JP5282295B2 - レトルト処理済みが簡易に確認可能な熱可塑性樹脂容器及びその容器の製造方法 - Google Patents
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なかでも、生活の多様化によるレトルト食品の需要増大とその長期の保存性と香味保持性の要望、また多種の嗜好飲料におけるレトルト処理の要求の増加、或いは飲食品の衛生安全管理の厳格化傾向などからして、プラスチック容器に飲食品を収納密封後にレトルト処理(高温加熱処理)をして加熱殺菌をすることが益々必要となっており、レトルト用収納材としてのレトルト処理対応容器の重要性が非常に高くなっている。
そのために従来では、製品集積箱にレトルト処理済みを示すラベルを貼り、或いは加熱履歴により変色する感熱紙を利用するなどしているが、そのような確認と管理の作業は、製造作業者にとってかなりの負担となり、また、完全な確認と管理は必ずしも保証はされず、レトルト未処理の製品が誤って出荷されて、製品の飲食品の風味が変質し、万一にも飲食品などが腐敗を生じれば生産者や消費者にとって重大な問題となる。
基本的でかつ比較的に簡易な手法として、レトルト処理の高温で変色乃至は消色する示温性インク材料が利用され、具体的には例えば、積層包材シートの積層フィルム間に殺菌温度での水蒸気変色性インジケーターインキ層を形成して、レトルト処理の充分な加熱と完全な殺菌を正確かつ簡便に確認できるとする安価なレトルト包材シート(特許文献1を参照)、所定の加熱殺菌条件下で変色ないし消色する蛍光示温インクにより生産者のデータ(缶内圧など)を缶詰に印刷し、殺菌工程前後の示温インクの色を比較判定してレトルト処理済を確認し、励起光を照射して生産者のデータを読み取る不良缶詰検出方法(特許文献2を参照)などが提示されている。
また、温度変化をバイメタルを利用して検知しレトルト処理を確認する手法として、温度変化に応じて変動する二種類のバイメタルにより変位させられる感温部材を利用する温度履歴センサーを使用して、温度履歴の検知によりレトルト処理済みを確認する手法(特許文献3を参照)、温度変化によるバイメタルの変動により作動するサーモチェッカーの位置変化を自動的に読み取り、飲料を封入した容器の滅菌状況を検査し確認する滅菌検査装置(特許文献4を参照)なども提示されている。
更に、熱処理済み確認システムを設置する手法として、レトルト処理すべき生産品を搬送する工程ラインにおけるレトルト処理装置付近の架台に、処理温度の履歴を留め得る検出センサーを設け、検出センサーに記憶表示体を被せて熱履歴を確認する、熱処理工程における熱処理済み確認システム(特許文献5を参照)も提示されている。
また、温度変化をバイメタルを利用して検知しレトルト処理を確認する手法では、特殊な感温部材を利用する温度履歴センサーや、バイメタルの変動により作動するサーモチェッカーの位置変化を読み取る滅菌検査装置を必要とし、生産工程の設備費がかなり高価となる。
更に、熱処理工程における熱処理済み確認システムを設置する手法では、レトルト処理を充分に受けことを確認できるとしても、処理温度の履歴を留め得る検出センサーや記憶表示体などを付設した格別に高価となる特殊な熱処理済み確認システムの設置が必要となってしまう。
なお、以上の従来のいずれの手法も、生産者がレトルト処理済みを確認する視点からの方法乃至は装置であり、特許文献2においてのみ、消費者がレトルト処理済みを確認することに僅かに言及されているが(要約及び段落0007)、蛍光示温インクの色を比較判定してレトルト処理済を確認するので、消費者にとって容易で簡便な確認手法であるとはいえず、レトルト処理を充分に受けたかまでは確認できない。
本発明はかかる問題の解決を図り、特殊な検出センサーや確認システムなどの高価な部材や設備を必要とせずに簡易な手段によりレトルト処理済を確認し管理することができ、特に、レトルト処理温度を履歴したのみではなくレトルト処理を所定どおりに受けたことを確認でき、消費者も商品がレトルト処理済みか否かを容易に確実に確認し安心できる、レトルト処理の確認手法を実現することを発明が解決すべき課題とするものである。
その過程において、プラスチック容器本体に直接にレトルト処理済みの確認表示を付与できれば、高価な設備を必要とせずに簡易な手段によりレトルト処理済を確認し管理することができると考え、このためには、先の特許文献6に提示された手法であるところの、ポリエステル樹脂容器の延伸ブロー成形の際に未延伸乃至低延伸の部分が後加熱により白化する現象を加熱履歴を表示するために利用するのが好便であると認識して、収納飲食品充填後のレトルト処理による結晶化により底面中心部の未延伸部分を白化させた、二軸延伸ブロー成形によるポリエステル樹脂容器の実用化と商品化を検討した。
しかし、提示された1段ブロー成形法では、レトルト処理に耐え得る耐熱性を有する容器を成形することができず、容器そのもののレトルト耐性が得られないためレトルト用容器製品としての実用化に適さない。
