JP5282295B2 - レトルト処理済みが簡易に確認可能な熱可塑性樹脂容器及びその容器の製造方法 - Google Patents

レトルト処理済みが簡易に確認可能な熱可塑性樹脂容器及びその容器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レトルト処理済みが簡易に確認可能な熱可塑性樹脂容器及びその容器の製造方法に関し、詳しくは、レトルト処理すべき容器がレトルト処理済みか否かを容易に確実に確認できる熱可塑性樹脂広口容器、並びに熱可塑性樹脂プリフォームを延伸ブロー成形及び加熱収縮成形して容器を製造し、その後にレトルト加熱処理する際に、レトルト済みが簡易に確認可能な白化部分を形成する、その容器の製造方法に係わるものである。
プラスチック製の容器は日常生活における、飲料や食品の収納容器として汎用されているが、最近においては、特に、二段ブロー成形による加熱処理可能の小型の携帯飲料用ペットボトルや酸素ガスを遮蔽吸収する香味保持性の容器、或いは保存性に優れたレトルト用包装収納材(レトルトパウチ)などとして高機能化されて格別な重用がなされている。
なかでも、生活の多様化によるレトルト食品の需要増大とその長期の保存性と香味保持性の要望、また多種の嗜好飲料におけるレトルト処理の要求の増加、或いは飲食品の衛生安全管理の厳格化傾向などからして、プラスチック容器に飲食品を収納密封後にレトルト処理(高温加熱処理)をして加熱殺菌をすることが益々必要となっており、レトルト用収納材としてのレトルト処理対応容器の重要性が非常に高くなっている。
かかるレトルト対応飲食品の収納容器においては、収納すべき飲食品などを収納密封後にレトルト装置によりレトルト処理をする製造工程は、高温にて飲食品を加熱処理をして腐敗菌を殺菌し製品として保存中の飲食品の腐敗を防ぎ、またバクテリア菌を滅菌して飲食品の変質を抑え風味も変化させずに長期に保存するための重要な工程であるので、製造工程において生産品がレトルト処理を受けたことを、製造作業者が確認をし厳密に管理する必要がある。
そのために従来では、製品集積箱にレトルト処理済みを示すラベルを貼り、或いは加熱履歴により変色する感熱紙を利用するなどしているが、そのような確認と管理の作業は、製造作業者にとってかなりの負担となり、また、完全な確認と管理は必ずしも保証はされず、レトルト未処理の製品が誤って出荷されて、製品の飲食品の風味が変質し、万一にも飲食品などが腐敗を生じれば生産者や消費者にとって重大な問題となる。
そのような問題の発生を防止し、また、生産品におけるレトルト処理済みの確認と管理による製造作業者の負担をなくし、さらに生産効率を高めるためには、基本的には、レトルト処理工程を自動化し生産ラインに組み込めばよいが、通常のレトルト処理は温度が100℃又はそれ以上で時間が数分又はそれ以上を必要とし、その条件管理が微妙で難しく、また、飲食品などの種類によりレトルト条件が異なるので、レトルト処理自動化工程によりレトルト処理を確実かつ厳密に行うのは容易ではなく、さらに、レトルト処理自動化工程やその他の工程において自動化生産ラインのトラブルが発生すれば、製造作業者によりそのトラブルが処理され生産ラインが再起動される際に、誤ってレトルト処理が不充分又は未処理の生産品が製造され出荷される惧れもある。
このような問題点を踏まえて、また、生産品におけるレトルト処理済みの確認と管理による製造作業者の負担をなくし、生産品のレトルト処理の確認と管理を厳密かつ確実に行うための、各種の手法が従来から開発されている。
基本的でかつ比較的に簡易な手法として、レトルト処理の高温で変色乃至は消色する示温性インク材料が利用され、具体的には例えば、積層包材シートの積層フィルム間に殺菌温度での水蒸気変色性インジケーターインキ層を形成して、レトルト処理の充分な加熱と完全な殺菌を正確かつ簡便に確認できるとする安価なレトルト包材シート(特許文献1を参照)、所定の加熱殺菌条件下で変色ないし消色する蛍光示温インクにより生産者のデータ(缶内圧など)を缶詰に印刷し、殺菌工程前後の示温インクの色を比較判定してレトルト処理済を確認し、励起光を照射して生産者のデータを読み取る不良缶詰検出方法(特許文献2を参照)などが提示されている。
また、温度変化をバイメタルを利用して検知しレトルト処理を確認する手法として、温度変化に応じて変動する二種類のバイメタルにより変位させられる感温部材を利用する温度履歴センサーを使用して、温度履歴の検知によりレトルト処理済みを確認する手法(特許文献3を参照)、温度変化によるバイメタルの変動により作動するサーモチェッカーの位置変化を自動的に読み取り、飲料を封入した容器の滅菌状況を検査し確認する滅菌検査装置(特許文献4を参照)なども提示されている。
更に、熱処理済み確認システムを設置する手法として、レトルト処理すべき生産品を搬送する工程ラインにおけるレトルト処理装置付近の架台に、処理温度の履歴を留め得る検出センサーを設け、検出センサーに記憶表示体を被せて熱履歴を確認する、熱処理工程における熱処理済み確認システム(特許文献5を参照)も提示されている。
