインターフェースシステム1400を経由して表示しうる代表的なダウンロードデータ1510には、飛行機390Bにおける乗り物情報システムの種類1420A、期間1410Bにおける飛行機390Bの飛行回数1420B、飛行機390Bに搭載された乗り物情報システム300(図1)のシステム障害回数1420C、乗り物情報システム300の再起動回数1420D、乗り物情報システム300によって行われた再起動コマンド回数1420Eが含まれても良い。
所望の場合には、ユーザーインターフェースシステム1400は、あらゆる適切な図形式により詳細な性能情報1420を表示することができる。例えば、図7Bに示す散布図では、選択された期間1410Bにおける飛行1回あたりの平均再起動回数1420D’に対する飛行1回あたりの平均障害回数1420C’がプロットされている。データ監視・分析システム1000は、テイルサイン1410Cごとに、システム障害回数1420C(図7A)を飛行機390B(図7A)の飛行回数1420Bで割ることにより飛行1回あたりの平均障害回数1420C’を求めることができる。一方で、平均再起動回数1420D’は、再起動回数1420D(図7A)を飛行回数1420Bで割ることにより求めることができる。結果として得られるテイルサイン1410Cごとの商は散布図にプロットされて、性能の傾向が分析される。
図7Cには、ユーザーインターフェースシステム1400が、連続する日数などの所定の期間における事象回数に関する概要を提供するためのフライトテーブルを表示するものとして示されている。所定のダウンロードデータ1510を選択するための選択表示1410には、選択された飛行セクター選択肢1410Dへのジャンプが含まれても良く、詳細な性能情報1420には、選択された飛行セクターに関連する詳細な性能情報1420C−Iが含まれても良い。詳細な性能情報1420には、選択された飛行セクターに関連する飛行ごとの、到着データ1420F、出発地・目的地情報1420G、飛行番号1420H、飛行時間1420Iが含まれても良い。同様に、詳細な性能情報1420には、選択された飛行機390B(図3B)に搭載された乗り物情報システム300(図1)のシステム障害回数1420C、乗り物情報システム300の再起動回数1420D、図7Aとの関連で上述した乗り物情報システム300によって行われた再起動コマンド回数1420Eが含まれても良い。
図7Dのユーザーインターフェースシステム1400は、1つ以上の選択された飛行機390B(図3B)の構成概要や所定の期間における飛行セクターを表示することができる。一方で、図7Eに示すユーザーインターフェースシステム1400は、選択された飛行機390B(図3B)のシングルフライトテーブルや所定の期間におけるフライトセクター(Flight Sector)を表示する。図7F−Gでは、ユーザーインターフェースシステム1400が、選択されたシステムコンポーネントの飛行機修理業務数の分析を表示するものとして示される。例えば、選択されたシステムコンポーネントは、特定の乗り物情報システム300(図1)や他の乗り物情報システム300と関連付けることができる。図7Fのユーザーインターフェースシステム1400は修理コード凡例1430を含み、修理コード凡例1430は、関連するコンポーネント修理の種類に関連した所定の修理コードを識別する。
例えば、図7Fに示すように、修理コードCHはチャージ可能な(chargeable)ハードウェア修理と関連付けられ、修理コードCHSはチャージ可能なソフトウェア修理と関連付けられる。修理コードCIは、顧客によるシステムコンポーネントの誤用に起因する顧客誘発的な修理に関連するものとして示されている。図7Fには、その他の例示的な修理コードが示されている。修理コード凡例1430には、選択されたシステムコンポーネントにとって適切なあらゆる種類の修理に関する修理コードが含まれても良い。ユーザーインターフェースシステム1400は、あらゆる適切な方法により、選択されたシステムコンポーネントの分析を表示することができる。例えば、図7Fのユーザーインターフェースシステム1400は図形的表示形式の分析を表示しており、ここでは詳細な性能情報1420が修理コードで分類される。一方で、図7Gには、修理日の時系列として提供される詳細な性能情報1420が示される。図7Hに示すように、ユーザーインターフェースシステム1400は、選択されたシステムコンポーネントの修理店の履歴を表示することができる。
