JP5280246B2 - 電気二重層キャパシタの性能測定方法及び性能測定システム - Google Patents

電気二重層キャパシタの性能測定方法及び性能測定システム Download PDF

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Description

この発明は、電気二重層キャパシタの性能測定方法及び性能測定システムに関する。
エネルギ分野で用いる電気二重層キャパシタ(EDLC:Electric Double Layer Capacitor)においては、エネルギ密度、出力密度、充放電効率などが重要視されるが、これらの指標は、内部抵抗Rおよび静電容量Cに大きく依存するため、精度の高い内部抵抗Rおよび静電容量Cの測定法の開発が望まれる。
EDLCの充放電特性を模擬する最も簡易かつ実用的な等価回路モデルとして図1に示す1段のRC配列が考えられる。図1において、端子電圧V,電流I,素子電圧Vc,静電容量C,内部抵抗Rである。充放電は、EDLCの端子を短絡した後、一定電流Iで充電を開始する。その後、端子電圧Vが規定電圧Eに達すと、端子電圧Vを規定電圧Eに維持しつつ、電流Iが十分小さくなるまで充電(定電圧の緩和充電)し、充電終了後に一定電流Iで放電する。
内部抵抗Rの測定方法としては、放電の2時点(T1,T2)間の電圧(V1,V2)を結ぶ直線を引き、放電開始直後の電圧を推定して電圧降下IRを図式的に求め、これから内部抵抗Rを推定する方法がある(非特許文献1)。静電容量Cの測定方法としては、放電の2時点(T1,T2)間の放出電荷Qを定電流IからQ=I(T2−T1)として、C=Q/(V1−V2)によって静電容量Cを推定する方法がある(非特許文献1)。
「電気二重層コンデンサの試験方法」 日本電子機械工業規格 (2000−4)
このような、内部抵抗や静電容量Cの測定方法においては、充放電時間・電圧特性が直線的であり(図2、参照)、内部抵抗が殆ど無視できるような場合には、比較的精度よく推定しえるものの、近年、性能向上の著しい大容量型EDLCにおいては、充放電時間・電圧特性が直線的でなく(図3、参照)、内部抵抗Rが無視できない場合が多く、現実的には、精度よく推定しえない。
この発明は、内部抵抗Rが大きく、充放電時間・電圧特性が曲線的に現れる、非理想分極性のEDLCにおいても、内部抵抗Rおよび静電容量Cを精度よく測定しえる方法及び性能測定システムの提供を目的とする。
第1の発明は、電気二重層キャパシタの性能測定方法において、緩和充電後の定電流放電の端子電圧Vおよび電流Iを計測し、2時点間(t=T2−T1)に端子から放出されるエネルギWを求め、微分容量c=dq/dVの特性から規定される素子電圧Vcに無関係な成分c0および素子電圧Vcに依存する成分αVcのαを求め、2時点(T1,T2)に対応する端子電圧V1,V2と素子電圧Vc1,Vc2との関係をVc1=V1+IR,Vc2=V2+IRとし、微分容量cを用いてキャパシタンス素子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギUを計算し、W=U−I2Rtのエネルギ平衡式から2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗R=(U−W)/I2tを計算し、2時点間(t=T2−T1)の静電容量C=2(W+I2Rt)/(Vc12−Vc22)を計算することを特徴とする。
また、第1の発明は、T1は放電開始時点に設定されることを特徴とする。
また、第1の発明は、2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗Rの計算値をRoldとし、素子電圧Vc=V+IRoldを計算し、これを使ってUおよびRを計算し、前回のRoldと今回のRとの差|Rold−R|が十分に小さい収束条件εに対して|Rold−R|<εかどうかを判定し、この判定が否定のときは、肯定となるまでの間、2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗Rの計算値をRoldとし、素子電圧Vc=V+IRoldを計算し、これを用いてUおよびRを計算し、前回のRoldと今回のRとの差|Rold−R|が十分に小さい収束条件εに対して|Rold−R|<εかどうかを判定する、というRの推定を繰り返し実行することを特徴とする。
第2の発明は、電気二重層キャパシタの性能測定方法において、緩和充電後の定電流放電の端子電圧Vおよび電流Iを計測し、前記電気二重層キャパシタの端子電流が定電流Iとなった時点から放電が終了する時点までの2時点間(t=T2−T1)に端子から放出されるエネルギW及び電荷Itを求め、微分容量c=dq/dVの特性から規定される素子電圧Vcに依存する成分αVcのαを求め、前記2時点(T1、T2)に対応する端子電圧V1、V2と素子電圧Vc1、Vc2との関係をVc1=V1+IR、Vc2=V2+IRとし、電荷法(静電容量=電荷/電圧)により2時点間の静電容量C’=It/(V1−V2)を求め、c0=C’−α(Vc1+Vc2)/2から微分容量の素子電圧Vcに無関係な成分c0を求め、微分容量c=c0+αVcを用いてキャパシタンス素子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギUを求め、W=U−I2Rtのエネルギ平衡式から2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗R=(U−W)/I2tを求めることを特徴とする。
また、第2の発明は、求めた内部抵抗Rの計算値をRoldとし、素子電圧Vc=V+IRoldを求め、求めた素子電圧Vcを用いてU及びRを新たに求め、前回求めたRoldと今回求めたRとの差|Rold−R|が十分に小さい収束条件εnに対して|Rold−R|<εnかどうかを判定し、この判定が否定のときは、肯定となるまでの間、求めた内部抵抗Rの計算値をRoldとし、素子電圧Vc=V+IRoldを求め、求めた素子電圧Vcを用いてU及びRを新たに求め、前回求めたRoldと今回求めたRとの差|Rold−R|が十分に小さい収束条件εnに対して|Rold−R|<εnかどうかの第1の判定を繰り返すことを特徴とする。
また、第2の発明は、前記第1の判定が肯定された場合は、前回求めた定数項をc0oldとし、求めた内部抵抗R及び素子電圧Vcを用いて定数項c0を新たに求め、前回のc0oldと今回のc0との差|c0old−c0|が、十分に小さい収束条件εmに対して|c0old−c0|<εmかどうかを判定し、この判定が否定のときは、肯定となるまでの間、求めた定数項をc0oldとし、求めた内部抵抗R及び素子電圧Vcを用いて定数項c0を新たに求め、前回のc0oldと今回のc0との差|c0old−c0|が、十分に小さい収束条件εmに対して|c0old−c0|<εmかどうかの第2の判定を繰り返すことを特徴とする。
また、第2の発明は、前記第2の判定が肯定された場合は、前回求めた電荷法による静電容量をC’oldとし、求めた内部抵抗R及び素子電圧Vcを用いて電荷法による静電容量C’を求め、前回のC’oldと今回のC’との差|C’old−C’|が、十分に小さい収束条件εkに対して|C’old−C’|<εkかどうかを判定し、この判定が否定のときは、肯定となるまでの間、求めた定数項をC’oldとし、求めた内部抵抗R及び素子電圧Vcを用いて電荷法による静電容量C’を求め、前回のC’oldと今回のC’との差|C’old−C’|が、十分に小さい収束条件εkに対して|C’old−C’|<εkかどうかの第3の判定を繰り返し、前記第3の判定が肯定された場合に、2時点間(t=T2−T1)の静電容量C=2(W+I2Rt)/(Vc12−Vc22)を計算することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記電気二重層キャパシタの放電時に計測された端子からの放出エネルギWと、前記電気二重層キャパシタの放電時の素子からの放出エネルギUと、理想分極特性を有するキャパシタの端子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギW0=It(V1+V2)/2と、同じく理想分極特性を有するキャパシタの素子から放出されるエネルギU0=It(Vc1+Vc2)/2と、から、W−W0またはU−U0、として求まる、曲線的放電特性を有する非理想分極性電気二重層キャパシタと直線的放電特性を有する理想分極性キャパシタとの間に生じる放電時の乖離エネルギΔWをΔW=W−W0=U−U0と定義し、微分容量c=dq/dV=c0+αVcの特性と、放出エネルギU=∫cVcdVc=c0(Vc1 2 −Vc2 2 )/2+α(Vc1 3 −Vc2 3 )/3と、放出電荷It=∫cdVc=c0(Vc1−Vc2)+α(Vc1 2 −Vc2 2 )/2と、素子放出エネルギU0=It(Vc1+Vc2)/2と、の関係から、α=12ΔW/(Vc1−Vc2) 3 を求め、前記第1から第3の判定が肯定された場合、求めた内部抵抗Rから求まる素子電圧Vcと乖離エネルギΔWとにより、α=12ΔW/(Vc1−Vc2)3と評価されるαの値が、微分容量c=dq/dVの特性から規定される素子電圧の依存成分αVcのαと一致し、これにより、求めた内部抵抗Rが、測定すべき2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗となることを特徴とする。
