JP5280946B2 - 錠剤容器 - Google Patents

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Description

この発明は、1回分または複数回分の服用量相当の少量の錠剤(カプセル剤を含む、以下同じ)を収納して携帯することができる使い捨ての錠剤容器に関する。
1回分または複数回分の服用量相当の少量の錠剤を収納して携帯するための錠剤容器が提案されている(特許文献1)。
錠剤容器は、錠剤の直径相当の内径を有する有底の筒状の容器であって、容器の上端の開口部には、着脱可能な栓体が屈曲片を介して連結されている。また、容器の底部上面、栓体の天面には、それぞれ複数のクッション性の支持片が容器の軸方向に立設され、垂設されている。そこで、容器内に収納する錠剤は、上下の支持片を介して支承されるため、外部からの振動や衝撃を受けても、過大な衝撃音を発生したり、破損したりするおそれがない。
特開2008−133001号公報
かかる従来技術によるときは、容器は、所定量の錠剤を収納することができるだけで、効能や服用時の注意事項などを説明するための添付文書を収納することができないという問題があった。また、着脱可能な栓体を介して容器を開閉するので、開封証明機能(いわゆるタンパーエビデンス機能)を実現することが本質的に不可能であるという問題もあった。
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、折曲げ破断して開封する添付文書入りの本体と、取外し不能な栓体とを組み合わせることによって、必要な添付文書の収納と、開封証明機能とを併せて容易に実現することができる錠剤容器を提供することにある。
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、有底円筒状の本体と、本体の開口端を取外し不能に閉じる栓体とを備えてなり、本体は、斜めの薄肉の破断部を中間部に形成し、所定数の錠剤を縦方向に収納する錠剤用の収納スペースを破断部の下方に設け、添付文書を筒状に丸めて収納する文書用の収納スペースを破断部の上方に設け、破断部の上下に力を加えて本体を折り曲げると、破断部が破断して開封可能であることをその要旨とする。
なお、錠剤用の収納スペースの内面には、縦リブを形成することができ、錠剤用の収納スペースの下端部には、スペーサリブを形成することができる。
また、破断部は、本体の外周の1/2を超える長さに形成して両端部を本体の軸方向に湾曲させ、両端部の間を薄肉の屈曲部に形成することができ、破断部の両端部と屈曲部との間をリブ状の厚肉部によって区切ることができる。
かかる発明の構成によるときは、有底円筒状の本体は、中間部の薄肉の破断部の上下にそれぞれ文書用の収納スペース、錠剤用の収納スペースが形成され、取外し不能な栓体によって開口端が閉じられている。そこで、開封するためには、破断部の上下に力を加えて本体を折り曲げ、破断部を破断させる必要があり、開封証明機能を確実に実現することができる上、文書用の収納スペースには、添付文書を筒状に丸めて収納することができる。なお、本体を折曲げ破断して開封すると、丸められた添付文書の一端が破断箇所から外部に露出し、添付文書を容易に取り出すことができる。また、本体の内径は、上下の文書用、錠剤用の各収納スペースを通じて同一径であり、収納すべき錠剤の直径に適合させるものとする。そこで、錠剤用の収納スペースには、1回分、または1日分などの所定の複数回分の服用量相当の錠剤を縦方向に一列に整列させて収納することができる。
錠剤用の収納スペースの内面に設ける縦リブは、文書用の収納スペース内の添付文書を支承し、添付文書が錠剤用の収納スペースに不用意に落下したり移動したりすることを防止する。なお、縦リブは、錠剤の横移動を併せて制限し、外部からの衝撃や振動により、過大な衝撃音が発生したり、錠剤が破損したりすることがない。ただし、横移動とは、本体の軸方向に直交する方向の移動をいう。
錠剤用の収納スペースの下端部に設けるスペーサリブは、錠剤の縦移動を制限し、過大な衝撃音や、錠剤の破損を防止する。ただし、縦移動とは、本体の軸方向の移動をいう。
斜め下向きの薄肉の破断部は、本体の軸方向に湾曲させる両端部の間に薄肉の屈曲部を形成することにより、屈曲部を内側にし、破断部を外側にして本体を折り曲げると、破断部が破断するとともに、破断後の両側が屈曲部を介して連結されたままとなり、不用意に分離することがない。そこで、破断箇所から添付文書、錠剤を一層容易に取り出すことができる。なお、屈曲部は、破断部より肉厚を大きく設定することが好ましい。また、破断部の両端部と屈曲部との間に設けるリブ状の厚肉部は、破断部の破断が屈曲部に不用意に進展することを確実に防止することができ、破断箇所の体裁が見苦しくなるおそれがない。