図8には、データ監視・分析システム1000の典型的な利用が示されている。できるだけシートの利用率を最大に維持するためには、乗り物情報システム300(図1)の再起動が必要となる。これらの再起動は、シート382(図5A−B)で個々に行ったり、飛行機390B(図3B)のシート382の全てで同時に行うこともできる。再起動は、乗務員が乗り物情報システム300のユーザーインターフェースシステム360(図5A−B)を経由して自動・手動で開始できる。
仮定シナリオによれば、航空会社の管理者は、システムの再起動回数が直近で急激に増加したという事実を把握することができる。このように、航空会社の管理者は、実際に飛行機のフリートで何が起こっているかということに関してデータ監視・分析システム1000を調べることができる。データ監視・分析システム1000は、上述の方法により乗り物情報システム300からダウンロードデータ1510を受信したら、図8に示す例示的なグラフを表示することができる。グラフは、飛行機の1つのフリート全体における異なる飛行機プラットフォーム300/390の再起動回数に関する詳細な性能情報1420を示す。すなわち、一般的にフリートには、1種類以上の飛行機390Bおよび1種類以上の乗り物情報システム300が含まれている。飛行機390Bと乗り物情報システムとの様々な組合せは、図8の飛行機プラットフォーム300/390A−Gで示される。
図8に示すように、飛行機プラットフォーム300/390Aなどの飛行機プラットフォーム300/390で開始された再起動回数は、時間とともに比較的安定している。一方で、飛行機プラットフォーム300/390B、390Cなどの飛行機プラットフォーム300/390で開始された再起動回数は、顕著な変動がある。図8のグラフに示される情報により、上位管理者は、多数の再起動の位置および原因に関してさらなる洞察が可能となる。潜在的な開始理論には、特定の機体種類や乗務員訓練問題に関する大きな技術的問題が含まれる可能性がある。有効な方法によって大量のダウンロードデータ1510を表示することにより、データ監視・分析システム1000は、上位管理者が実際に問題が起きているかどうか確認することを補助することができ、実際に問題が生じている場合には、その問題を早急に解決するための潜在的な解決策の識別を補助することができる。
データ監視・分析システム1000によって作成可能な他の典型的なグラフが、図9A−Bに示される。図9Aは、例えば、代表的なBITEシステム性能グラフを示す。図9Aのグラフは、飛行機の機体390B、乗り物情報システム300、およびそれらの配置が別の仮説的なフリートに対してどのように作用しているかを示している。図9Aに示すように、飛行機プラットフォーム300/390Cなどいくつかの飛行機プラットフォーム300/390におけるシート利用は、時間とともに比較的安定している。一方で、飛行機プラットフォーム300/390Aなど他の飛行機プラットフォーム300/390におけるシート利用は、顕著な変動がある。この高レベルの観察により、上位管理者はメンテナンス資金の運用の決定をすることが容易になり、さらに、性能が低い飛行機プラットフォーム300/390の配置にさらなる焦点を当てることができる。
所望の場合、同様に、データ監視・分析システム1000は、図10A−Eに示すシステム報告をすることができる。代表的なシステム報告には、BITEシート利用報告、BITEシート低下報告、再起動報告、再起動コマンド報告、Eメール利用統計報告、ショートメッセージサービス(SMS)統計報告、BITE精度報告、障害シート利用報国が含まれても良い。図10Aは、例えば、フリートごとのBITEシステム性能を図形式で表現したシステム報告を表示することができるユーザーインターフェースシステム1400を示す。システム報告は、5つの例示的な飛行機プラットフォーム300/390A−EについてのBITEシステム性能を提供する。ユーザーインターフェースシステム1400は、図10Bや図10Cに示す所定の期間・日にちにおける、選択された飛行機プラットフォーム300/390AのBITEシステム性能およびBITEシステム性能低下を表現するシステム報告を表示することができる。図10Dは、離陸時からの再起動回数を表現するシステム報告を示し、一方で、図10Eは、所定期間に蓄積されてフィルター処理されたデータに基づく離陸時からの再起動回数を表現するシステム報告を示す。