このような種々の手法において、レトルト処理の高温で変色ないしは消色する示温性インク材料を利用する手法では、特殊で比較的高価な示温性のインクを必要とし、印刷装置と印刷工程も要し、印刷したインクが剥がれてしまうこともあり、更にレトルト処理温度に達したことを確認できてもレトルト処理を充分に受けたかまでは必ずしも確認できない。
また、温度変化をバイメタルを利用して検知しレトルト処理を確認する手法では、特殊な感温部材を利用する温度履歴センサーや、バイメタルの変動により作動するサーモチェッカーの位置変化を読み取る滅菌検査装置を必要とし、生産工程の設備費がかなり高価となる。
更に、熱処理工程における熱処理済み確認システムを設置する手法では、レトルト処理を充分に受けことを確認できるとしても、処理温度の履歴を留め得る検出センサーや記憶表示体などを付設した格別に高価となる特殊な熱処理済み確認システムの設置が必要となってしまう。
なお、以上の従来のいずれの手法も、生産者がレトルト処理済みを確認する視点からの方法乃至は装置であり、特許文献2においてのみ、消費者がレトルト処理済みを確認することに僅かに言及されているが(要約及び段落0007)、蛍光示温インクの色を比較判定してレトルト処理済を確認するので、消費者にとって容易で簡便な確認手法であるとはいえず、レトルト処理を充分に受けたかまでは確認できない。
最近においては、生産者及び消費者が製品のレトルト処理済みを容易に簡便に確認することができる容器として、内容液充填後のレトルト処理のような熱処理による結晶化により底面中心部の未延伸部分を白化させる、二軸延伸ブロー成形によるポリエチレンテレフタレート系樹脂製の食品用壜体が提示されており、熱処理工程に伴う結晶化による壜体の底面中心部の白化を、製品が熱処理済みであることを確認するためのインジケーターとして利用する製品製造工程管理方法とされているが(特許文献6を参照)、ポリエチレンテレフタレート系樹脂製の食品用壜体自体が高温長時間のレトルト処理には耐え難いと考えられ、実用化されるのは必ずしも容易ではない。
特開2003−334897号公報(要約) 特開2004−203464号公報(要約及び段落0007) 特開2003−344174号公報(要約) 特開2002−104336号公報(要約及び段落0016,0020) 特開2002−142736号公報(要約) 特開2005−313932号公報(要約及び特許請求の範囲)
背景技術の段落0002〜0006において前述したように、飲食品を充填したプラスチック容器をレトルト処理することは、収納飲食品の長期保存と香味保持のために必要性が高く、生産過程における重要な工程であるが、製造作業者によるレトルト処理の確認と管理は作業負担が大きく完全な確認と管理は困難であるので、レトルト処理の確認と管理を確実に完全に行うことをなすべく各種の方法や装置が開示されているところ、そのような従来の対応手法では、(i)レトルト処理温度に達したことを確認できてもレトルト処理を充分に受けたかまでは必ずしも確認できず、(ii)特殊な感温部材を利用する温度履歴センサーを必要としたり、サーモチェッカー読取装置や温度履歴検出センサーなどを付設した熱処理済み確認システムの設置が必要となり生産工程の設備費が高価となる、(iii)消費者においてレトルト処理済を確認できない、などの問題を内在している。
本発明はかかる問題の解決を図り、特殊な検出センサーや確認システムなどの高価な部材や設備を必要とせずに簡易な手段によりレトルト処理済を確認し管理することができ、特に、レトルト処理温度を履歴したのみではなくレトルト処理を所定どおりに受けたことを確認でき、消費者も商品がレトルト処理済みか否かを容易に確実に確認し安心できる、レトルト処理の確認手法を実現することを発明が解決すべき課題とするものである。
本発明者らは、かかる発明の課題を解決して、上記したレトルト処理確認手法を実現するために、特に、最近において需要量の非常に高い、いわゆるペットボトルなどのポリエステル樹脂容器に代表されるプラスチック容器において、かかるレトルト処理確認手法を開発することを目指し、前記した従来の各種のレトルト確認手法を踏まえて、新規な確認手法を探索すべく、一般的な各種の温度履歴検知法や加熱処理検知システムからレトルト処理されるポリエステル樹脂材料や容器製造の延伸ブロー成形工程などにわたり、種々の考察と検索を行った。
その過程において、プラスチック容器本体に直接にレトルト処理済みの確認表示を付与できれば、高価な設備を必要とせずに簡易な手段によりレトルト処理済を確認し管理することができると考え、このためには、先の特許文献6に提示された手法であるところの、ポリエステル樹脂容器の延伸ブロー成形の際に未延伸乃至低延伸の部分が後加熱により白化する現象を加熱履歴を表示するために利用するのが好便であると認識して、収納飲食品充填後のレトルト処理による結晶化により底面中心部の未延伸部分を白化させた、二軸延伸ブロー成形によるポリエステル樹脂容器の実用化と商品化を検討した。
ところが、先の特許文献6に提示されている、レトルト処理による結晶化により底面中心部の未延伸部分を白化させた、二軸延伸ブロー成形によるポリエステル樹脂製の飲食品用容器では、ポリエステル樹脂製の容器自体が、かなりの高温長時間を要すレトルト処理には耐え難く、実用化されるのは容易ではないことが判明した。
