JP5281810B2 - 液晶装置 - Google Patents
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Description
このような液晶装置では、従来、入射された光に位相差を与える液晶相と、入射された光に対して等方性を示す等方相とがつながった状態で形成された光学素子(位相差膜)を有しているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
配向膜上に塗布された液晶材料にフォトマスクを介して光を照射することにより、反射領域に対応する液晶材料を硬化させて液晶相を形成する。
反射領域に対応する液晶相を硬化させた後、液晶材料を等方相転移温度に加熱することにより、透過領域に対応する液晶材料を等方相に転移させる。
そして、等方相に転移した液晶材料を硬化させることにより、透過領域に対応する等方相を形成する。
ここで、上記の位相差膜では、液晶材料は、スピンコート法などによって反射領域及び透過領域間で一連した状態で塗布されるので、基板の全域に塗布されている。このため、シール材は、一対の基板の一方と位相差膜を構成する液晶材料とに挟持されることになる。つまり、シール材と液晶材料とが接することになる。硬化した液晶材料にシール材が接すると、シール材の溶剤成分などによって液晶材料の化学的な安定性が低くなることが考えられる。この結果、液晶の封止性能についての信頼性が低くなる。
ここで、上記特許文献1に記載された液晶装置では、液晶は、一対の配向膜に挟持された状態で一対の基板間に介在している。つまり、この位相差膜は、配向膜によって覆われている。配向膜は、溶液の状態で基板上に塗布された樹脂を硬化させて樹脂膜を形成し、この樹脂膜にラビング処理を施すことによって設けられ得る。
つまり、部分的に除去された位相差膜を有する液晶装置では、表示品位を向上させることが困難であるという未解決の課題がある。
この液晶装置では、傾斜面が配向膜によって覆われているので、縁部の肩部において液晶の配向状態を規制しやすくすることができる。この結果、表示品位を向上させやすくすることができる。
ここで、傾斜面では、位相差膜の厚みが薄くなっているので、傾斜面に入射された光に付与される位相差が不足する。このため、傾斜面では、光の変調が達成されにくい。
この液晶装置では、傾斜面が表示領域の外側に設けられているので、表示領域内で光の変調を達成しやすい。これにより、表示品位を一層向上させやすくすることができる。
第1実施形態における表示装置1は、図1に示すように、表示パネル3と、照明装置5とを有している。
液晶パネル10は、駆動素子基板15と、対向基板17と、液晶19と、シール材21とを有している。
駆動素子基板15には、表示面9側すなわち液晶19側に、複数の画素7のそれぞれに対応して、後述するスイッチング素子などが設けられている。
光源33は、例えば、LED(Light Emitting Diode)や冷陰極管などが採用され、図2で見て導光板31の側面35aの右方に設けられている。
なお、以下においては、画素7という表記と、画素7r、7g及び7bという表記とが、適宜、使いわけられる。
なお、以下においては、画素列41という表記と、画素列41r、画素列41g及び画素列41bという表記とが、適宜、使いわけられる。
透過領域Tでは、図2に示す照明装置5から底面23を介して液晶19に入射された光を表示面9側に透過させることによって、透過表示が行われる。
駆動素子基板15は、図4中のD−D線における断面図である図5に示すように、第1基板51を有している。第1基板51は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面9側に向けられた第1面53aと、底面23側に向けられた第2面53bとを有している。
また、駆動素子基板15には、各画素7に対応して、スイッチング素子の1つであるTFT(Thin Film Transistor)素子63と、反射膜65と、共通電極67と、画素電極69とが、第1基板51の第1面53a側に設けられている。
半導体層73は、例えばアモルファスシリコンで構成されており、ゲート絶縁膜57を挟んでゲート電極71に対向する位置に設けられている。
そして、TFT素子63は、絶縁膜59によって表示面9側から覆われている。なお、絶縁膜59の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する材料が採用され得る。