ユーザーインターフェースシステム1400は、ハイコンテントリソルーションや多次元の方法を含むあらゆる従来の方法によりシステム報告を表示することができる。多次元の方法により報告を行えば、データ監視・分析システム1000によって補助されるシステム分析を向上させることができる。例えば、ユーザーインターフェースシステム1400は、フリートの正常性の多軸図形表示を含むシステム報告を表示することができる。多軸図形表示を経由してフリートの正常性を表示することにより、BITE、障害データ、再起動、乗客利用などのフリートの正常性に関する多くの事項について、1つのグラフで表示することができる。
図11A−Eには、データ監視・分析システム1000が、飛行機390B(図3A)のフリートについて選択されたシステム報告を行うための信頼性計算システム1450として示されている。信頼性計算システム1450は、ユーザーインターフェースシステム1400を経由して表示することができるとともに、システム操作者が幅広い範囲のシステム報告を行うことを可能にする。これらのシステム報告には、平均故障間隔(MTBF)や不定期取卸平均間隔(MTBUR)の報告が含まれても良い。MTBFおよびMTBURの報告は、選択された列線交換ユニット(LRU)、選択されたシステムコンポーネント、あるいは1つのフリート内における乗り物情報システム300の所定の修正について、行うことができる。
同様に、信頼性計算システム1450は、システム全体性能報告などのシステム飛行機性能報告の実行を補助することができる。代表的なシステム飛行機性能報告には、保証平均故障間隔(GMTBF)と実際の平均故障間隔(MTBF)、保証された不定期取卸平均間隔(MTBUR)と実際の不定期取卸平均間隔(MTBUR)、予想平均故障間隔(PMTBF)と実際の平均故障間隔(MTBF)、あるいは予想不定期取卸平均間隔(PMTBUR)と実際の不定期取卸平均間隔(MTBUR)を比較するような比較システム報告が含まれても良い。
所望の場合には、信頼性計算システム1450は、乗り物情報システム300の選択されたシステムコンポーネントの性能報告を行うことができる。例えば、信頼性計算システム1450は、選択された列線交換ユニット(LRU)の性能報告を行うことができる。選択された列線交換ユニットの性能報告には、列線交換ユニットの修理と出荷を比較する比較報告や、ある期間における列線交換ユニットの性能報告が含まれても良い。同様に、信頼性計算システム1450は、列線交換ユニットや顧客などによる部分利用報告を行うことができる。図11B−Eには、信頼性計算システム1450によって行われるシステム報告が示される。
図12A−Eには、データ監視・分析システム1000が、電子機内日誌(若しくはファイル)1600を備えるものとして示されている。電子機内日誌1600により、飛行機の乗務員やメンテナンス作業員は、機内の障害やその他の状況について記録、修理、追跡を行うことができる。ある実施形態では、電子機内日誌1600は、飛行中に修理できなかった設備の問題や乗客に影響しうる他の出来事に関するダウンロードデータ1510を収集することができる。メンテナンス作業員は、システムの修理を促進したり、採られた措置を文書で記録するために、ダウンロードデータ1510にアクセスすることができる。また、乗務員は、他のシステム利用者が容易に電子機内日誌1600のエントリを読み取れるように、電子機内日誌1600を利用して電子機内日誌1600のエントリを標準化することができる。一方で、電子機内日誌1600により、メンテナンス作業員は、飛行機390B(図3B)の修理中にシステム障害を点検・管理することができる。同様に、管理者は、電子機内日誌1600を利用することにより、例えば傾向、訓練欠如、乗客満足度の把握を目的としてダウンロードデータ1510を分析することができる。