特許文献6においては、1段ブロー成形によりポリエチレンテレフタレート製プリフォームを延伸ロッド(ストレッチロッド)及び支持ピン(プレスロッド)で挟み込みながら延伸ロッドを前進させ支持ピンを後退させて延伸し、底面中心部に厚肉透明の未延伸部を形成しつつ、ブロー成形によって壜体を形成する方法が提示され、この容器に内容物を充填・密封しておき、レトルトを処理を行うと、壜体底面中心部の厚肉透明部が白化することで、レトルトを行ったかどうかを確認できる旨が記載されている(特許文献6の段落0006〜0007、0032及び図3を参照 )。
しかし、提示された1段ブロー成形法では、レトルト処理に耐え得る耐熱性を有する容器を成形することができず、容器そのもののレトルト耐性が得られないためレトルト用容器製品としての実用化に適さない。
また、レトルト耐性を得ようとして、従来の2段ブロー成形法を利用して耐熱性の容器を成形し、かつ、底部に厚肉透明部を設けようとすると、1次ブロー後の中間体を熱収縮させる時に、厚肉透明部が熱収縮のための再加熱時の高温によって充分白化する温度に到達し、2段ブロー後に徐冷されると先に白化してしまい、レトルト処理確認の目的を達成できないものになってしまうことが知見された。(1段ブローのプリフォーム加熱温度は100℃前後で比較的低温なのに対し、2段ブロー前の熱収縮時の温度は200℃前後と高温のため、徐冷すると厚肉透明部が白化する。)
先行技術におけるかかる重要な問題点の認識を踏まえて、本発明者らは更にポリエステル樹脂材料や容器製造の延伸ブロー成形工程などについての検討を続けて、容器自体が高温長時間のレトルト処理には耐え得る耐熱性ポリエステル樹脂容器において、レトルト処理による結晶化により底面中心部の未延伸部分を白化させた、二軸延伸ブロー成形によるポリエステル樹脂製の飲食品用容器の実現を図り、実験による実証を重ねた。
そして、2段ブロー成形法における2段ブロー後の徐冷時に、容器底面中心部の未延伸部が先に白化してしまうことを避けて、レトルト処理時に白化させてレトルト処理確認の目的を達成するために、ポリエステル樹脂などのプラスチック容器の2段延伸ブロー成形の際に容器の一部に未延伸乃至低延伸の部分を残しつつその部分を急冷すれば、2段ブロー後には白化せず、その部分が後加熱により白化するので、その部分をレトルト処理の加熱により白化させ、レトルト処理済み確認部分を形成させ得る、新規で重要な手法を見い出すに至った。
しかして、本発明者らは、かかる新規な手法によって、熱可塑性樹脂により成形した容器の底面部などに、延伸処理後のレトルト処理加熱により生じる白化部からなるレトルト処理済み確認部分を形成した、レトルト処理済みが確認可能な、2段ブロー成形による耐熱性の高い熱可塑性樹脂容器を基本的な構成とする発明を創作して、先の発明として、既に特許出願したところである(特願2006−293362)。
ここで、その白化部を形成する手段としては、熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを延伸ブロー成形する際に、2段ブロー成形法を使用し、部分冷却手法により、プリフォームの一部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形する。2段ブロー成形により耐熱性の高い容器を成形し、部分冷却手法により未延伸又は低延伸部分を形成し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により、未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成する。
本発明者らは、この先願発明の利用展開を図るべく、レトルト処理可能の高耐熱性の容器(特に広口のカップ状容器)において、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により、未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成し得る、新たな発明を実現するために、更に考察と実証を進めたところ、先願発明の二段延伸ブロー法において2次ブロー成形を加熱吸引収縮成形に置換することにより、新たな応用発明としての、レトルト処理済みの確認が簡易かつ確実に行える、レトルト処理対応の高耐熱性の容器を開発することができた。
この容器は、主として広口容器として利用され、容器内に収納物を収納し蓋材にて密封後にレトルト処理加熱が行われ、レトルト加熱による底面における白化部によってレトルト処理済みの確認が簡易に確実に行え、主として食品用の容器として利用価値の高いものである。
この広口容器は、具体的には例えば、熱可塑性樹脂により形成した皿形状のプリフォームを、先ず、延伸ロッド(ストレッチロッド)と支持ピン(プレスロッド)にて挟み、略容器状に延伸し、次いでブロー成形して容器底面の中心部に未延伸又は低延伸部分が生じるように中間体成形物を形成し、この中間体成形物をオーブン(加熱炉)内のカップ状収縮金型に被せ、冷却ロッドにて中間体成形物の底面中央部を冷却しながら収縮金型に押圧し、容器底面の中心部の未延伸又は低延伸部分を急冷し、更に中間体成形物を加熱した収縮金型における吸引により収縮金型に密着させ加熱収縮成形することにより、成形して製造される。