第4の発明は、電気二重層キャパシタの性能測定において、緩和充電後の定電流放電において、放電開始から終了までの2時点間(t=T2−T1)に端子から放出されるエネルギWおよび電荷Q=Itを求め、微分容量c=dq/dVの特性から規定される素子電圧に依存する成分αVcのαを求め、時点T2での端子電圧V2を求め、2時点(T1、T2)に対応する素子電圧を、Vc1=Eとし、Vc2=V2+IR=0と仮定し、電荷法による静電容量C’=It/(Vc1−Vc2)を求め、素子電圧に無関係な成分c0=C’−α(Vc1+Vc2)/2を求め、これをc0oldとし、微分容量c=c0old+αVcを用いて、2時点間(t=T2−T1)に素子から放出されるエネルギUを求め、W=U−I2Rtのエネルギ平衡式から、2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗R=(U−W)/I2を求めることを特徴とする。
また、第4の発明は、求めた内部抵抗Rの計算値をRoldとし、素子電圧Vc2=V2+IRoldを求め、求めたVc2を用いて素子放出エネルギU及び内部抵抗Rを新たに求め、前回求めたRoldと今回求めたRとの差|R−Rold|が十分小さい収束条件εnに対して、|R−Rold|<εnかどうかの第4の判定を繰り返すことを特徴とする。
また、第4の発明は、前記第4の判定が肯定された場合は、前回求めた内部抵抗Rを用いて電荷法の静電容量C’=It/(Vc1−Vc2)を新たに求め、求めた静電容量C’を用いて、定数項c0=C’−α(Vc1+Vc2)/2を新たに求め、前回求めたc0oldと今回求めたc0との差|c0−c0old|が十分に小さい収束条件εmに対して、|c0−c0old|<εmかどうかの第5の判定をし、この判定が否定のときは、肯定となるまでの間求めた定数項c0をc0oldとし、この値に基づいて求めた内部抵抗Rを用いて電荷法の静電容量C’=It/(Vc1−Vc2)を新たに求め、求めた静電容量C’を用いて、定数項c0=C’−α(Vc1+Vc2)/2を新たに求め、前回求めたc0oldと今回求めたc0との差|c0−c0old|が十分に小さい収束条件εmに対して、|c0−c0old|<εmかどうかの第5の判定を繰り返し、前記第5の判定が肯定された場合に、2時点間(t=T2−T1)の静電容量C=2(W+I2Rt)/(Vc12−Vc22)を計算することを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、電気二重層キャパシタの放電時に計測された端子からの放出エネルギWと、電気二重層キャパシタの放電時の素子からの放出エネルギUと、理想分極特性を有するキャパシタの端子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギW0=It(V1+V2)/2と、同じく理想分極特性を有するキャパシタの素子から放出されるエネルギU0=It(Vc1+Vc2)/2と、から、W−W0またはU−U0、として求まる、曲線的放電特性を有する非理想分極性電気二重層キャパシタと直線的放電特性を有する理想分極性キャパシタとの間に生じる放電時の乖離エネルギΔWをΔW=W−W0=U−U0と定義し、微分容量c=dq/dV=c0+αVcの特性と、放出エネルギU=∫cVcdVc=c0(Vc1 2 −Vc2 2 )/2+α(Vc1 3 −Vc2 3 )/3と、放出電荷It=∫cdVc=c0(Vc1−Vc2)+α(Vc1 2 −Vc2 2 )/2と、素子放出エネルギU0=It(Vc1+Vc2)/2と、の関係から、α=12ΔW/(Vc1−Vc2) 3 を求め、前記第4及び5判定が肯定された場合、求めた内部抵抗Rから求まる素子電圧Vcと乖離エネルギΔWとにより、α=12ΔW/(Vc1−Vc2)3と評価されるαの値が、微分容量c=dq/dVの特性から規定される素子電圧の依存成分αVcのαと一致し、これにより、求めた内部抵抗Rが、測定すべき2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗となることを特徴とする。
第6の発明は、第4又は第5の発明において、T1は放電開始時点に設定されることを特徴とする。
第7の発明は、第1から6の発明において、微分容量を用いてキャパシタンス素子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギUは、U=∫c・VcdVc=c0(Vc12−Vc22)/2+α(Vc13−Vc23)/3と定義されることを特徴とする。
第8の発明は、前記1から7の発明において、充放電試験器と、電気二重層キャパシタを含むキャパシタユニットと、により構成され、前記充放電試験器は、前記請求項1から7のいずれか一つに記載の電気二重層キャパシタの性能測定方法を実行することを特徴とする電気二重層キャパシタの性能測定システム。
第1の発明においては、端子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギWに対し、キャパシタンス素子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギUは、微分容量cを用いて計算され、2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗R=(U−W)/I2tを求めることが可能となる。従って、理想分極性から乖離する放電特性を示すEDLC(電気二重層キャパシタ)の、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量C=2(W+I2Rt)/(Vc12−Vc22)を精度よく求めることができる。
また、第1の発明においては、放電開始直後の端子電圧Vは、緩和充電時の規定電圧EからV=E−IRへ急変するが、放電開始直後の素子電圧Vcは、電荷の連続性から急変せず、Vc=Eであると推定される。従って、2時点間(t=T2−T1)のT1を放電開始時に設定することにより、素子電圧Vc1=Eを用いてキャパシタンス素子から放出されるエネルギUをより精度よく算定できる。
また、第1の発明においては、UおよびRの推定を繰り返し実行すること(繰り返し推定アルゴリズム)により、RとVc=V+IRの値が反復修正され、|Rold−R|<εに収束するため、精度の高い回路定数(静電容量,内部抵抗)の測定が可能となる。
第2の発明においては、電気二重層キャパシタの端子電流が定電流Iとなった時点から放電が終了する時点までの2時点間(t=T2−T1)に端子から放出されるエネルギWに対し、キャパシタンス素子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギUは、微分容量cを用いて計算され、従って、理想分極性から乖離する放電特性を示すEDLC(電気二重層キャパシタ)の、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量Cを精度よく求めることができる。
第2の発明においては、さらに、RとVc=V+IRの値が反復修正され、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量Cを精度よく求めることができる。
また、第2の発明においては、さらにc0の値が反復修正され、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量Cを精度よく求めることができる。
