JP5281961B2 - 電子体温計 - Google Patents

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Description

本発明は、電子体温計に関するものである。特に、腋下の体温を測定する電子体温計に関するものである。
従来の電子体温計においては、日本においては主に水銀体温計の形状を踏襲し、体温測定部位をワキ下(腋下)とし、保護者・介護者が棒状の電子体温計のプローブ部(金属キヤップ部)を被測定者のワキ下(腋下)に挟んだり、測定者自身が棒状の電子体温計のプローブ部(金属キヤップ部)をワキ下(腋下)に挟んで体温を測定するものである(特許文献1:特公平3−24615号公報)。
特公平3−24615号公報
しかしながらこのような電子体温計においては、特に高齢者ややせ型体形の場合、測定部位への測温部(金属キャップ部)の装着が適切でなく、エラー報知がされない場合、体温が低めに測定される可能性がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、電子体温計の温度センサが収納された測温部(金属キャップ)が腋下の体温測定部位に適切に装着できる電子体温計を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の電子体温計は、測定部位が腋下であり、把持部、温度表示部を備えた電子体温計であって、サーミスタで形成される温度センサを含む測温部が馬蹄形の保持部に設けられ、全体の重量が20〜30gであり、前記測温部は、金属キャップで前記温度センサが液密に保護され、前記保持部を保持する1対の把持部と、測定された体温値を表示するための表示部と、電源ON/OFFスイッチとを備え、前記把持部は、ヒンジで前記保持部に回動自在に取り付けられ、測定しない時には折りたたむことができるようにし、前記保持部は、幅が20〜40mm、厚みが3〜6mmであることを特徴とする。
本発明によれば、乳幼児,老若男女,年齢,体形を問わず、温度センサが収納された測定部が測定部位である腋下に容易装着でき、測定精度が高い体温測定ができる。
本発明の電子体温計の好ましい実施形態を示す図である。 図1に示す電子体温計のブロック図である。
以下に、図面を参照して、この発明の実施の形態を実測式の電子体温計を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をこれらに限定する趣旨のものではなく、平衡温予測式の電子体温計に適用できることはいうまでもない。
(実施例) <電子体温計の構成>
図1は、本実施形態の電子体温計を示すもので、(a)は正面図、(b)は平面図(上から見た図)、図2は、機能ブロック図である。図1において、電子体温計1は、全体の重量が20〜30g程度で、サーミスタで形成された温度センサ(不図示)が収納され、金属キャップで温度センサを液密に保護した測温部7、測温部7を保持する馬蹄形(U字形)の保持部3、1対の把持部2、測定された体温値を表示するため液晶等で形成される表示部4、電源ON/OFFスイッチ5を備えている。把持部2は、ヒンジ8で保持部3に回動自在に取り付けられ、矢印方向に動かすことで、測定しない時には折りたたむことができる。保持部3は、幅(W)が20〜40mm程度、厚み(T)が3〜6mm程度である。幅(W)は20mm以下でも、40mm以上でも、腋下に確実に装着することが難しくなる。
図2は、本実施例の電子体温計1の構成を示す機能ブロック図である。電子体温計1は、測温部7、この測温部7で計測されたデジタル量を実測温度または予測温度を演算するとともに電子体温計1を制御する演算制御部12、測定結果を表示する液晶などの表示部4とから構成される。
演算制御部(CPU)12は、体温測定に必要なパラメータを格納したEEPROM12c、計測温度を時系列で記憶するためのRAM12a、被検者の体温を予測演算するプログラム等を格納したROM12bに基づき、電子体温計1全体を制御する。
測定温部7は、サーミスタ、コンデンサ、測温用CR発振回路等から構成されており、サーミスタにより検出された温度を発信信号として出力する。出力された発信信号はカウンタにおいてカウントされることで、デジタル量として出力される。少なくともサーミスタはステンレス製の金属キャップで液密に保護された測温部7を構成している。