電子機内日誌1600は、電子機内日誌1600とのインターフェースを促進するためのユーザーインターフェースシステム1650を備えるものとして示されている。ある好ましい実施形態では、ユーザーインターフェースシステム1650は、タッチスクリーン表示システムを経由して表示可能な図形式ユーザーインターフェース(若しくはGUI)として提供しても良い。ユーザーインターフェースシステム1650により、ログエントリを容易に視覚的に分類することができる。典型的なログエントリの種類には、閉ログエントリ、延べログエントリ、開ログエントリが含まれても良いが、これらに制限されない。所望の場合には、異なる種類のログエントリを対応する背景色とともに表示することもできる。同様に、ユーザーインターフェースシステム1650は、システム操作者によるデータエントリを補助するオートフィル機能や、選択されたログエントリを簡単に説明するプレビューウィンドウを備えても良い。また、ログエントリを、優先度の低いログエントリから優先度の高いログエントリを識別するための優先タグに関連付けても良い。
電子機内日誌1600を利用すれば、紙ベースの日誌の排除や手書き日誌エントリの判読の困難性の排除を含む様々な利益がもたらされるとともに、移動完了後に機内日誌のデータを電子データベースへ移すことも不要となる。電子機内日誌1600により、技術者が機内日誌データを判読する必要性がなくなるとともに、移動中に記録された障害と人間が観測した障害とを相互に関連付けることでBITEデータの正確性を認証することができる。さらに、電子機内日誌1600を細部に至るまで乗客への障害の影響に集中させることができる。同様に、メンテナンス作業員が乗り物390の到着より前に障害を修理するための準備を行えるように、選択された障害がダウンロードデータ1510に含まれても良く、こうすることで、乗り物390のメンテナンスによるダウンタイムが低減される。
所望の場合、電子機内日誌1600は、選択された乗り物情報システム300用のハードウェアやソフトウェアのモジュール(図示せず)を備えても良い。乗り物情報システム300が飛行中娯楽システムを備える場合には、例えば、電子機内日誌1600は、飛行中娯楽システムに関連するとともに障害説明を含み好ましくは乗客娯楽システム(PES)や乗客サービスシステム(PSS)を含むモジュールを備えても良い。同様に、モジュールは、選択された乗り物情報システム300に関わるBITE関連・認証機能を有しても良く、また、乗務員パネル、乗務員ターミナル、シート電子ボックス、スマートディスプレイユニット(SDU)、ポータブルメディアデバイス200(図5B)にて実行することができる。したがって、障害メンテナンスデータを、乗り物390(図5A−B)の客室380(図5A−B)内のシートの位置から入力することが可能である。さらに、モジュールは、選択された乗り物情報システム300と客室380との両方で生じうる問題に関する障害説明を備えても良い。
ある実施形態では、電子機内日誌1600をポータブル補助モジュール(図示せず)として提供しても良い。すなわち、電子機内日誌1600は、図5Bとの関連で上述した方法により提供されるポータブルメディアデバイス200と一体的なものにしても良い。ポータブル補助モジュールは、電子機内日誌1600について上述した機能性を備えても良く、また、ユーザーインターフェースシステム1650を表示するためのコンパクトな映像表示システム240(図5B)を備えても良い。このように、ポータブル補助モジュールを経由して実行されるメンテナンス動作を入力、編集、確認することができる。
図12B−Eには、電子機内日誌1600のユーザーインターフェースシステム1650によって表示される代表的な画面が示されている。例えば、図12Bには、ユーザーインターフェースシステム1650が、乗り物390(図5B)に乗っている乗務員が使用するための乗務員インターフェースシステムを備えるものとして示されている。乗務員インターフェースシステムは、例えば、移動中に乗客(若しくは乗務員)が発見した障害に関する説明(障害データ)を乗務員が入力できるようにする新たな障害エントリ画面を表示するものとして示されている。