また、第2の発明においては、さらにC’の値が反復修正され、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量Cを精度よく求めることができる。
第3の発明においては、乖離エネルギΔWをΔW=W−W0=U−U0と定義し、微分容量c=dq/dV=c0+αVcの特性と、放出エネルギU=∫cVcdVc=c0(Vc1 2 −Vc2 2 )/2+α(Vc1 3 −Vc2 3 )/3と、放出電荷It=∫cdVc=c0(Vc1−Vc2)+α(Vc1 2 −Vc2 2 )/2と、素子放出エネルギU0=It(Vc1+Vc2)/2と、の関係から、α=12ΔW/(Vc1−Vc2) 3 を求めるので、素子電圧Vcと乖離エネルギΔWとから算定されるαの値が、微分容量の電圧特性から規定される素子電圧の依存成分αVcのαと一致し、これにより、求めた内部抵抗Rの値が測定すべき実効抵抗となることが確かめられ、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量Cを精度よく求めることができる。
第4の発明においては、端子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギWに対し、キャパシタンス素子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギUは、電荷法による静電容量C’と微分容量の定数項c0とを用いて計算され、2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗Rを求めることが可能となる。従って、理想分極性から乖離する放電特性を示すEDLC(電気二重層キャパシタ)の、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量Cを精度よく求めることができる。
また、第4の発明においては、さらに、RとVc=V+IRの値が反復修正され、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量Cを精度よく求めることができる。
また、第4の発明においては、さらにc0及びC’の値が反復修正され、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量Cを精度よく求めることができる。
第5の発明においては、乖離エネルギΔWをΔW=W−W0=U−U0と定義し、微分容量c=dq/dV=c0+αVcの特性と、放出エネルギU=∫cVcdVc=c0(Vc1 2 −Vc2 2 )/2+α(Vc1 3 −Vc2 3 )/3と、放出電荷It=∫cdVc=c0(Vc1−Vc2)+α(Vc1 2 −Vc2 2 )/2と、素子放出エネルギU0=It(Vc1+Vc2)/2と、の関係から、α=12ΔW/(Vc1−Vc2) 3 を求めるので、素子電圧Vcと乖離エネルギΔWとから算定されるαの値が、微分容量の電圧特性から規定される素子電圧の依存成分αVcのαと一致し、これにより、求めた内部抵抗Rの値が測定すべき実効抵抗となることが確かめられ、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量Cを精度よく求めることができる。
第6の発明においては、放電開始直後の端子電圧Vは、緩和充電時の規定電圧EからV=E−IRへ急変するが、放電開始直後の素子電圧Vcは、電荷の連続性から急変せず、Vc=Eであると推定される。従って、2時点間(t=T2−T1)のT1を放電開始時に設定することにより、素子電圧Vc1=Eを用いてキャパシタンス素子から放出されるエネルギUをより精度よく算定できる。
第7の発明においては、計測値c0,α,Vを用いてキャパシタンス素子から放出されるエネルギUをより精度よく算定できる。
第8の発明においては、内部抵抗RとRによる損失エネルギを考慮した静電容量Cを精度よく求めることができる性能測定システムを提供することができる。
<第1実施形態>
EDLC(電気二重層キャパシタ)は、図1のRC等価回路モデルとして想定されるが、図3の示すような理想分極性から乖離した放電特性を示すものである。このEDLCに対し、充放電は、端子を短絡した後、一定電流Iで充電を開始する。その後、端子電圧Vが規定電圧Eに達すと、端子電圧Vを規定電圧Eに維持しつつ、電流Iが十分小さくなるまで充電(定電圧の緩和充電)し、充電終了後に一定電流Iで放電する。
図3の定電流放電特性に関する諸量を次のように定義する。放電開始後の2時点を(T1,T2)、2時点(T1,T2)に対応する端子電圧を(V1,V2)、2時点(T1,T2)に対応する素子電圧を(Vc1,Vc2)、とする。
放電の傾きdV/dtから評価される静電容量dq/dVは微分容量cとして知られ、放出電荷Qと2時点間(t=T2−T1)の電圧変化(V1−V2)とから評価される静電容量(積分容量)C=Q/(V1−V2)と区別される。曲線的放電特性にみられる静電容量の電圧依存性は微分容量の電圧特性から把握することができ、図3の理想分極性から乖離した曲線的放電特性の微分容量は電圧に対して図5のような関係になる。微分容量の電圧特性が、電圧Vcに無関係な成分c0と、これに並列する比例定数α(傾き)からなる電圧Vcに依存する成分cF=αVcと、から構成されるものとすると、微分容量は式(1)のように表される。
c(v)=c0+cF=c0+αVc…(1)
損失エネルギI2Rtを考慮した静電容量を求めるため、端子からt秒間に放出されるエネルギW=∫VIdt=W0+△W(図3、参照)と、キャパシタンス素子からの放出エネルギUと、内部抵抗Rによる損失エネルギI2Rtと、の間のエネルギ平衡式(2)からRとCの値を推定する。
W=U−∫I2Rdt…(2)
Uは微分容量cを用いて次式(3)で表される。
U=∫cVcdVc=c0(Vc12−Vc22)/2+α(Vc13−Vc23)/3…(3)
式(2)から、2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗Rを、次式(4)に基づいて計算する。
R=(U−W)/I2t…(4)
素子電圧Vcは、測定が難しいが、IRが小さく、Vc≒Vと近似できる場合には、式(3)からUを推定でき、計測値I,V,W,tを用いて式(4)からRの推定が可能になる。従って、次式(5)からエネルギ損失I2Rtを考慮した静電容量Cを求めることができる。
C=2(W+I2Rt)/(Vc12−Vc22)…(5)
このように微分容量を用いることにより、2時点間(t=T2−T1)の静電容量Cおよび内部抵抗Rを精度よく求めることができる。Uは、IRが小さく、Vc≒Vと近似できる場合の値であり、RおよびUを補正するため、図4に示す繰り返し推定アルゴリズムを用いると、反復修正によりRおよびVc=V+IRの値を推定することができるので、より精度の高い回路定数(静電容量,内部抵抗)の測定が可能となる。
放電開始直後の端子電圧Vは、定電圧緩和充電時の規定電圧EからV=E−IRに急変するが、素子電圧Vcは、電荷の連続性から急変せず、Vc=Eであると推定される。従って、2時点間(t=T2−T1)のT1を放電開始時点とすると、素子電圧Vc1=V1+IR=Eを用いて放出エネルギUを精度よく算定できることになる。
繰り返し推定アルゴリズムは、2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗Rの計算値をRoldとし、素子電圧Vc=V+IRoldを計算し、これを使ってUおよびRを計算する。前回のRoldと今回のRとの差|Rold−R|が十分に小さい収束条件εに対して|Rold−R|<εかどうかを判定する。この判定が否定のときは、これが肯定となるまでの間、2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗Rの計算値をRoldとし、素子電圧Vc=V+IRoldを計算し、これを用いてUおよびRを計算し、前回のRoldと今回のRとの差|Rold−R|が十分に小さい収束条件εに対して|Rold−R|<εかどうかを判定する、というRおよびUの推定を繰り返し実行するものである。
図4は、EDLCの性能を測定する手順を説明するものであり、まず、測定対象のEDLCに対し、充放電しつつ、端子電圧Vおよび電流Iを計測する。