かくして、容器の底面中央部などに透明乃至半透明の厚肉部分が設けられ、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により透明乃至半透明の未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成する。
以上のように基本的に構成される本発明は、従来の手法とは全く異なる観点からの、未延伸部又は低延伸部の加熱白化によるレトルト処理確認手段を、容器に実用化して商品になし得る新規な発明であって、延伸ブロー成形と加熱収縮成形を行う際に、容器底面の中心部などに急冷された未延伸又は低延伸部分が生じるようにして形成される、レトルト済み確認のための白化確認部を備えて、レトルト加熱により生成される白化部の存否によって、レトルト処理を受けたか否かの確認を簡便に確実にすることができ、かつレトルト耐性にも優れるれ容器である。
かくして本発明は、特にレトルト耐性に優れる延伸ブロー・加熱収縮成形容器において、(i)加熱履歴検知のための高価な部材や設備を必要とせずに簡易な手段によりレトルト処理済みを確認し管理することができ、(ii)製造作業者が飲食品収納プラスチック容器製品の生産工程におけるレトルト処理を、作業負担や確認ミスなく、確実に確認し完全に管理することができ、(iii)白化部は、レトルト処理温度を単に履歴したのみでは生じず、レトルト処理を所定どおりの温度と時間において受けることにより生成されるので、レトルト処理温度に達したことを確認するのではなく、レトルト処理を充分に受けたかを確認し保証することができ、(iv)延伸ブロー・加熱収縮成形の工程中において、白化部形成のための予備的処理を施すことができるので、付加的な工程を必要とせず、(v)生産者がレトルト処理済みを確認する視点からのみではなく、消費者の視点からも、消費者がレトルト処理済みを確認することができ、(vi)白化部の存否の確認による、消費者にとって容易で簡便な確認手法であって、その確認により消費者は収納飲食品が良好に保存され風味の変質もないことを確認できて、消費者は、特に乳幼児などの飲食品において、衛生保存面から安心して飲食品を消費することができる、という従来の技術では見られない総合的な特徴を備えるものである。
なお、本発明の耐熱性容器とその製造方法の一部において近似関連する従来技術として、特開2006−35747号公報が見られ、「熱可塑性ポリエステル樹脂からなるプリフォームを延伸成形して得られるポリエステル容器において、底部中心部分が実質上射出成形に際してのゲートの厚肉残部となって非晶質であり、該中心部分の周囲の底部は配向結晶化されていることを特徴とするポリエステル容器。」(請求項1,2)、及び「射出成形により熱可塑性ポリエステル樹脂のプリフォームを成形し、プリフォームの射出ゲート残部をストレッチロッドと冷却ロッドとの間に挟み込み、ストレッチロッドを伸長させ且つ冷却用ロッドをストレッチロッドに追随させて軸方向延伸を行い、さらに流体吹込みによるブロー延伸を行い、ブロー延伸によって、冷却用ロッドが接触している部分を除き、延伸された成形体の外面を加熱保持された加熱金型表面に接触させて、該成形体を容器形状に賦形するとともに、加熱金型表面への接触によって、冷却用ロッドが接触している部分以外を加熱して熱固定を行い、熱固定後に容器形状に賦形された延伸成形体の内部に、冷却用コア金型を挿入し、該コア金型の形状にシュリンクバックして賦形し、冷却することを特徴とするポリエステル容器の製造方法。」(請求項4,5)が開示されている。
しかし、本発明においては、当従来技術に対して、(i)底面中心の厚肉部の耐熱性と耐衝撃性の向上を目的とするのでなく、レトルト済み確認部の形成を目的とし、そのために厚肉部を利用するものであり、(ii)射出成形の際に底面中心に厚肉部がやむを得ず形成されるのではなく、延伸ブローの際に底面中心に厚肉部を形成し、(iii)延伸ブローの際に冷却ロッドを使用して厚肉部を非晶質にするのではなく、シュリンクバックの際に冷却ロッドを使用して厚肉部の白化を防止し、(iv)底面中心の厚肉部は成形後も透明とされるのではなく、レトルト処理により白化される、などの明確な相違点を有しているからして、本発明が当先行技術とは実質的に相違し、それからは示唆もされないのは明白である。
かくして、先に先行技術として踏まえ勘案した特許文献6以外においては、背景技術の段落0008において記載した従来の特許文献やその他の関連特許文献を精査しても、段落0015〜0018に記載した、本発明の構成の要件と特徴を些かも見い出すことはできず、本発明は、特許文献6を含めて先の先行技術とは明瞭に別異の発明であり、当先行技術からは示唆されない優れた発明であるといえる。
以上においては、本発明が創作される経緯、及び本発明の基本的な構成要素と特徴について、本発明を概観的に記述したので、ここで、本発明全体を俯瞰して総括すると、本発明は、次の発明単位群から構成されるものであって、[1]及び[7]の発明を基本的な発明とし、それ以外の発明は、基本的な発明を具体化乃至は実施態様化するものである。(なお、発明群全体をまとめて「本発明」という。)