全体斜視図 全体構成説明図 本体の要部拡大構成説明図 本体の要部構成説明図 栓体の構成説明図 図1のX4 −X4 線矢視相当の要部拡大断面図 使用状態を示す斜視説明図
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
錠剤容器は、有底円筒状の本体10と、本体10の開口端を取外し不能に閉じる栓体20とを備えてなる(図1、図2)。ただし、図2(A)、(B)は、それぞれ図1のX1 矢視、X2 矢視相当図であり、図2(C)は、図2(A)のX3 −X3 線矢視相当断面図である。
本体10の上端には、円板状の舌片11が付設されている。舌片11には、丸孔11aが形成されており、舌片11は、屈曲可能な連結片11bを介して本体10の上端に連結されている。
本体10の中間部には、薄肉の破断部12が形成されている。破断部12は、本体10の外周の1/2を超える長さの断面V溝状に形成し、本体10の外周に対して斜め下向きに形成されている(図3)。ただし、図3(A)は、図2(B)の要部拡大図であり、図3(B)は、図3(A)のX5 −X5 線矢視相当断面図である。
破断部12の両端部12a、12aは、それぞれ本体10の軸方向に上向きに湾曲している。一方、本体10の軸方向に湾曲する両端部12a、12aの間には、薄肉の屈曲部12bが破断部12の反対側に形成され、破断部12の両端部12a、12aと屈曲部12bとの間は、それぞれリブ状の厚肉部12cによって区切られている。なお、屈曲部12bは、正面から見て鼓形に形成されており(図2(A))、屈曲部12bは、破断部12より厚肉に形成されている(図3(B))。破断部12、両端部12a、12a、屈曲部12b、厚肉部12cは、それぞれ本体10の外面側に形成されており、本体10の内面の平滑性に影響することがない(図2(C))。
本体10の内部には、破断部12の上下にそれぞれ文書用の収納スペースS1 、錠剤用の収納スペースS2 が形成されている。文書用の収納スペースS1 には、添付文書Dを筒状に丸めて収納することができ、錠剤用の収納スペースS2 には、所定数の錠剤T、T…を本体10の縦方向、すなわち軸方向に一列に整列させて収納することができる。ただし、図2(C)において、錠剤用の収納スペースS2 には、2錠のカプセル剤の錠剤T、Tが縦に積み重ねて収納されている。
本体10の錠剤用の収納スペースS2 の内面には、縦リブ13、13…が形成されている(図2(C)、図3(B))。ただし、縦リブ13、13…は、収納スペースS2 の内周のうち屈曲部12b側に3条を集中して上下に形成され、左右の2本は、本体10の底部15にまで到達しており、中央の一本は、底部15上を横切るスペーサリブ14に連続している。そこで、収納スペースS2 内の各錠剤Tは、縦リブ13、13…を介して横移動を制限することができ(図2(C)、図4(E))、収納スペースS2 の下端部のスペーサリブ14を介して縦移動を制限することができる。また、文書用の収納スペースS1 内の添付文書Dは、縦リブ13、13…を介して支承され、錠剤用の収納スペースS2 内に不用意に移動することがない。
なお、図4(A)〜(E)は、いずれも本体10の要部構成図である。図4(A)は、図2(C)相当の要部断面図、図4(B)は、図2(B)のX6 −X6 線矢視相当の要部断面図である。また、図4(C)〜(E)は、それぞれ図4(A)のX7 −X7 線、図4(C)のX8 −X8 線、図4(B)のX9 −X9線矢視相当の要部拡大断面図である。ただし、図4(D)は、上下反転させて図示されており、図4(E)には、収納スペースS2 内の錠剤Tが併せて図示されている。
本体10の上端部内面には、段部16aを介して栓体20用の大径部16が形成されている(図4(A)、(D))。また、本体10の上端部外周には、下側の一辺を段部16aに一致させるようにして横長の窓17、17…が等ピッチに開口されており、各窓17の上部には、内向きの係合突部18が形成されている。なお、各係合突部18の上側は、斜面に切り欠かれている。本体10は、低密度ポリエチレンなどの軟質のプラスチック材料により一体成形されている。
栓体20は、天板21付きの円筒体の外周に対し、上から下に順に大径部22、横溝状の中間部23、上向きの係合リブ24、小径部25を形成し、小径部25に3段の上向きの係合リブ26、26…を形成して構成されている(図5)。栓体20は、ポリプロピレンなどの硬質のプラスチック材料により一体成形されている。ただし、図5(A)〜(C)は、それぞれ栓体20の正面図、下面図、中央縦断面図である。