ステップ0においては、素子電圧Vcが規定電圧EであるT1を放電開始時点として、実測データに基づいて2時点(T1,T2)間の放電特性から端子電圧Vおよび端子からの放出エネルギW=∫VIdtを計測する。また静電容量Cは図5のような電圧依存性を示すことから、微分容量特性を定義する式(1)における、傾きαと、V≒Vcと見做し
Vc=0での二重層容量c0と、を計測する。静電容量Cの電圧依存性は、dV/dt=I/Cの関係から、図5のように推定できる。このグラフから、c0およびαは、図式的に求めることができる。ここで、繰り返し回数n=0とする。
ステップ1においては、Vc1=E,Vc2=V2とし、c0およびαを用いてキャパシタンス素子からの放出エネルギU=c0(Vc12−Vc22)/2+α(Vc13−Vc23)/3を計算する。T1は放電開始時点のため、Vc1=V1+IR=Eの計測値を用いることになる。そして、W,U,Iを用いて内部抵抗R=(U−W)/I2tを計算する。内部抵抗RをRold=Rとする。ここで、繰り返し回数n=1とする。
ステップ2においては、Rold,V,Iを用いて素子電圧Vc2=V2+IRoldを計算する。ステップ3においては、Vcを用いて素子からの放出エネルギU=c0(Vc12−Vc22)/2+α(Vc13−Vc23)/3を計算する。ステップ4においては、2時点(T1,T2)間の実効抵抗として内部抵抗R=(U−W)/I2tを計算する。Uはステップ3の計算値を代入する。
ステップ5においては、前回のRoldと今回のRとの差の絶対値が、十分小さいε(収束条件)に対して、|Rold−R|<εかどうかを判定する。ステップ5の判定が肯定のときは、ステップ6へ進む一方、ステップ5の判定が否定のときは、ステップ7を経てステップ2へ戻る。ステップ6においては、今回の実効抵抗Rを用いて2時点(T1,T2)間の静電容量C=2(W+I2Rt)/(Vc12−Vc22)を計算する。ステップ7においては、今回の実効抵抗RをRold=Rとして、ここで、繰り返し回数n=n+1とする。つまり、ステップ2〜ステップ5→ステップ7においては、ステップ5の判定が肯定となるまでRおよびVcを繰り返し推定するのである。
この場合、T1は放電開始時点であり、例えば、T2は端子電圧Vの放電終止時点とし、損失エネルギI2Rtが図3の面積となるような内部抵抗Rと放出エネルギUの値を真値とすると、繰り返し回数n=0においては、Vc2=V2=0のため、Vc2=IRが最小となり、Uの積分区間がE〜0と最大となり、Rも最大となり、真値より大きくなる。繰り返し回数n=1においては、素子電圧Vc=V+IRoldから、Vc2=IRoldとなり、Uの積分区間がE〜IRoldに縮小し、Uは真値より小さくなる。以下、UとRは、真値を挟み、大きくなったり、小さくなったり、の過程を繰り返して変化幅が次第に小さくなり、反復修正の繰り返し回数が増えるに連れて真値へ収斂してゆく。従って、|Rold−R|<εであれば、UとRは、真値に十分に近似する値として算定されることになる。
測定の試算例を説明する。T1は放電開始時点、T2は放電終止時点、とする。規定電圧E=2.7[V]、V2=0[V]、α=28.1[F/V],c0=86.5[F]、W=453.6[J]、I=10[A]、t=T2−T1=32.5[s]、の場合、収束条件ε=0.0001として図4のアルゴリズムでR,Cを求める。
繰り返し回数n=0においては、Vc1=2.7[V]、Vc2=0[V]、として、U=499.6566[J]、R=0.01417126[Ω]、Rold=R=0.01417126[Ω]、となる。
繰り返し回数n=1においては、Vc1=2.7[V]、Vc2=V+IRold=0.1417126[V]、として,U=498.7614[J]、R=0.013895808[Ω]、|Rold−R|=|0.01417126−0.013895808|>ε、Rold=R=0.013895808[Ω]、となる。
繰り返し回数n=2においては、Vc1=2.7[V]、Vc2=V+IRold=0.138958081[V]、として,U=498.7963[J]、R=0.013906566[Ω]、となり、|Rold−R|=|0.013895808−0.013906566|>ε、Rold=R=0.013906566[Ω]、となる。
繰り返し回数n=3においては、Vc1=2.7[V]、Vc2=V+IRold=0.139065656[V]、として、U=498.795[J]、R=0.01390615[Ω]、となり、|Rold−R|=|0.013895808−0.013906566|<εなので、C=137.2076[F]となる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
前述の第1の実施形態では、EDLCに対して充放電を行い、定電流Iにおける端子電圧Vを測定して、その測定結果から内部抵抗Rを求めた。また、微分容量c=dq/dVの電圧特性から規定される素子電圧Vcに無関係な成分c0を用いた。
ところで、EDLCが、定常状態から放電状態に遷移したとき、端子電流が定電流Iに達するまでの遅れ時間(Δt)が生ずる。このとき同時に、端子電圧Vが、V=Eの状態からV=V1(=E−IR)に達するまでの遅れ時間(Δt)が生ずる。また、素子電圧Vc
を測定することが難しいため、微分容量の電圧特性からVc=0に対応するVcに無関係
な成分c0の値を厳密に把握することが難しい。
前述の第1の実施形態では、この遅れ時間を考慮していない。また、微分容量の素子電圧Vcに無関係な成分c0を、より精度良く求めることが望まれる。
そこで、第2の実施の形態では、以下に説明するような手法により、より高い精度でEDLCの特性を計測できる性能測定方法を提供する。
図6は、第2の実施形態における定電流充放電特性の説明図である。
前述のように、EDLCは、定電圧の緩和充電を行った後、定電流Iでの放電を行う。この放電時の電流、電圧の測定値により、EDLCの内部抵抗値R及び静電容量Cを求める。
図6に示すように、EDLCを定電圧充電から定電流放電へと移行したときは、端子電圧VがEDLCの内部抵抗Rによって降下する。また、端子電流が0から定電流Iになるまでには若干の立ち上がり時間が発生する。
放電開始からΔt秒後に、端子電圧が定電流Iとなり、端子電圧はV1となる。この放電開始からΔt秒までの間、端子電圧Vは、端子電流が定電流Iとなるまでは急速に低下するが、その後は、定電流Iにおいて、乖離エネルギΔWを含んだエネルギを放出しつつ、最終的にEDLCの端子電圧が時刻T2で0になるまで漸減する
なお、電流が定電流Iとなるまでの間(時刻0からΔtまでの間)に放出されるエネルギはEDLCの全放電エネルギと比較すると極めて微少であり、内部抵抗Rの算出にも影響を及ぼさない。そこで、第2の実施形態では時刻0からΔtまでの間の放出エネルギは考慮せず、時刻T1を放電開始時点とし、かつ素子電圧Vc1=Eとして、静電容量C及び内部抵抗Rを算出する。
本発明の第2の実施形態では、図7に示すような計算アルゴリズムを用いることにより、乖離エネルギΔWを含むEDLCの静電容量C及び内部抵抗Rを測定する。
まず、ステップ10では、以降の繰り返しアルゴリズムで用いられる各値の初期値を求める。
初期値として、端子電圧Vの実測データから、放電開始後、端子電流が定電流Iとなった時刻(放電開始からΔt秒後)T1と、定電流Iにおける放電開始及び放電終了時点での電圧(V1、V2)と、時刻T1から放電終了の時刻T2までの放電時間t、とを求める。
次に、これら求めた値より、電荷法による静電容量C’oldを、次式、
C’old=It/(V1−V2)…(6)
により算出する。
(6)式は、端子電圧の実測データと端子電流(=定電流I)とに基づいて静電容量を算出する。すなわち、内部抵抗を考慮しない状態で、電荷法による静電容量をまず算出する。
なお、この時点では、素子電圧Vc1=Eとし、Vc2=V2=0とする。すなわち、内部抵抗R=0と仮定しておく。
ここで、繰り返し計数k=1とする。
次に、ステップ11では、ステップ10において算出された値を用いて、微分容量の定数項c0を、次式、
c0=C’old−α(Vc1+Vc2)/2…(7)
により算出する。(7)式により算出されたc0をc0oldとする。
なお、このαについては、前述の第1の実施形態と同様である。すなわち、静電容量は図8のような電圧依存性を示すことから、微分容量特性を定義する(1)式における傾きαは、図8より図式的に求める。
この図8について説明する。前述のように、キャパシタの微分容量cは、電圧に依存しない容量c0と、傾きαで電圧に依存する成分αVcとの和により表される。すなわち、微分容量cは、次式、