共通電極67は、第1基板51の第1面53a側に設けられており、平面視で透過領域T及び反射領域Hに重なっている。共通電極67は、反射領域Hにおいて、反射膜65の表示面9側に重なっている。共通電極67の材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの光透過性を有する材料が採用され得る。
これらの反射膜65及び共通電極67は、ゲート絶縁膜57によって表示面9側から覆われている。
配向膜61は、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料で構成されており、絶縁膜59及び画素電極69を表示面9側から覆っている。なお、配向膜61には、配向処理が施されている。
第2基板81の対向面83bには、各画素7を区画する光吸収層85が領域86にわたって設けられている。光吸収層85は、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有する樹脂などで構成されており、平面視で格子状に設けられている。表示装置1では、各画素7は、光吸収層85によって囲まれた領域であると定義され得る。
ここで、カラーフィルタ87は、入射された光のうち所定の波長域の光を透過させることができる。カラーフィルタ87は、画素7r、画素7g及び画素7bごとに異なる色に着色された樹脂などで構成されている。画素7rに対応するカラーフィルタ87は、Rの光を透過させることができる。画素7gに対応するカラーフィルタ87はGの光を透過させ、画素7bに対応するカラーフィルタ87はBの光を透過させることができる。なお、以下において、各カラーフィルタ87に対してR、G及びBが識別される場合に、カラーフィルタ87r、87g及び87bという表記が用いられる。
オーバーコート層91の底面23側には、第1配向膜93が設けられている。第1配向膜93の底面23側には、位相差膜95が設けられている。位相差膜95の底面23側には、第2配向膜97が設けられている。また、位相差膜95と第2配向膜97との間には、平面視で複数の画素7の各反射領域Hに重なる領域にギャップ調整膜99が設けられている。
位相差膜95は、例えば液晶化合物を含む材料で構成されており、第1配向膜93の底面23側に設けられている。
ギャップ調整膜99は、例えばアクリル系やエポキシ系の樹脂などの光透過性を有する材料で構成されており、位相差膜95の底面23側に設けられている。
各画素7において、位相差膜95及びギャップ調整膜99は、第2配向膜97によって底面23側から覆われている。
透過領域Tにおいて、液晶19は、L1なる厚みを有している。これに対し、反射領域Hでは、液晶19の厚みL2が、L1>L2となるように、ギャップ調整膜99の厚みが設定されている。なお、液晶パネル10では、L1は、L2の約2倍に設定されている。
位相差部位101は、平面視で反射領域Hに重なっている。位相差部位101は、この位相差部位101に入射された光に、1/2波長の位相差を与える。
等方部位103は、平面視で透過領域Tに重なっている。等方部位103は、光学的に等方性を示す部位である。
同様に、等方部位103も、X方向に並ぶ複数の画素7間にわたって一連しており、X方向に並ぶ複数の透過領域Tに画素行42単位で重なっている。
シール材21は、図8に示すように、第1配向膜93と配向膜61との間に設けられており、これらの第1配向膜93及び配向膜61によって挟持されている。
また、第2配向膜97は、表示領域8の内側から表示領域8の外側に及んでいるが、領域106内にとどめられている。
第2配向膜97は、位相差膜95の縁部96b側においても、表示領域8の内側から表示領域8の外側に及んでいるが、領域106内にとどめられている。
なお、図8及び図10は、それぞれ、図5中のK'−K'線における断面図に相当している。従って、図8及び図10のそれぞれにおいて、画素7は透過領域Tに相当し、位相差膜95は等方部位103に相当している。
液晶パネル10では、傾斜角度θbが傾斜角度θaよりも小さく設定されている。つまり、傾斜面107bは、傾斜面107aよりも傾斜が緩やかになっている。このため、傾斜領域109bは、傾斜領域109aよりも広くなっている。
なお、傾斜角度θaは、45度を超え60度以下の範囲に設定され、傾斜角度θbは、45以下に設定される。本実施形態では、傾斜角度θaの設定値として約60度の値が採用されており、傾斜角度θbの設定値として約45度の値が採用されている。
画素電極69は、平面図である図13に示すように、画素7の領域にわたって設けられており、複数のスリット部111を有している。図13では、構成をわかりやすく示すため、画素電極69にハッチングが施されている。