また、レトルト耐性を得ようとして、従来の2段ブロー成形法を利用して耐熱性の容器を成形し、かつ、底部に厚肉透明部を設けようとすると、1次ブロー後の中間体を熱収縮させる時に、厚肉透明部が熱収縮のための再加熱時の高温によって充分白化する温度に到達し、2段ブロー後に徐冷されると先に白化してしまい、レトルト処理確認の目的を達成できないものになってしまうことが知見された。(1段ブローのプリフォーム加熱温度は100℃前後で比較的低温なのに対し、2段ブロー前の熱収縮時の温度は200℃前後と高温のため、徐冷すると厚肉透明部が白化する。)
そして、2段ブロー成形法における2段ブロー後の徐冷時に、容器底面中心部の未延伸部が先に白化してしまうことを避けて、レトルト処理時に白化させてレトルト処理確認の目的を達成するために、ポリエステル樹脂などのプラスチック容器の2段延伸ブロー成形の際に容器の一部に未延伸乃至低延伸の部分を残しつつその部分を急冷すれば、2段ブロー後には白化せず、その部分が後加熱により白化するので、その部分をレトルト処理の加熱により白化させ、レトルト処理済み確認部分を形成させ得る、新規で重要な手法を見い出すに至った。
ここで、その白化部を形成する手段としては、熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを延伸ブロー成形する際に、2段ブロー成形法を使用し、部分冷却手法により、プリフォームの一部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形する。2段ブロー成形により耐熱性の高い容器を成形し、部分冷却手法により未延伸又は低延伸部分を形成し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により、未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成する。
この容器は、主として広口容器として利用され、容器内に収納物を収納し蓋材にて密封後にレトルト処理加熱が行われ、レトルト加熱による底面における白化部によってレトルト処理済みの確認が簡易に確実に行え、主として食品用の容器として利用価値の高いものである。
かくして、容器の底面中央部などに透明乃至半透明の厚肉部分が設けられ、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により透明乃至半透明の未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成する。
しかし、本発明においては、当従来技術に対して、(i)底面中心の厚肉部の耐熱性と耐衝撃性の向上を目的とするのでなく、レトルト済み確認部の形成を目的とし、そのために厚肉部を利用するものであり、(ii)射出成形の際に底面中心に厚肉部がやむを得ず形成されるのではなく、延伸ブローの際に底面中心に厚肉部を形成し、(iii)延伸ブローの際に冷却ロッドを使用して厚肉部を非晶質にするのではなく、シュリンクバックの際に冷却ロッドを使用して厚肉部の白化を防止し、(iv)底面中心の厚肉部は成形後も透明とされるのではなく、レトルト処理により白化される、などの明確な相違点を有しているからして、本発明が当先行技術とは実質的に相違し、それからは示唆もされないのは明白である。
[2]熱可塑性樹脂容器が広口容器であることを特徴とする、[1]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
[3]白化部からなるレトルト処理済み確認部分を容器の底面部に形成したことを特徴とする、[1]又は[2]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
[4]白化部からなるレトルト処理済み確認部分を容器の底面の中心部に円形形状として形成したことを特徴とする、[3]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
[5]熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかにおけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
[6]熱可塑性樹脂容器が、105℃以上で1〜50分のレトルト殺菌が可能であるレトルト対応ポリエステル樹脂容器であることを特徴とする、[5]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
[8]熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを底部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、先端部の底面を冷却した冷却ロッドにより中間体の底部を垂直方向に加熱収縮金型に押圧して、容器底面の中心部の未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、[7]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