[1]熱可塑性樹脂により延伸ブロー成形及び加熱収縮成形した耐熱性容器の一部に、耐熱性容器成形後のレトルト処理加熱により生じる白化部からなるレトルト処理済み確認部分を形成し、当該白化部は、熱可塑性樹脂により形成したプリフォームの一部に透明乃至半透明の未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、未延伸又は低延伸部分を急冷して成形した透明乃至半透明部であることを特徴とする、レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
[2]熱可塑性樹脂容器が広口容器であることを特徴とする、[1]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器
[3]白化部からなるレトルト処理済み確認部分を容器の底面部に形成したことを特徴とする、[1]又は[2]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
[4]白化部からなるレトルト処理済み確認部分を容器の底面の中心部に円形形状として形成したことを特徴とする、[3]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
[5]熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかにおけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
[6]熱可塑性樹脂容器が、105℃以上で1〜50分のレトルト殺菌が可能であるレトルト対応ポリエステル樹脂容器であることを特徴とする、[5]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
[7]熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを一部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
[8]熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを底部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、先端部の底面を冷却した冷却ロッドにより中間体の底部を垂直方向に加熱収縮金型に押圧して、容器底面の中心部の未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、[7]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
[9]熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを底部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、先端部の底面を冷却した冷却ロッドと、上面を冷却した収縮成形金型の上部により挟み込んで、容器底面の中心部の未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、[8]におけるレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
[10]容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を容器に形成したことを特徴とする、ブロー成形及び加熱収縮成形により成形され、飲食品を収納しレトルト加熱処理された、[1]における、レトルト処理済みが確認可能な耐熱性熱可塑性樹脂容器。
本発明においては、レトルト耐性に優れる延伸ブロー・加熱収縮成形容器において、加熱履歴検知のための高価な部材や設備を必要とせずに簡易な手段によりレトルト処理済を確認し管理することができ、製造作業者が飲食品収納プラスチック容器製品の生産工程におけるレトルト処理を、作業負担や確認ミス無く、確実に確認し完全に管理することができ、レトルト処理温度に達したことを確認するのではなく、レトルト処理を充分に受けたかを確認することができ、生産者がレトルト処理済みを確認する視点からのみではなく、消費者の視点からも、消費者もレトルト処理済みを容易で簡便な確認手法により確認することができる、という格別に顕著な効果が奏される。
本発明については、課題を解決するための手段として、本発明の基本的な構成に沿って前述したが、以下においては、前述した本発明群における発明の実施の形態を、図面を参照しながら、具体的に詳しく説明する。
なお以下において、代表形態として、広口容器を挙げるが、本発明においては、後述の段落0031に記したプラグ部材(図1−f〜hも参照)が容器開口部から抜けるものであれば、口部の広狭は問わない。
1.レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器
(1)基本的な構成