複数のスリット部111は、各スリット部111がY方向に交差する方向に沿って延びており、Y方向に沿って所定間隔で並んでいる。なお、各スリット部111が延びる方向は、X方向から傾斜している。
各画素7において、共通電極67及び画素電極69は、それぞれの周縁部が領域86に重なっている。
なお、図5に示す反射膜65は、図13に示す境界部115よりも反射領域H側で、共通電極67に重なっている。従って、反射領域Hは、各画素7と反射膜65とが、平面視で重なる領域であると定義され得る。また、透過領域Tは、各画素7から反射領域Hを除いた領域と、共通電極67とが、平面視で重なる領域であると定義され得る。
なお、図5におけるTFT素子63、反射膜65、共通電極67及び画素電極69の断面は、図13中のJ−J線における断面に相当している。
表示装置1では、照明装置5から表示パネル3に光を照射した状態で、液晶19の配向状態を画素7ごとに変化させることにより、表示が制御される。液晶19の配向状態は、TFT素子63のOFF状態及びON状態を切り替えることによって変化し得る。
図14(a)は、TFT素子63がOFF状態のときの透過領域Tにおける偏光状態を示す図であり、図14(b)は、TFT素子63がON状態のときの透過領域Tにおける偏光状態を示す図である。
表示装置1では、液晶19の初期的な配向方向121は、図14(a)に示すように、偏光板13aの透過軸123aに沿った方向に設定されている。
TFT素子63がON状態に切り替わると、液晶19の配向方向121は、図14(b)に示すように、平面視で偏光板13aの透過軸123aに対してこの図で見て反時計方向に45度の傾きを有する方向に変化する。
反射領域Hにおける液晶19の配向方向121は、図15(a)及び図15(b)のそれぞれに示すように、透過領域Tと同様である。
液晶19に入射された直線偏光125は、TFT素子63がOFF状態のときに、図14(a)に示すように、偏光軸が液晶19の配向方向121に沿っている。このため、液晶19に入射された直線偏光125は、偏光状態が維持されたまま直線偏光125として位相差膜95の等方部位103に入射される。
偏光板13bに入射された直線偏光125は、偏光軸が偏光板13bの透過軸123bに対して直交しているため、偏光板13bによって吸収される。
このように、透過領域Tでは、TFT素子63のON状態及びOFF状態の切り替えにより、透過表示が制御される。
ここで、位相差部位101の遅相軸131は、平面視でX方向に対してこれらの図で見て反時計方向に67.5度の傾きを有する方向に設定されている。
従って、位相差部位101に入射された直線偏光129は、1/2波長の位相差が与えられ、直線偏光133として液晶19に入射される。直線偏光133の偏光軸は、平面視でX方向に対して図15(a)及び図15(b)で見て反時計方向に45度の傾きを有する方向に沿っている。
円偏光135は、反射膜65で反射され、この図で見て右回りすなわち円偏光135とは逆回転の円偏光137として液晶19に入射される。
液晶19に入射された円偏光137は、1/4波長の位相差が与えられ、平面視でX方向に対してこの図で見て反時計方向に135度の傾きを有する方向に沿った偏光軸を有する直線偏光139として位相差部位101に入射される。
偏光板13bに入射された直線偏光141は、偏光軸が偏光板13bの透過軸123bに対して直交しているため、偏光板13bによって吸収される。
反射膜65に向けて射出された直線偏光133は、偏光状態が維持されたまま反射膜65で反射され、液晶19に入射される。
このように、反射領域Hにおいても、透過領域Tと同様にTFT素子63のON状態及びOFF状態の切り替えにより、反射表示が制御される。
表示装置1の製造方法は、基板の製造工程と、液晶パネル10の製造工程と、表示パネル3の製造工程と、表示装置1の製造工程とに大別される。
まず、基板の製造工程について説明する。
基板の製造工程は、駆動素子基板15の製造工程と、対向基板17の製造工程とに大別される。
次いで、第1基板51の第1面53a側に、スパッタリング技術、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術などを活用して、共通電極67を形成する。
なお、ソース電極75及びドレイン電極77は、例えばスパッタリング技術を活用してゲート絶縁膜57上に金属膜を形成してから、この金属膜を、例えば、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術を活用してパターニングすることによって形成され得る。