演算制御部12は、測温部7より出力されるデジタル信号のON時間を計測するタイマー(不図示)を備える。
<電子体温計における体温測定処理の流れ>
次に、電子体温計における体温測定処理の流れについて説明する。なお、ここでは、平衡温予測式の電子体温計1の体温測定処理の流れについて説明するが、本発明はこれに限定されず、実測式の電子体温計、予測/実測を併用するタイプの電子体温計にも適用可能である。
被検者の腋下に装着されると、電子体温計1では、所定の周期のサンプリングタイミングで温度計測を開始し、取得された温度データの時間変化に基づいて、被検者の体温を予測演算する。演算処理は、マイクロコンピュータで構成される演算処理部(不図示)において実行される。
電子体温計1の電源ON/OFFスイッチ5がONされると、電子体温計1の初期化が行われ、サーミスタによる温度計測が開始される。例えば、演算処理部では、所定間隔、例えば、0.5秒おきに温度データの演算が行われる。
次に、体温計測開始条件が成立したか否かを判断する。具体的には、前回の温度計測により演算された温度データの値(つまり、0.5秒前の温度データの値)からの上昇度が、所定の値(例えば、1℃)以上となったか否かを判断する。
次に、上昇度が所定の値以上となったと判断した場合には、体温測定開始条件が成立したと判断し、当該温度データを計測したタイミングを、予測体温演算の基準点(t=0)として設定する。つまり、電子体温計1では、急激な温度上昇が計測されると、被検者が、腋下に電子体温計1を装着したものとみなす。
次に、体温測定開始条件が成立したと判断した場合には、温度データの取り込みを開始する。具体的には、出力された温度データと、当該温度データを計測したタイミングとを、時系列データとしてRAM12aに記憶する。次に、記憶された温度データを用いて、所定の予測式により、予測体温を演算する。
次に、基準点(t=0)から所定時間(例えば25秒)、経過した後に、算出された一定区間(例えば、t=25〜30秒)における予測値が、予め設定された予測成立条件を満たすか否かを判断する。具体的には、所定の範囲(例えば、0.1℃)以内に収まっているか否かを判断する。
次に、予測成立条件を満たすと判断されると、温度計測を終了するとともに、予測体温の演算が終了した旨の音声をスピーカ(不図示)で出力し、表示部4に、演算された予測体温を表示し、所定秒経過後、電源を自動的にOFFする。
一方、予測成立条件を満たさないと判断された場合には、基準点(t=0)から所定時間(例えば45秒)経過したか否かを判断し、経過したと判断された場合には、温度計測を強制終了する。なお、強制終了した場合には、その際に演算されていた予測体温を、表示部4に表示する。一方、体温測定終了指示を受け付けたと判断された場合には、電池(電源部)13からの電源供給を自動的にOFFにする。
なお、保持部3は、熱伝導率が低く、耐衝撃性がある材料である、スチレン系樹脂(ハイインパクトスチロール,ABS樹脂)、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン,ポリエチレン)等で形成されている。また、抗菌性を持たせるために、リン酸ジルコニウム銀化合物をほぼ1〜2.5重量%含むようにして成形してもよい。
また、電源ON/OFFスイッチ5を設けないで、歪ゲージを設けて、所定位置に装着して挟まれるとこの歪ゲージに押圧力がかかり、電源がONされるようにしてもよい。
1 電子体温計、2 把持部、3 保持部、4 表示部、7 測温部

Claims (2)

  1. 測定部位が腋下であり、把持部、温度表示部を備えた電子体温計であって、サーミスタで形成される温度センサを含む測温部が馬蹄形の保持部に設けられ、全体の重量が20〜30gであり、前記測温部は、金属キャップで前記温度センサが液密に保護され、前記保持部を保持する1対の把持部と、測定された体温値を表示するための表示部と、電源ON/OFFスイッチとを備え、前記把持部は、ヒンジで前記保持部に回動自在に取り付けられ、測定しない時には折りたたむことができるようにし、前記保持部は、幅が20〜40mm、厚みが3〜6mmであることを特徴とする電子体温計。
  2. 該保持部は熱伝導率が低い材料であることを特徴とする請求項に記載の電子体温計
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