大径部22の上下方向の幅は、天板21の厚さより大きく、係合リブ24は、大径部22と同一径に形成されている。なお、係合リブ24、各係合リブ26の下側は、斜面に切り上げられており、各係合リブ26は、大径部22、係合リブ24より小径に形成されている。天板21の下面には、十字形のスペーサリブ27が垂設されており、スペーサリブ27は、栓体20の下端より高い位置、すなわち最下段の係合リブ26のほぼ中間位置にまで垂下している。
栓体20は、本体10の錠剤用の収納スペースS2 に所定数の錠剤T、T…を収納し、文書用の収納スペースS1 に添付文書Dを収納した上、本体10の上端の開口端に圧入して取外し不能に装着する(図2(C)、図6)。このとき、栓体20の下部の小径の係合リブ26、26…は、本体10の大径部16の下方に圧入され、大径の係合リブ24は、本体10の各窓17上の係合突部18、18…を弾発的に乗り越え、窓17、17…の位置において係合突部18、18…に対して下から係合して栓体20を抜け止めする。なお、係合突部18、18…は、栓体20の中間部23に嵌まり込み、栓体20の上面は、本体10の上端に一致する。栓体20の大径部22、係合リブ24の外径は、本体10の大径部16の内径に適合している。
かかる錠剤容器は、本体10に錠剤T、T…、添付文書Dを収納し、栓体20を介して封止した上、たとえば舌片11の丸孔11aにフック棒Hを挿通して吊り下げて展示販売し、整理保管することができる(図7(A))。このとき、舌片11の連結片11bは、上向きに屈曲させることができる。
本体10内の錠剤T、T…を取り出して服用するときは、本体10の破断部12の上下に力を加えて本体10を折り曲げ、破断部12を破断させることにより本体10を開封する(図7(B))。なお、本体10には、破断部12を外側にし、屈曲部12bを内側にして折曲げ用の力を加えるものとする。本体10内の添付文書Dは、一端部が破断箇所に露出するから、簡単に外部に引き出すことができる。また、本体10内の錠剤T、T…は、破断箇所を下側にして外部に取り出せばよい。ただし、栓体20のスペーサリブ27は、文書用の収納スペースS1 内の添付文書Dが栓体20の内部に不用意に嵌まり込んだり、それによって添付文書Dが破断箇所から取り出せなくなったりすることを防止する。
以上の説明において、本体10に収納する錠剤T、T…の数は、1回分の服用量相当としてもよく、たとえば1日の複数回分の服用量相当としてもよい。また、破断部12の長さは、本体10を折曲げ破断して適切な破断箇所を実現するために、本体10の外周の50%超80%以下程度に設定することが好ましい。ただし、ここでいう長さとは、図3(B)に示すように、本体10の軸まわりの有効長さをいうものとする。さらに、破断部12は、本体10の外周に対して斜め上向きに形成し、両端部12a、12aをそれぞれ本体10の軸方向に下向きに湾曲させてもよい。
なお、錠剤用の収納スペースS2 の縦リブ13、13…は、錠剤Tの横移動を有効に制限し得る限り、本数、配列形態を適宜変更してもよい。収納スペースS2 の下端部のスペーサリブ14についても、錠剤Tの縦移動を制限できれば、その数や形態を任意に変更可能である。また、文書用の収納スペースS1 は、添付文書Dを収納せず、錠剤用の収納スペースS2 の延長部分として利用してもよい。
D…添付文書
T…錠剤
S1 、S2 …収納スペース
10…本体
12…破断部
12a…端部
12b…屈曲部
12c…厚肉部
13…縦リブ
14…スペーサリブ
20…栓体

特許出願人 伸晃化学株式会社
代理人 弁理士 松 田 忠 秋

Claims (5)

  1. 有底円筒状の本体と、該本体の開口端を取外し不能に閉じる栓体とを備えてなり、前記本体は、斜めの薄肉の破断部を中間部に形成し、所定数の錠剤を縦方向に収納する錠剤用の収納スペースを前記破断部の下方に設け、添付文書を筒状に丸めて収納する文書用の収納スペースを前記破断部の上方に設け、前記破断部の上下に力を加えて前記本体を折り曲げると、前記破断部が破断して開封可能であることを特徴とする錠剤容器。
  2. 前記錠剤用の収納スペースの内面には、縦リブを形成することを特徴とする請求項1記載の錠剤容器。
  3. 前記錠剤用の収納スペースの下端部には、スペーサリブを形成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の錠剤容器。
  4. 前記破断部は、前記本体の外周の1/2を超える長さに形成して両端部を前記本体の軸方向に湾曲させ、前記両端部の間を薄肉の屈曲部に形成することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の錠剤容器。
  5. 前記破断部の両端部と前記屈曲部との間をリブ状の厚肉部によって区切ることを特徴とする請求項4記載の錠剤容器。
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