c=c0+αVc…(8)
で表される。
この傾きαは定量的であり、予め実験等により求めておいた値を図8として保持しておき、本アルゴリズムの実行時に用いるものとする。
ここで、繰り返し計数m=1とする。
次に、ステップ12では、ステップ11において算出された値を用いて、微分容量cが次式のように定まる。
c=c0old+αVc…(9)
(9)式の微分容量cを用いて、素子放出エネルギUを、次式、
U=∫cVcdVc=c0(Vc12−Vc22)/2+α(Vc13−Vc23)/3…(10)
により算出する。
この素子放出エネルギUの値は、Vc1とVc2との値に基づいて算出される。例えば、n=1の時点では、Vc2=0として求めた値である。
また、端子電圧Vの実測データと定電流Iとから放出エネルギWを、次式、
W=∫VIdt…(11)
により算出する。さらに、算出されたこれら放出エネルギWと素子放出エネルギUとから、内部抵抗Rを、次式、
R=(U−W)/I2t…(12)
により算出する。(12)式により算出されたRを、Roldとする。
なお、このRoldは、まずR=0と仮定して算出した素子放出エネルギUと実測データに基づく放出エネルギWとで発生する差により算出される中間的な値である。
ここで、繰り返し計数n=1とする。
次に、ステップ13では、ステップ12において算出された中間的な値である内部抵抗Roldを用いて、放電終了時点の素子電圧Vc2を、次式、
Vc2=V2+IR old …(13)
このときのVc2は、ステップ12において算出された内部抵抗の値Roldに基づいて算出される、放電終了時の素子電圧の推定値である。
次に、ステップ14では、ステップ13において推定された素子電圧Vc2を用いて、(10)式により、改めて素子放出エネルギUを算出する。
次に、ステップ15では、ステップ12において算出された放出エネルギWとステップ14において算出された素子放出エネルギUとを用いて、(12)式により、改めて内部抵抗Rを求める。
次に、ステップ16では、十分小さな値である収束条件εnを用いて、次式、
|R−Rold|<εn…(14)
を満たすか否かを判定する(第1の判定)。
(14)式を満足しない場合はステップ20に進み、ステップ15において算出された内部抵抗Rの値を新たなRoldとする。また、繰り返し計数nに1を加算する。その後、ステップ13に戻り、ステップ13からステップ16の処理を繰り返す。
このステップ16では、中間的な値であるRoldと、実測データに基づいて算出されるWを用いて修正されたRとの偏差が十分に小さい値であるか(収束したか)を判定する。すなわち、ステップ13からステップ15の処理の繰り返しにより、推定値が実測データによって修正されることとなり、内部抵抗Rの値が収束する。
内部抵抗Rの値が収束し、ステップ16の式を満たした場合は、ステップ116に進む。ステップ116では、ステップ13において算出された素子電圧Vc2を用いて、(7)式により、改めて微分容量の定数項c0を求める。ステップ17に進む。
ステップ11において、(m=1)時点での定数項c0は、Vc2=0と仮定した場合の値である。これに対して、内部抵抗Rの収束に伴って確定するVc2の値を用いて、改めて微分容量の定数項c0を算出する。
ステップ17では、十分小さな値である収束条件εmを用いて、次式、
|c0−c0old|<εm…(15)
を満たすか否かを判定する(第2の判定)。
(15)式を満足しない場合は、ステップ21に進み、本ステップ116で算出された定数項c0の値を新たな定数項c0oldとする。また、繰り返し計数mに1を加算する。その後、ステップ12に戻り、ステップ12からステップ17の処理を繰り返す。
このステップ12からステップ17の処理の繰り返しにより、やがて定数項c0の値が収束する。
微分容量の定数項c0の値が収束し、ステップ17の式を満たした場合は、ステップ117に進む。
ステップ117では、ステップ13において算出されたVc2を用いて、電荷法による静電容量C’を、次式、
C’=It/(Vc1−Vc2)…(16)
によって求める。
すなわち、ステップ10において算出されたC’oldは、端子電圧V1及びV2により求めた値である。これに対して、内部抵抗Rの収束に伴って確定するVc2の値を用いて、改めて電荷法による静電容量C’を算出する。ステップ18に進む。
ステップ18では、十分小さな値である収束条件εkを用いて、次式、
|C’−C’old|<εk…(17)
を満たすか否かを判定する(第3の判定)。
(17)式を満足しない場合は、ステップ22に進み、ステップ117で算出された電荷法による静電容量C’の値を新たなC’oldとする。また、繰り返し計数kに1を加算する。その後、ステップ11に戻り、ステップ11からステップ18の処理を繰り返す。
このステップ11からステップ18の処理の繰り返しにより、電荷法による静電容量C’の値が収束する。
電荷法による静電容量C’の値が収束し、ステップ18の式を満たした場合は、ステップ19に進む。
ステップ19では、以上の処理により収束した値を用いて、EDLCの静電容量Cを、次式、
C=2U/(Vc12−Vc22)…(18)
により算出する。
以上のように、図7に示されるアルゴリズムによって、EDLCの静電容量C及び内部抵抗Rを算出することができる。
特に、第2の実施形態のアルゴリズムでは、前述の第1の実施形態と比較して、内部抵抗Rだけでなく、微分容量の定数項c0、電荷法の静電容量C’を収束させるように演算を行うことで、内部抵抗R及び静電容量Cを、より精度良く求めることが可能となる。
また、放電開始時の端子電圧V1を、端子電流が定電流Iとなった時点とすることにより、放電開始時の測定器の立ち上がり等による測定精度の誤差による影響をうけず、より精度良くEDLCの静電容量C及び内部抵抗Rを測定することができる。
図9は、本実施形態のアルゴリズムにより、EDLCの内部抵抗Rと静電容量Cとを求めた計算結果の一例を示す説明図である。
この図9に示す内容は、前述の図7に示したアルゴリズムにおいて、以下に示す初期値(実測値)を用いた場合の計算結果である。
初期値として、緩和充電時の定電圧E=2.7、放電時の定電流I=10、Δt時点でのV1=2.59、図8により求めた静電容量の傾きα=28.15、定電流放電時間t=32.5、実測値により求めたW=453.6、収束条件εk=0.01とした。
まず、ステップ10の処理により、C’=C’old=125.5、α=28.15が求まる。これを用いて、ステップ11からステップ18の処理を実行する。この結果、まず、k=1時点での計算結果が算出される。
このとき、|C’−C’old|=|126.53−125.5|=0.93>εkとなり、収束条件であるεkを満たさない。そこで、このC’を新たなC’oldとして(ステップ22)、ステップ11からステップ18の処理を繰り返す。
以降、k=2から8となるまで計算が繰り返され、k=8で、|C’−C’old|=|127.37−127.37|=0.00≦εkとなるので、この時点で収束条件を満たす。そこで、このときの値を用いて内部抵抗R及び静電容量Cを算出する。
この結果、内部抵抗R=0.01484[Ω](実効抵抗)、静電容量C=138.09[F](実効容量)が、それぞれ算出される。
なお、図9では、電荷法の静電容量C’が収束しない状態で、R、W0、Cの中間値を算出している。また、アルゴリズム実行中のαとしては、図8から求めたαの値を用いているが、αと乖離エネルギΔW及び内部抵抗Rとの関係を示す次式、
α=12ΔW/(E−IR)3…(19)
により、αの中間値を算出している。なお、図8から求めたαの値は、図9におけるk=8の時のαと一致している。従って、k=8の時点で得られたRの値が定電流放電試験によって求めようとする内部抵抗値になることがわかる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
前述の第2の実施形態では、放電開始後の端子電流が定電流Iに達するまでΔTの時間遅れがある場合、ΔTでの端子電圧実測値を時点T1における端子電圧V1とし、これから得られる電荷法の静電容量を用いて微分容量の定数項c0を求め、これを繰り返しアルゴリズムにおけるc0oldの初期値とし、かつ、素子電圧Vc1=Eとして内部抵抗Rを算出した。
しかしながら、このV1の計測時点T1=Δtにおける素子電圧Vc1は、時刻0からΔtまでの間の放出電荷による電圧降下により、規定電圧Eよりごく僅かながら小さくなっている。また、図7に示したアルゴリズムは、内部抵抗R、微分容量の定数項c0及び電荷法の静電容量C’に関する3重のループ計算を行うため、ステップ数が増え計算に時間がかかっていた。