[9]熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを底部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、先端部の底面を冷却した冷却ロッドと、上面を冷却した収縮成形金型の上部により挟み込んで、容器底面の中心部の未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、[8]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
[10]容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を容器に形成したことを特徴とする、ブロー成形及び加熱収縮成形により成形され、飲食品を収納しレトルト加熱処理された、[1]における、レトルト処理済みが確認可能な耐熱性熱可塑性樹脂容器。
なお以下において、代表形態として、広口容器を挙げるが、本発明においては、後述の段落0031に記したプラグ部材(図1−f〜hも参照)が容器開口部から抜けるものであれば、口部の広狭は問わない。
(1)基本的な構成
本発明における、レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器は、延伸ブロー成形及び加熱収縮成形した、レトルト耐性に優れた容器(主として広口容器)において、熱可塑性樹脂により成形した容器の一部に、成形後のレトルト処理加熱により生じる白化部からなるレトルト処理済み確認部分が形成される。
すなわち、熱可塑性樹脂中間体の延伸ブロー成形の際に生じせしめられる未延伸乃至低延伸の透明又は半透明な厚肉部分が、成形後のレトルト処理加熱により白化部になりレトルト処理済み確認部分を形成する。
熱可塑性樹脂中間体の延伸ブロー成形の際に形成された未延伸乃至低延伸の透明な厚肉部分が後の加熱により白化するので、この現象をレトルト加熱の加熱履歴を表示するために利用し、プラスチック容器本体に直接にレトルト処理済みの確認表示を付与できる。
すなわち、ポリエステル樹脂などのプラスチック容器の加熱収縮成形の際に、容器の一部を急冷しつつ未延伸乃至低延伸の透明乃至半透明な厚肉部分を残せば、その部分が後加熱により白化するので、その部分をレトルト処理の加熱により白化させ、レトルト処理済み確認部分を形成させる。
レトルト加熱により白化部となる、未延伸乃至低延伸の透明な厚肉部分(白化部の形成箇所)は容器のいずれの箇所でもよいが、白化部を製品において目立たなくする、冷却延伸ロッドにて形成が容易などの理由により、好ましくは、図2に例示されるように容器の底面部に形成され、特に、容器の底面の中心部に円形形状として形成される。
未延伸乃至は低延伸の部分は機械的な強度が低くなるが、その部分を厚肉にしたり、延伸ロッドで樹脂を押し込んだり、レトルトの後加熱による熱固定により、機械的な強度は補充される。
レトルト処理は、一般に、加圧下の100℃付近乃至は100℃以上で125℃程度の加熱殺菌処理として、数分程度から数十分まで行われる。加熱処理は、加熱加圧釜中にてなされ、加熱媒体は通常では、加熱水蒸気や沸騰水が使用される。
生産ラインにて飲食品などの収納容器を連続的に処理或いは収納容器をバスケットに集積してバッチ処理される。
レトルト条件の具体例としては、熱水シャワーによる等圧制御にて、液温20℃からレトルト開始、20分間で液温125℃及びレトルト釜内圧245KPaになるように制御(時間比例制御)、30分間レトルト後、20分間で液温20℃及びレトルト釜内圧が大気圧になるように制御する。
なお、本発明においては、105℃以上の温度で5分間以上の加熱処理を行えば、一般にレトルト処理要件を満たすことができる。
(1)基本構成
レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造は、耐熱性プラスチック容器の延伸ブロー成形及び加熱収縮成形の連続成形の際に容器の一部に未延伸又は低延伸の透明乃至半透明の厚肉部分を残して容器となし、その部分をレトルト処理の加熱により白化させ、レトルト処理済み確認部分を形成させることにより、行うことができる。
即ち、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂により形成した皿形状のプリフォームを延伸ブロー成形する際に、プリフォームの一部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブローし中間体を形成し、加熱収縮成形時にその部分を急速冷却して耐熱性容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成する。