本発明における、レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器は、延伸ブロー成形及び加熱収縮成形した、レトルト耐性に優れた容器(主として広口容器)において、熱可塑性樹脂により成形した容器の一部に、成形後のレトルト処理加熱により生じる白化部からなるレトルト処理済み確認部分が形成される。
すなわち、熱可塑性樹脂中間体の延伸ブロー成形の際に生じせしめられる未延伸乃至低延伸の透明又は半透明な厚肉部分が、成形後のレトルト処理加熱により白化部になりレトルト処理済み確認部分を形成する。
(2)白化部の形成
熱可塑性樹脂中間体の延伸ブロー成形の際に形成された未延伸乃至低延伸の透明な厚肉部分が後の加熱により白化するので、この現象をレトルト加熱の加熱履歴を表示するために利用し、プラスチック容器本体に直接にレトルト処理済みの確認表示を付与できる。
すなわち、ポリエステル樹脂などのプラスチック容器の加熱収縮成形の際に、容器の一部を急冷しつつ未延伸乃至低延伸の透明乃至半透明な厚肉部分を残せば、その部分が後加熱により白化するので、その部分をレトルト処理の加熱により白化させ、レトルト処理済み確認部分を形成させる。
(3)白化部の形成箇所
レトルト加熱により白化部となる、未延伸乃至低延伸の透明な厚肉部分(白化部の形成箇所)は容器のいずれの箇所でもよいが、白化部を製品において目立たなくする、冷却延伸ロッドにて形成が容易などの理由により、好ましくは、図2に例示されるように容器の底面部に形成され、特に、容器の底面の中心部に円形形状として形成される。
未延伸乃至は低延伸の部分は機械的な強度が低くなるが、その部分を厚肉にしたり、延伸ロッドで樹脂を押し込んだり、レトルトの後加熱による熱固定により、機械的な強度は補充される。
2.レトルト処理
レトルト処理は、一般に、加圧下の100℃付近乃至は100℃以上で125℃程度の加熱殺菌処理として、数分程度から数十分まで行われる。加熱処理は、加熱加圧釜中にてなされ、加熱媒体は通常では、加熱水蒸気や沸騰水が使用される。
生産ラインにて飲食品などの収納容器を連続的に処理或いは収納容器をバスケットに集積してバッチ処理される。
レトルト条件の具体例としては、熱水シャワーによる等圧制御にて、液温20℃からレトルト開始、20分間で液温125℃及びレトルト釜内圧245KPaになるように制御(時間比例制御)、30分間レトルト後、20分間で液温20℃及びレトルト釜内圧が大気圧になるように制御する。
なお、本発明においては、105℃以上の温度で5分間以上の加熱処理を行えば、一般にレトルト処理要件を満たすことができる。
3.レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造
(1)基本構成
レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造は、耐熱性プラスチック容器の延伸ブロー成形及び加熱収縮成形の連続成形の際に容器の一部に未延伸又は低延伸の透明乃至半透明の厚肉部分を残して容器となし、その部分をレトルト処理の加熱により白化させ、レトルト処理済み確認部分を形成させることにより、行うことができる。
即ち、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂により形成した皿形状のプリフォームを延伸ブロー成形する際に、プリフォームの一部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブローし中間体を形成し、加熱収縮成形時にその部分を急速冷却して耐熱性容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成する。
(2)具体例
具体的には、図1の(a)〜(h)の概略工程図において、プリフォームを延伸成形し、次いで熱収縮した中間体を減圧脱気(真空吸引)により収縮成形金型にシュリンクバックさせ成形する連続図として例示されている。(なお、シュリンクバック成形法自体は、特開2004−291621号公報(段落0037〜0042及び図12)に開示されている。)
詳しくは、図1の成形フロー工程に例示されるように、熱可塑性樹脂により形成した皿形状のプリフォーム(1次中間体:a−3)を準備し延伸ブロー成形機に挿入し(図1−a)、延伸ロッド:a−1と支持ピン:a−5にてプリフォーム中央部を挟み(図1−b)、延伸して(図1−c)、ブロー成形することにより、延伸ロッドと支持ピンにて挟み込まれた底面部に未延伸又は低延伸の厚肉部分が形成され(図1−d)、中間成形体(2次中間体)が形成される(図1−e)。
ブロー成形(図1−d)は、ブロー金型:a−4内において、ブローノズル:a−2から中間体内に高圧エアが吹き込まれて行われる。
なお、延伸ロッド:a−1と支持ピン:a−5は予め冷却しておくことが好ましい。
次いで、加熱収縮工程において、熱収縮オーブン(熱収縮炉:f−1)に収容されたカップ形状の収縮成形金型(プラグ部材:f−2)に中間成形体を被せ(図1−f)、金型の胴部を内部から減圧脱気して中間体を熱収縮させて金型に密着させシュリンクバックし(図1−g)、次いで、冷却ロッド:g´−1を中間体の底面に押圧押し込みして底面を急冷し(図1−g´)最後に全体を冷却して(図1−h)、底面部に未延伸又は低延伸の厚肉部分が形成された製品のレトルト用カップが得られる。