そこで、第3の実施の形態では、以下に説明する手法により、放電開始時刻を計測時点T1とし、かつ、T1における端子電圧V1を用いず、より効率的にEDLCの特性を計測で
きる性能測定方法を提供する。
なお、第3の実施形態では、図10に示すような計算アルゴリズムを用いることにより、乖離エネルギΔWを含むEDLCの静電容量C及び内部抵抗Rを測定する。なお、ここでは、前述の図3に示す定電流充放電特性の説明図を参照する。
図3に示すように、2時点間(t=T2−T1)にEDLCの端子から放出されるエネルギWは、V2=0の場合、理想分極特性を有するキャパシタの端子から放出されるエネルギW0=It・V1/2と乖離エネルギとから、W=W0+ΔWとなる。また、2時点間(t=T2−T1)に理想分極特性を有するキャパシタの素子から放出されるエネルギU0は、U0=It(Vc1+Vc2)/2=W0+I2Rtであり、2時点間(t=T2−T1)にEDLCの素子から放出されるエネルギはU=W+I2Rtとなることから、乖離エネルギΔWは、ΔW=W−W0=U−U0として、素子放出エネルギにより定義される。
その結果、微分容量c=dq/dVの特性から規定される、素子電圧Vcに依存する成分であるαVcの傾きαと、素子電圧Vcと、前記乖離エネルギΔWとの関係が、ΔW=α(Vc1−Vc2)3/12となり、この関係を満たすように、内部抵抗Rを求める。
まず、ステップ30では、以降の繰り返しアルゴリズムで用いられる各値の初期値を求める。すなわち、規定電圧Eを放電開始時の素子電圧Vc1=Eとし、放電終了時の素子電圧Vc2=0とする。
また、放電開始時から放電終了時(V2=0)までの放電時間tと、端子電圧Vの実測データから、放出エネルギWと、微分容量電圧特性の傾きαと、を求める。
次に、ステップ31では、電荷法による静電容量C’を、ステップ30で求めた素子電圧(Vc1、Vc2)から、次式、
C’=It/(Vc1−Vc2)…(20)
により算出する。
(20)式では、前回求めた素子電圧に基づいて静電容量を算出する。例えば、初期状態(m=1)では、内部抵抗R=0、放電開始時の素子電圧Vc1=E、放電終了時の素子電圧Vc2=0と仮定して、電荷法による静電容量をまず算出する。
次に、算出されたC’を用いて、微分容量の定数項c0を、次式、
c0=C’−α(Vc1+Vc2)/2…(21)
により算出する。
(21)式により算出された微分容量の定数項c0をc0oldとする。
なお、(21)式で用いるαについては、前述の第1及び第2の実施形態と同様に、図式的に求める。
ここで、繰り返し計数m=1とする。
次に、ステップ32では、ステップ31において算出された値を用いて、微分容量cは、次式のように定まる。
c=c0old+αVc…(22)
(22)式の微分容量cを用いて、素子放出エネルギUを、次式、
U=∫cVcdVc=c0(Vc12−Vc22)/2+α(Vc13−Vc23)/3…(23)
により算出する。
この素子放出エネルギUの値は、Vc1とVc2との値に基づいて算出される。例えば、初期状態(n=1)の時点では、Vc2=0として求めた値である。
次に、ステップ30で得られた放出エネルギWと前記素子放出エネルギUとから、内部抵抗Rを、次式、
R=(U−W)/I2t…(24)
により算出する。
(24)式により算出された内部抵抗Rを、Roldとする。
なお、このRoldは、R=0と仮定して算出した素子放出エネルギUと実測データに基づく放出エネルギWとで発生する差により算出される中間的な値である。
ここで、繰り返し計数n=1とする。
ステップ33では、ステップ32において算出された中間的な値である内部抵抗Roldを用いて、放電終了時点の素子電圧Vc2を、次式、
Vc2=V2+IR old …(25)
により算出する。
このVc2は、ステップ32において算出された内部抵抗の値Roldに基づいて算出された放電終了時の素子電圧の推定値である。
次に、ステップ34では、ステップ33において推定された素子電圧Vc2を用いて、(23)式により、改めて素子放出エネルギUを算出する。
次に、ステップ35では、ステップ30において得られた放出エネルギWとステップ34において得られた素子放出エネルギUとを用いて、(24)式を用いて、改めて内部抵抗Rを求める。
次に、ステップ36では、十分小さな値である収束条件εnを用いて、次式、
|R−Rold|<εn…(26)
を満たすか否かを判定する(第4の判定)。
(26)式を満足しない場合はステップ40に進み、ステップ35において算出された内部抵抗Rの値を新たなRoldとする。また、繰り返し計数nに1を加算する。その後、ステップ33に戻り、ステップ33からステップ36の処理を繰り返す。
ステップ36では、中間的な値であるRoldと、実測データに基づいて算出されるWを用いて修正されたRとの偏差が十分に小さい値であるか(収束したか)を判定する。すなわち、ステップ33からステップ35の処理の繰り返しにより、推定値が実測データによって修正されることとなり、内部抵抗Rの値が収束する。
内部抵抗Rの値が収束し、ステップ36の収束判定条件満たした場合は、ステップ37に進む。ステップ37では、ステップ33において算出された素子電圧Vc2を用いて、(20)式により、改めて電荷法の静電容量C’を求め、この電荷法の静電容量C’を用いて(21)式により、改めて微分容量の定数項c0を求める。
すなわち、ステップ31において、(m=1)時点での定数項c0は、Vc2=0と仮定した場合の値である。これに対して、ステップ37では、内部抵抗Rの収束に伴って確定するVc2の値を用いて、電荷法の静電容量C’を求め、改めて微分容量の定数項c0を算出する。ステップ38に進む。
ステップ38では、十分小さな値である収束条件εmを用いて、次式、
|c0−c0old|<εm…(27)
を満たすか否かを判定する(第5の判定)。
(27)式を満足しない場合は、ステップ41に進み、ステップ37において算出された定数項c0の値を新たな定数項c0oldとする。また、繰り返し計数mに1を加算する。その後、ステップ32に戻り、ステップ32からステップ38の処理を繰り返す。
ステップ32からステップ38の処理の繰り返しにより、定数項c0の値が収束する。
微分容量の定数項c0の値が収束し、ステップ38の収束判定条件を満たした場合は、ステップ39に進む。
ステップ39では、以上の処理により収束した値を用いて、EDLCの静電容量Cを、次式、
C=2U/(Vc12−Vc22)…(27)
により算出する。
以上のように、第3の実施形態では、この図10に示されるアルゴリズムによって、EDLCの素子の静電容量C及び内部抵抗Rを算出することができる。
特に、第3の実施形態では、ステップ37において、電荷法の静電容量C’及び微分容量の定数項c0を、同一のステップにより計算した。これにより、アルゴリズム全体のループの数が、前述の第2の実施形態と比較して、3から2とした。
このように構成することによって、アルゴリズムの繰り返しの全ステップ数が減少し、計算に要する時間がより削減される。
また、第3の実施形態では、EDLCの放電開始時の端子電圧(V1)を計算に用いず、キャパシタンス素子電圧のみで評価した。その結果、放電開始時の端子電圧の測定精度と算出結果とが無関係となり、より精度良くEDLCの静電容量C及び内部抵抗Rを測定することができる。
図11は、第3の実施形態のアルゴリズムにより、EDLCの内部抵抗Rと静電容量Cとを求めた計算結果の一例を示す説明図である。
この図11に示す内容は、前述の図10に示したアルゴリズムにおいて、以下に示す値(実測値)を用いた場合の計算結果である。
まずEDLCの緩和充電時の規定電圧E=2.7、放電時の定電流I=10とする。また、εm=0.01、εn=0.0001とする。
まず、ステップ30の処理により、図8により求めた静電容量の傾きα=28.15、定電流放電時間t=32.5、実測値により求めた放電エネルギW=453.6が求まる。これを用いて、ステップ31からステップ38の処理を実行する。この結果、まず、m=1時点での計算結果が算出される。
このとき、|c0−c0old|=|86.58−85.43|=1.15>εmとなり、収束条件であるεmを満たさない。そこで、このc0を新たなc0oldとして(ステップ41)、ステップ32からステップ38の処理を繰り返す。