具体的には、図1の(a)〜(h)の概略工程図において、プリフォームを延伸成形し、次いで熱収縮した中間体を減圧脱気(真空吸引)により収縮成形金型にシュリンクバックさせ成形する連続図として例示されている。(なお、シュリンクバック成形法自体は、特開2004−291621号公報(段落0037〜0042及び図12)に開示されている。)
詳しくは、図1の成形フロー工程に例示されるように、熱可塑性樹脂により形成した皿形状のプリフォーム(1次中間体:a−3)を準備し延伸ブロー成形機に挿入し(図1−a)、延伸ロッド:a−1と支持ピン:a−5にてプリフォーム中央部を挟み(図1−b)、延伸して(図1−c)、ブロー成形することにより、延伸ロッドと支持ピンにて挟み込まれた底面部に未延伸又は低延伸の厚肉部分が形成され(図1−d)、中間成形体(2次中間体)が形成される(図1−e)。
ブロー成形(図1−d)は、ブロー金型:a−4内において、ブローノズル:a−2から中間体内に高圧エアが吹き込まれて行われる。
なお、延伸ロッド:a−1と支持ピン:a−5は予め冷却しておくことが好ましい。
次いで、加熱収縮工程において、熱収縮オーブン(熱収縮炉:f−1)に収容されたカップ形状の収縮成形金型(プラグ部材:f−2)に中間成形体を被せ(図1−f)、金型の胴部を内部から減圧脱気して中間体を熱収縮させて金型に密着させシュリンクバックし(図1−g)、次いで、冷却ロッド:g´−1を中間体の底面に押圧押し込みして底面を急冷し(図1−g´)最後に全体を冷却して(図1−h)、底面部に未延伸又は低延伸の厚肉部分が形成された製品のレトルト用カップが得られる。
急冷された部分は急冷によって透明乃至半透明の状態を保持できる。冷却ロッドの底面部の冷却は、冷却水又は冷却空気をを内部循環させている冷却ブロックにて、冷却することにより行うことができる。
なお、熱収縮オーブン通過の際(図1−f〜g)、必要に応じて底部が直に過度に熱せられてこの時点で白化しきってしまわないよう、底部を遮蔽板などで適宜覆ってもよい。
広口容器に飲食品収納後に広口部をフィルムなどの蓋材にてシールした後に、レトルト処理加熱が行なわれ、その際に製品容器の厚肉部分は白化して、飲食品収納商品のレトルト確認部分となる。
(1)熱可塑性樹脂
本発明のプラスチック容器を構成する材料としては、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂或いはポリオレフィン樹脂やポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂一般が使用可能であるが、容器としての諸性能や価格などの観点から、ポリエステル樹脂が好ましく使用され、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく使用される。
ポリエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステル樹脂としては、エステル反復単位の大部分、一般に70モル%以上、特に80モル%以上をエチレンテレフタレート単位で占める熱可塑性ポリエステル樹脂が好適である。他にも、延伸ブロー成形及び結晶化可能なポリエステル樹脂であれば任意のものを使用でき、ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート及びポリ乳酸などのポリエステル樹脂、或いはこれらのポリエステル樹脂類とポリカーボネートやアクリレート樹脂などとの混合物も使用することができる。
ポリエチレンテレフタレートなどと他の樹脂を積層化して用いることもできる。また、本発明のポリエステル樹脂容器は、内外層を構成するポリエステル樹脂層の中間層に酸素遮蔽層や酸素吸収層を設けた多層構成としてもよい。酸素遮蔽性や酸素吸収性は、収納飲食品の微生物腐敗や化学的変質への抵抗性を高める。
酸素遮蔽層を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアミドなどが挙げられる。酸素吸収層としては、例えば、樹脂中に酸素吸収剤を配合した層が使用され、酸素吸収剤としては、還元性を有する金属粉が例示される。
プリフォームは、射出成形機及び圧縮成形機などによる通常の手段により皿形状に形成され、材料としては上述のごとく、好ましくは、熱可塑性ポリエチレンテレフタレートを素材とし、また、適宜に積層プリフォームを使用することもできる。
(1)飲食品収納製品
本発明は、容器内に飲食品収納物を収納し蓋剤による密封後のレトルト処理加熱により、未延伸又は低延伸の厚肉部分を白化部となすことによる、レトルト処理済み確認部分を容器底面の中心部などに形成したことを特徴とする、飲食品を収納したレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器をも、実施の態様としての発明とする。
収納飲食品としては、何ら制限無く通常の飲食品を収納可能である。例えば、ミルク入りコーヒーや紅茶などでもよいが、広口容器の場合、スープ、調理済み各種食品、乳幼児食、果物などが好ましく収納される。
図1を用いた図面による、成形フロー工程の実施例の具体的な説明が、段落0031において詳細になされている。