図2に、底面部に未延伸又は低延伸の厚肉部分が形成された製品のレトルト用カップが例示されている。
急冷された部分は急冷によって透明乃至半透明の状態を保持できる。冷却ロッドの底面部の冷却は、冷却水又は冷却空気をを内部循環させている冷却ブロックにて、冷却することにより行うことができる。
なお、熱収縮オーブン通過の際(図1−f〜g)、必要に応じて底部が直に過度に熱せられてこの時点で白化しきってしまわないよう、底部を遮蔽板などで適宜覆ってもよい。
広口容器に飲食品収納後に広口部をフィルムなどの蓋材にてシールした後に、レトルト処理加熱が行なわれ、その際に製品容器の厚肉部分は白化して、飲食品収納商品のレトルト確認部分となる。
なお、底部以外の部分にレトルト確認部分を設けても良く、例えば、ブロー成形後に、広口容器のフランジ下の延伸成形部分に厚肉部が残るよう、プリフォーム加熱(温度分布)、吹き込み時期、ブロー圧など成形条件を調整し、あるいは、プリフォームを設計し、ブロー成形後、その厚肉部をシュリンクバック中に急冷してもよい。
4.熱可塑性樹脂容器の原材料
(1)熱可塑性樹脂
本発明のプラスチック容器を構成する材料としては、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂或いはポリオレフィン樹脂やポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂一般が使用可能であるが、容器としての諸性能や価格などの観点から、ポリエステル樹脂が好ましく使用され、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく使用される。
ポリエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステル樹脂としては、エステル反復単位の大部分、一般に70モル%以上、特に80モル%以上をエチレンテレフタレート単位で占める熱可塑性ポリエステル樹脂が好適である。他にも、延伸ブロー成形及び結晶化可能なポリエステル樹脂であれば任意のものを使用でき、ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート及びポリ乳酸などのポリエステル樹脂、或いはこれらのポリエステル樹脂類とポリカーボネートやアクリレート樹脂などとの混合物も使用することができる。
(2)積層材
ポリエチレンテレフタレートなどと他の樹脂を積層化して用いることもできる。また、本発明のポリエステル樹脂容器は、内外層を構成するポリエステル樹脂層の中間層に酸素遮蔽層や酸素吸収層を設けた多層構成としてもよい。酸素遮蔽性や酸素吸収性は、収納飲食品の微生物腐敗や化学的変質への抵抗性を高める。
酸素遮蔽層を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアミドなどが挙げられる。酸素吸収層としては、例えば、樹脂中に酸素吸収剤を配合した層が使用され、酸素吸収剤としては、還元性を有する金属粉が例示される。
(3)プリフォーム
プリフォームは、射出成形機及び圧縮成形機などによる通常の手段により皿形状に形成され、材料としては上述のごとく、好ましくは、熱可塑性ポリエチレンテレフタレートを素材とし、また、適宜に積層プリフォームを使用することもできる。
5.レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器としての製品
(1)飲食品収納製品
本発明は、容器内に飲食品収納物を収納し蓋剤による密封後のレトルト処理加熱により、未延伸又は低延伸の厚肉部分を白化部となすことによる、レトルト処理済み確認部分を容器底面の中心部などに形成したことを特徴とする、飲食品を収納したレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器をも、実施の態様としての発明とする。
(2)収納飲食品
収納飲食品としては、何ら制限無く通常の飲食品を収納可能である。例えば、ミルク入りコーヒーや紅茶などでもよいが、広口容器の場合、スープ、調理済み各種食品、乳幼児食、果物などが好ましく収納される。
次に、実施例により、本発明をより具体的に実例として説明するが、これらは、本発明の好ましい具体例を示し、本発明をより鮮明にして、その範囲の利用性をより広く顕すものである。
[図面による実施例の説明]
図1を用いた図面による、成形フロー工程の実施例の具体的な説明が、段落0031において詳細になされている。
[延伸ブロー成形及び加熱収縮成形による実施例の説明]
ポリエチレンテレフタレート樹脂から成る皿形状のプリフォーム(1次中間体)をガラス転移点以上の温度の115℃に加熱し、金型温度が120℃のブロー金型によって、延伸倍率が縦6倍の延伸ブロー成形を行い、底面中心部に未延伸又は低延伸の透明乃至半透明の厚肉部が形成された2次中間体とした。