以降、m=2から8となるまで計算が繰り返され、m=9で、|c0−c0old|=|87.28−87.28|=0.00≦εmとなるので、この時点で収束条件を満たす。そこで、このときの値を用いて内部抵抗R及び静電容量Cを算出する。
この結果、内部抵抗R=0.01484[Ω](実効抵抗)、静電容量C=138.10[F](実効容量)となる。
図11では、微分容量の定数項c0が収束しない状態で、R、W0、Cの中間値を算出している。また、アルゴリズム実行中のαとしては、図8から求めたαの値を用いているが、一方で、(19)式により、繰り返し計数mの各時点におけるαの中間値を算出している。なお、図8から求めたαの値は、図11におけるm=9の時のαと一致している。従って、m=9で得られたRの値が、定電流放電試験によって求めようとする内部抵抗値になることが分かる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4実施形態では、前述の第1〜第3の実施形態の性能測定方法を実現するための性能測定システムに関する。
図12は、本発明の第4の実施形態の性能測定システム10の説明図である。
この性能測定システム10は、充放電試験器100と、キャパシタユニット200とから構成される。
充放電試験器100は、キャパシタユニット200に対して充電及び放電を行う。その際に、キャパシタユニット200の端子電圧V及び端子電流Iを測定する。そして、この測定結果に基づいて、前述のアルゴリズムを用いて、キャパシタユニット200の性能を測定する。
キャパシタユニット200は、複数のキャパシタ素子(ELDC)を直列又は並列に接続して構成される。このキャパシタユニット200は、図12に示すように、静電容量Cと内部抵抗Rとの等価回路により示されている。
この充放電試験器100によるキャパシタユニット200の性能測定方法を説明する。
まず、充放電試験器100は、キャパシタユニット200の端子を短絡した後、一定電流にてキャパシタユニット200を充電する。
次に、端子電圧Vが規定電圧Eに達した場合は、充放電試験器100は、端子電圧Vを規定電圧Eに維持しつつ、端子電流Iが十分小さくなるまで充電(定電圧の緩和充電)行う。
最後に、充放電試験器100は、前記端子電流Iが十分小さくなった時点から、キャパシタユニット200の端子電圧がゼロになるまで定電流Iでの放電を行い、キャパシタユニット200の性能を測定する。
このとき、充放電試験器100は、キャパシタユニット200の端子電圧を、0.01〜0.1秒間隔で測定し、これを記憶しておく。これを、キャパシタユニット200の端子電圧がゼロになるまで継続する。
また、充放電試験器100は、記憶されたデータに基づいて、キャパシタユニット200の性能を算出する。算出方法は、前述の第1〜第3の実施形態のアルゴリズムを用いて、キャパシタユニット200の静電容量C及び内部抵抗Rを算出する。
このように、第4の実施形態の性能測定システム10では、前述の第1〜第3の実施形態に基づくアルゴリズムを用いることによって、キャパシタユニット200に含まれるキャパシタ(ELDC)の等価回路で示される静電容量C及び内部抵抗Rを、精度良く測定することができる。
EDLCのRC等価回路モデル図である。 理想分極性を示す定電流充放電特性の説明図である。 非理想分極性を示す定電流放電特性の説明図である。 測定法の手順を説明するフローチャートである。 微分容量の説明図である。 本発明の第2の実施形態の非理想分極性を示す定電流放電特性の説明図である。 本発明の第2の実施形態の測定法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の微分容量の説明図である。 本発明の第2の実施形態の計算結果の一例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態の測定法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態の計算結果の一例を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態の充放電試験システムの説明図である。
10 電気二重層キャパシタの性能測定システム
100 充放電試験器
200 キャパシタユニット

Claims (8)

  1. 電気二重層キャパシタの性能測定方法において、緩和充電後の定電流放電の端子電圧Vおよび電流Iを計測し、
    T1は放電開始時点に設定され、2時点間(t=T2−T1)に端子から放出されるエネルギWを求め、
    微分容量c=dq/dVの特性から規定される素子電圧Vcに無関係な成分c0および素子電圧Vcに依存する成分αVcのαを求め、
    2時点(T1,T2)に対応する端子電圧V1,V2と素子電圧Vc1,Vc2との関係をVc1=V1+IR,Vc2=V2+IRとし、
    微分容量cを用いてキャパシタンス素子(以下、素子)から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギUを計算し、
    W=U−I2Rtのエネルギ平衡式から2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗R=(U−W)/I2tを計算し、
    2時点間(t=T2−T1)の静電容量C=2(W+I2Rt)/(Vc12−Vc22)を計算し、
    2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗Rの計算値をR old とし、素子電圧Vc=V+IR old を計算し、これを使ってUおよびRを計算し、前回のR old と今回のRとの差|R old −R|が十分に小さい収束条件εに対して|R old −R|<εかどうかを判定し、
    この判定が否定のときは、肯定となるまでの間、2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗Rの計算値をR old とし、素子電圧Vc=V+IR old を計算し、これを用いてUおよびRを計算し、
    前回のR old と今回のRとの差|R old −R|が十分に小さい収束条件εに対して|R old −R|<εかどうかを判定する、というRの推定を繰り返し実行する
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタの性能測定方法。
  2. 電気二重層キャパシタの性能測定方法において、
    緩和充電後の定電流放電の端子電圧Vおよび電流Iを計測し、前記電気二重層キャパシタの端子電流が定電流Iとなった時点から放電が終了する時点までの2時点間(t=T2−T1)に端子から放出されるエネルギW及び電荷Itを求め、
    微分容量c=dq/dVの特性から規定される素子電圧Vcに依存する成分αVcのαを求め、
    前記2時点(T1、T2)に対応する端子電圧V1、V2と素子電圧Vc1、Vc2との関係をVc1=V1+IR、Vc2=V2+IRとし、電荷法(静電容量=電荷/電圧)により2時点間の静電容量C’=It/(V1−V2)を求め、c0=C’−α(Vc1+Vc2)/2から微分容量の素子電圧Vcに無関係な成分c0を求め、
    微分容量c=c0+αVcを用いてキャパシタンス素子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギUを求め、
    W=U−I2Rtのエネルギ平衡式から2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗R=(U−W)/I2tを求め、
    求めた内部抵抗Rの計算値をR old とし、素子電圧Vc=V+IR old を求め、求めた素子電圧Vcを用いてU及びRを新たに求め、前回求めたR old と今回求めたRとの差|R old −R|が十分に小さい収束条件εnに対して|R old −R|<εnかどうかを判定し、この判定が否定のときは、肯定となるまでの間、求めた内部抵抗Rの計算値をR old とし、素子電圧Vc=V+IR old を求め、求めた素子電圧Vcを用いてU及びRを新たに求め、前回求めたR old と今回求めたRとの差|R old −R|が十分に小さい収束条件εnに対して|R old −R|<εnかどうかの第1の判定を繰り返し、