次いで、絶縁膜59に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術などを活用して、TFT素子63のドレイン電極77に至るコンタクトホール79を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術などを活用して、ITOの膜をパターニングして、図16(d)に示すように、画素電極69を形成する。
次いで、この樹脂膜にラビング処理などの配向処理を施すことにより、図5に示す配向膜61が形成される。この樹脂膜にラビング処理を施すときに、ラビング処理の方向はX方向に沿った方向に設定される。そして、ラビング処理の向きは、図8中のD1の向きに設定される。
以上により、駆動素子基板15が製造され得る。
次いで、光吸収層85及びカラーフィルタ87上にオーバーコート層91を形成する。オーバーコート層91は、例えばスピンコート技術を活用して、光透過性を有する樹脂で形成され得る。
なお、液状体95aとしては、液晶化合物と溶媒とを混合したものに光重合開始剤を添加した構成が採用され得る。
液晶化合物としては、例えばBASF社製のLC242などが採用され得る。溶媒としては、例えばシクロペンタノンなどが採用され得る。光重合開始剤としては、例えばチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア907などが採用され得る。
なお、屈折率に異方性が発現する配向状態は、位相差配向状態と呼ばれる。
これにより、液状体膜95bに、図18(a)に示す位相差部位101が形成される。
位相差配向状態にある液状体膜95bを約100℃に保つことには、位相差配向状態を等方配向状態に転移させるという意味がある。
このときの露光では、液状体膜95bを、液状体膜95bの平面図である図19に示すように、第1領域161a及び第2領域161bのそれぞれごとに2回にわけて露光する。第1領域161aと第2領域161bとを区分する境界線163は、X方向とは交差する方向に沿って仮想的に設定される。
つまり、第1領域161aに対する露光では、第2領域161bと、シール領域21aと、領域106の外側の周縁とをフォトマスク165で遮光した状態で、液状体膜95bを露光する。
つまり、第2領域161bに対する露光では、第1領域161aと、シール領域21aと、領域106の外側の周縁とをフォトマスク167で遮光した状態で、液状体膜95bを露光する。
さらに、本実施形態では、間隔F2は、間隔F1よりも広く設定される。
縁部166aで回折した回折光153aは、液状体膜95bの回折領域169aに及ぶ。この回折領域169aは、平面視でフォトマスク165の開口部166の外側に及んでいる。つまり、回折光153aは、フォトマスク165が遮光している領域内に回り込む。これにより、傾斜面107a及び傾斜領域109a(図11)間に挟まれる領域内の液状体95aを露光することができる。
縁部168aで回折した回折光153aは、液状体膜95bの回折領域169bに及ぶ。この回折領域169bは、平面視でフォトマスク167の開口部168の外側に及んでいる。つまり、回折光153aは、フォトマスク167が遮光している領域内に回り込む。これにより、傾斜面107b及び傾斜領域109b(図12)間に挟まれる領域内の液状体95aを露光することができる。
なお、第1領域161aに対する露光と、第2領域161bに対する露光とは、いずれが先でも後でもかまわない。
これにより、等方部位103及び位相差部位101(図6)、並びに縁部96a(図8)及び縁部96b(図10)を有する位相差膜95が形成され得る。
次いで、例えばフォトリソグラフィ技術を活用して、樹脂膜99aをパターニングすることにより、図23(b)に示すギャップ調整膜99を形成する。
以上により、対向基板17が製造され得る。
次いで、液晶19をこの注入口から注入してから、注入口を塞いで液晶19を封入する。これにより、図2に示す液晶パネル10が製造され得る。
なお、偏光板13a及び13bは、液晶パネル10を製造する前に、第1基板51及び第2基板81に設けられていてもよい。
表示装置1の製造工程では、表示パネル3と照明装置5とを組み合わせることにより、表示装置1が製造され得る。
ここで、ラビング処理の向きD2は、縁部96a側から縁部96b側に向かう向きに設定される。つまり、樹脂膜97aに対するラビング処理では、ラビング布を縁部96a側から縁部96b側に向けて擦らせる。従って、樹脂膜97aは、ラビング布によって、縁部96aの傾斜面107aに沿って撫で上げられ、縁部96bの傾斜面107bに沿って撫で下ろされる。