次いで、加熱収縮工程において、700℃に温度設定された熱収縮オーブン(熱収縮炉)に収容されたカップ形状の収縮成形金型(プラグ部材)に2次中間体を被せ、金型の胴部を内部から減圧脱気して中間体を熱収縮させて金型に密着させシュリンクバックし、次いで、冷却ロッドを中間体の底面に押圧押し込み底面を急冷し、最後に全体を冷却して、底面部に未延伸又は低延伸の厚肉部分が形成された製品のレトルト用カップが得られた。
[レトルト処理]
上記の成形容器内に飲食品収納物を収納し、アルミ層を含む多層フィルムをフランジ部に熱溶着して密封後に、条件として105℃・5分間のレトルト処理加熱を行い、未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成した。
本発明のレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂広口容器の製造工程を説明する、概略フロー図である。 本発明のレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂広口容器の実例を示す断面図である。
符号の説明
(a−1):延伸ロッド (a−2):ブローノズル
(a−3):プリフォーム (a−4):ブロー金型
(a−5):支持ピン (f−1):熱収縮オーブン
(f−2):カップ形状金型 (g´−1):冷却ロッド

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂により延伸ブロー成形及び加熱収縮成形した耐熱性容器の一部に、耐熱性容器成形後のレトルト処理加熱により生じる白化部からなるレトルト処理済み確認部分を形成し、当該白化部は、熱可塑性樹脂により形成したプリフォームの一部に透明乃至半透明の未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、未延伸又は低延伸部分を急冷して成形した透明乃至半透明部であることを特徴とする、レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
  2. 熱可塑性樹脂容器が広口容器であることを特徴とする、請求項1に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器
  3. 白化部からなるレトルト処理済み確認部分を容器の底面部に形成したことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
  4. 白化部からなるレトルト処理済み確認部分を容器の底面の中心部に円形形状として形成したことを特徴とする、請求項3に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
  5. 熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
  6. 熱可塑性樹脂容器が、105℃以上で1〜50分のレトルト殺菌が可能であるレトルト対応ポリエステル樹脂容器であることを特徴とする、請求項5に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器。
  7. 熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを一部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、レトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
  8. 熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを底部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、先端部の底面を冷却した冷却ロッドにより中間体の底部を垂直方向に加熱収縮金型に押圧して、容器底面の中心部の未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、請求項7に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
  9. 熱可塑性樹脂により形成したプリフォームを底部に未延伸又は低延伸部分が生じるように延伸ブロー成形して中間体を形成し、この中間体を加熱収縮成形する際に、先端部の底面を冷却した冷却ロッドと、上面を冷却した収縮成形金型の上部により挟み込んで、容器底面の中心部の未延伸又は低延伸部分を急冷して容器を成形し、容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を形成することを特徴とする、請求項8に記載されたレトルト処理済みが確認可能な熱可塑性樹脂容器の製造方法。
  10. 容器内に収納物を収納密封後のレトルト処理加熱により未延伸又は低延伸部分を白化部となすことによって、レトルト処理済み確認部分を容器に形成したことを特徴とする、ブロー成形及び加熱収縮成形により成形され、飲食品を収納しレトルト加熱処理された、請求項1に記載された、レトルト処理済みが確認可能な耐熱性熱可塑性樹脂容器。
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