ポリエチレンテレフタレート樹脂から成る皿形状のプリフォーム(1次中間体)をガラス転移点以上の温度の115℃に加熱し、金型温度が120℃のブロー金型によって、延伸倍率が縦6倍の延伸ブロー成形を行い、底面中心部に未延伸又は低延伸の透明乃至半透明の厚肉部が形成された2次中間体とした。
次いで、加熱収縮工程において、700℃に温度設定された熱収縮オーブン(熱収縮炉)に収容されたカップ形状の収縮成形金型(プラグ部材)に2次中間体を被せ、金型の胴部を内部から減圧脱気して中間体を熱収縮させて金型に密着させシュリンクバックし、次いで、冷却ロッドを中間体の底面に押圧押し込み底面を急冷し、最後に全体を冷却して、底面部に未延伸又は低延伸の厚肉部分が形成された製品のレトルト用カップが得られた。
上記の成形容器内に飲食品収納物を収納し、アルミ層を含む多層フィルムをフランジ部に熱溶着して密封後に、条件として105℃・5分間のレトルト処理加熱を行い、未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成した。
(a−3):プリフォーム (a−4):ブロー金型
(a−5):支持ピン (f−1):熱収縮オーブン
(f−2):カップ形状金型 (g´−1):冷却ロッド
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂により延伸ブロー成形及び加熱収縮成形した耐熱性容器の一部に、耐熱性容器成形後のレトルト処理加熱により生じる白化部からなるレトルト処理済み確認部分を形成し、当該白化部は、熱可塑性樹脂により形成したプリフォームの一部に透明乃至半透明の未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、未延伸又は低延伸部分を急冷して成形した透明乃至半透明部であることを特徴とする、レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
- 熱可塑性樹脂容器が広口容器であることを特徴とする、請求項1に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
- 白化部からなるレトルト処理済み確認部分を容器の底面部に形成したことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
- 白化部からなるレトルト処理済み確認部分を容器の底面の中心部に円形形状として形成したことを特徴とする、請求項3に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
- 熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
- 熱可塑性樹脂容器が、105℃以上で1〜50分のレトルト殺菌が可能であるレトルト対応ポリエステル樹脂容器であることを特徴とする、請求項5に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
- 熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを一部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
- 熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを底部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、先端部の底面を冷却した冷却ロッドにより中間体の底部を垂直方向に加熱収縮金型に押圧して、容器底面の中心部の未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、請求項7に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
- 熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを底部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、先端部の底面を冷却した冷却ロッドと、上面を冷却した収縮成形金型の上部により挟み込んで、容器底面の中心部の未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、請求項8に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
- 容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を容器に形成したことを特徴とする、ブロー成形及び加熱収縮成形により成形され、飲食品を収納しレトルト加熱処理された、請求項1に記載された、レトルト処理済みが確認可能な耐熱性熱可塑性樹脂容器。
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