また、ラビングの陰は、傾斜面107bの傾斜角度θbが小さくなるほど、すなわち傾斜が緩やかになるほど発生しにくくなる。しかしながら、この場合、傾斜領域109bが大きくなってしまうので、表示装置1の小型化を図るには不利となる。対向基板17では、傾斜角度θaが傾斜角度θbよりも大きい。このため、対向基板17では、縁部96b側に発生しやすいラビングの陰の発生を低く抑えつつ、傾斜領域109aが大きくなってしまうことを避けやすい。これにより、表示品位を向上させやすくすることができるとともに、表示装置1の小型化を図りやすくすることができる。
また、位相差部位101における傾斜領域109a及び傾斜領域109bでは、位相差膜95の厚みが薄くなっている。このため、位相差部位101の傾斜領域109aや傾斜領域109bに入射された光に付与される位相差が不足する。従って、位相差部位101の傾斜領域109aや傾斜領域109bから射出された光は、変調状態が適正な変調状態からずれている。
これに対し、対向基板17では、傾斜面107a及び傾斜面107bが領域106内に位置しているので、光漏れを極めて低く抑えることができる。このため、表示におけるコントラストの低下を極めて低く抑えることができる。この結果、表示装置1における表示品位を一層向上させやすくすることができる。
傾斜角度θaが60度を超えると、樹脂膜97aの厚みが、傾斜面107aと肩部108aとで大きく異なってしまう。肩部108aにおける厚みが、傾斜面107aにおける厚みよりも極めて薄くなりやすい。つまり、傾斜角度θaが60度を超えると、肩部108aに樹脂膜97aが形成されにくくなる。
また、傾斜面107aに沿ってラビング布によって撫で上げられる樹脂膜97aには、肩部108aにおいて剥離される方向に力が作用する。傾斜角度θaが60度を超えると、肩部108aにおける樹脂膜97aの剥離が発生しやすくなる。
従って、傾斜角度θaは、60度以下に設定されることが好ましい。
従って、傾斜角度θbは、45度以下に設定されることが好ましい。
ここで、傾斜角度θaにおいても、60度よりも小さい45度以下の設定が採用され得る。傾斜角度θaを45度以下に設定することは、肩部108aに樹脂膜97aを形成しやすい点や、樹脂膜97aの剥離の発生を極めて低く抑えられる点で好ましい。しかしながら、傾斜角度θaを45度以下に設定することは、傾斜領域109aの増大を招来する。
また、傾斜角度θbが約45度に設定されているので、傾斜面107bにおける樹脂膜97aにラビングの陰が発生することを低く抑えることができる。
さらに、傾斜角度θaが約60度に設定されているので、傾斜領域109aの増大を避けやすくすることができ、表示装置1の小型化を図りやすくすることができる。
第2実施形態における表示装置1は、液晶パネル10を図1中のA−A線で切断したときの断面図である図24に示すように、液晶パネル10が対向基板20を有している。第2実施形態における表示装置1は、第1実施形態における対向基板17が対向基板20に替えられていることを除いては、第1実施形態における表示装置1と同様の構成を有している。
従って、以下の第2実施形態では、重複した説明を避けるため、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
さらに、第2実施形態における表示装置1では、肩部108a及び肩部108bが表示領域8内に位置しているので、領域106を縮小しやすくすることができる。このため、表示装置1の小型化を一層図りやすくすることができる。
次いで、液状体膜95bが等方配向状態のときに、図25(a)に示すように、フォトマスク181を介して、液状体膜95bを紫外光153で露光する。ここで、フォトマスク181には、透過領域Tに重なる領域に開口部183が設けられている。液状体膜95bには、開口部183を介して紫外光153が照射される。そして、液状体膜95bのうちで露光された部位が硬化する。
これにより、液状体膜95bに、図25(b)に示す等方部位103が形成される。
次いで、液状体膜95bが位相差配向状態のときに、図25(c)に示すように、液状体膜95bを紫外光153で露光する。このときの露光では、液状体膜95bを、第1領域161a(図20(a))及び第2領域161b(図20(b))のそれぞれごとに2回にわけて露光する。
第1領域161a及び第2領域161bに対する露光によって、液状体膜95bが位相差配向状態のままで硬化する。これにより、図6に示す位相差部位101が形成される。
1回の露光で等方部位103を形成する方法では、図26に示すように、フォトマスク191を介して液状体膜95bに紫外光153を照射する。ここで、フォトマスク191は、所謂多階調露光を実現するグレイトーンマスクである。