    前記第1の判定が肯定された場合は、前回求めた定数項をc0 old とし、求めた内部抵抗R及び素子電圧Vcを用いて定数項c0を新たに求め、前回のc0 old と今回のc0との差|c0 old −c0|が、十分に小さい収束条件εmに対して|c0 old −c0|<εmかどうかを判定し、この判定が否定のときは、肯定となるまでの間、求めた定数項をc0 old とし、求めた内部抵抗R及び素子電圧Vcを用いて定数項c0を新たに求め、前回のc0 old と今回のc0との差|c0 old −c0|が、十分に小さい収束条件εmに対して|c0 old −c0|<εmかどうかの第2の判定を繰り返し、
    前記第2の判定が肯定された場合は、前回求めた電荷法による静電容量をC’ old とし、求めた内部抵抗R及び素子電圧Vcを用いて電荷法による静電容量C’を求め、前回のC’ old と今回のC’との差|C’ old −C’|が、十分に小さい収束条件εkに対して|C’ old −C’|<εkかどうかを判定し、この判定が否定のときは、肯定となるまでの間、求めた定数項をC’ old とし、求めた内部抵抗R及び素子電圧Vcを用いて電荷法による静電容量C’を求め、前回のC’ old と今回のC’との差|C’ old −C’|が、十分に小さい収束条件εkに対して|C’ old −C’|<εkかどうかの第3の判定を繰り返し、
    前記第3の判定が肯定された場合に、2時点間(t=T2−T1)の静電容量C=2(W+I 2 Rt)/(Vc1 2 −Vc2 2 )を計算する
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタの性能測定方法。
  3. 前記電気二重層キャパシタの放電時に計測された端子からの放出エネルギWと、前記電気二重層キャパシタの放電時の素子からの放出エネルギUと、理想分極特性を有するキャパシタの端子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギW0=It(V1+V2)/2と、同じく理想分極特性を有するキャパシタの素子から放出されるエネルギU0=It(Vc1+Vc2)/2と、から、W−W0またはU−U0、として求まる、曲線的放電特性を有する非理想分極性電気二重層キャパシタと直線的放電特性を有する理想分極性キャパシタとの間に生じる放電時の乖離エネルギΔWをΔW=W−W0=U−U0と定義し、
    微分容量c=dq/dV=c0+αVcの特性と、放出エネルギU=∫cVcdVc=c0(Vc1 2 −Vc2 2 )/2+α(Vc1 3 −Vc2 3 )/3と、放出電荷It=∫cdVc=c0(Vc1−Vc2)+α(Vc1 2 −Vc2 2 )/2と、素子放出エネルギU0=It(Vc1+Vc2)/2と、の関係から、α=12ΔW/(Vc1−Vc2) 3 を求め、
    前記第1から第3の判定が肯定された場合、求めた内部抵抗Rから求まる素子電圧Vcと乖離エネルギΔWとにより、
    α=12ΔW/(Vc1−Vc2)3と評価されるαの値が、微分容量c=dq/dVの特性から規定される素子電圧の依存成分αVcのαと一致し、これにより、求めた内部抵抗Rが、測定すべき2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗となることを特徴とする請求項2に記載の電気二重層キャパシタの性能測定法。
  4. 電気二重層キャパシタの性能測定において、
    緩和充電後の定電流放電において、放電開始から終了までの2時点間(t=T2−T1)に端子から放出されるエネルギWおよび電荷Q=Itを求め、
    微分容量c=dq/dVの特性から規定される素子電圧に依存する成分αVcのαを求め、
    時点T2での端子電圧V2を求め、
    2時点(T1、T2)に対応する素子電圧を、Vc1=Eとし、Vc2=V2+IR=0と仮定し、電荷法による静電容量C’=It/(Vc1−Vc2)を求め、
    素子電圧に無関係な成分c0=C’−α(Vc1+Vc2)/2を求め、これをc0oldとし、
    微分容量c=c0old+αVcを用いて、2時点間(t=T2−T1)に素子から放出されるエネルギUを求め、
    W=U−I2Rtのエネルギ平衡式から、2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗として内部抵抗R=(U−W)/I2tを求め、
    求めた内部抵抗Rの計算値をR old とし、素子電圧Vc2=V2+IR old を求め、求めたVc2を用いて素子放出エネルギU及び内部抵抗Rを新たに求め、前回求めたR old と今回求めたRとの差|R−R old |が十分小さい収束条件εnに対して、|R−R old |<εnかどうかの第4の判定を繰り返し、
    前記第4の判定が肯定された場合は、前回求めた内部抵抗Rを用いて電荷法の静電容量C’=It/(Vc1−Vc2)を新たに求め、求めた静電容量C’を用いて、定数項c0=C’−α(Vc1+Vc2)/2を新たに求め、前回求めたc0 old と今回求めたc0との差|c0−c0 old |が十分に小さい収束条件εmに対して、|c0−c0 old |<εmかどうかの第5の判定をし、この判定が否定のときは、肯定となるまでの間求めた定数項c0をc0 old とし、この値に基づいて求めた内部抵抗Rを用いて電荷法の静電容量C’=It/(Vc1−Vc2)を新たに求め、求めた静電容量C’を用いて、定数項c0=C’−α(Vc1+Vc2)/2を新たに求め、前回求めたc0 old と今回求めたc0との差|c0−c0 old |が十分に小さい収束条件εmに対して、|c0−c0 old |<εmかどうかの第5の判定を繰り返し、
    前記第5の判定が肯定された場合に、2時点間(t=T2−T1)の静電容量C=2(W+I 2 Rt)/(Vc1 2 −Vc2 2 )を計算する
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタの性能測定法。
  5. 前記電気二重層キャパシタの放電時に計測された端子からの放出エネルギWと、前記電気二重層キャパシタの放電時の素子からの放出エネルギUと、理想分極特性を有するキャパシタの端子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギW0=It(V1+V2)/2と、同じく理想分極特性を有するキャパシタの素子から放出されるエネルギU0=It(Vc1+Vc2)/2と、から、W−W0またはU−U0、として求まる、曲線的放電特性を有する非理想分極性電気二重層キャパシタと直線的放電特性を有する理想分極性キャパシタとの間に生じる放電時の乖離エネルギΔWをΔW=W−W0=U−U0と定義し、
    微分容量c=dq/dV=c0+αVcの特性と、放出エネルギU=∫cVcdVc=c0(Vc1 2 −Vc2 2 )/2+α(Vc1 3 −Vc2 3 )/3と、放出電荷It=∫cdVc=c0(Vc1−Vc2)+α(Vc1 2 −Vc2 2 )/2と、素子放出エネルギU0=It(Vc1+Vc2)/2と、の関係から、α=12ΔW/(Vc1−Vc2) 3 を求め、
    前記第4及び5判定が肯定された場合、求めた内部抵抗Rから求まる素子電圧Vcと乖離エネルギΔWとにより、α=12ΔW/(Vc1−Vc2)3と評価されるαの値が、微分容量c=dq/dVの特性から規定される素子電圧の依存成分αVcのαと一致し、これにより、求めた内部抵抗Rが、測定すべき2時点間(t=T2−T1)の実効抵抗となることを特徴とする請求項4に記載の電気二重層キャパシタの性能測定法。
  6. T1は放電開始時点に設定されることを特徴とする請求項4又は5に記載の電気二重層キャパシタの性能測定方法。
  7. 微分容量を用いてキャパシタンス素子から2時点間(t=T2−T1)に放出されるエネルギUは、U=∫c・VcdVc=c0(Vc12−Vc22)/2+α(Vc13−Vc23)/3
    と定義されることを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の電気二重層キャパシタの性能測定方法。
  8. 充放電試験器と、電気二重層キャパシタを含むキャパシタユニットと、により構成され、
    前記充放電試験器は、前記請求項1から7のいずれか一つに記載の電気二重層キャパシタの性能測定方法を実行することを特徴とする電気二重層キャパシタの性能測定システム。
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