図12C−Eに示されるように、ユーザーインターフェースシステム1650は、乗務員が使用するためのメンテナンスユーザーインターフェースシステムを備えても良い。図12Cに示されるメンテナンスユーザーインターフェースシステムによれば、メンテナンス作業員は、乗り物390から受信した障害データを見ることができる。メンテナンスユーザーインターフェースシステムにより、障害データをBITE障害データと隣接させながら同時に表示することができる。画面の配置によって、障害データとBITE障害データとの関連性を強めることができる。
図12Dは、ユーザーインターフェースシステム1650がメンテナンス動作説明エントリ画面を表示しうる方法を示す。メンテナンス動作説明エントリ画面は、標準化されたメンテナンス動作説明の使用を補助している。図12Eに示すユーザーインターフェースシステム1650は、交換パーツ情報を表示している。このように、交換パーツ情報は、乗り物390の出発前にデータベースシステム1100(図1)に保存することができる。ユーザーインターフェースシステム1650により、交換パーツ情報を修理データや在庫データと関連付けることができる。
図13Aは、移動中にシステム障害が生じた場合にデータ監視・分析システム1000を経由して開始することができる例示的なメンテナンスプロセスを示す。乗り物390は1から出発し、移動中である2において障害が発生する。障害が発見されると、乗り物390に乗っている乗客は、電子機内日誌1600(図12A−E)を経由して障害を入力できる(3)。リスク軽減ステップとして、発見された障害は、飛行機の印刷機で印刷されて飛行機日誌に綴じられる(4)。障害に関連するダウンロードデータ1510(図1)は、図1および2A−Cとの関連で上述した方法により、手動で乗り物390からデータ監視・分析システム1000へと伝達される(5)。
データ監視・分析システム1000へのダウンロードデータ1510の伝達には、リスク軽減ステップが含まれても良く、さらには、リアルタイムや時間差の方法により実施しても良い。同様に、障害に関連するダウンロードデータ1510を、単独で、あるいは他の障害に関連するダウンロードデータ1510とともに伝達することも可能である。同様に、所望の場合には、乗り物390からデータ監視・分析システム1000へ、障害に関連するダウンロードデータ1510を自動で伝達する(6)。電子機内日誌1600は、既に伝達されたダウンロードデータ1510を手動でバックアップする(7)。その後、移動は終了する(8)。
図13Bには、移動中に生じたシステム障害を解決するための例示的なメンテナンスプロセスが示されている。乗り物390が到着する前に、メンテンナンス作業員は、メンテナンスユーザーインターフェースシステムを利用して、性能を改善するための傾向データを受信し(1)、飛行機の到着に備える(2)。乗り物390が目的地に近づくと、データ監視・分析システム1000により障害に関連するダウンロードデータ1510を受信する(3)。メンテナンス作業員が乗り物390に搭乗し(4)、障害に関連するダウンロードデータ1510を含むダウンロードデータ1510を手動でオフロードする(5)。
さらに、メンテナンス作業員は、メンテナンスユーザーインターフェースシステムを利用して、障害を解決するために採るべきメンテナンス動作を入力する(6)。メンテナンス動作が認証されるとともに(7)、メンテナンスユーザーインターフェースシステムを経由して印刷される(8)。障害が解決したら、メンテナンス動作のデータがデータ監視・分析システム1000へとオフロードされる(9)。メンテナンス動作のデータは、あらゆる従来の方法によりデータ監視・分析システム1000へオフロードしても良い。メンテナンス動作のデータは、図1および2A−Cとの関連で上述した、ダウンロードデータがデータ監視・分析システム1000へ伝達される方法により、データ監視・分析システム1000へ伝達することが好ましい。
説明された実施形態は、さまざまな変更および代替の形態の余地が存在し、本発明の具体的な実施例が、図面に例として示され、本明細書において詳しく説明されている。しかしながら、説明された実施形態が、本明細書に開示された特定の形態または方法に限定されるわけではなく、むしろ本開示があらゆる変更、均等物、および代案を包含している。