また、この場合、フォトマスク191と液状体膜95bとの間が間隔F1に設定され、露光の焦点をずらした状態(デフォーカス状態)で露光を行う。
そして、フォトマスク191を用いた露光の後に、液状体膜95bに現像液で現像処理を施すことによって、等方部位103及び位相差部位101(図6)、並びに縁部96a(図8)及び縁部96b(図10)を有する位相差膜95が形成され得る。
また、フォトマスク191を用いた露光の後に現像処理を施すことによって位相差膜95を形成する場合においても、位相差部位101の形成と等方部位103の形成とは、いずれが先でも後でもかまわない。
このときの露光では、フォトマスク165、167、181及び191などを用いることなく、液状体膜95bの全域に紫外光153を照射する方法が採用され得る。これにより、図6に示す等方部位103が形成されるとともに、液状体膜95bの全域が硬化する。
次いで、フォトマスク205を介して、レジスト膜203を紫外光207で多階調露光する。ここで、フォトマスク205は、グレイトーンマスクである。
また、この場合、フォトマスク205とレジスト膜203との間が間隔F1に設定され、露光の焦点をずらした状態(デフォーカス状態)で露光を行う。
縁部209aで回折した回折光207aは、レジスト膜203の回折領域213aに及ぶ。この回折領域213aは、平面視で遮光部209に重なる領域内に及んでいる。つまり、回折光207aは、フォトマスク205が遮光している領域内に回り込む。これにより、回折領域213a内のレジスト膜203を露光することができる。
遮光部209の縁部209b及び各縁部211bのそれぞれで回折した回折光207bは、レジスト膜203の回折領域213bに及ぶ。この回折領域213bは、平面視で遮光部209に重なる領域内に及んでいる。つまり、回折光207bは、フォトマスク205が遮光している領域内に回り込む。これにより、回折領域213b内のレジスト膜203を露光することができる。
次いで、残っているレジストパターン215を剥離することにより、等方部位103及び位相差部位101(図6)、並びに縁部96a(図8)及び縁部96b(図10)を有する位相差膜95が形成され得る。
また、位相差膜201にエッチング処理を施すことによって縁部96a及び縁部96bを形成する場合においても、等方部位103を形成してから位相差部位101を形成する順序が採用され得る。等方部位103を形成してから位相差部位101を形成する場合には、液状体膜95bのうちで表示領域8外に位置する部位は、位相差向状態で硬化する。つまり、この場合、縁部96aや縁部96bは、光学的に異方性を示す。
Claims (5)
- 互いに対向する一対の基板と、
前記一対の基板間に介在する液晶と、
前記一対の基板のうちの一方の前記基板と前記液晶との間に介在する位相差膜と、
前記位相差膜及び前記液晶の間に介在し、ラビング処理が施されて前記液晶の配向状態を規制する配向膜と、
前記一対の基板間に設けられ、平面視で前記液晶を囲むシール材と、
を有し、
前記位相差膜は、
画像が表示され得る表示領域の外側であって、前記シール材との間に間隙を有する位置にある縁部に、前記一方の基板に対して傾斜した傾斜面が設けられており、
平面視で前記ラビング処理におけるラビング方向とは交差する少なくとも2つの辺を有しており、
前記2つの辺のそれぞれにおける前記傾斜面は、前記一方の基板に対する傾斜角度が互いに異なっていて、
前記配向膜は、前記シール材との間に間隙を有して、前記傾斜面を覆う、
液晶装置。 - 前記縁部の肩部は、平面視で前記表示領域の内側に位置している請求項1に記載の液晶装置。
- 前記位相差膜は、液晶化合物を含む材料で構成されている請求項1または2に記載の液晶装置。
- 複数の画素を有しており、
各前記画素には、透過表示を行う透過領域及び反射表示を行う反射領域が設定されており、
前記位相差膜は、入射光に位相差を付与する位相差部位と、光学的に等方性を示す等方部位とを有しており、
前記位相差部位が前記反射領域に対応して設けられており、前記等方部位が前記透過領域に対応して設けられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶装置。 - 前記2つの辺に対応する2つの前記傾斜面のうちの一方の前記傾斜面は、前記傾斜角度が45度以下であり、
前記2つの傾斜面のうちの他方の前記傾斜面は、前記傾斜角度が45度を超え、且つ60度以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置。
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